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特開2022-139733作業機械および作業機械の傾斜度合い算出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139733
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】作業機械および作業機械の傾斜度合い算出方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/24 20060101AFI20220915BHJP
   E02F 9/20 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E02F9/24 B
E02F9/20 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040240
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡島 一道
【テーマコード(参考)】
2D003
2D015
【Fターム(参考)】
2D003AA01
2D003AB02
2D003AB03
2D003BA07
2D003BB05
2D003CA02
2D003DA04
2D003DB03
2D003DB04
2D015GA02
2D015GA03
2D015GB03
(57)【要約】
【課題】耐久性を求められる作業機械の水平面に対する傾斜度合いを精度よく判定可能な作業機械を提供する。
【解決手段】作業機械は、車体と、作業機と、コントローラ100とを備える。車体は、作業機が取り付けられたフレームと、運転室と、フレームの異なる位置に設置され、かつ運転室を支持する複数の液体封入式マウント34とを含む。複数の液体封入式マウント34のうちの少なくとも1つは、封入された液体の液圧を検出するセンサ349を有する。コントローラは、センサ349による検出の結果に基づいて、水平面に対する作業機械の傾斜度合いを算出する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械であって、
車体と、
作業機と、
コントローラとを備え、
前記車体は、前記作業機が取り付けられたフレームと、運転室と、前記フレームの異なる位置に設置され、かつ前記運転室を支持する複数の液体封入式マウントとを含み、
前記複数の液体封入式マウントのうちの少なくとも1つは、封入された液体の液圧を検出するセンサを有し、
前記コントローラは、前記センサによる前記検出の結果に基づいて、水平面に対する前記作業機械の傾斜度合いを算出する、作業機械。
【請求項2】
前記傾斜度合いは、傾斜角度である、請求項1に記載の作業機械。
【請求項3】
報知装置をさらに備え、
前記コントローラは、
前記傾斜角度に基づいて、前記作業機械の転倒の可能性を判定し、
前記判定の結果に基づく報知を前記報知装置に実行させる、請求項2に記載の作業機械。
【請求項4】
前記コントローラは、
前記センサによる検出の結果に基づいて、前記作業機械の加速度の大きさおよび向きをさらに算出し、
前記傾斜角度と、前記加速度の大きさおよび向きとに基づいて、前記作業機械の転倒の可能性を判定する、請求項3に記載の作業機械。
【請求項5】
前記コントローラは、
前記傾斜角度と、前記加速度の大きさおよび向きに基づいて、前記作業機械の重心位置をさらに算出し、
前記重心位置に基づいて、前記作業機械の転倒の可能性を判定する、請求項4に記載の作業機械。
【請求項6】
前記コントローラは、
前記重心位置に基づき、前記転倒の可能性を示す指標値をさらに算出し、
前記指標値が閾値を超えた場合、前記報知装置に警告の報知を実行させる、請求項5に記載の作業機械。
【請求項7】
前記コントローラは、前記指標値が閾値を超えた場合、前記作業機の動作を制限する、請求項6に記載の作業機械。
【請求項8】
前記作業機械は、少なくとも3つの前記液体封入式マウントを含み、
前記コントローラは、
前記3つの液体封入式マウントの前記液圧に基づき、前記液体封入式マウントの基準値からの変位量を前記液体封入式マウント毎に算出し、
3つの前記変位量に基づき、前記傾斜角度を算出する、請求項3から7のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項9】
前記作業機械は、油圧ショベルであり、
前記車体は、走行体と、前記走行体に旋回可能に支持された旋回体とを含み、
前記旋回体は、前記フレームと、前記運転室と、前記複数の液体封入式マウントとを有する、請求項1から8のいずれか1項に記載の作業機械。
【請求項10】
作業機械の傾斜度合い算出方法であって、
前記作業機械の車体は、作業機が取り付けられたフレームと、運転室と、前記フレームの異なる位置に設置され、かつ前記運転室を支持する複数の液体封入式マウントとを含み、
