(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140225
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】車線維持制御装置、それを含む車両システム、及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
B60W 30/12 20200101AFI20220915BHJP
【FI】
B60W30/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122994
(22)【出願日】2021-07-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032849
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 東 ヒョク
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA12
3D241BB37
3D241CC00
3D241CC08
3D241CC17
3D241CD07
3D241CD11
3D241CE02
3D241CE05
3D241DA58Z
3D241DB02Z
3D241DC01Z
3D241DC25Z
3D241DD06Z
(57)【要約】
【課題】運転者の操舵の方向性とトルク値を判断し、運転者が意図する走行モードを支援可能な車線維持制御装置、それを含む車両システム、及びその方法を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態に係る車線維持制御装置は、車線維持制御時に、運転者の操舵方向と運転者の操舵トルク値に基づいて運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援するプロセッサと、プロセッサにより駆動されるデータ及びアルゴリズムが格納される格納部と、を含むことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車線維持制御時に、運転者の操舵方向と前記運転者の操舵トルク値に基づいて前記運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援するプロセッサと、
前記プロセッサにより駆動されるデータ及びアルゴリズムが格納される格納部と、を含むことを特徴とする、車線維持制御装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、走行道路が直線路であるかを判断することを特徴とする、請求項1に記載の車線維持制御装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、偏向走行に対する前記運転者の意志が持続的であるかを判断することを特徴とする、請求項1に記載の車線維持制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記偏向走行に対する前記運転者の意志が持続的である場合、自車が走行中である車路の中央に設定された目標経路と前記自車との距離であるオフセットを算出することを特徴とする、請求項3に記載の車線維持制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記オフセットが予め定められた範囲以内である場合、前記偏向走行モードに進むことを特徴とする、請求項4に記載の車線維持制御装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、前記偏向走行モードに進む時に、前記運転者の操舵トルクが予め定められた閾値よりも大きいかを判断することを特徴とする、請求項1に記載の車線維持制御装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクが前記予め定められた閾値以下である場合、自車が走行中である車路の中央に設定された目標経路を維持することを特徴とする、請求項6に記載の車線維持制御装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクが前記予め定められた閾値よりも大きい場合、前記運転者の操舵トルクと前記閾値の差値を算出することを特徴とする、請求項6に記載の車線維持制御装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクと前記閾値の差値、前記運転者が操舵を維持した時間、及び目標経路と自車の現在位置の差値を用いて、前記目標経路を修正するための目標経路オフセットを算出することを特徴とする、請求項8に記載の車線維持制御装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクと前記閾値の差値と、前記運転者が操舵を維持した時間とを乗じた値を、前記閾値と、目標経路と自車の現在位置の差値とを乗じた値で除することで、前記目標経路を修正するための目標経路オフセットを算出することを特徴とする、請求項8に記載の車線維持制御装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記目標経路を、前記目標経路オフセットの分だけ左側または右側に移動して修正することを特徴とする、請求項9に記載の車線維持制御装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、自車が車路内を走行中であり、かつ直線路を走行中である場合、前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在するかを判断することを特徴とする、請求項3に記載の車線維持制御装置。
【請求項13】
