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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140068
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】引き違い窓の自動開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/60 20150101AFI20220915BHJP
   E06B 3/46 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E05F15/60
E06B3/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040713
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 優一
【テーマコード(参考)】
2E014
2E052
【Fターム(参考)】
2E014FA00
2E014FB01
2E014FB02
2E014FC02
2E052AA01
2E052BA01
2E052CA07
2E052DA02
2E052DB02
2E052EA16
2E052EB01
2E052EC01
2E052KA15
2E052KA16
2E052KA25
(57)【要約】
【課題】取付けのスペースの小さな引き違い窓の自動開閉装置を提供すること。
【解決手段】引き違い窓100の自動開閉装置1は、窓枠2内に配置された複数の障子3と、障子3の框30に設けられた戸車323と、障子3を自動で開閉可能に駆動するリニアモーター40と、を有する。リニアモーター40は、電流が印加されるコイル部41及び磁石部42を有し、コイル部41及び磁石部42は、障子3の外部に配置されることが好ましい。コイル部41は、窓枠2側に配置され、磁石部42は、障子3側におけるコイル部41と対向する位置に配置されることが好ましい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓枠内に配置された複数の障子と、
前記障子の框に設けられた戸車と、
前記障子を自動で開閉可能に駆動するリニアモーターと、を有する引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項2】
前記リニアモーターは、電流が印加されるコイル部及び磁石部を有し、
前記コイル部及び磁石部は、前記障子の外部に配置される、請求項1に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項3】
前記コイル部は、前記窓枠側に配置され、前記磁石部は、前記障子側における前記コイル部と対向する位置に配置される、請求項2に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項4】
前記磁石部を前記障子に接続するブラケットをさらに有し、
前記ブラケットは、前記障子の室内側に配置される内障子の内召合わせ框に接続される、請求項2又は3に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項5】
前記ブラケットは、断面視略L字状に形成され、
前記内召合わせ框に接続され、前記内召合わせ框から室内側に延びる框接続部と、
前記框接続部の室内側の端部から上方へ延び、前記磁石部の室外側の面に固定される磁石接続部と、を有する、請求項4に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項6】
前記磁石部は、前記障子の上框における見付方向の一方から他方まで延びるように配置される、請求項2~5のいずれか1項に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項7】
前記リニアモーターは、電流が印加されるコイル部及び磁石部を有し、
前記リニアモーターは、前記框の内部に配置される、請求項1に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項8】
前記コイル部は、前記框の上框における見込方向の略中央部に配置され、
前記磁石部は、前記コイル部を挟んで室内側と室外側に対向するように配置される、請求項7に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項9】
前記障子が配置される複数の引き違い窓と、
前記リニアモーターを駆動する制御部を有し、
前記制御部により、前記複数の引き違い窓における前記障子が同時に開閉される、請求項1~8のいずれか1項に記載の引き違い窓の自動開閉装置。
【請求項10】
建物の外部と内部の間を隔てる壁に設けられる換気扇と、
請求項1~8のいずれか1項に記載の引き違い窓の自動開閉装置と、
前記自動開閉装置の開閉を制御する制御部と、
前記換気扇の開閉を制御する換気扇制御部と、を備え、
前記換気扇の運転を開始した際に、少なくとも一つの障子が開かれ、
