IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社イシダの特許一覧

<>
  • 特開-物品搬送装置、及び組合せ計量装置 図1
  • 特開-物品搬送装置、及び組合せ計量装置 図2
  • 特開-物品搬送装置、及び組合せ計量装置 図3
  • 特開-物品搬送装置、及び組合せ計量装置 図4
  • 特開-物品搬送装置、及び組合せ計量装置 図5
  • 特開-物品搬送装置、及び組合せ計量装置 図6
  • 特開-物品搬送装置、及び組合せ計量装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140126
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】物品搬送装置、及び組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
   G01G 19/387 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
G01G19/387 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040787
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西村 良二
(72)【発明者】
【氏名】岸川 樹
(72)【発明者】
【氏名】八田 重俊
(72)【発明者】
【氏名】米津 道彦
(57)【要約】
【課題】組合せ計量動作の効率を改善する。
【解決手段】物品搬送装置110は、物品排出容器10と、物品搬送機構30と、物品検知機構60と、制御部90と、を備える。物品排出容器10は、排出口20を有し、収容している物品Aを排出口20から排出する。物品搬送機構30は、第1フィーダ41から第nフィーダ4nを含む複数のフィーダ40、を有する。複数のフィーダ40は、排出口20から受け取った物品Aを搬送する。物品検知機構60は、複数のセンサ70を有する。複数のセンサ70は、第1センサ71から第nセンサ7nを含む。第1センサ71から第nセンサ7nは、第1フィーダ41から第nフィーダ4nにおける物品Aの存在をそれぞれ検知する。制御部90は、物品検知機構60の出力に基づいて排出口20における物品Aの詰まりの発生の有無を判断する。制御部90は、排出口20における詰まりが発生している箇所から物品Aを受け取る一部のフィーダの搬送強度を高める。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排出口を有し、収容している物品を前記排出口から排出する、物品排出容器と、
前記排出口から受け取った前記物品を搬送する第1フィーダから第nフィーダを含む複数のフィーダ、を有する物品搬送機構と、
複数のセンサを有し、前記複数のセンサは、前記第1フィーダから前記第nフィーダにおける前記物品の存在をそれぞれ検知する第1センサから第nセンサを含む、物品検知機構と、
前記物品検知機構の出力に基づいて前記排出口における前記物品の詰まりの発生の有無を判断し、前記排出口における前記詰まりが発生している箇所から前記物品を受け取る一部のフィーダの搬送強度を高める、制御部と、
を備える、物品搬送装置。
【請求項2】
前記詰まりとは、前記排出口において前記物品の一部どうしが絡まる事象である、
請求項1に記載の物品搬送装置。
【請求項3】
前記複数のフィーダのうちの一部のフィーダのみにおいて搬送中に前記物品が検知されず、かつ、残りのフィーダには搬送中に前記物品が検知されることを前記物品検知機構が検知し、かつ、
前記制御部が、前記物品排出容器の中に前記物品が存在する、ことを判断する、
場合、前記制御部は、前記物品が検知されていない前記一部のフィーダへ前記物品を排出する前記排出口において前記詰まりが発生していると判断する、
請求項1又は請求項2に記載の物品搬送装置。
【請求項4】
1以上n以下である全ての自然数kについて、第kフィーダが搬送を開始した後から第1期間のうちに、前記第kフィーダに設置された第kセンサが前記物品を検出することが確認された場合、前記制御部は、第2期間にわたり、前記物品排出容器の中に前記物品が存在することを判断する、請求項1から3のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記搬送強度を高めるに際し、一時的に前記搬送強度を高める第1処理と、前記搬送強度を元の状態にまで弱める第2処理と、を実行する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記搬送強度を高めるに際し、前記第1処理と前記第2処理とを交互に繰り返す、