前記プロセッサは、前記前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在しない場合、前記偏向走行のための前記運転者の意図が持続的であると判断することを特徴とする、請求項12に記載の車線維持制御装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在する場合、前記前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に存在する車両のうち前記自車に最も近い車両の速度と前記自車の速度を比較することを特徴とする、請求項13に記載の車線維持制御装置。
【請求項15】
前記プロセッサは、前記自車に最も近い車両の速度が前記自車の速度よりも速い場合、前記偏向走行のための前記運転者の意図が持続的であると判断することを特徴とする、請求項14に記載の車線維持制御装置。
【請求項16】
前記プロセッサは、前記自車に最も近い車両の速度が前記自車の速度以下である場合、前記自車に最も近い車両が自車線に偏向走行中であるかを判断することを特徴とする、請求項14に記載の車線維持制御装置。
【請求項17】
前記プロセッサは、前記自車に最も近い車両が前記自車線に偏向走行中であると、偏向走行のための前記自車の前記運転者の意図が一時的であると判断し、前記自車に最も近い車両が前記自車線に偏向走行中ではないと、前記偏向走行のための自車の運転者の意図が持続的であると判断することを特徴とする、請求項16に記載の車線維持制御装置。
【請求項18】
前記プロセッサは、自車が前方車両を追い越すための偏向走行、または前記自車に最も近くで走行している左車線または右車線の車両を追い越すための前記偏向走行である場合、前記偏向走行のための前記自車の前記運転者の意図が一時的であると判断し、前記偏向走行モードを支援しないことを特徴とする、請求項1に記載の車線維持制御装置。
【請求項19】
車線情報及び前方車両情報を検知するセンシング装置と、
車線維持制御時に、前記センシング装置の検知結果に基づいて、運転者の操舵方向と前記運転者の操舵トルク値に基づいて前記運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援する車線維持制御装置と、を含むことを特徴とする、車両システム。
【請求項20】
車線情報及び前方車両情報を検知するステップと、
車線維持制御時に、前記車線情報及び前記前方車両情報、運転者の操舵方向と前記運転者の操舵トルク値に基づいて前記運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援するステップと、を含むことを特徴とする、車線維持制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車線維持制御装置、それを含む車両システム、及びその方法に係り、より詳細には、車線維持制御時に運転者の意図を反映して偏向走行モードを支援可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
LFA(Lane Following Assist、レーン・フォローイング・アシスト)の制御時には、目標経路上に車両速度に比例する目標注視距離を設定した後、その地点に到達するための目標回転半径を計算して追従する。
【0003】
従来の車線維持制御技術は、目標注視距離の目標経路から離れたオフセットの程度を活用して車間補助維持を制御しており、道路の特性や運転者の特性を考慮せずに道路の中央のみを追従して制御するため、運転者の意図が無視される場合が多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態は、運転者の操舵の方向性とトルク値を判断し、運転者が意図する偏向走行モードを支援可能な車線維持制御装置、それを含む車両システム、及びその方法を提供することを目的とする。
本発明の技術的課題は、以上で言及した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態に係る車線維持制御装置は、車線維持制御時に、運転者の操舵方向と前記運転者の操舵トルク値に基づいて前記運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援するプロセッサと、前記プロセッサにより駆動されるデータ及びアルゴリズムが格納される格納部と、を含むことができる。
【0007】
一実施形態において、前記プロセッサは、走行道路が直線路であるかを判断することができる。
【0008】
一実施形態において、前記プロセッサは、偏向走行に対する前記運転者の意志が持続的であるかを判断することができる。
【0009】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記偏向走行に対する前記運転者の意志が持続的である場合、自車が走行中である車路の中央に設定された目標経路と前記自車との距離であるオフセットを算出することができる。
【0010】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記オフセットが予め定められた範囲以内である場合、前記偏向走行モードに進むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記偏向走行モードに進む時に、前記運転者の操舵トルクが予め定められた閾値よりも大きいかを判断することができる。
【0012】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクが前記予め定められた閾値以下である場合、自車が走行中である車路の中央に設定された目標経路を維持することができる。
【0013】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクが前記予め定められた閾値よりも大きい場合、前記運転者の操舵トルクと前記閾値の差値を算出することができる。
【0014】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクと前記閾値の差値、前記運転者が操舵を維持した時間、及び目標経路と自車の現在位置の差値を用いて、前記目標経路を修正するための目標経路オフセットを算出することができる。
