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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140137
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】補助装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
G06F1/16 313Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040808
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】591102224
【氏名又は名称】石本 浩一
(71)【出願人】
【識別番号】302010910
【氏名又は名称】株式会社クラスシード
(74)【代理人】
【識別番号】100165445
【弁理士】
【氏名又は名称】中 富雄
(72)【発明者】
【氏名】石本 浩一
(57)【要約】
【課題】携帯性が損なわれることを実用上十分に抑制しつつ、有効に携帯機器の使用を補助することができる補助装置を提供する。
【解決手段】使用者による携帯機器の使用を補助する補助装置であって、使用者の前面に当接させる第1の当接部を備える第1の部材と、使用者の前面に当接させる第2の当接部を備える第2の部材と、使用者の手を前記第1の当接部及び前記第2の当接部から所定の距離に支持する支持部を有する第3の部材と、前記第1の部材と、前記第2の部材と、前記第3の部材とを連結する連結部と、使用者の体から掛けて使用するベルトを留める留め部と、を備え、前記第2の部材及び前記第3の部材は、前記第1の部材に対して所定の角度に展開することが可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者による携帯機器の使用を補助する補助装置であって、
使用者の前面に当接させる第1の当接部を備える第1の部材と、
使用者の前面に当接させる第2の当接部を備える第2の部材と、
使用者の手を前記第1の当接部及び前記第2の当接部から所定の距離に支持する支持部を有する第3の部材と、
前記第1の部材と、前記第2の部材と、前記第3の部材とを連結する連結部と、
使用者の体から掛けて使用するベルトを留める留め部と、
を備え、
前記第2の部材及び前記第3の部材は、前記第1の部材に対して所定の角度に展開することが可能であることを特徴とする補助装置。
【請求項2】
前記第2の部材は、前記第3の部材が前記第1の部材に対して展開されていない状態で回動可能であることを特徴とする請求項1に記載の補助装置。
【請求項3】
前記第2の部材及び前記第3の部材は、前記第1の部材に対して90°の角度で展開した状態を維持することが可能であり、前記第1の部材は、滑り止め手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の補助装置。
【請求項4】
前記第2の部材は、他の機器を保持することが可能な第4の部材を取り付ける取付部を備えることを特徴とする請求項1に記載の補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、補助装置に関し、例えばスマートフォン等の携帯機器を片手に持って使用する際に当該使用を補助する補助装置に適用して好適なものである。また、腕の力の弱いお年寄りや障害者等の介護が必要な使用者が、携帯機器、リモコン及び本等を、手で持つときに使用する補助装置に適用して好適なものである。さらに、例えば腕を怪我した場合や捻挫及び骨折等した場合に、腕を固定するための補助装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯型の小型コンピュータの使用を補助するものとして、例えば、小型コンピュータを載せる台を使用者が首からかけて使用するものが考えられている(特許文献1参照)。
【0003】
この補助装置は、小型コンピュータを載せる板状の台にベルトが掛合されており、このベルトを使用者が首から掛けることにより、使用者の体の前方に当該台を支持して使用するものである。
【0004】
かかる補助装置では、小型コンピュータを使用者の前方に支持して使用できることから、使用者は当該小型コンピュータを手で支えることなく両手で画面操作やキー入力を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3197784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、携帯型の端末機器としては、例えばスマートフォン等のように使用者が片手で持って使用するものもある。このような携帯機器においては、使用者が本体を片手に持って親指等によりキーボタンやタッチ式の液晶画面を操作することによって所定の入力操作を行うことができるようになっている。
【0007】
かかる携帯機器は、使用者のポケットやバッグ等に入れて携帯し得る程度の大きさに形成されていることにより、一段と携帯性を向上することができるようになっている。
【0008】
このような携帯性を重視した携帯機器を使用するに際して、特許文献1に開示されているような補助装置を持ち運んで使用することは、携帯機器の携帯性を損なうものとなっていた。
【0009】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、携帯性が損なわれることを実用上十分に抑制しつつ、有効に携帯機器の使用を補助することができる補助装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の補助装置は、使用者による携帯機器の使用を補助する補助装置であって、使用者の前面に当接させる第1の当接部を備える第1の部材と、使用者の前面に当接させる第2の当接部を備える第2の部材と、使用者の手を前記第1の当接部及び前記第2の当接部から所定の距離に支持する支持部を有する第3の部材と、前記第1の部材と、前記第2の部材と、前記第3の部材とを連結する連結部と、使用者の体から掛けて使用するベルトを留める留め部と、を備え、前記第2の部材及び前記第3の部材は、前記第1の部材に対して所定の角度に展開することが可能であることを特徴とする。
【0011】
この補助装置によれば、使用者の前面に当接する当接部が複数あることによって、安定的に補助装置を使用することができる。
【0012】
また、上記補助装置において、前記第2の部材は、前記第3の部材が前記第1の部材に対して展開されていない状態で回動可能な構成としてもよい。
【0013】
この構成によれば、第3の部材を第1の部材に対して展開しないため、補助装置の携帯性を一段と高めることができる。
【0014】
また、上記補助装置において、前記第2の部材及び前記第3の部材は、前記第1の部材に対して90°の角度で展開した状態を維持することが可能であり、前記第1の部材は、滑り止め手段を備えることとしてもよい。
【0015】
この構成によれば、補助装置を机等に置くことが可能となり、更に補助装置に携帯機器等を使用者の任意の角度で立て掛けることができる。
【0016】
また、上記補助装置において、前記第2の部材は、他の機器を保持することが可能な第4の部材を取り付ける取付部を備えることとしてもよい。
【0017】
この構成によれば、補助装置に例えば携帯扇風機等の機器を取り付けることができ、使用者が自ら機器を把持する必要がなくなる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、携帯性が損われることを実用上十分に抑制しつつ、安定的に携帯機器の使用を補助することができる補助装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の補助装置を示す斜視図である。
図2】本発明の補助装置の収納状態を示す斜視図である。
図3】本発明の補助装置の使用状態を示す斜視図である。
図4】本発明の補助装置の収納状態を示す斜視図である。
図5】本発明の補助装置の収納状態を示す平面図である。
図6】本発明の補助装置の分解斜視図である。
図7】本発明の補助装置の分解斜視図である。
図8】本発明の補助装置の分解斜視図である。
図9】本発明の補助装置の分解斜視図である。
図10】本発明の補助装置の収納状態を示す側面図である。
図11】本発明の補助装置の略90°展開状態を示す側面図である。
図12】本発明の補助装置の使用状態1を示す側面図である。
図13】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態を示す斜視図である。
図14】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態を示す斜視図である。
図15】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態を示す斜視図である。
図16】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態を示す斜視図である。
図17】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態を示す斜視図である。
