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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022139963
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】照明システム
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20220915BHJP
   H05B 47/18 20200101ALI20220915BHJP
   H05B 47/165 20200101ALI20220915BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220915BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/18
H05B47/165
H05B47/105
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040568
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】朴 謨贊
(72)【発明者】
【氏名】小嶋 浩亨
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA40
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA27
3K273TA37
3K273TA52
3K273TA54
3K273UA15
3K273UA22
3K273UA27
(57)【要約】      (修正有)
【課題】個別の照明器具毎に無線制御信号を受信する場合、複数の照明器具において、同一の制御ができず、照明の見栄えが悪くなる場合がある。
【解決手段】照明システムは、第1の電源130と、駆動配線139が供給する第1の電源からの駆動出力によって駆動される第1の光源とを備える第1の照明器具と、第2の電源230と、駆動配線239が供給する第2の電源からの出力によって駆動される第2の光源とを備えた第2の照明器具と、第1の照明器具から第2の照明器具へ制御信号を伝送する信号送り配線153、252を備える。第1の照明器具は、第1の電源に着脱可能な、無線制御信号を受信する無線受信器140を備える。無線受信器からの信号は、第1の電源の制御に用いるとともに有線制御信号として出力され、有線制御信号によって第2の電源は、第1の電源と同じ制御がなされる。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御信号によって制御される第1の電源と、前記第1の電源からの出力によって駆動される第1の光源とを備えた第1の照明器具と、
制御信号によって制御される第2の電源と、前記第2の電源からの出力によって駆動される第2の光源とを備えた第2の照明器具と、
前記第1の照明器具から前記第2の照明器具へ制御信号を伝送する信号送り配線を備えた照明システムであって、
前記第1の照明器具は、着脱可能な、無線制御信号を受信する無線受信器を備え、
前記無線受信器からの信号は、前記第1の電源の制御に用いるともに有線制御信号として出力され、
前記第2の電源は、前記有線制御信号によって前記第1の電源と同じ制御がなされる、照明システム。
【請求項2】
前記第1の電源は前記無線制御信号を受信する無線受信器を着脱可能な第1のスロットを備え、
前記第2の電源は前記信号送り配線を接続する第2のスロットを備え、
前記第2のスロットは、前記無線受信器の着脱が可能である、
請求項1に記載の照明システム。
【請求項3】
前記第2の照明器具は、前記信号送り配線を接続可能な入力端子と、前記第2のスロットに接続可能な出力端子を備えた、前記第2の電源に着脱可能な変換コネクタを備える、
請求項1又は2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記第1の照明器具は、前記第1の電源に着脱可能であり、前記無線受信器を着脱可能な第1の分岐モジュールを備え、
前記第1の分岐モジュールは、前記無線受信器の信号を前記第1の電源及び前記信号送り配線に出力する、
請求項1から3のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項5】
前記第2の照明器具は、前記第2の電源に着脱可能であり、前記有線制御信号を前記第2の電源に出力するとともに、他の信号送り配線に分岐することが可能な、第2の分岐モジュールを備える、
請求項1から4のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項6】
前記第1の照明器具は、金属製の筐体を備え、
前記無線受信器及び前記第1の電源は、前記金属製の筐体に囲まれた空間に設置される、
