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特開2022-139715情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139715
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、制御方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040219
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520001073
【氏名又は名称】パイオニアスマートセンシングイノベーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】竹村 到
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AC02
5J084AC03
5J084AC07
5J084AD01
5J084BA03
5J084BA40
5J084BA50
5J084CA03
5J084CA32
(57)【要約】
【課題】アップロードする計測データのデータ量の削減を好適に実行することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置1のコントローラ13は、光による計測を行うライダ3により計測点毎に推定される背景光量に基づき、計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定する。そして、コントローラ13は、決定した割当ビット数に基づき、計測点データを計測点毎に生成し、当該計測点データをデータ収集装置4に送信する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定する決定手段と、
前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成する生成手段と、
前記計測点データをデータ収集装置に送信する送信手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記決定手段は、前記背景光量に基づき、前記計測点データに含まれる、前記光の被照射物への距離に関する距離情報に割り当てる割当ビット数を決定する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記決定手段は、前記背景光量が大きいほど、前記距離情報に割り当てる割当ビット数を小さくする、請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記背景光量に基づき、前記計測点データに含まれる、前記光の反射強度に関する反射強度情報に割り当てる割当ビット数を決定する、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記反射強度情報は、前記光の被照射物の反射率を表す情報である、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記背景光量が大きいほど、前記反射強度情報に割り当てる割当ビット数を小さくする、請求項4または5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記計測点毎の前記光の戻り光のピーク以外での前記計測装置の受光量に基づき、前記背景光量を推定する、請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記計測装置は、屋外又は屋内において固定設置される、又は、移動体に設けられる、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する制御方法であって、
光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定し、
前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成し、
前記計測点データをデータ収集装置に送信する、
制御方法。
【請求項10】
光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定し、
前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成し、
前記計測点データをデータ収集装置に送信する処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、計測したデータの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検出空間にレーザ光のパルスを照射し、その反射光のレベルに基づいて、被検出空間内の対象物を検出するレーザレーダ装置が知られている。例えば、特許文献1には、繰り返し出射される光パルスの出射方向(走査方向)を適切に制御することにより周辺空間を走査し、その戻り光を観測することにより、周辺に存在する物体に関する情報である距離、反射率などの情報を表す点群データを生成するライダが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-009831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ライダなどの計測装置が所定の走査周期に従い生成する点群データをアップロードしてサーバ装置により収集管理する場合には、生成される点群データの容量が大きいため、通信負荷やサーバ装置の処理負荷等が過大となることが問題となる。従って、送信するデータについて、必要な情報量の低下を抑制しつつ、全体のデータ容量を削減する必要がある。
【0005】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、アップロードする計測データのデータ量の削減を好適に実行することが可能な情報処理装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項に記載の発明は、
光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定する決定手段と、
前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成する生成手段と、
前記計測点データをデータ収集装置に送信する送信手段と、
を有する情報処理装置である。
【0007】
また、請求項に記載の発明は、
コンピュータが実行する制御方法であって、
光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定し、
前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成し、
前記計測点データをデータ収集装置に送信する、
制御方法である。
【0008】
また、請求項に記載の発明は、
光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定し、
前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成し、
前記計測点データをデータ収集装置に送信する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】データ収集システムの概略構成図である。
図2】情報処理装置のブロック構成図である。
図3】計測点データのデータ構造の一例である。
図4】反射強度に基づき距離情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。
図5】反射強度に基づき反射強度情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。
図6】反射強度に基づき反射強度情報及び距離情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。
