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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139701
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】非接触給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/10 20160101AFI20220915BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H02J50/10
H02J7/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040200
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000194918
【氏名又は名称】ホシデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 英次
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】送電デバイスと受電デバイスとを備えた非接触給電装置を提供する。
【解決手段】非接触給電装置1は、受電デバイス3が、樹脂材料を用いて棒状に形成され収容部20に挿入可能な本体部31と、本体部31に収容され、磁性材料からなる柱状体の第1柱状部35、及び、磁性材料を用いて形成され第1柱状部35の延出方向両端部から本体部31の外方に向けて突出する第1突出部36を有する第1コア32と、第1コア32に巻き回される受電コイル33と、を備え、送電デバイス2は、収容部20の側方に設けられ、磁性材料からなる柱状体の第2柱状部25、及び、磁性材料を用いて形成され第2柱状部25の延出方向両端部から収容部20の軸心側に向かって突出する第2突出部26を有する第2コア21と、第2コア21に巻き回される送電コイル22と、第2コア21を収容部20の軸心側に向かって付勢する付勢部23と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電する非接触給電装置であって、
前記受電デバイスは、
樹脂材料を用いて棒状に形成され前記収容部に挿入可能な本体部と、
前記本体部に収容され、磁性材料を用いて形成される柱状体の第1柱状部、及び、前記磁性材料を用いて形成され前記第1柱状部の延出方向両端部から前記本体部の外方に向けて突出する一対の第1突出部を有する第1コアと、
前記第1コアに巻き回される受電コイルと、を備え、
前記送電デバイスは、
前記収容部の側方に設けられ、前記磁性材料を用いて形成される柱状体の第2柱状部、及び、前記磁性材料を用いて形成され前記第2柱状部の延出方向両端部から前記収容部の軸心側に向かって突出する一対の第2突出部を有する第2コアと、
前記第2コアに巻き回される送電コイルと、
前記第2コアを前記収容部の軸心側に向かって付勢する付勢部と、を備え、
前記本体部は、前記一対の第1突出部の突出方向外側部に、前記本体部の外周面よりも凹んだ一対の切欠部を有し、
前記収容部に前記本体部が収容された場合に、前記付勢部により付勢された前記第2コアの前記第2突出部が、前記切欠部に進入して、前記一対の第1突出部の夫々の端面と、前記一対の第2突出部の夫々の端面とが互いに対向するように構成されている非接触給電装置。
【請求項2】
前記送電デバイスに対する前記受電デバイスの位置決めが、
前記一対の切欠部の夫々に対する前記一対の第2突出部の進入、及び、前記第2コアにおける一対の前記第2突出部の間の第2コア側凹部分に対する前記本体部における前記一対の切欠部の間の本体部側凸部分の進入により行われる請求項1に記載の非接触給電装置。
【請求項3】
前記一対の第1突出部の夫々の端面及び前記一対の第2突出部の夫々の端面が露出している請求項1又は2に記載の非接触給電装置。
【請求項4】
前記第2コアは、前記第2柱状部の延出方向が前記収容部の軸心方向と一致するように設けられ、
前記送電デバイスには、前記第2コアにおける前記収容部に対する前記本体部の挿入方向の奥側及び当該挿入方向の手前側に前記付勢部による前記第2コアの出退を案内する案内部が設けられている請求項1から3のいずれか一項に記載の非接触給電装置。
【請求項5】
前記挿入方向の奥側の前記案内部と前記挿入方向の手前側の前記案内部の間隔は、前記本体部における一対の前記切欠部の挿入方向両端部の間隔よりも広く構成されている請求項4に記載の非接触給電装置。
【請求項6】