請求項1から5のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項7】
前記金属製の筐体は、長尺であって、端面を備え、
前記端面は、着脱可能な非金属製の板を備える、
請求項6に記載の照明システム。
【請求項8】
前記第1の照明器具及び前記第2の照明器具が線状に近接して配置され、間接照明用として用いられる、
請求項1から7のいずれか一項に記載の照明システム。
【請求項9】
第1の照明器具及び前記第2の照明器具は、原色でない2つの色を含む3つの色のLEDを備え、その3つの色のLEDが調色制御される、
請求項1から8のいずれか一項に記載の照明システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光調色等の照明制御機能を備えた照明器具を複数備えた照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明のLED化に伴い、明るさを変化させる調光や、色温度など色合いを変化させる調色を容易にできるようになった。また、調光・調色の制御信号を伝送する手段として、無線通信が用いられるようになってきた。このような無線制御式照明器具は、主にベースライト(主照明)で用いられる一方、間接照明にも用いられるようになってきた。
【0003】
特許文献1には、連結された複数の照明器具を無線で制御する技術が開示されている。それぞれの照明器具には、制御信号を的確に受信可能とするため、アンテナとして機能する導体パターンが、LEDを設置する基板に設けられている。
【0004】
特許文献2には、通信ユニットと、通信ユニットと通信配線により接続された複数の端末器(一例として照明器具)を備え、例えば複数の照明器具には同一の制御がなされる照明システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-58311号公報
【特許文献2】特開2009-76956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2のように通信ユニットを独立に設置し、そこから各照明器具を有線制御する方式は、同一の照明制御を確実に行うことができるという利点があるが、通信ユニットの設置が問題となる。例えば通信ユニットを間接照明器具と共に設置しようとする場合、そのような狭い場所に設置できない、あるいは通信ユニットを照明器具から離して天井に設置しようとすると、通信ユニットが目立ち部屋の見栄えが悪くなる場合がある、という問題がある。
【0007】
そこで、特許文献2のように、個別の照明器具毎に無線制御信号を受信することが提案されているが、独立した通信ユニットを設置する場合に比べて通信状況が悪くなる場合がある。そのため、同一の制御がなされるべき複数の照明器具において、同一の制御ができない場合があり、照明の見栄えが悪くなるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明は、制御信号によって制御される第1の電源と、前記第1の電源からの出力によって駆動される第1の光源とを備えた第1の照明器具と、制御信号によって制御される第2の電源と、前記第2の電源からの出力によって駆動される第2の光源とを備えた第2の照明器具と、前記第1の照明器具から前記第2の照明器具へ制御信号を伝送する信号送り配線を備えた照明システムであって、前記第1の照明器具は、着脱可能な、無線制御信号を受信する無線受信器を備え、前記無線受信器からの信号は、第1の電源の制御に用いるともに有線制御信号として出力され、前記第2の電源は、前記有線制御信号によって第1の電源と同じ制御がなされる、照明システムである。
【0009】
本発明において、前記第1の電源は前記無線制御信号を受信する無線受信器を着脱可能な第1のスロットを備え、前記第2の電源は前記信号送り配線を接続する第2のスロットを備え、前記第2のスロットは、前記無線受信器の着脱が可能であってもよい。
【0010】
本発明において、前記第2の照明器具は、前記信号送り配線を接続可能な入力端子と、前記第2のスロットに接続可能な出力端子を備えた、前記第2の電源に着脱可能な変換コネクタを備えてもよい。
【0011】
本発明において、前記第1の照明器具は、前記第1の電源に着脱可能であり、前記無線受信器を着脱可能な第1の分岐モジュールを備え、前記第1の分岐モジュールは、前記無線受信器の信号を前記第1の電源及び前記信号送り配線に出力するものであってもよい。
【0012】
本発明において、前記第2の照明器具は、前記第2の電源に着脱可能であり、前記有線制御信号を前記第2の電源に出力するとともに、他の信号送り配線に分岐することが可能な、第2の分岐モジュールを備えてもよい。
【0013】
本発明において、前記第1の照明器具は、金属製の筐体を備え、前記無線受信器及び前記第1の電源は、前記金属製の筐体に囲まれた空間に設置されてもよい。
【0014】
本発明において、前記金属製の筐体は、長尺であって、端面を備え、前記端面は、着脱可能な非金属製の板を備えてもよい。
