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特開2022-140228半径方向部分および軸線方向部分を有する電気モーター冷却剤ジャケットを備えた圧縮機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140228
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】半径方向部分および軸線方向部分を有する電気モーター冷却剤ジャケットを備えた圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/58 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
F04D29/58 P
F04D29/58 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021137885
(22)【出願日】2021-08-26
(31)【優先権主張番号】17/198,569
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】518264217
【氏名又は名称】ギャレット・トランスポーテーション・ワン・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】カルロス・チャベス・カステラノス
(72)【発明者】
【氏名】アドニス・スパシアス
(72)【発明者】
【氏名】マニュエル・ゴンザレス
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB07
3H130AB27
3H130AB47
3H130AC03
3H130AC13
3H130BA33A
3H130BA33E
3H130BA33G
3H130BA33J
3H130BA97A
3H130BA97J
3H130CA21
3H130DA02Z
3H130DB01Z
3H130DD01Z
3H130DG03Z
3H130EA07A
3H130EA07E
3H130EA07G
3H130EA07J
3H130ED01A
3H130ED01E
3H130ED01G
3H130ED01J
(57)【要約】
【課題】半径方向部分および軸線方向部分を有する電気モーター冷却剤ジャケットを備えた圧縮機を提供すること。
【解決手段】圧縮機デバイスは、モーターケースおよび外側モーターハウジングによって協働的に画定される冷却剤ジャケットを含む。冷却剤ジャケットは、モーターの回転軸線に対して円周方向および軸線方向にモーターケースの周りに広がっている半径方向部分を含む。冷却剤ジャケットは、モーターケースの軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている軸線方向部分を含む。複数のフロー通路のうちの少なくとも1つは、半径方向部分および軸線方向部分に流体接続している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機デバイスであって、
圧縮機ホイールを備えた圧縮機セクションと、
電気モーターを備えたモーターセクションであって、前記モーターセクションは、モーターケースおよび外側モーターハウジングによって収納されており、前記モーターケースは、前記外側モーターハウジングの中に支持されている、モーターセクションと、
前記圧縮機ホイールと前記モーターセクションとの間に延在するシャフトであって、前記シャフトは、前記電気モーターによって軸線の周りに回転方向に駆動され、前記圧縮機セクションの中の前記圧縮機ホイールを駆動的に回転させるように構成されている、シャフトと、
入口部、出口部、および冷却剤ジャケットを備えたモーター冷却システムであって、前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースと前記外側モーターハウジングとの間に画定され、前記電気モーターを覆っており、前記入口部は、前記外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤流体を前記冷却剤ジャケットに給送するように構成されており、前記出口部は、前記外側モーターハウジングを通って延在しており、前記冷却剤ジャケットから前記冷却剤を受け入れるように構成されている、モーター冷却システムと
を含み、
前記冷却剤ジャケットは、前記冷却剤流体のフローを前記入口部から前記出口部へ方向付けるように構成されており、前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースの周りに前記冷却剤流体のフローを分配するように構成された複数のフロー通路を含み、前記複数のフロー通路は、少なくとも1つの発散流路および少なくとも1つの収束流路を画定しており、