【0015】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記運転者の操舵トルクと前記閾値の差値と、前記運転者が操舵を維持した時間とを乗じた値を、前記閾値と、前記目標経路と前記自車の現在位置の差値とを乗じた値で除することで、前記目標経路を修正するための目標経路オフセットを算出することができる。
【0016】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記目標経路を、前記目標経路オフセットの分だけ左側または右側に移動して修正することができる。
【0017】
一実施形態において、前記プロセッサは、自車が車路内を走行中であり、かつ直線路を走行中である場合、前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在するかを判断することができる。
【0018】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在しない場合、前記偏向走行のための前記運転者の意図が持続的であると判断することができる。
【0019】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在する場合、前記前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に存在する車両のうち前記自車に最も近い車両の速度と前記自車の速度を比較することができる。
【0020】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記自車に最も近い車両の速度が自車の速度よりも高い場合、前記偏向走行のための前記運転者の意図が持続的であると判断することができる。
【0021】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記自車に最も近い車両の速度が前記自車の速度以下である場合、前記自車に最も近い車両が自車線に偏向走行中であるかを判断することができる。
【0022】
一実施形態において、前記プロセッサは、前記自車に最も近い車両が前記自車線に偏向走行中であると、偏向走行のための自車の運転者の意図が一時的であると判断し、前記自車に最も近い車両が前記自車線に偏向走行中ではないと、前記偏向走行のための自車の運転者の意図が持続的であると判断することができる。
【0023】
一実施形態において、前記プロセッサは、自車が前方車両を追い越すための偏向走行、または前記自車に最も近くで走行している左車線または右車線の車両を追い越すための前記偏向走行である場合、前偏向走行のための前記自車の前記運転者の意図が一時的であると判断し、前記偏向走行モードを支援しないことができる。
【0024】
本発明の一実施形態に係る車両システムは、車線情報及び前方車両情報を検知するセンシング装置と、車線維持制御時に、前記センシング装置の検知結果に基づいて、運転者の操舵方向と前運転者の操舵トルク値に基づいて前運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援する車線維持制御装置と、を含むことができる。
【0025】
本発明の一実施形態に係る車線維持制御方法は、車線情報及び前方車両情報を検知するステップと、車線維持制御時に、前記車線情報及び前記前方車両情報、運転者の操舵方向と前記運転者の操舵トルク値に基づいて前記運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援するステップと、を含むことができる。
【発明の効果】
【0026】
本技術は、運転者の操舵の方向性とトルク値を判断し、運転者が意図する偏向走行モードを支援することで、不要な運転者の操舵介入を最小化することができる。
【0027】
その他に、本文書から直接的または間接的に把握される多様な効果が提供されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本発明の一実施形態に係る、車線維持制御装置を含む車両システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る、運転者の意図の持続性有無を説明するための例示画面である。
【
図3a】本発明の一実施形態に係る、目標経路を左側に変更する例示画面を示す図である。
【
図3b】本発明の一実施形態に係る、目標経路を左側に変更する例示画面を示す図である。
【
図4a】本発明の一実施形態に係る、目標経路を右側に変更する例示画面を示す図である。
【
図4b】本発明の一実施形態に係る、目標経路を右側に変更する例示画面を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る、車線維持制御の過程を示すフローチャートである。
【
図6a】本発明の一実施形態に係る、運転者オーバーライド時の例示画面を示す図である。
【
図6b】本発明の一実施形態に係る、運転者オーバーライド時のトルク値を示すグラフである。
【
図7a】本発明の一実施形態に係る、目標経路を修正したが、目標経路と運転者の意志経路が互いに異なる場合の例示画面を示す図である。
【
図7b】本発明の一実施形態に係る、目標経路を修正したが、目標経路と運転者の意志経路が互いに異なる場合のトルク値を示すグラフである。
【
図8a】本発明の一実施形態に係る、目標経路の修正により、目標経路と運転者の意志経路が一致した場合の例示画面を示す図である。
【
図8b】本発明の一実施形態に係る、目標経路の修正により、目標経路と運転者の意志経路が一致した場合のトルク値を示すグラフである。
【
図9】本発明の一実施形態に係る、車線維持制御方法を説明するためのフローチャートである。
【
図10】本発明の一実施形態に係る、偏向走行のための運転者の意図の持続性有無を判断する方法を説明するためのフローチャートである。
【
