(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139859
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】電磁継電器
(51)【国際特許分類】
H01H 50/02 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
H01H50/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040422
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】390001812
【氏名又は名称】株式会社デンソーエレクトロニクス
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】片上 太輔
(57)【要約】
【課題】収容空間を密閉することなくシロキサンの侵入による導通不良を抑制できるようにする。
【解決手段】箱状を成し、一面に開口部が形成された外側カバー8と、開口部に配置され、外側カバー8とともに収容空間Sを形成するベース6と、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材100と、を備える。外側カバー8とベース6は筐体を成し、筐体の外部空間と収容空間Sとの間は連通している。吸着材100は、外側カバー8およびベース6を有する筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路に配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁継電器であって、
箱状を成し、一面に開口部が形成されたケース(8)と、
前記開口部に配置され、前記ケースとともに収容空間を形成するベース(6)と、
通電時に電磁力を発生するコイル(2)と、
前記収容空間に配置され、固定接点(33A、33B)を有する固定子(31A、31B)と、
前記収容空間に配置され、前記コイルが発生する前記電磁力に応じて前記固定接点と接離する可動接点(35A、35B)を有する可動子(34)と、
ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)と、を備え、
前記ケースおよび前記ベースは筐体を成し、前記筐体の外部空間と前記収容空間との間は連通しており、
前記吸着材は、前記筐体の外部空間と前記収容空間との間を連通する経路に配置されている電磁継電器。
【請求項2】
前記ベースには、前記筐体の外部空間と前記収容空間との間を連通する呼吸孔(6b)が形成されており、
前記吸着材は、前記呼吸孔に配置されている請求項1に記載の電磁継電器。
【請求項3】
電磁継電器であって、
箱状を成し、一面に開口部が形成されたケース(8)と、
前記開口部に配置され、前記ケースとともに収容空間を形成するベース(6)と、
通電時に電磁力を発生するコイル(2)と、
前記収容空間に配置され、固定接点(33A、33B)を有する固定子(31A、31B)と、
前記収容空間に配置され、前記コイルが発生する前記電磁力に応じて前記固定接点と接離する可動接点(35A、35B)を有する可動子(34)と、を備え、
前記ケースおよび前記ベースは筐体を成し、前記筐体の外部空間と前記収容空間との間は連通しており、
前記ベースは、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)を含んで構成されている電磁継電器。
【請求項4】
前記吸着材は、前記ベースの前記外部空間側の表面にコーティングされており、前記ベースの前記外部空間側の表面以外の面にはコーティングされていない請求項3に記載の電磁継電器。
【請求項5】
前記吸着材は、前記ベースの表面全体にコーティングされている請求項3に記載の電磁継電器。
【請求項6】
前記ベースは樹脂により構成されており、
前記ベースには、粉末化された前記吸着材が混入されている請求項3に記載の電磁継電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁継電器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載された電磁継電器がある。この電磁継電器は、内部に収容空間を形成する筐体と、収容空間に配置されて導通時に電磁力を発生させる電磁コイルと、収容空間に配置されて、電磁コイルにより駆動される可動接点と、収容空間に配置されて可動接点が接離する固定接点と、を有している。また、筐体には、収容空間と、筐体の外部空間とを連通させる呼吸孔が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された電磁継電器においては、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンが存在する環境下で使用すると、筐体の呼吸孔や筐体の隙間を介してシロキサンが収容空間に侵入してしまう。このように、シロキサンが収容空間に侵入し、アークや通電による熱エネルギーが加わることによって、シロキサン由来の絶縁物である酸化シリコンが固定接点と可動接点の接触部に生成され、固定接点と可動接点の間の導通不良を引き起こしてしまう。
