(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140204
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ラジオ・オーバー・アイピーネットワークのためのゲートウェイ装置
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20220915BHJP
H04M 3/42 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H04M11/00 302
H04M3/42 E
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021085868
(22)【出願日】2021-05-21
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-27
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032521
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517419179
【氏名又は名称】株式会社ユニオンプレイス
【氏名又は名称原語表記】UNIONPLACE CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】(Guro-dong, ENC Venture Dream Tower 2-cha) #1303, 55, Digital-ro 33-gil, Guro-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100166372
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 博明
(72)【発明者】
【氏名】パン・ソンチョル
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201CA02
5K201CA09
5K201CB12
5K201CD09
5K201CD10
5K201DA09
5K201EA05
5K201EA07
5K201EE05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】RoIP(Radio over IP)ネットワークのためのゲートウェイ装置を提供する。
【解決手段】ゲートウェイ装置100は、セキュリティメモリと、RoIPネットワーク内の複数の端末とデータを送受信するインターフェースを提供する第1通信インターフェースと、移動通信ネットワークの加入者情報サーバとデータを送受信するインターフェースを提供する第2通信インターフェースと、装置情報を取得する処理、装置情報を第2通信インターフェースを通じて加入者情報サーバに登録し、加入者情報サーバから第2通信インターフェースを通じて移動局識別番号を含む仮想SIM情報を受信し、セキュリティメモリに保存する処理及び移動局識別番号を用いて移動通信ネットワークに関連するサービスを、第1通信インターフェースを通じてRoIPネットワーク内の複数の端末のうち少なくとも一つの端末に提供する処理を行う演算処理部と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セキュリティメモリと、 RoIP(Radio over IP)ネットワーク内の複数の端末とデータを送受信するインターフェースを提供する第1通信インターフェースと、 移動通信ネットワークの加入者情報サーバとデータを送受信するインターフェースを提供する第2通信インターフェースと、 (a)装置情報を取得する処理と、(b)前記装置情報を前記第2通信インターフェースを通じて前記加入者情報サーバに登録し、前記加入者情報サーバから前記第2通信インターフェースを通じて移動局識別番号を含む仮想SIM(Subscriber Identity Module)情報を受信し、前記セキュリティメモリに保存する処理と、(c)前記移動局識別番号を用いて前記移動通信ネットワークに関連するサービスを前記第1通信インターフェースを通じて前記RoIPネットワーク内の前記複数の端末のうち少なくとも一つの端末に提供する処理とを行う演算処理部と、 を有するRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項2】
前記装置情報は、前記ゲートウェイ装置の固有識別情報を含むことである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項3】
前記処理(a)は、(a-1)前記ゲートウェイ装置内に保存された前記ゲートウェイ装置の前記固有識別情報を読み取る処理を含むことである、請求項2におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項4】
前記装置情報は、前記複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含むことである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項5】