請求項5に記載の物品搬送装置。
【請求項7】
前記物品検知機構が前記複数のフィーダの全てにおいて前記物品を検知しない場合に、前記物品排出容器の中に前記物品が存在しない旨を使用者へ報知する報知器、
をさらに備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項8】
前記物品搬送機構は、前記複数のフィーダの各々を振動させることによって前記物品を搬送する複数の振動装置、をさらに有し、
前記搬送強度は、前記フィーダの振動の振幅である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項9】
前記複数のフィーダは、前記物品を案内するガイドと、回転することによって前記物品を前記ガイドに沿って搬送するスクリューと、を有し、
前記搬送強度は、前記スクリューの回転速度である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の物品搬送装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の物品搬送装置と、
前記複数のフィーダからそれぞれ受け取った前記物品を貯留する複数のホッパと、
前記複数のホッパのそれぞれに収容された前記物品の重量を測定する複数の計量装置と、
前記複数のホッパのうちの一部に収容された前記物品の合計重量が目標重量に近くなるように前記一部の組合せを選定する演算装置と、
前記複数のホッパのうちの前記一部から前記物品を集めるシュートと、
を備える、組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品搬送装置、及び、物品搬送装置を用いた組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2009-174912号公報)は、組合せ計量装置を開示する。組合せ計量装置は、例えば粒状物からなる物品を所定の目標重量の分だけ取り分ける。組合せ計量装置の後段に配置された包装装置は、所定の目標重量の物品を包装することによって商品を完成させる。
【0003】
組合せ計量装置は、物品搬送装置、複数の計量装置、及び演算装置を有する。物品搬送装置は、ひとまとめにされた物品から複数の小分けされた物品を取り出すためのものである。物品搬送装置は、少なくとも1つの排出口を有する1つの物品排出容器と、複数のフィーダを有する。複数の計量装置は、各々の小分けを計量する。演算装置は、所定の目標重量を実現するような小分けの組合せを見つけ出す。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
物品排出容器の排出口において、物品の詰まりが発生することがある。この場合、複数のフィーダの少なくとも一部が利用不能になる。ひいては、物品を所定の目標重量の分だけ取り分ける動作が適切に実行されなくなるおそれがある。
【0005】
本発明の課題は、組合せ計量装置において、組合せ計量動作の効率を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1観点に係る物品搬送装置は、物品排出容器と、物品搬送機構と、物品検知機構と、制御部と、を備える。物品排出容器は、排出口を有し、収容している物品を排出口から排出する。物品搬送機構は、第1フィーダから第nフィーダを含む複数のフィーダ、を有する。複数のフィーダは、排出口から受け取った物品を搬送する。物品検知機構は、複数のセンサを有する。複数のセンサは、第1センサから第nセンサを含む。第1センサから第nセンサは、第1フィーダから第nフィーダにおける物品の存在をそれぞれ検知する。制御部は、物品検知機構の出力に基づいて排出口における物品の詰まりの発生の有無を判断する。制御部は、排出口における詰まりが発生している箇所から物品を受け取る一部のフィーダの搬送強度を高める。
【0007】
この構成によれば、詰まりが発生している箇所に対応する一部のフィーダの搬送強度が高められる。この処理によって、排出口の詰まりが解消されやすくなる。
【0008】
