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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139756
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】包装資材の見積もりシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220915BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040270
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】521107448
【氏名又は名称】株式会社ナルセ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】成瀬 弘之
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】必要なサイズの包装資材についての価格見積もりを、簡単な操作で、速やかに提示することのできる包装資材の見積もりシステムを提供する。
【解決手段】このシステム10は、見積もり価格を算出する演算式であって且つ算出パラメータとして包装資材の寸法を含む演算式が記憶されたデータベース11と、外部機器13にウェブサイトを表示する管理サーバ12とを有する。管理サーバ12の入力画面データ送信部15は、寸法を入力する入力画面に関するデータを外部機器13に送信する。管理サーバ12のデータ受信部16は、外部機器13の操作を通じて寸法が入力された場合に、同寸法に関するデータを外部機器13から受信する。管理サーバ12の価格算出部17は、受信した寸法に基づいて演算式から見積もり価格を算出する。管理サーバ12の価格データ送信部18は、見積もり価格に関するデータを外部機器13に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製のシート材により形成される包装資材についての価格見積もりを外部機器の操作を通じて行うためのウェブサイトを提供する包装資材の見積もりシステムであって、
前記包装資材の見積もり価格を算出する演算式であって且つ算出パラメータとして前記包装資材の寸法を含む演算式が記憶されたデータベースと、前記外部機器に前記ウェブサイトを表示する管理サーバと、を有し、
前記管理サーバは、
前記寸法を入力する入力画面を前記外部機器に表示させるべく、同入力画面に関するデータを通信ネットワークを介して前記外部機器に送信する入力画面データ送信部と、
前記外部機器の操作を通じて前記寸法が入力された場合に、前記通信ネットワークを介して当該寸法に関するデータを前記外部機器から受信するデータ受信部と、
前記データ受信部によって受信した前記寸法に基づいて、前記演算式から、前記見積もり価格を算出する価格算出部と、
前記価格算出部によって算出された前記見積もり価格に関するデータを、前記外部機器に表示させるべく、前記通信ネットワークを介して前記外部機器に送信する価格データ送信部と、を有する包装資材の見積もりシステム。
【請求項2】
前記寸法は、前記包装資材の幅寸法と、長さ寸法と、厚み寸法とを含む
請求項1に記載の包装資材の見積もりシステム。
【請求項3】
前記包装資材は、ポリオレフィン製の袋である
請求項1または2に記載の包装資材の見積もりシステム。
【請求項4】
前記データベースには、基本形状の異なる複数種類の包装資材について各別に前記演算式が記憶されており、
前記入力画面には、前記複数種類の包装資材のうちの何れかを選択する選択ボタンが表示されており、
前記データ受信部は、前記選択ボタンの操作を通じて選択された前記包装資材の基本形状に関するデータを前記外部機器から受信するものであり、
前記価格算出部は、前記データ受信部によって受信した前記包装資材の基本形状に対応する前記演算式を選択するとともに、該選択した前記演算式から前記見積もり価格を算出するものである
請求項1~3のいずれか一項に記載の包装資材の見積もりシステム。
【請求項5】
前記入力画面データ送信部は、前記価格データ送信部による前記見積もり価格に関するデータの送信に合わせて、前記見積もり価格を確定する確定ボタンとユーザー情報を入力する画面とを前記外部機器に表示させるべく、前記確定ボタンに関するデータと前記入力する画面に関するデータとを前記通信ネットワークを介して前記外部機器に送信するものであり、
前記データ受信部は、前記外部機器の操作を通じて前記ユーザー情報が入力されるとともに前記確定ボタンが操作された場合に、前記通信ネットワークを介して前記ユーザー情報に関するデータと前記確定ボタンの操作に関するデータとを受信するものであり、