前記複数の液体封入式マウントのうちの少なくとも1つに封入された液体の液圧を検出するステップと、
前記作業機械のコントローラが、前記検出の結果に基づいて、水平面に対する前記作業機械の傾斜度合いを算出するステップとを備える、作業機械の傾斜度合い算出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、作業機械および作業機械の傾斜度合い算出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業機を備えた作業機械が知られている。たとえば、特開平7-207711号公報(特許文献1)には、このような作業機械として、転倒防止装置を備えた油圧ショベルが開示されている。当該転倒防止装置のコントローラには、ブーム角検出手段、アーム角検出手段、旋回角検出手段、および傾斜角検出手段からの各検出信号が入力される。コントローラは、ブームおよびアームの回動作動と、上部旋回体の旋回作動とに応じて、転倒のおそれの生じる前に、警報の発生と、ブームおよびアームの作動停止と、旋回の作動停止とを行う。当該傾斜角検出手段として、機体の水平面に対する傾斜角度を検出する傾斜角センサが利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-207711号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、傾斜角センサで作業機械の機体の水平面の傾斜角を検出する。それゆえ、特許文献1の傾斜角センサには、高精度であること、および耐久性が求められる。
【0005】
本開示は、耐久性を求められる作業機械の水平面に対する傾斜度合いを精度よく判定可能な作業機械および作業機械の傾斜度合い算出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、作業機械は、車体と、作業機と、コントローラとを備える。車体は、作業機が取り付けられたフレームと、運転室と、フレームの異なる位置に設置され、かつ運転室を支持する複数の液体封入式マウントとを含む。複数の液体封入式マウントのうちの少なくとも1つは、封入された液体の液圧を検出するセンサを有する。コントローラは、センサによる検出の結果に基づいて、水平面に対する作業機械の傾斜度合いを算出する。
【0007】
本開示の他の局面に従うと、作業機械の車体は、作業機が取り付けられたフレームと、運転室と、フレームの異なる位置に設置され、かつ運転室を支持する複数の液体封入式マウントとを含む。作業機械の傾斜度合い算出方法は、複数の液体封入式マウントのうちの少なくとも1つに封入された液体の液圧を検出するステップと、作業機械のコントローラが、検出の結果に基づいて、水平面に対する作業機械の傾斜度合いを算出するステップとを備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、作業機械の水平面に対する傾斜度合いを精度よく判定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】油圧ショベルの構成を概略的に示す側面図である。
図2】旋回体の構成を説明するための図である。
図3】液体封入式マウントの要部を表した図である。
図4】液体封入式マウントの特性を示した図である。
図5A】油圧ショベルが水平面に位置する状態を表した図である。
図5B】油圧ショベルが傾斜面に位置している状態を表した図である。
図6】3つの液体封入式マウントのたわみ量(変位量)の変化を説明するための図である。
図7】油圧ショベルの転倒を説明するための図である。
図8】油圧ショベルのハードウェア構成と、油圧ショベルのコントローラの機能的構成とを説明するためのブロック図である。
図9】コントローラの処理の流れを説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について図に基づいて説明する。実施形態における構成を適宜組み合わせて用いることは当初から予定されていることである。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0011】
また、以下においては、作業機械として油圧ショベルを例に挙げて説明する。しかしながら、作業機械は、油圧ショベルに限定されず、作業機を有する作業機械であれば特に限定されない。さらに、以下の説明において、「上」「下」「前」「後」「左」「右」とは、運転席に着座したオペレータを基準とする用語である。
【0012】
図1は、油圧ショベルの構成を概略的に示す側面図である。
【0013】
図1に示されるように、油圧ショベル1は、作業機2と、車体3とを備える。車体3は、走行体31と、スイングサークル32と、旋回体33と、油圧モータ35とを含む。
【0014】
走行体31は左右一対の履帯装置311を有している。この左右一対の履帯装置311の各々は履帯を有している。左右一対の履帯が回転駆動されることにより油圧ショベル1が自走する。