図7】計測された距離に基づき距離情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。
図8】計測された距離に基づき反射強度情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。
図9】推定された背景光量に基づき距離情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。
図10】推定された背景光量に基づき反射強度情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。
図11】ライダの計測点を風景に重ねた図である。
図12】予測反射強度及び予測距離の算出に関する概要図を示す。
図13】計測点毎に計測された反射強度に基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定するフローチャートの一例である。
図14】計測点毎に計測された距離に基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定するフローチャートの一例である。
図15】計測点毎に推定された背景光量に基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定するフローチャートの一例である。
図16】反射強度、距離、背景光量の組み合わせに基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定するフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の好適な実施形態によれば、情報処理装置は、光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定する決定手段と、前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成する生成手段と、前記計測点データをデータ収集装置に送信する送信手段と、を有する。この態様によれば、情報処理装置は、計測点ごとに適切に割当ビット数を決定し、データ収集装置に送信する計測データのデータ量を好適に削減することができる。
【0011】
上記情報処理装置の一態様では、前記決定手段は、前記背景光量に基づき、前記計測点データに含まれる、前記光の被照射物への距離に関する距離情報に割り当てる割当ビット数を決定する。この態様により、情報処理装置は、背景光量の推定結果から推定される距離の信頼度に応じ、距離情報に割り当てる割当ビット数を的確に決定することができる。
【0012】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記決定手段は、前記背景光量が大きいほど、前記距離情報に割り当てる割当ビット数を小さくする。この態様により、情報処理装置は、計測された距離の信頼度が低いほど、距離情報に割り当てる割当ビット数を抑制し、データ収集装置に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0013】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記決定手段は、前記背景光量に基づき、前記計測点データに含まれる、前記光の反射強度に関する反射強度情報に割り当てる割当ビット数を決定する。この態様により、情報処理装置は、背景光量の推定結果から推定される反射強度の信頼度に応じ、反射強度情報に割り当てる割当ビット数を的確に決定することができる。
【0014】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記反射強度情報は、前記光の被照射物の反射率を表す情報である。この場合においても、情報処理装置は、反射強度情報の割当ビット数を的確に決定し、データ収集装置に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0015】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記決定手段は、前記背景光量が大きいほど、前記反射強度情報に割り当てる割当ビット数を小さくする。この態様により、情報処理装置は、反射強度情報に割り当てる必要がある割当ビット数を的確に決定し、データ収集装置に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0016】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記決定手段は、前記計測点毎の前記光の戻り光のピーク以外での前記計測装置の受光量に基づき、前記背景光量を推定する。この態様により、情報処理装置は、計測点毎の背景光量を的確に推定することができる。
【0017】
上記情報処理装置の他の一態様では、前記計測装置は、屋外又は屋内において固定設置される、又は、移動体に設けられる。このように、計測装置が屋外又は屋内において固定設置される場合、又は、移動体に設けられる場合のいずれの形態においても、情報処理装置は、計測装置により計測されたデータをデータ収集装置に送信する際のデータ量を好適に削減することができる。
【0018】
本発明の他の好適な実施形態によれば、コンピュータが実行する制御方法であって、光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定し、前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成し、前記計測点データをデータ収集装置に送信する。情報処理装置は、この制御方法を実行することで、計測点ごとに適切に割当ビット数を決定し、データ収集装置に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0019】
本発明の他の好適な実施形態によれば、光による計測を行う計測装置により計測点毎に推定される背景光量に基づき、前記計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定し、前記割当ビット数に基づき、前記計測点データを前記計測点毎に生成し、前記計測点データをデータ収集装置に送信する処理をコンピュータに実行させるプログラムである。コンピュータは、このプログラムを実行することで、計測点ごとに適切に割当ビット数を決定し、データ収集装置に送信するデータ量を好適に削減することができる。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例0020】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0021】
(1)データ収集システムの概要
図1は、本実施例に係るデータ収集システムの概略構成である。データ収集システムは、センサ群2が生成するデータに関する処理を行う情報処理装置1と、データの収集及び管理を行うサーバ装置であるデータ収集装置4とを有する。
【0022】
情報処理装置1は、センサ群2と電気的に接続し、センサ群2に含まれる各種センサが出力するデータの処理を行う。センサ群2には、ライダ(Lidar:Light Detection and Ranging、または、Laser Illuminated Detection And Ranging)3が少なくとも含まれている。そして、情報処理装置1は、ライダ3が生成するデータに基づきアップロード情報「Iu」を生成し、生成したアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する。この場合、情報処理装置1は、ライダ3が生成する生データに対して後述するビット数の割当処理などを行うことで、データ量を好適に削減したアップロード情報Iuを生成する。
【0023】
なお、情報処理装置1は、道路や駐車場などに固定設置される計測ユニットの電子制御装置であってもよく、車両や船舶などの移動体に搭載されるナビゲーション装置であってもよく、当該移動体に内蔵された電子制御装置であってもよい。また、情報処理装置1は、ライダ3の電子制御装置としてライダ3と一体に構成されてもよい。