【0015】
本発明において、前記第1の照明器具及び前記第2の照明器具が線状に近接して配置され、間接照明用として用いられてもよい。
【0016】
本発明において、第1の照明器具及び前記第2の照明器具は、原色でない2つの色を含む3つの色のLEDを備え、その3つの色のLEDが調色制御されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明においては、制御端末から照明器具への有線制御配線の接続を行うことなく、しかも別途無線通信ユニットを備えることなく、複数の照明器具ついて同一の制御を確実に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態1における照明システムの設置状態における説明図
図2】実施形態1に用いる照明器具の分離状態における正面断面図
図3】実施形態1に用いる照明器具の側面図
図4】実施形態1における制御端末と照明器具の制御を説明するための説明図
図5】実施形態1における照明制御回路を説明するための説明図
図6】実施形態2における照明制御回路を説明するための説明図
図7】実施形態3における照明制御回路を説明するための説明図
図8】実施形態4における照明システムの設置状態の説明図
図9】実施形態4に用いるLEDの色度座標図
図10】実施形態5における照明システムの設置状態における説明図
【発明を実施するための形態】
【0019】
<実施形態1>
図1(a)は、第1の照明器具100と第2の照明器具200を近接して配置した壁面間接照明用の照明システム1の設置状態における側面図、図1(b)は正面図である。
【0020】
照明器具100及び照明器具200は、天井190の壁194の上部に設けられたボックス192のボックス内天井193内に設置されている。
照明器具100は光線197Lと光線197Rの範囲の壁194、照明器具200は光線297Lと光線298Rの範囲の壁194を照らす。
【0021】
図2は、本照明システムに用いる照明器具100の正面断面図である。照明器具100は器具本体110と光源ユニット120に分離可能であり、図2は分離状態を示しているが、設置状態では図1に示す通り一体となる。
【0022】
器具本体110は、下面が開口した箱状の金属からなる筐体111、端面板112、器具外部のライティングダクト115と接続するためのプラグ114、電源配線116、コネクタ117及びバネ受け118を備える。
【0023】
光源ユニット120は、取付部材121の下側に、プリント基板122、低色温度白色LED123W、高色温度白色LED123C、カバー部材124、端面カバー部材124Tを備え、取付部材121の上側に電源130、無線受信器であるワイヤレスモジュール140、取付バネ128を備える。電源130の配線については後述する。
【0024】
取付バネ128は器具本体110のバネ受け118に取り付けられることにより、光源ユニット120が器具本体110に取り付けられ、一体化される。
【0025】
光源ユニット120のコネクタ173が器具本体110のコネクタ117に接続されることにより、商用交流電力がライティングダクト115から電源130に供給される。また、商用交流電力は、電源コネクタ171・電源入力線172により、他の照明器具に供給することが可能である。
【0026】
照明器具100を左側から見た側面図を図3に示す(照明器具200も同形状)。器具本体110側の端面は、非金属製の端面板112及び端面板保持部113を備えている。光源ユニット120側の端面は、端面カバー部材124Tを備える。
【0027】
器具本体110と光源ユニット120を分離した状態で、端面板112を下に引くことにより、端面板112が端面板保持部113から分離可能になっている。その状態で、電源送り配線173、信号送り配線153などを取り出すことが可能である。
【0028】
また、端面板112は非金属製のプラスチックからなるため、無線制御用の電波が筐体111内のワイヤレスモジュール140に届くことができる。端面板112を外して電波を届けてもよい。
【0029】
器具本体110の筐体111の上面には、電波の送受信用の穴111Hが、例えばワイヤレスモジュール140の上側に設けられていてもよい。
【0030】
<電源及び無線制御>
電源130は、電源コネクタ171から供給された商用交流電力をもとに駆動出力を生成し、駆動配線139よりLED123W及びLED123Cへ直流やPWM出力などの形式の駆動出力を供給する。
【0031】
駆動出力の制御は無線制御により行われる。電源130と配線接続された入力スロット131にワイヤレスモジュール140が接続されているが、ワイヤレスモジュール140は着脱可能である。図4のように、制御端末であるタブレット160から電波168が照明器具100内にあるワイヤレスモジュール140に受信され、電源130を制御することにより照明器具100を制御するとともに、制御信号は信号送り配線153により照明器具200にも伝送され、同じ制御を行う。