図11】本発明の一実施形態に係る、コンピュータシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の一部の実施形態を例示的な図面により詳細に説明する。各図面の構成要素に参照符号を付加するにあたり、同一の構成要素に対しては、異なる図面上に表示されても、できる限り同一の符号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本発明の実施形態を説明するにあたり、関連した公知構成または機能についての具体的な説明が本発明の実施形態の理解を妨害すると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。
【0030】
本発明の実施形態の構成要素を説明するに際し、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用し得る。かかる用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものにすぎず、その用語により、該当構成要素の本質や順番または順序などが限定されない。また、別に定義されない限り、技術的または科学的な用語を始めとするここで用いる全ての用語は、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同一の意味を有する。一般に用いられる辞書に定義されているような用語は、関連技術が文脈上有する意味と一致する意味を有すると解釈すべきであり、本出願で明白に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されない。
【0031】
以下、
図1~
図11を参照して、本発明の実施形態について具体的に説明する。
【0032】
図1は本発明の一実施形態に係る車線維持制御装置100を含む車両システムの構成を示すブロック図である。
【0033】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る車両システムは、車線維持制御装置100と、センシング装置200と、操舵制御装置300と、制動制御装置400と、エンジン制御装置500と、を含むことができる。
【0034】
本発明の一実施形態に係る車線維持制御装置100は車両の内部に実現されることができる。この際、車線維持制御装置100は、車両の内部制御ユニットと一体に形成されてもよく、別の装置で実現され、別の連結手段を介して車両の制御ユニットと連結されてもよい。
【0035】
車線維持制御装置100は、車線維持制御時に、運転者の操舵方向と運転者の操舵トルク値に基づいて運転者の意図を判断し、偏向走行モードを支援することができる。本発明の車線維持制御装置100は、LFA(Lane Following Assist、レーン・フォローイング・アシスト)システムに適用可能である。
【0036】
図1を参照すると、車線維持制御装置100は、通信部110と、格納部120と、表示部130と、プロセッサ140と、を含むことができる。
【0037】
通信部110は、無線または有線連結により信号を送信及び受信するために種々の電子回路で実現されるハードウェア装置であって、車両内の装置と、車両内のネットワーク通信技術に基づいて情報を送受信することができる。一例として、車両内のネットワーク通信技術としては、CAN(Controller Area Network)通信、LIN(Local Interconnect Network)通信、フレックスレイ(Flex-Ray)通信などを含むことができる。
【0038】
また、通信部110は、無線インターネット接続または近距離通信(Short Range Communication)技術により、車両外部のサーバ、インフラ、他車両などとの通信を行うことができる。ここで、無線通信技術としては、無線LAN(Wireless LAN、WLAN)、ワイブロ(Wireless Broadband、Wibro)、ワイファイ(Wi-Fi、登録商標)、ワイマックス(World Interoperability for Microwave Access、Wimax)などが含まれることができる。また、近距離通信技術としては、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth、登録商標)、ジグビー(ZigBee)、UWB(Ultra Wideband)、RFID(Radio Frequency Identification)、赤外線通信(Infrared Data Association、IrDA)などを含むことができる。
【0039】
一例として、通信部110は、センシング装置200などの車両内の装置と通信を行ってデータを共有することができる。この際、データは、前方の映像データ、前方の障害物(例えば、車両)の車速、車路内の位置などを含むことができる。
【0040】
格納部120には、センシング装置200の検知結果、及びプロセッサ140の動作に必要なデータ及び/またはアルゴリズムなどが格納されることができる。
【0041】
一例として、格納部120はセンシング装置200により検知された障害物、例えば、先行車両の情報を格納することができる。
【0042】
格納部120は、フラッシュメモリータイプ(flash memory type)、ハードディスクタイプ(hard disk type)、マイクロタイプ(micro type)、及びカードタイプ(例えば、SDカード(Secure Digital Card)またはXDカード(eXtream Digital Card))などのメモリーと、RAM(Random Access Memory)、SRAM(Static RAM)、ROM(Read-Only Memory)、PROM(Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable PROM)、マグネティックRAM(MRAM、Magnetic RAM)、磁気ディスク(magnetic disk)、及び光ディスク(optical disk)タイプのメモリーのうち少なくとも1つのタイプの記憶媒体(storage medium)を含むことができる。
