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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140211
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】熱処理オーブンのヒーターユニット
(51)【国際特許分類】
   H05B 3/20 20060101AFI20220915BHJP
   H05B 3/10 20060101ALI20220915BHJP
   H01L 21/324 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H05B3/20 396
H05B3/10 A
H01L21/324 K
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021093650
(22)【出願日】2021-06-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032208
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】520252033
【氏名又は名称】コヨ サーモ システム コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ナカニシ サトル
(72)【発明者】
【氏名】キム ミンチョル
【テーマコード(参考)】
3K034
3K092
【Fターム(参考)】
3K034AA16
3K034AA22
3K034BB14
3K034BC16
3K034FA17
3K034FA38
3K034JA10
3K092PP20
3K092QA05
3K092QB43
3K092RF03
3K092RF19
3K092RF26
3K092SS14
3K092VV02
3K092VV22
3K092VV32
(57)【要約】
【課題】熱処理オーブンのチャンバー内部で使用可能で、高温でも絶縁破壊なしに温度均一性の維持が可能で、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させられる熱処理オーブンのヒーターユニットを提供する。
【解決手段】本発明は、基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内には複数のヒーターユニットを実装することにより、前記ヒーターユニットから発生する熱を介して基板を加熱又は乾燥させる熱処理オーブンのヒーターユニットであって、前記ヒーターユニットは、電気抵抗により発熱する発熱線が内蔵されて加熱されるパイプと、前記パイプの上下部に配置される上部熱伝達板及び下部熱伝達板と、前記上部熱伝達板と前記下部熱伝達板との間に配置され、前記上部熱伝達板と前記下部熱伝達板との間隔を維持させ且つ前記上部熱伝達板及び前記下部熱伝達板を支持する複数のブッシュ部と、を含んで構成できる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内には複数のヒーターユニットを実装することにより、前記ヒーターユニットから発生する熱を介して基板を加熱又は乾燥させる熱処理オーブンのヒーターユニットであって、
前記ヒーターユニットは、電気抵抗により発熱する発熱線が内蔵されて加熱されるパイプと、前記パイプの上下部に配置される上部熱伝達板及び下部熱伝達板と、前記上部熱伝達板と前記下部熱伝達板との間に配置され、前記上部熱伝達板と前記下部熱伝達板との間隔を維持させ且つ前記上部熱伝達板及び前記下部熱伝達板を支持する複数のブッシュ部と、を含む、熱処理オーブンのヒーターユニット。
【請求項2】
前記パイプは、中空を有する円形であることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンのヒーターユニット。
【請求項3】
前記パイプの一端には、導電部が接続されて電源を供給するパワースリーブが装着され、前記パワースリーブの配置位置を基準にスリーブ放熱ブロックが配置されたことを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンのヒーターユニット。
【請求項4】
前記ブッシュ部は、中空ホールを有し、前記下部熱伝達板の開口孔に沿って位置決めされるブッシュを含み、前記ブッシュは、支持手段を介して前記開口孔に沿って装着固定されることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理オーブンのヒーターユニット。
【請求項5】
前記支持手段は、前記下部熱伝達板に穿設された開口孔にセンタリングされるように上部熱伝達板から下方に突出して前記ブッシュの中空ホールに沿って進入するフィクサーと、前記フィクサーを前記下部熱伝達板の底面から支持する固定ナットと、を含むことを特徴とする、請求項4に記載の熱処理オーブンのヒーターユニット。
【請求項6】
前記下部熱伝達板の下面と前記固定ナットの上面との間にワッシャーを設置して前記フィクサーの遊動と変形を防止するように構成されたことを特徴とする、請求項5に記載の熱処理オーブンのヒーターユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内部でガラス基板の熱処理の際に基板面に対して温度均一性を安定的に維持させる、熱処理オーブンのヒーターユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、ディスプレイは、TV、携帯電話、モニターなどのさまざまな種類の画像装置に適用されており、急速な技術の発達により、製品の性能を向上させるための努力が続けられている。有機発光表示装置及びLCD基板は、次世代ディスプレイ装置の一つであり、様々な製品分野に適用されている。ディスプレイ装置を構成するガラス基板は熱処理によって製造するが、熱処理の際に工程ごとに要求される条件を満たすためには、外気の影響を防ぎ、熱がチャンバーの外に放出されることを最小限に抑えなければならない。すると、性能の低下を防止することができ、製品の不良率を下げることができる。また、完成品の歩留まりを向上させるためには熱処理の際に基板の面内バラツキが少ないほど良いので、より高性能の熱処理オーブンが求められており、継続的な研究が行われている。