前記管理サーバは、前記ユーザー情報に関するデータと前記見積もり価格に関するデータとを関連付けたデータを前記データベースに出力して記憶させる見積もりデータ記憶部を有する
請求項1~4のいずれか一項に記載の包装資材の見積もりシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成樹脂製のシート材によって形成される包装資材の価格見積もりを行う包装資材の見積もりシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
包装資材(いわゆるポリ袋やブルーシート、UVカットシートなど)の注文に先立ち、販売者に対して価格の見積もりを依頼する場合がある。この価格見積もりは、次のように行われる。先ず、購入予定者は、販売者を探し出すとともに、同販売者と打ち合わせの約束を取る。そして、購入予定者は、打ち合わせにおいて、発注する予定の包装資材のサイズや仕様を伝えて、価格見積もりを依頼する。その後、購入予定者は、販売者が作成した見積もりを受け取る。
【0003】
近年、インターネットショッピングによって商品購入を行うことが多用されている(例えば特許文献1)。この場合、購入予定者は、自身の端末(パーソナルコンピュータやスマートフォンなど)を利用してショッピングサイトにアクセスし、同サイトにアップされている商品の中から必要なものを選んで注文する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-31655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のように価格見積もりを行う場合には、購入予定者から販売者への連絡にかかる手間が非常に大きく、これが購入予定者による価格見積もりの依頼を阻害する要因になるおそれがある。これにより、販売者は、購入予定者による価格見積もりの依頼機会、ひいては受注の機会を失うおそれがある。
【0006】
インターネットショッピングの仕組みを利用して、購入予定者に価格見積もりを依頼してもらうことが考えられる。これにより、購入予定者は、簡単な作業で価格見積もりを依頼することが可能になる。
【0007】
ただし、ポリ袋やブルーシート、UVカットシートなどの包装資材は、購入予定者が必要とするサイズが多種多様である。そのため、そうした購入予定者の要求に応えるためには、ウェブサイトにアップする商品の数が膨大になってしまう。したがって、ウェブサイトにアップされている商品の中から必要なサイズの商品を見つけ出す作業が手間のかかる作業になるおそれがある。しかも、購入予定者が必要とする商品サイズによっては、ウェブサイトにアップされている商品の中に、必要なサイズのものが存在しない場合もある。この場合には、購入予定者は、該当する商品が無いのにもかかわらず同商品を探す作業を行うことになってしまう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための包装資材の見積もりシステムは、合成樹脂製のシート材により形成される包装資材についての価格見積もりを外部機器の操作を通じて行うためのウェブサイトを提供する包装資材の見積もりシステムであって、前記包装資材の見積もり価格を算出する演算式であって且つ算出パラメータとして前記包装資材の寸法を含む演算式が記憶されたデータベースと、前記外部機器に前記ウェブサイトを表示する管理サーバと、を有し、前記管理サーバは、前記寸法を入力する入力画面を前記外部機器に表示させるべく、同入力画面に関するデータを通信ネットワークを介して前記外部機器に送信する入力画面データ送信部と、前記外部機器の操作を通じて前記寸法が入力された場合に、前記通信ネットワークを介して当該寸法に関するデータを前記外部機器から受信するデータ受信部と、前記データ受信部によって受信した前記寸法に基づいて、前記演算式から、前記見積もり価格を算出する価格算出部と、前記価格算出部によって算出された前記見積もり価格に関するデータを、前記外部機器に表示させるべく、前記通信ネットワークを介して前記外部機器に送信する価格データ送信部と、を有する。
【0009】
上記構成では、購入予定者は、外部機器(パーソナルコンピュータやスマートフォンなど)の操作を通じてウェブサイトにアクセスするとともに、同ウェブサイトにおける入力画面において包装資材の寸法値を入力する。これにより、寸法値に基づいて見積もり価格が算出されて外部機器のウェブサイト上に表示されるようになる。こうした構成によれば、ウェブサイトにアップされている多数の包装資材の中から必要なサイズのものを探し出すといった煩雑な作業が不要になる。しかも、購入予定者が必要とするサイズの包装資材が無いのにもかかわらず、同包装資材を探してしまうといった状況になることを回避することもできる。このように上記構成によれば、ウェブサイトにおける入力画面において包袋資材の寸法値を入力するといった簡単な操作で、同包装資材の見積もり価格を購入予定者に速やかに提示することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、必要なサイズの包装資材についての価格見積もりを、簡単な操作で、速やかに提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態の包装資材の見積もりシステムの概略構成図。