前記冷却剤ジャケットは、前記軸線に対して円周方向および軸線方向に前記モーターケースの周りに広がっている半径方向部分を含み、前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースの軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている軸線方向部分を含み、前記複数のフロー通路のうちの少なくとも1つは、前記半径方向部分および前記軸線方向部分に流体接続している、圧縮機デバイス。
【請求項2】
前記モーターケースは、ダムを含み、前記ダムは、前記モーターケースから外向きに突出しており、前記ダムは、前記複数のフロー通路のうちの2つへと前記冷却剤ジャケットを分割しており、随意的に、前記ダムは、前記軸線に対して前記モーターケースの上に螺旋方向に延在している、請求項1に記載の圧縮機デバイス。
【請求項3】
前記複数のフロー通路は、前記軸線の周りに前記円周方向に延在する円周方向フロー通路を含み、
随意的に、前記円周方向フロー通路は、前記冷却剤ジャケットの前記軸線方向部分の中に含まれており、または、前記円周方向フロー通路は、前記冷却剤ジャケットの前記半径方向部分の中に含まれている、請求項1または2に記載の圧縮機デバイス。
【請求項4】
前記複数のフロー通路は、前記軸線に沿って前記軸線方向に延在する軸線方向フロー通路を含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【請求項5】
前記複数のフロー通路は、前記軸線の周りに螺旋方向に延在する螺旋フロー通路を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【請求項6】
前記半径方向部分および前記軸線方向部分に流体接続する前記複数のフロー通路のうちの前記少なくとも1つは、前記モーターケースを通って延在する貫通孔である、請求項1から5のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【請求項7】
前記モーターケースは、ダムを含み、前記ダムは、前記モーターケースから外向きに突出しており、前記ダムは、開口部接合部によって分離されている第1の長手方向端部および第2の長手方向端部を含み、
前記開口部接合部は、前記半径方向部分および前記軸線方向部分に流体接続する前記複数のフロー通路のうちの前記少なくとも1つを少なくとも部分的に画定している、請求項1から6のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【請求項8】
前記冷却剤ジャケットの前記軸線方向部分は、前記モーターケースの第1の軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている第1の軸線方向端部部分であり、
前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースの第2の軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている第2の軸線方向端部部分を含み、
前記複数のフロー通路は、前記半径方向部分および前記第1の軸線方向端部部分に流体接続する第1の接合部を含み、前記複数のフロー通路は、前記半径方向部分および前記第2の軸線方向端部部分に流体接続する第2の接合部を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【請求項9】
前記モーターケースは、スリーブを含み、前記スリーブは、前記電気モーターの第1の軸線方向端部、および、前記電気モーターの半径方向面の少なくとも一部を受け入れ、前記電気モーターの第2の軸線方向端部を前記スリーブから露出されたままにし、
前記モーターケースは、キャップを含み、前記キャップは、前記スリーブに取り付けられ、前記電気モーターの前記第2の軸線方向端部をカバーする、請求項1から8のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【請求項10】
圧縮機デバイスを製造する方法であって、前記方法は、
圧縮機ホイールを備えた前記圧縮機デバイスの圧縮機セクションを提供するステップと、
モーターケースによって前記圧縮機デバイスのモーターセクションの電気モーターを収納するステップと、外側モーターハウジングの中の前記モーターケースを支持するステップと、
前記圧縮機ホイールと前記モーターセクションとの間にシャフトを延在させるステップであって、前記シャフトは、前記電気モーターによって軸線の周りに回転方向に駆動され、前記圧縮機セクションの中の前記圧縮機ホイールを駆動的に回転させるように構成されている、ステップと、
前記モーターケースと前記外側モーターハウジングとの間にモーター冷却システムの冷却剤ジャケットを画定し、前記電気モーターを覆うステップであって、前記モーター冷却システムは、入口部および出口部を有しており、前記入口部は、前記外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤流体を前記冷却剤ジャケットに給送するように構成されており、前記出口部は、前記外側モーターハウジングを通って延在しており、前記冷却剤ジャケットから前記冷却剤を受け入れるように構成されている、ステップと
