(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140174
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】抗ウィルス性メラミン系被覆処理した家具化粧材
(51)【国際特許分類】
A47B 96/20 20060101AFI20220915BHJP
B32B 23/08 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
A47B96/20 A
B32B23/08
A47B96/20 C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021074446
(22)【出願日】2021-03-11
(71)【出願人】
【識別番号】307006491
【氏名又は名称】株式会社 松田家具
(72)【発明者】
【氏名】松田 哲博
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 剛士
(72)【発明者】
【氏名】松尾 明日香
【テーマコード(参考)】
4F100
【Fターム(参考)】
4F100AA21A
4F100AJ04A
4F100AK36A
4F100AP00B
4F100BA02
4F100EJ82A
4F100GB81
4F100JC00
(57)【要約】
【課題】家具に使用に使用される、耐衝撃性、耐熱性、耐磨耗性に優れたメラミン板を張った表面板材に装飾的加工を施した高い抗ウィルス性を持つ化粧材を提供する。
【解決手段】酸化チタンとトリアジンを突出して含有する成分を被膜したメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンとトリアジンとメラミン樹脂とをセルローズ系含有素材に含侵させて、成型加工した厚さ1~3mmの表面に酸化チタンとトリアジンを含むメラミン系の化粧材であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、厚さ18~25mm、幅250~1200mmの木質材を使用して、表面に抗菌・ウィルス性効果をもたらして装飾性を施した被膜メラミン平板状になっている抗ウィルス性メラミン系樹脂で処理した家具用化粧材である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化チタン成分とトリアジン成分とを含有したメラミン樹脂表面に被着させた被膜複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンとトリアジンを練り込んだメラミン樹脂をセルローズ系含有素材に含侵させて、成型加工した厚さ1~3mmのメラミン系樹脂の化粧材であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、木質材を使用して、抗菌効果と抗ウィルス効果を合せるために、酸化チタンとして無機質とトリアジンの有機質とを相乗的に出現させたメラミン状態の表面にした装飾性の被膜メラミン板を張った平板材になっていることを特徴とする抗ウィルス性メラミン系被覆処理した家具化粧材。
【請求項2】
酸化チタンとトリアジンを練り込んだメラミン表面複合材は、酸化チタンの微粒子とトリアジン粉末を分散させてメラミン樹脂とで混錬して、紙シートに担持させたものを高温高圧で成形加工した化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂材と木質材の表面に接着させた被膜複合体となっており、前記メラミン表面複合材では厚さ1~3mmの表層にて酸化チタンとトリアジンを2~10重量%を存在している抗ウィルス性表面になっていることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性メラミン系被覆処理した家具化粧材。
【請求項3】