図18】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態を示す斜視図である。
図19】本発明の補助装置の使用状態1の使用例を示す略線図である。
図20】本発明の補助装置の使用状態1の他の使用例を示す略線図である。
図21】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態の使用例を示す略線図である。
図22】本発明の補助装置の使用状態1の他の実施形態の使用例を示す略線図である。
図23】本発明の補助装置の使用状態2を示す斜視図である。
図24】本発明の補助装置の使用状態2を示す側面図である。
図25】本発明の補助装置の使用状態2を示す側面図である。
図26】本発明の補助装置の使用状態2の使用例を示す略線図である。
図27】本発明の補助装置の使用状態3を示す斜視図である。
図28】本発明の補助装置の使用状態3を示す側面図である。
図29】本発明の補助装置の使用状態3を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、添付図面に基づき詳細に説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態における補助装置10は、使用者の前面(例えば、腹部)に当接させる第1当接部21を備えた第1部材20と、第1部材20に対して回転可能であり、使用者の手又は腕を載せるための支持部31を備える、第1部材20と同一形状の第2部材30と、使用者の前面(例えば、胸部)に当接させる第2当接部41を備えた補助当接部材40と、補助装置10を使用者の肩等から掛けて使用するためのベルト50と、から構成されている。支持部31の幅Wは、当該支持部31に載せる使用者の片手又は片腕の幅に合わせ、使用者の片手又は片腕を載せるために必要最低限の幅(例えば、10cm)に形成されている。なお、この幅は、使用者の体格、年齢等に応じて種々の大きさを適用することができる。
また、本実施形態において、第1部材20及び第2部材30は樹脂材(例えばポリプロピレン)によって形成されている。また、第1部材20及び第2部材30は透明な樹脂材とするが、これに限られるものではない。また、樹脂材以外の材料(例えば、金属材料)で構成してもよい。
【0021】
なお、本実施形態において、ベルト50の長さは、70cm~120cmの範囲で可変調整可能なものとするが、ベルト長はこれに限られず、体格等に合わせて種々の長さのものを適用することができる。
【0022】
ベルト50は、両先端部に設けられた掛合部51a及び51bにより、補助当接部材40に設けられた掛合部43a及び43bの掛合孔43c及び43dに掛合される。
【0023】
ここで、第1部材20、第2部材30、補助当接部材40の大まかな構成を説明する。まず、使用状態と収納状態の説明をする。図3図4図5は、第1部材20、第2部材30、補助当接部材40が互いに回動可能に連結された状態を示している。図3は、第2部材30が第1部材20に対して略180°の角度で展開された状態であり、第1部材20、第2部材30、補助当接部材40の構成を説明するにあたっては使用状態と呼ぶ。なお、第1部材20と第2部材30は同一形状の部材であるため、第1部材20を第2部材30に対して略180°の角度で展開しても同様の状態となる。補助装置10を使用状態とした場合、補助当接部材40は、第1部材20と第2部材30を展開してなる展開面から略垂直に延出する。また、図4図5に示すような、第1部材20と第2部材30とが展開されていない状態を収納状態と呼ぶ。収納状態においては、補助当接部材40は後述する開口部23及び開口部33に位置している。
【0024】
第120、第2部材30の大まかな構成を説明する。図6は、第1部材20、第2部材30、補助当接部材40の分解斜視図である。第1部材20には、第1当接部21が設けられた端部とは反対側の端部に補助当接部材40を介して第2部材30を連結するための連結部22a及び22bが設けられており、第2部材30にも同様に、支持部31が設けられた端部とは反対側の端部に補助当接部材40を介して第1部材20を連結するための連結部32a及び32bが設けられている。
【0025】
連結部22aには軸孔22c、連結部22bには軸孔22d、連結部32aには軸孔32c、連結部32bには軸孔32dが設けられている。また、詳細は後述するが、補助当接部材40には嵌合突起44及び45が設けられている。これにより、例えば嵌合突起44を軸孔22b及び軸孔32aに嵌合させ、更に嵌合突起45を軸孔22a及び軸孔32bに嵌合させることが可能となり、第1部材20、第2部材30、補助当接部材40とが連結される。軸孔22c、22b、32c、32dは略真円の円形孔であり、これに嵌合される嵌合突起44、45は断面が略真円の外形を有する円筒形状であることから、第1部材20及び第2部材30は、嵌合突起44及び45が回転軸となることによって互いに回転可能となる。
【0026】
なお、軸孔22c及び22dと軸孔32c及び32dとを設ける位置は、補助装置10を使用状態とした場合に、第1部材20の先端部(当接部21)までの長さL1(図1)と第2部材30の先端部(支持部31)までの長さL2(図1)とが略同一となる位置となっている。
【0027】
第1部材20は、第1当接部21と、連結部支持部21a、21bとで構成されており、第1部材20の形状は、全体が略コの字の形状となっており、中心部に開口部23が設けられ、また、当該コの字の開口側の端部に上述の連結部22a及び22bが設けられている。また、第1部材20は、第1当接部21から連結部22a及び22bに向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。
【0028】
第2部材30は、第1部材20と同一の形状である。具体的には、第2部材30は、支持部31と、連結部支持部31a、31bとで構成されており、第2部材30の形状は、全体が略コの字の形状となっており、中心部に開口部33が設けられ、また、当該コの字の開口側の端部に上述の連結部32a及び32bが設けられている。また、第2部材30は、支持部31から連結部32a及び32bに向かって徐々に幅が狭くなるように形成されている。
【0029】
第1当接部21は、開口部23に向かって弧を描くように曲がった形状となっており、なめらかな円弧形状をなしている。これにより、当接部21を使用者の前面(例えば、腹部)に当接させたときに、使用者が違和感を覚えることを防止できる。
【0030】
支持部31は、第1当接部21の先端部と同様に、開口部33に向かって弧を描くように曲がった形状となっており、なめらかな円弧形状をなしている。これにより、使用者が支持部の31に手又は腕を載せたときに、安定的に支持することができる。
【0031】
また、第1当接部21の幅方向の両端部、すなわち、第1部材20における2つの角部には、段部24a及び24bが設けられている。詳細には、第1部材20の厚み方向に段差が形成されており、第1部材20の厚み方向において、略下半分側が略上半分側よりも突出した形状となっている。
【0032】
支持部31の幅方向の両端部、すなわち、第2部材30における2つの角部にも、第1当接部21の幅方向の両端部と同様に、段部34a及び34bが設けられている。詳細には、第2部材30の厚み方向に段差が形成されており、第2部材30の厚み方向において、略下半分側が略上半分側よりも突出した形状となっている。
【0033】
詳細は図20において後述するが、このように段部24a及び24bと段部34a及び34bが形成されていることにより、使用者が携帯機器100(図20)を両手で持ちながら、携帯機器100を例えば段部34a及び34bに置くことができ、両手で安定して携帯機器100を保持することを可能にする。また、補助装置10が収納状態であるときに、第1当接部21と支持部31とが完全に接触する状態とはならず空間が設けられるため、補助装置10を収納状態から使用状態へ展開させるときに当該空間に指を差し込み支持部31(第1当接部21)に指を引っ掛けやすくなり、容易に使用状態とすることができる。
【0034】
また、第1部材20における第1当接部21と略直交する連結部支持部21a、21bの表面の略中間部には、複数の凹凸25a及び25bが形成されている。この複数の凹凸25a及び25bは、連結部支持部21a、21bにおける短手方向の幅と同一の幅で形成された凹部及び凸部が、連結部支持部21a、21bの長手方向に複数設けられることにより形成される。
【0035】
第2部材30における支持部31と略直交する連結部支持部31a、31bの表面の略中間部には、第1部材20の表面と同様に、複数の凹凸35a及び35bが形成されている。この複数の凹凸35a及び35bは、連結部支持部31a、31bにおける短手方向の幅と同一の幅で形成された凹部及び凸部が、連結部支持部31a、31bの長手方向に複数設けられることにより形成される。
【0036】
