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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140155
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】燃焼用棒状体の保持具
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/07 20060101AFI20220915BHJP
   F23B 20/00 20060101ALI20220915BHJP
   F24B 13/02 20060101ALI20220915BHJP
   F23L 1/00 20060101ALN20220915BHJP
【FI】
A47J37/07
F23B20/00
F24B13/02 E
F23L1/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040850
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】520436910
【氏名又は名称】株式会社Y’sトレーディング
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】石川 泰夫
(72)【発明者】
【氏名】石川 斗希
【テーマコード(参考)】
3K023
3K046
4B040
【Fターム(参考)】
3K023AA06
3K046AA05
3K046AD01
3K046BA02
3K046FA04
4B040AA04
4B040AA10
4B040CA03
(57)【要約】
【課題】 本発明は、木片などの燃焼用棒状体を十分な燃焼用空気の供給下において十分に燃焼させることができ、燃焼用棒状体の燃焼による火力を、直火焼きによる食材の調理や夜間における明かりとして用いるなど、多種多様な用途に供することができる燃焼用棒状体の保持具を提供する。
【解決手段】 本発明の燃焼用棒状体の保持具は、複数本の燃焼用棒状体間に配設されて上記燃焼用棒状体の対向面間に燃焼用空気の通気路を形成するスペーサ部材と、上記スペーサ部材を介して配設された上記燃焼用棒状体同士を結束する結束部材とを備えていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の燃焼用棒状体を載置するための載置台と、
上記載置台上の燃焼用棒状体を上記燃焼用棒状体間に燃焼用空気の通気路を形成しながら支持するための支持部材とを有することを特徴とする燃焼用棒状体の保持具。
【請求項2】
支持部材は、
複数本の燃焼用棒状体間に配設されて上記燃焼用棒状体の対向面間に燃焼用空気の通気路を形成するスペーサ部材と、
上記スペーサ部材を介して配設された上記燃焼用棒状体同士を結束する結束部材とを備えていることを特徴とする請求項1に燃焼用棒状体の保持具。
【請求項3】
結束部材は、スペーサ部材を介して配設された燃焼用棒状体の配設方向に伸びる連結部材と、この連結部材の両端部に配設され且つ複数本の燃焼用棒状体を結束するために挟持する挟持片とを有していることを特徴とする請求項2に記載の燃焼用棒状体の保持具。
【請求項4】
載置台上にスペーサ部材が立設されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の燃焼用棒状体の保持具。
【請求項5】
スペーサ部材は、結束部材の連結部材が挿通する連結部材挿通口を有し、上記連結部材挿通口に、結束部材の連結部材が挿通されていることを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載の燃焼用棒状体の保持具。
【請求項6】
スペーサ部材は、連結部材挿通口内において上下方向及び/又は左右方向に移動可能に構成されていることを特徴とする請求項2~5の何れか1項に記載の燃焼用棒状体の保持具。
【請求項7】
支持部材は、互いに隣接する燃焼用棒状体間に介在して上記燃焼用棒状体の対向面間に燃焼用空気の通気路を形成するための桟部を有していることを特徴とする請求項1に記載の燃焼用棒状体の保持具。