前記第2突出部の端面は、面取り部を有する請求項4又は5に記載の非接触給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電する非接触給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、送電コイルと受電コイルとを用いて非接触で給電する非接触給電装置が利用されてきた。このような非接触給電装置に関する技術として、例えば下記に出典を示す特許文献1及び2に記載のものがある。
【0003】
特許文献1には、ホストデバイスからアクセサリデバイスへの非接触給電について記載されている。ホストデバイス及びアクセサリデバイスの夫々には強磁性体構造(強磁性体)に巻かれたコイルが設けられる。非接触給電を行う際、アクセサリデバイスはホストデバイスに接して配置される。この時、アクセサリデバイスの強磁性体の一対のインターフェース面が、ホストデバイスの強磁性体の一対のインターフェース面と面するように配置される。アクセサリデバイスの軸方向に直交する断面をD形状にすることで、ホストデバイスに対するアクセサリデバイスの周方向の位置決めを行っている。ホストデバイスに対するアクセサリデバイスの周方向に沿った位置ずれについては、送信素子の水平方向の幅よりも受信素子の水平方向の幅を大きくすることにより許容し、互いの一対のインターフェース面が面するように構成している。
【0004】
特許文献2には、非接触式伝送装置について記載されている。非接触伝送を行う際には、送電側装置の凹型領域と、受電側装置の凸型領域とを嵌合させることで、送電側装置のコイルのコアの端面と、受電側装置のコイルのコアの端面とが対向するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-68726号公報
【特許文献2】特開2017-46578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1及び2に記載の送電コイル及び受電コイルは、柱状体の柱状部と当該柱状部の延出方向両端部から延出方向に直交する方向に突出する突出部とからなるコアが用いられている。非接触給電を行う場合には、受電コイルが上記直交する方向から送電コイルに近づけられることにより給電姿勢をとる。しかしながら、例えば、非接触給電装置によっては、受電コイルが上記延出方向に沿って給電姿勢をとる、すなわち、送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電する場合があるが、特許文献1及び2ではこのような給電姿勢は想定されておらず改良の余地がある。
【0007】
そこで、送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電することが可能な非接触給電装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る非接触給電装置の特徴構成は、送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電する非接触給電装置であって、前記受電デバイスは、樹脂材料を用いて棒状に形成され前記収容部に挿入可能な本体部と、前記本体部に収容され、磁性材料を用いて形成される柱状体の第1柱状部、及び、前記磁性材料を用いて形成され前記第1柱状部の延出方向両端部から前記本体部の外方に向けて突出する一対の第1突出部を有する第1コアと、前記第1コアに巻き回される受電コイルと、を備え、前記送電デバイスは、前記収容部の側方に設けられ、前記磁性材料を用いて形成される柱状体の第2柱状部、及び、前記磁性材料を用いて形成され前記第2柱状部の延出方向両端部から前記収容部の軸心側に向かって突出する一対の第2突出部を有する第2コアと、前記第2コアに巻き回される送電コイルと、前記第2コアを前記収容部の軸心側に向かって付勢する付勢部と、を備え、前記本体部は、前記一対の第1突出部の突出方向外側部に、前記本体部の外周面よりも凹んだ一対の切欠部を有し、前記収容部に前記本体部が収容された場合に、前記付勢部により付勢された前記第2コアの前記第2突出部が、前記切欠部に進入して、前記一対の第1突出部の夫々の端面と、前記一対の第2突出部の夫々の端面とが互いに対向するように構成されている点にある。
【0009】
このような特徴構成とすれば、付勢部の付勢力で第2コアを第1コアに近接させることにより、第1コアと第2コアとの間における磁気抵抗を低減することができるので、給電効率を高めることが可能となる。また、本体部を収容部に収容した際に、第2コアが切欠部に進入することで第1コアと第2コアとの位置関係を適切に設定することが可能となる。したがって、本非接触給電装置によれば、送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電することが可能となる。