【0024】
ライダ3は、水平方向および垂直方向の所定の角度範囲に対して角度を変えながらパルスレーザを出射することで、外界に存在する物体(被照射物)までの距離を離散的に計測する。この場合、ライダ3は、照射方向(即ち計測方向)を変えながらレーザ光を照射する照射部と、照射したレーザ光の反射光(散乱光)を受光する受光部と、受光部が出力する受光信号に基づくデータを出力する出力部とを有する。パルスレーザが照射される照射方向(パルスレーザによる計測が行われる方向であり、「計測点」とも呼ぶ。)ごとにライダ3が計測するデータは、受光部が受光したレーザ光に対応する照射方向と、上述の受光信号に基づき特定される当該レーザ光の応答遅延時間とに基づき生成される。そして、ライダ3は、1回の走査周期において、ライダ3の走査範囲(即ちパルスレーザの照射範囲)における各計測点に対応するデータを、点群データとして生成する。ライダ3は、本発明における「計測装置」の一例である。なお、ライダ3は、上述したスキャン型のライダに限らず、2次元アレイ状のセンサの視野にレーザ光を拡散照射することによって3次元データを生成するフラッシュ型のライダであってもよい。
【0025】
なお、センサ群2には、ライダ3に加え、種々の外界センサ又は/及び内界センサが含まれてもよい。例えば、センサ群2は、移動体に設けられる場合には、位置情報の生成に必要なGPS(Global Positioning Satellite)受信機、自律測位装置等を含んでもよい。
【0026】
データ収集装置4は、ライダによる計測データを収集する装置であり、情報処理装置1からアップロード情報Iuを受信し、受信したアップロード情報Iuを記憶する。なお、図1では、情報処理装置1及びセンサ群2の組が1組のみ図示されているが、これに代えて、複数の情報処理装置1及びセンサ群2の組が存在してもよい。この場合、データ収集装置4は、各情報処理装置1からアップロード情報Iuを受信する。
【0027】
(2)情報処理装置の構成
図2は、情報処理装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。情報処理装置1は、主に、インターフェース11と、メモリ12と、コントローラ13と、を有する。これらの各要素は、バスラインを介して相互に接続されている。
【0028】
インターフェース11は、情報処理装置1と外部装置とのデータの授受に関するインターフェース動作を行う。本実施例では、インターフェース11は、ライダ3などのセンサ群2から出力データを取得し、コントローラ13へ供給する。また、インターフェース11は、コントローラ13の制御に基づき、コントローラ13が生成したアップロード情報Iuを、データ収集装置4へ送信する。また、インターフェース11は、情報処理装置1が車両などの移動体に搭載されている場合には、コントローラ13が生成した対象移動体の制御に関する信号を、対象移動体の電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)へ供給してもよい。インターフェース11は、無線通信を行うためのネットワークアダプタなどのワイヤレスインターフェースであってもよく、ケーブル等により外部装置と接続するためのハードウェアインターフェースであってもよい。また、インターフェース11は、入力装置、表示装置、音出力装置等の種々の周辺装置とのインターフェース動作を行ってもよい。
【0029】
メモリ12は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどの各種の揮発性メモリ及び不揮発性メモリにより構成される。メモリ12は、コントローラ13が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。なお、コントローラ13が実行するプログラムは、メモリ12以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0030】
コントローラ13は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、TPU(Tensor Processing Unit)などの1又は複数のプロセッサを含み、情報処理装置1の全体を制御する。この場合、コントローラ13は、メモリ12等に記憶されたプログラムを実行することで、後述する種々の処理を実行する。
【0031】
また、コントローラ13は、機能的には、データ処理部14と、アップロード部15とを有する。データ処理部14は、アップロードするデータ量の削減(即ちデータ圧縮)を行う。具体的には、データ処理部14は、ライダ3が生成する生データに対し、計測点ごとにビット数を適応的に割り当て、割り当てたビット数により計測点ごとに計測されたデータ(「計測点データ」とも呼ぶ。)を生成する。アップロード部15は、データ処理部14が生成した計測点データを含むアップロード情報Iuを、インターフェース11を介してデータ収集装置4に送信する。この場合、アップロード部15は、データ処理部14が生成した計測点データを、逐次的に、又は、走査周期ごとの点群データとしてまとめて、データ収集装置4に送信する。なお、アップロード部15は、任意の可逆圧縮又は不可逆圧縮により圧縮したアップロード情報Iuを、データ収集装置4に送信してもよい。
【0032】
そして、コントローラ13は、「決定手段」、「生成手段」、「送信手段」及びプログラムを実行するコンピュータ等として機能する。
【0033】
なお、コントローラ13が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、コントローラ13が実行する処理は、例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、コントローラ13が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。
【0034】
(3)計測点データのデータ構造
図3は、計測点データのデータ構造の一例である。図3に示すように、計測点データは、例えば、走査位置情報と、反射強度情報と、距離情報と、ノイズフロア情報とを有する。
【0035】
走査位置情報は、対象の計測点を識別する識別情報(ID)である。
【0036】
反射強度情報は、照射したレーザ光の反射強度(即ち反射光の受光強度)に関する情報である。具体的には、反射強度情報は、照射したレーザ光の反射光のピークの受光強度を表す。なお、反射強度情報は、計測された反射強度により推定される被照射物の反射率を表す情報であってもよい。一般に、反射率が一定の場合、被照射位置までの距離が長いほど反射強度が低くなるため、反射率は、例えば、得られた反射強度に対して距離により補正することで好適に推定される。
【0037】
距離情報は、被照射物までの距離を表す情報である。距離は、照射したレーザ光の反射光のピークの受光タイミングにより特定される飛行時間(Time-of-Flight)に基づき算出される。なお、反射強度情報及び距離情報は、反射光の複数のピークに対応する反射強度及び距離の組を表す情報であってもよい。
【0038】
ノイズフロア情報は、反射強度のノイズフロアに関する情報である。ノイズフロア情報は、例えば、ノイズとみなされる反射強度の平均、分散又は/及びその他の統計量を表す。ノイズフロア情報は、例えば、反射光の受光期間における反射強度のうち距離の算出に用いていない(即ちピーク以外の)反射強度、又は、非受光期間における反射強度に基づき生成される。後述するように、ノイズフロアに基づき背景光量が推定される。
【0039】
(4)計測点データの割当ビット数の決定
次に、計測点データの割当ビット数の決定方法について説明する。データ処理部14は、
(A)計測点毎に計測される距離、反射強度又は背景光量、又は、
(B)隣接フレームまたは当該フレームの隣接計測点で計測されたデータから予測される距離または反射強度