前記換気扇の運転を停止した際に、前記運転を開始した際に開いた前記一つの障子が閉じられる、換気システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、引き違い窓の自動開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ドアの開閉を自動で行うためにリニアモーターを使用した自動ドアの開閉装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。リニアモーターは、ドアの上部に設けられ、障子を吊車により可動させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-137674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
リニアモーターの他に、ドアを可動させるための吊車等の他の構造部を設けるため、開閉装置は大型化し、開閉装置を配置するスペースが必要となる。このため、予めスペースが確保されたところでドアの設置と同時に開閉装置を設置することが多く、既存のドアに設置することも容易でなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、窓枠内に配置された複数の障子と、前記障子の框に設けられた戸車と、前記障子を自動で開閉可能に駆動するリニアモーターと、を有する引き違い窓の自動開閉装置に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態の引き違い窓の正面図である。
図2】第1実施形態の引き違い窓の縦断面図である。
図3】第1実施形態の引き違い窓の電気開閉動作システムの電気回路図である。
図4】第1実施形態の引き違い窓の開閉制御を示すフロー図である。
図5】第2実施形態の引き違い窓の縦断面図である。
図6】第3実施形態に係る引き違い窓の自動開閉装置を説明する模式図である。
図7】第4実施形態に係る換気システムを説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。引き違い窓100は、建物200の開口部201に配置され、開口部201を開閉する建具である。引き違い窓100は、自動開閉装置1により自動で開閉可能に構成される。図1は、室内側から視た引き違い窓100を示す。図1に示すように、引き違い窓100の自動開閉装置1は、窓枠2と、障子3と、リニアモーター部4と、クレセント錠5と、制御部6と、を有する。
【0008】
窓枠2は、開口部201の周縁の内側に設置される。窓枠2は、枠体20と、内額縁24とを有する。枠体20は、長尺の型材が枠状に組み合わされて構成され、上枠21と、下枠22と、左右の縦枠23と、内額縁24と、を有する。上枠21は、窓枠2の上方で見付方向に延びる。下枠22は、上枠21の下方で上枠21に対向して配置され、見付方向に延びる。縦枠23は、上枠21及び下枠22の左右の端部を接続するように上下方向に延び、引き違い窓100の左右に一対配置される。
【0009】
図2に示すように、上枠21は、見付方向の室内側及び室外側に、枠体20の内周側に向かって突出する上側レール部211を有する。上側レール部211は、後述する上框31を案内する突起である。下枠22は、見付方向の室内側及び室外側に、枠体20の内周側に向かって突出する下側レール部221を有する。下側レール部221は、見付方向に沿って延び、後述する戸車323が係止される。
【0010】
内額縁24は、図2に示すように、上枠21及び下枠22の室内側に配置され、開口部201の室内側に配置される板状の部材である。内額縁24は、上枠21及び下枠22に沿って見付方向に延びるともに、開口部201の室内側の上面及び下面を見込方向に覆っている。
【0011】
障子3は、枠体20の内側に配置され、内障子310及び外障子320の複数の障子を有する。内障子310及び外障子320は、互いに同じ大きさに形成され、内障子310が枠体20の室内側に、外障子320が室外側に配置され、見付方向に移動することで開口部201が開閉される。内障子310及び外障子320は、それぞれが枠体20の内側で枠状に組まれる框30と、パネル部35と、を有する。框30は、上框31と、下框32と、左右の縦框33と、召合せ框34と、を有する。
【0012】
上框31は、上枠21の内側で見付方向に延びる。上框31は、図2に示すように、上框本体部311と、上框ガラス保持部312とを有する。上框本体部311は、上枠21と対向する面にスリット311aが形成されており、上框本体部311の内部に上枠21の上側レール部211を保持するレール保持部311bが配置されている。上側レール部211は、スリット311aから上框本体部311内に挿入されてレール保持部311bに保持される。上框ガラス保持部312は、断面視で框30の内周側へ向かって開放された略コの字に形成され、この開放された側に後述するパネル部35が保持される。
【0013】