【0005】
なお、筐体の呼吸孔を塞いだり固定接点と可動接点の周囲を溶接して隙間を塞ぐなどして、筐体の外部空間に対して固定接点と可動接点が配置された空間を密閉状態とすることで、シロキサンの侵入による導通不良を抑制することが可能となる。
【0006】
しかし、固定接点と可動接点が配置された空間を密閉状態とした密閉型電磁継電器は、開放型の電磁継電器と比較して密閉構造を作るため、部品点数が多くなったり、溶接等の加工工程が増えたりするという課題があった。また、それに伴って、コストが高くなってしまう。
【0007】
本発明は上記点に鑑みたもので、収容空間を密閉することなくシロキサンの侵入による導通不良を抑制できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電磁継電器であって、箱状を成し、一面に開口部が形成されたケース(8)と、開口部に配置され、ケースとともに収容空間を形成するベース(6)と、通電時に電磁力を発生するコイル(2)と、収容空間に配置され、固定接点(33A、33B)を有する固定子(31A、31B)と、収容空間に配置され、コイルが発生する電磁力に応じて固定接点と接離する可動接点(35A、35B)を有する可動子(34)と、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)と、を備え、ケースおよびベースは筐体を成し、筐体の外部空間と収容空間との間は連通しており、吸着材は、筐体の外部空間と収容空間との間を連通する経路に配置されている。
【0009】
このような構成によれば、ケースおよびベースを有する筐体の外部空間と収容空間との間を連通する経路にシロキサンを吸着する吸着材が配置されている。したがって、筐体の外部空間から収容空間に侵入するシロキサンが吸着材によって吸着されるので、収容空間を密閉することなくシロキサンの侵入による導通不良を抑制することができる。
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項3に記載の発明は、電磁継電器であって、箱状を成し、一面に開口部が形成されたケース(8)と、開口部に配置され、ケースとともに収容空間を形成するベース(6)と、通電時に電磁力を発生するコイル(2)と、収容空間に配置され、固定接点(33A、33B)を有する固定子(31A、31B)と、収容空間に配置され、コイルが発生する電磁力に応じて固定接点と接離する可動接点(35A、35B)を有する可動子(34)と、を備え、ケースおよびベースは筐体を成し、筐体の外部空間と収容空間との間は連通しており、ベースは、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)を含んで構成されている。
【0011】
このような構成によれば、ベースは、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)を含んで構成されている。したがって、筐体の外部空間から収容空間に侵入するシロキサンが、ベースに含まれる吸着材によって吸着されるので、収容空間を密閉することなくシロキサンの侵入による導通不良を抑制することができる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】第1実施形態の電磁継電器の概略構成を示す断面図である。
【
図7】第2実施形態の電磁継電器の断面図であって、
図6に対応する図である。
【
図8】第3実施形態の電磁継電器の断面図であって、
図1に対応する図である。
【
図9】第4実施形態の電磁継電器の断面図であって、
図6に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る電磁継電器の構成について、
図1~
図6を用いて説明する。本実施形態に係る電磁継電器1は、ハイブリッド車や電気自動車の電池パック内に搭載される。
【0016】
図1または
図2に示すように、電磁継電器1は、コイル2と、接点機構部3と、永久磁石4と、駆動部5と、ベース6と、中間カバー7と、外側カバー8と、ステーショナリ9と、を備えている。コイル2、接点機構部3、永久磁石4、駆動部5、および中間カバー7は、ベース6と外側カバー8とによって囲まれた空間である収容空間S内に収容されている。なお、外側カバー8とベース6は、電磁継電器1の筐体を成している。
【0017】
各図において、X軸と平行な方向、すなわち、コイル2の中心軸線Cと平行な任意の方向を、「中心軸線方向」と称する。また、図中、X軸負方向を「吸引方向」と称し、X軸正方向を「復帰方向」と称する。また、図中、Y軸方向を「幅方向」と称し、Z軸方向を「延出方向」と称する。
【0018】
コイル2は、通電時に磁力を発生する。コイル2は、収容空間Sにおける吸引方向側の端部に配置されている。コイル2は、巻線部20およびスプール22を有している。
【0019】
巻線部20は、不図示の巻線を有している。スプール22は、顎付き円筒状を成し、スプール22の円筒状の部分の外周に巻線部20の巻線が巻き付けられている。