図2】ホーム画面の表示内容を示す図。
図3】HDPEが選択された場合における形状選択画面の表示内容を示す図。
図4】OPPが選択された場合における形状選択画面の表示内容を示す図。
図5】平袋が選択された場合における寸法入力画面の表示内容の一例を示す図。
図6】ガゼット袋が選択された場合の寸法入力画面の表示内容の一例を示す図。
図7】価格表示画面の表示内容を示す図。
図8】見積もり確定画面の表示内容を示す図。
図9】見積もりの実行手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、包装資材の見積もりシステムの一実施形態について説明する。
図1に示すように、包装資材の見積もりシステム10は、各種のデータが格納されたデータベース11と、外部機器13にウェブサイトを表示させるウェブサーバ機能を有する管理サーバ12とを備える。見積もりシステム10は、携帯電話網やインターネット網などの通信ネットワーク14を介して、外部機器13(具体的には、パーソナルコンピュータやスマートフォンなどのユーザー端末)に接続可能になっている。この見積もりシステム10は、外部機器13との間での情報の送受信が可能になっている。
【0013】
データベース11には、見積もりを行う商品についての情報(商品情報)や、商品の見積もり価格の算出に用いる演算式、見積もりの内容(見積もり情報)が格納されている。
包装資材としての商品は、合成樹脂(具体的には、ポリオレフィン)製のシート材によって形成される袋、いわゆるポリ袋である。本実施形態では、商品の形成材料として、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LLDPE)、および二軸延伸ポリプロピレン(OPP)の3種類の形成材料が設定されている。また商品の基本形状としては、両サイドにマチを有していない平袋と、両サイドにマチを有するガゼット袋との2種類の形状が設定されている。商品のシール態様としては、ボトムの幅方向全体がシールされた状態(以下、全シール)、ボトムの幅方向の中央が部分的にシールされる態様(部分シール)、およびボトムがシールされない態様(シール無し)の3種類のシール態様が設定されている。
【0014】
そして、商品情報としては、3種類の形成材料、2種類の基本形状、および3種類のシール態様が選択的に組み合わせられてなる以下の13種類の商品が設定されている。
(商品A1)HDPE、平袋、全シール。
【0015】
(商品A2)HDPE、平袋、シール無し。
(商品A3)HDPE、平袋、部分シール。
(商品A4)HDPE、ガゼット袋、全シール。
【0016】
(商品A5)HDPE、ガゼット袋、シール無し。
(商品A6)HDPE、ガゼット袋、部分シール。
(商品B1)LLDPE、平袋、全シール。
【0017】
(商品B2)LLDPE、平袋、シール無し。
(商品B3)LLDPE、平袋、部分シール。
(商品B4)LLDPE、ガゼット袋、全シール。
【0018】
(商品B5)LLDPE、ガゼット袋、シール無し。
(商品B6)LLDPE、ガゼット袋、部分シール。
(商品C1)OPP、平袋、シール無し(サイドは全シール)。
【0019】
演算式は、13種類の商品毎に設定されてデータベース11に記憶されている。
各演算式としては、商品の各部の寸法を算出パラメータとして用いることで、同商品の見積もり価格を算出することの可能な演算式が予め求められて、データベース11に記憶されている。算出パラメータとしては、具体的には、商品を構成するシート材の厚みt、商品の幅W、商品の長さLB、商品(ガゼット袋)におけるマチの長さ(LM)、商品(部分シール)におけるシールが形成されない部分(シール抜き)の長さLSが用いられる。なお本実施形態の見積もりシステム10では、同システム10の管理者により、原材料価格や工賃の変動に合わせて、各演算式の各種係数を変更することが可能になっている。
【0020】
見積もり情報としては、見積もりシステム10によって算出された見積もり価格や、外部機器13から受信した「お客様情報」などがデータベース11に格納、および蓄積される。
【0021】
管理サーバ12は、商品の価格見積もりに関する情報を管理するものである。管理サーバ12は、入力画面データ送信部15や、データ受信部16、価格算出部17、価格データ送信部18、見積もりデータ記憶部19を有している。