【0015】
スイングサークル32は、油圧モータ35に接続されている。スイングサークル32は、油圧モータ35の回転駆動によって回転する。
【0016】
旋回体33は、スイングサークル32を介して、走行体31に設置されている。旋回体33は、スイングサークル32の回転に伴い、走行体31に対して旋回する。
【0017】
旋回体33は、作業機2が取り付けられたフレーム331と、運転室332と、油圧ショベル1の動作を制御するコントローラ(図8参照)とを有している。運転室332は、旋回体33のたとえば前方左側(車両前側)に配置されている。なお、油圧モータ35は、油圧源から供給される作動油によって駆動する。
【0018】
作業機2は、旋回体33の前方側であって運転室332のたとえば右側にて軸支されている。作業機2は、ブーム21、アーム22、バケット23、ブームシリンダ211、アームシリンダ221、バケットシリンダ231などを有している。
【0019】
ブーム21は、旋回体33に取り付けられている。ブーム21の基端部は、ブームフートピン(図示せず)により旋回体33に回転可能に連結されている。
【0020】
アーム22は、ブーム21の先端に取り付けられている。アーム22の基端部は、ブーム先端ピン242によりブーム21の先端部に回転可能に連結されている。
【0021】
バケット23は、アーム22の先端に取り付けられている。バケット23は、アーム先端ピン243によりアーム22の先端部に回転可能に連結されている。
【0022】
ブーム21は、ブームシリンダ211により駆動可能である。ブームシリンダ211は、油圧源(図示していない油圧ポンプおよび油タンク)から供給される作動油によって駆動する。この駆動により、ブーム21は、ブームフートピン(図示せず)を中心に旋回体33に対して上下方向に回動可能である。
【0023】
アーム22は、アームシリンダ221により駆動可能である。この駆動により、アーム22は、ブーム先端ピン242を中心にブーム21に対して上下方向に回動可能である。
【0024】
バケット23は、バケットシリンダ231により駆動可能である。この駆動によりバケット23は、アーム先端ピン243を中心にアーム22に対して上下方向に回動可能である。このように作業機2は駆動可能である。
【0025】
図2は、旋回体33の構成を説明するための図である。
【0026】
図2に示されるとおり、旋回体33は、上述したように、フレーム331と、運転室332とを備える。旋回体33は、複数の液体封入式マウント34a,34b,…をさらに備える。なお、液体封入式マウントは、「ビスカスマウント」または「防振マウント」とも称される。
【0027】
フレーム331は、枠体331aと、左右方向に延びた梁331bとを備える。
【0028】
運転室332は、前面部332aと、後面部332bと、側面部332c(左側のみ図示)と、上面部332dとを備える。運転室332は、各部332a,332b,332c、332dによって囲まれている。運転室332には、下端側に床板用ブラケット332eが設けられている。床板用ブラケット332eには、運転室332の底部をなす床板332fが取り付けられている。
【0029】
複数の液体封入式マウント34a,34b,…は、フレーム331の異なる位置に設置され、かつ運転室332を支持する。本例では、旋回体33は、4つの液体封入式マウント34a,34b,34c,34d(図6図8)を備える。
【0030】
液体封入式マウント34aは、フレーム331の前部の左側に設置されている。液体封入式マウント34bは、フレーム331の後部の左側に設置されている。同様に、液体封入式マウント34c,34d(図6)は、それぞれ、フレーム331の後部の右側、フレーム331の前部の右側に設置されている。
【0031】
液体封入式マウント34a,34dは、枠体331aと運転室332の床板332fとの間に左,右に離間して配置されている。液体封入式マウント34b,34cは、梁331bと、床板332fとの間に左,右に離間して配置されている。
【0032】
このように、4つの液体封入式マウント34a~34dが、運転室332の下部の四隅に設置されている。液体封入式マウント34a~34dによって、フレーム331の振動が運転室332に伝わるのを抑制することができる。
【0033】
図3は、液体封入式マウント34aの要部を表した図である。
【0034】
図3に示されているように、液体封入式マウント34aは、筐体341と、弾性体342と、流体室343と、抵抗板344と、軸347と、液圧センサ349とを備える。
【0035】
筐体341は、上端側に開口部を有する。筐体341は、側部に取付口348を有する。典型的には、取付口348にはネジ溝が切ってある。
【0036】
弾性体342は、筐体341の開口部を閉塞した状態で、筐体341等に固着されている。弾性体342は、典型的にはゴムである。
【0037】