図2に示すように、スプール22の円筒部内には後述する固定コア51が配置されている。
【0020】
図1に示す巻線部20の巻線の一端は、
図5に示すベース6に固定された後述するコイル端子板21Aと電気接続され、巻線部20の巻線の他端は、ベース6に固定された後述するコイル端子板21Bと電気接続されている。コイル端子板21Aおよびコイル端子板21Bは、それぞれベース6から、電磁継電器1の外部に向かって、延出方向に延設されている。
【0021】
図2に示すように、ステーショナリ9は、磁性体からなる板材をU字状に折り曲げた形状を成しており、巻線部20の幅方向の両側と対向するとともに巻線部20の吸引方向側と接触するように配置されている。ステーショナリ9のうち、巻線部20の吸引方向側を覆う部位には開口部91が形成されている。この開口部91の内側に固定コア51の一部が嵌め込まれることで固定コア51とステーショナリ9とが接合されている。
【0022】
図1~
図3に示すように、接点機構部3は、収容空間Sにおけるコイル2よりも復帰方向側に配置されている。接点機構部3は、コイル2の通電状態に応じて駆動部5により駆動されることで、後述する可動子34を介して第一入出力端子32Aと第二入出力端子32Bの間に流れる電流の通電状態と遮断状態とを切換可能に構成されている。具体的には、接点機構部3は、第一固定子31Aと、第二固定子31Bと、第一入出力端子32Aと、第二入出力端子32Bと、第一固定接点33Aと、第二固定接点33Bと、可動子34と、第一可動接点35Aと、第二可動接点35Bとを備えている。接点機構部3は、さらに、固定ヨーク36と、可動ヨーク37と、接圧バネ38とを備えている。
【0023】
なお、第一固定接点33Aと第二固定接点33Bは固定接点に相当し、第一可動接点35Aと第二可動接点35Bは可動接点に相当する。
【0024】
第一固定子31Aは、延出方向に長手方向を有し中心軸線方向に板厚方向を有する金属板部であって、中心軸線CよりもY軸正方向側に配置されている。第二固定子31Bは、延出方向に長手方向を有し中心軸線方向に板厚方向を有する金属板部であって、中心軸線CよりもY軸負方向側に配置されている。すなわち、第一固定子31Aおよび第二固定子31Bは、幅方向に配列されている。第一固定子31Aおよび第二固定子31Bは、遮断状態にて相互に電気的に絶縁されるように、絶縁性を有する樹脂材料で構成されたベース6によって固定的に支持されている。
【0025】
第一固定子31Aは、第一入出力端子32Aと、一体に形成されている。第一入出力端子32Aは、ベース6から、電磁継電器1の外部に向かって、延出方向に延設されている。第二固定子31Bは、第二入出力端子32Bと、一体に形成されている。第二入出力端子32Bは、ベース6から、電磁継電器1の外部に向かって、延出方向に延設されている。第一入出力端子32Aと第二入出力端子32Bとのうち、一方は電源側に電気接続され、他方は負荷側に電気接続されるようになっている。
【0026】
第一固定子31Aは、第一固定接点33Aを有している。第一固定接点33Aは、中心軸線Cと平行な軸中心を有する円柱状に形成された金属製の電気接点部材であって、カシメ等によって第一固定子31Aに固定されている。本実施形態においては、第一固定子31Aには、1個の第一固定接点33Aが設けられている。第一固定接点33Aは、その軸中心が
図3に示す中央線Lを通るように配置されている。中央線Lは、中心軸線Cと直交し且つ幅方向と平行な直線である。
図3に示されているように、X軸正方向側から電磁継電器1を見た場合に、中央線Lは、点状となる中心軸線Cを通過するように設けられている。
【0027】
第二固定子31Bは、第二固定接点33Bを有している。第二固定接点33Bは、中心軸線Cと平行な軸中心を有する円柱状に形成された金属製の電気接点部材であって、カシメ等によって第二固定子31Bに固定されている。すなわち、第一固定接点33Aおよび第二固定接点33Bは、中心軸線Cを挟んで、幅方向の両側にそれぞれ配置されている。
【0028】
本実施形態においては、可動子34には、2個の第二可動接点35Bが、中央線Lを挟んで対称に設けられている。また、2個の第二固定接点33Bは、これらを結ぶ線分の中点と第一固定接点33Aの軸中心とが中央線Lを挟んで対称となるように配置されている。
【0029】
図2に示すように、可動子34は、第一固定子31Aおよび第二固定子31Bよりも復帰方向側にて、コイル2の通電状態に応じて中心軸線方向に往復移動するように設けられている。具体的には、可動子34は、幅方向に長手方向を有し中心軸線方向に板厚方向を有する金属板部材であって、中心軸線方向に第一固定子31Aおよび第二固定子31Bと対向するように配置されている。
【0030】
図2、
図3に示すように、可動子34の長手方向における一端部には、第一可動接点35Aが設けられている。可動子34の長手方向における他端部には、第二可動接点35Bが設けられている。すなわち、第一可動接点35Aおよび第二可動接点35Bは、中心軸線Cを挟んで、幅方向の両側にそれぞれ配置されている。
【0031】