【0032】
タブレット160には照明制御ソフトウエア161(図示せず)がインストールされており、画面162に輝度調整(調光)及び色度調整(調色)のインターフェースが表示されるので、ユーザーはタブレット160を用いて照明制御を行うことができる。なお、このようにマニュアルで制御する場合の他に、照明制御ソフトウエア161によってあらかじめプログラムされたスケジュールに沿って、制御端末が自動的に照明器具の調光・調色制御を行う場合もある。
【0033】
<照明器具の信号連結>
図5は、本照明システムにおける第1の照明器具100と第2の照明器具200の回路及び接続を説明するための説明図である。
【0034】
<無線接続照明器具>
ワイヤレスモジュール140は、アンテナ141、受信回路142、信号回路143を備え、制御信号が端子144より出力される。制御信号は、例えば2チャンネルのPWM(Pulse Width Modulation)信号であるが、UART(universal asynchronous receiver-transmitter)信号などのデジタル信号であってもよい。
【0035】
この制御信号は、電源130と配線接続された入力スロット131を介して信号変換回路133に入り、その出力の一つは駆動回路134に送られる。駆動回路134は商用交流電力を直流に変換し、制御信号によって制御されたLEDの駆動出力が駆動配線139から出力される。駆動配線139は、例えば2チャンネルの駆動出力とアースを含む3本の端子を備えており、プリント基板122に接続される。
【0036】
入力スロット131はワイヤレスモジュール140に供給する電力出力端子も備えており、例えば5本の端子である。
【0037】
<信号送り配線>
電源130における信号変換回路133のもう一方の出力は、信号送り配線153・信号コネクタ154に出力される。信号送り配線153は、例えば2チャンネルのPWM信号の出力とアースを含む3本の配線を備えている。
【0038】
照明器具100が出力側の信号送り配線153、照明器具200が入力側の信号送り配線252をそれぞれ備えているため、照明器具100・200の設置後に信号送り配線の接続作業をすることができる。
【0039】
<電源送り配線>
電源130において、電源入力線172から入力した商用交流電力が分岐され、電源送り配線173・電源コネクタ174より、例えば照明器具200の電源230に送られる。電源230は電源コネクタ271・電源入力線272を備えている。照明器具200は、更に他の照明器具へ商用交流電力を送るための電源送り配線273・電源コネクタ274を備えていてもよい。
【0040】
<有線接続照明器具>
照明器具200の電源230において、照明器具100より送られた制御信号が、照明器具200の信号コネクタ251・信号送り配線252を介して信号入力回路235に入る。その出力の一つは駆動回路234に送られ、駆動配線239の駆動出力を制御する。もう一方の信号出力は信号送り配線253・信号コネクタ254より次の照明器具に送られる。
【0041】
信号入力回路235は、例えばフォトカプラなどにより入力を絶縁しつつ信号を伝達する回路である。
【0042】
なお、信号コネクタ254に何も接続されない場合には、この出力信号は使われない。そのような場合には、照明器具200において、信号送り配線253・信号コネクタ254を省略してもよい。
【0043】
<無線制御が不調な場合>
設置場所によっては、外部からのノイズなどにより、どうしても無線制御が不安定な場合がある。そのような場合、本実施形態においてはワイヤレスモジュール140が着脱可能になっているので、ワイヤレスモジュール140に替えて有線制御モジュールを接続して、照明システム全体を有線制御にすることができる。
【0044】
<実施形態2>
実施形態2の照明システムにおいて、照明器具100・ワイヤレスモジュール140は実施形態1のものと同じであるが、第2の照明器具は、変換コネクタ580を備える照明器具500としている。
【0045】
図6は、本照明システムにおける第1の照明器具100と、電源530と変換コネクタ580を備えた第2の照明器具500の回路及び接続を説明するための説明図である。
【0046】
<有線接続照明器具>
照明器具500が備える変換コネクタ580は、信号調整回路583、信号コネクタ551・信号送り配線552を備えており、信号コネクタ551に信号送り配線153の信号コネクタ154(3端子)が接続される。変換コネクタ580は、入力スロット531に着脱可能であり、入力スロット531に適合する端子584を備え、信号コネクタの変換を行うものである。
【0047】
なお、信号調整回路583は信号のレベル等をワイヤレスモジュール140の出力と同じに合わせるため用いられるが、適宜省略してよい。
【0048】