詳細は後述するが、第1部材20及び第2部材30の連結部支持部21a、21b、31a、31bに複数の凹凸25a、25b、35a、35bが設けられていることにより、例えばスマートフォン等の携帯機器の端部を、複数の凹凸25a、25b、35a、35bにおける凹部に嵌め込むと、複数の凹凸25a、25b、35a、35bにおける凸部によって携帯機器の端部が滑ることが防止されるため、補助装置10を、スマートフォン等の携帯機器を保持するスタンドとして使用することが可能となる。
【0037】
また、連結部支持部21a、21bにおける、複数の凹凸25a、25bよりも連結部22a、22b側には、凹部21c、21dが形成されている。凹部21c、21dは、第1部材20の厚み方向において、複数の凹凸25a、25bが形成されている部分よりも薄くなっている。第2部材30は第1部材20と同一形状であることから、連結部支持部31a、31bにおける、複数の凹凸35a、35bよりも連結部32a、32b側にも、凹部31c、31dが形成されている。凹部31c、31dは、第2部材30の厚み方向において、複数の凹凸35a、35bが形成されている部分よりも薄くなっている。
【0038】
凹部21c、21dと、凹部31c、31dとが形成されていることにより、補助装置10を収納状態、すなわち連結部支持部21a、21bにおける凹凸25a、25bが形成されている面と、連結部支持部31a、31bにおける複数の凹凸35a、35bが形成されている面とを接触させた状態(例えば、収納状態)としたときに、連結部支持部21a、21bと、連結部支持部31a、31bとの間に空間が形成され、当該空間にベルト50の掛合部51a、51bを通すことができる。これにより、補助当接部材40にベルト50の掛合部51a、51bを嵌合させる構成としても、図2に示すような収納状態とした場合に、掛合部51a、51bが連結部支持部21a、21b及び連結部支持部31a、31bに接触することがない。
【0039】
ここで、補助当接部材40の説明をする。補助当接部材40は略T字形状であり、補助装置10の使用状態においては前述したように第1部材20及び第2部材30を展開してなる展開面から略垂直に延出するように設けられている。また、補助当接部材40は、第3部材42aと、第3部材42aと同一形状の第4部材42bとで構成されている。
【0040】
第3部材42aの詳細を説明する。図7に示すように、第3部材42aは、短手部42cと、短手部42cと略直交する長手部42dとで構成され、略L字形状をなしている。短手部42cは、長手部42dに対して略垂直方向に延出しており、補助装置10の使用状態において使用者の前面(例えば、腹部)に当接する当接面42eを有している。第3部材42aと第4部材42bとを組み合わせることにより、当接面42eと後述する当接面42jとで第2当接部41を形成する。また、当接面42eの、長手部42dに対して略垂直な2辺からは、長手部42dの方向に折り曲げられてなる側面部42f、42gが設けられている。当接面42eと側面部42f、42gとはそれぞれ略直交しており、略直交部はなめらかな形状となっているため、当接面42eを使用者の前面(例えば、腹部)に当接させたときに、使用者が違和感を覚えることを防止できる。
【0041】
長手部42dには、後述するハンディファン等の機器を保持することを可能にするアダプタ60を取り付けるためのアダプタ取付部48aが設けられている。アダプタ取付部48aは、側面部42f、42gと略直交する長手部42dの側面の略中間部に設けられており、具体的には、当該長手部42dの側面の略中間部における短手部42cの延出方向とは逆側の端部から、短手部42cの延出方向に向けて略半円形状をなすように凹ませて形成されている。なお、当該長手部42dの側面における略半円形上が形成された端部とは反対側の端部は、略半円形上の凹みの分、短手部42cの延出方向に突出している。
【0042】
詳細は後述するが、第4部材42bにも同様にアダプタ取付部48bが設けられているため、第3部材42aと第4部材42bとを組み合わせることにより、半円形のアダプタ取付部48aと半円形のアダプタ取付部48bとで円形のアダプタ取付孔48cを形成することが可能となり、アダプタ取付孔48cにアダプタ60を取り付けることができるようになる。
【0043】
また、長手部42dにおいて、アダプタ取付部48aの、短手部42cが設けられている側とは逆側には、掛合部43aが設けられている。掛合部43aは、長手部42dにおける短手部42cの延出方向の側面に設けられる略コの字形状の部材であり、略コの字形状における平行な2辺は短手部42cの延出方向に対して略平行である。また、略コの字形状であることによって形成される空間である掛合孔43cには、ベルト50の掛合部51aを掛合させることが可能となっている。
【0044】
長手部42dにおいて、掛合部43aの、短手部42cが設けられている側とは逆側には、位置決め突起49aが設けられている。位置決め突起49aは、長手部42dにおける短手部42cの延出方向の側面から突出しており、更に詳細な位置としては、短手部42cを上方、長手部42dにおける短手部42cの延出方向の側面を前方として見た場合に、当該側面の左辺に近い位置から前方に向かって突出している。また、短手部42cを上方、長手部42dにおける短手部42cの延出方向の側面を前方として見た場合に、位置決め突起49aの右側には、段差部49bが設けられている。この段差部49bと位置決め突起49aとの間には隙間が設けられているため、位置決め突起49aを段差部49bの方向、または段差部49bとは離れる方向に撓ませることができる。このような構成とすることにより、位置決め突起49aを、後述する連結部22bに設けられた第1突起22k、第2突起22l、第3突起22m、第4突起22nに対して当接させることが可能となり、また、位置決め突起49aに、それぞれの突起を乗り越えさせることが可能となるため、補助装置10を使用状態とするときに、第1部材20または第2部材30の角度を調節することが可能となる。
【0045】
長手部42dにおいて、位置決め突起49aの、短手部42cが設けられている側とは逆側には、略円筒形状の嵌合突起44が設けられている。短手部42cを上方、長手部42dにおける短手部42cの延出方向の側面を前方として見た場合に、嵌合突起44は前方に延出しており、上部及び下部には、略U字の切り欠き部44a、44bが設けられている。更に、嵌合突起44の短手部42cの延出方向の端部には、鍔部44c、44dが設けられている。これにより、嵌合突起44を例えば連結部22bに設けられた軸孔22d及び連結部32aに設けられた軸孔32cに嵌合させて第1部材20と第2部材30とを連結させる場合に、嵌合突起44を撓ませて軸孔22d及び軸孔32cよりも小さい径とすることが可能となるため、容易に嵌合させることができるようになり、また、鍔部44c、44dが設けられていることにより、軸孔22d及び軸孔32cに嵌合させた後に嵌合突起44が抜け出すことを防止することができる。
【0046】
また、嵌合突起44の根本の周囲は、後述する連結部22bの摺接面22iと摺接する摺接面49eとして機能する。具体的には、互いに摺接する摺接面49eと摺接面22iがあり、摺接面49eには突出した軸部である嵌合突起44が形成され、摺接面22iには嵌合突起44を回転可能に軸支するための軸孔22dが形成されている。
【0047】
更に、長手部42dは、ストッパーとなる当接突起46を備えているため、詳細は後述するが、補助装置10の使用時に第2部材30を回動させて展開したときに、略180°に開いた状態を保持することができる。
【0048】
また、側面部42f、42gと略直交する長手部42dの側面の嵌合突起44付近は、第2支持部49gとして機能する。詳細は後述するが、第2支持部49gは、補助装置10の使用者の手を支持することができる。
【0049】
第4部材42bの詳細を説明する。第4部材42bは、短手部42hと、短手部42hと略直交する長手部42iとで構成され、略L字形状をなしている。短手部42hは、長手部42iに対して略垂直方向に延出しており、補助装置10の使用状態において使用者の前面(例えば、腹部)に当接する当接面42jを有している。また、当接面42jの、長手部42iに対して略垂直な2辺からは、長手部42iの方向に折り曲げられてなる側面部42kと、42l(図示せず)が設けられている。当接面42jと側面部42k、42lとはそれぞれ略直交しており、略直交部はなめらかな形状となっているため、当接面42jを使用者の前面(例えば、腹部)に当接させたときに、使用者が違和感を覚えることを防止できる。
【0050】
長手部42iには、後述するハンディファン等の機器を保持することを可能にするアダプタ60を取り付けるためのアダプタ取付部48bが設けられている。アダプタ取付部48bは、側面部42k、42lと略直交する長手部42iの側面の略中間部に設けられており、具体的には、当該長手部42iの側面の略中間部における短手部42hの延出方向とは逆側の端部から、短手部42hの延出方向に向けて略半円形状をなすように凹ませて形成されている。なお、当該長手部42iの側面における略半円形上が形成された端部とは反対側の端部は、略半円形上の凹みの分、短手部42hの延出方向に突出している。
【0051】
前述したように、第3部材42aにはアダプタ取付部48aが設けられているため、第3部材42aと第4部材42bとを組み合わせることにより、半円形のアダプタ取付部48aと半円形のアダプタ取付部48bとで円形のアダプタ取付孔48cを形成することが可能となり、アダプタ取付孔48cにアダプタ60を取り付けることができるようになる。