第一可動接点35Aは、中心軸線Cと平行な軸中心を有する円柱状に形成された金属製の電気接点部材であって、カシメ等によって可動子34に固定されている。第一可動接点35Aは、中心軸線方向に第一固定接点33Aと対向するように配置されている。すなわち、本実施形態においては、可動子34には、1個の第一可動接点35Aが設けられている。第一可動接点35Aと第一固定接点33Aとは、中心軸線方向に沿って見た場合に、互いに重なるように配置されている。
【0032】
第二可動接点35Bは、中心軸線Cと平行な軸中心を有する円柱状に形成された金属製の電気接点部材であって、カシメ等によって可動子34に固定されている。第二可動接点35Bは、中心軸線方向に第二固定接点33Bと対向するように配置されている。すなわち、本実施形態においては、可動子34には、2個の第二可動接点35Bが設けられている。互いに対応する第二可動接点35Bと第二固定接点33Bとは、中心軸線方向に沿って見た場合に、互いに重なるように配置されている。
【0033】
図1、
図2に示すように、固定ヨーク36は、磁性体金属によって構成されている。固定ヨーク36は、第一固定子31Aおよび第二固定子31Bの近傍位置にて、ベース6に固定的に支持されている。具体的には、固定ヨーク36は、第一固定子31Aおよび第二固定子31Bよりも中心軸線C側の位置にて、インサート成形等によりベース6内に埋設されている。
【0034】
可動ヨーク37は、磁性体金属によって構成されており、可動子34と結合されている。可動ヨーク37は、中心軸線方向に固定ヨーク36と対向するように配置されている。固定ヨーク36および可動ヨーク37は、コイル2の通電状態にて、両者の間にヨーク吸引力を発生させるように設けられている。コイル2の通電状態では、第一固定接点33Aと第一可動接点35Aとが当接し、且つ第二固定接点33Bと第二可動接点35Bとが当接すると、可動子34に電流が流れる状態となる。
【0035】
接圧バネ38は、可動子34と可動ヨーク37との結合体と中間カバー7との間に配置されている。接圧バネ38は、コイルバネであって、可動子34を第一固定子31Aおよび第二固定子31Bに向かって吸引方向に付勢するように設けられている。
【0036】
図2に示すように、永久磁石4は、第一固定子31A又は第二固定子31Bと可動子34とが対向する箇所と、幅方向に近接配置されている。具体的には、永久磁石4は、2個備えられ、それぞれが中間カバー7を挟んで同箇所と幅方向に対向するように配置されて、中間カバー7に装着されている。永久磁石4は、第一固定子31A又は第二固定子31Bと可動子34との間で電流遮断時に発生するアークを消弧するために設けられている。
【0037】
本実施形態においては、2個の永久磁石4の一方はS極が中心軸線Cを向き、2個の永久磁石4の他方はN極が中心軸線Cを向くように設けられている。また、2個の永久磁石4は、幅方向に沿って見た場合に互いに重なるように、同一形状に形成され、且つ中心軸線方向および延出方向について同位置に配置されている。
【0038】
図1、
図2に示すように、駆動部5は、コイル2の通電状態に応じて、可動子34を中心軸線方向に往復移動させるように構成されている。具体的には、駆動部5は、固定コア51と、シャフト52と、可動コア53と、復帰バネ54と、可動碍子55とを備えている。
【0039】
固定コア51は、強磁性体金属材料によって継目無く一体に形成された円筒状の部材であって、コイル2の内側に収容されている。シャフト52は、金属製の丸棒状部材であって、長手方向が中心軸線方向となるように設けられている。シャフト52は、固定コア51の軸中心に沿って設けられた貫通孔51aの内側にて、中心軸線方向に沿って往復移動可能に収容されている。
【0040】
可動コア53は、強磁性体金属材料からなる円板状の部材であって、シャフト52の長手方向における中間位置にて、シャフト52に固定されている。可動コア53は、中心軸線方向に固定コア51と対向するように配置されている。すなわち、可動コア53は、コイル2の通電時に固定コア51に吸引されるように設けられている。吸引方向は、コイル2の通電時に、可動コア53が固定コア51に吸引される方向である。
【0041】
復帰バネ54は、固定コア51およびシャフト52を囲むように配置されたコイルバネであって、可動コア53を復帰方向に付勢するように設けられている。可動碍子55は、例えば合成樹脂などの絶縁性材料によって構成されている。可動碍子55は、シャフト52における復帰方向側の端部を被覆するように、当該端部に固定されている。可動碍子55は、コイル2への通電遮断時に可動コア53が復帰バネ54により復帰方向に付勢されつつ移動した場合に、可動子34に当接して可動子34を復帰方向に移動させるように設けられている。
【0042】
ベース6は、コイル2、接点機構部3、駆動部5、および中間カバー7を固定的に支持する部材であって、例えば、合成樹脂等の絶縁性材料によって継目無く一体に形成されている。具体的には、ベース6は、本体部61と、底板部62と、ガイド部63とを有している。
【0043】
