(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140197
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】袋開口機
(51)【国際特許分類】
B65B 67/12 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
B65B67/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021076799
(22)【出願日】2021-03-12
(71)【出願人】
【識別番号】514131445
【氏名又は名称】菊地 篤樹
(72)【発明者】
【氏名】菊地 篤樹
(72)【発明者】
【氏名】菊地 晴道
【テーマコード(参考)】
3E057
【Fターム(参考)】
3E057AA01
3E057AC04
3E057CC16
3E057CC19
(57)【要約】
【課題】 簡略な構造で、通常の構造を有する袋の開口部に風をあてて、開口部を開く装置を提供する。
【解決手段】 袋マガジン5と、袋マガジン5に載置された袋9の開口部に載置される袋押さえ部材と、袋9の開口部に空気を吹き付けるための送風機1とで袋開口機を構成する。袋押さえ部材は、回動軸7aを介して取り付けられた、袋押さえ部材アーム7と、袋押さえ部材アーム7の先端に設けられた、袋押さえパッド6を有し、袋押さえパッドの一部には、切り欠き部6aを設ける。切り欠き部6aの部分で、袋9の開口部が露出するように、袋9の載置位置を調整することにより、袋9の露出部に送風機1から吹き出される空気を作用させ、袋9の開口部を開くことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋載置台と、前記袋載置台に載置された袋の開口部に載置される袋押さえ部材と、前記開口部に空気を吹き付けるための送風機を備えることを特徴とする袋開口機。
【請求項2】
前記袋押さえ部材の前記開口部と接する部分には、前記開口部が露出する切り欠き部が設けられてなることを特徴とする、請求項1に記載の袋開口機。
【請求項3】
前記送風機は、空気の吹き出し口に風量調整手段が設けられてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の袋開口機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を個別に包装する袋の、開口部を開くための袋開口機に関するもので、特に食品などを挿入した後、開口部をヒートシールなどの手段で閉塞して用いられる、ポリエチレンなどのプラスチック製の袋の開口部を開くのに適した、袋開口機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、食品などの商品は、いわゆる量り売りで供されることは、極めて少なく、特に量販店では、発泡スチロール製のトレイに食品を載せ、透明ラップで包んだ状態で、陳列・販売されている。また、その他に、ポリエチレンなどの透明なプラスチックフィルムの袋に、一定量の食品を挿入し、袋の開口部をヒートシールで封入した状態での販売形態も多用されている。
【0003】
このような包装作業は、何れも自動化が困難なので、手作業行うことが多いが、特にプラスチックフィルムからなる袋の、開口部を開く作業は、プラスチックフィルムの滑りやすさのため、手間を要する作業となっている。
【0004】
このような課題の解決策として、特許文献1には、包装袋体を1枚ずつ開口させてパン等の収納物を瞬時に容易に収納しやすくするための装置として、裏面部と表面部とを有する袋部と、前記袋部の開口部から延設された前記裏面部に設けられた、係止用孔を有するリップ部と、前記リップ部と前記開口部との間の裏面部に形成されたミシン目からなる切り取り部と、を有する包装袋体を積層状態で載置可能な包装袋体載置台と、前記包装袋体載置台の上方に設けた上蓋部と、を備える袋詰め装置であって、前記包装袋体載置台に立設した、前記係止用孔に挿入する柱状体の係止用ピンを備え、前記係止用ピンの上端面に、前記上蓋部の下面を又は前記上蓋部から下方に突設させた突起の下面を略当接させて、前記上蓋部の形態が、平面視で、載置状態の包装袋体の前記切り取り部近傍より前記リップ部側は前記リップ部の上方を覆うようにし、前記切り取り部近傍より前記袋部側は前記袋部の左右端近傍に該当する範囲の上方を覆うように左右端近傍部を備え、かつ前記左右端近傍部間に前記袋部を取り出し可能な開口部を形成させた略コ字状の形態とすることを特徴とする袋詰め装置が開示されている。
【0005】
しかし、ここで用いる袋には、送風により袋が動くのを防ぐための固定用のリップ部が設けられ、包装作業の途中で、リップ部を除去する工程が必須となっていて、装置全体の構造の簡略化の観点で、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、前記の問題点に鑑み、簡略な構造で、通常の構造を有する袋の開口部に風をあてて、開口部を開く装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記の課題解決のため、プラスチック製の袋の開口部を押さえる構造を再検討した結果なされたものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、袋載置台と、前記袋載置台に載置された袋の開口部に載置される袋押さえ部材と、前記開口部に空気を吹き付けるための送風機を備えることを特徴とする袋開口機が得られる。
【0010】
また、本発明によれば、前記袋押さえ部材の前記開口部と接する部分には、前記開口部が露出する切り欠き部が設けられてなることを特徴とする、前記の袋開口機が得られる。
【0011】
また、本発明によれば、前記送風機が、空気の吹き出し口に風量調整手段が設けられてなることを特徴とする前記の袋開口機が得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る袋開口機によれば、袋押さえ部材の一部に切り欠き部が設けられ、切り欠き部に露出した袋の開口部に、送風機から吹き出された空気が作用して、袋の開口部を開くことができる。しかも送風機の空気吹き出し口に、風量調整手段が設けられているので、袋の特性に合わせて風量を適宜調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】 本発明に係る袋開口機の一例を示す図、
図1(a)は正面図、
図1(b)は平面図。
【
図2】 本発明に係る袋開口機の一例を用い、袋の開口部を開く状態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明の実施の形態について。具体的な図を参照しながら説明する。
図1は、本発明に係る袋開口機の一例を示す図で、
図1(a)は正面図、
図1(b)は平面図である。この図に示したように、本発明に係る袋開口機は、送風機1、風量調整手段2、ACアダプター3、始動スイッチ4、袋載置台、つまり袋マガジン5、袋押さえ部材、確度調整シャフト8を備えている。
【0015】
袋押さえ部材は、送風機1などが設けられている部材に、回動軸7aを介して取り付けられ、上下方向に回動可能な袋押さえ部材アーム7を有し、袋押さえ部材アーム7の先端には、切り欠き部6aを有する袋押さえパッド6が備えられている。また図示していないが、ACアダプターに電源に繋ぐコードが取り付けられている。
【0016】
なお、風量調整手段2は、送風機1の吹き出し口に、蝶ネジで取り付けられた、板状の部材の位置を調整し、吹き出し口の開口部の面積を変えられるようにしたものである。
【0017】
図2は、本発明に係る袋開口機の一例を用い、袋の開口部を開く状態を示した図である。この図では複数の袋を積層して、袋マガジン5の上に載置した袋のみを示している。この図に示したように、袋9の、開口部の一部を、袋押さえパッド6で押さえられる位置に載置しておくことにより、袋9の開口部の一部が、袋押さえパッドの切り欠き部で露出する。
【0018】
この部分に送風機1からの空気を吹き付けることにより、袋9の開口部を開くことができる。そして装置を操作する作業者が袋9の開口部を摘まんだり、別途に準備した取り出し装置を用いたりして、袋9の開口作業が完了する。
【0019】
以上に説明したように、本発明によれば、簡略な構造で、プラスチックなどからなる袋の開口部を容易に開くことが可能な袋開口機を提供できる。なお、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0020】
1・・・送風機 2・・・風量調整手段
3・・・ACアダプター 4・・・始動スイッチ
5・・・袋マガジン 6・・・袋押さえパッド
6a・・・切り欠き部 7・・・袋押さえ部材アーム
7a・・・回動軸 8・・・角度調整シャフト
9・・・袋