前記処理(a)は、(a-2)前記指定された端末から前記固有識別情報を受信する処理を含むことである、請求項4におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項6】
前記処理(a)は、(a-3)前記RoIPネットワーク内に配置されて前記指定された端末の前記固有識別情報を保存するサーバから前記固有識別情報を受信する処理を含むことである、請求項4におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項7】
前記処理(b)は、(b-1)前記装置情報を基に初期SIM情報を生成する処理と、(b-2)前記初期SIM情報を前記仮想SIM情報で更新する処理と、を含むことである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項8】
前記第2通信インターフェースは、移動通信データインターフェース及びイーサネット通信インターフェースのうち少なくとも一つを有することである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項9】
前記装置情報は、前記複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含み、 前記処理(c)は、(c-1)前記サービスを前記RoIPネットワーク内の前記指定された端末に提供する処理を含むことである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項10】
前記装置情報は、前記複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含み、 前記処理(c)は、(c-2)前記サービスを前記RoIPネットワーク内の前記複数の端末のうち、前記指定された端末を有する端末グループに提供する処理を含むことである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項11】
前記端末グループは、前記第1通信インターフェースの複数の通信チャンネルのうち、前記指定された端末が連結された通信チャンネルに連結されることである、請求項10におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項12】
前記装置情報は、前記ゲートウェイ装置の固有識別情報を含み、 前記処理(c)は、(c-3)前記RoIPネットワーク内の前記複数の端末のうち、前記サービスを提供する前記一つ以上の端末を選択する処理を含むことである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項13】
前記サービスは、メッセージサービスを含み、 前記処理(c-3)は、(c-4)前記メッセージサービスのメッセージデータを分析して、予め指定された政策を基に前記一つ以上の端末を選択する処理を含むことである、請求項12におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項14】
前記処理(c)は、(c-5)前記メッセージデータを音声信号に変換して、音声信号を前記第1通信インターフェースを通じて前記一つ以上の端末へ伝送する処理を含むことである、請求項13におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項15】
前記予め指定された政策は、前記メッセージデータから抽出される優先順位情報、災難情報、位置情報のうち少なくとも一つを基準として、前記一つ以上の端末を指定する政策を含むことである、請求項13におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項16】
前記装置情報は、前記複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含み、 前記サービスはメッセージサービスを含み、 前記処理(c)は、(c-5)前記メッセージデータを音声信号に変換して、音声信号を前記第1通信インターフェースを通じて前記一つ以上の端末へ伝送する処理を含むことである、請求項13におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項17】
前記演算処理部は、(d)前記RoIPネットワークの構成が変更される場合、前記仮想SIM情報を更新するかどうかを判断する処理と、(e)前記処理(d)の判断結果に従って、前記仮想SIM情報を更新する処理をさらに行う、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項18】
前記セキュリティメモリは、セキュリティ領域(secure zone)及びTPM(Trusted Platform Module)のうち少なくとも一つを有することである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【請求項19】