【0003】
一方、フラットディスプレイの代表的な有機発光表示装置の基板やLCDガラス基板(以下、「基板」または「ガラス基板」という)を製造するにあたり、温度管理と温度均一性は、良品の基板品質及び歩留まりの維持のために必ず必要である。例えば、熱処理オーブンを用いた基板製造工程では、基板の表面に有機物層が形成され、一定量の水分を含むことができるため、水分を蒸発させる乾燥工程を必要としているが、LCDガラス基板の製造工程では、基板の表面に感光膜をコートする前に洗浄工程を行い、洗浄工程の後には水分除去のための加熱乾燥工程を行っており、基板製造工程の多くは、加熱及び乾燥工程を行って基板を製造している。このように基板製造工程から発生する水分は、赤外線を活用するか、或いは、シースヒーター(sheath heater)などの発熱体を含む熱処理オーブンのチャンバーに入れて加熱乾燥によって除去している。これに関連して、韓国登録特許第10-1238560号公報及び韓国公開特許第10-2013-0028322号公報には、「LCDガラスオーブンチャンバー」が提案されている。ところが、ヒーターを発熱体として備える従来の熱処理オーブンの発熱体配置方式では、基板製造工程で必要とする高温の温度性能と温度均一性を満足させるのに限界がある。これにより、熱処理オーブンのチャンバー内部で使用が可能であり、高温でも絶縁破壊なしに温度均一性の維持が可能であるヒーター発熱体、及び基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させることができる、新しい熱処理オーブンのヒーターが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1238560号公報(公告日2013年2月28日)
【特許文献2】韓国登録特許第10-0722154号公報(公告日2007年5月28日)
【特許文献3】韓国公開特許第10-2013-0028322号公報(公開日2013年3月19日)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、熱処理オーブンのチャンバー内部で基板の熱処理の際に基板面に対して温度均一性を安定的に維持させる、熱処理オーブンのヒーターユニットを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、熱処理オーブンのチャンバー内部で使用が可能であり、高温でも絶縁破壊なしに温度均一性の維持が可能であり、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させることができる、熱処理オーブンのヒーターユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、本発明によれば、基板の加熱乾燥のために基板を収容するチャンバーを備え、前記チャンバー内には複数のヒーターユニットを実装することにより、前記ヒーターユニットから発生する熱によって基板を加熱又は乾燥させる熱処理オーブンにおいて、前記ヒーターユニットは、電気抵抗により発熱する発熱線が内蔵されて加熱されるパイプと、前記パイプの上下部に配置される上部熱伝達板及び下部熱伝達板と、前記上部熱伝達板と前記下部熱伝達板との間に配置され、前記上部熱伝達板と前記下部熱伝達板との間隔を維持させ且つ前記上部熱伝達板及び前記下部熱伝達板を支持する複数のブッシュ部と、を含む、熱処理オーブンのヒーターユニットにより達成できる。
【0008】
本発明の実施形態によれば、前記パイプは、円形の中空パイプで構成できる。
【0009】
本発明の実施形態によれば、前記パイプの一端には、導電部が接続されて電源を供給すパワースリーブが装着され、前記パワースリーブの配置位置を基準にスリーブ放熱ブロックが配置されて構成できる。
【0010】
本発明の実施形態によれば、前記ブッシュ部は、中空ホールを有し、前記下部熱伝達板の開口孔に沿って位置決めされるブッシュを含み、前記ブッシュは、支持手段を介して前記開口孔に沿って装着固定されるように構成できる。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記支持手段は、前記下部熱伝達板に穿設された開口孔にセンタリングされるように前記上部熱伝達板から下方に突出して前記ブッシュの中空ホールに沿って進入するフィクサーと、前記フィクサーを前記下部熱伝達板の底面から支持する固定ナットと、を含んで構成できる。
【0012】
本発明の実施形態によれば、前記下部熱伝達板の下面と前記固定ナットの上面との間にワッシャーを設置して前記フィクサーの遊動及び変形を防止するように構成できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内部で基板の熱処理の際に基板面に対して温度均一性を安定的に維持させるという効果がある。
【0014】
また、本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内部で使用が可能であり、高温でも絶縁破壊なしに温度均一性の維持が可能であり、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させることができるという効果がある。