本体部61は、底板部62から延出方向に突設されている。本体部61の内部には、固定ヨーク36が保持されている。本体部61における、中心軸線方向に可動子34と対向する面には、第一固定子31Aおよび第二固定子31Bが固定的に支持されている。また、本体部61における、中心軸線Cに対応する位置には、可動碍子55が通過可能な貫通孔が形成されている。
【0044】
底板部62は、延出方向に板厚方向を有する板状部であって、本体部61を延出方向に片持ち梁状に延出させつつ固定的に支持するように設けられている。底板部62は、延出方向に沿って見た場合に、矩形状に形成されている。
【0045】
ガイド部63は、本体部61から復帰方向に延設されている。ガイド部63は、可動子34の中心軸線方向に沿った往復移動をガイドするように形成されている。
【0046】
中間カバー7は、接点機構部3を
図1および
図2における上側から覆うように、ベース6における本体部61に固定的に支持されている。具体的には、中間カバー7は、幅方向に対向する一対の磁石保持部71と、これらの間に設けられた被覆板部72とを備えていて、例えば、合成樹脂等の絶縁性材料によって継目無く一体に形成されている。
【0047】
磁石保持部71は、
図1~
図5に示されている一具体例においては、復帰方向に開口する凹部を有していて、この凹部の内側に永久磁石4を保持可能に形成されている。磁石保持部71における、接点機構部3に面する薄板状の壁部は、復帰方向側の端部にて、被覆板部72と接続されている。すなわち、永久磁石4は、上記の薄板状の壁部の外表面と接するように配置されている。
【0048】
被覆板部72は、中心軸線方向に板厚方向を有する矩形状の板状部であって、磁石保持部71における復帰方向側の端部から幅方向に延出することで接点機構部3と対向するように設けられている。また、中間カバー7は、中心軸線Cを通り中央線Lを法線とする平面について面対称な形状を有している。
【0049】
被覆板部72における、接点機構部3と対向する内表面側には、バネ係止溝73が設けられている。バネ係止溝73は、接圧バネ38における復帰方向側の端部を係止するように、リング状に形成されている。
【0050】
外側カバー8は、直方体形状における一面にて開口する箱状を有していて、絶縁性材料である合成樹脂によって一体に形成されている。具体的には、外側カバー8は、天板部80と、第一側板部81と、第二側板部82と、一対の第三側板部83とを有している。なお、外側カバー8は、ケースに相当する。
【0051】
天板部80は、延出方向に板厚方向を有する矩形状の平板状部であって、中心軸線方向および幅方向に延設されている。天板部80は、接点機構部3を挟んでベース6における底板部62と対向するように設けられている。
【0052】
第一側板部81は、中心軸線方向に板厚方向を有する矩形状の平板状部であって、被覆板部72と近接しつつ対向するように設けられている。すなわち、第一側板部81は、天板部80における復帰方向側の端部から、被覆板部72と対向しつつ、延出方向に延設されている。
【0053】
第二側板部82は、中心軸線方向に板厚方向を有する矩形状の平板状部であって、コイル2および接点機構部3を挟んで、第一側板部81と対向するように設けられている。第二側板部82は、天板部80における吸引方向側の端部から、延出方向に延設されている。
【0054】
第三側板部83は、矩形状の平板状部であって、幅方向に板厚方向を有するように設けられている。一対の第三側板部83の一方は、天板部80、第一側板部81および第二側板部82における、幅方向の一端部と接続されている。一対の第三側板部83の他方は、天板部80、第一側板部81および第二側板部82における、幅方向の他端部と接続されている。
【0055】
天板部80と第一側板部81と第二側板部82と一対の第三側板部83とによって形成された上記の箱状における開口部84は、延出方向に沿って開口するように設けられている。外側カバー8は、ベース6における底板部62を開口部84に装着することで、コイル2、接点機構部3、永久磁石4、駆動部5、および中間カバー7を覆うように構成されている。
【0056】
上記構成の電磁継電器1は、コイル2が通電時されると磁力が発生し、その磁力により可動子34が吸引方向に移動する。そして、第一可動接点35Aが第一固定接点33Aに当接するとともに第二可動接点35Bが第二固定接点33Bに当接する。これにより、第一可動接点35Aと第一固定接点33Aの間が導通状態になるとともに第二可動接点35Bと第二固定接点33Bとの間も導通状態となり、電源から負荷への通電が行われる。
【0057】
また、コイル2への通電が遮断されると磁力がなくなり、復帰バネ54によって可動子34が復帰方向に移動する。この際、第一可動接点35Aが第一固定接点33Aから離れるとともに第二可動接点35Bが第二固定接点33Bから離れる。これにより、第一可動接点35Aと第一固定接点33Aの間が遮断状態になるとともに第二可動接点35Bと第二固定接点33Bとの間も遮断状態となり、電源から負荷への通電が解除される。
【0058】
図6に示すように、ベース6における底板部62には貫通孔6aが形成されている。貫通孔6aは外側カバー8とベース6を有する筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路の一部を構成する。この貫通孔6aにはコイル端子板21Bが挿通されている。また、貫通孔6aの内部には、収容空間S内の空気を換気して結露を抑制するとともに、収容空間Sでアークに可燃性ガスが着火し発生した火炎を消炎させるための呼吸孔6bが形成されている。