【0022】
入力画面データ送信部15は、価格見積もり用の情報を入力する入力画面を外部機器13に表示させるべく、同入力画面に関するデータを携帯電話網やインターネット網などの通信ネットワーク14を介して外部機器13に送信する。データ受信部16は、外部機器13の操作を通じて同外部機器13から送信されるデータを、通信ネットワーク14を介して受信する。価格算出部17は、上記データ受信部16によって受信したデータに基づいて前記演算式から見積もり価格を算出する。価格データ送信部18は、価格算出部17によって算出された見積もり価格に関するデータを、外部機器13に表示させるべく、通信ネットワーク14を介して外部機器13に送信する。見積もりデータ記憶部19は、ユーザー情報に関するデータと見積もり価格に関するデータとを関連付けたデータをデータベース11に出力して記憶させる。
【0023】
本実施形態の見積もりシステム10では、商品の価格見積もりが、購入予定者としてのユーザーによる外部機器13の操作を通じて実行される。
管理サーバ12は、外部機器13に、ホーム画面を表示する機能を有する。
【0024】
図2に示すように、ホーム画面20には、商品の形成材料として「HDPE」を選択する選択ボタン21と、「LLDPE」を選択する選択ボタン22と、「OPP」を選択する選択ボタン23とが表示されている。そして、外部機器13の操作を通じて、ホーム画面20における選択ボタン21,22,23のいずれかが操作されることで、商品の形成材料が選択される。本実施形態では、このようにして選択された形成材料についての情報(データ)は、管理サーバ12によって受信されてデータベース11に記憶される。
【0025】
なおホーム画面20には、商品(材質、形状)を説明する説明文や、本ウェブサイトによる見積もりの流れを説明する内容の説明文が記載されている。その他、ホーム画面20には、「注文ガイド」ページ用のリンクボタン24や、「お問い合わせ」ページ用のリンクボタン25、「会社概要」ページ用のリンクボタン26等も表示されている。
【0026】
管理サーバ12は、外部機器13に、袋の基本形状を選択する画面(形状選択画面30)を表示する機能を有する。
形状選択画面30には、ホーム画面20において選択された形成材料に応じて、同形成材料によって製造可能な商品の種類に対応する選択ボタンが、商品の種類毎に表示される。
【0027】
図3は、ホーム画面20において「HDPE」が選択された場合における形状選択画面30を示している。図3に示すように、「HDPE」が選択された場合には、「HDPE」によって製造可能な6種類の商品(具体的には、(商品A1)~(商品A6))に対応する6つの選択ボタン31~36が形状選択画面30に表示される。
【0028】
本実施形態では、各選択ボタン31~36には、対応する商品の形状が表示されている。具体的には、(商品A1)に対応する選択ボタン31には(商品A1)の形状が表示されており、(商品A2)に対応する選択ボタン32には(商品A2)の形状が表示されており、(商品A3)に対応する選択ボタン33には(商品A3)の形状が表示されている。また、(商品A4)に対応する選択ボタン34には(商品A4)の形状が表示されており、(商品A5)に対応する選択ボタン35には(商品A5)の形状が表示されており、(商品A6)に対応する選択ボタン36には(商品A6)の形状が表示されている。
【0029】
一方、ホーム画面20において「LLDPE」が選択された場合には、「LLDPE」によって製造可能な6種類の商品(具体的には、(商品B1)~(商品B6))に対応する6つの選択ボタンが形状選択画面30に表示される。本実施形態では、6つの選択ボタンには、上記選択ボタン31~36と同様に、対応する商品(具体的には、(商品B1)~(商品B6)のいずれか)の形状が表示されている。
【0030】
他方、図4に示すように、ホーム画面20において「OPP」が選択された場合には、「OPP」によって製造可能な1種類の(商品C1)に対応する1つの選択ボタン37が形状選択画面30に表示される。この選択ボタン37には(商品C1)の形状が表示されている。
【0031】
本実施形態の見積もりシステム10では、外部機器13の操作を通じて、形状選択画面30における選択ボタンのいずれかが操作されることで、商品の基本形状が選択される。本実施形態では、このようにして選択された基本形状についての情報(データ)は、管理サーバ12によって受信されてデータベース11に記憶される。
【0032】
管理サーバ12は、外部機器13に、商品の各部の寸法を入力する画面(寸法入力画面40)を表示する機能を有する。寸法入力画面40には、商品の各部の寸法を入力する入力欄が表示される。
【0033】