を含み、
前記冷却剤ジャケットは、前記冷却剤流体のフローを前記入口部から前記出口部へ方向付けるように構成されており、前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースの周りに前記冷却剤流体のフローを分配するように構成された複数のフロー通路を含み、前記複数のフロー通路は、少なくとも1つの発散流路および少なくとも1つの収束流路を画定しており、
前記冷却剤ジャケットは、前記軸線に対して円周方向および軸線方向に前記モーターケースの周りに広がっている半径方向部分を含み、前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースの軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている軸線方向部分を含み、前記複数のフロー通路のうちの少なくとも1つは、前記半径方向部分および前記軸線方向部分に流体接続している、方法。
【請求項11】
圧縮機デバイスであって、
圧縮機ホイールを備えた圧縮機セクションと、
電気モーターを備えたモーターセクションであって、前記モーターセクションは、モーターケースおよび外側モーターハウジングによって収納されており、前記モーターケースは、前記外側モーターハウジングの中に支持されており、前記モーターケースは、前記外側モーターハウジングに向けて外向きに突出している複数のダムを含む、モーターセクションと、
前記圧縮機ホイールと前記モーターセクションとの間に延在するシャフトであって、前記シャフトは、前記電気モーターによって軸線の周りに回転方向に駆動され、前記圧縮機セクションの中の前記圧縮機ホイールを駆動的に回転させるように構成されている、シャフトと、
入口部、出口部、および冷却剤ジャケットを備えたモーター冷却システムであって、前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースと前記外側モーターハウジングとの間に画定され、前記電気モーターを覆っており、前記入口部は、前記外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤流体を前記冷却剤ジャケットに給送するように構成されており、前記出口部は、前記外側モーターハウジングを通って延在しており、前記冷却剤ジャケットから前記冷却剤を受け入れるように構成されている、モーター冷却システムと
を含み、
前記冷却剤ジャケットは、前記冷却剤流体のフローを前記入口部から前記出口部へ方向付けるように構成されており、前記複数のダムは、前記冷却剤ジャケットを複数のフロー通路へと分割しており、前記複数のフロー通路は、前記モーターケースの周りに前記冷却剤流体のフローを分配するように構成されており、前記複数のフロー通路は、少なくとも1つの発散流路および少なくとも1つの収束流路を画定しており、
前記冷却剤ジャケットは、前記軸線に対して円周方向および軸線方向に前記モーターケースの周りに広がっている半径方向部分を含み、前記冷却剤ジャケットは、前記モーターケースの軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている軸線方向部分を含み、
前記モーターケースは、前記半径方向部分および前記軸線方向部分に流体接続する貫通孔を含む、圧縮機デバイス。
【請求項12】
複数のダムのうちの少なくとも1つは、前記軸線に対して前記モーターケースの上に螺旋方向に延在している、請求項11に記載の圧縮機デバイス。
【請求項13】
前記複数のフロー通路は、前記軸線の周りに前記円周方向に延在する円周方向フロー通路を含み、
随意的に、前記円周方向フロー通路は、前記冷却剤ジャケットの前記軸線方向部分の中に含まれており、または、前記円周方向フロー通路は、前記冷却剤ジャケットの前記半径方向部分の中に含まれている、請求項11または12に記載の圧縮機デバイス。
【請求項14】
前記複数のフロー通路は、前記軸線に沿って前記軸線方向に延在する軸線方向フロー通路を含む、請求項11から13のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【請求項15】
前記複数のフロー通路は、前記軸線の周りに螺旋方向に延在する螺旋フロー通路を含む、請求項11から14のいずれか一項に記載の圧縮機デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、概して、圧縮機に関し、より詳細には、軸線方向の熱交換器配置で配置されている冷却空気通路および液体冷却剤通路を備えた圧縮機に関する。また、本開示は、半径方向部分および軸線方向部分を有する電気モーター冷却剤ジャケットを備えた圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]さまざまなシステムが、圧縮流体を供給するための圧縮機を含む。たとえば、燃料電池システムは、空気が燃料電池スタックに給送される前に空気を圧縮するための燃料電池圧縮機を含むことが多い。これは、燃料電池システムの動作効率を向上させることが可能である。