軸347は、弾性体342に固着されている。軸347は、軸方向に延びる円柱状に形成されている。軸347は、当該軸方向の中間部位が弾性体342に固着されることにより、筐体341の中心部に配置されている。
【0038】
筐体341と、弾性体342と、軸347とにより、流体室343が形成される。流体室343には、粘性液体345と圧縮空気346とが封入されている。粘性液体345は、典型的には、シリコンオイルである。
【0039】
抵抗板344は、流体室343内に封入した粘性液体345に常時浸されている。抵抗板344は、弾性体342が弾性変形するときに、軸347とともに粘性液体345中を移動することに。当該移動より、軸347の移動に対して抵抗力(減衰力)が発生する。
【0040】
液圧センサ349は、筐体341の取付口348に取り付けられている。典型的には、液圧センサ349の端部にはネジ溝が形成されている。液圧センサ349の端部を筐体341の取付口348にねじ込むことによって、液圧センサ349が筐体341に固定される。
【0041】
液圧センサ349は、粘性液体345の液圧を検出する。液圧センサ349は、検出結果を、油圧ショベル1の動作を制御するコントローラ100(図8)に通知する。液圧センサ349は、周期的に液圧を検出し、検出結果をコントローラ100に周期的に送信する。液圧センサ349は、検出結果である電気信号をコントローラ100に通知する。液圧センサ349は、本例では電圧値をコントローラ100に出力する。
【0042】
以上のように、液体封入式マウント34aは、液体封入式マウント34aに封入された粘性液体の液圧を検出し、コントローラ100に出力する液圧センサ349を備える。
【0043】
なお、液体封入式マウント34b,34c,34dも、液体封入式マウント34aと同様の構成を有するため、液体封入式マウント34b~34dについては、ここでは繰り返し説明しない。なお、以下では、液体封入式マウント34a~34dを区別しない場合には、これらの任意の1つを、「液体封入式マウント34」とも称する。
【0044】
図4は、液体封入式マウント34の特性を示した図である。
【0045】
図4に示されているように、液体封入式マウント34に加わる荷重に対して、粘性液体345の液圧と、弾性体342のたわみ量(変形量)とが比例している。荷重が増加すると、粘性液体345の液圧が上昇する。また、荷重が増加すると、弾性体342の撓み量が増加する。
【0046】
液圧を変数p、たわみ量を関数f(p)とすると、液圧とたわみ量との間には、f(p)=a×p+bの関係が成立する。なお、a,bは、係数である。このように、液圧が分ると、弾性体342のたわみ量がわかる。
【0047】
油圧ショベル1のコントローラ100は、このような粘性液体345の液圧と弾性体342のたわみ量との関係に基づき、液圧センサ349によって検出された粘性液体345の液圧(検出結果)から、弾性体342のたわみ量を算出する。
【0048】
次に、弾性体342のたわみ量を用いた油圧ショベル1の傾斜角度の算出について説明する。
【0049】
図5Aは、油圧ショベル1が水平面Hに位置する状態を表した図である。図5Bは、油圧ショベル1が傾斜面SLに位置している状態を表した図である。図5Bでは、傾斜面SLの水平面Hに対する傾斜角度は、θである。以下では、油圧ショベル1が、図5Aの状態から図5Bの状態に遷移した場合を例に挙げて説明する。
【0050】
なお、以下では、4つの液体封入式マウント34a~34dのうち、3つの液体封入式マウント34b,34c,34dを用いて、油圧ショベル1の傾斜角度θを算出する場合を例に挙げて説明する。傾斜角度θは、油圧ショベル1の「傾斜度合い」を表す指標の一例である。
【0051】
図6は、3つの液体封入式マウント34b~34dのたわみ量(変位量)の変化を説明するための図である。以下では、XYZ座標系(以下、「グローバル座標系」とも称する)とともに、油圧ショベル1内において設定されたxyz座標系(以下、「ローカル座標系」とも称する)を用いて説明する。
【0052】
図6に示されているように、点A,B,C,Dは、油圧ショベル1が図5Aの状態にあるときの、4つの液体封入式マウント34a~34dの弾性体342の上端面の位置を模式的に表している。なお、本例では説明の便宜上、点Dをローカル座標系の原点(0,0,0)としている。以下では、xyz座標系における点A,B,Cの座標を、それぞれ、(x1,0,0)、(x1,y1,0)、(0,y1,0)とする。点B’,C’,D’は、油圧ショベル1が図5Bの状態にあるときの、3つの液体封入式マウント34b~34dの弾性体342の上端面の位置を模式的に表している。
【0053】
予め定められた制御周期Tc(1回の制御周期内)において油圧ショベル1が図5Aの状態から図5Bの状態に遷移すると、液体封入式マウント34bの弾性体342の上端面の位置は、点Bから点B’に変化する。同様に、液体封入式マウント34cの弾性体342の上端面の位置は、点Cから点C’に変化する。液体封入式マウント34dの弾性体342の上端面の位置は、点Dから点D’に変化する。