【請求項8】
支持部材は、板状体に燃焼用棒状体を挿通するための複数個の支持孔が互いに独立して形成されていることを特徴とする請求項7に記載の燃焼用棒状体の保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼用棒状体の保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、屋外において、友人や家族と共に或いは一人でキャンプを楽しむことが盛んに行われている。キャンプにおいて、料理を調理するために木片を燃やし、夜間においては、照明としてたいまつを焚くことがある。
【0003】
特許文献1には、手方向に順次並ぶ、空気取入れ口を有する脚部並びに該脚部より幅が狭い胴部及び該胴部より幅が狭い頭部からなり、前記胴部の片方の縁から前記脚部の肩沿いに切欠いた第一の切欠き、並びに前記頭部の片方の縁から前記胴部の肩沿いに切欠いた第二の切欠きを有し、かつ円柱面に沿うように湾曲しており、前記円柱面の円周方向に所定間隔で配置される複数の側板と、通気孔と前記複数の側板の胴部を個々に受け入れる複数の第一の長穴とを有する火床板と、前記複数の側板の頭部を個々に受け入れる複数の第二の長穴を有する板状リングと、を備え、組立時に、前記複数の側板の胴部を夫々前記第一の長穴に挿入した後、前記第一の切欠きの中に前記第一の長穴の一端が入るように前記複数の側板に対して前記火床板を回転させると共に、前記頭部を前記第二の長穴に挿入した後、前記第二の切欠きの中に前記第二の長穴の一端が入るように前記複数の側板に対して前記板状リングを回転させる携帯用焚火台が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6813708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記携帯用焚火台は、胴部内に木切れや枯れ葉などの植物系燃料を投入し、植物系燃料を燃焼させて用いられるが、胴部内にて燃焼させていることから、植物系燃料の燃焼のための空気が不足し、植物系燃料の燃焼が不十分になるという問題点を有する。
【0006】
又、上記携帯用焚火台は、胴部内において植物系燃料を燃焼させていることから、植物系燃料の燃焼による火力を直接用いた用途、例えば、直火焼きによる食材の調理や、夜間において、明かりとして用いるには不十分であるという問題点を有する。
【0007】
本発明は、木片などの燃焼用棒状体を十分な燃焼用空気の供給下において十分に燃焼させることができ、燃焼用棒状体の燃焼による火力を、直火焼きによる食材の調理や夜間における明かりとして用いるなど、多種多様な用途に供することができる燃焼用棒状体の保持具を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の燃焼用棒状体の保持具は、
複数本の燃焼用棒状体を載置するための載置台と、
上記載置台上の燃焼用棒状体を上記燃焼用棒状体間に燃焼用空気の通気路を形成しながら支持するための支持部材とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の燃焼用棒状体の保持具は、載置台上に載置された複数本の燃焼用棒状体をこれらの燃焼用棒状体間に燃焼用空気の通気路を形成しながら支持部材によって支持しているので、燃焼用棒状体に燃焼用空気の通気路を通じて燃焼用空気を十分に供給して、燃焼用棒状体を確実に燃焼させることができ、燃焼用棒状体の燃焼による炎は外部に露出しており、燃焼用棒状体の燃焼による火力を調理や夜間の明かりなどの様々な用途に好適に用いることができる。
【0010】
本発明の燃焼用棒状体の保持具は、複数本の燃焼用棒状体を載置するための載置台と、載置台上の複数本の燃焼用棒状体を支持するための支持部材とを含むので、軽量性及び携帯性に優れ、所望の場所に携行して用いることができる。
【0011】
燃焼用棒状体の保持具において、複数本の燃焼用棒状体間にスペーサ部材を介在させて燃焼用棒状体の対向面間に燃焼用空気の通気路を形成している場合には、燃焼用棒状体の燃焼に必要な燃焼用空気を十分に供給して燃焼用棒状体の燃焼を十分なものとし、燃焼用棒状体の燃焼による十分な火力を調理又は夜間における明かりなどの様々な用途に用いることができる。
