(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139768
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】焚き火台用パーツおよび焚き火台
(51)【国際特許分類】
F24B 1/197 20060101AFI20220915BHJP
F24B 3/00 20060101ALI20220915BHJP
F24B 1/18 20060101ALI20220915BHJP
F24B 13/02 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
F24B1/197
F24B3/00 Z
F24B1/18 E
F24B13/02 E
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040292
(22)【出願日】2021-03-12
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-22
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年2月6日インターネットウェブサイトにおいて発表
(71)【出願人】
【識別番号】521039460
【氏名又は名称】株式会社小沢製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】小沢 昌治
(57)【要約】
【課題】安定して設置できること。
【解決手段】焚き火台用パーツ1aは、板状の基部11と、基部の辺112から突出する第1の突出部12、12と、基部11に連なり直接または間接に地面に設置される設置部13と、他の焚き火台用パーツの突出部と嵌合する嵌合部14、14と、を有し、焚き火台用パーツ1aの突出部12、12が他の焚き火台用パーツの嵌合部と嵌合しているとき、突出部12、12が基部11の辺112を軸として回動できる遊びが設けられている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基部と、
前記基部の辺から突出する第1の突出部と、
前記基部に連なり直接または間接に地面に設置される設置部と、
他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合する第1の嵌合部と、を有し、
前記第1の突出部が他の第1の焚き火台用パーツの第2の嵌合部と嵌合しているとき、前記第1の突出部が前記基部の辺を軸として回動できる遊びが設けられていることを特徴とする焚き火台用パーツ。
【請求項2】
前記第1の突出部は、前記基部に対し所定角度傾斜している請求項1に記載の焚き火台用パーツ。
【請求項3】
前記第2の突出部は半球状のダボと板状の鈎部とを備え、
前記第1の嵌合部は前記第2の突出部のダボと鈎部に対応する開口部を備え、前記第2の突出部が前記開口部に挿入された後に前記第2の突出部が開口部内をスライドすることで前記開口部の端部が第2の突出部が備える鈎部と係合する請求項1に記載の焚き火台用パーツ。
【請求項4】
前記第1の嵌合部が他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合し前記第1の突出部が他の第2の焚き火台用パーツの第2の嵌合部に挿入されることで自立する請求項1ないし3のいずれかに記載の焚き火台用パーツ。
【請求項5】
板状の基部と、
前記基部の辺から突出する第1の突出部と、
前記基部に連なり直接または間接に地面に設置される設置部と、
他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合する第1の嵌合部と、を有し、
前記第2の突出部は半球状のダボと板状の鈎部とを備え、
前記第1の嵌合部は前記第2の突出部のダボと鈎部に対応する開口部を備え、前記第2の突出部が前記開口部に挿入された後に前記第2の突出部が開口部内をスライドすることで前記開口部の端部が第2の突出部が備える鈎部と係合することを特徴とする焚き火台用パーツ。
【請求項6】
板状の基部と、前記基部の辺から突出する第1の突出部と、前記基部に連なり直接または間接に地面に設置される設置部と、他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合する第1の嵌合部と、を有し、前記第1の突出部が他の第1の焚き火台用パーツの第2の嵌合部と嵌合しているとき、前記第1の突出部が前記基部の辺を軸として回動できる遊びが設けられている焚き火台用パーツ、
を複数個組み合せて形成したことを特徴とする焚き火台。
【請求項7】
板状の基部と、前記基部の辺から突出する第1の突出部と、前記基部に連なり直接または間接に地面に設置される設置部と、他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合する第1の嵌合部と、を有し、前記第2の突出部は半球状のダボと板状の鈎部とを備え、前記第1の嵌合部は前記第2の突出部のダボと鈎部に対応する開口部を備え、前記第2の突出部が前記開口部に挿入された後に前記第2の突出部が開口部内をスライドすることで前記開口部の端部が第2の突出部が備える鈎部と係合することを特徴とする焚き火台用パーツ、
を複数個組み合せて形成したことを特徴とする焚き火台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は焚き火台用パーツおよび焚き火台に関する。
【背景技術】
【0002】
組み立て式の焚き火台が知られている。例えば、ほぼ台形の4枚の側板と、ほぼ正方形の底板とを、四角錐台に組み立てて倒立させた形状で、少なくとも1枚の側板の対向する平行な辺の短い方の近傍には通気用開口部が設けられ、底板の上部に底板と一定の距離をおいてほぼ平行に設置され、複数の通気用貫通孔を有する2枚の火床板を有する焚き火台が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は堅牢であることを解決しようとする課題にしている。しかしながら、例えば不安定な場所に焚き火台を設置する場合、焚き火台が傾いて使いにくいという問題が考えられる。