の少なくともいずれかに基づき、対応する計測点データの割当ビット数を決定する。これにより、ライダ3による計測結果を的確に表すために必要な情報量の低下を抑制しつつ、アップロード情報Iuに含める計測点データのデータ量を好適に削減する。ここで、「フレーム」は、同一の計測周期(走査周期)において得られる計測点のデータ全体を指し、隣接フレームは、計測周期が前後するフレームを指す。また、「隣接計測点」は、空間的に隣接する(即ち計測方向が類似する)計測点を指す。
【0040】
(4-1)反射強度に基づく割当ビット数の決定
データ処理部14は、対応する計測点で計測または予測される反射強度が低いほど、対応する計測点データの割当ビット数を小さくする。これにより、得られる情報の精度に応じた計測点データの割当ビット数を好適に定める。
【0041】
図4は、反射強度に基づき距離情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。図4では、対象の計測点での反射強度が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフと、対象の計測点での反射強度が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフとが示されている。
【0042】
図4に示す例では、データ処理部14は、反射強度が相対的に高い場合の距離情報の割当ビット数を「C1」とし、反射強度が相対的に低い場合の距離情報の割当ビット数をC1より小さい「C2」としている。その結果、反射強度が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数は「X1」となり、反射強度が相対的に低い場合計測点データの割当ビット数はX1より小さい「X2」となる。
【0043】
ここで、一般に、計測されるピークの反射強度が小さい場合には、対応する距離情報への統計誤差が大きくなり、距離情報の信頼性が低いことが推定される。一方、計測されるピークの反射強度が高い場合には、対応する距離情報は高精度であり、当該距離情報に高いビット数を割り当てて的確に表現する必要があると推定される。以上を勘案し、データ処理部14は、対応する計測点で計測される反射強度が低いほど、対応する距離情報の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、反射強度から推定される距離情報の精度に応じて的確に距離情報への割当ビット数を定めることができる。
【0044】
この場合、データ処理部14は、対応する計測点で計測される反射強度が低いほど、距離情報の割当ビット数を段階的に小さくしてもよく、連続的に小さくしてもよい。反射強度に応じて段階的に距離情報の割当ビット数を変化させる場合、データ処理部14は、例えば、1又は複数の閾値を設け、これらの閾値と反射強度との大小関係に基づき、距離情報の割当ビット数を決定する。例えば閾値を1つ設けた場合、データ処理部14は、反射強度が当該閾値以上の場合には、距離情報の割当ビット数をC1に定め、反射強度が当該閾値未満の場合には、距離情報の割当ビット数をC2(<C1)に定める。また、反射強度に応じて連続的に距離情報の割当ビット数を変化させる場合には、例えば、データ処理部14は、反射強度と距離情報の割当ビット数との対応関係を表す式又はルックアップテーブルに基づき、距離情報の割当ビット数を決定する。なお、データ処理部14は、反射強度に応じて段階的に距離情報の割当ビット数を変化させる場合においても、式又はルックアップテーブルに基づき距離情報の割当ビット数を決定してもよい。上述の閾値、閾値との大小関係に応じた割当ビット数、反射強度と距離情報の割当ビット数との関係を規定する式若しくはルックアップテーブル等は、例えば実験等に基づき作成され、メモリ12に記憶される。なお、以後の説明においても、反射強度、距離、又は背景光量に基づき、段階的又は連続的に所定の情報の割当ビット数を決定する場合には、データ処理部14は、上述した閾値、式若しくはルックアップテーブルを用いて同様に決定することができる。
【0045】
図5は、隣接フレームまたは当該フレームの隣接計測点で計測されたデータから予測された反射強度(「予測反射強度」とも呼ぶ。)に基づき反射強度情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。予測反射強度の算出方法については後述する。図5では、対象の計測点での予測反射強度が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフと、対象の計測点での予測反射強度が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフとが示されている。
【0046】
図5に示す例では、データ処理部14は、予測反射強度が相対的に高い場合の反射強度情報の割当ビット数を「B1」とし、予測反射強度が相対的に低い場合の反射強度情報の割当ビット数をB1より小さい「B2」としている。その結果、予測反射強度が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数はX1となり、予測反射強度が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数はX1より小さい「X3」となる。
【0047】
一般的に、反射強度が低い場合には、反射強度情報には高い精度が要求されないことから、データ処理部14は、対応する計測点で予測される予測反射強度が低いほど、段階的又は連続的に、対応する反射強度情報の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、反射強度情報の割当ビット数を必要に応じて的確に決定することができる。
【0048】
また、送信(符号化)側で、計測点の反射強度に基づき、その反射強度に割り当てる量子化ビット数を決めてしまうと、受信(復号)側で、その量子化ビット数が特定できないことから復号不可能となってしまう。以上を勘案し、データ処理部14は、隣接フレームまたは当該フレームの隣接計測点の強度から計測点の強度を予測し、その予測値から量子化ビット数を決定する。これにより、復号可能な態様により反射強度に割り当てる量子化ビット数を決定することができる。
【0049】
図6は、反射強度に基づき反射強度情報及び距離情報の両方の割当ビット数を決定する例を表す図である。なお、反射強度情報は、予測反射強度に基づき割当ビット数を決定する必要があるが、距離情報は、反射強度情報を受信・復号後に距離情報に割り当てられたビット数が確定するため、計測された反射強度(「計測反射強度」とも呼ぶ。)に基づき割当ビット数を決定することが可能である。図6では、対象の計測点での反射強度が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフと、対象の計測点での反射強度が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフとが示されている。
【0050】
図6に示す例では、データ処理部14は、計測反射強度又は予測反射強度が相対的に高い場合の反射強度情報の割当ビット数をB1、かつ、距離情報の割当ビット数をC1とし、反射強度が相対的に低い場合の反射強度情報の割当ビット数をB2(<B1)、かつ、距離情報の割当ビット数をC2(<C1)としている。その結果、反射強度が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数はX1となり、反射強度が相対的に低い場合計測点データの割当ビット数はX1より小さい「X4」となる。
【0051】
このように、図6に示す例では、データ処理部14は、対応する計測点で計測または予測される反射強度が低いほど、段階的又は連続的に、対応する反射強度情報及び距離情報の夫々の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、反射強度情報及び距離情報の割当ビット数を必要に応じて決定し、アップロード情報Iuのデータ量を好適に削減することができる。
【0052】
(4-2)距離に基づく割当ビット数の決定
データ処理部14は、対応する計測点で計測される距離又は隣接フレームまたは当該フレームの隣接計測点で計測されたデータから予測される距離が大きいほど、対応する計測点データの割当ビット数を小さくする。これにより、得られる情報の精度に応じた計測点データの割当ビット数を好適に定める。