下框32は、下枠22の内側で見付方向に延びる。下框32は、下框本体部321と、下框ガラス保持部322と、戸車323と、を有する。下框本体部321は、下枠22と対向する面にスリット321aが形成されており、スリット321aを介して下側レール部221が挿入される。戸車323は、下框本体部321の内部に設けられ、下側レール部221に係合して回転する。戸車323の回転により、障子3が下框32内を移動することができる。下框ガラス保持部322は、断面視で框30の内周側へ向かって開放された略コの字に形成され、この開放された側に後述するパネル部35が保持される。
【0014】
縦框33は、内障子310における縦枠23と対向する側、外障子320における縦枠23と対向する側で、上框31と下框32を接続するように延びる。縦框33は、見付方向における枠体20の内周側に向かって開放された断面視略コの字状の形状に形成され、開放された側の凹部に後述するパネル部35が保持される。
【0015】
召合せ框34は、図1に示すように、内障子310及び外障子320のそれぞれにおいて、縦框33に対して見付方向に対向し、上框31と下框32を接続するように延びる。召合せ框34は、障子3の見付方向中央部に配置され、内障子310と外障子320が見込方向に重なる部分で上下方向に延びる。召合せ框34は、内障子310に設けられる内召合せ框341と、外障子320に設けられる外召合せ框342と、を有する。召合せ框34は、縦框33側に向かって開放された断面視略コの字状の形状に形成され、開放された側の凹部に後述するパネル部35が保持される。
【0016】
パネル部35は、ガラス351と、グレーチングチャネル352と、を有する。ガラス351は、開口部201を塞ぐ面材である。パネル部35は複層ガラスを有し、一つの障子3に室外側と室内側の2枚のガラス351が配置されている。グレーチングチャネル352は、2枚のガラスを保持する断面視略コの字状のゴム製のパッキンである。グレーチングチャネル352は、框30の上框ガラス保持部312、下框ガラス保持部322、縦框33及び召合せ框34の凹部に保持される。
【0017】
リニアモーター部4は、内障子310を自動で開閉可能に駆動する駆動部である。リニアモーター部4は、既存の引き違い窓100に取り付けられる。リニアモーター部4は、リニアモーター40と、ブラケット43と、を有する。リニアモーター40は、コイル部41と、磁石部42とを有する。コイル部及び磁石部42は、内障子310の外部に配置される。リニアモーター40は、コイル部41に電流を流すことにより磁界を発生させ、N極及びS極との間で、N極とS極の引き合う力とN極同士・S極同士の反発する力によって内障子310を見付方向に移動させる。
【0018】
コイル部41は、図2に示すように、窓枠2の内額縁24の下面に配置されて固定される。コイル部41は、図1に示すように、内額縁24の見付方向における略中央部に配置される。コイル部41には、不図示の電源から電流が印加される。
【0019】
磁石部42は、内障子310の上框31における室内側の面に、見付方向の一方から他方まで延びるように配置される。磁石部42は、N極の磁石とS極の磁石が交互に並んで配置される。磁石部42は、コイル部41の下方にコイル部41と対向する位置に配置される。磁石部42の見付方向の長さは、コイル部41の見付方向の長さよりも長いため、図1に示すように、磁石部42の一部は、コイル部41を超えて縦框33側まで延びている。
【0020】
ブラケット43は、磁石部42を障子3に接続する部材である。ブラケット43は、内召合せ框341の上端側に接続される。ブラケット43は、図2に示すように、縦断面視略L字型に形成される。ブラケット43は、框接続部431と、磁石接続部432と、を有する。框接続部431は、一端が内召合せ框341に接続され、見込方向の室内側に向かって延びる。框接続部431は、横断面視では、略コの字状に形成され、内召合せ框341の見込面及び見付面を覆うように取り付けられる。磁石接続部432は、框接続部431の室内側の端部から上方へ延び、磁石部42の室外側の面に固定される。ブラケット43により磁石部42が内障子310に接続されるので、磁石部42がコイル部41に反発して直線運動をするのに伴って、内障子310が移動する。
【0021】
クレセント錠5は、内障子310及び外障子320を固定して、引き違い窓100を開かないようにする鍵である。クレセント錠5は、台座51と、クレセント52と、受け金具53と、開錠センサ54と、を有する。
【0022】
台座51は、内召合せ框341における上下方向の略中央部に固定される。クレセント52は、台座51に回転可能に固定された係止部であり、台座51に連結される基部52aと、基部52aの周囲に形成され湾曲した掛け部52bと、掛け部52bから直線状に延びるレバー52cと、を有する。受け金具53は、外召合せ框342に固定され、掛け部52bに対応する位置に配置される。レバー52cを回転させると、掛け部52bがレバー52cに合わせて回転し、受け金具53に係合する。これにより、クレセント錠5が掛けられ、内障子310と外障子320が開かないようにロックされる。
【0023】
開錠センサ54は、永久磁石及び磁気センサを有し、クレセント52の回動位置を磁気により検出することで、クレセント錠5が開錠されているか閉鎖されているかを検出する。開錠センサ54は、基部52aに配置されている。開錠センサ54は、同じく基部52aに配置された無線チップを介して、検出結果を制御部6へ送信することができる。