【0043】
表示部130は、ユーザからの制御命令の入力を受けるための入力手段と、装置100の動作状態及び結果などを出力する出力手段と、を含むことができる。ここで、入力手段はキーボタンを含み、マウス、ジョイスティック、ジョグシャトル、スタイラスペンなどを含んでもよい。また、入力手段は、ディスプレイ上に実現されるソフトキーを含んでもよい。
【0044】
表示部130は、ヘッドアップディスプレイ(HUD)、クラスター、AVN(Audio Video Navigation)、HMI(Human Machine Interface)、USM(User Select Menu)などで実現されることができる。
【0045】
出力手段はディスプレイを含み、スピーカーなどの音声出力手段を含んでもよい。この際、タッチフィルム、タッチシート、タッチパッドなどのタッチセンサがディスプレイに備えられる場合、ディスプレイはタッチスクリーンとして動作し、入力手段と出力手段が統合された形態で実現されることができる。本発明において、出力手段は、目標経路、変更された目標経路、車線維持制御開始、車線維持制御終了などを表示することができる。
【0046】
この際、ディスプレイは、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、LCD)、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(Thin Film Transistor-Liquid Crystal Display、TFT LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)、フレキシブルディスプレイ(Flexible Display)、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display、FED)、3次元ディスプレイ(3D Display)のうち少なくとも1つを含むことができる。
【0047】
プロセッサ140は、通信部110、格納部120、表示部130などと電気的に連結されることができ、各構成要素を電気的に制御可能であって、ソフトウェアの命令を実行する電気回路になることができる。これにより、後述の多様なデータ処理及び計算を行うことができる。
【0048】
プロセッサ140は、車線維持制御装置100の各構成要素の間に伝達される信号を処理することができる。プロセッサ140は、例えば、車両に搭載されるECU(Electronic Control Unit)、MCU(Micro Controller Unit)、または他の下位制御器であることができる。
【0049】
プロセッサ140は、車線維持制御時に、運転者の操舵方向と運転者の操舵トルク値に基づいて偏向走行のための運転者の意図の持続性を判断し、偏向走行モードを支援することができる。
【0050】
プロセッサ140は、走行道路が直線路であるかを判断し、偏向走行に対する運転者の意志が持続的であるかを判断することができる。
【0051】
プロセッサ140は、自車が車路内を走行中であり、かつ直線路を走行中である場合、前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在するかを判断することができる。プロセッサ140は、自車が車線のない道路を走行中である場合や、曲線路を走行中である場合、安全のために偏向走行モードを支援しないことができる。
【0052】
プロセッサ140は、前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在しない場合、偏向走行のための運転者の意図が持続的であると判断することができる。この際、予め定められた距離は、実験値に基づいて予め設定されることができる。また、前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在しない場合には、自車が追い越す必要がないため、運転者が追い越しのための偏向走行を一時的に希望すると判断することができる。
【0053】
プロセッサ140は、前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に車両が存在する場合、前方の予め定められた距離以内の左車線または右車線に存在する車両のうち自車に最も近い車両の速度と自車の速度を比較することができる。
【0054】
プロセッサ140は、自車に最も近い車両の速度が自車の速度よりも速い場合、偏向走行のための運転者の意図が持続的であると判断することができる。
【0055】
プロセッサ140は、自車に最も近い車両の速度が自車の速度以下である場合、自車に最も近い車両が自車線に偏向走行中であるかを判断することができる。
【0056】
プロセッサ140は、自車に最も近い車両が自車線に偏向走行中であると、偏向走行のための自車の運転者の意図が一時的であると判断し、自車に最も近い車両が自車線に偏向走行中ではないと、偏向走行のための自車の運転者の意図が持続的であると判断することができる。
図2は本発明の一実施形態に係る、運転者の意図の持続性有無を説明するための例示画面である。
図2を参照すると、例えば、車線維持制御装置100は、自車10が50kmphで走行中である時に、前方の左側車両20が40kmphで走行中であるが、自車10の近くを偏向走行中である場合、自車10の運転者が一時的に偏向走行しようとしていると判断することができる。車線維持制御装置100は、自車10の右側車線を走行中である車両30の車速が40kmphであって自車10の車速より遅く、車両30が自車10の近くを偏向走行中ではない場合には、自車10の運転者が偏向走行を持続的に希望すると判断することができる。
【0057】