【0003】
[0003]しかし、従来の圧縮機は、さまざまな欠陥に悩まされる可能性がある。電気式の圧縮機デバイスのケースでは、冷却システムが提供され得、冷却システムは、デバイスを通して冷却剤のフローを方向付け、モーターおよび/または他のコンポーネントの動作温度を所定の範囲内に維持する。いくつかの圧縮機は、流体冷却式の軸受を含むことが可能である。圧縮機デバイスの軸受、モーター、および/または他のコンポーネントを冷却することは、困難であることが判明し、非効率的な動作および/または早期の摩耗につながる可能性がある。追加的に、従来の圧縮機の中の冷却システムは、嵩張る可能性がある。そのうえ、これらの圧縮機の製造は、高価で非効率的である可能性がある。
【0004】
[0004]したがって、改善された冷却性能を提供する軸受冷却システムを備えた圧縮機を提供することが望ましい。軸受、モーター、冷却システム、および他の関連のコンポーネントが非常にコンパクトで製造可能になっているということがさらに望ましい。本開示の他の望ましい特徴および特性は、添付の図面およびこの背景技術の議論と併せて、後続の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになることとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]1つの実施形態において、圧縮機デバイスが開示されており、圧縮機デバイスは、ハウジングと、圧縮機ホイールを備えた回転グループと、ハウジングの中での回転軸線の周りの回転グループの回転を支持する軸受とを含む。また、圧縮機デバイスは、回転軸線の周りでの回転グループの回転を駆動するモーターを含む。そのうえ、圧縮機デバイスは、モーター冷却システムを含み、モーター冷却システムは、モーターを冷却するために、ハウジングを通して第1の流体の第1のフローを提供する。モーター冷却システムは、第1の軸線方向位置において第1の流体フローセクションを含む。第1の流体フローセクションは、回転軸線に対して半径方向に下流方向に延在している。そのうえ、圧縮機デバイスは、軸受冷却システムを含み、軸受冷却システムは、軸受を冷却するために、ハウジングを通して第2の流体の第2のフローを提供する。軸受冷却システムは、第1の軸線方向位置から軸線方向に間隔を離して配置されている第2の軸線方向位置において、第2のフローセクションを含む。第2のフローセクションは、回転軸線に対して半径方向に下流方向に延在している。そのうえ、第1のフローセクションおよび第2のフローセクションは、第2の流体と第1の流体との間で熱を伝達するように構成されている熱交換器配置で配設されている。
【0006】
[0006]別の実施形態において、圧縮機デバイスを製造する方法が開示されている。方法は、圧縮機デバイスのハウジングの中に圧縮機デバイスの回転グループを収容するステップを含み、回転グループは、圧縮機ホイールを含む。この方法は、ハウジングの中に圧縮機デバイスのモーターを収容するステップを含み、モーターは、回転軸線の周りでの回転グループの回転を駆動するように構成されている。そのうえ、この方法は、圧縮機デバイスの軸受によって、ハウジングの中での回転軸線の周りの回転グループの回転を支持するステップを含む。また、この方法は、モーター冷却システムを提供するステップを含み、モーター冷却システムは、モーターを冷却するために、ハウジングを通して第1の流体の第1のフローを提供する。モーター冷却システムは、第1の軸線方向位置において第1の流体フローセクションを含む。第1の流体フローセクションは、回転軸線に対して半径方向に下流方向に延在している。この方法は、軸受冷却システムを提供するステップをさらに含み、軸受冷却システムは、軸受を冷却するために、ハウジングを通して第2の流体の第2のフローを提供する。軸受冷却システムは、第1の軸線方向位置から軸線方向に間隔を離して配置されている第2の軸線方向位置において、第2のフローセクションを含む。第2のフローセクションは、回転軸線に対して半径方向に下流方向に延在している。この方法は、第2の流体と第1の流体との間で熱を伝達するように構成されている熱交換器配置で、第1のフローセクションおよび第2のフローセクションを配設するステップを追加的に含む。
【0007】