【0012】
又、スペーサ部材を介して配設された複数本の燃焼用棒状体を結束部材によって結束している場合には、一の燃焼用棒状体の燃焼による火力を他の燃焼用棒状体の燃焼に供することができ、複数本の燃焼用棒状体の燃焼を確実に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の燃焼用棒状体の保持具を示した斜視図である。
図2図1の燃焼用棒状体の保持具を示した側面図である。
図3図1の燃焼用棒状体の保持具を示した平面図である。
図4図1の燃焼用棒状体の保持具の使用状態を示した斜視図である。
図5図1の燃焼用棒状体の保持具の使用状態を示した側面図である。
図6図1の燃焼用棒状体の保持具の使用状態を示した断面図である。
図7】結束部材を示した斜視図である。
図8図7の結束部材を示した断面図である。
図9】燃焼用棒状体の保持具の他の一例を示した斜視図である。
図10】結束部材の他の一例を示した斜視図である。
図11】燃焼用棒状体の保持具の他の一例の使用状態を示した斜視図ある。
図12】燃焼用棒状体の保持具の他の一例の使用状態を示した斜視図ある。
図13】燃焼用棒状体の保持具の他の一例の使用状態を示した斜視図ある。
図14】燃焼用棒状体の保持具の他の一例を示した斜視図である。
図15図14の燃焼用棒状体の保持具の使用状態を示した斜視図である。
図16】燃焼用棒状体の保持具の他の一例を示した斜視図である。
図17図16の燃焼用棒状体の保持具の使用状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の燃焼用棒状体の保持具の一例を図面を参照しつつ説明する。燃焼用棒状体の保持具Aは、図1~4に示したように、複数本の燃焼用棒状体Bを起立状態にて載置可能な面積を有する載置台1と、この載置台1の上面に上方に向かって起立状態に配設されたスペーサ部材2とを有している。なお、燃焼用棒状体Bは、燃焼可能であれば、特に限定されず、例えば、木片、燃焼可能な材料(例えば、木粉、有機系材料など)から形成された棒状の燃焼体などが挙げられる。
【0015】
燃焼用棒状体の保持具Aにおける載置台1は、複数本の燃焼用棒状体B、B・・・を起立状態にて載置可能な面積を有する平面矩形状の板状体から形成されている。なお、図1では、4本の燃焼用棒状体Bを載置可能な面積を有する平面正方形状に形成されているが、2本若しくは3本又は4本以上の燃焼用棒状体Bを載置可能な面積又は形状を有する板状体であってもよい。
【0016】
載置台1の下面には脚部材11が一体的に設けられている。脚部材11は、二本の一定幅及び一定長さを有する帯状体111、111をその中央部において互いに交差した状態(例えば、十字状など)に上下に重ね合わせた状態にて載置台1の下面中央部に汎用の固定具によって固定されている。脚部材11の帯状体111、111は、その長さ方向の両端部を下方に向かって屈曲させることによって所定長さを有する脚部11aが形成されている。載置台1を脚部材11によって燃焼用棒状体の保持具Aの載置面(例えば、地面など)から所定高さだけ高い位置に配設することによって、載置台1上に配設した燃焼用棒状体Bの下端部にも燃焼用空気を円滑に供給可能に構成している。
【0017】
燃焼用棒状体の保持具Aは、載置台1上に載置された複数本の燃焼用棒状体B、B・・・を載置台1上において安定的に支持するために支持部材Dを有している。支持部材Dは、スペーサ部材2と結束部材3とを備えている。
【0018】