第2観点に係る物品搬送装置は、第1観点に係る物品搬送装置において、詰まりが、排出口において物品の一部どうしが絡まる事象である。
【0009】
第3観点に係る物品搬送装置は、第1観点又は第2観点に係る物品搬送装置において、複数のフィーダのうちの一部のフィーダのみにおいて搬送中に物品が検知されず、かつ、残りのフィーダには搬送中に物品が検知されることを物品検知機構が検知し、かつ、制御部が、物品排出容器の中に物品が存在する、ことを判断する、場合、制御部は、物品が検知されていない一部のフィーダへ物品を排出する排出口において詰まりが発生していると判断する。
【0010】
この構成によれば、複数のフィーダのうちの一部のフィーダのみにおいて物品が検知されない場合に、詰まりが発生していると判断する。したがって、物品排出容器の中に物品が存在しない状態に起因して、詰まりの発生を誤検知する事態を回避できる。
【0011】
第4観点に係る物品搬送装置は、第1観点から第3観点のいずれか1つに係る物品搬送装置において、1以上n以下である全ての自然数kについて、第kフィーダが搬送を開始した後から第1期間のうちに、第kフィーダに設置された第kセンサが物品を検出することが確認された場合、制御部は、第2期間にわたり、物品排出容器の中に物品が存在することを判断する。
【0012】
この構成によれば、制御部は、フィーダの動作と物品の応答に基づいて、物品排出容器の中に物品が存在することを判断する。したがって、制御部が、物品排出容器の中に物品が存在しない事に起因して、誤って物品の詰まりの発生を判断することが抑制される。
【0013】
第5観点に係る物品搬送装置は、第1観点から第4観点のいずれか1つに係る物品搬送装置において、制御部が、搬送強度を高めるに際し、一時的に搬送強度を高める第1処理と、搬送強度を元の状態にまで弱める第2処理と、を実行する。
【0014】
この構成によれば、詰まりが生じているフィーダの搬送強度は、一時的に高められた後、元の状態に戻る。したがって、詰まりが生じているフィーダの搬送強度が恒久的に高い状態に留まることが避けられるので、物品の単位時間当たりの搬送量が当所の設計値の付近に保たれる。
【0015】
第6観点に係る物品搬送装置は、第5観点に係る物品搬送装置において、制御部が、搬送強度を高めるに際し、第1処理と第2処理とを交互に繰り返す。
【0016】
この構成によれば、詰まりが生じているフィーダの搬送強度は、周期的に変化する。したがって、詰まりが解消しやすい。
【0017】
第7観点に係る物品搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれか1つに係る物品搬送装置において、物品検知機構が複数のフィーダの全てにおいて物品を検知しない場合に、物品排出容器の中に物品が存在しない旨を使用者へ報知する報知器、をさらに備える。
【0018】
この構成によれば、物品排出容器の中に物品が存在しないことが使用者に報知される。したがって、使用者は物品排出容器の中に物品を補充することができる。
【0019】
第8観点に係る物品搬送装置は、第1観点から第7観点のいずれか1つに係る物品搬送装置において、物品搬送機構が、複数のフィーダの各々を振動させることによって物品を搬送する複数の振動装置、をさらに有する。搬送強度は、フィーダの振動の振幅である。
【0020】
この構成によれば、複数のフィーダの各々は振動によって物品を搬送する。したがって、多数の粒状物からなる物品を精度良く搬送できる。
【0021】
第9観点に係る物品搬送装置は、第1観点から第7観点のいずれか1つに係る物品搬送装置において、複数のフィーダが、物品を案内するガイドと、回転することによって物品をガイドに沿って搬送するスクリューと、を有する。搬送強度は、スクリューの回転速度である。
【0022】
この構成によれば、複数のフィーダの各々はスクリューによって物品を搬送する。したがって、スラリー状の物品を効率的に搬送できる。
【0023】
第10観点に係る組合せ計量装置は、物品搬送装置と、複数のホッパと、複数の計量装置と、演算装置と、シュートと、を備える。物品搬送装置は、第1観点から第9観点のいずれか1つに係るものである。複数のホッパは、複数のフィーダからそれぞれ受け取った物品を貯留する。複数の計量装置は、複数のホッパのそれぞれに収容された物品の重量を測定する。演算装置は、複数のホッパのうちの一部に収容された物品の合計重量が目標重量に近くなるように一部の組合せを選定する。シュートは、複数のホッパのうちの一部から物品を集める。