【0015】
また、本発明は、ヒーターユニットを構成する上部熱伝達板と下部熱伝達板との間にインサート方式のブッシュ部を介在し、これを介して上部熱伝達板と下部熱伝達板の熱変形、または上部熱伝達板と下部熱伝達板に加わる衝撃による位置変形を含む様々な変形要因を制御することができるという効果がある。
【0016】
また、本発明は、ヒーターユニットを構成する上部熱伝達板と下部熱伝達板とを一定の間隔で離間させることにより、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】熱処理オーブンを示す例示図である。
図2】熱処理オーブンの正面を示す例示図である。
図3】熱処理オーブンの平面を示す例示図である。
図4】熱処理オーブンの一側面を示す例示図である。
図5】熱処理オーブンに配置される本発明の一実施形態に係るヒーターユニットの例示図である。
図6】熱処理オーブンに配置される本発明の一実施形態に係るヒーターユニットを平面構造で示す例示図である。
図7】本発明の一実施形態に係るヒーターユニットを示す例示図である。
図8図7のA部を抜粋して詳細に示す例示図である。
図9】本発明の一実施形態に係るヒーターユニットの詳細構造を説明する例示図である。
図10】本発明の一実施形態に係るヒーターユニットのブッシュ構造を説明する例示図である。
図11】本発明の一実施形態に係るヒーターユニットのブッシュを分解して示す例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態に係る「熱処理オーブンのヒーターユニット」を説明する。
【0019】
図1は熱処理オーブンを示す例示図である。図2は熱処理オーブンの正面を示す例示図である。図3は熱処理オーブンの平面を示す例示図である。図4は熱処理オーブンの側面を示す例示図である。
【0020】
図1乃至図4は熱処理オーブン100の全体構造を示すもので、チャンバー200を含んで構成された熱処理オーブン100の例示図である。
【0021】
熱処理オーブン100は、図1乃至図4に示されているように、基板を熱処理するために、熱処理対象基板を、チャンバー200内に設けられた各段に取り込んだり、熱処理工程済みの基板をチャンバー200から取り出したりするために、背面部にはドア部110、前面部にはシャッター部120をそれぞれ備えることができる。
【0022】
また、熱処理オーブン100は、加熱または乾燥が必要とされる基板を収容するチャンバー200を備え、チャンバー200内には発熱体からなる複数のヒーターユニット300を実装することにより、そのヒーターユニット300から発生する熱で基板を加熱するか或いは水分を蒸発乾燥させるように構成される。
【0023】
そして、熱処理オーブン100は、チャンバー200の一側に、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー200内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバー200を支持又はサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターユニット300の発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部301を含んで構成されている。
【0024】
また、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーターユニット300を構成する発熱体であるパイプ310の上下部には上部熱伝達板321及び下部熱伝達板322を密着するように設置して、チャンバー200内で行われる基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0025】
ここで、熱処理オーブンの発熱体として機能するヒーターユニット300は、パイプ(金属保護管)に、電気抵抗により発熱する発熱線(発熱コイル)を内蔵し、絶縁粉末である酸化マグネシウム(MgO)を入れて一緒に充填することにより発熱線とパイプ310を絶縁したヒーターであり得る。パイプ310は、ミネラル絶縁ヒーター(Mineral Insulated Heater)として使用できる。この場合、細く製作が可能な特徴を持つ。
【0026】
一方、図1及び図4において、未説明符号「210」と「220」は、チャンバー200の「内外部ケーシング」を示す。未説明符号「230」は、チャンバー200に冷却気流を形成して、チャンバー200の内部に構成された冷却気流誘導路を介してチャンバー200を均一な温度分布で冷却させる「冷却ジャケット」を示す。未説明符号「240」は、フィードスルーを突出させ、これを介してチャンバー200内に電源を供給する「電源供給部」を示す。
【0027】
ちなみに、図1及び図4に示されているような、熱処理オーブンを構成する基本的な構成、例えば、チャンバーの構造及びプロセスガスの給気及び排気系統、ヒーターユニットに電源を供給するバスバーを含む導電部及び電源供給部の構成は、本発明と直接の関連がない。そして、熱処理オーブンの基本的な該当構成は、本発明の要旨とは無関係である公知の構成なので、本発明の構成及び動作の説明で省略することとする。
【0028】
図1乃至図4に示されているように、熱処理オーブンは、一般に、基板を熱処理するために、熱処理対象基板を、ヒーターが設置されたチャンバー内に設けられた各段に取り込んだり、熱処理工程済みの基板をチャンバーから取り出したりするために、背面部にはドア、前面部にはシャッターをそれぞれ備えることができる。
【0029】