載置台1の上面中央部には、スペーサ部材2が上方に向かって起立した状態に一体的に設けられている。スペーサ部材2は、2枚の正面長方形状の一定厚みを有するスペーサ片21、21を互いに対向する対向面間に後述する結束部材3の連結部材31が挿通可能な隙間を存して配設することによって構成されており、この上下方向に長く且つ上方に開口した隙間を連結部材挿通口20に形成している。連結部材挿通口20の左右幅は、結束部材3の連結部材31の左右寸法に略合致してもよいし、連結部材31が左右方向に移動可能な寸法に形成されていてもよいが、連結部材31が左右方向に変位可能な寸法に形成されていると、燃焼用棒状体Bに対する連結部材31の挟持片32の当接位置を調整することができ、燃焼用棒状体Bの表面形状に応じて、燃焼用棒状体Bをより強固に且つ確実に結束できるので好ましい。スペーサ片21、21は、同一方向を向いた主面21a、21aが同一平面上に位置するように配設されており、載置台1上において、スペーサ部材2によって区画された区画面1a、1bのうち、同一区画面上に載置された2本の燃焼用棒状体B、B同士を結束部材3によって強固に結束可能に構成している。載置台1の同一区画面上に載置された2本の燃焼用棒状体B、Bを結束部材3によって強固に結束することにより、燃焼用棒状体B、B間において、一方の燃焼用棒状体Bの火力を他方の燃焼用棒状体Bの燃焼に供するなどして、一部の燃焼用棒状体Bに燃焼不足が発生することを防止し、全ての燃焼用棒状体Bを円滑に且つ確実に燃焼させることができる。
【0019】
載置台1上において、スペーサ部材2のスペーサ片21を挟んで二本の燃焼用棒状体B、Bが起立した状態に載置される。図1に示した燃焼用棒状体の保持具Aの載置台1においては、図4~6に示したように、載置台1上に、各スペーサ片21を挟んで2本の燃焼用棒状体B、Bが起立した状態に載置され、載置台1上には合計4本の燃焼用棒状体B、B・・・が載置可能に構成されている。なお、載置台1の平面形状は、4本の起立状態の燃焼用棒状体Bを安定的に載置できればよく、平面から見て、4本の起立状態の燃焼用棒状体B全体の外形に合致している必要はなく、燃焼用棒状体B全体の外形よりも大きくても小さくてもよい。
【0020】
載置台1上に起立状に配設された燃焼用棒状体Bを結束する結束部材3は、連結部材31と、この連結部材31の両端部に配設された挟持片32、32とを有している。連結部材31は、スペーサ部材2の連結部材挿通口20に挿通させて用いられ、両端部が載置台1の外周縁から突出する長さに形成されている。なお、図1に示した燃焼用棒状体の保持具Aでは、2個の結束部材3を上下に配設した場合を示したが、結束部材3は1個であってもよいし(図9参照)、3個以上であってもよい。
【0021】
連結部材31の両端部には、載置台1上に載置した燃焼用棒状体Bを挟持して結束するための挟持片32、32が連結部材31の長さ方向に変位可能に配設されている。挟持片32にはその中央部に連結部材31が挿通可能な挿通孔32bが両面間に亘って貫通しており、この挿通孔32bに連結部材31の端部を挿通させている。
【0022】
連結部材31の両端部のそれぞれには螺子部31a、31aが形成されており、この螺子部31a、31aには進退自在に螺合したナット体33、33が配設されている。そして、ナット体33を螺進させることによって、連結部材31の両端部に配設している挟持片32、32がスペーサ部材2に向かって押し進めされて挟持片32、32の対向面間の距離が小さくなるように構成されている。
【0023】
挟持片32は、図7及び図8に示したように、横長長方形状の板状体からなり、この板状体の長さ方向の両端部をそれぞれスペーサ部材2側に向かって屈曲させて挟持爪32a、32aが形成されている。なお、挟持片32は、横長長方形状に限定されるものではなく、燃焼用棒状体Bを挟持して、複数本の燃焼用棒状体Bを結束一体化できる形状であればよい。
【0024】
挟持片32における連結部材31の長さ方向に交差する方向の長さは、載置台1における同一区画面1a(1b)上に載置された2本の燃焼用棒状体B、Bのうち、一方の燃焼用棒状体Bに一方の挟持爪32aが、他方の燃焼用棒状体Bに他方の挟持爪32aが到達するする長さに形成されている。
【0025】
そして、連結部材31の両端部に配設した挟持片32、32をナット体33、33を螺進させて互いに近接する方向に引き寄せることによって、挟持片32、32の挟持爪32a、32aが、これらの挟持爪32a、32aに対向する燃焼用棒状体B、Bの表面に当接し、燃焼用棒状体Bを強固に挟持して保持し、スペーサ部材2を介して配設された複数本の燃焼用棒状体B、Bが一対の挟持片32、32によって強固に挟持、結束一体化されるように構成されている。
【0026】