【0010】
また、前記送電デバイスに対する前記受電デバイスの位置決めが、前記一対の切欠部の夫々に対する前記一対の第2突出部の進入、及び、前記第2コアにおける一対の前記第2突出部の間の第2コア側凹部分に対する前記本体部における前記一対の切欠部の間の本体部側凸部分の進入により行われると好適である。
【0011】
このような構成とすれば、第1コアと第2コアとの位置決めをより精度良く行うことが可能となる。
【0012】
また、前記一対の第1突出部の夫々の端面及び前記一対の第2突出部の夫々の端面が露出していると好適である。
【0013】
このような構成とすれば、第1コアと第2コアとの双方の端面同士が露出した状態で近接することにより当該端面同士の磁気抵抗を低減しつつ、閉磁路を構成することができる。したがって、より給電効率を高めることが可能となる。
【0014】
また、前記第2コアは、前記第2柱状部の延出方向が前記収容部の軸心方向と一致するように設けられ、前記送電デバイスには、前記第2コアにおける前記収容部に対する前記本体部の挿入方向の奥側及び当該挿入方向の手前側に前記付勢部による前記第2コアの出退を案内する案内部が設けられていると好適である。
【0015】
このような構成とすれば、第2コアが案内される方向を規制することができると共に、送電デバイス側にあっては第2コアの端面以外は露出させないようにすることができるため、第1コア側から見て第2コアの付勢方向奥側への異物の混入を防止することができる。したがって、送電コイルの損傷を防止することが可能となる。
【0016】
また、前記挿入方向の奥側の前記案内部と前記挿入方向の手前側の前記案内部の間隔は、前記本体部における一対の前記切欠部の挿入方向両端部の間隔よりも広く構成されていると好適である。
【0017】
このような構成とすれば、収容部の軸心側に向かって付勢される第2コアを、切欠部に対する第2突出部の出退時に収容部の軸心方向に対して傾斜させることができる。したがって、収容部に対する本体部の進入及び退出を行い易くすることが可能となる。
【0018】
また、前記第2突出部の端面は、面取り部を有すると好適である。
【0019】
このような構成とすれば、収容部に対する本体部の進入及び退出を更に行い易くすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】非接触給電装置が設けられる携帯端末を示す図である。
図2】非接触給電装置の模式図である。
図3】その他の実施形態に係る非接触給電装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る非接触給電装置は、送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電することができるように構成されている。以下、本実施形態の非接触給電装置1について説明する。
【0022】
非接触給電装置1は、図1に示されるように、携帯端末(例えばタブレットPC)10の操作デバイス(例えば操作用タッチペン)11に設けられるバッテリ12の充電に利用される。非接触給電装置1は、電力を供給する送電デバイス2と当該送電デバイス2からの電力を受ける受電デバイス3とを有する。送電デバイス2は孔状の収容部20を有する。本実施形態では、収容部20は、携帯端末10の筐体に設けられる。受電デバイス3は、この収容部20に挿入可能な操作デバイス11に内蔵される。受電デバイス3は、操作デバイス11の軸方向を挿入方向として収容部20に挿入され、挿入された状態で送電デバイス2から非接触で給電される。
【0023】
図2には、非接触給電装置1の模式図が示される。特に図2の(a)には、収容部20に操作デバイス11を挿入する途中段階の状態の図が示され、図2の(b)には、収容部20への操作デバイス11の挿入が完了した状態の図が示される。受電デバイス3は、本体部31と第1コア32と受電コイル33とを備え、送電デバイス2は、第2コア21と送電コイル22と付勢部23とを備える。
【0024】
本体部31は、樹脂材料を用いて棒状に形成される。具体的には、本体部31は操作デバイス11の外形を構成し、携帯端末10の利用者が持つようなペン形状で形成される。図2の例では、本体部31は、先細り形状の柱状体からなる。本体部31は、延出方向に沿って収容部20に挿入可能に構成される。延出方向とは、柱状体からなる本体部31の軸心と同じ方向である。本体部31の形状は収容部20に挿入できるように収容部20の内壁形状に応じて構成される。なお、本実施形態では上記のように本体部31は先細り形状の柱状体からなるが、先細り形状でなくても良い。
【0025】