このように、プロセッサ140は、自車が前方車両を追い越すための偏向走行、または自車に最も近くで走行している左車線または右車線の車両を追い越すための偏向走行である場合、偏向走行のための自車の運転者の意図が一時的であると判断し、偏向走行モードを支援しないことができる。
【0058】
プロセッサ140は、走行道路が直線路であり、かつ偏向走行に対する運転者の意志が持続的である場合、自車が走行中である車路の中央に設定された目標経路と自車との距離であるオフセットを算出することができる。プロセッサ140は、オフセットが予め定められた範囲以内である場合、偏向走行モードに進むことができる。
【0059】
プロセッサ140は、偏向走行モードに進む時に、運転者の操舵トルクが予め定められた閾値よりも大きいかを判断することができる。この際、予め定められた閾値は、実験値に基づいて予め設定されることができる。
【0060】
プロセッサ140は、運転者の操舵トルクが予め定められた閾値以下である場合、自車が走行中である車路の中央に設定された目標経路C0を維持することができる。
【0061】
プロセッサ140は、運転者の操舵トルクが予め定められた閾値よりも大きい場合、運転者の操舵トルクと閾値の差値(Tq-threshold)を算出することができる。
【0062】
プロセッサ140は、運転者の操舵トルクと閾値の差値、運転者が操舵を維持した時間、及び目標経路と自車の現在位置の差値を用いて、目標経路を修正するための目標経路オフセットを下記の[数1]のように算出することができる。
【0063】
[数1]
目標経路オフセット(TqOffset)=(Tq-threshold)*Ts(time)/threshold*(C1-C0)
【0064】
前記[数1]のように、プロセッサ140は、運転者の操舵トルクと閾値の差値と、運転者が操舵を維持した時間とを乗じた値を、閾値と、目標経路と自車の現在位置の差値とを乗じた値で除することで、目標経路を修正するための目標経路オフセットを算出することができる。
【0065】
プロセッサ140は、目標経路を、目標経路オフセットの分だけ左側または右側に移動して修正することができる。
図3a及び
図3bは、本発明の一実施形態に係る目標経路を左側に変更する例示画面を示す図であり、
図4a及び
図4bは、本発明の一実施形態に係る、目標経路を右側に変更する例示画面を示す図である。
【0066】
図3aを参照すると、車線維持制御装置100は、車線維持制御の初期に、車路内の中央路を目標経路C0として設定する。次いで、車線維持制御装置100は、運転者の操舵介入が発生すると、すなわち、運転者が左側への変更を試みると、目標経路C0を左側にM0だけ移動させ、新しい目標経路C1を設定する。この際、目標経路C1は、車路内の中央ではなく、左側に偏向された経路である。
図3bを参照すると、
図3aのように変更された目標経路C1を左側にさらに移動し、新しい目標経路C2を設定することが分かる。
【0067】
図4aを参照すると、車線維持制御装置100は、車線維持制御の初期に、車路内の中央路を目標経路C0として設定する。次いで、車線維持制御装置100は、運転者の操舵介入が発生すると、すなわち、運転者が右側への変更を試みると、目標経路C0を左側に移動させ、新しい目標経路C1を設定する。この際、目標経路C1は、車路内の中央ではなく、右側に偏向された経路である。
図4bを参照すると、
図4aのように変更された目標経路C1を右側にさらに移動し、新しい目標経路C2を設定することが分かる。
【0068】
センシング装置200は、車両の周辺に位置する障害物、例えば、先行車両を検知し、該当障害物との距離及び/または相対速度を測定する1つ以上のセンサを含むことができる。
【0069】
センシング装置200は車両の外部物体を検知するために複数のセンサを備えることができ、外部物体の位置、外部物体の速度、外部物体の移動方向、及び/または外部物体の種類(例えば、車両、歩行者、自転車、またはモーターサイクルなど)に関する情報を獲得することができる。そのために、センシング装置200は、カメラ、超音波センサ、レーダ、レーザスキャナ、及び/またはコーナーレーダ、ライダー、加速度センサ、ヨーレートセンサ、トルク測定センサ、及び/またはホイールスピードセンサ、操舵角センサなどを含むことができる。本実施例では、前方カメラを用いて前方を撮影してプロセッサ140に提供することができる。これにより、プロセッサ140は、前方を撮影した映像データから車線情報、前方の先行車両の車路内位置情報などを獲得することができる。
【0070】
操舵制御装置300は、車両の操舵角を制御するように構成されることができ、ステアリングホイールと、ステアリングホイールと連動されたアクチュエータと、アクチュエータを制御する制御器と、を含むことができる。
【0071】
制動制御装置400は、車両の制動を制御するように構成されることができ、ブレーキを制御する制御器を含むことができる。
【0072】
エンジン制御装置500は、車両のエンジン駆動を制御するように構成されることができ、車両の速度を制御する制御器を含むことができる。
【0073】
図5は本発明の一実施形態に係る、車線維持制御過程を示すフローチャートである。
【0074】
図5を参照すると、車線維持制御装置100は、前方カメラにより獲得された映像データに基づいて目標経路を計算し、運転者の意図を判断する。すなわち、車線維持制御装置100は、運転者が持続的な変向走行を希望しているか、周辺の状況(例えば、前方車両に対する追い越し有無、前方車両の偏向走行など)に基づいてその意図を判断する。
【0075】
運転者の持続的な偏向走行意図があると判断されると、車線維持制御装置100は、運転者の操舵トルク及び操舵方向に応じて、目標経路を右側または左側に移動修正する。
【0076】
これにより、車線維持制御装置100は、修正された目標経路に沿って走行するように制御することで、運転者の操舵介入を最小化することができる。
【0077】
図6a及び
図6bは、本発明の一実施形態に係る運転者オーバーライド時の例示画面及びトルク値を示すグラフである。
【0078】
図6aを参照すると、車線維持制御装置100による目標経路501と、運転者の操舵制御による目標経路503とが異なり、