酸化チタンとトリアジンを練り込んだメラミン表面に存在する化粧パネル板材の芯材である木質材としては、無垢材、MDF、パーテクルボードであって、木質材の表面と前記芯材の側面に貼付けられた化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗ウィルス性を高めた家具の化粧パネル板材を使用した前板となる化粧パネルの前記木質材の芯材の表面を1~3mmのメラミンで被覆された装飾的抗ウィルス性メラミン化粧パネル板材と木質材で複合した抗ウィルス性メラミン表面複合材で、テーブルの天板、及び食器棚、テレビボート、サイドボード、箪笥、チェストの引き出し、開き戸、引き戸、カウンターに使用できることを特徴とする請求項1に記載の抗菌性メラミン系被覆処理した家具化粧材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食器棚やテレビボード、カウンター等の家具に使用する抗ウィルス性を持つ装飾性耐久性前板に関して、主にメラミン系樹脂材の表面を抗ウィルス性の成分を持着させて、裏面に木材などを張り合わせて家具類に使用する抗ウィルス性メラミン系被覆処理した家具化粧材に関する。
【背景技術】
【0002】
紙質基材に対するメラミン樹脂の浸透を阻害することなく、紙質基材に対する電離放射線硬化性樹脂の浸透を抑制することができる被覆層を備える化粧シート、並びに、該化粧シートを備えた化粧板及びその製造方法として、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を有する支持層と、支持層の第1面の一部に設けられた離型層とを備える化粧シートであって、支持層が、紙質基材と、支持層の第1面を形成する被覆層とを備え、離型層が、電離放射線硬化性樹脂の硬化物を含み、被覆層が、カゼインを、被覆層の総質量を基準として35質量%以上85質量%以下の量で含む、化粧シートを提供するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
ふき取り清掃した場合でも、剥離が生じにくく、抗微生物活性が高い抗微生物部材として、ポリプロピレン樹脂からなる基材表面に抗微生物成分を含むバインダ硬化物が固着形成されてなり、上記バインダ硬化物は、島状に分散して基材表面に固着されてなるか、もしくは基材表面に上記バインダ硬化物が形成された領域と上記バインダ硬化物が形成されていない領域が混在して設けられてなる抗ウィルス性部材である抗微生物部材を提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
繊維構造物への機能性を付与された製品で、健康的で安全な衣料、快適な生活環境及び医療分野での制菌.MRSA感染症を予防するための繊維製品の技術開発、商品化と環境人体適応性に優れた医療分野への対応も可能な耐久性のある繊維構造物への抗ウィルス・制菌加工法として、親水性の置換基を有する2-ヒドロキシ-4.6-ジクロロ-1.3.5-トリアジンナトリウム塩・ジアミノベンゼンスルフォン酸アルカリ塩及び塩化ジデシルジメチルアンモニウムを共存させ含浸あるいは浸漬させた後、酸結合剤を用いてアルカリ浴に調液し繊維構造物を30℃~90℃の熱処理を実施する耐久性のある繊維構造物への有機物での抗ウィルス加工法が提案されている(特許文献3参照)。
【0005】
耐衝撃性、耐熱性、耐水性、耐磨耗性に優れた天板を提供するために、天板に用いる板材おいて、パネル状の芯材と、前記芯材の木口と同一の断面を有し前記木口に貼付けられ前記芯材の平面方向に延びて前記芯材の外縁を構成する耐衝撃性を備えた補強材と、前記芯材のおもて面と前記芯材の外縁の末端を被覆する耐衝撃性を備えた頂面化粧板と、前記補強材が構成する外縁の側面を被覆する耐衝撃性を備えた側面化粧板とからなる板材が提案されている(特許文献4参照)。
【0006】
樹脂建材および家具材料としてのメラミンの化粧板については、ほとんど家具として清潔、衛生性を求めるテーブル、食器棚の天板、前板であって、軽量と強度と装飾を持たせて、耐久性を高めたもので、抗ウィルス性、抗菌性の装飾性メラミンを使用した家具の前板は存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2019-64120号公報
【特許文献2】特開2020-83776号公報
【特許文献3】特開2011-179157号公報
【特許文献6】特開2009-291430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
さて、テーブル等の家具の天板の場合、上面は露出して筆記等の各種の用途に供されるため、表面の美しさや硬さ(傷つきにくさ)が求められる。この点、従来からテーブルの天板の上面を化粧体としてのメラミン化粧板で構成することは広く行われており、そこで天板の上面を化粧板で構成したらよいと云えるが、これでは、天板の層数が増えてコストが嵩むのみならず重量も増加するという問題がある。しかし家具のメラミンを使用した前板については、価格的に採用がされておらず、また扉などに使用した場合には使用頻度が多くなり、耐久性で問題になっており、さらに前板の裏面の装飾性を高めることが求められている。