前記移動通信ネットワークは、公衆移動通信ネットワーク或いは私設移動通信ネットワークである、請求項1におけるRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラジオ・オーバー・アイピー(Radio over IP、以下、「RoIP」ともいう)ネットワークのためのゲートウェイ装置に関するものであって、より具体的には、仮想SIM(Subscriber Identity Module)情報を用いてRoIPネットワーク或いはRoIPネットワーク内の端末に対して移動局識別番号を提供するゲートウェイ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プッシュ・トゥ・トーク(以下、「PTT」ともいう)サービスは、「押して話す」方式で提供される通信サービスである。PTTサービスは、例えば、鉄道、道路、発電所、送配電設備、生産設備及び業務施設などの現場を監視及び制御するために用いられる。PTTサービスには、例えばTRS(Trunked Radio System)方式の無線機などの端末が主に使用される。
【0003】
一方、既存のTRS(Trunked Radio System)方式の無線機とSIP(Session Initiation Protocol)などのIP(Internet Protocol)基盤の端末とを連動するために、RoIPが用いられることがある。RoIPは、無線機のラジオ信号をIP信号に変換したり、IP信号をラジオ信号に変換したりする技術のことを指す。
【0004】
RoIPを用いるPTTサービスは、IPネットワークを通じてPTTサービスの通信カバレッジを拡大することができ、異種端末間の互換性を提供することができ、互いに異なる周波数帯域でも端末間の通信が可能であるなどの様々な利点を有する。例えば、韓国特許登録番号第10-2187556号(特許文献1)、韓国特許公開番号第10-2018-0002262号(特許文献2)、韓国登録特許10-1716357号(特許文献3)には、RoIPを用いるPTTサービスが開示されている。
【0005】
以下、RoIPを用いて様々な端末が接続されたネットワークを「RoIPネットワーク」と簡単に称する。例えば、TRS方式の無線機、開放周波数方式の無線機、スピーカ、SIP基盤の端末、SIP基盤のスピーカ、SIP基盤の監視カメラなどの様々な端末が、RoIPネットワークに接続され得る。
【0006】
一方、RoIPネットワークは、移動通信ネットワークとは独立的に提供される。例えばRoIPネットワーク内には、移動通信ネットワークに登録されていない端末が含まれることがある。すなわち、RoIPネットワーク内には、移動局識別番号(Mobile Identification Number)が割り当てられていない端末が含まれることがある。例えば、RoIPネットワーク内の無線機がSIM(Subscriber Identity Module)カードを支援しないのであれば、無線機は移動局識別番号(Mobile Identification Number)を有することができず、移動通信ネットワークへの接続が不可能となる。したがって、RoIPネットワーク内の端末は、移動通信ネットワークに関連するサービスが提供されない場合もある。例えば、短文メッセージサービス(short message service)などのメッセージサービスは、移動通信ネットワークに関連するサービスである。RoIPネットワーク内の端末に移動局識別番号が割り当てられなければ或いはメッセージを信号処理して表示する機能がなければ、端末はメッセージサービスの提供を受けられない。
【0007】
一方、RoIPネットワークが、前述のように現場を監視及び制御するために用いられる場合、予め指定された政策に従って、RoIPネットワーク内の特定端末或いは一つ以上の端末(端末グループ)、又は、RoIPネットワーク内の全ての端末のように対象を異ならせてPTTサービスを提供することができる。例えば、予め指定された政策は、予め設定された項目に従って、PTTサービスを提供する対象を異ならせて設定することを指す。例えば、予め指定された政策は、「緊急」項目に該当する事項はRoIPネットワーク内の全ての端末にPTTサービスを提供する政策と、「火災」項目に該当する事項はRoIPネットワーク内の消防関連部署に割り当てられた端末グループにPTTサービスを提供する政策と、「第1工場」項目に該当する事項はRoIPネットワーク内の第1工場に割り当てられた端末グループにPTTサービスを提供する政策を有することができる。
【0008】
ところが、前述のように、RoIPネットワーク内の端末に移動局識別番号が割り当てられなければ或いはメッセージを信号処理して表示する機能がなければ、端末はメッセージサービスの提供を受けることができない。したがって、予め指定された政策に従って、RoIPネットワーク内の特定端末或いは端末グループ、又はRoIPネットワーク内の全ての端末のように対象を異ならせてメッセージサービスを提供することも不能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】韓国特許登録番号第10-2187556号
【特許文献2】韓国特許公開番号第10-2018-0002262号