【0053】
図7は、計測又は予測された距離に基づき距離情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。図7では、対象の計測点での計測又は予測された距離が相対的に大きい場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフと、対象の計測点での計測又は予測された距離が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフとが示されている。
【0054】
図7に示す例では、データ処理部14は、計測又は予測された距離が相対的に大きい場合の距離情報の割当ビット数をC1とし、計測又は予測された距離が相対的に低い場合の距離情報の割当ビット数をC1より小さい「C3」としている。その結果、計測又は予測された距離が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数はX1となり、計測又は予測された距離が相対的に低い場合計測点データの割当ビット数はX1より小さい「X5」となる。
【0055】
ここで、一般に、計測又は予測される距離が長い(即ち、遠い距離を示す)場合には、対応する距離情報への統計誤差が大きくなり、生成される距離情報の信頼性が低いことが推定される。一方、計測又は予測される距離が短い(即ち、近距離を示す)場合には、対応する距離情報は高精度であり、当該距離情報に高いビット数を割り当てて的確に表現する必要があると推定される。以上を勘案し、データ処理部14は、対応する計測点で計測又は予測される距離が大きいほど、段階的又は連続的に、対応する距離情報の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、計測又は予測された距離から推定される距離の精度に応じて的確に距離情報への割当ビット数を定めることができる。
【0056】
図8は、計測された距離に基づき反射強度情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。図8では、対象の計測点での計測された距離が相対的に大きい場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフと、対象の計測点での計測された距離が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフとが示されている。
【0057】
図8に示す例では、データ処理部14は、計測された距離が相対的に大きい場合の反射強度情報の割当ビット数をB1とし、計測された距離が相対的に低い場合の反射強度情報の割当ビット数をB1より小さい「B3」としている。その結果、計測された距離が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数はX1となり、計測された距離が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数はX1より小さい「X6」となる。
【0058】
一般に、計測される距離が大きい(遠方距離を示す)場合には、被照射物が再帰性反射部材などの反射率が高い特定の部材に限られるため、計測される距離が近距離を示す場合に比べて、反射強度情報に対して高い精度が要求されない。以上を勘案し、データ処理部14は、計測された距離が大きいほど、対応する反射強度情報の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、必要な精度に応じて反射強度情報への割当ビット数を的確に決定し、データ量の削減を行うことができる。
【0059】
また、データ処理部14は、計測又は予測された距離に基づき反射強度情報及び距離情報の両方の割当ビット数を決定してもよい。具体的には、データ処理部14は、対応する計測点で計測又は予測される距離が大きいほど、段階的又は連続的に、対応する反射強度情報及び距離情報の夫々の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、反射強度情報及び距離情報の割当ビット数を的確に定め、アップロード情報Iuのデータ量を好適に削減することができる。
【0060】
(4-3)背景光量に基づく割当ビット数の決定
データ処理部14は、対象の計測点において計測される背景光量が大きいほど、対応する計測点データの割当ビット数を小さくする。これにより、得られる情報の精度に応じた計測点データの割当ビット数を好適に定める。この場合、例えば、データ処理部14は、対象の計測点に対し、反射光の受光期間における反射強度のうち距離の算出に用いていない(即ちピーク以外の)反射強度、又は、非受光期間における反射強度の平均又は分散を、背景光量として推定する。
【0061】
図9は、推定された背景光量に基づき距離情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。図9では、対象の計測点での計測された背景光量が相対的に大きい場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフと、対象の計測点での計測された背景光量が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフとが示されている。
【0062】
図9に示す例では、データ処理部14は、計測された背景光量が相対的に大きい場合の距離情報の割当ビット数をC1とし、計測された背景光量が相対的に低い場合の距離情報の割当ビット数をC1より小さい「C4」としている。その結果、計測された背景光量が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数はX1となり、計測された距離が相対的に低い場合計測点データの割当ビット数はX1より小さい「X7」となる。
【0063】
ここで、一般に、計測される背景光量が大きい場合(例えば昼間)には、距離情報の統計誤差が大きくなるため、距離情報の信頼性が低いことが推定される。一方、背景光量が小さい場合には、対応する距離情報の信頼性が高く、当該距離情報に高いビット数を割り当てて的確に表現する必要があると推定される。以上を勘案し、データ処理部14は、対応する計測点で計測される背景光量が大きいほど、段階的又は連続的に、対応する距離情報の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、計測される背景光量に応じて計測点ごとに的確に距離情報への割当ビット数を定めることができる。
【0064】
図10は、計測される背景光量に基づき対応する計測点の反射強度情報の割当ビット数を決定する例を表す図である。図10では、対象の計測点での背景光量が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフと、対象の計測点での背景光量が相対的に低い場合の計測点データの割当ビット数の内訳を表すグラフとが示されている。
【0065】
図10に示す例では、データ処理部14は、背景光量が相対的に高い場合の反射強度情報の割当ビット数をB1とし、背景光量が相対的に低い場合の反射強度情報の割当ビット数をB1より小さい「B4」としている。その結果、背景光量が相対的に高い場合の計測点データの割当ビット数はX1となり、背景光量が相対的に低い場合計測点データの割当ビット数はX1より小さい「X8」となる。
【0066】
一般的に、背景光量が高い場合には、反射強度情報の信頼性が低くなり、反射強度情報に高い割当ビット数が必要ないことから、データ処理部14は、対応する計測点で計測される背景光量が低いほど、段階的又は連続的に、対応する反射強度情報の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、反射強度情報の割当ビット数を的確に決定し、アップロード情報Iuのデータ量を好適に削減することができる。
【0067】