【0052】
また、長手部42iにおいて、アダプタ取付部48bの、短手部42hが設けられている側とは逆側には、掛合部43bが設けられている。掛合部43bは、長手部42iにおける短手部42hの延出方向の側面に設けられる略コの字形状の部材であり、略コの字形状における平行な2辺は短手部42hの延出方向に対して略平行である。また、略コの字形状であることによって形成される空間を掛合孔43dとし、掛合孔43dには、ベルト50の掛合部51bを掛合させることが可能となっている。
【0053】
長手部42iにおいて、掛合部43bの、短手部42hが設けられている側とは逆側には、位置決め突起49cが設けられている。位置決め突起49cは、長手部42iにおける短手部42hの延出方向の側面から突出しており、更に詳細な位置としては、短手部42hを上方、長手部42iにおける短手部42hの延出方向の側面を前方として見た場合に、当該側面の左辺に近い位置から前方に向かって突出している。また、短手部42hを上方、長手部42iにおける短手部42hの延出方向の側面を前方として見た場合に、位置決め突起49cの右側には、段差部49d(図示せず)が設けられている。この段差部49dと位置決め突起49cとの間には隙間が設けられているため、位置決め突起49cを段差部49dの方向、または段差部49dとは離れる方向に撓ませることができる。このような構成とすることにより、位置決め突起49cを、後述する連結部32bに設けられた第1突起32h、第2突起32i、第3突起32j、第4突起32kに対して当接させることが可能となり、また、位置決め突起49cに、それぞれの突起を乗り越えさせることが可能となるため、補助装置10を使用状態とするときに、第1部材20または第2部材30の角度を調節することが可能となる。
【0054】
長手部42iにおいて、位置決め突起49cの、短手部42hが設けられている側とは逆側には、略円筒形状の嵌合突起45が設けられている。短手部42hを上方、長手部42iにおける短手部42hの延出方向の側面を前方として見た場合に、嵌合突起45は前方に延出しており、上部及び下部には、略U字の切り欠き部45a、45b(図示せず)が設けられている。更に、嵌合突起45の短手部42hの延出方向の端部には、鍔部45cと、45d(図示せず)が設けられている。詳細は後述するが、嵌合突起45を例えば連結部22aに設けられた軸孔22c及び連結部32bに設けられた軸孔32dに嵌合させて第1部材20と第2部材30とを連結させる場合に、嵌合突起45を撓ませて軸孔22c及び軸孔32dよりも小さい径とすることが可能となるため、容易に嵌合させることができるようになり、また、鍔部45c、45dが設けられていることにより、軸孔22c及び軸孔32dに嵌合させた後に嵌合突起45が抜け出すことを防止することができる。
【0055】
また、嵌合突起45の根本の周囲は、後述する連結部32bの摺接面32fと摺接する摺接面49f(図示せず)として機能する。具体的には、互いに摺接する摺接面49fと摺接面32fがあり、摺接面49fには突出した軸部である嵌合突起45が形成され、摺接面32fには嵌合突起45を回転可能に軸支するための軸孔32dが形成されている。
【0056】
更に、長手部42iは、ストッパーとなる当接突起47を備えているため、詳細は後述するが、補助装置10の使用時に第2部材30を回転させて展開したときに、略180°に開いた状態を保持することができる。
【0057】
また、側面部42k、42lと略直交する長手部42iの側面の嵌合突起45付近は、第2支持部49hとして機能する。詳細は後述するが、第2支持部49hは、補助装置10の使用者の手を支持することができる。
【0058】
ここで、第1部材20及び第2部材30の間に設けられている連結部22a、22b、32a、32bの詳細について説明する。図8及び図9は、第1部材20及び第2部材30の連結部22a、22b、32a、32bの詳細構成を示す分解斜視図である。第1部材20及び第2部材30は、上述したように軸孔22c及び22dと軸孔32c及び32dに、補助当接部材40に設けられた嵌合突起44及び45が嵌合することによって連結され、第1部材20及び第2部材30は、嵌合突起44及び45が回転軸となることによって、互いに回転可能となっている。
【0059】
図9に示すように、第1部材20における連結部22aには摺接面22eが設けられており、図8に示すように、第2部材30における連結部32bには摺接面22eと摺接可能な摺接面32eが設けられている。具体的には、第1部材20及び第2部材30におけるコの字の開口側(連結部22a、22b、32a、32bが設けられている側)を互いに対向させ、摺接面22eに摺接面32eを当接させることにより、摺接面22eと摺接面32eとが摺接可能となる。
【0060】
図9に示すように、連結部22aは、連結部22bと対向する面に段差を備えており、その段差によって連結部22b側に突出している面が、摺接面32e(図8)と摺接可能な摺接面22eである。更に、連結部22bとは離れる方向に後退している面は、当接突起摺動面22fとなっており、例えば補助当接部材40における当接突起47が、当接突起摺動面22f上を摺動する。
【0061】
当接突起摺動面22fには、第1当接突起止め部22gと、第2当接突起止め部22oとが形成されている。第1部材20の複数の凹凸25a、25bが設けられている面を上側とした場合に、第1当接突起止め部22gは連結部22aに設けられた軸孔22cの下方に位置し、第2当接突起止め部22оは軸孔22cの上方に位置する。具体的には、第1当接突起止め部22g及び第2当接突起止め部22оは、摺接面22eと当接突起摺動面22fとの間にある段差に設けられている。また、連結部22aの端部は略直角をなしており、補助装置10を後述するスマートフォン等のスタンドとして利用する場合に安定的に机などの上に置くことができる。
【0062】
摺接面32eは、連結部32bにおける、連結部32aと対向する面とは反対側の面に設けられている。また、連結部材32bにおける、連結部32aと対向する面は、補助当接部材40の摺接面49fと摺動可能に接する摺接面32fとして機能する。更に、連結部材32bは、当接突起止め部32gを備えている。当接突起止め部32gは、第2部材30の複数の凹凸35a、35bが設けられている面を上側とした場合に、連結部32bに設けられた軸孔32dの下方に位置する。
【0063】
ここで、第2部材30の複数の凹凸35a、35bが設けられている面を上側とした場合に、連結部32bの上側の一部には、複数の突起が設けられている。具体的には、それぞれの突起が連結部32bにおける軸孔32dを中心とした円周上に設けられており、第1突起32hは、複数の突起における、第2部材30の開口側の最端部に設けられている。第2突起32iは、第1突起32hよりも支持部31側に設けられており、第3突起32jは、第2突起32iよりも支持部31側に設けられており、第4突起32kは、第3突起32jよりも支持部31側に設けられている。
【0064】
第1部材20と第2部材30は同一形状であるため、連結部22bは連結部32bと同一の形状であり、連結部32aは連結部22aと同一の形状である。詳細を説明すると、図8に示すように、第2部材30における連結部32aには摺接面32lが設けられており、図9に示すように、第1部材20における連結部22bには摺接面32lと摺接可能な摺接面22hが設けられている。具体的には、第1部材20及び第2部材30におけるコの字の開口側(連結部22a、22b、32a、32bが設けられている側)を互いに対向させ、摺接面32lに摺接面22hを当接させることにより、摺接面32lと摺接面22hとが摺接可能となる。
【0065】
図8に示すように、連結部32aは、連結部32bと対向する面に段差を備えており、その段差によって連結部32b側に突出している面が、摺接面22hと摺接可能な摺接面32lである。更に、連結部32bとは離れる方向に後退している面は、当接突起摺動面32mとなっており、例えば補助当接部材40における当接突起46が、当接突起摺動面32m上を摺動する。
【0066】
当接突起摺動面32mには、第1当接突起止め部32nと、第2当接突起止め部32оとが形成されている。第2部材30の複数の凹凸35a、35bが設けられている面を上側とした場合に、第1当接突起止め部32nは連結部32aに設けられた軸孔32cの下方に位置し、第2当接突起止め部32оは軸孔32cの上方に位置する。具体的には、第1当接突起止め部32n及び第2当接突起止め部32оは、摺接面32lと当接突起摺動面32mとの間にある段差に設けられている。また、連結部32aの端部は略直角をなしており、補助装置10を後述するスマートフォン等のスタンドとして利用する場合に安定的に机などの上に置くことができる。
【0067】
摺接面22hは、連結部22bにおける、連結部22aと対向する面とは反対側の面に設けられている。また、連結部材22bにおける、連結部22aと対向する面は、補助当接部材40の摺接面49eと摺動可能に接する摺接面22iとして機能する。更に、連結部22bは、当接突起止め部22jを備えている。当接突起止め部22jは、第1部材20の複数の凹凸25a、25bが設けられている面を上側とした場合に、連結部22bに設けられた軸孔22dの下方に位置する。