なお、挟持片32は、スペーサ部材2を介して配設された複数本の燃焼用棒状体B、Bを挟持し結束一体化できればよく、両端部に挟持爪32aが形成されている必要はなく、平板状であってもよい(図10参照)。
【0027】
又、挟持片32の両端部のそれぞれをこれら端部に対向する燃焼用棒状体Bから連結部材31に交差する方向(水平方向)に突出させ、挟持片32における燃焼用棒状体Bから突出した端部をスペーサ部材2側に屈曲させて抱持片32c、32cとし、一対の挟持片32、32によって複数本の燃焼用棒状体B、B・・・を挟持した状態において、燃焼用棒状体Bを側方から抱持片32c、32cによって抱持するように構成してもよい。
【0028】
次に、燃焼用棒状体の保持具Aの使用要領について説明する。燃焼用棒状体の保持具Aにおける載置台1を地面などの所望の載置場所に安定的に載置した後、2個の結束部材3、3をその連結部材31、31がスペーサ部材2の連結部材挿通口20内に挿通された状態となるように、連結部材挿通口20の上端開口部を通じて挿入し、配設する。この状態において、2個の結束部材3、3は、スペーサ部材2の連結部材挿通口20内において相対的に上下方向に位置し又は重ね合わせられている(図1参照)。なお、結束部材3のナット体33、33を螺退させて挟持片32、32を連結部材31の両端まで変位させておくことが好ましい。
【0029】
この状態において、載置台1の上面は、平面(上方)から見て、スペーサ部材2によって2個の区画面1a、1bに区画され、この区画面1a、1bは、結束部材3の連結部材31によって2個に更に区画され、載置台1の上面は、スペーサ部材2及びこのスペーサ部材2に交差した状態に配設された結束部材3によって4個に区画されている。
【0030】
そして、図4に示したように、載置台1の4個に区画された上面のそれぞれに燃焼用棒状体Bを立設状態に載置する。なお、燃焼用棒状体Bの高さは、スペーサ部材2の高さよりも高く形成されており、4個の燃焼用棒状体Bは、スペーサ部材2の上端から上方に突出した状態となっている。又、図4に示した燃焼用棒状体Bは、四角柱状に形成されているが、棒状であればよく、円柱状や、四角柱以外の角柱状であってもよく、木片のように不規則な形状を有していてもよい。
【0031】
しかる後、結束部材3の両側のナット体33、33を螺進させて一対の挟持片32、32を互いに近接する方向(スペーサ部材2に近接する方向)に引き寄せる。すると、結束部材3の一対の挟持片32、32の挟持爪32a、32aがこれに対向している燃焼用棒状体B、Bの表面に当接して食い込みながら、燃焼用棒状体B、Bの下端部をスペーサ部材2に押し付け、燃焼用棒状体Bの下端部が結束部材3の挟持片32とスペーサ部材2とによって挟持、固定され、スペーサ部材2を介して配設された燃焼用棒状体B、Bが結束一体化される。
【0032】
更に、結束部材3の連結部材31を介して配設された燃焼用棒状体B、B同士は、これらの燃焼用棒状体B、Bに跨がって双方の燃焼用棒状体B、Bに当接し且つスペーサ部材2に向かって燃焼用棒状体B、Bを押圧している結束部材3の挟持片32を介して一体化されており、4本の燃焼用棒状体B、B・・・は、載置台1上にて、スペーサ部材2及び結束部材3によって結束一体化された状態に固定されている。
【0033】
上述のように、複数本の燃焼用棒状体Bを結束部材3によって結束するにあたって、結束部材3の連結部材31をスペーサ部材2の連結部材挿通口20に沿って上下に移動させて、燃焼用棒状体Bの長さなどを考慮して最適な位置にて燃焼用棒状体Bの下端部を挟持することができる。
【0034】
更に、燃焼用棒状体Bは、木片などのように表面形状が不規則であることが多いが、結束部材3の連結部材31をその軸芯を中心に回転させ、連結部材31の両端部に取り付けた挟持片32、32の挟持爪32a、32aの燃焼用棒状体B表面に対する当接位置を燃焼用棒状体Bの表面形状に応じて調整することができ、様々な表面形状を有する燃焼用棒状体B、B・・・同士を結束部材3によって確実に且つ強固に挟持することができる。
【0035】
そして、載置台1上において、全面的に外部に露出状態にて安定的に固定された燃焼用棒状体B、B・・・の上端部に火を付けて安全に燃焼させて、食材の調理や夜間における明かりなど、様々な用途に用いることができる。