図5に一例を示すように、形状選択画面30において(商品A1)~(商品A3)、(商品B1)~(商品B3)、および(商品C1)のいずれかが選択された場合、すなわち平袋の商品が選択された場合には、少なくとも3つの入力欄41~43が表示される。この場合には、詳しくは、商品の厚み寸法(t)を入力する入力欄41と、幅寸法(W)を入力する入力欄42と、長さ寸法(LB)を入力する入力欄43とが表示される。
【0034】
図6に一例を示すように、形状選択画面30において(商品A4)~(商品A6)、および(商品B4)~(商品B6)のいずれかが選択された場合、すなわちガゼット袋の商品が選択された場合には、少なくとも4つの入力欄41~44が表示される。この場合には、詳しくは、上記3つの入力欄41~43に加えて、マチの長さ寸法(LM)を入力する入力欄44が表示される。
【0035】
また、形状選択画面30において(商品A3)、(商品A6)、(商品B3)および(商品B6)のいずれかが選択された場合、すなわち部分シールの商品が選択された場合には、シール抜きの長さ(LS)を入力する入力欄45(図6)が表示される。
【0036】
なお本実施形態では、厚み寸法(t)の入力欄41においては「0.001ミリメートル」刻みの値を入力可能になっている。また、それ以外の入力欄42~45においては「5ミリメートル」刻みの値を入力可能になっている。なお、こうした各入力欄41~45に対する入力値の刻み間隔は任意に変更することができる。
【0037】
本実施形態の見積もりシステム10では、外部機器13の操作を通じて寸法入力画面40における入力欄41~45に数値が入力されると、見積もり対象の商品についての各部の寸法が設定される。本実施形態では、このようにして入力された各部の寸法についての情報(データ)は、管理サーバ12によって受信されてデータベース11に記憶される。
【0038】
管理サーバ12は、見積もり価格を表示する画面(価格表示画面50)を表示する機能を有する。
本実施形態の見積もりシステム10では、管理サーバ12により、寸法入力画面40において入力された寸法値(厚さt、幅W、長さLB,LM,LS)に基づいて、データベース11に記憶されている演算式から、商品の見積もりに関する各値が算出される。
【0039】
そして図7に示すように、商品の見積もりに関する各値は、価格表示画面50の表示欄に表示される。
価格表示画面50は、国内製品における「ロット当たりの商品の製造枚数」を「国産ロットPA1」として表示する表示欄51Xと、海外製品における「ロット当たりの商品の製造枚数」を「海外産ロットPA2」として表示する表示欄51Yとを有する。なお国産ロットPA1は、例えば、1ロットで製造される商品の全長を「Lbse」とすると、長さLBに基づいて演算式「PA1=Lbse/LB×1000」から算出される。
【0040】
価格表示画面50は、国内製品の「1枚当たりの商品の重量」を「1枚当たりの国産概算重量PB1」として表示する表示欄52Xと、海外製品の「1枚当たりの商品の重量」を「1枚当たりの海外産概算重量PB2」として表示する表示欄52Yとを有する。なお国産概算重量PB1は、例えば、厚みt、幅Wおよび長さLBに基づいて、演算式「PB1=t×2×W×LB/1000」から算出される。
【0041】
価格表示画面50は、国内製品の「ロット当たりの商品の総重量」を「国産総重量PC1」として表示する表示欄53Xと、海外製品の「ロット当たりの商品の総重量」を「海外産総重量PC2」として表示する表示欄53Yとを有する。なお国産総重量PC1は、例えば、「国産ロットPA1」および「1枚当たりの国産概算重量PB1」に基づいて、演算式「PC1=PA1×PB1」から算出される。
【0042】
価格表示画面50は、国内製品の「概算単価」を「国産概算単価PD1(税抜)」として表示する表示欄54Xと、海外製品の「概算単価」を「海外産概算単価PD2(税抜)」として表示する表示欄54Yとを有する。なお国産概算単価PD1は、例えば、単位容積当たりの原材料費を「CC」とし、加工賃に関する補正値を「K1」とすると、次のように算出される。すなわち厚みt、幅Wおよび長さLBに基づいて、演算式「PD1=t×2×W×LB×(CC-[t/10000]-[W/100000000])+K1」から、国産概算単価PD1は算出される。
【0043】
価格表示画面50は、国内製品の「ロット当たりの商品の見積もり価格(消費税込み)」を「国産概算金額PE1(送料込・税込)」として表示する表示欄55Xを有する。また価格表示画面50は、海外製品の「ロット当たりの商品の見積もり価格(消費税込み)」を「海外産概算金額PE2(送料込・税込)」として表示する表示欄55Yを有する。なお国産概算金額PE1は、例えば、消費税込みの価格に換算する換算係数を「K2」とすると、「国産ロットPA1」および「国産概算単価PD1」に基づいて、演算式「PE1=PA1×PD1×K2」から算出される。