【0024】
制御部6は、開錠センサ54の検出結果に応じてリニアモーター部4を駆動する中央処理装置である。制御部6は、例えば上枠21の内側等、外部から視認されない位置に配置される。制御部6は、開錠センサ54の検出結果を受信し、リニアモーター部4を駆動する指示を行う。開錠センサ54、制御部6及びリニアモーター部4により、引き違い窓100の電気開閉動作システムが構成される。
【0025】
図3及び図4に示すように、クレセント錠5が開錠されると、開錠センサ54の開錠検出スイッチが入り、開錠されたことを検出する(S1)。開錠センサ54の検出により、リニアモーター部4による引き違い窓100の電気開閉動作システムが起動する。クレセント錠5の開錠の後、引き違い窓100の使用者が、例えば不図示のボタンを押すと、障子3を開く開閉スイッチ56がONにされる(S2)。開閉スイッチがONにされたら、制御部6を介してリニアモーター部4が駆動され、障子3が開くように動作する(S3)。開閉スイッチ56は、例えばボタンとして内召合せ框341の室内側の面等に配置されていてよい。開閉スイッチ56は、ボタンを押している間のみ開くマニュアル開閉スイッチ561や、一度ボタンを押すだけで全開するオート開閉スイッチ562を有し、使用時に適宜選択して押せるように構成してよい。
【0026】
障子3を閉じる場合、使用者がボタンを押して障子3を閉じる開閉スイッチ56をOFFにする(S4)。開閉スイッチ56がOFFにされたら、制御部6を介してリニアモーター部4の移動により障子3が閉じるように動作する(S5)。障子3が閉じられた状態で、開錠センサ54は、クレセント錠5が開錠されているか否かを検出する。クレセント錠5の開錠を検出しなければ(S6)、引き違い窓100の電気開閉動作システムにおける障子3の開閉制御は終了する。クレセント錠5の開錠を検出すれば(S1)、障子の開閉制御が再び行われる。
【0027】
本実施形態によれば、以下の効果を奏する。自動開閉装置1を窓枠2内に配置された複数の障子3と、前記障子3の框30に設けられた戸車323と、障子3を自動で開閉可能に駆動するリニアモーター40と、を含んで構成した。戸車323が設けられた障子3をリニアモーター40で駆動するので、障子3を上側から吊り込む必要がなく、リニアモーター40を含めた障子3を可動させる自動開閉装置1を小型化することができる。これにより、自動開閉装置1を設けるのに必要なスペースを小さくすることができる。また、自動開閉装置1が小型で、障子3を既設の戸車323により可動させるので、既設の引き違い窓100に自動開閉装置1を後から設置することが可能になる。
【0028】
本実施形態によれば、リニアモーター40を、電流が印加されるコイル部41及び磁石部42を含んで構成し、コイル部41及び磁石部42を、障子3の外部に配置させた。リニアモーター40を障子3の上框31の室内側等、障子3の外側に配置させることで、既設の引き違い窓100への後付けが容易になる。
【0029】
本実施形態によれば、コイル部41を、窓枠2側に配置し、磁石部42を、障子3側におけるコイル部41と対向する位置に配置させた。コイル部41を窓枠2の内額縁24に取り付け、磁石部42を障子3側のコイル部41と対向する位置に配置することで、障子3を自動で開閉させることができるようになる。これにより、自動開閉装置1の後付けが容易になる。
【0030】
本実施形態によれば、磁石部42を障子3に接続するブラケット43をさらに含んで構成した。ブラケット43を、障子3の室内側に配置される内障子310の内召合せ框341に接続した。ブラケット43を内召し合せ框341に取り付けることにより磁石部42を障子3に接続することができるので、リニアモーター40の取付けに必要なスペースを小さくすることができ、自動開閉装置1を引き違い窓100に後付けすることが容易になる。
【0031】
本実施形態によれば、ブラケット43を、断面視略L字状に形成し、内召合せ框341に接続され、内召合せ框341から室内側に延びる框接続部431と、框接続部431の室内側の端部から上方へ延び、磁石部42の室外側の面に固定される磁石接続部432と、を含んで構成した。これにより、ブラケット43を障子3に後付けすることが容易になる。
【0032】
磁石部42を、障子3の上框31における見付方向の一方から他方まで延びるように配置させた。これにより障子3の開閉に必要な動力をリニアモーター40が得ることができるとともに、磁石部42を引き違い窓100に容易に取り付けることができる。
【0033】
本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本開示に含まれる。第2実施形態では、自動開閉装置1Aのリニアモーター40Aは、上框31の内部に配置される。図5に示すように、コイル部41Aは、上枠21の内障子310側における上側レール部211の下端側に取り付けられる。上側レール部211の下端は、上框31の上框本体部311におけるスリット311aから上框本体部311内に挿入されている。コイル部41Aは、上框本体部311の内部で見込方向の略中央部に配置されている。コイル部41Aは、図1に示すように、引き違い窓100の見付方向における略中央部に配置される。