【0009】
本発明にかかる現状に鑑み成されたものであり、抗ウィルス性のメラミン家具の表面である前板の裏板の化粧性は確保しつつ、簡単な構造で高い強度、耐久性を持ちの家具用前板を提供すること、及び、これに関連して現実性が高くて商品価値が高い前板を提供することを目的とするものである。また、メラミン樹脂は耐衝撃性、耐熱性、耐水性、耐摩耗性に優れる。そこで、家具の芯材として、MDFを芯材にし、メラミン樹脂等の化粧板を外表面に張り付けたものがよく用いられている。この場合のメラミン樹脂化粧板の厚みは0.8mm~1.2mmである。抗ウィルス性、抗菌性は薄いであるが、メラミンの化粧板で抗ウィルス性が求められている。
【0010】
このような抗ウィルス性のメラミン家具は、通常の刺激では破損しないが、外周側縁面に先鋭な物質が衝突する等して集中応力がかかった場合には、破損して部分的に欠落したり、表面が変形したり傷がついたりすることがあった。これにより前板が腐敗したり、膨潤によって家具の表面の化粧板が剥離したり、反りが生じたり、亀裂が生じたりした。前板の裏面の美観と機能を再び得るには、抗ウィルス性のメラミン家具において抗ウィルス性メラミン系被覆処理した家具化粧材を提供することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0011】
酸化チタン成分とトリアジン成分とを含有したメラミン樹脂表面に被着させた被膜複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンとトリアジンを練り込んだメラミン樹脂をセルローズ系含有素材に含侵させて、成型加工した厚さ1~3mmのメラミン系樹脂の化粧材であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、木質材を使用して、表面に抗菌・殺菌効果をもたらして装飾性の被膜メラミン板を張った平板材になっている抗ウィルス性メラミン系被覆処理した家具化粧材である。特にトリアジンの誘導体は殺菌、ウィルスを死滅させる効果を持っており、薬剤に使用されている。S-トリアジンはシアン化水素と等価に用いられる。シアン化水素が気体であるのに対して固体であるため、トリアジンはより扱いやすい薬剤である。またメラミン樹脂表面に効果的に付着させている。
【0012】
酸化チタンとトリアジンを練り込んだメラミン表面複合材は、酸化チタンの微粒子とトリアジン粉末を分散させてメラミン樹脂とで混錬して、紙シートに担持させたものを高温高圧で成形加工した化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂材と木質材の表面に接着させた複合体となっており、前記メラミン表面複合材では厚さ1~3mmの表層にて酸化チタンとトリアジンを2~10重量%を存在している抗ウィルス性表面になっている。また光触媒である酸化チタンとトチアジンの相乗効果によって殺菌類とウィルスの防御に効果を示している。
【0013】
酸化チタンとトリアジンを練り込んだメラミン表面に存在する化粧パネル板材の芯材である木質材としては、無垢材、MDF、パーテクルボードであって、木質材の表面と前記芯材の側面に貼付けられた化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗ウィルス性を高めた家具の化粧パネル板材を使用した前板となる化粧パネルの前記木質材の芯材の表面を1~3mmのメラミンで被覆された装飾的抗ウィルス性メラミン化粧パネル板材と木質材で複合した抗ウィルス性メラミン表面複合材で、テーブルの天板、及び食器棚、テレビボード、サイドボード、箪笥、チェストの引き出し、開き戸、引き戸、カウンターに使用できる。
【発明の効果】
【0014】
抗ウィルス性化粧板を使用した家具の前板に使用する化粧板の表面と裏面を構成する芯材と外層のメラミン板の間の、外縁側壁のみに裏板の保護膜を設け、というごく単純な構成により、抗菌・殺菌性が向上し、前板のメラミン板の清潔性が向上して、ウィルスに対して防御ができて、それに伴う吸水性のよい素材の膨潤、腐敗、化粧板と芯材の剥離、裏面の破損といった事故を予防できて、耐久性も増した。装飾性メラミン樹脂板がさらに内装に存するため、破損部からの変形を防止し、扉などの熱変化の激しい前板の破損はなくなった。前板は上からの荷重に抗する高い強度が求められる。接着的均一に貼られている裏板のラッピング膜によって変質防止を確保しつつ、酸化チタンとトリアジンを含有するメラミンの上面板で細菌を含めて、ウィルスから防御に有効に働いた。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】抗ウィルス性メラミン系被覆処理した家具化粧材の構造の図を示す。A:抗ウィルス用メラミン被覆処理板 B:構成図 C:断面図