また、データ処理部14は、計測された背景光量に基づき反射強度情報及び距離情報の両方の割当ビット数を決定してもよい。具体的には、データ処理部14は、対応する計測点で計測される背景光量が大きいほど、段階的又は連続的に、対応する反射強度情報及び距離情報の夫々の割当ビット数を小さくする。これにより、データ処理部14は、反射強度情報及び距離情報の割当ビット数を的確に定め、アップロード情報Iuのデータ量を好適に削減することができる。
【0068】
(4-4)距離・反射強度の予測
図11(A)は、時刻「t」におけるライダ3の計測点を風景に重ねた図である。また、図11(B)は、時刻tの次の計測タイミングである時刻「t+1」におけるライダ3の計測点を風景に重ねた図である。図11(A)及び図11(B)では、ライダ3の計測範囲に相当する視野「FOV」及び視野FOV内の各計測点がレーザ光の出射方向に対して垂直な2次元平面上において投影表示されている。
【0069】
図11(A)、(B)に示されるように、視野FOV内の殆どの物体が静止物体であり、動物体も隣接フレーム間ではほとんど位置が変わらないため、隣接フレームの同一計測点間の計測結果(距離、強度)には高い相関がある。例えば、図11(A)、(B)では、静止物体52、53は隣接フレーム間で同一の計測点での計測対象となっている。また、移動する移動物体50、51、54についても、ライダ3のフレーム周波数に対して移動速度が十分小さいことから、隣接フレーム間で同一又は隣接計測点での計測対象となっている。
【0070】
なお、車両に搭載されるライダ3の場合、計測点の殆どは路面に対応し、隣接計測点間の計測結果(計測距離、反射強度等)には特に高い相関がある。
【0071】
以上を勘案し、本実施例に係る情報処理装置1は、計測距離と反射強度の一般的関係性と、同一又は隣接フレームでの隣接又は同一計測点の計測結果の類似性とを利用して距離の予測値(「予測距離」とも呼ぶ。)及び反射強度の予測値(即ち予測反射強度)を算出する。言い換えると、データ処理部14は、同一フレームの隣接計測点及び前フレームの同一計測点の計測結果に基づき、対象の計測点での予測距離と予測反射強度を算出する。
【0072】
図12(A)は、予測反射強度の算出に関する概要図を示す。図12(A)において、「PIi,t」は、インデックス「i」の計測点に対する時刻「t」の予測反射強度を表し、「SIi-1,t」、「SIi-2,t」、「SIi-3,t」は、夫々、インデックスiよりも計測タイミングが早いインデックス「i-1」~「i-3」の計測点に対する時刻tの反射強度の実測値(実測反射強度)を表す。また、「SIi,t-1」は、インデックスiの計測点に対する時刻tの直前の計測周期の時刻「t-1」での反射強度の実測値を表す。
【0073】
図12(A)の例では、データ処理部14は、予測反射強度PIi,tを、同フレームの隣接計測点の実測反射強度SIi-1,t、SIi-2,t、SIi-3,tと前フレームでの同一計測点の実測反射強度SIi,t-1とに基づき算出している。ここで、予測反射強度PIi,tは、関数「f」を用いて以下のように表される。
PIi,t=f(SIi-1,t、SIi-2,t、SIi-3,t、SIi,t-1
この場合、関数fは、例えば、全ての引数(ここでは4個の実測反射強度)の平均値などの代表値を算出する関数である。このように、データ処理部14は、既に計測済みの隣接計測点又は前フレームの同一計測点の実測反射強度に基づき、対象の計測点の反射強度の予測値である予測反射強度を好適に算出することができる。
【0074】
なお、ここでは、一例として、データ処理部14は、同一フレーム又は前フレームの4個の計測点の計測結果から予測反射強度PIi,tを算出したが、同一フレーム又は前フレームの3個以下又は5個以上の計測点の計測結果から予測反射強度PIi,tを算出してもよい。例えば、データ処理部14は、前フレームの隣接計測点の計測結果(例えばSIi-1,t-1、SIi-2,t-1、SIi-3,t-1等)をさらに用いて予測反射強度PIi,tを算出してもよい。
【0075】
図12(B)は、予測距離の算出に関する概要図を示す。図12(B)において、「PDi,t」は、インデックス「i」の計測点に対する時刻「t」の予測距離を表し、「SDi-1,t」、「SDi-2,t」、「SDi-3,t」は、夫々、インデックスiよりも計測タイミングが早いインデックス「i-1」~「i-3」の計測点に対する時刻tの距離の実測値(実測距離)を表す。また、「SDi,t-1」は、インデックスiの計測点に対する時刻tの直前の計測周期の時刻「t-1」の距離の実測値を表す。
【0076】
図12(B)の例では、データ処理部14は、予測距離PDi,tを、同フレームの隣接計測点の実測距離SDi-1,t、SDi-2,t、SDi-3,tと前フレームでの同一計測点の実測距離SDi,t-1とに基づき算出している。ここで、予測距離PDi,tは、関数「f」を用いて以下のように表される。
PDi,t=f(SDi-1,t、SDi-2,t、SDi-3,t、SDi,t-1
この場合、関数fは、例えば、引数である4個の実測距離の平均値などの代表値を算出する関数である。このように、データ処理部14は、既に計測済みの隣接計測点又は前フレームの同一計測点の実測距離に基づき、対象の計測点の距離の予測値である予測距離を好適に算出することができる。
【0077】
なお、ここでは、一例として、データ処理部14は、同一フレーム又は前フレームの4個の計測点の計測結果から予測距離PDi,tを算出したが、同一フレーム又は前フレームの3個以下又は5個以上の計測点の計測結果から予測距離PDi,tを算出してもよい。例えば、データ処理部14は、前フレームの隣接計測点の計測結果(例えばSDi-1,t-1、SDi-2,t-1、SDi-3,t-1等)をさらに用いて予測距離PDi,tを算出してもよい。
【0078】
(5)処理フロー
次に、情報処理装置1が実行する処理フローについて図13図16を参照して説明する。
【0079】
(5-1)反射強度に基づき割当ビット数の決定を行う場合
図13は、計測点毎に計測された反射強度に基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定する場合の情報処理装置1の処理手順を示すフローチャートの一例である。
【0080】
まず、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されたか否か判定する(ステップS10)。そして、ライダ3によるスキャンが開始された場合(ステップS10;Yes)、情報処理装置1は、ステップS11へ処理を進める。一方、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されていない場合(ステップS10;No)、ライダ3によるスキャンが開始されるまでステップS10を繰り返し実行する。
【0081】
次に、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャン開始後、対象となる計測点ごとに得られる反射光の光量を計測することで、対象となる計測点の計測点データの生成に必要な各種情報を取得する(ステップS11)。上述の各種情報には、例えば、パルス光の戻り光のピーク時の光量に相当する反射強度、当該ピークに対応する飛行時間に基づく距離、及び上述のピーク以外の受光光量に基づき推定した背景光量(ノイズフロア)などの情報が含まれる。
【0082】
そして、情報処理装置1は、ステップS11で取得した反射強度又は予測反射強度に基づき、対象の計測点データの割当ビット数を決定する(ステップS12)。具体的には、情報処理装置1は、「(4-1)反射強度に基づく割当ビット数の決定」のセクションで図4図6を用いて説明した方法により、対象の計測点データの割当ビット数を決定する。そして、情報処理装置1は、ステップS12で決定した割当ビット数に基づき、対象の計測点の計測点データを生成する(ステップS13)。
【0083】
次に、情報処理装置1は、アップロードのタイミング(即ちアップロード情報Iuの送信タイミング)であるか否か判定する(ステップS14)。情報処理装置1は、例えば、走査1周期分(又は複数周期分)のライダ3の計測点データをまとめて含むアップロード情報Iuを送信する態様では、所定周期分の全計測点に対応する計測点データが得られた場合に、アップロード情報Iuの送信タイミングであると判定する。そして、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングではないと判定した場合(ステップS14;No)、ステップS16へ処理を進める。