【0034】
磁石部42は、上框31の内部において、レール保持部311bと上框本体部311の室内側の面の間、及び、レール保持部311bと上框本体部311の室外側の面の間にそれぞれ一つずつ配置される。磁石部42は、室内側と室外側に対向するように2つ配置され、2つの磁石部42の間にコイル部41Aを挟むように配置される。
【0035】
第2実施形態によっても、第1実施形態と同様にコイル部41と磁石部42の反発により、内障子310が移動するので、第1実施形態と同様の効果を奏する。さらに、第2実施形態によれば、リニアモーター40Aが上枠21及び上框31の内部に内蔵されるため、外部から視認されず、引き違い窓100の外観の設計の自由度が向上するとともに、美観も向上する。
【0036】
第1又は第2実施形態の変形例として、第1又は第2実施形態のリニアモーター40、40Aを、外障子320に配置してもよい。引き違い窓が建物の屋内に配置される場合には、耐候性を考慮する必要がないので、第1実施形態のリニアモーター40を外障子320に取り付ければ、内障子310側から見た外観がすっきりする。第2実施形態のリニアモーター40Aに関しても、建物内の室内の構成によって、所望の位置に取り付けることができ、設計の自由度が向上する。
【0037】
上記実施形態では、障子3の開閉は不図示のボタン等によりなされる例を説明した。しかし、障子3の開閉制御は、リモートコントローラー等により行ってよい。さらに、制御部はタイマー等を含んでよい。クレセント錠5の開錠を契機として、引き違い窓が設けられた部屋又は建物の換気制御を自動で行うように設定してもよい。
【0038】
図6は、第3実施形態に係る引き違い窓の自動開閉装置1Bを説明する模式図である。図6に示すように、第3実施形態では、自動開閉装置1Bは複数の引き違い窓101、102を開閉する。引き違い窓101、102は、例えば建物や室内で対向する位置に配置される。制御部6は、引き違い窓101,102を同時に開けるように制御する。複数の引き違い窓101、102を同時に開けることで、自然換気が促される。
【0039】
図6は模式的な図であり、引き違い窓101、102は、必ずしも2つでなくてよく、大きさも異なっていてもよい。図6では、引き違い窓101、102は対向して配置されている。しかし、複数の引き違い窓の配置は限定されない。
【0040】
図7は、第4実施形態に係る換気システム10を説明する模式図である。換気システム10は、複数の引き違い窓103~105とともに、換気扇7と、自動開閉装置1Cと、を有する。
【0041】
複数の引き違い窓103~105は、建物200の内の任意の場所、例えば、玄関近傍の土間、バルコニーのある場所、リビング等に設けられる。引き違い窓103~105の構成は、第1実施形態と同様である。
【0042】
換気扇7は、建物200の外部と内部を隔てる壁202に設けられる。換気扇7は、ファン71と、本体部72と、換気扇制御部73と、を有する。ファン71は、複数の羽根を有し、回転することで外気を引き込む。本体部72は、ファン71を収容するとともに回転可能に支持する。換気扇制御部73は、ファン71の駆動及び停止を制御する。換気扇制御部73は、自動開閉装置1Cの制御部6と電気的に接続されている。
【0043】
第4実施形態では、換気扇7と連動して引き違い窓103~105の開閉が制御される。すなわち、換気扇7を運転させるために使用者が不図示のスイッチを押すと、換気扇制御部73から自動開閉装置1Cの制御部6に信号が送信される。制御部6は、換気扇7が運転を開始した信号を受信する。制御部6はリニアモーター40を駆動し、引き違い窓103~105の障子3が開かれる。また、使用者が換気扇7のスイッチを押して換気扇7の運転を停止させると、換気扇制御部73から自動開閉装置1Cの制御部6に信号が送信される。制御部6は、換気扇7が運転を停止した信号を受信する。制御部6は、リニアモーター40を駆動して、引き違い窓103~105の障子3が閉じられ、換気が終了する。換気扇7と連動して開閉される引き違い窓は、任意に設定することが可能であり、複数の引き違い窓103~105の全部であってもよく、一部であってもよい。建物200の図は一例であり、形状は問わない。
【0044】
第4実施形態の換気システム10によれば、換気扇7と連動して引き違い窓100の障子3を開くことで、強制換気が促される。使用者が個々の引き違い窓100の障子を開閉操作しなくても、換気をするための換気扇7を起動する操作によって、換気システム10に接続されているすべての引き違い窓100が連動して開閉されるので、利便性が高まる。
【符号の説明】
【0045】
1 自動開閉装置、 2 窓枠、 3 障子、6 制御部、7 換気扇、10、 歓喜システム、 30 框、 40 リニアモーター、 41 コイル部、 42 磁石部、 43 ブラケット、 73 換気扇制御部、 100 引き違い窓、 323 戸車、 341 内召合せ框、 431 框接続部、 432 磁石接続部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7