1つの側面では、本発明は、安定して設置できることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、開示の焚き火台用パーツが提供される。この焚き火台用パーツは、板状の基部と、基部の辺から突出する第1の突出部と、基部に連なり直接または間接に地面に設置される設置部と、他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合する第1の嵌合部と、を有し、第1の突出部が他の第1の焚き火台用パーツの第2の嵌合部と嵌合しているとき、第1の突出部が基部の辺を軸として回動できる遊びが設けられている。
【発明の効果】
【0006】
1態様では、安定して設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】焚き火台から受け板を取り外した状態を示す図である。
【
図5】突出部と嵌合部の嵌合方法を説明する図である。
【
図9】焚き火台用パーツを4つ使用して焚き火台を形成した例である。
【
図10】焚き火台用パーツを4つ使用して焚き火台を形成した例である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の焚き火台を、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
以下の図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲等に限定されない。
実施の形態において単数形で表される要素は、文面で明らかに示されている場合を除き、複数形を含むものとする。
以下の説明では紙面上方向を「上」、紙面下方向を「下」と言う。
<実施の形態>
図1は、実施の形態の焚き火台を示す図である。
【0010】
実施の形態の焚き火台100は、それぞれ同一の形状をなす複数の焚き火台用パーツ1a、1b、1c、1d、1eと、受け板2とを有している。受け板2は焚き火台用パーツ1a~1eから着脱可能である。
この焚き火台100の受け板2の上部に薪や炭を設置し火をおこすことができる。
図2は、焚き火台から受け板を取り外した状態を示す図である。
焚き火台用パーツ1a~1eは、それぞれ別個の部材であり互いに組み合わせられている。
再び
図1に戻って説明する。
【0011】
また、焚き火台用パーツ1a~1eは、組み合わせられた状態でも後述する連結部分に遊びが設けられており、多少の地面の段差や傾きにも対応することができる。従って傾斜があったり段差があったりするような地面においても焚き火台100に設置される受け板2を水平に近づけることができる。
【0012】
以下の説明では、焚き火台用パーツ1aの構造および機能について説明するが、焚き火台用パーツ1b~1eの構造および機能についても焚き火台用パーツ1aと同様である。
図3は、焚き火台用パーツの正面図を示す図であり、
図4は焚き火台用パーツの背面図を示す図である。
焚き火台用パーツ1aは、1枚の板(例えば板厚1mm)から一体成形され、菱形のような形状をなしている。
焚き火台用パーツ1aは、基部11と、突出部12、12と、設置部13と、嵌合部14、14と、棒状体設置部15とを有している。
【0013】
基部11は、焚き火台用パーツ1aを2つに区分けするために説明の便宜上設けた点線T1を挟んで右上の部分である。基部11は、板状をなし、複数のスリット111が配置されている。スリット111は、例えば空気を取り込むために設けられている。スリット111の数や形状、および配置位置は任意である。スリット111は省略することもできる。
【0014】
突出部12は、第1の突出部の一例である。本実施の形態では突出部12は、基部11の辺112に沿って2つ配置されている。なお、突出部12の数は図示のものに限定されないが、突出部12の数が1つより2つの方が焚き火台100が安定し、突出部12の数が3つ以上より2つの方が組み立てやすい。
【0015】
設置部13は、点線T1を挟んで左下の部分である。設置部13は、本実施の形態では基部11と一体的に設けられており、直接地面に設置される。なお、設置部13は図示しない別個の物体を介して地面に設置されてもよい。また、本実施の形態の設置部13には、例えば軽量化を図るため複数の開口部131が配置されている。開口部131の数や形状、および配置位置は任意である。開口部131は省略することもできる。
嵌合部14は、第1の嵌合部の一例である。
図1では嵌合部14は、焚き火台用パーツ1bの突出部と嵌合している。
棒状体設置部15には、棒状体(例えばバーベキュー串等)を設置することができる。
図5は、突出部と嵌合部の嵌合方法を説明する図である。
【0016】
図5に示すように、本実施の形態では突出部12は、基部11に対し35度傾斜している。この傾斜角度は、任意に調整することができる。35度程度に傾斜させることにより、焚き火台100を組立て易くなる。また、この傾斜角度を大きくすることにより、焚き火台100の薪や炭を設置する箇所の深さを深くすることができる。
【0017】
突出部12は、半球状のダボ121と板状の鈎部122とを備えている。焚き火台用パーツ1bの嵌合部14には、突出部12に対応する形状の開口部141が配置されている。開口部141の上下方向の長さは、突出部の長さよりも長く形成されている。また、開口部141の幅は、前述した板厚が1mmの場合2mm程度であるのが好ましい。
【0018】
開口部141にはダボ121および鈎部122が挿通する部位と、ダボ121および鈎部122が挿通した後に開口部141内を移動(スライド)できる部位が形成されている。スライドにより鈎部122が開口部141の下端部と当接することで突出部12と嵌合部14とが連結され突出部12が開口部141から離脱することを抑制することができる。
