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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139770
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F25D 19/00 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
F25D19/00 552B
F25D19/00 550C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040295
(22)【出願日】2021-03-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和2年11月26日 販売先 ローソン御調町店
(71)【出願人】
【識別番号】000239585
【氏名又は名称】フクシマガリレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】宮木 直人
(57)【要約】
【課題】冷却装置において、排熱構造から排出される熱気による室内温度の局部的な上昇を緩和する。
【解決手段】
本発明の冷却装置の排熱構造22は、熱交換後の凝縮器ファン16からの熱気が流れる第1流路29と、第1流路29に隣接して設けられて、第1流路29から熱気を受け入れる第2流路30と、前方側に指向して第2流路30の前端を区画する前壁35と、左右方向に指向して第2流路30の左右端を区画する左右側壁32と、前壁35に設けられた第1排気ファン33と、少なくとも左右側壁32のいずれか一方に設けられた第2排気ファン34とを含む。熱交換後の熱気は、第1排気ファン33と第2排気ファン34とにより、前方向と左右方向へ向かって分散して排出される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケース(1)の上部に形成された機械区画(11)内に、凝縮器(15)と、凝縮器ファン(16)と、凝縮器ファン(16)から送給される熱交換後の熱気を排出する排熱構造(22)とが設置されている冷却装置であって、
排熱構造(22)は、熱交換後の凝縮器ファン(16)からの熱気が流れる第1流路(29)と、第1流路(29)に隣接して設けられて、第1流路(29)から熱気を受け入れる第2流路(30)と、前方側に指向して第2流路(30)の前端を区画する前壁(35)と、左右方向に指向して第2流路(30)の左右端を区画する左右側壁(32)と、前壁(35)に設けられた第1排気ファン(33)と、少なくとも左右側壁(32)のいずれか一方に設けられた第2排気ファン(34)とを含み、
熱交換後の熱気が、第1排気ファン(33)と第2排気ファン(34)とにより、前方向と左右方向へ向かって分散して排出されるように構成されていることを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
排熱構造(22)は、第1流路(29)の上方を区画する排気カバー(28)を含み、
第2流路(30)は、第1流路(29)の後方に配置されており、
第2流路(30)が、左右横長の前壁(35)と、前壁(35)と正対する左右横長の後壁(36)と、前後壁(35・36)を繋ぐ上壁(37)と、左右方向に指向する左右側壁(32)とで区画されており、
前壁(35)に開設された前部排気口(40)に第1排気ファン(33)が配置され、左右側端(32)に開設された側部排気口(41)に第2排気ファン(34)が配置されており、
前部排気口(40)が、排気カバー(28)よりも上方に開設されている、請求項1記載の冷却装置。
【請求項3】
前部排気口(40)および側部排気口(41)が、機械区画(11)を区画するフロントパネル(12)およびサイドパネル(13)の上端より上方に開設されている請求項2記載の冷却装置。
【請求項4】
第1排気ファン(33)と第2排気ファン(34)の合計送風量が、凝縮器ファン(16)の送風量と同じか、これより大きく設定されている請求項1乃至3のいずれかひとつに記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体ケースの上部の機械区画に、冷却機構を構成する凝縮器、凝縮器ファンなどが配置されている冷却装置に関して、特に排熱構造の改良に関する。本発明の冷却装置は、ショーケース、冷蔵庫、冷凍庫などに適用できる。
【背景技術】
【0002】