【0059】
貫通孔6aにおける幅方向の長さは、コイル端子板21Bにおける幅方向の長さと同じになっている。また、貫通孔6aにおける吸引方向の長さは、コイル端子板21Bにおける吸引方向の長さ、すなわち、コイル端子板21Bの板厚よりも長くなっている。
【0060】
呼吸孔6bは、コイル端子板21Bが挿通された貫通孔6aの内壁と、この貫通孔6aに挿通されたコイル端子板21Bとの間にできる隙間により形成されている。具体的には、呼吸孔6bは、コイル端子板21Bにおける外側カバー8の第二側板部82側の面と、貫通孔6aの内壁との間の隙間により形成されている。
【0061】
また、呼吸孔6bにおける幅方向の長さは、コイル端子板21Bが配置された部分の貫通孔6aにおける幅方向の長さよりも短くなっている。また、呼吸孔6bは、コイル端子板21Bが配置された部分の貫通孔6aにおける幅方向の中央に形成されている。
【0062】
また、外側カバー8とベース6を有する筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路は、貫通孔6aだけでなく貫通孔6a以外の箇所にもある。具体的には、外側カバー8とベース6の接触部にできる隙間が外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路となっている。
【0063】
本実施形態の電磁継電器1は、呼吸孔6bの内部に、吸着材100が配置されている。吸着材100は、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する性質を有している。具体的には、吸着材100は活性炭により構成されている。吸着材100は、粉末状の活性炭を板状に固めたものにより構成されている。吸着材100は、各コイル端子板21A、21Bと、これらの各コイル端子板21A、21Bより復帰方向に位置する呼吸孔6bの内壁との間に挟持されている。
【0064】
吸着材100における吸引方向の長さは、呼吸孔6bにおける吸引方向の長さと同じになっている。また、吸着材100における幅方向の長さは、呼吸孔6bにおける幅方向の長さよりも短くなっている。したがって、吸着材100は、呼吸孔6bの一部を塞ぐように配置されている。
【0065】
なお、コイル端子板21Bを通る、
図5中におけるZ方向に延びるVI-VI断面図は
図6のような形状となっている。これに対し、コイル端子板21Aを通る、
図5中におけるZ方向に延びる電磁継電器1の断面形状も
図6と同様になっている。
【0066】
つまり、コイル端子板21Aが挿通された貫通孔の内壁と、この貫通孔に挿通されたコイル端子板21Aとの間にできる隙間により不図示の呼吸孔が形成されている。また、ベース6におけるコイル端子板21Aが挿通された貫通孔にも、不図示の吸着材100が配置されている。
【0067】
本実施形態に係る電磁継電器1は、接点機構部3の周囲を溶接して隙間を塞ぐなどして接点機構部3が外部空間に対して密閉しておらず、収容空間Sが外側カバー8とベース6によって構成される筐体の外部空間と連通する、いわゆる開放型の構成を有している。
【0068】
なお、上記した電磁継電器1は、一般的に略水平に設置された電池パック内に搭載される。また、シロキサンは大気よりも比重が大きく、周囲温度が高くなると拡散する性質を有している。
【0069】
したがって、電磁継電器1が搭載された電池パック内の下部にシロキサンが溜まった状態で周囲温度が上昇すると、シロキサンが拡散して各端子板21Aと、21B、32A、32Bが固定された底板部62側から呼吸孔6bを通って収容空間Sに侵入しようとする。
【0070】
しかし、本実施形態の電磁継電器1は、底板部62に形成された呼吸孔6bに吸着材100が配置されているので、呼吸孔6bを通って収容空間Sに侵入しようとするシロキサンを効率的に吸着することができる。
【0071】
以上説明したように、本実施形態の電磁継電器1では、外側カバー8とベース6が構成する筐体の外部空間と収容空間Sとの間が連通した構成において、シロキサンを吸着する吸着材100を、外側カバー8およびベース6を有する筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路に配置している。
【0072】
このような構成によれば、筐体の外部空間から収容空間Sに侵入するシロキサンが吸着材100によって吸着されるので、収容空間Sを密閉することなくシロキサンの侵入による導通不良を抑制することができる。
【0073】
また、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0074】
(1)上記実施形態では、ベース6には、ケースである外側カバー8とベース6を有する筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する呼吸孔6bが形成されており、吸着材100は、呼吸孔6bに配置されている。このように、空気流れが発生する呼吸孔6bに吸着材100を配置することで、呼吸孔6bを流れる空気に含まれるシロキサンを効率よく吸着することができる。