制御信号は入力スロット531を介して信号変換回路533に入り、その出力の一つは駆動回路534に送られる。駆動回路534は電源コネクタ571・電源入力線572から供給される商用交流電力を直流あるいはPWM出力に変換するが、その駆動配線539からの駆動出力が制御信号により制御される。もう一方の信号出力は信号送り配線553・信号コネクタ554より他の照明器具に出力される。
【0049】
<利点>
有線接続照明器具に用いられる電源530は、無線接続照明器具に用いられる電源130と同じ構成になっており、ワイヤレスモジュール140を接続すれば無線制御可能な第1の照明器具、変換コネクタ580を接続すれば有線制御可能な第2の照明器具になるため、異なる電源を備える照明器具を用意しなくていいという利点がある。
【0050】
<実施形態3>
実施形態3の照明システムにおいて、第1の照明器具はワイヤレスモジュール140、第1の分岐モジュール780及び電源730を備えた照明器具700、第2の照明器具は第2の分岐モジュール880及び電源830を備えた照明器具800である。
【0051】
照明器具700、800は、いずれも独立して商用交流電力の供給を受けるタイプであり、電源接続線737、837を備えているが、前述した電源送り配線タイプとすることも可能である。
【0052】
ワイヤレスモジュール140は実施形態1に用いたものと同じであるが、端子144が第1の分岐モジュール780の入力スロット781に接続されている点が異なる。
【0053】
<無線接続照明器具>
第1の分岐モジュール780は、入力スロット781(5端子)、出力端子782(5端子)、出力端子786(3端子)を備え、電源730の入力スロット731に着脱可能である。
【0054】
第1の分岐モジュール780は、制御信号が入力スロット781を介して信号変換回路783に入り、その出力の一つは出力端子782に送られ、他方の出力は出力端子786から出力される。
【0055】
電源730は、出力端子782と配線接続された入力スロット731、駆動回路734、駆動出力を出力する駆動配線739を備える。入力スロット731は分岐モジュール780及びワイヤレスモジュール140に供給する電力出力端子も備えており、例えば5本の端子である。駆動配線739は、駆動回路734の駆動出力を照明器具700(電源130に関係する部分以外は照明器具100と同じ)のLED123C及びLED123Wに接続するためのものである。駆動配線739は、例えば2チャンネルの直流又はPWM駆動出力とアースを含む3本の端子を備えている。
【0056】
<有線接続照明器具>
信号送り配線752の一方の信号コネクタ751は、第1の分岐モジュール780の出力端子786に接続され、他方の信号コネクタ753は、第2の照明器具800の第2の分岐モジュール880の入力端子881(3端子)に接続される。入力端子881にはワイヤレスモジュール140が接続されないため、ワイヤレスモジュール140に供給する電力用の端子を備えない点が、第1の分岐モジュール780と第2の分岐モジュール880の相違点である。
【0057】
有線制御信号は、第2の分岐モジュール880の信号変換回路883に入り、出力端子882より電源830と配線接続された入力スロット831に入力し、照明器具800用の駆動出力が制御される。
【0058】
なお、本実施形態では、1本の信号送り配線752を用いているが、その場合、信号コネクタ751を光源ユニットの奥まった部分にある出力端子786に接続する必要があるため、光源ユニット120を器具本体110に取り付ける前に接続作業を行う必要があり、手順を間違えると作業に手間取る。そのような問題を避けるためには、実施形態1・2と同様に、第1の分岐モジュール780の出力信号側と第2の分岐モジュール880の入力信号側に、それぞれ信号送り配線があらかじめ取り付けられていればよい。
【0059】
<利点>
本実施形態においては、電源730と電源830は同じであり、着脱可能な第1の分岐モジュール780又は第2の分岐モジュール880をつけることにより、無線制御される第1の照明器具になったり、有線制御される第2の照明器具になる。従って、無線制御用の照明器具と有線制御用の照明器具を分けて作ることなく、接続する分岐モジュールを変更するだけで機能を変更することが可能となる。さらに、電源730を用いた照明器具700において第1の分岐モジュール780を外し、直接ワイヤレスモジュール140を接続したものは、信号送り配線を用いない単独使用型の照明器具となる。
【0060】
<実施形態4>
<円周配置型照明システム>
図6は、折り上げ天井1192に沿って、各照明器具(照明器具1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700)を円周状(線状)に近接して配置した、折り上げ天井用間接照明の照明システム1001の設置状態の説明図である。
【0061】
設置場所は、天井1190、折り上げ天井1192、左壁1195、奥壁1194、右壁1196、床1198を有しており、各照明器具は天井1190の天井板の上における折り上げ天井1192の下のボックス内に、光の照射方向が上向き又は斜め上向きとなるように設置されており、各照明器具は主に折り上げ天井1192内を照らすようになっている。