本体ケースの上部の機械室(機械区画)に凝縮器、凝縮器ファン、および圧縮機などが配置されている冷却装置においては、熱交換後の熱気が冷却装置の上方に滞留するのを避けるために、機械室の上部に熱気を強制的に排出する排熱構造を設けることがある。例えば、特許文献1の冷却装置では、機械室の上壁後部に排気ダクトを設けて、熱交換後の熱気を排気ダクトの内部に設けた送風ファンで、機械室の前方へ向かって強制的に排出できるようにしている。排気ダクトは、左右一対の側板と、両側板の間に固定される湾曲するフードと、フードの前後に固定されるフランジなどで構成されている。機械室の上壁には第1通口と第2通口が十文字状に開口されており、排気ダクトの各通口に対する取付姿勢を変更することにより、排気ダクトの排出口の向きを前後あるいは左右に変更することができる。また特許文献1には、機械室の上壁後部に円形の通口を形成し、前後一対のフランジに相当する取付円盤をフードに固定して、排気ダクトの排出口の向きをさらに多様に変更できるようにした実施例も開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-18794号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の排熱構造によれば、冷却装置の設置場所や、冷却装置の周辺の状況などに応じて排気ダクトの排出口の向きを適宜変更できる。しかし、熱交換後の熱気の全てが、排気ダクトの排出口から一定の方向へ向かって集中的に排出されるため、熱気の排出領域の室内温度が周辺に比べて上昇しやすい。とくに業務用の冷蔵庫では冷却機構の冷却能力が大きく、大量の熱気が集約的に排出されるため、冷蔵庫が設置された室内の空間容積が小さい場合に、室内に温度むらが生じやすい。
【0005】
本発明の目的は、冷却装置において、排熱構造から排出される熱気による室内温度の局部的な上昇を緩和することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本体ケース1の上部に形成された機械区画11内に、凝縮器15と、凝縮器ファン16と、凝縮器ファン16から送給される熱交換後の熱気を排出する排熱構造22とが設置されている冷却装置を対象とする。排熱構造22は、熱交換後の凝縮器ファン16からの熱気が流れる第1流路29と、第1流路29に隣接して設けられて、第1流路29から熱気を受け入れる第2流路30と、前方側に指向して第2流路30の前端を区画する前壁35と、左右方向に指向して第2流路30の左右端を区画する左右側壁32と、前壁35に設けられた第1排気ファン33と、少なくとも左右側壁32のいずれか一方に設けられた第2排気ファン34とを含む。そして、熱交換後の熱気が、第1排気ファン33と第2排気ファン34とにより、前方向と左右方向へ向かって分散して排出されるように構成されていることを特徴とする。なお、左右側壁32は、第2流路30の左右端にそれぞれ設けられていてもよいし、左右のいずれか一方のみに設けられていてもよい。
【0007】
排熱構造22は、第1流路29の上方を区画する排気カバー28を含む。第2流路30は、第1流路29の後方に配置されている。第2流路30は、左右横長の前壁35と、前壁35と正対する左右横長の後壁36と、前後壁35・36を繋ぐ上壁37と、左右方向に指向する左右側壁32とで区画されている。前壁35に開設された前部排気口40に第1排気ファン33が配置され、左右側端32に開設された側部排気口41に第2排気ファン34が配置されている。前部排気口40が、排気カバー28よりも上方に開設されている。
【0008】
前部排気口40および側部排気口41は、機械区画11を区画するフロントパネル12およびサイドパネル13の上端より上方に開設されている。
【0009】
第1排気ファン33と第2排気ファン34の合計送風量は、凝縮器ファン16の送風量と同じか、これより大きく設定することが望ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の冷却装置のように、排熱構造22を、第2流路30の前端を区画する前壁35に設けられた第1排気ファン33と、第2流路30の左右端を区画する左右側壁32に設けられた第2排気ファン34とを含むものとして、熱交換後の熱気が、第1排気ファン33と第2排気ファン34とにより、前方向と左右方向へ向かって分散して排出されるように構成されていると、熱交換後の熱気が一方向に向かって集中的に排出される従来構成に比べて、排熱構造22から排出される熱気により室内温度が局部的に上昇することを確実に防ぐことができる。また、この種の冷却装置は、後面だけでなく、左右の一方の側面が店舗等の室内の周囲壁と対向する状態で設置されることが多いが、本発明の冷却装置によれば、前方だけでなく、店舗の周囲壁と対向しない左右方向からも熱気を分散して排出することができるので、熱気により一方向のみが局部的に上昇することを確実に防ぐことができる。また、空間容積が小さな室内に冷却装置が設置された場合でも、室内に温度むらが生じることを防ぐことができる。