【0054】
このように、弾性体342の上端面の3つの点で構成される三角形は、三角形BCDから三角形B’C’D’に変化する。すなわち、3つの点で構成される三角形(以下、「着目三角形」とも称する)の各頂点座標は変化する。ローカル座標系における点B’,C’,D’の座標は、z軸方向に変化し、それぞれ、たとえば(x1,y1,zb)、(0,y1,zc)、(0,0,zd)となる。
【0055】
コントローラ100は、三角形B’C’D’の三角形BCD(xy平面)に対する傾斜角度を算出する。本例では、三角形BCDはグローバル座標系のXY平面に対して平行である。三角形BCDの水平面Hに対する傾斜角度は0度である。よって、結果的に、コントローラ100は、三角形B’C’D’の水平面Hに対する傾斜角度を算出することになる。具体的には、コントローラ100は、三角形B’C’D’の法線ベクトルの向きに基づき、油圧ショベル1の水平面に対する傾斜角度θを算出する。
【0056】
このように、コントローラ100は、運転室332の隅の3つの液体封入式マウント34の液圧を相対的に比較することにより、油圧ショベル1の傾斜角度を算出する。それゆえ、油圧ショベル1の水平面Hに対する傾斜角度θの計測誤差が小さく、かつ傾斜角度θの算出の際に外乱の影響を受けにくい。このため、従来は必要であったセンサのキャリブレーションも不要となる。
【0057】
詳しくは、運転室332は、液体封入式マウント34を介して旋回体33に設置されている。旋回体33は、スイングサークル32を介して走行体31に設置されている。走行体31の傾きに応じて旋回体33が傾く。旋回体33の傾きに応じて運転室332が傾く。運転室332の傾きに応じて、各液体封入式マウント34の液圧が変わる。
【0058】
したがって、上述したように、各液体封入式マウント34の粘性液体345の液圧に基づき、油圧ショベル1の傾斜角度θを求めることができる。特に、作業機2の姿勢、バケット23の積み荷、油路(図示せず)における油の状態、車体の追加オプションの状態が変わっても、旋回体33が傾かないと運転室332は傾かないため、精度の高い傾斜角度θの算出を行なうことができる。
【0059】
図6における点P1は、油圧ショベル1が図5Aの状態にあるときの三角形BCDの重心位置を示している。点P2は、油圧ショベル1が図5Bの状態にあるときの三角形B’C’D’の重心位置を示している。油圧ショベル1が図5Aの状態から図5Bの状態に遷移することにより、着目三角形の重心位置(以下、「着目三角形の重心位置P」とも称する)は、点P1から点P2に移動する。コントローラ100は、点P1から点P2への重心移動の加速度の大きさと向きとを算出する。
【0060】
詳細については後述するが、コントローラ100は、算出された油圧ショベル1の水平面Hに対する傾斜角度θと、上記着目三角形の重心位置Pの移動の加速度の大きさおよび向きとを用いて、油圧ショベル1の転倒の可能性を判定する。なお、着目三角形の重心位置Pは、ローカル座標系での位置である。
【0061】
図7は、油圧ショベル1の転倒を説明するための図である。
【0062】
図7に示されているように、直線901は、右側の履帯装置311のうち傾斜面SLに接地する箇所のうちのY軸負方向端部の仮想線(X軸方向の直線)を示している。なお、直線901は、図7が油圧ショベル1を正面視した図であるため、点として表記されている。平面902は、水平面Hに直交する仮想面である。直線901は、平面902上の線である。
【0063】
図5Bと同様に、油圧ショベル1は傾斜面SLに位置している。このときの油圧ショベル1の重心位置(以下「作業機械の重心位置Q」とも称する)を、位置Q1とする。この状態において、オペレータが、たとえば、旋回体33を時計回り方向(図7のY軸負方向)に旋回させ、かつ作業機2を上昇させて、作業機械の重心位置Qが位置Q1から位置Q2に移動したとする。なお、作業機械の重心位置Qは、XYZ座標系での位置である。
【0064】
この場合、作業機械の重心位置Qは、平面902に対して位置Q1とは反対側の位置Q2に移動する。このため、直線901を回転軸として、油圧ショベル1は、矢印903の方向に転倒してしまう。
【0065】
このような事態の発生を防ぐため、油圧ショベル1は、油圧ショベル1の転倒の可能性(危険度、兆候)を事前に判定し、オペレータに対して油圧ショベル1の転倒の可能性を報知する。以下、油圧ショベル1の転倒の可能性判定について、より詳しく説明する。
【0066】
図8は、油圧ショベル1のハードウェア構成と、油圧ショベル1のコントローラ100の機能的構成とを説明するためのブロック図である。
【0067】
図8に示されているように、油圧ショベル1は、4つの液体封入式マウント34a~34dと、コントローラ100と、報知装置400とを備える。
【0068】