【特許文献3】韓国登録特許10-1716357号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本願で説明される技術の目的は、仮想SIM情報を用いてRoIPネットワーク或いはRoIPネットワーク内の端末に対して移動局識別番号を提供することにある。
【0011】
本願で説明される技術の他の目的は、RoIPネットワーク或いはRoIPネットワーク内の端末に対して、メッセージサービスなどの移動通信ネットワークに関連するサービスを提供することにある。
【0012】
本願で説明される技術のさらに他の目的は、RoIPネットワーク或いはRoIPネットワーク内の端末に対して、予め指定された政策に従い、受信対象を異ならせてメッセージサービスなどの移動通信ネットワークに関連するサービスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記技術的課題を解決するために、本願で説明される技術の一形態によれば、セキュリティメモリと、RoIPネットワーク内の複数の端末とデータを送受信するインターフェースを提供する第1通信インターフェースと、移動通信ネットワークの加入者情報サーバとデータを送受信するインターフェースを提供する第2通信インターフェースと、(a)装置情報を取得する処理と、(b)前記装置情報を前記第2通信インターフェースを通じて前記加入者情報サーバに登録し、前記加入者情報サーバから前記第2通信インターフェースを通じて移動局識別番号を含む仮想SIM情報を受信し、前記セキュリティメモリに保存する処理と、(c)前記移動局識別番号を用いて前記移動通信ネットワークに関連するサービスを前記第1通信インターフェースを通じて前記RoIPネットワーク内の前記複数の端末のうち少なくとも一つの端末に提供する処理とを行う演算処理部と、を有するRoIPネットワークのためのゲートウェイが提供される。
【発明の効果】
【0014】
本願で説明される技術によれば、仮想SIM情報を用いてRoIPネットワーク或いはRoIPネットワーク内の端末に対して移動局識別番号を提供することができる。従って、メッセージサービスなどの移動通信ネットワークに関連するサービスをRoIPネットワーク内の端末に提供することができる。また、メッセージを分析した結果を用いて、予め指定された政策に従い、RoIPネットワーク内の端末に対して受信対象を異ならせてメッセージサービスを提供することができる。また、TTS(text-to-speech)を用いてメッセージサービスをRoIPネットワーク内の端末に提供することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の例示的な構成を示す図面である。
【
図2】本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置が配置されるネットワーク環境を例示的に示す図面である。
【
図3】本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の演算処理部が行う処理の一例を示す図面である。
【
図4】本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の演算処理付加装置情報を取得するために行う処理を例示的に示す図面である。
【
図5】本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の演算処理部が、移動通信ネットワークに関連するサービスを提供するために行う処理を例示的に示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本願で説明される技術に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の実施例を添付した図面を参照し、より具体的に説明する。一方、本願で説明される技術の実施例を説明するための図面において、説明の便宜上、実際の構成のうち一部のみを図示したり、一部を省略して図示したり、変形して図示したり或いは縮尺が異なって図示されたりすることがある。
【0017】
<実施例>
図1は、本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の例示的な構成を示す図面である。
【0018】
本願で説明される技術に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置100は、例えばパーソナルコンピュータ及び専用コンピュータなどのコンピューティング装置を用いて具現され得る。
【0019】
図1を参照すれば、ゲートウェイ装置100は、セキュリティメモリ110と、第1通信インターフェース130と、第2通信インターフェース150と、演算処理部170とを有する。
【0020】
セキュリティメモリ110は、ゲートウェイ装置100内に配置される半導体素子を用いて具現され得る。例えば、セキュリティメモリ110は、セキュリティ領域(secure zone)と一般領域(normal zone)とを備えるプロセッサなどの半導体素子を用いて具現され得る。セキュリティ領域は、信頼領域(trust zone)とも称されることがある。また、例えばセキュリティメモリ110は、TPM(Trusted Platform Module)などの半導体素子によって具現されることもある。