【0024】
この構成によれば、組合せ計量装置に搭載される物品搬送装置において、物品排出容器の排出口に詰まりが発生することを抑制できる。したがって、組合せ計量装置の適切な組合せ動作が阻害されにくい。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る物品搬送装置又は組合せ計量装置によれば、物品の詰まりが解消されやすくなり、ひいては、組合せ計量動作の効率が改善する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】第1実施形態に係る組合せ計量装置200の構成を示す模式図である。
図2】第1実施形態に係る組合せ計量装置200の構成を示す模式図である。
図3】物品搬送装置110の構成を示す模式図である。
図4】物品Aの有無の判定処理を示すフローチャートである。
図5】詰まり検出処理を示すフローチャートである。
図6】詰まり解消処理を示すフローチャートである。
図7】第2実施形態に係る組合せ計量装置200Bに搭載される物品搬送装置110Bの構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0028】
<第1実施形態>
(1)全体構成
図1は、第1実施形態に係る組合せ計量装置200を模式的に示している。組合せ計量装置200は、例えば粒状物からなる物品Aを所定の目標重量の分だけ取り分ける。組合せ計量装置200は、物品搬送装置110、複数のプールホッパ120、複数の計量ホッパ140、図2に示す演算装置170、及びシュート180を備える。
【0029】
(2)詳細構成
(2-1)物品搬送装置110
図1に示す物品搬送装置110は、ひとまとめにされた物品Aから複数の小分けされた物品Aを取り出すためのものである。物品搬送装置110は、チャネル数nのチャネルを有する。チャネル数nは、2以上の自然数である。物品搬送装置110は、チャネル数nだけ少量の物品Aを小分けする。
【0030】
物品搬送装置110は、物品排出容器10、物品搬送機構30、物品検知機構60、報知器80、制御部90を有する。
【0031】
(2-1-1)物品排出容器10
物品排出容器10は、複数の排出口20を有する。複数の排出口20は、第1排出口21から第n排出口2nを含む。排出口20の数はチャネル数nである。物品排出容器10が収容する物品Aは、複数の排出口20のそれぞれから排出することができる。
【0032】
(2-1-2)物品搬送機構30
物品搬送機構30は、少量の物品Aを搬送するためのものである。図2に示すように、物品搬送機構30は、複数のフィーダ40、及び複数の振動装置50を有する。
【0033】
図1に示すように、複数のフィーダ40は、第1フィーダ41から第nフィーダ4nを含む。フィーダ40の数は上述のチャネル数nである。複数のフィーダ40の各々は、それぞれ、複数の排出口20の対応する1つから物品Aを受け取る。
【0034】
図2にまとめて示されている複数の振動装置50は、第1振動装置51から第n振動装置5nを含む。振動装置50の数は上述のチャネル数nである。第1振動装置51から第n振動装置5nは、それぞれ、第1フィーダ41から第nフィーダ4nに設置されている。複数の振動装置50の各々は、それぞれ、複数のフィーダ40の対応する1つに振動を与えることによって、当該1つのフィーダ40に載置された物品Aを搬送する。複数のフィーダ40は、それぞれ個別に振動の発生および停止を行うことができる。
【0035】
(2-1-3)物品検知機構60
物品検知機構60は、図2にまとめて示されている複数のセンサ70を有する。複数のセンサ70は、第1センサ71から第nセンサ7nを含む。センサ70の数は上述のチャネル数nである。第1センサ71から第nセンサ7nは、それぞれ、第1フィーダ41から前記第nフィーダ4nに設置される。第1センサ71から第nセンサ7nは、それぞれ、第1フィーダ41から前記第nフィーダ4nにおける物品Aの存在をそれぞれ検知する。
【0036】
(2-1-4)報知器80
報知器80は、使用者にメッセージを報知する。報知器80の具体的な構成は限定されず、例えば、スピーカ、ブザー、ディスプレイ、又はランプである。
【0037】
(2-1-5)制御部90