【
図2】抗ウィルス性装飾性メラミン樹脂被覆処理材の表面、表層の状態図を示す。A:断面のEPMA写真 B:表面層のIR分析 C:表面のEPMA写真
【
図3】抗ウィルス性装飾性メラミン系被覆処理した家具化粧材の表面のTiO2状態図を示す。A:表面上のTiO2分析 B:表面層のTiO2分析
【
図4】抗ウィルス性装飾性メラミン樹脂被覆処理材のIRスペクトル状態図を示す。A:抗ウィルス菌性装飾性メラミン樹脂材表面部のスペクトル B:通常のメラミン装飾性樹脂材表面部のスペクトル
【
図5】抗ウィルス用メラミン樹脂被覆処理材の示差熱分析(DTA/TG)状態図を示す。A:抗ウィルス菌性装飾性メラミン樹脂材 B:通常のメラミン装飾性樹脂材 C:通常のメラミン(太線)と抗ウィルス菌性装飾性メラミン(薄線)との比較
【
図6】抗ウィルス用装飾性メラミン樹脂被覆処理材の熱水処理後の表面IR分析での組成状態の図を示す。A:処理前の状態 B:70℃30分処理状態 C:100℃30分処理状態
【
図7】抗ウィルス用装飾性メラミン樹脂被覆処理材の沸騰水処理後のIR分析での組成の状態の図を示す。
【
図8】抗ウィルス用装飾性メラミン樹脂被覆処理材のルミテスター(ATPテスター)による抗ウィルス・菌性作用の結果を示す。
【
図9】抗ウィルス用装飾性メラミン被覆処理板を使用した家具(テーブル、食器棚、テレビボード)の図を示す。A:テーブル B:食器棚 C:テレビボード
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下の実施例を、
図1は家具用メラミン被覆処理前板の斜視図で、
図2は、本願の家具用メラミン被覆処理前板の構造の図で、
図3、4は、本願の家具用メラミン被覆処理前板のTiO2とトリアジンの状態を示す。
【実施例0025】
図1に示すように、酸化チタンとトリアジン混練りしてメラミン表面を突出して含有する成分を被膜したメラミン複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタン成分とトリアジン成分を含むメラミン樹脂材をセルローズ系含有素材に分散・含侵させて、成型加工した厚さ3mmのメラミン系の化粧材であって、前記メラミン系の化粧材を、パネル板材の芯材として厚さ25mm、幅900mmの木質材に接着して、表面に抗ウィルスと抗菌効果をもたらし、装飾性を施した被膜メラミン平板状パネル板材になっている抗ウィルス性メラミン系樹脂によって処理したテーブルであり、
図1に示すようにその抗ウィルス作用を持つ材料である家具用化粧材の模式的な概略断面構造状態である。
【0026】
酸化チタンとトリアジンを含有するメラミン表面複合材は、酸化チタンの微粒子とトリアジン粉末を分散させてメラミン樹脂とで混錬して、紙シートに担持させたものを高温高圧で成形加工した化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂材とMDF木質材の表面に接着剤で接着させた複合パネル板材となっており、前記メラミン表面複合材では厚さ3mmの表層にて酸化チタンとトリアジンを5重量%程度を存在している抗ウィルス性表面になった。
【0027】
家具用抗ウィルス性メラミン被覆処理前板を電子線マイクロアナライザー分析(EPMA)、及び赤外線スペクトル分析(IR)によって種々の状態、成分分布の測定を行った。
図3A、B、
図4に示すように、表面と断面の状態と組成を観察した。EPMAによると表面の構成した成分(TiO2)を分析して、また表面のIRスペクトル分析において、約1mmの厚さで、表面層を約200μmにチタン成分が存在して、また表面に10~30μmの凹凸になっている。さらに
図2に示すように表面層と断面の上層200μm内にTiO2が集中して、また
図3に示すように表層にはTiO2の含有割合として、8~12質量%を所持して、中層にはTiO2は存在していない結果を示した。さらに
図4Aに示すように、表面層にトリアジンの成分のIR回折線が見られて、メラミン化粧材の表面にトリアジン成分の確認が見られた。
【0028】
図5、