【0021】
セキュリティメモリ110は、その内部にデータを偽造又は変造不可に保存することができる。例えば、後述する仮想SIM情報が演算処理部170の制御に従ってセキュリティメモリ110に保存される。
【0022】
第1通信インターフェース130は、RoIPネットワーク(
図2の300)内の複数の端末、例えば
図2の端末200-1~端末200-n(ただし、nは2以上の自然数)とデータを送受信するインターフェースを提供する。例えば、第1通信インターフェース130は、SIP及びRoIPを用いてRoIPネットワーク300内の複数の端末とデータを送受信するインターフェースを提供することができる。すなわち、第1通信インターフェース130は、有線で
図2の端末200-1~端末200-nのうち少なくとも一つと連結され、無線で
図2の端末200-1~端末200-nのうち他の少なくとも一つと連結され得る。
【0023】
第1通信インターフェース130は、有無線通信が可能な通信チップなどの半導体素子によって具現され得る。
【0024】
第2通信インターフェース150は、移動通信ネットワーク(
図2の500)の加入者情報サーバ(Home Subscriber Server、
図2の400)とデータを送受信するインターフェースを提供する。第2通信インターフェース150は、移動通信データインターフェース及びイーサネット通信インターフェースのうち少なくとも一つを含むことができる。より具体的には、ゲートウェイ装置100は、無線通信方式である移動通信データインターフェース(例えば、LTE或いは5G)を通じて加入者情報サーバ400とデータを送受信したり、又は、有線通信方式で
あるイーサネット通信インターフェースを通じて加入者情報サーバ400とデータを送受信したりすることができる。
【0025】
第2通信インターフェース150は、有無線通信が可能な通信チップなどの半導体素子によって具現され得る。
【0026】
演算処理部170は、セキュリティメモリ110、第1通信インターフェース130及び第2通信インターフェース150に連結され、本願で開示される技術に従って、後述の処理を行うように構成される。
【0027】
演算処理部170は、例えばCPU(Central Processing Unit)などの半導体素子によって具現され得る。演算処理部170がセキュリティ領域と一般領域を備えるプロセッサなどの半導体素子を用いて具現される場合、セキュリティメモリ110はプロセッサに含まれるセキュリティ領域を用いて具現され得る。演算処理部170は、一つ以上のプロセッサ(図示せず)を有することもできる。一つ以上のプロセッサの各々は、演算処理部170によって実行される後述の処理のうち、少なくとも一部を各々行うように構成され得る。
【0028】
図2は、本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置が配置されるネットワーク環境を例示的に示す図面である。
【0029】
図2を参照すれば、RoIPネットワーク300内には複数の端末、例えば端末200-1~端末200-nが配置される。ゲートウェイ装置100もRoIPネットワーク300内に配置される。また、端末の固有識別情報を保存するサーバ250がRoIPネットワーク300内に配置されることもある。
【0030】
移動通信ネットワーク500内には加入者情報サーバ400が配置される。ゲートウェイ装置100も、移動通信ネットワーク500内に配置される。移動通信サービスを提供するために他の装置が移動通信ネットワーク500内に配置されるが、
図2では図示を省略する。
【0031】
図2を参照すれば、ゲートウェイ装置100は、RoIPネットワーク300内に含まれ、かつ、移動通信ネットワーク500内にも含まれる。したがって、ゲートウェイ装置100は、後述するように移動通信ネットワーク500に関連するサービスを、RoIPネットワーク300内に含まれた複数の端末、例えば、端末200-1~端末200-nのうち少なくとも一つの端末に提供することができる。詳細については後述する。
【0032】
移動通信ネットワーク500は、公衆移動通信ネットワーク、又は私設移動通信ネットワークであり得る。
【0033】
例えば、後述する仮想SIM情報を公衆移動通信ネットワークで支援しないのであれば、移動通信ネットワーク500は私設移動通信ネットワークであり得る。
【0034】
図3は、本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の演算処理部が行う処理の一例を示す図面である。
【0035】
図3を参照すれば、演算処理部170は、まず装置情報を取得する処理P110を行う。
【0036】
装置情報は、移動通信ネットワーク500の加入者情報サーバ400に登録する情報として用いられる。装置情報は固有識別情報を含む。例えば、装置情報はゲートウェイ装置100の固有識別情報を含むことができる。また、装置情報は複数の端末、例えば端末200-1~端末200-nのうち指定された端末の固有識別情報を含むことができる。
【0037】