また、熱処理オーブンは、加熱または乾燥が必要とされる基板を収容するチャンバーを備え、チャンバー内には発熱体からなるヒーターユニットを実装することにより、ヒーターユニットから発生する熱で基板を加熱するか或いは水分を蒸発乾燥させるように構成できる。
【0030】
また、仕様によって異なるが、通常の場合、ヒーターを構成する発熱体の上下部には上/下部熱伝達板を密着するように設置して、基板加熱工程を効果的に行うように構成されている。
【0031】
また、熱処理オーブンのチャンバーの一側には、プロセスガスを含む流体を流入させる給気口、及びチャンバー内の流体を排気させる排気口を備え、チャンバーを支持及びサポートするラグ付きフレーム、及びヒーターの発熱線を接続して電流を通電させる多数のバスバーが接続された導電部を含んで構成されている。
【0032】
一方、熱処理オーブンは、チャンバーの内部に、基板熱処理工程中に基板上に残存する水分を除去するためにヒーターを含んでおり、製品の品質を向上させるために、より効率的で高い性能の工程能力を求めている。
【0033】
また、熱処理工程の時間短縮によってより多くの量の製品を量産するために、チャンバーの内部に設置されるヒーターユニットが高性能でありながらも、構造的に強化された耐久性を要求している。
【0034】
しかし、従来の熱処理オーブンのヒーターユニットは、高温でも絶縁破壊なしに温度均一性の維持が難しく、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を十分に満足させる上で困難が伴われている。
【0035】
これにより、本発明は、熱処理オーブンのチャンバー内部で使用が可能であり、高温でも絶縁破壊なしに温度均一性の維持が可能であり、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させることができる熱処理オーブンのヒーターユニットを提示する。
【0036】
次に、本発明による熱処理オーブンのヒーターユニットを構成する主要構成について、図5乃至図11を参照して具体的に説明する。
【0037】
図5は熱処理オーブンに配置される本発明の一実施形態に係るヒーターユニットの例示図である。図6は熱処理オーブンに配置される本発明の一実施形態に係るヒーターユニットを平面構造で示す例示図である。図7は本発明の一実施形態に係るヒーターユニットの一部を切り取って示す例示図である。図8図7のA部を抜粋して詳細に示す例示図である。図9は本発明の一実施形態に係るヒーターユニットの詳細構造を説明する例示図である。
【0038】
本発明の実施形態に係る熱処理オーブンのヒーターユニット300は、図5乃至図9に示されているように、基板(図示せず)の加熱乾燥のために、基板を収容するチャンバー200内に複数実装されて配置できる。熱処理オーブン100は、ヒーターユニット300から発生する熱によって基板を加熱又は乾燥させるように構成できる。
【0039】
ヒーターユニット300は、電気抵抗により発熱する発熱線302が内蔵されて加熱されるパイプ310で構成できる。
【0040】
ここで、発熱体として機能するパイプ310は、好ましくは、発熱線302が内蔵された、円形の中空パイプ310を選択して構成できる。円形のパイプ310は、高温発熱性能、耐久性及び均一分布の高温発熱性能を出すようにするために、図7及び図8に示されているように、一定の間隔を維持して屈曲形状に配置することが好ましい。
【0041】
このように円形のパイプ310を適用する場合、一定の間隔を維持する中で、急激な屈曲なしにスムーズに曲げた形状の発熱体に製造できるので、温度を均一に維持する重要な役割を果たし、太さを細くしながらも、太さに応じて曲げる限界値と間隔を狭めることができ、これにより、熱処理オーブン100の発熱体として適用されるときに全体性能を向上させることができるという利点がある。
【0042】
ヒーターユニット300は、図9に示されているように、パイプ310の上下部に配置される上部熱伝達板321及び下部熱伝達板322と、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間に配置され、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間隔を維持させ且つ上部熱伝達板321及び下部熱伝達板322を支持する複数のブッシュ部330とを含んで構成できる。
【0043】
また、ヒーターユニット300を構成するパイプ310の一端には、図8に示されているように、導電部301が接続されて電源を供給するパワースリーブ311が装着され、パワースリーブ311の配置位置を基準にスリーブ放熱ブロック312を配置して構成できる。
【0044】
ここで、パワースリーブ311は、導電部301の接続を誘導し、パイプ310から外部に放射される熱損失を遮断するように構成できる。このために、パワースリーブ311の配置位置を基準に、その周辺部にはスリーブ放熱ブロック312を装着し、これを介して高温の熱を放熱するようにすることにより、過熱による導電部301の破損や火災の危険から導電部301を効果的に保護することができる。
【0045】
スリーブ放熱ブロック312は、好ましくは、高温に耐える、放熱性能及び電気的絶縁性に優れるアルミニウム合金またはセラミック素材の中から選択することが好ましい。
【0046】
図10は本発明の一実施形態に係るヒーターユニットのブッシュ構造を説明する例示図である。図11は本発明の一実施形態に係るヒーターユニットのブッシュを分解して示す例示図である。
【0047】
また、ヒーターユニット300を構成するブッシュ部330は、図9乃至図11に示されているように、中空ホール332を有し、下部熱伝達板322の開口孔323に沿って位置決めされるブッシュ331を含んで構成できる。そして、ブッシュ331は、支持手段を介して開口孔323に沿って装着固定して構成できる。