【0084】
一方、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングであると判定した場合(ステップS14;Yes)、対象となる計測点データを含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する(ステップS15)。この場合、アップロード情報Iuには、必要に応じて的確に定められた割当ビット数を有する計測点データが含まれており、画一的に割当ビット数を定めてライダ3のデータを送信する場合と比較して、好適にアップロード情報Iuのデータ量が削減されている。なお、情報処理装置1は、移動体と共に移動する場合には、データ生成時の位置情報及び時刻情報等を含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する。
【0085】
次に、情報処理装置1は、処理を終了すべきか否か判定する(ステップS16)。例えば、情報処理装置1は、ライダ3のスキャンが停止された場合、又は、情報処理装置1の処理の停止指示を検知した場合などの所定の条件が満たされた場合に、処理を終了すべきと判定する。そして、情報処理装置1は、処理を終了すべきと判定した場合(ステップS16;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、情報処理装置1は、処理を継続すべきと判定した場合(ステップS16;No)、ステップS11へ処理を戻す。
【0086】
(5-2)距離に基づき割当ビット数の決定を行う場合
図14は、計測点毎に計測された距離に基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定する場合の情報処理装置1の処理手順を示すフローチャートの一例である。
【0087】
まず、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されたか否か判定する(ステップS20)。そして、ライダ3によるスキャンが開始された場合(ステップS20;Yes)、情報処理装置1は、ステップS21へ処理を進める。一方、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されていない場合(ステップS20;No)、ライダ3によるスキャンが開始されるまでステップS20を繰り返し実行する。
【0088】
次に、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャン開始後、対象となる計測点ごとに得られる反射光の光量を計測することで、対象となる計測点の計測点データの生成に必要な各種情報を取得する(ステップS21)。上述の各種情報には、例えば、パルス光の戻り光のピーク時の光量に相当する反射強度、当該ピークに対応する飛行時間に基づく距離、及び上述のピーク以外の受光光量に基づき推定した背景光量(ノイズフロア)の情報が含まれる。
【0089】
そして、情報処理装置1は、ステップS21で取得した距離又は予測距離に基づき、対象の計測点データの割当ビット数を決定する(ステップS22)。具体的には、情報処理装置1は、「(4-2)距離に基づく割当ビット数の決定」のセクションで図7図8を用いて説明した方法により、対象の計測点データの割当ビット数を決定する。そして、情報処理装置1は、ステップS22で決定した割当ビット数に基づき、対象の計測点の計測点データを生成する(ステップS23)。
【0090】
次に、情報処理装置1は、アップロードのタイミング(即ちアップロード情報Iuの送信タイミング)であるか否か判定する(ステップS24)。そして、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングではないと判定した場合(ステップS24;No)、ステップS26へ処理を進める。
【0091】
一方、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングであると判定した場合(ステップS24;Yes)、対象となる計測点データを含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する(ステップS25)。この場合、アップロード情報Iuには、必要に応じて的確に定められた割当ビット数を有する計測点データが含まれており、画一的に割当ビット数を定めてライダ3のデータを送信する場合と比較して、好適にアップロード情報Iuのデータ量が削減されている。なお、情報処理装置1は、移動体と共に移動する場合には、データ生成時の位置情報及び時刻情報等を含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する。
【0092】
次に、情報処理装置1は、処理を終了すべきか否か判定する(ステップS26)。そして、情報処理装置1は、処理を終了すべきと判定した場合(ステップS26;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、情報処理装置1は、処理を継続すべきと判定した場合(ステップS26;No)、ステップS21へ処理を戻す。
【0093】
(5-3)背景光量に基づき割当ビット数の決定を行う場合
図15は、計測点毎に計測された背景光量に基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定する場合の情報処理装置1の処理手順を示すフローチャートの一例である。
【0094】
まず、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されたか否か判定する(ステップS30)。そして、ライダ3によるスキャンが開始された場合(ステップS30;Yes)、情報処理装置1は、ステップS31へ処理を進める。一方、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されていない場合(ステップS30;No)、ライダ3によるスキャンが開始されるまでステップS30を繰り返し実行する。
【0095】
次に、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャン開始後、対象となる計測点ごとに得られる反射光の光量を計測することで、対象となる計測点の計測点データの生成に必要な各種情報を取得する(ステップS31)。上述の各種情報には、例えば、パルス光の戻り光のピーク時の光量に相当する反射強度、当該ピークに対応する飛行時間に基づく距離、及び上述のピーク以外の受光光量に基づき推定した背景光量の情報が含まれる。
【0096】
そして、情報処理装置1は、ステップS31で取得した背景光量に基づき、対象の計測点データの割当ビット数を決定する(ステップS32)。具体的には、情報処理装置1は、「(4-3)背景光量に基づく割当ビット数の決定」のセクションで図9図10を用いて説明した方法により、対象の計測点データの割当ビット数を決定する。そして、情報処理装置1は、ステップS32で決定した割当ビット数に基づき、対象の計測点の計測点データを生成する(ステップS33)。
【0097】
次に、情報処理装置1は、アップロードのタイミング(即ちアップロード情報Iuの送信タイミング)であるか否か判定する(ステップS34)。そして、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングではないと判定した場合(ステップS34;No)、ステップS36へ処理を進める。
【0098】