【0044】
なお本実施形態の見積もりシステム10では、ガゼット袋の商品が選択されている場合には、上述した各演算式としては、マチの長さLMを考慮した演算式が定められる。また、部分シールの商品が選択されている場合には、シール抜きの長さLSを考慮した演算式が定められる。
【0045】
管理サーバ12は、価格表示画面50に表示された内容での「見積もり」を確定する画面(見積もり確定画面60)を表示する機能を有する。見積もり確定画面60は、価格表示画面50と同一画面上に表示される。
【0046】
図8に示すように、見積もり確定画面60には、ユーザー情報を入力(登録)する入力欄61~68が表示される。ユーザー情報としては、会社名、部署、お名前、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレス、および「ご要望」が設定されている。また見積もり確定画面60には、見積もりの内容を確認したことを確認するチェックボタン69と、同内容での見積もりを確定する確定ボタン70とが表示される。
【0047】
本実施形態の見積もりシステム10では、外部機器13の操作を通じて、見積もり確定画面60の入力欄61~68にユーザー情報が入力されるとともにチェックボタン69が操作された状態で確定ボタン70が操作されると、商品の見積もりが確定される。この場合には「見積もりの内容」と「ユーザー情報」とを関連付けたデータがデータベース11に記憶される。
【0048】
本実施形態の見積もりシステム10による見積もりの実行態様の具体例を説明する。
先ず、購入予定者であるユーザーは外部機器13の操作を通じてホーム画面20(図2参照)にアクセスする。
【0049】
そして、図9に示すように、ユーザーは、ホーム画面20において3つの選択ボタン21~23のいずれかを操作することで形成材料を選択する(ステップS1)。管理サーバ12は、こうしたユーザーによる選択操作に合わせて外部機器13に表示される画面をホーム画面20から形状選択画面30(図3図4参照)に切り替える。
【0050】
その後、ユーザーは、形状選択画面30において、いずれかの選択ボタンを操作することによって、商品の基本形状を選択する(ステップS2)。管理サーバ12は、こうしたユーザーによる選択操作に合わせて外部機器13に表示される画面を形状選択画面30から寸法入力画面40(図5図6参照)に切り替える。
【0051】
その後、ユーザーは、寸法入力画面40の各入力欄41~45に、数値(厚みt、幅W、長さLB,LM,LS)を入力する(ステップS3)。管理サーバ12は、こうしたユーザーによる入力操作の後、外部機器13に表示される画面を寸法入力画面40から価格表示画面50(図7参照)に切り替える。
【0052】
価格表示画面50の各表示欄51X~55X,51Y~55Yには、見積もりの内容が表示される(ステップS4)。
その後、ユーザーは、見積もりの内容を確認してその内容に納得すると、見積もり確定画面60(図8参照)の入力欄61~68に「お客様情報」を入力するとともに、チェックボタン69を操作する(ステップS5)。
【0053】
そして、その状態で確定ボタン70を操作することにより、見積もり内容が確定される(ステップS6)。
本実施形態では、このようにして見積もり内容が確定すると、見積もりシステム10から自動送信されるメールにより、販売者は見積もり内容が確定した旨の情報を受けとるようになっている。そして、販売者は、見積もりシステム10に記憶されている見積もり内容およびお客様情報をもとにユーザーとの商談を進める。この商談では、見積もりシステム10によって確定した見積もりの内容で正式に受注する前に、試作品を作成するなどして商品をユーザーに確認してもらうことが好ましい。
【0054】
本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)本実施形態の見積もりシステム10では、購入予定者であるユーザーは、ユーザー端末である外部機器13の操作を通じてウェブサイトにアクセスする。そして、ウェブサイトにおける入力画面において商品の寸法値(厚みt、幅W、長さLB,LM,LS)を入力する。これにより、入力した寸法値に基づいて商品の見積もり価格が算出されて外部機器13のウェブサイト上に表示されるようになる。こうした見積もりシステム10によれば、ウェブサイトにアップされている多数の商品の中から必要なサイズのものを探し出すといった煩雑な作業が不要になる。しかも、購入予定者が必要とするサイズの商品が無いのにもかかわらず、同商品を探してしまうといった状況になることを回避することもできる。このように本実施形態の見積もりシステム10によれば、ウェブサイトにおける入力画面において商品の寸法を入力するといった簡単な操作で、同商品の見積もり価格を購入予定者に速やかに提示することができる。