【0036】
載置台1上にて結束一体化された4本の燃焼用棒状体B、B・・・の下端部間には、スペーサ部材2又は結束部材3の連結部材31が介在しており、燃焼用棒状体B、Bの対向面間には、燃焼用棒状体Bの燃焼用空気の通気路Cが形成されている。
【0037】
特に、結束部材3の連結部材31を介して対向している燃焼用棒状体B、B間には、連結部材31が介在しているだけであるので、燃焼用棒状体B、Bの対向面間には、下端から上端の略全長に亘って燃焼用空気の通気路Cが形成されており、この通気路Cを通じて燃焼用棒状体Bに十分な燃焼用空気が供給され、燃焼用棒状体Bは良好に燃焼する。
【0038】
又、燃焼用棒状体B、B・・・は、その下端部のみにおいて結束部材3、3によって結束一体化され、燃焼用棒状体Bは、それらの下端部がスペーサ部材2に押圧されていることから、燃焼用棒状体Bの上端部は逆に外側に向かって互いに離間し易くなっている。従って、燃焼用棒状体B、Bの上端部における対向面間には、燃焼用空気の通気路Cがより十分に確保されており、燃焼用棒状体B、Bの上端部の燃焼部分に燃焼用空気をより確実に供給して燃焼用棒状体Bの燃焼を確実なものとすることができる。
【0039】
燃焼用棒状体Bは、結束部材によって結束固定され、概ねその全体が外気に接触しており、燃焼用棒状体B、B間に形成された燃焼用空気の通気路Cの存在も相まって、燃焼用棒状体Bは、十分な燃焼用空気の供給を得て十分に且つ確実に燃焼することができる。
【0040】
上記燃焼用棒状体の保持具Aでは、スペーサ部材2に、その上下端間の全長に亘り且つ上端が開口している上下に長い形状の連結部材挿通口20が形成された場合を説明したが、下記の構成を有する燃焼用棒状体の保持具Aであってもよい。なお、上記した燃焼用棒状体の保持具Aと同一の構成については同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
燃焼用棒状体の保持具Aにおいて、連結部材挿通口20は、スペーサ部材2の上下端間の全長に亘って形成されている必要はなく、スペーサ部材2の一部に形成されていてもよく、又、上端が閉塞されていてもよい(図12参照)。
【0042】
燃焼用棒状体の保持具Aにおいて、スペーサ部材2に、上下方向に長い連結部材挿通口20を形成することなく、図13に示したように、結束部材3の連結部材31がその長さ方向に変位可能に挿通可能な円形状の連結部材挿通口20を形成し、この連結部材挿通口20に連結部材31を挿通させてもよい。なお、スペーサ部材2を1枚のスペーサ片から構成し、スペーサ部材2にその両面間に貫通する1個又は複数個の連結部材挿通口20を形成した(複数個の連結部材挿通口20を形成する場合は、複数個の連結部材挿通口20を上下方向に所定間隔を存して形成することが好ましい)こと以外は図1の燃焼用棒状体の保持具Aと同様の構成を有している。又、燃焼用棒状体の保持具Aにおいて、連結部材挿通口20は、左右方向に長い連結部材挿通口20としてもよい。
【0043】
燃焼用棒状体の保持具Aは、載置台1上にスペーサ部材2を一体的に設けた場合を説明したが、載置台1を有している必要はなく、スペーサ部材2を自立可能に構成し、スペーサ部材2を地面などの載置面上に起立状態に載置すると共に、燃焼用棒状体Bを載置面に載置させるように構成されてもよい。なお、結束部材3は、上記燃焼用棒状体の保持具Aの場合と同様の構成を有するものを用いることができる。
【0044】
上記した燃焼用棒状体の保持具Aは、載置台1上に載置した燃焼用棒状体Bを結束部材3によって結束一体化する構造を有している場合を説明したが、これに限定されず、載置台1上に載置した複数本の燃焼用棒状体Bがこれらの対向面間に燃焼用空気の通気路が形成されながら載置台1上にて支持可能であればよい。
【0045】
図14に示したように、載置台1上に支持棒4が上方に向かって立設固定されており、この支持棒4に支持部材Dが支持棒4の長さ方向に移動可能に且つ所望位置にて固定可能に配設されている。
【0046】