【0062】
照明器具1100は実施形態1の照明器具100とほぼ同じ装置であり、無線制御信号を受信して有線制御信号を送ることができる。照明器具1200~1700は実施形態1の照明器具200とほぼ同じ装置である。なお、照明器具1700は、他の照明器具への送り信号配線は接続されていない。
照明器具1100の照明器具100との違いとして、本実施形態では以下のように3chの信号及び3色のLEDを用い、多様な色再現を可能にしている。
【0063】
<制御例>
折り上げ天井1192の照明として、例えば昼間には青空を模した青色系の白色、夕方に夕焼けを模した赤色系の白色、夜間に低照度の電球色で照らすように照明の色を制御することにより、一日の太陽光のリズムを室内で再現することができるため、睡眠の質の改善など健康に寄与すると考えられている。この照明制御は、画面1162を備える制御端末であるタブレット1160がプログラムされたスケジュールに沿って無線信号を伝送する電波1168を照明器具1000に送信し、照明器具1000が有線信号を照明器具1100に送り、照明器具1100が有線信号を照明器具1200に送り、最終的に照明器具1700まで送ることにより実現している。
【0064】
<調色>
このような高度な色再現性を実現するため、本照明器具では、高色温度白色LED123C、低色温度白色LED123Wに替えて、原色の赤色(R)であるLED123R、非原色の青白色(Bw)であるLED123Bw、非原色の黄白色(Yw)であるLED123Ywを用いた調色を行っている。特に、赤色(R)としては、図9に示すCIE1931色度座標において、(0.66,0.23)、(0.423,0.355)、(0.5,0.5)と色度境界線Eで囲まれる範囲の色度の色、青白色(Bw)としては、CIE1931色度座標において、(0.336,0.24)、(0.352,0.44)、(0.15,0.2)、(0.2,0.1)で囲まれる範囲の色度の色、黄白色(Yw)としては、CIE1931色度座標において、(0.423,0.355)、(0.342,0.312)、(0.352,0.44)、(0.37,0.63)及び色度境界線Eで囲まれる範囲の色度の色であることが好ましい。色再現領域を広げるためには、色度境界線上に近い原色である赤(R)、青(B)、緑(G)の3色であってもよい。これにより、黒体輻射線を含むとともに青空や夕日の色といった実用範囲の色を幅広く再現することができる。なお、上記R、Bw、Gwの、2色の非原色LEDを含む3色を用いることにより、RGBの三原色を用いる場合に比べて、Bwの方がBより視感度の高い領域のスペクトルを多く含むこと、GはInGaN系LEDにおいて発光効率が悪い波長領域なのに対してYwは効率が良い青色LEDの光を蛍光体で変換した色であることにより、電力光束変換効率(lm/W)を比較的良好にできるという利点を有する。
【0065】
<実施形態5>
実施形態5は、理解のため天井2190を切断して図示した図10に示す通り、天井に埋め込まれるダウンライトの例である。つまり、無線制御されるダウンライト型の照明器具2100と、照明器具2100から信号送り配線2152によって伝送された制御信号により有線制御されるダウンライト型の照明システムである。なお、有線制御される照明器具としては1台だけを例示しているが、さらに照明器具2100以外の照明器具を有線制御してもよい。
照明器具2100は、ダウンライト2120、電源2130、端子台2132、ワイヤレスモジュール2140、第1の分岐モジュール2180を備える。
照明器具2200は、ダウンライト2220、電源2230、端子台2232、第2の分岐モジュール2280を備える。
【0066】
<無線接続照明器具>
電源入力線2172は端子台2132に接続され、電源2130に商用交流電力を供給するとともに、端子台2132の送り配線端子より電源送り配線2173に商用交流電力を分配する。
【0067】
ワイヤレスモジュール2140は、無線制御信号を伝送する電波を受信し、第1の分岐モジュール2180に伝送する。第1の分岐モジュール2180は、ワイヤレスモジュール2140を接続する入力スロット、出力端子を備え、出力端子は電源2130の入力スロットに着脱可能である。
【0068】
第1の分岐モジュール2180は、制御信号の一方の出力が入力スロットを介して電源2130に入り、他方の出力は第1の分岐モジュール2180の上面にある出力端子から出力される。この出力端子に、信号送り配線2152が接続される。
【0069】
<有線接続照明器具>
電源送り配線2173は端子台2232に接続され、電源2230に商用交流電力を供給するとともに、端子台2232の送り配線端子より必要に応じて他の電源送り配線に商用交流電力を分配する。
【0070】
信号送り配線2152の他方の信号コネクタは、第2の分岐モジュール2280の入力端子に接続され、電源2230に入力し、電源2230の駆動出力が制御される。