制御部90は、物品搬送装置110の各部の動作を管理する。例えば、制御部90は、複数の振動装置50による振動発生動作を開始および停止させる。加えて、制御部90は、各々の振動装置50が発生する振動の振幅の大きさを調節する。制御部90は、振動装置50の振動の振幅を大きくすることによって、対応するフィーダ40の搬送強度を強くすることができる。制御部90は、振動装置50の振動の振幅を小さくすることによって、対応するフィーダ40の搬送強度を弱くすることができる。
【0038】
さらに、制御部90は、受信した複数のセンサ70の出力に基づいて、複数のフィーダ40の所定の位置における物品Aの有無を把握する。
【0039】
さらに、制御部90は、報知器80を制御する。
【0040】
(2-2)複数のプールホッパ120
図1に示す複数のプールホッパ120は、第1プールホッパ121から第nプールホッパ12nを含む。プールホッパ120の数は上述のチャネル数nである。第1プールホッパ121から第nプールホッパ12nは、それぞれ、第1フィーダ41から第nフィーダ4nから物品Aを受け取り、それを収容する。
【0041】
複数のプールホッパ120には、複数のプールホッパゲート130が設けられている。プールホッパゲート130の数は上述のチャネル数nである。第1プールホッパ121から第nプールホッパ12nには、それぞれ、第1プールホッパゲート131から第nプールホッパゲート13nが設けられている。複数のプールホッパ120の各々は、自身の有するプールホッパゲート130が閉じているとき、物品Aの収容を続ける。一方、複数のプールホッパ120の各々は、自身の有するプールホッパゲート130が開くとき、物品Aを排出する。
【0042】
(2-3)複数の計量ホッパ140
図1に示す複数の計量ホッパ140は、第1計量ホッパ141から第n計量ホッパ14nを含む。計量ホッパ140の数は上述のチャネル数nである。第1計量ホッパ141から第n計量ホッパ14nは、それぞれ、第1プールホッパ121から第nプールホッパ12nから物品Aを受け取り、それを収容する。
【0043】
複数の計量ホッパ140には、複数の計量ホッパゲート150が設けられている。複数の計量ホッパゲート150は、第1計量ホッパゲート151から第n計量ホッパゲート15nを含む。計量ホッパゲート150の数は上述のチャネル数nである。第1計量ホッパ141から第n計量ホッパ14nには、第1計量ホッパゲート151から第n計量ホッパゲート15nが設けられている。複数の計量ホッパ140の各々は、自身の有する計量ホッパゲート150が閉じているとき、物品Aの収容を続ける。一方、複数の計量ホッパ140の各々は、自身の有する計量ホッパゲート150が開くとき、物品Aを排出する。
【0044】
複数の計量ホッパ140には、さらに、図2に示す複数の計量装置160が設けられている。図2でまとめて示されている複数の計量装置160は、第1計量装置161から第n計量装置16nを含む。計量装置160の数は上述のチャネル数nである。第1計量ホッパ141から第n計量ホッパ14nには、それぞれ、第1計量装置161から第n計量装置16nが設けられている。複数の計量装置160の各々は、対応する計量ホッパ140に収容されている物品Aの重量を計測する。複数の計量ホッパ140に収容されている物品Aは、物品搬送装置110によって小分けされたものである。
【0045】
(2-4)演算装置170
図2に示す演算装置170は。予め定められた目標重量を実現するような小分けの組合せを見つけ出すためのものである。
【0046】
演算装置170は、複数の計量装置160から、第1計量ホッパ141から第n計量ホッパ14nに収容されている物品Aの重量に関する情報を受け取ることができる。さらに、演算装置170は、複数のプールホッパゲート130及び複数の計量ホッパゲート150を個別に開閉することができる。
【0047】
演算装置170は、複数の計量ホッパ140に収容されている物品Aの重量に関する情報に基づいて、収容物の合計重量が目標重量に最も近くなるように、第1計量ホッパ141から第n計量ホッパ14nの一部を選定する。次いで、演算装置170は、選定された一部の計量ホッパ140の計量ホッパゲート150を開き、これによって選定された一部の計量ホッパ140に収容されている物品Aを排出させる。こうすることにより、目標重量の物品Aが、シュート180から容器Cへ排出される。
【0048】
演算装置170は、制御部90と通信により情報を交換してもよい。あるいは、演算装置170は、制御部90と一体のプロセッサ又はコンピュータとして構成されていてもよい。