具体的には、支持部材Dは、平面矩形状の板状体50の中央部に支持棒4が挿通可能な支持棒挿通孔51が上下面間に貫通した状態に形成されていると共に、板状体51を平面視にて複数分割(図14では4分割)した位置のそれぞれに燃焼用棒状体挿通孔52、52・・・が互いに独立して且つ上下面間に亘って貫通した状態に形成することによって構成され、燃焼用棒状体挿通孔52、52間の板状体部分によって桟部53が形成されている。なお、支持部材Dの板状体51の平面形状は、矩形状に限定されるものではなく、円形状などの形状であってよく、又、燃焼用棒状体挿通孔52の数も4個に限定されるものではない。
【0047】
支持部材Dの支持棒挿通孔51に支持棒4を挿通させている一方、支持棒4の外周面にはその全長に亘って螺子部41が形成されており、この螺子部41には、支持部材Dを挟んで2個のナット体42、42が進退自在に螺合されている。2個のナット体42、42は、螺子棒4に沿って螺進、螺退可能であって所望位置にて螺合可能に構成されている。そして、2個のナット体42、42を螺進又は螺退させることによって、支持棒4の所望高さ位置に位置させると共に、2個のナット体42、42によって上下から支持部材Dの支持棒挿通孔51の開口端部を挟持することによって、支持部材Dを支持棒4の所望高さ位置にて固定可能に構成されている。
【0048】
次に、上記燃焼用棒状体の保持具Aの使用要領について説明する。支持棒4に螺合させた2個のナット体42、42を螺進又は螺退させることによって所望高さ位置に位置させると共に、2個のナット体42、42によって上下から支持部材Dの支持棒挿通孔51の開口端部を挟持して支持部材Dを支持棒4の所望高さ位置にて固定可能する。
【0049】
しかる後、図15に示したように、支持部材Dの各燃焼用棒状体挿通孔52内に燃焼用棒状体Bを挿通させた状態にて載置台1上に起立状態に載置する。なお、支持部材Dの燃焼用棒状体挿通孔52の全てに燃焼用棒状体Bを挿通させる必要はなく、一部の燃焼用棒状体挿通孔52にのみ燃焼用棒状体Bを挿通させた場合であってもよい。
【0050】
燃焼用棒状体B、Bの対向面間には、支持部材Dの桟部53によって、燃焼用空気の通気路Cが形成されており、この燃焼用空気の通気路Cを通じて燃焼用棒状体Bに燃焼用空気が十分に供給され、燃焼用棒状体Bは十分に且つ確実に燃焼することができる。
【0051】
図14及び図15に示した燃焼用棒状体の保持具Aにおいて、支持部材Dは、支持棒挿通孔51を中心にして放射状に形成された桟部53、53と、これらの桟部53、53の外周端同士を結合している枠体部54とを有しており、桟部53は、互いに隣接する燃焼用棒状体B、B間に介在して燃焼用棒状体B、B間に燃焼用空気の通気路Cを形成している一方、枠体部54は、燃焼用棒状体挿通孔52内に挿通させた燃焼用棒状体Bを支持又は固定している。
【0052】
図16及び図17に示したように、支持部材Dにおいて枠体部54を設ける必要はなく、支持部材Dを、桟部53と、載置台1上に載置した複数本の燃焼用棒状体B、B・・・を結束一体化する結束体(例えば、金属線などの不燃性の線材など)6とによって構成してもよい。このような燃焼用棒状体の保持具Aにおいては、載置第1上に複数本の燃焼用棒状体B、B・・・を支持部材Dの桟部53を介在させた状態にして載置し、桟部53によって、燃焼用棒状体B、B間に燃焼様空気の通気路Cを形成する。しかる後、結束体によって複数本の燃焼用棒状体B、B・・・を結束一体化することによって、複数本の燃焼用棒状体B、B・・・を載置台1上において安定的に固定し、燃焼用棒状体Bをその上端部において安定的に燃焼させることができる。
【符号の説明】
【0053】
1 載置台
2 スペーサ部材
3 結束部材
20 連結部材挿通口
21 スペーサ片
31 連結部材
31a 螺子部
32 挟持片
32a 挟持爪
A 燃焼用棒状体の保持具
B 燃焼用棒状体
C 通気路
D 支持部材
図1
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図3
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図5
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