【0068】
また、第1部材20の複数の凹凸25a、25bが設けられている面を上側とした場合に、連結部22bの上側の一部には、複数の突起が設けられている。具体的には、それぞれの突起が連結部22bにおける軸孔22dを中心とした円周上に設けられており、第1突起22kは、複数の突起における、第1部材20の開口側の最端部に設けられている。第2突起22lは、第1突起22kよりも第1当接部21側に設けられており、第3突起22m、は、第2突起22lよりも第1当接部21側に設けられており、第4突起22nは、第3突起22mよりも第1当接部21側に設けられている。
【0069】
ここで、第1部材20と、第2部材30と、補助当接部材40との、具体的な連結状態について説明する。上述したように、嵌合突起44及び45は、連結部22a、22b、32a、32bに設けられた軸孔22c、22d、32c、32dに嵌合し、第1部材20と第2部材30とを連結させる。
【0070】
第1部材20及び第2部材30におけるコの字の開口側(連結部22a、22b、32a、32bが設けられている側)を互いに対向させ、摺接面22eに摺接面32eを当接させ、摺接面22hに摺接面32kを当接させた状態においては、軸孔22cと軸孔32dとが重なり合い、また、軸孔22dと軸孔32cとが重なり合う状態となっている。嵌合突起44を、例えば軸孔22d及び軸孔32cに嵌合させ、第1部材20と第2部材30とを連結させる場合には、嵌合突起44における鍔部44c及び44dを、互いが近寄る方向に撓ませる。上述したように嵌合突起44には切り欠き部44a、44bが形成されているため、嵌合突起44を撓ませることが可能となっている。嵌合突起44を撓ませることにより、嵌合突起44の径が軸孔22dと軸孔32cの径よりも小さくなるため、嵌合させやすくなる。嵌合突起44を軸孔22d側から挿通させ、軸孔22dと軸孔32cとに嵌合させた後は、鍔部44c、44dとが、軸孔32cの周囲に引っかかるため、軸孔22dと軸孔32cから嵌合突起44が抜け出すことを防止することが出来る。
【0071】
また、嵌合突起45を、例えば軸孔22c及び軸孔32dに嵌合させ、第1部材20と第2部材30とを連結させる場合には、嵌合突起45における鍔部45c及び45dを、互いが近寄る方向に撓ませる。上述したように嵌合突起45には切り欠き部45a、45bが形成されているため、嵌合突起45を撓ませることが可能となっている。嵌合突起45を撓ませることにより、嵌合突起45の径が軸孔22cと軸孔32dの径よりも小さくなるため、嵌合させやすくなる。嵌合突起45を軸孔32d側から挿通させ、軸孔22cと軸孔32dとに嵌合させた後は、鍔部45c、45dとが、軸孔22cの周囲に引っかかるため、軸孔22cと軸孔32dから嵌合突起45が抜け出すことを防止することが出来る。
【0072】
すなわち、連結部22b、連結部32a、補助当接部材40における第3部材42aの摺接関係は、摺接面22hと摺接面32lが摺接し、更に、摺接面22iと摺接面49eとが摺接する関係となっており、連結部22a、連結部32b、補助当接部材40における第4部材42bの摺接関係は、摺接面32eと摺接面22eが摺接し、更に、摺接面32fと摺接面49fとが摺接する関係となっている。
【0073】
次に、第1部材20、第2部材30、補助当接部材40のそれぞれの具体的な摺動構成を説明する。第1部材20、第2部材30、補助当接部材40の連結状態については、上述のように、第1部材20及び第2部材30におけるコの字の開口側(連結部22a、22b、32a、32bが設けられている側)を互いに対向させ、摺接面22eに摺接面32eを、摺接面22hに摺接面32kを当接させた状態において、軸孔22c及び軸孔32dに嵌合突起45を嵌合させ、軸孔22d及び軸孔32cに嵌合突起44を嵌合させた場合の構成を採用する。
【0074】
補助装置10の使用状態としては、第1部材20と第2部材30とが180°に展開される状態である使用状態1、第1部材20と第2部材30とが閉じられた状態で補助当接部材40のみが起立する状態である使用状態2、机上等でスマートフォン等の携帯機器を支えるスタンドとして機能する使用状態3の3つの使用状態がある。補助装置10は、使用状態1、使用状態2、使用状態3の状態とする前の状態は共通で収納状態となっており、収納状態とは、連結部支持部21a、21bにおける凹凸25a、25bが形成されている面と、連結部支持部31a、31bにおける複数の凹凸35a、35bが形成されている面とを接触させた状態で、開口部23、開口部33に補助当接部材40が位置している状態である。まずは、使用状態1について説明をする。
【0075】
(使用状態1)
図10図11図12は、補助装置10が収納状態から使用状態1に至るまでを示した補助装置10の側面図である。図10(a)、(b)は、補助装置10の収納状態を示している。図10(a)、(b)においては、下側を第1部材20、上側を第2部材30として説明をする。
【0076】
図10(a)に示すように、収納状態においては、補助当接部材40に設けられた位置決め突起49aは、第3突起22mにおける矢印a1で示す回動方向に対して上流側の側面側に位置していることにより、補助当接部材40が図10(a)に示す収納状態から矢印a1方向に回動することが抑制されるため、補助当接部材40を位置決めし、保持することができる。
【0077】
また、図10(b)は、図10(a)に示す収納状態の側面とは反対側の側面を示した図である。図10(b)に示す収納状態においては、補助当接部材40に設けられた位置決め突起49cは、第3突起32jにおける矢印a1で示す回動方向に対して下流側の側面側に位置していることにより、補助当接部材40が図10(b)に示す収納状態から矢印a1方向で示す回動方向とは反対方向回動することが抑制されるため、補助当接部材40を位置決めし、保持することができる。以上の位置決め突起49a及び49cの作用により、補助当接部材40は、図10(a)、(b)に示す収納状態において、矢印a1方向及びこれとは反対方向へ容易に回動しないように位置決めされた状態を保持することができる。
【0078】
図11(a)は、第2部材30及び補助当接部材40を、第1部材20に対して略90°に展開した状態(以後、略90°展開状態とする)を示す図である。第2部材30及び補助当接部材40を、図10(a)に示した収納状態から第1部材20に対して略90°展開状態とするとき、位置決め突起49aは、第1突起22kに近付く方向に摺動し、第3突起22mを乗り越えた後、更に第2突起22lを乗り越え、第1突起22kを乗り越える。これにより、位置決め突起49aが、第1突起22kにおける矢印a2で示す回動方向に対して下流側の側面側に到達するため、第1突起22kに位置決め突起49aが引っ掛かり、補助当接部材40が図11(a)に示す矢印a2と反対方向(収納状態となる方向)に回動することを抑制するため、補助当接部材40を第1部材20に対して略90°の位置で位置決めすることができる。従って、補助装置10を使用状態1の状態(図12(a)、(b))としたときに、補助当接部材40を使用者の前面(例えば、胸部)に適切な位置で当接させることが可能となる。
【0079】
また、補助装置10を収納状態から略90°展開状態とするとき、当接突起46は、補助当接部材40の回動に伴い、当接突起止め部22jが位置する方向に移動し、当接突起止め部22jに当接する。これにより、補助当接部材40が第2部材30に対して略90°以上矢印a2の方向に回動することが防止される。従って、補助当接部材40が第1部材20に対して略90°以上展開されることがないため、補助装置10を使用状態1の状態としたときに、補助当接部材40を使用者の前面(例えば、胸部)に適切な位置で当接させることが可能となる。
【0080】
図11(b)は、図11(a)に示す側面とは反対側の側面を示した図である。第2部材30及び補助当接部材40を、図10(b)に示した収納状態から第1部材20に対して略90°展開状態とするとき、図11(b)に示す位置決め突起49cは、第3突起32jとの位置関係を、収納状態のときと同様の状態、すなわち第3突起32jにおける矢印a2で示す回動方向に対して下流側の側面側に位置している状態に保ったままとなっている。これにより、第3突起32jに位置決め突起49cが引っ掛かり、補助当接部材40が矢印a2と反対方向(収納状態となる方向)に回動することが抑制されるため、補助当接部材40を第1部材20に対して略90°の位置で位置決めすることができる。従って、補助装置10を使用状態1の状態(図12(a)、(b))としたときに、補助当接部材40を使用者の前面(例えば、胸部)に適切な位置で当接させることが可能となる。
【0081】
また、補助装置10を収納状態から略90°展開状態とするとき、当接突起47は、当接突起摺動面22f上を摺動し、第1当接突起止め部22gに当接する。これにより、補助当接部材40が矢印a2の方向に回動することが防止される。従って、補助当接部材40が第1部材20に対して略90°以上展開されることがないため、補助装置10を使用状態1の状態としたときに、補助当接部材40を使用者の前面(例えば、胸部)に適切な位置で当接させることが可能となる。