【0049】
(2-5)シュート180
シュート180は、複数の計量ホッパ140から排出された物品Aをひとまとめにし、容器Cへ送る。
【0050】
(3)物品搬送装置110の処理
(3-1)詰まりという現象
物品搬送装置110の物品排出容器10には、詰まりという現象が発生することがある。図3は、詰まりを説明する模式図である。図3には、物品搬送装置110のk番目のチャネルが示されている。
【0051】
物品排出容器10の第k排出口2kから排出された物品Aは、物品搬送機構30の第kフィーダ4kに渡される。この時、物品Aを構成する個別の粒状体の形状又は質量、物品排出容器10の形状、及び、温度又は湿度、その他の条件によっては、物品排出容器10の中に物品Aが存在するにもかかわらず、物品Aが第k排出口2kから排出されない現象が起こりうる。このとき、k番目のチャネルにおける物品Aの搬送経路のある箇所、典型的には第k排出口2kの付近において、物品Aの一部どうしが絡まっている。これが、第k排出口2kにおいて発生する物品Aの詰まりである。
【0052】
(3-2)物品有無の判定処理
物品排出容器10の中に物品Aが存在しているか否かを検知する専用のセンサを、物品搬送装置110は特段有していない。制御部90は、図4に示す制御を行うことにより、物品排出容器10の中に物品Aが存在しているか否かを判断する。
【0053】
ステップS102において、チャネル数n以下であるすべての自然数k(1≦k≦n)につき、第kフィーダ4kが搬送を開始した後から第1期間P1のうちに、第kフィーダ4kに設置された第kセンサ7kが物品Aを検出したか否かを制御部90が確認する。複数のフィーダ40のいずれかにおいて物品Aが検出された場合には、処理はステップS104へ移る。一方、複数のフィーダ40のうちのいずれにも物品Aが検出されなかった場合には、処理はステップS106に移る。
【0054】
ステップS104において、制御部90は、第2期間P2にわたり、物品排出容器10の中に物品Aが存在すると判断する。
【0055】
ステップS106において、物品排出容器の中に物品Aが存在しない旨を使用者へ報知するように、制御部90は報知器80を作動させる。
【0056】
(3-3)詰まり検出処理
図5は、詰まり検出処理のフローチャートである。
【0057】
ステップS202において、複数のフィーダ40のうちの一部のフィーダ4αのみにおいて、当該一部のフィーダ4αの搬送中に物品Aが検知されず、かつ、残りのフィーダ4βにおいて、当該残りのフィーダ4βの搬送中に物品Aが検知されることを、物品検知機構60が検知する。この場合、処理はステップS204に移る。一方、これに当てはまらない場合、処理はステップS206に移る。
【0058】
ステップS204において、制御部90が、フィーダ4αに対応する排出口2αにおいて詰まりが発生していると判断する。
【0059】
ステップS206において、制御部90は、詰まりが発生していないと判断する。
【0060】
(3-4)詰まり解消処理
図6は、詰まり解消動作のフローチャートである。
【0061】
第1排出口21から第n排出口2nのいずれにも詰まりが発生していない通常の場合において、複数の振動装置50は通常振幅Aaの振動を対応するフィーダ40に与えているとする。
【0062】
k番目のチャネルに属する第k排出口2kにおいて物品Aの詰まりが発生していると制御部90が判断する。この場合、詰まりを解消するために、次の一連の動作が行われる。
【0063】
[第1動作]まず、ステップS302において、第k振動装置5kは、期間T1にわたり、増大振幅Abの振動を第kフィーダ4kに与える。増大振幅Abは、通常振幅Aaよりも大きい。期間T1は、例えば500msである。
【0064】
[第2動作]次に、ステップS304において、第k振動装置5kは、期間T2にわたり、通常振幅Aaの振動を第kフィーダ4kに与える。例えば500msである。
【0065】
[第3動作]ステップS306において、再度、第k振動装置5kは、期間T3にわたり、増大振幅Abの振動を第kフィーダ4kに与える。期間T3は、例えば500msである。
【0066】
[第4動作]次に、ステップS308において、第k振動装置5kは、期間T4にわたり、通常振幅Aaの振動を第kフィーダ4kに与える。例えば500msである。
【0067】