液体封入式マウント34a~34dは、液圧センサ349を有する。液圧センサ349は、上述したように、粘性液体345の液圧を検出し、かつ、検出結果をコントローラ100に通知する。
【0069】
報知装置400は、ランプ401と、ブザー402と、振動装置403と、モニタ装置404とを含む。振動装置403は、たとえば、操作レバー等の操作装置に組み込まれている。報知装置400は、ランプ401と、ブザー402と、振動装置403と、モニタ装置404とのうち、少なくとも1つを備えていればよい。
【0070】
コントローラ100は、油圧ショベル1の全体的な動作を制御する。コントローラ100は、車体3に設置されている。典型的には、コントローラ100は、運転室332内に設置されている。
【0071】
コントローラ100は、傾斜角度算出部110と、加速度算出部120と、作業機械重心算出部130と、判定部140とを備える。傾斜角度算出部110は、たわみ量算出部111と、頂点座標算出部112と、平面特定部113と、法線ベクトル算出部114とを含む。加速度算出部120は、平面重心算出部121と、移動量算出部122とを含む。
【0072】
傾斜角度算出部110は、油圧ショベル1の水平面Hに対する傾斜角度θを算出する。傾斜角度算出部110は、制御周期Tc毎に、当該傾斜角度を算出する。以下、傾斜角度算出部110における処理について説明する。
【0073】
たわみ量算出部111は、4つの液圧センサ349のうち、予め指定された3つの液圧センサ349の検出結果に基づいて、3つの液体封入式マウント34の弾性体342のたわみ量を算出する。図6の例では、たわみ量算出部111は、液体封入式マウント34b、34c、34dの各弾性体342のたわみ量を算出する。たわみ量算出部111は、上述した粘性液体345の液圧と弾性体342のたわみ量との関係(図4)参照に基づき、各弾性体342のたわみ量を算出する。
【0074】
頂点座標算出部112は、3つの弾性体342のたわみ量に基づき、上述した着目三角形(図6参照)のローカル座標系における3つの頂点の座標を算出する。
【0075】
平面特定部113は、算出された3つ頂点の座標に基づき、ローカル座標系において当該3つの座標を含む平面を特定する。法線ベクトル算出部114は、平面特定部113によって特定された平面の法線ベクトルを算出する。
【0076】
傾斜角度算出部110は、算出された法線ベクトルに基づき、油圧ショベル1の水平面Hに対する傾斜角度を算出する。傾斜角度算出部110は、算出された傾斜角度の情報を、作業機械重心算出部130に送る。傾斜角度算出部110は、頂点座標算出部112によって算出された3つの頂点の座標の情報を、加速度算出部120に送る。
【0077】
加速度算出部120は、上述した着目三角形(図6参照)の重心移動の加速度の大きさと向きとを算出する。加速度算出部120は、周期的(上述した制御周期Tc毎に)に、当該着目三角形の重心移動の加速度の大きさと向きとを算出する。
【0078】
平面重心算出部121は、3つの頂点の座標に基づいて、着目三角形の重心位置Pを周期的に算出する。移動量算出部122は、平面重心算出部121の算出結果に基づき、上記着目三角形の重心位置Pの移動量(変化量)を周期的に算出する。
【0079】
加速度算出部120は、移動量算出部122によって算出された移動量と、平面重心算出部121によって算出された着目三角形の重心位置Pとに基づき、当該着目三角形の重心位置Pの移動の加速度の大きさと向きとを周期的に算出する。加速度算出部120は、算出された加速度の大きさと向きとの情報を、作業機械重心算出部130に送る。
【0080】
作業機械重心算出部130は、傾斜角度θと、加速度の大きさと向きとに基づいて、作業機械の重心位置Q(図7参照)を周期的に算出する。作業機械重心算出部130は、算出された作業機械の重心位置Qの情報を、判定部140に送る。
【0081】
判定部140は、作業機械の重心位置Qに基づいて、油圧ショベル1の転倒の可能性を判定する。判定部140は、判定の結果に基づく報知を報知装置400に実行させる。詳しくは、判定部140は、作業機械の重心位置Qに基づき、転倒の可能性を示す指標値を算出する。判定部140は、指標値が予め定められた閾値を超えたか否かを判断する。判定部140は、指標値が閾値を超えたと判断した場合、オペレータに対して警告を報知するために、所定の信号(指令)を報知装置400に送る。
【0082】
指標値は、算出された作業機械の重心位置Qと、予め定められた基準重心位置(デフォルトの重心位置)との差分として表される。指標値は、主として、上記差分のうち、上述したXYZ座標系におけるXY平面(水平面H)に平行な成分を用いることができる。
【0083】
なお、基準重心位置は、油圧ショベル1が水平面Hに位置するときの重心位置である。また、デ基準重心位置は、旋回体33が旋回していないときの重心位置である。また、基準重心位置が、作業機2が所定の位置にあるときの重心位置である。
【0084】