【0082】
図12(a)は、第2部材30を第1部材20に対して略180°に展開した状態、すなわち使用状態1を示す図であり、図12(b)は、図12(a)に示す側面とは反対側の側面を示した図である。略90°展開状態から使用状態1に展開されるとき、図12(a)に示す位置決め突起49aは、図11(a)に示す略90°展開状態の状態と同様の位置で保たれている。一方、図12(b)に示す位置決め突起49cは、略90°展開状態において第3突起32jと接していた状態から、第1突起32hと接する状態へと変化する。具体的には、第2部材30の回動に伴い、第3突起32jが位置決め突起49cを乗り越え、その後第2突起32iが位置決め突起49cを乗り越え、最後に第1突起32hが位置決め突起49cを乗り越える。これにより、位置決め突起49cが、第1突起32hにおける図11(b)の矢印a2で示す回動方向に対して上流側の側面側に位置する状態となるため、第1突起32hに位置決め突起49cが引っ掛かり、第2部材30が図11(b)に示す矢印a2と反対方向(略90°展開状態または収納状態となる方向)に回動することを抑制し、第2部材30を第1部材20に対して略180°の位置で展開した状態で保持することが出来る。
【0083】
また、補助装置10を略90°展開状態から使用状態1とするとき、図12(a)に示す当接突起46は、第一当接突起止め部32nに当接する。具体的には、第3部材20の回動に伴い、当接突起摺動面32mが当接突起46上を摺動することによって、当接突起46が第一当接突起止め部32nに当接するようになる。更に、補助装置10を略90°展開状態から使用状態1とするとき、図12(b)に示す当接突起止め部32gは、第2部材30の回動に伴い、当接突起47が位置する方向へ移動し、当接突起47に当接する。これにより、第2部材30が第1部材20に対して略180°以上展開することが防止され、補助装置10を使用者が使用するときに支持部31を適切な位置で保持することが可能となる。
【0084】
このような構成とすることにより、第2部材30を第1部材20に対して略180°に展開した状態で保持することが可能となり、更に、補助当接部材40を、第1部材20及び第2部材30を略180°に展開してなる展開面から略90°の角度で立設した状態に位置決めし、保持することが可能となるため、使用状態1において、第1部材20の第1当接部21と、補助当接部40の第2当接部41とを、使用者の前面に適当な位置で当接させることが可能となり、支持部31において、使用者の手や腕を適切な位置で支えることができる。
【0085】
また、使用状態1において携帯扇風機70等の機器を取り付けて使用する機器取付状態について説明する。機器取付状態とは、図13に示すように、補助装置10を使用状態1の状態としたときに、アダプタ60を用いて携帯扇風機70を補助装置10に取り付け、使用者が自身で携帯扇風機70を把持せずとも使用者に風をあてることができるようにする状態である。
【0086】
アダプタ60について説明する。アダプタ60は、図14に示すように補助当接部材40に設けられたアダプタ取付孔48cに取り付けられる部材である。アダプタ60は本体部61と取付部62によって構成されている。本体部61は略楕円形の環状の部材であり、略楕円の長軸の両端部には蛇腹形状部63が形成されているため伸縮可能となっている。従って本体部61の大きさを変えることができる。携帯扇風機70を取り付ける前の本体部61の径は携帯扇風機70の持ち手の径よりも小さくなっているが、蛇腹形状部63が設けられていることによって携帯扇風機70の持ち手を本体部61に挿通させようとしたときに本体部61が拡張する。これによってアダプタ60に携帯扇風機70を取り付けることが可能となる。また携帯扇風機70を挿通させた後は本体部61が縮小しようとする力が作用するため、その弾性力によって携帯扇風機70を保持することができる。また、携帯扇風機70は略環状の本体部61に対して回転可能であるため、使用者にとって携帯扇風機70を適切な角度で固定することができる。
【0087】
取付部62は略円筒形状であり、補助当接部材40に設けられたアダプタ取付孔48cに取り付け可能な径となっている。取付部62の本体部61とは反対側の端部には複数の切り欠き部64が形成されていることによって、取付部62を取付孔48cの径よりも小さく撓ませることができるため、取付部62を容易に取付孔48cに挿入することが可能となる。
【0088】
図14に示すように、アダプタ60は、取付部62が補助当接部材40に設けられた取付孔48cに挿入されることにより、補助装置10に取り付けられる。アダプタ60は取付部62と取付孔48cの内部との摩擦により角度調整が可能となっており、携帯扇風機70は本体部61に対して固定角度の調整が可能となっているため、アダプタ60と携帯扇風機70とをそれぞれ任意の角度で固定することができる。これにより、使用者にとって適切な位置で携帯扇風機70を固定することが可能となる。
【0089】
また、アダプタ60には携帯扇風機70以外の機器も取り付けることが可能である。例えば図15図16に示すように、懐中電灯80を取り付けることができる。上述したように、アダプタ60は取付部62と取付孔48cの内部との摩擦により角度調整が可能となっており、携帯扇風機70は本体部61に対して固定角度の調整が可能となっているため、懐中電灯80を取り付ける場合も同様に、光源81を任意の角度に固定しながら懐中電灯80を補助装置10に取り付けることができる。
【0090】
図17図18に示すアダプタ90は、アダプタ60の変形例である。アダプタ90は本体部91と取付部92によって構成されている。本体部91は環状の部材であり、蛇腹形状部93が形成されているため伸縮可能となっている。従って本体部91の大きさを変えることができる。携帯扇風機70を取り付ける前の本体部91の径は携帯扇風機70の持ち手の径よりも小さくなっているが、蛇腹形状部93が設けられていることによって携帯扇風機70の持ち手を本体部91に挿通させようとしたときに本体部91が拡張する。これによってアダプタ90に携帯扇風機70を取り付けることが可能となり、更に携帯扇風機70を本体部91に挿通させた後は本体部91に縮小しようとする力が作用するため、その弾性力によって携帯扇風機70を保持することができる。また、蛇腹形状部93における本体部91の内側に突出している箇所には突起95が設けられているため、携帯扇風機70を本体部91に挿通させた後に本体部91に縮小しようとする力が作用するときに、突起95が携帯扇風機70の持ち手を押圧することで携帯扇風機70を保持することができる。なお、携帯扇風機70は略環状の本体部91に対して回転可能であるため、使用者にとって携帯扇風機70を適切な角度で固定することができる。
【0091】
アダプタ90は、取付部92が補助当接部材40に設けられた取付孔48cに挿入されることにより、補助装置10に取り付けられる。取付部92は略円筒形状であり、補助当接部材40に設けられたアダプタ取付孔48cに取り付け可能な径となっている。取付部92の本体部91とは反対側の端部には切り欠き部94が形成されていることによって、取付部92を取付孔48cの径よりも小さく撓ませることができるため、取付部92を容易に取付孔48cに挿入することが可能となる。
【0092】
また、アダプタ90は図18に示すように取付部92と取付孔48cの内部との摩擦により角度調整が可能となっており、携帯扇風機70は本体部91に対して固定角度の調整が可能となっているため、アダプタ90と携帯扇風機70とをそれぞれ任意の角度で固定することができる。これにより、使用者にとって適切な位置で携帯扇風機70を固定することが可能となる。
【0093】
ここで、使用状態1の状態の補助装置10を実際に使用者が使用した状態について説明する。補助装置10を使用状態1の状態で使用する場合は、図19に示すように、まず補助装置10が使用者の前面に位置するようにベルト50を肩(首)に掛け、使用者の片方の脇の下を通す。続いて、第2部材30を回転させ補助装置10を開いた状態に展開し、第1当接部21及び第2当接部41を使用者の前面に当接させる。そして、支持部31に携帯機器100を持った使用者の手を載せる。このとき、支持部31が軸孔22c及び22dと軸孔32c及び32dよりも使用者から遠くかつ上方に位置し、第1当接部21が軸孔22c及び22dと軸孔32c及び32dよりも使用者に近くかつ下方に位置するように補助装置10の角度を調整することにより、支持部31に載せた携帯機器100を持った使用者の手の重さによって第1当接部21は使用者の腹部、第2当接部41は使用者の胸部に押し付けられ、ベルト50が使用者の前方斜め下方へと引っ張られる。これにより、携帯機器100を持った使用者の手を、安定的に使用者の前面から所定の距離に支持することが可能となる。また、補助装置10を使用状態1の状態で使用する場合は、使用者が補助装置10を使用しながら開口部23及び33を通して下方の路面等を目視することが可能となる。これにより、使用者は障害物を把握し易くなる。また、第2部材30と補助当接部材40との間の角度(図19に示す角度A)と、第1部材20と補助当接部材40との間の角度(図19に示す角度B)はそれぞれ略90°となるように位置決めされる。これにより、角度Aが90°よりも大きい場合に比べて、使用者が携帯機器100を持った手を支持部31に載せたときに、前を向いた状態の使用者の目線の高さに手を近付けることができるため、使用者は携帯機器100を使用しやすくなる。また、角度Aが90°よりも小さい場合に比べて、使用者が携帯機器100を持った手を支持部31に載せたときに、携帯機器100が使用者の目に近付きすぎることがないため、使用者は程よい距離から携帯機器100を見ることができ、更に使用者の手を支持部31に載せた際の安定性を高めることができる。