【0075】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る電磁継電器1について
図7を用いて説明する。上記第1実施形態では、ベース6の呼吸孔6bにシロキサンを吸着する吸着材100が配置されている。これに対し、本実施形態では、
図7に示すように、ベース6の表面が吸着材100でコーティングされている。具体的には、本実施形態の電磁継電器1は、ベース6の表面全体が吸着材100でコーティングされている。ここで、ベース6への吸着材100へのコーティングについて説明する。
【0076】
まず、吸着材100を構成する粉末化させた活性炭と溶剤を用意し、この粉末化させた活性炭を溶剤に混入させてよく混ぜる。次に、この溶剤をベース6の表面全体に塗布する。そして、ベース6の表面全体に溶剤を塗布した後、所定時間かけて溶剤を乾燥させると、ベース6への吸着材100のコーティングが完了する。このようにして、吸着材100を含むベース6が完成する。
【0077】
以上説明したように、本実施形態の電磁継電器1では、外側カバー8およびベース6は筐体を成し、筐体の外部空間と収容空間Sとの間は連通している。また、ベース6は、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材100を含んで構成されている。
【0078】
このような構成によれば、ベース6は、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材100を含んで構成されている。したがって、筐体の外部空間から筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路を通って収容空間Sに侵入するシロキサンが、ベース6に含まれる吸着材100によって吸着される。このため、収容空間Sを密閉することなくシロキサンの侵入による導通不良を抑制することができる。
【0079】
上記したように、本実施形態の電磁継電器1は、吸着材100が、ベース6の表面全体にコーティングされている。したがって、ベース6の表面の一部に吸着材100をコーティングした場合と比較して、より確実にシロキサンを吸着することができる。
【0080】
なお、吸着材100が、ベース6の表面全体にコーティングされているので、シロキサンを含む空気が呼吸孔6bに侵入する前に吸着材100によって吸着される。このように、ベース6に呼吸孔6bが形成されていても、呼吸孔6bに侵入する空気に含まれるシロキサンを吸着材100によって吸着することができる。
【0081】
(第3実施形態)
第3実施形態の電磁継電器1について
図8を用いて説明する。上記第2実施形態では、ベース6の表面全体が吸着材100でコーティングされている。これに対し、本実施形態の電磁継電器1では、吸着材100は、外側カバー8における開口部が形成された面に配置されたベース6の底板部62の外部空間側に位置する表面にコーティングされている。また、吸着材100は、ベース6の外部空間側の表面以外の面にはコーティングされていない。
【0082】
したがって、ベース6の表面全体に吸着材100をコーティングする場合と比較して、ベース6の外部空間側の表面だけ吸着材100を塗布すれば良いため、吸着材100のコーティングの工程を簡素化することができる。
【0083】
本実施形態では、上記第2実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第2実施形態と同様に得ることができる。
【0084】
(第4実施形態)
第4実施形態の電磁継電器1について
図9を用いて説明する。本実施形態の電磁継電器1は、ベース6の内部に吸着材100が混入されている。
【0085】
ここで、ベース6への吸着材100の混入について説明する。まず、ベース6を構成する樹脂材料と吸着材100を構成する粉末化させた活性炭を用意する。
【0086】
次に、ベース6を構成する樹脂材料を加熱して溶融させ、この溶融させた樹脂材料に粉末化させた活性炭を混入させてよく混ぜる。次に、活性炭を混入させた樹脂材料を金型に流し込んで冷却し、金型から取り出すと、活性炭を含むベース6が完成する。
【0087】
上記したように、ベース6には、粉末化された吸着材100が混入されている。このように、粉末化された吸着材100をベース6に混入させることで、ベース6に吸着材100を含むように構成することができる。
【0088】
本実施形態では、上記第2実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第2実施形態と同様に得ることができる。
【0089】
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、電磁継電器1を自動車等の車両の電源供給基板に搭載した例を示したが、電磁継電器1は、自動車等の車両の電源供給基板に搭載される用途に限定されるものではない。
【0090】