[0007]さらなる実施形態において、圧縮機デバイスは、圧縮機ハウジングと、モーターハウジングと、内部部材とを含むハウジングを含み、圧縮機ハウジングは、入口部、ディフューザーエリア、および渦巻き通路を有しており、内部部材は、ディフューザーエリアおよびスラスト軸受部分に近接して、ディフューザー部分を有している。また、圧縮機デバイスは、圧縮機ホイールを備えた回転グループと、ハウジングの中での回転軸線の周りの回転グループの回転を支持する軸受とを含む。圧縮機デバイスは、モーターをさらに含み、モーターは、回転軸線の周りでの回転グループの回転を駆動し圧縮機ホイールが空気を圧縮するようになっており、空気は、入口部からディフューザーエリアを通って渦巻き通路の中へ流れる。そのうえ、圧縮機デバイスは、モーター冷却システムを含み、モーター冷却システムは、モーターを冷却するためにモーターハウジングを通して、および、ハウジングの内部部材を部分的に通して、液体冷却剤の第1のフローを提供する。モーター冷却システムは、第1の軸線方向位置において第1の流体フローセクションを含む。第1の流体フローセクションは、回転軸線に対して半径方向に下流方向に延在している。そのうえ、圧縮機デバイスは、軸受冷却システムを含み、軸受冷却システムは、渦巻き通路から所定の量の空気を受け入れ、軸受を冷却するためにハウジングを通して空気の第2のフローを提供する。軸受冷却システムは、第1の軸線方向位置から軸線方向に間隔を離して配置されている第2の軸線方向位置において、第2のフローセクションを含む。第2のフローセクションは、回転軸線に対して半径方向に下流方向に延在している。第1のフローセクションおよび第2のフローセクションは、空気から液体冷却剤へ熱を伝達するように構成された熱交換器配置で配設されている。
【0008】
[0008]追加的な実施形態において、圧縮機デバイスが開示されている。圧縮機デバイスは、圧縮機ホイールを備えた圧縮機セクションを含む。また、圧縮機デバイスは、電気モーターを備えたモーターセクションであって、モーターセクションは、モーターケースおよび外側モーターハウジングによって収納されている、モーターセクションを含む。モーターケースは、外側モーターハウジングの中に支持されている。圧縮機デバイスは、圧縮機ホイールとモーターセクションとの間に延在するシャフトをさらに含む。シャフトは、電気モーターによって軸線の周りに回転方向に駆動され、圧縮機セクションの中の圧縮機ホイールを駆動的に回転させるように構成されている。圧縮機デバイスは、入口部、出口部、および冷却剤ジャケットを備えたモーター冷却システムであって、冷却剤ジャケットは、モーターケースと外側モーターハウジングとの間に画定され、電気モーターを覆っている、モーター冷却システムを追加的に含む。入口部は、外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤流体を冷却剤ジャケットに給送するように構成されている。出口部は、外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤ジャケットから冷却剤を受け入れるように構成されている。冷却剤ジャケットは、冷却剤流体のフローを入口部から出口部へ方向付けるように構成されている。冷却剤ジャケットは、モーターケースの周りに冷却剤流体のフローを分配するように構成された複数のフロー通路を含む。複数のフロー通路は、少なくとも1つの発散流路および少なくとも1つの収束流路を画定している。冷却剤ジャケットは、軸線に対して円周方向および軸線方向にモーターケースの周りに広がっている半径方向部分を含む。冷却剤ジャケットは、モーターケースの軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている軸線方向部分を含む。複数のフロー通路のうちの少なくとも1つは、半径方向部分および軸線方向部分に流体接続している。
【0009】
[0009]追加的な実施形態において、圧縮機デバイスを製造する方法が開示されている。この方法は、圧縮機ホイールを備えた圧縮機デバイスの圧縮機セクションを提供するステップを含む。また、この方法は、モーターケースによって圧縮機デバイスのモーターセクションの電気モーターを収納するステップと、外側モーターハウジングの中のモーターケースを支持するステップとを含む。そのうえ、この方法は、圧縮機ホイールとモーターセクションとの間にシャフトを延在させるステップを含む。シャフトは、電気モーターによって軸線の周りに回転方向に駆動され、圧縮機セクションの中の圧縮機ホイールを駆動的に回転させるように構成されている。また、この方法は、モーターケースと外側モーターハウジングとの間にモーター冷却システムの冷却剤ジャケットを画定し、電気モーターを覆うステップを含む。モーター冷却システムは、入口部および出口部を有している。入口部は、外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤流体を冷却剤ジャケットに給送するように構成されている。出口部は、外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤ジャケットから冷却剤を受け入れるように構成されている。冷却剤ジャケットは、冷却剤流体のフローを入口部から出口部へ方向付けるように構成されている。冷却剤ジャケットは、モーターケースの周りに冷却剤流体のフローを分配するように構成された複数のフロー通路を含む。複数のフロー通路は、少なくとも1つの発散流路および少なくとも1つの収束流路を画定している。冷却剤ジャケットは、軸線に対して円周方向および軸線方向にモーターケースの周りに広がっている半径方向部分を含む。冷却剤ジャケットは、モーターケースの軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている軸線方向部分を含む。複数のフロー通路のうちの少なくとも1つは、半径方向部分および軸線方向部分に流体接続している。