【0094】
また、ベルト50を肩(首)に掛け、更に使用者の片方の脇の下を通して使用する形態とすることにより、補助装置10を使用中にベルト50が体から外れることが抑制されるため、補助装置10を安定的に使用することができる。
【0095】
また、使用状態1は補助装置10全体の長さが収納状態と比べて長くなるため、第1当接部21及び第2当接部41を使用者の前面に当接させたときに、支持部31の位置が使用者の目線の高さに近くなる。すなわち、使用者が携帯機器100を持った手を支持部31に載せたときに、携帯機器100を近くで見ながら操作することが可能となる。
【0096】
なお、第1部材20と第2部材30は同一形状であるため、第2部材30の支持部31を使用者の前面(例えば、腹部)に当接させ、第1部材20の第1当接部21を使用者の手や腕を支持する支持部として使用してもよい。
【0097】
また、図20に示すように、補助装置10を使用状態1の状態とした場合に、使用者が両手で保持した携帯機器100を補助装置10に載せることができる。具体的には、段部34a及び34bに携帯機器100を載せることができる。これにより、両手で安定して携帯機器100を保持することができ、また腕の疲労を軽減することが可能となる。また、段部34a及び34bが第2部材30の支持部31側の先端部に設けられていることで、使用状態1の状態の補助装置10を使用者が体に装着したときに、段部34a及び34bが使用者の目線に近い場所に位置する。これにより、携帯機器100を段部34a及び34bに載せて使用すると、使用者の首が下を向くことを抑制でき、首の疲労を軽減することができる。
【0098】
図20に示すような状態で使用する場合、段部34a及び34bに載せるものは携帯機器100に限らず、例えば本でもよい。また、携帯機器100を載せる場所は段部34a及び34bに限らない。具体的には、補助装置10に段部34a及び34bを設けることに代えて、フック形状のものを設けるか、フック形状のものを後から取り付けて、当該フックに携帯機器100を載せる構成としてもよい。また、第1部材20及び第2部材30は同一の形状であるため、支持部31を使用者の前面に当接させ第1当接部21を支持部として使用する場合は、携帯機器100を段部24a及び24bに載せることで図20に示す状態で補助装置を使用することができる。
【0099】
また、図21に示すように、補助装置10に携帯扇風機70が固定された状態でも支持部31で携帯機器100を持った使用者の手を支持することができる。この状態では、使用者は自らが携帯扇風機70を持たなくても風を受けながら携帯機器100を持った手を支持部31に載せることができるため、例えば暑いときでも快適に携帯機器100を操作することが可能となる。
【0100】
更に、図22に示すように、補助装置10に懐中電灯80が固定された状態でも支持部31で携帯機器100を持った使用者の手を支持することができる。この状態では、使用者は自らが懐中電灯80を持たなくても光源81が発する光を例えば使用者の前方に向けて携帯機器100を持った手を支持部31に載せることができるため、例えば暗いときにも安全に携帯機器100を操作することが可能となる。
【0101】
(使用状態2)
次に、使用状態2について説明をする。図23はベルトを省略した補助装置10の使用状態2を示す斜視図であり、図24は、補助装置10の使用状態2を示した補助装置10の側面図であり、図25は、図24に示す側面とは反対側の側面を示した側面図である。図23図24図25における第1部材20及び第2部材30の位置関係は、補助当接部材40の起立方向に位置する部材を第2部材30とし、第2部材30と接触しており補助当接部材40の収納方向(補助当接部材40が開口部23、33に収まる方向)に位置する部材を第1部材20とする。補助当接部材40については、図24に示されている側面側の部材を第4部材42bとし、図25に示されている側面側の部材を第3部材42aとする。
【0102】
使用状態2とは、図23に示すように、第1部材20、第2部材30及び補助当接部材40を閉じた収納状態(例えば、図10(a)、(b)に示す状態)から、第2部材30を展開させずに補助当接部材40のみを所定角度に起立した起立位置まで回動させた状態を示す。この状態では、第1部材20の第1当接部21または第2部材30の支持部31を使用者の前面(例えば、腹部)に当接させ、補助当接部40の第2当接部41を使用者の前面(例えば、胸部)に当接させて使用するものである。収納状態から使用状態2とするには、収納状態において、補助当接部材40のみを第2部材30よりも上部、例えば第2部材30に対して略45°の角度となるように引き上げる。このときの補助当接部材40の、第1部材20及び第2部材30に対する摺動状態について具体的に説明する。
【0103】
補助装置10を使用状態2とする前の状態である収納状態は、上述した使用状態1の状態に至る前の収納状態と同様の状態である。具体的には、図24に示す位置決め突起49cは、第3突起32jにおける矢印bで示す回動方向に対して下流側の側面側に位置している。一方、図25に示す位置決め突起49aは、第3突起22mにおける矢印bで示す回動方向に対して上流側の側面側に位置している。これにより、補助当接部材40が、図24及び図25に示す収納状態から矢印b方向に回動することが抑制され、補助当接部材40を開口部23及び開口部33の位置に位置決めし、保持することができる。
【0104】
補助当接部材40を、第2部材30に対して略45°となる角度まで引き上げるとき、図24に示す位置決め突起49cは、第4突起32k側に移動して第4突起32kを乗り越え、第4突起32kにおける矢印bで示す回動方向に対して下流側の側面側に位置する状態となる。これにより位置決め突起49cが第4突起32kに引っ掛かり、補助当接部材40が、矢印bが示す回動方向と反対方向に回動することを抑制している。
【0105】
また、位置決め突起49cが第4突起32kにおける矢印bで示す回動方向に対して下流側の側面側に位置する状態となるとき、当接突起47は第1突起32hに当接するため、補助当接部材40が第2部材30に対して略45°以上回動してしまうことを抑制することが可能となる。これにより、補助当接部40を、使用者の前面(例えば、胸部)に適当な位置で当接させることが可能となる。
【0106】
また、補助当接部材40を、第2部材30に対して略45°となる角度まで引き上げるとき、図25に示す位置決め突起49aは、第3突起22mを乗り越えて第2突起22l側に移動し、第2突起22lにおける矢印bで示す回動方向に対して上流側の側面側に位置する状態となる。これにより、位置決め突起49aが第2突起22lに引っかかる状態となるため、第1部材20が矢印b方向と反対側に回動することを抑制することが可能となり、第1部材20における第1当接部21を使用者の前面(例えば、腹部)に適当な位置で当接させることができる。
【0107】
また、位置決め突起49aが第2突起22lにおける矢印bで示す回動方向に対して上流側の側面側に位置する状態となるとき、当接突起46は第2当接突起止め部32oに当接するため、補助当接部材40が第2部材30に対して略45°以上起立してしまうことを抑制することが可能となる。これにより、補助当接部40を、使用者の前面(例えば、胸部)に適当な位置で当接させることが可能となる。
【0108】
このような構成とすることにより、補助当接部材40を第2部材30に対して略45°で保持することが可能となり、使用状態2において、第1部材20の第1当接部21または第2部材30の支持部31と、補助当接部40の第2当接部41とを、使用者の前面に適当な位置で当接させることが可能となる。
【0109】
また、使用状態2においても、アダプタ60を用いて携帯扇風機80等の機器を取り付けることが可能である。
【0110】
ここで、補助装置10を使用状態2の状態で使用する場合について説明する。図26に示すように、まず、補助装置10が使用者の前面に位置するようにベルト50に左右いずれかの腕を通して肩に掛け、ベルト50が左右いずれかの肩に掛かった状態とする。続いて、補助当接部材40を第1部材20及び第2部材30の開口部23及び33から引き出して第2部材30に対して略45°の角度となるようにし、第2当接部41及び第1部材20の第1当接部21、または第2部材30の支持部31を使用者の前面に当接させる。第1当接部21及び支持部31の両方を使用者の腹部に当接させることにより、安定的に当接させるとができる。そして第2支持部49g、49hに携帯機器100を持った使用者の手を載せる。このとき、第2支持部49g、49hが補助当接部材40に設けられた掛合部43a及び43bよりも使用者から遠くかつ上方に位置し、第1当接部21または支持部31が補助当接部材40に設けられた掛合部43a及び43bよりも使用者に近くかつ下方に位置するように補助装置10の角度を調整することにより、第2支持部49g、49hに載せた携帯機器100を持った使用者の手の重さによって第1当接部21または支持部31は使用者の腹部、第2当接部41は使用者の胸部に押し付けられ、ベルト50が使用者の前方斜め下方へと引っ張られる。これにより、携帯機器100を持った使用者の手を、安定的に使用者の前面から所定の距離に支持することが可能となる。また、補助装置10を使用状態2の状態で使用する場合は、使用者が補助装置10を使用しながら開口部23及び33を通して下方の路面等を目視することが可能となる。これにより、使用者は障害物を把握し易くなる。