図4は、本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の演算処理付加装置情報を獲得するために行う処理を例示的に示す図面である。
【0038】
装置情報がゲートウェイ装置100の固有識別情報を含む場合、処理P110は、ゲートウェイ装置100内に保存されたゲートウェイ装置100の固有識別情報を読み取る処理P111を含むことができる。
【0039】
装置情報が複数の端末、例えば端末200-1~端末200-nのうち指定された端末の固有識別情報を含む場合、処理P110は指定された端末から固有識別情報を受信する処理P113を含むことができる。
【0040】
または装置情報が複数の端末、例えば端末200-1~端末200-nのうち指定された端末の固有識別情報を含む場合、処理P110はRoIPネットワーク300内に配置され、指定された端末の固有識別情報を保存するサーバ250から固有識別情報を受信する処理P113を含むことができる。
【0041】
再び
図3を参照すれば、演算処理部170は装置情報を第2通信インターフェース150)を通じて加入者情報サーバ400に登録し、加入者情報サーバ400から第2通信インターフェース150)を通じて移動局識別番号を含む仮想SIM(Subscriber Identity Module)情報を受信し、セキュリティメモリ110に保存する処理P130を行う。仮想SIM情報は、加入者情報サーバ400が発行し、物理的なSIMを代替するための情報を含む。仮想SIM情報は、例えば加入者識別情報(International Mobile Subscriber Identity、IMSI)、移動局識別番号MIN(Mobile Identification Number、MIN)、移動局国際ISDN番号(Mobile Station International ISDN Number)、国際移動端末識別番号(International Mobile Equipment Identity、IMEI)、認証用加入者キー(Ki)、通信会社認証用キー(OP)及び通信会社固有の認証用キー(OPc)(Operator Constant)などの情報を含む。
【0042】
加入者情報サーバ400が仮想SIM情報を発行し、演算処理部170が仮想SIM情報をセキュリティメモリ110に保存すれば、ゲートウェイ装置100或いは指定された端末は移動通信ネットワーク500内に登録された装置とみなされる。
【0043】
例えば、装置情報がゲートウェイ装置100の固有識別情報を含む場合には、ゲートウェイ装置100は移動通信ネットワーク500内に登録された装置とみなされる。
【0044】
例えば、装置情報が複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含む場合には、指定された端末は移動通信ネットワーク500内に登録された装置とみなされる。
【0045】
処理P130は、例えば処理P110を通じて取得した装置情報を基に初期SIM情報を生成する処理と、初期SIM情報を仮想SIM情報に更新する処理とを含むことができる。すなわち、従来のSIMカードにおいてSIM情報を発行することに類似して、一次的に初期SIM情報をセキュリティメモリ110に保存した後、二次的に加入者情報サーバ400から受信した仮想SIM情報を用いて初期SIM情報を仮想SIM情報に更新することができる。
【0046】
再び
図3を参照すれば、演算処理部170は移動局識別番号を用いて移動通信ネットワーク500に関連するサービスを、第1通信インターフェース130を通じてRoIPネットワーク300内の複数の端末、例えば端末200-1~端末200-nのうち少なくとも一つの端末に提供する処理P150を行う。
【0047】
図5は、本願で説明される技術の実施例に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の演算処理部が移動通信ネットワークに関連するサービスを提供するために行う処理を例示的に示す図面である。
【0048】
例えば、装置情報が複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含む場合には、処理P150は、移動通信ネットワーク500に関連するサービスをRoIPネットワーク300内の指定された端末に提供する処理P151を含むことができる。
【0049】
装置情報が複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含む場合には、指定された端末は移動通信ネットワーク500内に登録された装置とみなされる。
【0050】
例えば、ゲートウェイ装置100が第1通信インターフェース130の通信チャンネルを通じてRoIPネットワーク300内の指定された端末に連結された場合、移動通信ネットワーク500に関連するサービスを指定された端末へ提供することができる。
【0051】