【0055】
(2)寸法入力画面40において入力する寸法値が、幅寸法(W)、長さ寸法(LB)、および厚み寸法(t)を含んでいる。見積もり対象の商品は、幅寸法(t)、長さ寸法(W)、および厚み寸法(t)によって規定されるものであり、サイズのバリエーションが多い。本実施形態の見積もりシステム10によれば、そうしたサイズのバリエーションが多い包装資材についての価格見積もりを容易に行うことができる。
【0056】
(3)ポリオレフィン製の袋、いわゆるポリ袋についての価格見積もりを容易に行うことができる。
(4)形状選択画面30には、ホーム画面20において選択された形成材料に応じて、同形成材料によって製造可能な商品の種類に対応する選択ボタンが、商品の種類毎に表示される。本実施形態の見積もりシステム10では、外部機器13の操作を通じて、形状選択画面30における選択ボタンのいずれかが操作されることで、商品の基本形状が選択される。本実施形態の見積もりシステム10によれば、基本形状の異なる複数種類の包装資材のうちのいずれかを選択して価格見積もりを行う場合に、簡単な操作をもって、見積もり価格を速やかに提示することができる。
【0057】
(5)本実施形態の見積もりシステム10では、外部機器13の操作を通じて確定ボタン70が操作されて商品の見積もりが確定された場合には、「見積もりの内容」と「ユーザー情報」とを関連付けたデータがデータベース11に記憶される。そのため、本実施形態の見積もりシステム10を利用して見積もり価格を確認した後に改めて販売者に見積もりを依頼する作業を行うことなく、商品の見積もり依頼をウェブサイトにおける入力操作を通じて完結させることができる。したがって、販売者に対する見積もり依頼を容易に行うことができる。
【0058】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0059】
・価格表示画面50に、「国産品についての表示欄51X~55X」、「海外産品についての表示欄51Y~55Y」の一方のみを表示するようにしてもよい。
・少なくとも商品の見積もり価格(具体的には、国産概算金額PE1や海外産概算金額PE2)を表示する表示欄が設定されるのであれば、価格表示画面50に表示する項目は任意に変更することができる。
【0060】
・例えばOPP製の商品のように、基本形状にバリエーションが無い包装資材の価格見積もりを行うシステムにおいては、形状選択画面30を省略することができる。
・外部機器13に見積もり確定画面60を表示させるための構成を省略してもよい。こうした構成によっても、価格表示画面50に見積もり価格を表示することはできる。そのため、購入予定者は見積もり価格を容易に確認することができる。これにより、購入予定者が商品の見積もり依頼を容易に行うようになるといった効果が見込める。
【0061】
・確定ボタン70を、見積もり内容を確定させるための操作ボタンとして利用することに代えて、見積もり内容での発注(契約)を確定させるための操作ボタンとして利用するようにしてもよい。
【0062】
・見積もり内容に対応する各値を算出するための演算式は、任意に変更することができる。
・上記実施形態にかかる見積もりシステムは、HDPE製の包装資材、LLDPE製の包装資材、およびOPP製の包装資材のうちのいずれか2つ、あるいはいずれか1つについての価格見積もりを行うシステムにも適用することができる。
【0063】
・上記実施形態にかかる見積もりシステムは、HDPE、LLDPE、OPP以外の合成樹脂材料によって形成された包装資材の価格見積もりを行うシステムにも適用することができる。
【0064】
・上記実施形態にかかる見積もりシステムは、包装資材としてのブルーシート、UVカットシートについての価格見積もりを行うシステムにも適用することができる。同構成においては、オプション(例えばハトメ、ゴム紐、面ファスナー、耐紫外線処理)の有無を入力する入力画面を設定するとともに、見積もり内容に対応する各値を算出するための演算式にオプションの有無を変数とする項を加えるようにしてもよい。上記構成によれば、サイズやオプションのバリエーションが多いブルーシート、UVカットシートについての価格見積もりを容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0065】
10…見積もりシステム
11…データベース
12…管理サーバ
13…外部機器
14…通信ネットワーク
15…入力画面データ送信部
16…データ受信部
17…価格算出部
18…価格データ送信部
19…データ記憶部
図1
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