図6および
図7は、遊びを説明する図である。
【0019】
前述したように、突出部12は、基部11に対し35度傾斜している。これにより、焚き火台用パーツ1aの突出部12、12が焚き火台用パーツ1bの嵌合部14、14と嵌合しているとき、突出部12、12が基部11の辺112を軸として回動できる遊びが形成される。突出部12の基部に対する角度を調整することにより、遊びの幅を調整することができる。
【0020】
図6は、焚き火台用パーツ1aに焚き火台用パーツ1bを嵌合させた状態で焚き火台用パーツ1aの突出部12、12を基部11の辺112を軸として時計回りに回動させたときの位置を示している。また、
図7は、焚き火台用パーツ1aに焚き火台用パーツ1bを嵌合させた状態で焚き火台用パーツ1aの突出部12、12を基部11の辺112を軸として反時計回りに回動させたときの位置を示している。遊びを設けることで、焚き火台100を組み立てた状態で各焚き火台用パーツ1a~1eの各設置部13が可動可能となる。従って、不安定な場所に焚き火台100を設置した場合、遊びが全くない場合に比べて焚き火台100を水平に近づけることができる。
【0021】
焚き火台100を組み立てる際には、利用者は、各焚き火台用パーツ1a~1eの突出部12、12を他の焚き火台用パーツ1a~1eの嵌合部14、14の開口部141に挿入してスライドさせて鈎部122を開口部141の下端部に当接させる。これにより、
図1に示すように、自立する焚き火台100が形成される。
【0022】
ダボ121を設けることにより、突出部12が開口部141からより外れにくくなる。従って、組み立ての際に、一度組み立てた箇所が抜けにくく、また、組み立てられた焚き火台100において突出部12が回動したときも開口部141からの離脱を抑制することができる。
【0023】
以上述べたように、実施の形態の焚き火台100によれば、例えば焚き火台用パーツ1aは、板状の基部11と、基部11の辺112から突出する突出部12、12と、基部11に連なり直接または間接に地面に設置される設置部13と、第1の焚き火台用パーツ1eの突出部12、12と嵌合する嵌合部14、14と、を有し、焚き火台用パーツ1aの突出部12、12が焚き火台用パーツ1bの嵌合部14、14と嵌合しているとき、焚き火台用パーツ1aの突出部12、12が基部11の辺112を軸として回動できる遊びが設けられている。
【0024】
これにより、前述したように、焚き火台100を組み立てた状態で各焚き火台用パーツ1a~1eの各設置部13が可動可能となる。従って、不安定な場所に焚き火台100を設置した場合、遊びが全くない場合に比べて焚き火台100を水平に近づけることができる。
図8は、焚き火台用パーツを重ねた図である。
【0025】
焚き火台用パーツ1a~1eはそれぞれ取り外しが可能であり、かつ、平板状の同一形状をなしているため、焚き火台用パーツを重ねることでコンパクトに収納することができる。
<変形例>
図9および
図10は、焚き火台用パーツを4つ使用して焚き火台を形成した例である。
【0026】
図9および
図10に示すように、4つの焚き火台用パーツ1a~1dを使用した焚き火台100aを形成することもできる。焚き火台100aは、薪や炭を設置する箇所の深さが焚き火台100よりも深くなる。
このように、使用する焚き火台用パーツの数は5つに限定されない。
【0027】
以上、本発明の焚き火台用パーツおよび焚き火台を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
【符号の説明】
【0028】
1a~1e 焚き火台用パーツ
11 基部
111 スリット
112 辺
12 突出部
121 ダボ
122 鈎部
13 設置部
131 開口部
14 嵌合部
141 開口部
2 受け板
100、100a 焚き火台
【手続補正書】
【提出日】2021-12-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜辺を備える板状の基部と、
前記基部の斜辺から突出し、前記基部に対し所定角度傾斜している第1の突出部と、
前記基部に連なり直接または間接に地面に設置される設置部と、
他の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合する第1の嵌合部と、を有し、
他の焚き火台用パーツと組み合わされたときに他の焚き火台用パーツの第2の嵌合部と嵌合している前記第1の突出部が前記基部の斜辺を軸として回動できる遊びが設けられていることを特徴とする焚き火台用パーツ。
【請求項2】
前記第2の突出部は板状をなし、
前記第2の突出部は前記第2の突出部から垂直方向に突出する半球状のダボと、先端部に形成された板状の鈎部とを備え、
前記第1の嵌合部は前記第2の突出部のダボと鈎部に対応する開口部を備え、前記第2の突出部が前記開口部に挿入された後に前記第2の突出部が開口部内をスライドすることで前記開口部の端部が第2の突出部が備える鈎部と係合する請求項1に記載の焚き火台用パーツ。
【請求項3】
前記第1の嵌合部が他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合し前記第1の突出部が他の第2の焚き火台用パーツの第2の嵌合部に挿入されることで自立する請求項1または2に記載の焚き火台用パーツ。
【請求項4】
斜辺を備える板状の基部と、前記基部の斜辺から突出し、前記基部に対し所定角度傾斜している第1の突出部と、前記基部に連なり直接または間接に地面に設置される設置部と、他の第1の焚き火台用パーツの第2の突出部と嵌合する第1の嵌合部とを有する焚き火台用パーツを複数個組み合せて形成され、組み合わされたときに他の第1の焚き火台用パーツの第2の嵌合部と嵌合している前記第1の突出部が、前記基部の斜辺を軸として回動できる遊びが設けられていることを特徴とする焚き火台。