より具体的は、移動通信ネットワーク500に関連するサービスがメッセージサービス或いは電話サービスであり、指定された端末が端末200-1の場合、ゲートウェイ装置100は移動通信ネットワーク500を通じて伝送されるメッセージデータ或いは電話通話データを端末200-1へ伝送することにより、移動通信ネットワーク500に関連するサービスを指定された端末へ提供することができる。メッセージデータ或いは電話通話データは、移動通信ネットワーク500ではなく、IPネットワーク(図示せず)を通じて伝送されることもある。例えばSIP基盤メッセージサービスのメッセージデータ及びVoIPサービスの電話通話データのように、メッセージデータ或いは電話通話データはIPネットワーク(図示せず)を通じて伝送されることもある。
【0052】
例えば、装置情報が複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含む場合、処理P150は、移動通信ネットワーク500に関連するサービスをRoIPネットワーク300内の指定された端末を有する端末グループに提供する処理P153を含むことができる。
【0053】
例えば、移動通信ネットワーク500に関連するサービスがメッセージサービス或いは電話サービスであり、指定された端末が端末200-1の場合、ゲートウェイ装置100は移動通信ネットワーク500を通じて伝送されるメッセージデータ或いは電話通話データを端末200-1を有する端末グループへ伝送することにより、移動通信ネットワーク500に関連するサービスを端末グループへ提供することができる。
【0054】
例えば、第1通信インターフェース130の複数の通信チャンネルのうち指定された端末200-1が連結された通信チャンネルに端末200-3が連結された場合、ゲートウェイ装置100は移動通信ネットワーク500を通じて伝送されるメッセージデータ或いは電話通話データを、端末グループ、すなわち端末200-1及び端末200-3へ伝送することにより、移動通信ネットワーク500に関連するサービスを端末グループへ提供することができる。
【0055】
例えば、指定された端末200-1がメッセージデータを信号処理して表示する機能がなければ、端末200-1はメッセージサービスの提供を受けることができない。したがって、処理P150は、メッセージデータを音声信号に変換する、すなわち、TTS(Text-To-Speech)を用いてメッセージデータを音声信号に変換する処理と、音声信号を第1通信インターフェース130を通じて一つ以上の端末、例えば端末200-1或いは端末200-1を有する端末グループへ伝送する処理P157を含むことができる。
【0056】
すなわち、RoIPネットワーク300にメッセージデータを信号処理して表示する機能を備えていない端末が存在しても、処理P157を通じて演算処理部170はメッセージサービスを提供することができる。
【0057】
例えば、装置情報がゲートウェイ装置100の固有識別情報を含む場合、処理P150は、RoIPネットワーク300内の複数の端末のうち移動通信ネットワーク500に関連するサービスを提供する一つ以上の端末を選択する処理P155を含むことができる。
【0058】
装置情報がゲートウェイ装置100の固有識別情報を含む場合、ゲートウェイ装置100は移動通信ネットワーク500内に登録された装置とみなされる。
【0059】
従って、装置情報が複数の端末のうち指定された端末の固有識別情報を含む場合とは異なって、RoIPネットワーク300内の複数の端末のうち、いずれの端末に移動通信ネットワーク500に関連するサービスを提供するのかが明確でない。
【0060】
これを改善するために、演算処理部170は、処理P155を通じて移動通信ネットワーク500に関連するサービス
を提供する一つ以上の端末を選択する。
【0061】
例えば、移動通信ネットワーク500に関連するサービスがメッセージサービスである場合、処理P155はメッセージサービスのメッセージデータを分析して予め指定された政策を基に一つ以上の端末を選択する処理を含むことができる。
【0062】
予め指定された政策は、メッセージデータから抽出される優先順位情報、災難情報、位置情報のうち少なくとも一つを基準に、一つ以上の端末を選択する政策を含むことができる。
【0063】
例えば、メッセージデータ内に「緊急」という単語が含まれる場合、優先順位情報を最上に設定して、RoIPネットワーク300内の全ての端末をメッセージサービスを提供する端末として選択することができる。
【0064】
例えば、メッセージデータ内に「火災」という単語が含まれる場合、災難情報を火災状況に設定して、RoIPネットワーク300内の複数の端末のうち消防関連部署に割り当てられた端末グループをメッセージサービスを提供する端末として選択することができる。
【0065】
例えば、メッセージデータ内に「第1工場」という単語が含まれる場合、位置情報を第1工場地域に設定して、RoIPネットワーク300内の複数の端末のうち第1工場に割り当てられた端末グループを、メッセージサービスを提供する端末として選択することができる。
【0066】
一方、装置情報がゲートウェイ装置100の固有識別情報を含む場合にも、例えば端末200-1にメッセージデータを信号処理して表示する機能がなければ、端末200-1はメッセージサービスの提供を受けることができない。したがって、装置情報がゲートウェイ装置100の固有識別情報を含む場合においても、処理P150はメッセージデータを音声信号に変換する処理と、音声信号を第1通信インターフェース130を通じて一つ以上の端末へ伝送する処理P157とを含むことができる。