【0010】
[0010]さらなる実施形態において、圧縮機デバイスが開示されている。圧縮機デバイスは、圧縮機ホイールを備えた圧縮機セクションを含む。圧縮機デバイスは、電気モーターを備えたモーターセクションであって、モーターセクションは、モーターケースおよび外側モーターハウジングによって収納されている、モーターセクションを含む。モーターケースは、外側モーターハウジングの中に支持されている。モーターケースは、外側モーターハウジングに向けて外向きに突出している複数のダムを含む。また、圧縮機デバイスは、圧縮機ホイールとモーターセクションとの間に延在するシャフトを含む。シャフトは、電気モーターによって軸線の周りに回転方向に駆動され、圧縮機セクションの中の圧縮機ホイールを駆動的に回転させるように構成されている。追加的に、圧縮機デバイスは、入口部、出口部、および冷却剤ジャケットを備えたモーター冷却システムであって、冷却剤ジャケットは、モーターケースと外側モーターハウジングとの間に画定され、電気モーターを覆っている、モーター冷却システムを含む。入口部は、外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤流体を冷却剤ジャケットに給送するように構成されている。出口部は、外側モーターハウジングを通って延在しており、冷却剤ジャケットから冷却剤を受け入れるように構成されている。冷却剤ジャケットは、冷却剤流体のフローを入口部から出口部へ方向付けるように構成されている。複数のダムは、冷却剤ジャケットを複数のフロー通路へと分割している。複数のフロー通路は、モーターケースの周りに冷却剤流体のフローを分配するように構成されている。複数のフロー通路は、少なくとも1つの発散流路および少なくとも1つの収束流路を画定している。冷却剤ジャケットは、軸線に対して円周方向および軸線方向にモーターケースの周りに広がっている半径方向部分を含む。冷却剤ジャケットは、モーターケースの軸線方向端部を横切って半径方向に広がっている軸線方向部分を含む。モーターケースは、半径方向部分および軸線方向部分に流体接続する貫通孔を含む。
【0011】
[0011]本開示は、以降では、以下の図面と関連して説明されることとなり、図面において、同様の数字は、同様の要素を示している。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0012]燃料電池システムの中に組み込まれて示されている、本開示の例示的な実施形態による圧縮機デバイスの概略図である。
図2】[0013]図1の圧縮機デバイスの第1の縦断面図である。
図3】[0014]図1の圧縮機デバイスの第2の縦断面図である。
図4】[0015]図1の線4-4に沿って見られた圧縮機デバイスの軸線方向断面図である。
図5】[0016]追加的な例示的な実施形態による圧縮機デバイスの軸線方向断面図である。
図6】[0017]追加的な例示的な実施形態による圧縮機デバイスの軸線方向断面図である。
図7】[0018]本開示の追加的な例示的な実施形態による圧縮機デバイスの軸線方向断面図である。
図8】[0019]追加的な実施形態による、図1の圧縮機デバイスのモーターケースの第1の斜視図である。
図9】[0020]図8のモーターケースの第2の斜視図である。
図10】[0021]追加的な実施形態による、図1の圧縮機デバイスの別のモーターケースの第1の斜視図である。
図11】[0022]図10のモーターケースの第2の斜視図である。
図12】[0023]図10のモーターケースの第3の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0024]以下の詳細な説明は、本質的に単に例示的なものに過ぎず、本開示、または、本開示の適用および使用を限定することを意図していない。そのうえ、先行する背景技術または以下の詳細な説明に提示される任意の理論に拘束される意図は存在していない。
【0014】
[0025]広く言えば、本明細書で開示されている例示的な実施形態は、圧縮機デバイス(たとえば、e-チャージャー(e-charger)または電気式の圧縮機など)を含む。圧縮機デバイスは、電気モーターを覆う冷却剤ジャケットを含むことが可能である。冷却剤ジャケットは、強化された冷却のために電気モーターに対して半径方向におよび軸線方向に配設されている部分を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、圧縮機デバイスは、電気モーターを収納するモーターケースを含むことが可能であり、圧縮機デバイスの外側ハウジングは、モーターケースを受け入れて支持することが可能である。冷却剤ジャケットは、モーターケースおよび外側ハウジングによって、および、モーターケースと外側ハウジングとの間に協働的に画定され得る。冷却剤ジャケットは、1つまたは複数のダム、フローディバイダー、壁部などによって、別個のフローチャネルへと細分化され得る。