【0071】
なお、第2の分岐モジュール2280は、さらに有線制御信号を他の照明器具に伝送するための出力を備えていることが好ましい。
【0072】
<変形例その他>
以上、本発明に係る照明器具の実施形態を説明したが、例示した照明器具を例えば以下のようにすることも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0073】
(1)実施形態1・2では電源送り配線を使用し、実施形態3ではそれぞれの照明器具が直接商用電力を受電している例を示したが、実施形態1・2において直接商用電力を受電してもよく、実施形態3において電源送り配線を使用してもよい。
【0074】
(2)照明器具の線状の配置とは、直線状の他、円周状あるいは曲線状に配置する場合が含まれる。
【0075】
(3)実施形態1~4では長尺状の照明器具、実施形態5ではダウンライトの例を示したが、どのような照明器具であってもよく、例えばスクエア型(照射領域が正方形)の照明器具であってもよい。また、いろいろなタイプの照明器具の1つを無線制御、他を有線制御と混ぜて使ってもよい。例えば長尺型の照明器具とダウンライトを併用してもよい。
【0076】
(4)実施形態では長尺状の照明器具の例を示したが、フレキシブルタイプあるいはテープタイプといった非直線形状の照明器具であってもよい。
【0077】
(5)実施形態1ではライティングダクトに照明器具を取り付けた例を示したが、照明器具を天井下に直付け、あるいは照明器具を天井に設けた穴に埋め込んでもよい。
【0078】
(6)実施形態1で用いたライティングダクトとは、JIS C8366あるいはJIS C8472に規定されるライティングダクトを想定しているが、これに限られない。
【0079】
(7)信号送り配線における信号としては、PWM信号としたが、UART(universal asynchronous receiver-transmitter)信号などのデジタル信号であってもよく、その方が長距離の伝送に適している。また、信号形態により端子・信号線の数が異なるため、入力スロットが5端子、信号出力端子が3端子という数に限られない。
【0080】
(8)実施形態1~3では高色温度白色LEDと低色温度白色LEDを用いた調色、実施形態4では3色のLEDを用いた例について説明したが、実施形態1~3において3色のLEDを用いてもよい。また実施形態1~4において、1色のLEDのみを用い、調色を行わず調光(全光束の変化)のみを行ってもよい。
【0081】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0082】
100、200、500、700、800、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、2100、2200 照明器具
110 器具本体
111 筐体
111H 穴
112 端面板
113 端面板保持部
114 プラグ
115 ライティングダクト
116 電源配線
117 コネクタ
118 バネ受け
120 光源ユニット
121 取付部材
122 プリント基板
123C 高色温度白色LED
123W 低色温度白色LED
123R 赤色LED
123Bw 青白色LED
123Yw 黄白色LED
124 カバー部材
124T 端面カバー部材
128 取付バネ
130、230、530、730、830、2130、2230 電源
131、531、731、831 入力スロット
133、233、533、783 信号変換回路
134、234、534、734 駆動回路
235、 信号入力回路
139、239、539、739 駆動配線
140、2140 ワイヤレスモジュール
141 アンテナ
142 受信回路
143 信号回路
144 端子
153、252、552、553、752、2152 信号送り配線
154、251、254、551、751、753 信号コネクタ
160 タブレット
161 照明制御ソフトウエア
162 画面
168、1168 電波
171、174、271、274、571 電源コネクタ
172、272、572、2172 電源入力線
173、273、2173 電源送り配線
190、2190 天井
192 ボックス
193 ボックス内天井
194 壁
197L、197R、297L、298R 光線
580 変換コネクタ
584 端子
737、837 電源接続線
780、2180 第1の分岐モジュール
880、2280 第2の分岐モジュール
782、786、882 出力端子
881 入力端子
1001 照明システム
1160 タブレット
1162 画面
1190 天井
1192 折り上げ天井
1194 奥壁
1195 左壁
1196 右壁
1198 床
2120、2220 ダウンライト
2132、2232 端子台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10