【0048】
ここで、ブッシュ331は、パイプ310を基準としてその上下部に位置して接触する上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間に介在し、高温でも絶縁破壊なしに上部熱伝達板321と下部熱伝達板322の遊動や変形を制御し、一定の遊隙を形成して、これを介して温度均一性を一定に維持するように誘導する。
【0049】
例えば、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322は、パイプ310から伝導される熱を最終的に熱処理オーブン100のチャンバー200内に放射するが、この時、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間隔の変動や熱応力変形などが発生すると、温度均一性のバラツキが発生するおそれがある。これは、熱処理オーブン100にセットされた熱放射面積の変形と熱平衡に急激な変化をもたらす問題として現れうる。
【0050】
熱処理オーブン100のチャンバー200に配置されるヒーターユニット300の温度均一性及び温度管理は、その程度の差に応じて、基板の熱処理製造における歩留まり及び性能の維持に直接または間接的な影響を及ぼす。
【0051】
本発明によれば、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間にインサート方式で介在するブッシュ部330は、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322の熱変形、または上部熱伝達板321と下部熱伝達板322に加わる衝撃による位置変形を含む様々な変形要因を効果的に制御し、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322とを一定の間隔で離間させることにより、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させることができる。
【0052】
このために、ブッシュ331は、支持手段を介して上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間に複数箇所に配置して構成でき、支持手段は、下部熱伝達板322に穿設された開口孔323にセンタリングされるように、上部熱伝達板321から下方に突出してブッシュ331の中空ホール332に沿って進入するフィクサー340、及びフィクサー340を下部熱伝達板322の底面から支持する固定ナット341を含んで構成できる。
【0053】
図10に示されているように、ブッシュ部330は、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間に装着でき、ブッシュ331は、図11に示されているように、上部熱伝達板321から下方に突出してブッシュ331の中空ホール332に沿って進入するフィクサー340を介して下部熱伝達板322に位置決めされ、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322との間に一定の遊隙を形成し、その間隔は、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322が高熱を受ける条件でも一定の間隔を維持するように、上部熱伝達板321と下部熱伝達板322を支持する機能をする。
【0054】
また、フィクサー340は、図10に示されているように、上部熱伝達板321から突出してブッシュ331の中空ホール332を通過し、続いて下部熱伝達板322の開口孔323に沿って挿入されて下部熱伝達板322の底面から固定ナット341を締結して強固な状態に支持固定される。ここで、下部熱伝達板322の底面と固定ナット341の接触面との間にワッシャー342を設置する場合、フィクサー340の遊動と変形を効果的に防止することができる。
【0055】
このように、本発明による熱処理オーブンのヒーターユニットは、熱処理オーブンのチャンバー内部で使用が可能であり、高温でも絶縁破壊なしに温度均一性の維持が可能であり、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させることができるという有利な利点がある。
【0056】
また、上部熱伝達板と下部熱伝達板との間にインサート方式で介在するブッシュ部を介して上部熱伝達板と下部熱伝達板の熱変形、または上部熱伝達板と下部熱伝達板に加わる衝撃による位置変形を含む様々な変形要因を効果的に制御することができるという利点がある。
【0057】
また、上部熱伝達板と下部熱伝達板との間を一定の間隔に維持させることにより、基板製造工程で必要とされる高温の温度性能と温度均一性を満足させることができるという利点がある。
【0058】
本発明は、図示された一実施形態を参照して説明されたが、実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱することなく修正及び変更して実施することができ、それらの修正と変更も本発明の技術思想に含まれると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0059】
100 熱処理オーブン
200 チャンバー
300 ヒーターユニット
301 導電部
302 発熱線
310 パイプ
311 パワースリーブ
312 スリーブ放熱ブロック
321 上部熱伝達板
322 下部熱伝達板
323 開口孔
330 ブッシュ部
331 ブッシュ
332 中空ホール
340 フィクサー
341 固定ナット
342 ワッシャー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11