【0011】
第2流路30が第1流路29の後方に配置され、第1排気ファン33が配置される前部排気口40が、第1流路29の上方を区画する排気カバー28よりも上方に開設されていると、第1排気ファン33で前部排気口40から送出された熱気が、排気カバー28で受止められて、機械区画11の上方に滞留するような不都合が生じることを防ぐことができる。したがって、熱交換後の熱気を排熱構造22から効率的に排出することができる。
【0012】
前部排気口40および側部排気口41が、機械区画11を区画するフロントパネル12およびサイドパネル13の上端より上方に開設されていると、これらフロントパネル12およびサイドパネル13に受止められて、機械区画11の上方に滞留するのを確実に防止できる。
【0013】
第1排気ファン33と第2排気ファン34の合計送風量が、凝縮器ファン16の送風量と同じか、これより大きく設定されていると、熱交換後の熱気を排熱構造22から確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例に係る冷却装置の要部の正面図である。
図2】冷却装置の斜視図である。
図3】冷却装置の要部の一部破断平面図である。
図4】冷却装置の要部の縦断側面図である。
図5】冷却装置を構成する排熱構造の分解斜視図である。
図6】左右側壁の装着構造を示す縦断側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(実施形態) 図1ないし図6に本発明に係る冷却装置をショーケースに適用した実施形態を示す。本実施形態における前後、左右、上下とは、図2図3に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。図2においてショーケースは、縦長四角箱状の本体ケース1と、本体ケース1の内部の冷蔵室2の前開口を開閉するドア3と、冷蔵室2に冷気を供給する冷却機構などで構成される。冷蔵室2の周囲は断熱箱で覆われており、その内部には複数段の陳列棚5が設けられている。ショーケースの内部には、冷蔵室2の底壁の下側と、冷蔵室2の後壁の後側と、冷蔵室2の天壁の上側にわたって冷気循環路が形成され、下側の冷気循環路の内部に冷却機構を構成する蒸発器19と、蒸発器ファンなどが収容されている。下側の冷気循環路の前部には、冷蔵室2内の空気を導入する吸込口が形成されており、上側の冷気循環路の前部には蒸発器19で冷やされた冷気を冷蔵室2内に向かって吹出す吹出口が形成されている。ドア3はその一側に設けたハンドル8で揺動開閉される。本実施形態では、図2に示すように、ショーケースは、その左側面と後面が店内の周囲壁と対向する状態で設置されている。
【0016】
図2および図3に示すように、本体ケース1の上部には機械区画11が形成されている。機械区画11は、フロントパネル12および左右両側のサイドパネル13・13で区画されて、上面および後面に開口を有する有底の皿状を呈している。機械区画11の内部には、ユニットベース14が固定されており、同ベース14の上に冷却機構を構成する凝縮器15、凝縮器ファン16、圧縮機17、および前段凝縮器18などが配置されている。また、この機械区画11の内部には、凝縮器ファン16で送給された熱交換後の熱気を排出するための排熱構造22が設置されている。フロントパネル12は左右横長のプレス成形品からなり、その前壁にルーバー開口12aが多段状に形成されている。サイドパネル13・13は、本体ケース1の左右両側を覆うプレス成形された縦長の金属パネルからなり、本体ケース1の上壁の上方をフロントパネル12と協同して区画している。機械区画11の左方には、冷却機構の運転状態を制御する制御箱23が設けられている。
【0017】
凝縮器15の左右側面および上面は、ユニットベース14に固定した凝縮器カバー24で覆われている。凝縮器カバー24の前部内面にはフィルター25が配置され、凝縮器カバー24の後部内面には、左右一対の凝縮器ファン16・16が配置されている。前段凝縮器18の左右側面および上面は、前段凝縮器カバー26で覆われている。凝縮器ファン16が起動されると、室内空気がルーバー開口12aとフィルター25を介して凝縮器15内を通過し、その間に冷媒液と熱交換を行ったのち、凝縮器ファン16で加圧されて圧縮機17および前段凝縮器18に向かって送給される。なお、前段凝縮器18は、圧縮機17から送給された冷媒液と熱交換を行って冷媒液の温度を予備的に低下させ、凝縮器15へと送給する。