図6に示すように、抗ウィルス性メラミン被覆処理前板はTGによると100℃付近で2.3%程度の減量があり、しかし通常のメラミン板では1.1%程度であり、その差から1.2%の水分以外の成分、すなわちトリアジンの分解揮発によるものと考えられる。また
図6の水、及び熱処理で、100℃以上になるとIRスペクトルによると、表面のトリアジンの回折線ピークが消滅しており、トリアジン成分が抽出除去されていることが分かった。通常の常温時では水存在でもトリアジンは安定に維持していることが明らかになった。しかし100℃近くでは酸化チタンTiO2は存在しており、光触媒効果は持続しており抗菌作用は維持していることも明確になった。
【0029】
抗ウィルス性メラミン被覆処理前板の抗ウィルス、及び抗菌の効果について、ルミテスターにて測定したところ、通常のメラミン板でルミテスター値1559に対して、ルミテスター値367になって、非常に大きな効果をもたらし、この処理板を水中100℃で処理したものでルミテスター値413になり、抗ウィルス、及び抗菌の効果を維持していることが分かった。抗ウィルス、及び抗菌の効果には、光触媒の酸化チタンとトリアジンの相乗的効果をもたらしているが、100℃以下なら効果は維持できると考えられる。
また抗ウィルス性メラミン被覆処理前板を沸騰水に30分間処理して、放置するとルミテスター値767になって、若干効果が落ちていることから、トリアジンの相乗効果が認められる。
【0030】
抗ウィルス性メラミン被覆処理前板の化粧板の中層においては、EPMAの成分分析によって、化粧板中間層には窒素成分が少なく、酸素を多していることから、メラミン樹脂成分よりもフェノール樹脂の成分が多くなっている。また上層の表面には酸化チタンTiO2成分の担持になったメラミン成分が主体で、メラミン樹脂によって構成されていることが明らかになった。またIRスペクトルの結果から、通常のメラミンのパターンと同様であり、有機的にメラミンを変性していないことが明らかになった。
【0031】
抗ウイルテックのメラミンの縦100mm横100mm、厚さ3mmの平板を沸騰水に30分間以上浸漬した、沸騰水に30分そのまま浸したものを、ガスクロマトグラフ装置にてGC分析したところ、その中にはトリアジン成分の検出はなかった。沸騰水に30分間以上浸して、1日間程度放置して、ルミテスターの結果は「226」であった。
【0031】
酸化チタンとトリアジンを練り込んだメラミン表面に存在する化粧パネル板材の芯材である木質材としては、MDFであって、木質材の表面と前記芯材の側面に貼付けられた化粧パネル材は、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗ウィルス性を高めた家具の化粧パネル板材を使用した前板となる化粧パネルの前記木質材の芯材の表面を3mmのメラミンで被覆された装飾的抗ウィルス性メラミン化粧パネル板材と木質材で複合した抗ウィルス性メラミン表面複合材で、
図9のテーブルの天板、食器棚、テレビボート、の引き出し、開き戸、引き戸、カウンターに使用した。
実施例1と同様に、酸化チタンを突出して含有する成分とトリアジン成分を被膜したメラミン表面複合材にした化粧パネル板材において、酸化チタンとトリアジンを含むメラミン樹脂を紙に含侵させ高温高圧で成形したエンボス加工した厚さ1mm化粧材を接合させた表面であって、前記化粧材を持つパネル板材の芯材に、MDFの厚さ25mm、幅500mmのMDFを使用して、表面に1mm厚さの被膜メラミン板を張って、側面と裏面の一面に0.6mmの厚さの塩化ビニール製のラッピングシートを芯材のMDFの側面と裏面との全面で接着力を高めて平滑にして、表面に抗菌・殺菌効果を高めて装飾性を施した平板面になっている抗ウィルス用メラミン被覆処理板であった。
酸化チタンとトリアジンを含有する成分を被膜したメラミン表面被覆複合材は、酸化チタンの微粒子トリアジンの粉末をメラミン樹脂に分散させた液状物を紙に含侵させたものを高温高圧成形した化粧材を融着させた装飾性メラミン樹脂をMDFの表面に厚さ1mmの表層にて酸化チタン成分とトリアジン成分を出現したメラミン表面状態を構成された。酸化チタンとして無機質と、トリアジンの有機物とを相乗的に表面に出現させたメラミン状態のパネル板材の芯材であるMDFの表面と前記芯材の側面の木口面に貼付けられた化粧パネルは、収納家具に取り付けたときの装飾性と抗菌・殺菌性を増した家具の前側になる木口面にして、前記木口を覆う角部に酸化チタンとして表面に出現したメラミン状態の表面を接合した化粧パネル板材にして、側面とを連続的に接着性を高めて均一性を維持するために、前面的に抗菌・殺菌性メラミン複合材を接合させた。