図6bを参照すると、運転者の操舵トルクとLFA操舵トルクの差が大きいことが分かる。
【0079】
図7a及び
図7bは、本発明の一実施形態に係る、目標経路を修正したが、目標経路と運転者の意志経路が互いに異なる場合の例示画面及びトルク値を示すグラフである。
【0080】
図7aを参照すると、車線維持制御装置100による目標経路501の修正が開始されると、運転者の操舵による目標経路503に近接した経路502に修正され、
図7bを参照すると、運転者の操舵トルクとLFA操舵トルクの差が
図6bに比べて小さくなることが分かる。
【0081】
図8a及び
図8bは、本発明の一実施形態に係る、目標経路の修正により、目標経路と運転者の意志経路が一致した場合の例示画面及びトルク値を示すグラフである。
【0082】
図8aを参照すると、車線維持制御装置100による目標経路501の修正が完了されると、運転者の操舵による目標経路503と目標経路501が一致することになる。
図8bを参照すると、運転者の操舵トルクとLFA操舵トルクが一致することが分かる。
【0083】
このように、従来の車線維持制御装置は、車路内の中央路を目標経路として生成した後、運転者の特性を考慮せずに道路中央のみを追従していたため、運転者の横方向への操舵介入が頻繁に発生するが、本発明では、運転者が意図する偏向走行モードを支援し、運転者の意図を反映することで、頻繁な横方向への操舵介入を最小化することにより、安定的な車線維持制御を行うことができる。
【0084】
以下、
図9及び
図10を参照して、本発明の一実施形態に係る車線維持制御方法を具体的に説明する。
図9は本発明の一実施形態に係る、車線維持制御方法を説明するためのフローチャートである。
図10は本発明の一実施形態に係る偏向走行のための運転者の意図が持続的であるかを判断する方法を説明するためのフローチャートである。
【0085】
以下では、
図1の車線維持制御装置100が
図9及び
図10のプロセスを行うことを仮定する。また、
図9及び
図10の説明において、装置により行われると記述された動作は、車線維持制御装置100のプロセッサ140により制御されると理解される。
【0086】
図9を参照すると、車線維持制御装置100は、車線維持制御(LFA)を開始し、走行道路が直線区間であるかと、偏向走行のための運転者の意図が持続的であるかを判断する(S100)。走行道路が直線区間であるかと、運転者の意図が持続的であるかの判断方法は、
図10を参照して具体的に後述する。
【0087】
走行道路が直線区間であり、運転者の意図が持続的である場合、車線維持制御装置100は前方カメラを用いて車線情報を獲得する(S200)。すなわち、車線維持制御装置100は、前方カメラにより撮影された前方の映像データから車線情報を抽出することができる。
【0088】
車線維持制御装置100は、前方カメラにより獲得された車線情報から車線を認知し、車線における車路中央を獲得し、車路中央を目標経路として設定する。次いで、車線維持制御装置100は、車路中央(目標経路)と現在車両位置との差である車両オフセット(C1-C0)を計算する(S300)。
【0089】
車線維持制御装置100は、目標経路からの車両オフセットが予め定められた範囲(-Am<車両オフセット<Am)を満たすかを判断する(S400)。この際、車線維持制御装置100は、車両オフセットが予め定められた範囲を外れた場合には偏向走行モードを支援せず、車両オフセットが一定範囲以内の値である場合には偏向走行モードを支援する。例えば、Amは0.1であることができる。
【0090】
次いで、車線維持制御装置100は、車両オフセットが予め定められた範囲を満たすと、運転者の操舵トルク(Tq)が閾値(threshold)を超えるかを判断する(S500)。
【0091】
運転者の操舵トルクが閾値を超えると、車線維持制御装置100は、閾値を超過したトルク値(Tq-threshold)を計算し(S600)、閾値を超過したトルク値(Tq-threshold)を用いて目標経路オフセットを計算し、目標経路が目標経路オフセットの分だけ移動するように反映する(S700)。この際、車線維持制御装置100は、目標経路C0を、運転者の操舵制御による運転者の意図経路C1に直ちに移動させるのではなく、[数1]のように漸次的に移動させる。
【0092】
車線維持制御装置100は、目標経路からの操舵トクが閾値より大きくなる時(Tq>threshold)に、目標経路オフセットを上述の[数1]のように算出することができる。
【0093】
すなわち、車線維持制御装置100は、閾値を超過したトルク値(Tq-threshold)と経過時間(Ts)とを乗じた値を、閾値(threshold)と、目標経路C0と運転者の意図経路C1の差値(C1-C0)とを乗じた値で除することで、目標経路オフセット(TqOffset)を算出する。
【0094】
車線維持制御装置100は、[数1]のように算出された目標経路オフセットの分だけ目標経路を移動させることができる。これにより、車線維持制御装置100は、目標経路オフセットの分だけ目標経路を変更することで、運転者の操舵介入を最小化することができる(S800)。
【0095】
これに対し、目標経路からのオフセットが閾値以下である時に(C0<_threshold)、目標経路オフセットは以前値に維持され、目標経路を変更せずに既存経路に維持する(S900)。
【0096】
このように、直線道路で目標経路を持続的に変更して運転者の意志を反映した目標経路を生成し、運転者の操舵介入を最小化することができる。
【0097】
以下、
図10を参照して、車線維持制御装置100が、運転者の意図が持続的であるかを判断する過程(
図9のS100ステップ)を説明する。
【0098】
車線維持制御装置100は、車両が現在車路内を走行中であるかを判断する(S101)。
【0099】
車両が現在車路内を走行中である場合、車線維持制御装置100は、車両が現在直線路を走行中であるかを判断する(S102)。
【0100】