【0018】
排熱構造22は、凝縮器ファン16で加圧された熱気が流れる第1流路29と、第1流路29の後端に隣接して設けられて第1流路29からの熱気を受け入れる第2流路30と、第2流路30の前壁35に設けられた第1排気ファン33と、第2流路30の側端ケース(左右側壁)32に設けられた第2排気ファン34とを備える。第1流路29は、平板状の排気カバー28により上方が区画された空隙であり、その内部に圧縮機17や前段凝縮器18などが配置されている。第1流路29の後端には熱気出口27が形成されており、凝縮器ファン16で加圧された熱気は、熱気出口27を介して第2流路30内に流入される。
【0019】
第2流路30は、熱気出口27の後方および後方上部を覆う排気ケース31と、排気ケース31の側面開口の片方の上部を覆う四角枠状の側端ケース32と、排気ケース31の前壁35に装着される第1排気ファン33と、側端ケース32に装着される第2排気ファン34を備えている。先に説明したように、本実施形態に係るショーケースはその左側面と後面が店内の周囲壁と対向する状態で配置されているため、側端ケース32は排気ケース31の右開口の上部に配置されている。
【0020】
図5に示すように排気ケース31は、熱気出口27の上方を覆う左右横長の前壁35と、前壁35および熱気出口27と正対する左右横長の後壁36と、前壁35および後壁36を繋ぐ上壁37を一体に備えたプレス加工品からなる。排気ケース31の前壁35の左右中央に円形の前部排気口40が開設され、側端ケース32の中央部には円形の側部排気口41が開設されている。各排気口40・41の周囲4個所にはファン用ねじ42のねじ通口43が形成されている。また、排気ケース31の前壁35、後壁36、および上壁37の各壁の両側には、ケース用ねじ44のねじ通口45が2個ずつ形成されている。さらに、前壁35の下端および後壁36の下端には締結座35a・36aが折り曲げ形成されており、各締結座35a・36aの複数個所にねじ通口が形成されている。熱気出口27から排気ケース31に送給された熱気をより効果的に送出するために、前部排気口40および側部排気口41は、フロントパネル12およびサイドパネル13の上端より上方に設けられている。また、これら前部排気口40および側部排気口41は、排気カバー28よりも上方に設けられている。
【0021】
第1排気ファン33および第2排気ファン34の四隅には、先のファン用ねじ42の挿通穴33a・34aが形成されている。図5図6において符号46は、ファン用ねじ42にねじ込まれるナットである。排気ケース31は、その前壁35の下端の締結座35aが、排気カバー28の後部上面に重合されて前段凝縮器カバー26の後部に締結ねじ(ねじ体)47で固定されており、さらに後壁36の下端の締結座36aが本体ケース1の上壁に締結ねじ47で固定されている。ファン用ねじ42およびケース用ねじ44は、いずれも排気ケース31の前壁35、後壁36、および上壁37の各壁の外面と、側端ケース32の外面からねじ込まれる。側端ケース32は正方形状の側面壁50と、側面壁50の前後縁および上縁に折曲げ形成される周縁壁51を備えており、各周縁壁51にはねじ通口45に対応したねじボス52が形成されている。
【0022】
排気カバー28は、その前部を凝縮器カバー24の上面後部にねじ込んだ締結ねじ47で固定することで第1流路29を区画しており、その後部は、前段凝縮器カバー26の上面後部に重合している。また、第2流路30は、例えば以下の手順で機械区画11に組付けることができる。予め第1排気ファン33を前壁35にファン用ねじ42とナット46とで固定し、第2排気ファン34が装着された側端ケース32を、排気ケース31の右側の側面開口に配置してケース用ねじ44で固定しておく。この状態の排気ケース31を、その前壁35の締結座35aを排気カバー28の後部に載置し、同時に後壁36の締結座36aを本体ケース1の上壁に載置する。この状態で、締結座35aを、重合している状態の排気カバー28の後部および前段凝縮器カバー26に締結ねじ47で固定し、締結座36aを、本体ケース1の上壁に締結ねじ47で固定する。このように、本体ケース1の上部の機械区画11に設置される構成部材の上側に被さるように排気ケース31を固定すると、第2流路30の着脱を簡便に行うことができる。
【0023】