第1コア32は、第1柱状部35と第1突出部36とを有する。第1柱状部35は本体部31に収容され、磁性材料を用いて、柱状体で構成される。本実施形態では、第1柱状部35は、第1柱状部35の延出方向と本体部31の延出方向とが平行な状態で本体部31に収容される。磁性材料とは、例えば鉄、パーマロイ、フェライト等のように磁力を保持する性質を有する材料である。第1柱状部35は円柱状であっても良いし、角柱状であっても良い。第1突出部36も磁性材料を用いて形成される。第1突出部36は、第1柱状部35の延出方向両端部から本体部31の外方に向けて突出するように構成される。第1柱状部35の延出方向両端部とは、柱状体からなる第1柱状部35の一方の端部35A及び他方の端部35Bである。本体部31の外方に向けて突出するとは、本体部31の軸心側から外面側に向けて突出することを意味する。本実施形態では、送電デバイス2は本体部31から見て本体部31の延出方向の直交する側に位置する。また、本実施形態では、第1柱状部35の延出方向と本体部31の延出方向とは一致する。したがって、第1突出部36は、本体部31の延出方向に沿って収容部20に挿入された状態において、柱状体からなる第1柱状部35の一方の端部35A及び他方の端部35Bから、本体部31から見て本体部31の延出方向に直交する送電デバイス2側に突出して構成される。このため、第1突出部36は、第1柱状部35の一方の端部35Aから突出する第1突出部36Aと、第1柱状部35の他方の端部35Bから突出する第1突出部36Bとの一対からなる。第1柱状部35と第1突出部36とは一体で構成すると好適である。第1コア32は、図2に示されるように側面視が横向きのU字状に形成される。
【0026】
受電コイル33は、導体からなる線材を第1コア32に巻き回して構成される。本実施形態では、受電コイル33は第1柱状部35に巻き回して構成される。受電コイル33の両端部は、図示しない充電制御ユニットに接続される。この受電コイル33に流れる電流に応じて蓄電制御ユニットがバッテリ12の充電に適した電流に変換し、バッテリ12が充電される。上述したように、第1コア32は本体部31に収容されるが、第1コア32に巻き回される受電コイル33も本体部31に収容される。なお、受電コイル33は、第1柱状部35から第1突出部36に亘って巻き回されるように構成されていても良い。
【0027】
本体部31は、一対の第1突出部36の突出方向外側部に、当該本体部31の外周面よりも凹んだ一対の切欠部37を有する。一対の第1突出部36の突出方向外側部とは、本体部31における、第1突出部36Aと第1突出部36Bとが送電デバイス2側に突出する側の部分である。本体部31の外周面とは、本体部31の外周面のうち、一対の第1突出部36の外方の面以外の面が相当し、より具体的には、本体部31における第1柱状部35の送電デバイス2側の外周面が相当する。したがって、本体部31は、本体部31における、第1突出部36Aと第1突出部36Bとが送電デバイス2側に突出する側の部分に、本体部31における第1柱状部35の送電デバイス2側の外周面よりも凹んだ一対の切欠部37を有する。本実施形態では、一対の第1突出部36の夫々の端面が、切欠部37の底面として本体部31から露出しているように構成される。すなわち、本体部31は、第1突出部36Aと第1突出部36Bとが突出する送電デバイス2側に開口している状態で構成される。
【0028】
送電デバイス2は、第2コア21と送電コイル22と付勢部23とを備える。第2コア21は、第2柱状部25と第2突出部26とを有する。第2柱状部25は収容部20の側方に設けられ、磁性材料を用いて形成される。本実施形態では、第2柱状部25は、第2柱状部25の延出方向と収容部20に挿入される本体部31の挿入方向とが平行な状態で設けられる。したがって、第2柱状部25は、本体部31の挿入方向に直交する側に設けられる。磁性材料とは、例えば鉄、パーマロイ、フェライト等のように磁力を保持する性質を有する材料である。第2柱状部25は円柱状であっても良いし、角柱状であっても良い。第2突出部26も磁性材料を用いて形成される。第2突出部26は、第2柱状部25の延出方向両端部から収容部20の軸心側に向かって突出するように構成される。第2柱状部25の延出方向両端部とは、柱状体からなる第2柱状部25の一方の端部25A及び他方の端部25Bである。収容部20の軸心側に向かって突出するとは、第2柱状部25の軸心側から収容部20側に向けて収容部20の内周面よりも軸心側に突出することを意味する。本実施形態では、第2突出部26は、柱状体からなる第2柱状部25の一方の端部25A及び他方の端部25Bから、第1コア32側に突出して構成される。このため、第2突出部26は、第2柱状部25の一方の端部25Aから突出する第2突出部26Aと、第2柱状部25の他方の端部25Bから突出する第2突出部26Bとの一対からなる。第2柱状部25と第2突出部26とは一体で構成すると好適である。第2コア21は、図2に示されるように側面視が横向きのU字状に形成される。また、本実施形態では、一対の第2突出部26の夫々の端面は収容部20の内周面から露出しているように構成される。