これらのダム、フローディバイダー、壁部などは、モーターケースから突出することが可能である。冷却剤ジャケットは、複数のフロー通路を含むことが可能であり、複数のフロー通路は、モーターケースの周りで冷却剤流体のフローを分配し、収束的流路および/または発散的流路を生成させる。また、フロー通路は、圧縮機デバイスの回転軸線に対して円周方向に延在する円周方向の流路、軸線に対して概して半径方向に延在する半径方向の流路、軸線に対して螺旋方向に延在する螺旋流路、および/または、概して軸線に沿って延在する軸線方向の流路を含むことが可能である。そうであるので、冷却剤ジャケットは、強化された熱的性能のために、モーターの周りにフローを分配することが可能である。フローは、その効果的な冷却のために、調整された様式で特定のモーター構成の周りに方向付けされ得る。流速、圧力、および/または他の流体パラメーターが選択され得、冷却剤ジャケットは、動作の間の冷却剤のこれらの選ばれた流体パラメーターを提供するように構成され得る。フローは、圧縮機デバイスのための有益な熱的条件を提供するように制御され得る。したがって、圧縮機デバイスは、高い速度で動作され得、モーター冷却システムは、許容可能なレベルで温度を維持することが可能である。
【0015】
[0026]圧縮機デバイスは、コンパクトになっていることが可能であり、比較的に低い重量を有することが可能である。追加的に、本開示の圧縮機デバイスは、高度に製造可能であり得る。
【0016】
[0027]そのうえ、いくつかの実施形態において、モーター冷却システムは、圧縮機デバイスの軸受冷却システムと連結され得る。この点において、本明細書で開示されている例示的な実施形態は、軸受冷却システムを備えた圧縮機デバイス(たとえば、e-チャージャーまたは電気式の圧縮機など)を含み、軸受冷却システムは、改善された軸受冷却を提供し、したがって、圧縮機デバイスの軸受に関して、改善された動作および摩耗保護を提供する。また、圧縮機デバイスは、コンパクトであり、高度に製造可能である。軸受冷却システムは、モーター冷却システムに熱的に連結されており、それによって、改善された軸受冷却を提供し、したがって、圧縮機デバイスの軸受に関して、改善された動作および摩耗保護を提供することが可能である。
【0017】
[0028]より具体的には、圧縮機デバイスは、ハウジングおよび回転グループを含むことが可能であり、回転グループは、ハウジングの中で回転軸線の周りに回転する。圧縮機デバイスは、軸受(たとえば、空気軸受など)を含むことが可能であり、軸受は、ハウジングの中での回転グループの回転を支持する。圧縮機デバイスは、モーター(たとえば、電気モーターなど)をさらに含むことが可能であり、モーターは、回転軸線の周りでの回転グループの回転を駆動する。そのうえ、圧縮機デバイスは、モーター冷却システムを含むことが可能であり、第1の冷却剤流体は、モーター冷却システムを通って流れ、モーターを冷却する。圧縮機デバイスは、軸受冷却システムを追加的に含むことが可能であり、第2の冷却剤流体は、軸受冷却システムを通って流れ、軸受を冷却する。モーター冷却システムおよび軸受冷却システムは、第1の流体と第2の流体との間で熱を伝達するためにハウジングの中に熱交換器配置で一緒に配設されているそれぞれの部分を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、モーター冷却システムの1つまたは複数のフローセクションは、軸受冷却システムの1つまたは複数のフローセクションとともに熱交換器配置で配設され得、フローセクションは、圧縮機デバイスの軸線に沿って間隔を離して配置されている。さらなる実施形態において、フローセクションは、回転軸線に対してモーター冷却システムの第1のフローセクションと第2のフローセクションとの間に配設され得る。モーター冷却システムおよび軸受冷却システムは、熱が(軸受冷却システムの)第2の冷却剤流体から(モーター冷却システムの)第1の冷却剤流体へ伝達されるように構成され、第2の冷却剤流体を冷却することが可能である。最終的に、これは、圧縮機デバイスに関して、動作効率を向上させ、摩耗保護を提供することが可能である。
【0018】
[0029]また、いくつかの実施形態において、1つまたは複数のパーツは、圧縮機デバイスの複数のエリアを画定することが可能である。たとえば、単一のパーツは、圧縮機フロー通路の少なくとも一部分(たとえば、ディフューザーエリアおよび/または渦巻きフロー通路の一部分)を画定することが可能であり、また、圧縮機デバイスの軸受を支持する部分を画定することが可能である。そのうえ、いくつかの実施形態において、このパーツは、軸受冷却システムおよび/またはモーター冷却システムの一部分を画定することが可能である。これらの特徴は、製造可能性を改善し、部品数を低下させ、および/または、追加的な利点を提供することが可能である。
【0019】