報知装置400は、警告を報知するための信号をコントローラ100から受信すると、オペレータに対して、警告を報知する。たとえば、ランプ401が点滅する。ブザー402が鳴動する。振動装置403が振動する。モニタ装置404が画面に警告画面を表示する。
【0085】
このように報知装置が警報を発するため、オペレータは油圧ショベル1の転倒の可能性を知ることができる。それゆえ、オペレータが転倒回避の操作を行なうことにより、油圧ショベル1の転倒を防ぐことができる。
【0086】
コントローラ100は、図示しないプロセッサと、各種のプログラムが格納されたメモリとを含む。プロセッサが、当該プログラムを実行することにより、傾斜角度算出部110と、加速度算出部120と、作業機械重心算出部130と、判定部140とが実現される。また、傾斜角度算出部110と、加速度算出部120と、作業機械重心算出部130と、判定部140における処理の全部または一部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の専用の演算回路によって実現してもよい。
【0087】
図9は、コントローラ100の処理の流れを説明するためのフロー図である。なお、以下の処理は、制御周期Tc毎に実行される。
【0088】
図9に示されているように、ステップS1において、コントローラ100は、複数の液体封入式マウント34の液圧センサ349から検出結果である信号を受信する。ステップS2において、コントローラ100は、3つの液圧センサ349から受信した信号に基づいて、油圧ショベル1の水平面Hに対する傾斜角度θを算出する。ステップS3において、コントローラ100は、着目三角形の重心位置Pの移動に基づき、油圧ショベル1の加速度の大きさおよび向きを算出する。
【0089】
ステップS4において、コントローラ100は、算出された傾斜角度と、算出された加速度の大きさおよび向きとに基づき、作業機械の重心位置Qを算出する。ステップS5において、コントローラ100は、作業機械の重心位置Qと基準重心位置とに基づき、転倒の可能性を示す指標値を算出する。ステップS6において、コントローラ100は、算出された指標値が予め定められた閾値を超えたか否かを判断する。
【0090】
コントローラ100は、指標値が閾値を超えたと判断した場合(ステップS6においてYES)、ステップS7において、報知装置400に警告の報知指示を送る。これにより、報知装置400は、オペレータに対して警告を報知する。
【0091】
ステップS8において、コントローラ100は、作業機2の動作を制限する。たとえば、コントローラ100は、オペレータ操作にかかわらず、転倒の可能性がある方向への作業機2の移動を制限する。これにより、油圧ショベル1の転倒の可能性を低減できる。
【0092】
コントローラ100は、指標値が閾値を超えていないと判断した場合(ステップS6においてNO)、処理をステップS1に戻す。コントローラ100は、次の制御周期Tcが到来すると、ステップS1以降の処理を繰り返す。
【0093】
上述した油圧ショベル1の構成の一部を抽出すると以下のとおりである。
【0094】
油圧ショベル1は、作業機2と、走行体31と、走行体31に旋回可能に支持された旋回体33と、コントローラ100とを備える。旋回体33は、作業機2が取り付けられたフレーム331と、運転室332と、フレーム331の異なる位置に設置され、かつ運転室332を支持する複数の液体封入式マウント34とを含む。各液体封入式マウント34は、液体封入式マウント34内に封入された粘性液体345の液圧を検出する液圧センサ349を有する。コントローラ100は、各液圧センサ349による検出の結果に基づいて、水平面Hに対する油圧ショベル1の傾斜角度θを算出する。このような構成によれば、上述したように、油圧ショベル1の水平面Hに対する傾斜角度θを精度よく判定可能となる。
【0095】
油圧ショベル1は、報知装置400をさらに備える。コントローラ100は、傾斜角度θに基づいて、油圧ショベル1の転倒の可能性を判定する。コントローラ100は、判定の結果に基づく報知を報知装置400に実行させる。このような構成によれば、油圧ショベル1のオペレータは、油圧ショベル1が転倒する可能性があることを知ることができる。
【0096】
コントローラ100は、各液圧センサ349による検出の結果に基づいて、油圧ショベル1の加速度の大きさおよび向きをさらに算出する。コントローラ100は、傾斜角度θと、加速度の大きさおよび向きとに基づいて、油圧ショベル1の転倒の可能性を判定する。このような構成によれば、傾斜角度θのみを用いる構成比べて、油圧ショベル1の転倒の可能性を精度良く判定できる。
【0097】
コントローラ100は、傾斜角度θと、加速度の大きさおよび向きに基づいて、作業機械の重心位置Qをさらに算出する。コントローラ100は、作業機械の重心位置Qに基づいて、油圧ショベル1の転倒の可能性を判定する。油圧ショベル1の作業機械の重心位置Qに基づいて転倒の可能性を判断することにより、精度の高い判定が可能となる。