【0029】
送電コイル22は、導体からなる線材を第2コア21に巻き回して構成される。本実施形態では、送電コイル22は第2柱状部25に巻き回して構成される。送電コイル22の両端部は、図示しない通電制御ユニットに接続される。なお、送電コイル22は、第2柱状部25から第2突出部26に亘って巻き回されるように構成されていても良い。
【0030】
付勢部23は、第2コア21を収容部20の軸心側に向かって付勢する。第2コア21を収容部20の軸心側に向かって付勢するとは、収容部20に受電デバイス3が挿入されている状態において、当該受電デバイス3に第2コア21を押し当てるように付勢することを意味する。付勢部23は、例えばバネを用いて構成することが可能である。これにより、収容部20に受電デバイス3が挿入されている状態において、付勢部23が第2コア21を第1コア32側に付勢することが可能となる。
【0031】
収容部20に本体部31が収容された場合に、付勢部23により付勢された第2コア21の第2突出部26が、切欠部37に進入して、一対の第1突出部36の夫々の端面と、一対の第2突出部26の夫々の端面とが互いに対向するように構成されている。すなわち、一対の切欠部37の夫々は、一対の第2突出部26の夫々の形状に応じて構成され、図2の(b)に示されるように、収容部20に本体部31が収容された状態において、付勢部23により第2コア21が付勢された場合に、一対の第2突出部26の夫々が一対の切欠部37に進入するように構成される。また、一対の第2突出部26側から見て、一対の切欠部37の夫々の奥側(本体部31の軸心側)には、一対の第1突出部36の夫々が位置している。これにより、一対の第2突出部26の夫々が一対の切欠部37に進入した時は、一対の第2突出部26の夫々の端面が、一対の第1突出部36の夫々の端面と対向することになる。なお、「一対の第2突出部26の夫々の端面が、一対の第1突出部36の夫々の端面と対向する」とは、一対の第2突出部26の夫々の端面と一対の第1突出部36の夫々の端面とが、当接する状態と、当接していなくても給電可能な距離に近接している状態との両方の状態を包含している。
【0032】
ここで、収容部20に受電デバイス3が挿入された際に、一対の第2突出部26の夫々の端面が一対の第1突出部36の夫々の端面と対向すると、第2コア21と第1コア32との間の磁気抵抗を低減することができ、送電デバイス2から受電デバイス3への送電効率(給電効率)を向上することができる。
【0033】
そこで、本実施形態では、収容部20に受電デバイス3が挿入する際に、送電デバイス2に対する受電デバイス3の位置決めを行うことができるように構成されている。この位置決めは、一対の切欠部37の夫々に対する一対の第2突出部26の進入、及び、第2コア21における一対の第2突出部26の間の第2コア側凹部分27に対する本体部31における一対の切欠部37の間の本体部側凸部分38の進入により行われる。一対の切欠部37の夫々に対する一対の第2突出部26の進入とは、本体部31の進入方向手前側の切欠部37Aに第2突出部26Aが進入し、本体部31の進入方向奥側の切欠部37Bに第2突出部26Bが進入することをいう。また、第2コア21における一対の第2突出部26の間の第2コア側凹部分27とは、第2突出部26A、第2柱状部25、及び第2突出部26Bで囲まれた部分をいう。本体部31における一対の切欠部37の間の本体部側凸部分38とは、本体部31のうち、第1柱状部35における送電デバイス2側に第1突出部36が設けられていない部分の送電デバイス2側の部位である。この本体部側凸部分38の本体部31の挿入方向に沿う長さを、第2コア側凹部分27の本体部31の挿入方向に沿う長さに応じて設定することで、本体部31を収容部20の挿入した場合に、切欠部37Aに第2突出部26Aが進入し、本体部31の進入方向奥側の切欠部37Bに第2突出部26Bが進入すると同時に、第2コア側凹部分27に本体部側凸部分38が進入する。これにより、送電デバイス2に対する受電デバイス3の位置決めを適切に行うことができ、一対の第2突出部26の夫々の端面と一対の第1突出部36の夫々の端面とを互いに対向させることが可能となる。なお、本体部側凸部分38のうち切欠部37を構成する部分は、第2コア側凹部分27の進入する側に向かって細くなる凸部側面取り部39を有しているので、操作デバイス11を収容部20に挿抜する際に、第2コア21の第2突出部26が付勢部23の付勢力に抗して切欠部37からスムーズに引退する。