一方、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングであると判定した場合(ステップS34;Yes)、対象となる計測点データを含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する(ステップS35)。この場合、アップロード情報Iuには、必要に応じて的確に定められた割当ビット数を有する計測点データが含まれており、画一的に割当ビット数を定めてライダ3のデータを送信する場合と比較して、好適にアップロード情報Iuのデータ量が削減されている。なお、情報処理装置1は、移動体と共に移動する場合には、データ生成時の位置情報及び時刻情報等を含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する。
【0099】
次に、情報処理装置1は、処理を終了すべきか否か判定する(ステップS36)。そして、情報処理装置1は、処理を終了すべきと判定した場合(ステップS36;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、情報処理装置1は、処理を継続すべきと判定した場合(ステップS36;No)、ステップS31へ処理を戻す。
【0100】
(5-4)複合要素に基づき割当ビット数の決定を行う場合
図16は、計測点毎に計測若しくは予測された反射強度、計測又は予測された距離、背景光量の組み合わせに基づいて対応する計測点の計測点データの割当ビット数を決定する場合の情報処理装置1の処理手順を示すフローチャートの一例である。
【0101】
まず、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されたか否か判定する(ステップS40)。そして、ライダ3によるスキャンが開始された場合(ステップS40;Yes)、情報処理装置1は、ステップS41へ処理を進める。一方、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャンが開始されていない場合(ステップS40;No)、ライダ3によるスキャンが開始されるまでステップS40を繰り返し実行する。
【0102】
次に、情報処理装置1は、ライダ3によるスキャン開始後、対象となる計測点ごとに得られる反射光の光量を計測することで、対象となる計測点の計測点データの生成に必要な各種情報を取得する(ステップS41)。上述の各種情報には、例えば、パルス光の戻り光のピーク時の光量に相当する反射強度、当該ピークに対応する飛行時間に基づく距離、及び上述のピーク以外の受光光量に基づき推定した背景光量の情報が含まれる。
【0103】
そして、情報処理装置1は、ステップS41で取得した反射強度(又は予測反射強度)、ステップS41で取得した距離(又は予測距離)、ステップS41で取得した背景光量の少なくとも2つの組み合わせに基づき、対象の計測点データの割当ビット数を決定する(ステップS42)。この場合、情報処理装置1は、例えば、計測又は予測された反射強度、計測又は予測された距離、背景光量の少なくとも2つに基づき、対象の計測点データの反射強度情報又は距離情報の少なくとも一方の割当ビット数を決定する。この場合、情報処理装置1は、例えば、選択された2以上の組み合わせと割当ビット数との対応関係を規定する式又はルックアップテーブルに基づき、上述の割当ビット数を決定する。そして、情報処理装置1は、ステップS42で決定した割当ビット数に基づき、対象の計測点の計測点データを生成する(ステップS43)。
【0104】
次に、情報処理装置1は、アップロードのタイミング(即ちアップロード情報Iuの送信タイミング)であるか否か判定する(ステップS44)。そして、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングではないと判定した場合(ステップS44;No)、ステップS46へ処理を進める。
【0105】
一方、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミングであると判定した場合(ステップS44;Yes)、対象となる計測点データを含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する(ステップS45)。この場合、アップロード情報Iuには、必要に応じて的確に定められた割当ビット数を有する計測点データが含まれており、画一的に割当ビット数を定めてライダ3のデータを送信する場合と比較して、好適にアップロード情報Iuのデータ量が削減されている。なお、情報処理装置1は、移動体と共に移動する場合には、データ生成時の位置情報及び時刻情報等を含むアップロード情報Iuをデータ収集装置4に送信する。
【0106】
次に、情報処理装置1は、処理を終了すべきか否か判定する(ステップS46)。そして、情報処理装置1は、処理を終了すべきと判定した場合(ステップS46;Yes)、フローチャートの処理を終了する。一方、情報処理装置1は、処理を継続すべきと判定した場合(ステップS46;No)、ステップS41へ処理を戻す。
【0107】
以上説明したように、本実施例に係る情報処理装置1のコントローラ13は、光による計測を行うライダ3により計測点毎に計測又は予測される戻り光の反射強度に基づき、計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定する。そして、コントローラ13は、決定した割当ビット数に基づき、計測点データを計測点毎に生成し、当該計測点データをデータ収集装置4に送信する。これにより、情報処理装置1は、計測点ごとに適切に割当ビット数を決定し、データ収集装置4に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0108】
また、本実施例に係る情報処理装置1のコントローラ13は、光による計測を行うライダ3により計測点毎に計測又は予測される距離に基づき、計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定する。そして、コントローラ13は、決定した割当ビット数に基づき、計測点データを計測点毎に生成し、当該計測点データをデータ収集装置4に送信する。この態様によっても、情報処理装置1は、計測点ごとに適切に割当ビット数を決定し、データ収集装置4に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0109】
また、本実施例に係る情報処理装置1のコントローラ13は、光による計測を行うライダ3により計測点毎に推定される背景光量に基づき、計測点における計測データである計測点データに割り当てる割当ビット数を決定する。そして、コントローラ13は、決定した割当ビット数に基づき、計測点データを計測点毎に生成し、当該計測点データをデータ収集装置4に送信する。この態様によっても、情報処理装置1は、計測点ごとに適切に割当ビット数を決定し、データ収集装置4に送信するデータ量を好適に削減することができる。
【0110】
(6)変形例
図13図16のフローチャートの処理では、情報処理装置1は、ライダ3により計測した情報(生データ)に対して直ちに割当ビット数を決定し、アップロード情報Iuに含める計測点データを生成した。これに代えて、情報処理装置1は、固定の割当ビット数により計測結果を一旦量子化した後、本実施例に基づく割当ビット数の決定を行い、決定した割当ビット数に基づく計測点データを生成してもよい。この場合、固定の割当ビット数により量子化したライダ3の計測点ごとの計測結果をメモリ12等に記憶した後、情報処理装置1は、アップロード情報Iuの送信タイミング等の所定のタイミングにおいて、割当ビット数の決定及び当該割当ビット数に基づく計測点データの生成を実行する。
【0111】
本変形例においても、情報処理装置1は、データ量を好適に削減したアップロード情報Iuを好適に生成することができる。
【0112】
なお、上述した実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータであるコントローラ等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
【0113】
以上、実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。
【符号の説明】
【0114】
1 情報処理装置
2 センサ群
3 ライダ
4 データ収集装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16