このように、詰まりが発生している排出口から物品を受け取るフィーダにおいて増大振幅Abの振動がされると、振動が物品Aの連なりを介して詰まりが発生している箇所まで伝えられ、それによって詰まりが解消する場合がある。
【0068】
上述の一連の動作の途中に詰まりが解消されたと制御部90が判断する場合には、一連の動作を中断してもよい。
【0069】
(4)特徴
(4-1)
詰まりが発生している箇所に対応する一部のフィーダの搬送強度が高められる。この処理によって、排出口20の詰まりが解消されやすくなる。
【0070】
(4-2)
複数のフィーダ40のうちの一部のフィーダのみにおいて物品Aが検知されない場合に、詰まりが発生していると制御部90が判断する。したがって、物品排出容器10の中に物品Aが存在しない状態に起因して、詰まりの発生を誤検知する事態を回避できる。
【0071】
(4-3)
制御部90は、フィーダ40の動作と物品Aの応答に基づいて、物品排出容器10の中に物品Aが存在することを判断する。したがって、制御部90が、物品排出容器10の中に物品Aが存在しない事に起因して、誤って物品Aの詰まりの発生を判断することが抑制される。
【0072】
(4-4)
詰まりが生じているフィーダ40の搬送強度は、一時的に高められた後、元の状態に戻る。したがって、詰まりが生じているフィーダ40の搬送強度が恒久的に高い状態に留まることが避けられるので、物品Aの単位時間当たりの搬送量が当所の設計値の付近に保たれる。
【0073】
(4-5)
詰まりが生じているフィーダ40の搬送強度は、周期的に変化する。したがって、詰まりが解消しやすい。
【0074】
(4-6)
物品排出容器10の中に物品Aが存在しないことが使用者に報知される。したがって、使用者は物品排出容器10の中に物品Aを補充することができる。
【0075】
(4-7)
複数のフィーダ40の各々は振動によって物品Aを搬送する。したがって、多数の粒状物からなる物品を精度良く搬送できる。
【0076】
<第2実施形態>
(1)構成
図7は、第2実施形態に係る組合せ計量装置200Bに搭載される物品搬送装置110Bの構成を示す模式図である。この物品搬送装置110Bは、鶏肉などの湿った物品A、又は、スラリー状の物品Aを搬送するのに適している。
【0077】
物品搬送装置110Bは、物品搬送機構30Bを有する。物品搬送機構30Bは、複数のフィーダ4Bと、複数のモータ5Bとを有する。複数のフィーダ4Bの各々は、ガイド41Bとスクリュー42Bを有する。
【0078】
第kフィーダ4Bkが物品Aを搬送するためには、第kモータ5Bkを作動させて第kスクリュー42Bkを回転させる。これによって、第kスクリュー42Bkが物品Aを一方向に移動させる。第kフィーダ4Bkの搬送強度を高めるには、第kモータ5Bkの回転速度を速くする。回転速度の制御については、第1実施形態と同様である。
【0079】
(2)特徴
複数のフィーダ4Bの各々はスクリュー42Bによって物品Aを搬送する。したがって、スラリー状の物品Aを効率的に搬送できる。
【符号の説明】
【0080】
10 :物品排出容器
20 :複数の排出口
21 :第1排出口
2n :第n排出口
30、30B:物品搬送機構
40 :複数のフィーダ
41 :第1フィーダ
4n :第nフィーダ
50 :複数の振動装置
51 :第1振動装置
5n :第n振動装置
5B :複数のモータ
5Bk :第kモータ
60 :物品検知機構
70 :複数のセンサ
71 :第1センサ
7n :第nセンサ
80 :報知器
90 :制御部
110、110B:物品搬送装置
120 :複数のプールホッパ
121 :第1プールホッパ
12n :第nプールホッパ
130 :複数のプールホッパゲート
131 :第1プールホッパゲート
13n :第nプールホッパゲート
140 :複数の計量ホッパ
141 :第1計量ホッパ
14n :第n計量ホッパ
150 :複数の計量ホッパゲート
151 :第1計量ホッパゲート
15n :第n計量ホッパゲート
160 :複数の計量装置
161 :第1計量装置
16n :第n計量装置
170 :演算装置
180 :シュート
200、200B:組合せ計量装置
A :物品
Aa :通常振幅
Ab :増大振幅
C :容器
P1 :第1期間
P2 :第2期間
T1~T4:期間
n :チャネル数
【先行技術文献】
【特許文献】
【0081】
【特許文献1】特開2009-174912号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7