冷却機構が作動している状態では、熱交換後の熱気が凝縮器ファン16で第1流路29を通って熱気出口27へ向かって送給され、その途中に圧縮機17を冷却し、さらに前段凝縮器18を通過する。この時、圧縮機17に当たった熱気が上向きに流動したとしても、圧縮機17の上方が排気カバー28で覆われているので、大部分の熱気は排気カバー28に案内されて熱気出口27へ向かって流動する。したがって、凝縮器ファン16で送給された熱気の殆どを、熱気出口27を介して第2流路30の内部に向かって流動させることができる。
【0024】
第2流路30の内部においては、熱気が後壁36で受止められて、排気ケース31の内部上方へ流動し、第1、第2の排気ファン33・34に吸込まれたのち、排気ケース31の前方と側方へ向かって分散して排出される。したがって、空間容積が小さな室内に冷却装置が設置される場合でも、排熱構造22から排出される熱気による室内温度の局部的な上昇を緩和して、室内の温度むらを低減することができる。
【0025】
前壁35に形成した前部排気口40と、側端ケース32に形成した側部排気口41とを、機械区画11を形成するフロントパネル12およびサイドパネル13の上端より上方に位置させたので、第1排気ファン33で前部排気口40から送出された熱気と、第2排気ファン34で側部排気口41から送出された熱気が、フロントパネル12およびサイドパネル13に受止められて、機械区画11の上方に滞留することを確実に防止できる。したがって、熱交換後の熱気を排熱構造22で効果的に排出して、冷却効率の向上を図ることができる。
【0026】
機械区画11に凝縮器15、圧縮機17、前段凝縮器18を配置したうえで、排気カバー28の前部を凝縮器カバー24に固定し、排気ケース31の前壁35の下端に設けた締結座35aと排気カバー28の後部とを重合して、締結ねじ47で前段凝縮器カバー26に固定するようにしたので、前壁35の締結座35aと排気カバー28を、締結ねじ47で前段凝縮器カバー26に同時に固定することができる。これにより、排気カバー28および排気ケース31を組付ける手間を軽減でき、さらに締結座35aおよび排気カバー28の締結に要する締結ねじ47の数を減らして、排熱構造22のコスト削減に寄与することができる。また、凝縮器カバー24と前段凝縮器カバー26が排気カバー28で接続されるので、凝縮器ファン16から送出された熱交換後の熱気の殆どを排気ケース31へ確実に送給して、冷却機構の冷却効率を向上できる。
【0027】
側端ケース32を、排気ケース31の各壁35・36・37の外面からねじ込まれるケース用ねじ44で排気ケース31に締結するようにし、また、前部排気口40に配置した第1排気ファン33と、側部排気口41に配置した第2排気ファン34を、排気ケース31および側端ケース32の外面からねじ込まれるファン用ねじ42で締結するようにしたので、ファン用ねじ42およびケース用ねじ44の締緩操作を、排気ケース31および側端ケース32の外面側で行うことができる。したがって、第1、第2の排気ファン33・34のメンテナンスや、側端ケース32の装着位置の変更を、より少ない手間で簡便に行うことができる。
【0028】
排気ケース31に装着した第1排気ファン33および第2排気ファン34の合計送風量を、凝縮器ファン16の送風量と同じか、これより大きく設定したので、熱交換後の熱気の殆どを排熱構造22で確実に排出して、冷却機構の冷却効率をさらに向上することができる。
【0029】
上記以外に、ショーケースがその右側面と後面が店内の周囲壁と対向する状態で配置されている場合には、側端ケース32は排気ケース31の左開口の上部に配置することができる。排気ケース31の側面開口が店内の周囲壁と対向しない場合には、排気ケース31の左右に第2排気ファン34を設置して、熱交換後の熱気を排気ケース31の前方と左右の両側方の3方向から分散して排出するように構成することができる。側端ケース32は第2流路30の左右端にそれぞれ設けることもできる。前段凝縮器18は省略することができる。その場合には、ユニットベース14に固定した門形のブラケットに、排気ケース31の締結座35aと排気カバー28の後部を、締結ねじ47で締結するとよい。排気ケース31の上壁37は、湾曲するフード状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1 本体ケース
11 機械区画
12 フロントパネル
13 サイドパネル
15 凝縮器
16 凝縮器ファン
22 排熱構造
28 排気カバー
29 第1流路
30 第2流路
32 左右側壁(側端ケース)
33 第1排気ファン
34 第2排気ファン
35 前壁
36 後壁
37 上壁
40 前部排気口
41 側部排気口
図1
図2
図3
図4
図5
図6