【0034】
本実施形態では、第2コア21は、第2柱状部25の延出方向が収容部20の軸心方向と一致するように設けられる。また、第1コア32の第1柱状部35の延出方向も収容部20の軸心方向と一致するように設けられる。したがって、第2柱状部25の延出方向と第1柱状部35の延出方向とは互いに平行な状態で設けられる。
【0035】
送電デバイス2には、第2コア21における収容部20に対する本体部31の挿入方向の奥側及び当該挿入方向の手前側に付勢部23による第2コア21の出退を案内する案内部41が設けられる。したがって、第2コア21が付勢部23の付勢に応じて出退する場合には、第2突出部26Aにおける本体部31の進入方向に沿った進入方向手前側を向く面29Aが案内部41Aに当接して摺動し、第2突出部26Bにおける本体部31の進入方向に沿った進入方向奥側を向く面29Bが案内部41Bに当接して摺動する。これにより、第2コア21における本体部31の進入方向に沿った移動を収容部20の軸心に対して垂直な方向に規制することができると共に、第2コア21しか露出しないため送電デバイス2に対する異物の混入を防止できる。
【0036】
〔その他の実施形態〕
上記実施形態では、第2コア21における収容部20に対する本体部31の挿入方向の奥側及び当該挿入方向の手前側に付勢部23による第2コア21の出退を案内する案内部41が設けられ、第2コア21が付勢部23の付勢に応じて出退する場合には、第2突出部26Aにおける本体部31の進入方向に沿った進入方向手前側を向く面29Aが案内部41Aに当接して摺動し、第2突出部26Bにおける本体部31の進入方向に沿った進入方向奥側を向く面29Bが案内部41Bに当接して摺動するとして説明した。しかしながら、上記実施形態以外に、例えば図3に示されるように、挿入方向の奥側の案内部41Bと挿入方向の手前側の案内部41Aの間隔は、本体部31における一対の切欠部37の挿入方向両端部の間隔よりも広く構成することも可能である。また、この場合には図3に示されるように、第2突出部26の端面は、面取り部50を有すると良い。これにより、付勢部23による第2コア21の出退時に、第2突出部26が切欠部37へ進入や引退をし易くできる。
【0037】
上記実施形態では、送電デバイス2に対する受電デバイス3の位置決めが、一対の切欠部37の夫々に対する一対の第2突出部26の進入、及び、第2コア21における一対の第2突出部26の間の第2コア側凹部分27に対する本体部31における一対の切欠部37の間の本体部側凸部分38の進入により行われるとして説明したが、送電デバイス2に対する受電デバイス3の位置決めが一対の切欠部37の夫々に対する一対の第2突出部26の進入、及び、第2コア21における一対の第2突出部26の間の第2コア側凹部分27に対する本体部31における一対の切欠部37の間の本体部側凸部分38の進入の少なくとも何れか一方でも良いし、双方で行わなくても良い。
【0038】
上記実施形態では、一対の第1突出部36の夫々の端面及び一対の第2突出部26の夫々の端面が露出しているとして説明したが、一対の第1突出部36の夫々の端面及び一対の第2突出部26の夫々の端面は例えば非磁性材料で覆われていても良いし、磁性材料で覆われていても良い。
【0039】
上記実施形態では、第2コア21における一対の第2突出部26の間の第2コア側凹部分27に、本体部31における一対の切欠部37の間の本体部側凸部分38が進入するとして説明したが、本体部側凸部分38の送電デバイス2側に、第2柱状部25の延出方向に沿って延出する壁部を設けることも可能である。この壁部の第2柱状部25の延出方向に沿う長さは、第2コア側凹部分27の軸方向に沿う長さに応じて設定し、第2コア21が一対の第2突出部26のみ露出するように構成すると良い。これにより、第2コア21の付勢部23の付勢力による出退方向の奥側(付勢部23側)への異物の混入を抑制することが可能となる。なお、この場合においても、第2突出部26の収容部20内への突出量を大きくすれば、第2コア側凹部分27と本体部側凸部分38との位置決めを行うことが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、送電デバイスが有する孔状の収容部に、受電デバイスが挿入された状態で、非接触で給電する非接触給電装置に用いることが可能である。
【符号の説明】
【0041】
1:非接触給電装置
2:送電デバイス
3:受電デバイス
20:収容部
21:第2コア
22:送電コイル
23:付勢部
25:第2柱状部
26:第2突出部
27:第2コア側凹部分
31:本体部
32:第1コア
33:受電コイル
35:第1柱状部
36:第1突出部
37:切欠部
41:案内部
50:面取り部
図1
図2
図3