車両が車路内を走行中ではないか、走行している道路が直線路ではない場合、車線維持制御装置100は、偏向走行のための運転者の意図が一時的であると判断することができる(S107)。すなわち、車線維持制御装置100は、運転者が一時的に偏向走行を希望するだけで、持続的な偏向走行を希望するのではない状態であると判断することができる。本発明では、運転者が持続的に偏向走行を希望するのかを判断し、持続的に偏向走行を希望する場合には、偏向走行を支援することができる。
【0101】
車両が直線路を走行中である場合、車線維持制御装置100は、前方の左車線と右車線の予め定められた距離(例えば、30m)以内に車両が存在するかを判断する(S103)。この際、車線維持制御装置100は、センシング装置200の検知結果に基づいて前方車両の存在有無を判断することができる。
【0102】
前方の左車線と右車線の予め定められた距離以内に車両が存在しない場合、車線維持制御装置100は、偏向走行のための運転者の意図が持続的であると判断することができる(S107)。すなわち、車線維持制御装置100は、前方の左右車線に車両が存在しない場合に、前方車両を追い越すための一時的な偏向走行ではなく、運転者が持続的に偏向走行を希望していると判断することができる。
【0103】
前方の左車線と右車線の予め定められた距離以内に車両が存在する場合、車線維持制御装置100は、前方の左車線と右車線の予め定められた距離以内に存在する車両のうち、最も近い距離で走行している車両の速度が自車の速度より高いかを判断する(S104)。
【0104】
最も近い距離で走行している車両の速度が自車の速度より速い場合、車線維持制御装置100は、偏向走行のための運転者の意図が持続的であると判断することができる(S106)。
【0105】
最も近くで走行している車両の速度が自車の速度以下である場合、車線維持制御装置100は、最も近くで走行している車両が自車線で偏向走行中であるかを判断する(S105)。
【0106】
最も近くで走行している車両が自車線に偏向走行中である場合、車線維持制御装置100は、偏向走行のための運転者の意図が持続的であると判断することができる(S106)。
【0107】
これに対し、最も近くで走行している車両が自車線に偏向走行中ではない場合、車線維持制御装置100は、偏向走行のための運転者の意図が一時的であると判断することができる(S107)。
【0108】
このように、車線維持制御装置100は、前方車両を追い越すために運転者が一時的に偏向走行を希望する場合を把握し、一時的に偏向走行を希望する場合には、偏向走行モードを支援しないようにすることができる。
【0109】
図11は本発明の一実施形態に係る、コンピュータシステムを示す。
【0110】
図11を参照すると、コンピュータシステム1000は、バス1200を介して連結される少なくとも1つのプロセッサ1100と、メモリー1300と、ユーザインタフェース入力装置1400と、ユーザインタフェース出力装置1500と、ストレージ1600と、ネットワークインタフェース1700と、を含むことができる。
【0111】
プロセッサ1100は、中央処理装置(CPU)、またはメモリー1300及び/またはストレージ1600に格納されている命令語に対する処理を行う半導体装置であることができる。メモリー1300及びストレージ1600は種々の揮発性または不揮発性記憶媒体を含むことができる。例えば、メモリー1300は、ROM(Read Only Memory)1310及びRAM(Random Access Memory)1320を含むことができる。
【0112】
したがって、本明細書に開示された実施形態に関連して説明した方法またはアルゴリズムのステップは、プロセッサ1100により実行されるハードウェア、ソフトウェアモジュール、またはその2つの結合により直接実現されることができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリー、フラッシュメモリー、ROMメモリー、EPROMメモリー、EEPROMメモリー、レジスター、ハードディスク、着脱型ディスク、CD-ROMのような記憶媒体(すなわち、メモリー1300及び/またはストレージ1600)に常駐してもよい。
【0113】
例示的な記憶媒体はプロセッサ1100にカップリングされ、そのプロセッサ1100は、記憶媒体から情報を読み取ることができ、記憶媒体に情報を書き込むことができる。他の方法として、記憶媒体はプロセッサ1100と一体型であってもよい。プロセッサ及び記憶媒体は特定用途向け集積回路(ASIC)内に常駐してもよい。ASICはユーザ端末機内に常駐してもよい。他の方法として、プロセッサ及び記憶媒体は、ユーザ端末機内に個別コンポーネントとして常駐してもよい。
【0114】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で多様な修正及び変形が可能であろう。
【0115】
したがって、本発明に開示された実施形態は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、かかる実施形態により本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲により解釈されるべきであり、それらと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれると解釈されるべきであろう。
【符号の説明】
【0116】
10 自車
20 左側車両
30 車両
100 車線維持制御装置
110 通信部
120 格納部
130 表示部
140 プロセッサ
200 センシング装置
300 操舵制御装置
400 制動制御装置
500 エンジン制御装置
501、503 目標経路
502 経路
1000 コンピュータシステム
1100 プロセッサ
1200 バス
1300 メモリー
1310 ROM
1320 RAM
1400 、ユーザインタフェース入力装置
1500 ユーザインタフェース出力装置
1600 ストレージ
1700 ネットワークインタフェース