(2)上記第1実施形態では、コイル端子板21Bが挿通された貫通孔6bに形成された呼吸孔6bに吸着材100を配置するとともに、コイル端子板21Aが挿通された不図示の貫通孔に形成された呼吸孔には吸着材100を配置した。これに対し、コイル端子板21A、21Bが配置された各貫通孔に形成された各呼吸孔の一方のみに吸着材100を配置してもよい。また、コイル端子板21A、21Bが配置された各貫通孔に形成された各呼吸孔以外の部位で、外側カバー8およびベース6により構成される筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路に吸着材100を配置してもよい。
【0091】
(3)上記第1実施形態では、呼吸孔6bの一部を塞ぐように吸着材100を配置したが、呼吸孔6bの全部を塞ぐように吸着材100を配置してもよい。この場合でも、外部空間から呼吸孔6bと吸着材100の間にできる僅かな隙間を通って収容空間Sに侵入しようとする空気に含まれるシロキサンを吸着材100で吸着することが可能である。
【0092】
(4)上記各実施形態では、呼吸孔6bの内部に吸着材100を挟持するようにしたが、呼吸孔6bの内面に吸着材100を接着するようにしてもよい。
【0093】
(5)上記第3実施形態では、外側カバー8における開口部が形成された面に配置されたベース6の底板部62の外部空間側に位置する表面に吸着材100をコーティングした。しかし、このような例に限定されるものではなく、ベース6の少なくとも一部に吸着材100をコーティングすることでも、吸着材100によるシロキサンの吸着効果を得ることが可能である。なお、ベース6の少なくとも一部とは、外側カバー8およびベース6により構成される筐体の外部空間と収容空間Sとの間を連通する経路の一部とすることができる。また、ベース6の少なくとも一部とは、ベース6における外部空間側に露出している部位の一部、ベース6における収容空間S側に露出している部位の一部とすることができる。
【0094】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0095】
1 電磁継電器
2 コイル
6 ベース
8 外側カバー
33A 第一固定接点
33B 第二固定接点
34 可動子
35A 第一可動接点
35B 第二可動接点
100 吸着材
【手続補正書】
【提出日】2022-07-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁継電器であって、
箱状を成し、一面に開口部が形成されたケース(8)と、
前記開口部に配置され、前記ケースとともに収容空間を形成するベース(6)と、
通電時に電磁力を発生するコイル(2)と、
前記収容空間に配置され、固定接点(33A、33B)を有する固定子(31A、31B)と、
前記収容空間に配置され、前記コイルが発生する前記電磁力に応じて前記固定接点と接離する可動接点(35A、35B)を有する可動子(34)と、を備え、
前記ケースおよび前記ベースは筐体を成し、前記筐体の外部空間と前記収容空間との間は連通しており、
前記ベースは、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)を含んで構成されており、
前記吸着材は、前記ベースの前記外部空間側の表面にコーティングされており、前記ベースの前記外部空間側の表面以外の面にはコーティングされていない電磁継電器。
【請求項2】
電磁継電器であって、
箱状を成し、一面に開口部が形成されたケース(8)と、
前記開口部に配置され、前記ケースとともに収容空間を形成するベース(6)と、
通電時に電磁力を発生するコイル(2)と、
前記収容空間に配置され、固定接点(33A、33B)を有する固定子(31A、31B)と、
前記収容空間に配置され、前記コイルが発生する前記電磁力に応じて前記固定接点と接離する可動接点(35A、35B)を有する可動子(34)と、を備え、
前記ケースおよび前記ベースは筐体を成し、前記筐体の外部空間と前記収容空間との間は連通しており、
前記ベースは、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)を含んで構成されており、
前記吸着材は、前記ベースの表面全体にコーティングされている電磁継電器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、電磁継電器であって、箱状を成し、一面に開口部が形成されたケース(8)と、開口部に配置され、ケースとともに収容空間を形成するベース(6)と、通電時に電磁力を発生するコイル(2)と、収容空間に配置され、固定接点(33A、33B)を有する固定子(31A、31B)と、収容空間に配置され、コイルが発生する電磁力に応じて固定接点と接離する可動接点(35A、35B)を有する可動子(34)と、を備え、ケースおよびベースは筐体を成し、筐体の外部空間と収容空間との間は連通しており、ベースは、ケイ素と酸素が結合することによって生成されるシロキサンを吸着する吸着材(100)を含んで構成されており、
吸着材は、前記ベースの前記外部空間側の表面にコーティングされており、ベースの外部空間側の表面以外の面にはコーティングされていない。