【0067】
再び
図3を参照すれば、演算処理部170は、RoIPネットワーク300の構成が変更される場合、仮想SIM情報を更新するかどうかを判断する処理P170と、処理P170の判断結果に従って仮想SIM情報を更新する処理P190とをさらに行うことができる。
【0068】
例えば、RoIPネットワーク300に端末が追加されたり、端末が除去されたりする場合、特に前述の指定された端末が除去される場合、演算処理部170は処理P170を通じて仮想SIM情報を更新するものとして判断することができる。仮想SIM情報を更新する場合、演算処理部170は処理190を通じて仮想SIM情報を更新する。
【0069】
処理190は、例えば処理P110及び処理P130を行うことを含むことができる。
【0070】
<他の実施例> これまで本願で説明される技術の実施例が具体的に説明されたが、それは単に本願で説明される技術を例示的に説明したものに過ぎず、本願に係る当業者ならば、本願で説明される技術の本質的な特性から逸脱しない範囲内で様々な変形が可能である。
【0071】
例えば、前述した実施例では、セキュリティ領域110に一つの仮想SIM情報が保存される例を基に説明したが、本願で説明される技術はこれに限らない。
【0072】
例えば、セキュリティ領域110にゲートウェイ装置100の仮想SIM情報、端末200-1の仮想SIM情報、端末200-3の仮想SIM情報とともに、複数の仮想SIM情報が保存され得る。
【0073】
その場合、ゲートウェイ装置100、端末200-1及び端末200-3の各々は、移動通信ネットワーク500内に登録された装置としてみなされる。
【0074】
したがって、例えば、端末200-1の移動局識別番号を用いて伝送されるメッセージサービスのメッセージデータは、端末200-1或いは端末200-1を有する端末グループへ提供され、端末200-3の移動局識別番号を用いて伝送されるメッセージサービスのメッセージデータは、端末200-3或いは端末200-3を有する端末グループへ提供され、例えばゲートウェイ装置100の移動局識別番号を用いて伝送されるメッセージサービスのメッセージデータは、RoIPネットワーク300内の全体端末或いは選択された一部の端末へ提供され得る。
【0075】
例えば、本願で説明される技術はRoIPネットワークのためのサービス提供方法に適用されることもある。
【0076】
本願で説明される技術に係るRoIPネットワークのためのサービス提供方法は、セキュリティメモリと、RoIPネットワーク内の複数の端末との間でデータを送受信するインターフェースを提供する第1通信インターフェースと、移動通信ネットワークの加入者情報サーバとデータを送受信するインターフェースを提供する第2通信インターフェースとを有するゲートウェイ装置によって行われ、(a)装置情報を取得する段階と、(b)前記装置情報を前記第2通信インターフェースを通じて前記加入者情報サーバに登録し、前記加入者情報サーバから前記第2インターフェースを通じて移動局識別番号を含む仮想SIM情報を受信し、前記セキュリティメモリに保存する段階と、(c)前記移動局識別番号を用いて前記移動通信ネットワークに関連するサービスを、前記第1通信インターフェースを通じて前記RoIPネットワーク内の前記複数の端末のうち少なくとも一つの端末に提供する段階とを有することができる。
【0077】
本願で説明される技術に係るRoIPネットワークのためのゲートウェイ装置の他の特徴も、本願で説明される技術に係るRoIPネットワークのためのサービス提供方法でも同様に適用され得る。
【0078】
したがって、本明細書に説明されている実施例は、本願で説明される技術を限定するためのものではなく、説明するためのものであって、このような実施例により本願で説明される技術の思想と範囲が限定される訳ではない。本願で説明される技術の権利範囲は下記の請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等な範囲内にある全ての技術は、本願で説明される技術の権利範囲に含まれるものとして解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本願で説明される技術によれば、仮想SIM情報を用いてRoIPネットワーク或いはRoIPネットワーク内の端末に対して移動局識別番号を提供することができる。したがって、メッセージサービスなどの移動通信ネットワークに関連するサービスをRoIPネットワーク内の端末に提供することができる。また、メッセージを分析した結果を用いて予め指定された政策に従い、RoIPネットワーク内の端末に対して受信対象を異ならせてメッセージサービスを提供することができる。また、TTSを用いてメッセージサービスをRoIPネットワーク内の端末に提供することもできる。
【符号の説明】
【0080】
100 ゲートウェイ装置 110 セキュリティメモリ 130 第1通信インターフェース 150 第2通信インターフェース 170 演算処理部 200-1~200-n 端末 250 サーバ 300 RoIPネットワーク 400 加入者情報サーバ 500 移動通信ネットワーク