【0111】
また、ベルト50に左右いずれかの腕を通した後肩に掛けて使用することにより補助装置10をスムーズに使用することができる。
【0112】
使用状態2は、第2部材30の第1部材20に対しての角度が0°になるように折り畳んだ状態であるため、ドアノブ等に引っ掛けるといった不都合が発生することを抑制することができる。従って、狭い場所でも場所をとらずに補助装置10を使用することが可能となる。
【0113】
なお、第1部材20と第2部材30は同一形状であるため、補助当接部材20を第1部材20に対して略45°引き上げた状態で使用してもよい。
【0114】
(使用状態3)
次に、使用状態3について説明する。図27は使用状態3を示す斜視図であり、図28及び図29は補助装置10の使用状態3を示した補助装置10の側面図である。使用状態3とは、補助装置10を机等に置き、スマートフォン等の携帯機器100を立て掛けるスタンドとして使用することができる状態である。具体的には、図27に示すように収納状態から第2部材30及び補助当接部材40を第1部材20に対して90°の角度で起立した状態まで回動させた状態を示す。図28における携帯機器100は長辺側の側面が示されており(縦置き)、図29における携帯機器100は短辺側の側面が示されている(横置き)。なお、図28及び図29における第1部材20及び第2部材30の位置関係については、補助当接部材40の起立方向に位置する補助当接部材40と共に起立している部材を第2部材30とし、該第2部材に対して略90°の角度に位置する部材が第1部材20とする。また、補助装置10を収納状態から使用状態3の状態とする流れについては、使用状態1に至るまでの流れを説明したように、収納状態(図10(a)、(b))から略90°展開状態(図11(a)、(b))とする流れと同様であるため、省略する。
【0115】
補助装置を略90°展開状態とした場合、図11(b)に示す位置決め突起49cが第3突起32jとの位置関係を収納状態のときと同様の状態、すなわち第3突起32jにおける矢印a2で示す回動方向に対して下流側の側面側に位置している状態に保ったままとなっていることにより、第2部材30が図11に示す矢印a2方向に回動することが抑制されるため、第2部材30を第1部材20に対して略90°に展開した状態を保つことが可能となる。
【0116】
また、上述したように第2部材30に設けられている連結部32aには略直角に形成された箇所があるため、使用状態3の状態にした補助装置10安定的に机等に置くことができる。
【0117】
このような構成とすることにより、第2部材30及び補助当接部材40を第1部材20に対して略90°の位置で位置決めすることができるため、例えば使用状態3の状態で第1部材20を机等に置き、スマートフォンなどの携帯機器100を補助装置10に立て掛けたときに、携帯端末機を安定的に支えることが可能となる。
【0118】
補助装置10を使用状態3の状態とした場合の具体的な使用方法を説明する。携帯機器100を補助装置10に立て掛ける場合は、複数の凹凸25a、25bまたは複数の凹凸35a、35bの利用が必要となる。上記の使用状態3の説明では第2部材30及び補助当接部材40を起立させているため、例として第1部材20に設けられている複数の凹凸25a、25bを利用した場合について説明する。
【0119】
携帯機器100を縦置きする場合は、携帯機器100の第1部材20に接する短辺側の側面(下側)を複数の凹凸25a、25bにおけるいずれかの凹部に置く。これにより、携帯機器100の下側の側面が滑らないように保持することができる。そして携帯機器100を第2部材30及び補助当接部材40側に傾けることによって、携帯機器100を補助装置10に安定的に立て掛けることができる。また、携帯機器100の下側の側面については置く凹部の位置を変えることにより、使用者にとって適切な角度で携帯機器100を傾けて補助装置10に立て掛けることが可能となる。
【0120】
携帯機器100を横置きする場合も縦置きの方法と同様に補助装置10に対して携帯機器100を立て掛けることができる。従って、携帯機器100を縦置きと横置きのどちらでも使用者にとって適切な角度で安定的に補助装置10に立て掛けることができる。
【0121】
また、携帯機器100を補助装置10に立て掛ける際のずれ防止手段として、複数の凹凸25a、25b(または複数の凹凸35a、35)を設けることに限らず、携帯機器100を置く部分に摩擦抵抗を大きくする加工を施してもよい。
【0122】
なお、第1部材20と第2部材30は同一形状であるため、第1部材20及び補助当接部材40を第2部材30に対して90°の角度で起立した状態で使用してもよい。
【0123】
以上の構成において、補助装置10は、携帯機器100を持った使用者の手をその後ろから支持する。この場合、補助装置10の大きさは、第2部材30を第1部材に対して略180°に開いた使用状態1とした場合に、第1部材20及び第2部材30を合わせた全体の長さとして、使用者が携帯機器100を手に持って使用する状態(携帯機器100の表示画面や操作キーを使用者が目視し得る状態)における手の位置に合致した位置となる長さに形成されている。なお、全体の長さは使用者の体格や年齢等に合わせて種々の大きさを適用することができる。
【0124】
これにより、携帯機器100を手に持った使用者は、その姿勢を保ったままその手を支持部31に載せることができる。この場合、手を載せるための支持部31が設けられている第2部材30の幅は、使用者の片手を載せるために必要となる最低限の幅となっていることにより、使用者の前方において使用される補助装置10が使用者にとって邪魔になることを抑制することができる。
【0125】
また、第2部材30の支持部31の幅として、使用者の片手を載せるために必要最低限の幅とすることにより、第2部材30(第1部材20)の幅が大きくなることを避け、これにより補助装置10の携帯性を維持することができる。
【0126】
また、第1部材20及び第2部材30が同一形状で構成されていることにより、例えば第1当接部21を使用者の手又は腕を載せるための支持部とし、支持部31を使用者の前面(例えば、腹部)に当接させる当接部として補助装置10を使用することも可能となるため、補助装置10を使用状態とするときに補助装置10の上下や裏表の向きを気にする必要がなく、補助装置10の使用時にスムーズに使用状態に展開することができる。
【0127】
また、補助装置10を使用状態2とした場合の補助装置10の大きさは、第1部材20または第2部材30の長さとして、使用者が携帯機器100を手に持って使用する状態(携帯機器100の表示画面や操作キーを使用者が目視し得る状態)における手の位置に合致した位置となる長さに形成されている。なお、全体の長さは使用者の体格や年齢等に合わせて種々の大きさを適用することができる。
【0128】
このように、本実施形態の補助装置10においては、使用者の手を支持することにより、使用者が携帯機器100を持つことを補助することができる。これにより、使用者は、携帯機器100を長時間持っても疲労感が高まることを抑制することが可能となる。
【0129】
また、補助装置10には、携帯機器100を立て掛けることができる。これにより、使用は携帯機器100を手で持つことなく、携帯機器100を見やすい角度及び位置に置くことができる。
【0130】
また、本発明における補助装置10は、同一形状の第1部材20及び第2部材30、また同一形状の第3部材42aと第4部材42bとを組み合わせて形成される補助当接部材40とを組み合わせる構成であることから、使用する部品は2種類のみであるため製造コストを抑えることができる。
【符号の説明】
【0131】
10 補助装置
20 第1部材
21 第1当接部
30 第2部材
31 支持部
40 補助当接部材
41 第2当接部
42a 第3部材
42b 第4部材
50 ベルト
60 アダプタ
70 携帯扇風機
80 懐中電灯
90 アダプタ
100 携帯機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
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図22
図23
図24
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図26
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図28
図29