【0098】
コントローラ100は、作業機械の重心位置Qに基づき、油圧ショベル1の転倒の可能性を示す指標値をさらに算出する。コントローラ100は、指標値が閾値を超えた場合、報知装置400に警告の報知を実行させる。
【0099】
コントローラ100は、指標値が閾値を超えた場合、作業機2の動作を制限する。このような構成によれば、油圧ショベル1の転倒の可能性をさらに低減できる。
【0100】
油圧ショベル1は、少なくとも3つの液体封入式マウント34を含む。コントローラ100は、3つの液体封入式マウント34の粘性液体345の液圧に基づき、液体封入式マウント34の基準値からの変位量(たわみ量)を液体封入式マウント34毎に算出する。コントローラ100は、3つの変位量に基づき、傾斜角度θを算出する。3つの液体封入式マウント34の粘性液体345の液圧を用いることにより、上述した着目三角形を形成できる。それゆえ、コントローラ100は、傾斜角度θを算出できる。
【0101】
<変形例>
(1)上記においては、コントローラ100は、3つの液体封入式マウント34b,34c、34dの液圧センサ349の検出結果を用いて処理を行なった。しかしながら、これに限定されない。コントローラ100は、4つの液体封入式マウント34a~34dのうちの任意の3つの液体封入式マウント34の液圧センサ349の検出結果を用いればよい。
【0102】
(2)複数の三角形に着目し、各着目三角形の傾斜角度を求め、これらの平均値を傾斜角度θとしてもよい。
【0103】
(3)コントローラ100は、3つの液圧センサ349の検出結果を利用する構成であるため、4つの液体封入式マウント34のうちの1つは液圧センサ349を備えていなくてもよい。
【0104】
(4)上記においては、コントローラ100の判定部140は、指標値と1つの閾値とを比較して、報知装置400に所定の信号を送るか否かを判断した。しかしながら、これに限定されず、判定部140は、複数の閾値(たとえば、Th2>Th1)と比較してもよい。この場合、判定部140は、指標値が閾値Th1を超えると、第1の信号を報知装置400に送信する。判定部140は、指標値が閾値Th2を超えると、第2の信号を報知装置400に送信する。
【0105】
報知装置400は、第1の信号を受信したときと、第2の信号を受信したときとでは、報知の態様を異ならせる。たとえば、報知装置400は、第2の信号を受信した場合、第1の信号を受信したときよりも警告の程度を大きくする。このような構成によれば、オペレータは油圧ショベル1の転倒の可能性が大きくなったことを知ることができる。
【0106】
(5)上記において、作業機械は、油圧ショベルである。しかしながら、これに限定されず、作業機を有する作業機械であればよい。たとえば、作業機械は、ブルドーザ、ローダ、あるいはグレーダであってもよい。作業機械は、車体と、作業機と、コントローラ100とを備える。車体は、作業機が取り付けられたフレームと、運転室と、フレームの異なる位置に設置され、かつ運転室を支持する複数の液体封入式マウント34とを含む。
【0107】
(6)上記において、液圧センサが複数存在することが前提となっているが、傾斜度合いをみるのであれば、一つの液圧センサでも可能である。一つの液圧センサの液圧標準値を記憶しておき、液圧標準値からの変化をみれば、その圧力センサのゴムマウントが圧縮されているか、引っ張られているかが分かり、傾斜度合いが分かる。コントローラ100は、コントローラ100内のメモリに予め記憶された液圧標準値からの液圧の変化に基づき、作業機械の傾斜度合いを算出できる。
【0108】
今回開示された実施の形態は例示であって、上記内容のみに制限されるものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0109】
1 油圧ショベル、2 作業機、3 車体、21 ブーム、22 アーム、23 バケット、31 走行体、32 スイングサークル、33 旋回体、34a,34b,34c,34d 液体封入式マウント、35 油圧モータ、100 コントローラ、110 傾斜角度算出部、120 加速度算出部、130 作業機械重心算出部、140 判定部、211 ブームシリンダ、221 アームシリンダ、231 バケットシリンダ、242 ブーム先端ピン、243 アーム先端ピン、311 履帯装置、331 フレーム、331a 枠体、331b 梁、332 運転室、332a 前面部、332b 後面部、332c 側面部、332d 上面部、332e 床板用ブラケット、332f 床板、341 筐体、342 弾性体、343 流体室、344 抵抗板、345 粘性液体、346 圧縮空気、347 軸、348 取付口、349 液圧センサ、400 報知装置、901 直線、902 平面、H 水平面、P 着目三角形の重心位置、Q 作業機械の重心位置、SL 傾斜面。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9