[0030]最初に図1を参照すると、例示的な実施形態による圧縮機デバイス102が示されている。圧縮機デバイス102は、e-チャージャーまたは電動式圧縮機デバイスであることが可能である。また、示されているように、圧縮機デバイス102は、燃料電池システム100の中に組み込まれ得る。しかし、圧縮機デバイス102は、本開示の範囲から逸脱することなく、別のシステムの中に組み込まれ得るということが認識されることとなる。
【0020】
[0031]いくつかの実施形態において、燃料電池システム100は、たとえば、車、トラック、スポーツユーティリティービークル、バン、モーターサイクルなどの、車両の中に含まれ得る。しかし、燃料電池システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、異なる使用のために構成され得るということが認識されることとなる。
【0021】
[0032]燃料電池システム100は、複数の燃料電池を含む燃料電池スタック104を含むことが可能である。水素が、タンク106から燃料電池スタック104へ供給され得、酸素が、燃料電池スタック104へ供給され、公知の化学反応によって電気を発生させることが可能である。燃料電池スタック104は、電気的なデバイス(たとえば、電気モーター105など)のための電気を発生させることが可能である。述べられているように、燃料電池システム100は、車両の中に含まれ得る。したがって、いくつかの実施形態において、電気モーター105は、電力を機械的な動力に変換し、車両の車軸(ひいては、1つまたは複数のホイール)を駆動して回転させることが可能である。酸素は、少なくとも部分的に圧縮機デバイス102によって燃料電池スタック104に提供され得る。
【0022】
[0033]図1図3に示されているように、圧縮機デバイス102は、一般的に、回転グループ118およびハウジング119を含むことが可能であり、ハウジング119は、回転グループ118を収容して囲む。回転グループ118は、ハウジング119の中で、回転軸線120の周りでの回転のために、1つまたは複数の軸受121によって支持されている。
【0023】
[0034]回転グループ118は、一般的に、第1の端部142および第2の端部144を備えた細長い円筒形状のシャフト140を含むことが可能である。また、回転グループ118は、圧縮機ホイール130を含むことが可能であり、圧縮機ホイール130は、シャフト140の第1の端部142に固定されている。圧縮機ホイール130は、複数のブレード147を備えた前方側146と、第2の端部144の方を向く反対側の後方側148とを含むことが可能である。いくつかの実施形態において、軸受121は、滑り軸受、空気軸受、および/またはオイルレス軸受として構成され得る。
【0024】
[0035]圧縮機デバイス102は、モーターセクション112を定義することが可能である。モーターセクション112は、電気モーター134を含むことが可能であり、電気モーター134は、ハウジング119の外側モーターハウジング150の中に収容されている。モーター134は、一般的に、公知のタイプのローター136およびステーター138を含むことが可能である。ローター136は、シャフト140の上に装着され得、ステーター138は、一般的に、中空で円筒形状になっており、ローター136を取り囲むことが可能である。ステーター138は、複数の電気巻線を含むことが可能であり、電気巻線は、第1の軸線方向端部165と第2の軸線方向端部169との間で、軸線120に沿って軸線方向に延在している。
【0025】
[0036]ローター136およびステーター138は、薄壁のモーターケース139の中に収容および収納され得る。モーターケース139は、一般的に、ステーター138の外側表面の形状に一致することが可能であり、中空であり、円筒形状であり、軸線120に実質的に中心を合わせられるようになっており、半径方向部分137、第1の軸線方向端部135、および第2の軸線方向端部131を備えている。図1図2、および図3に表されているいくつかの実施形態において、モーターケース139は、スリーブ166およびキャップ168を含むことが可能である。スリーブ166は、カップ形状になっていることが可能であり、モーターケース139の第1の軸線方向端部135および半径方向部分137の少なくとも一部を画定することが可能である。スリーブ166は、第1の軸線方向端部135および半径方向部分137を横切って延在する外側表面157を含むことが可能である。スリーブ166は、中空になっていることが可能であり、電気モーター134のステーター138の第1の軸線方向端部165および半径方向面167を受け入れてカバーし、ステーター138の第2の軸線方向端部169をスリーブ166から露出されたままにするように構成され得る。キャップ168は、ディスク形状になっていることが可能であり、スリーブ166の開放端部に取り付けられて流体シールされ、電気モーター134の第2の軸線方向端部169をカバーすることが可能である。また、キャップ168は、モーターケース139の第2の軸線方向端部131を画定することが可能である。また、キャップ168は、モーターケース139の半径方向部分137の一部を画定することが可能である。モーターケース139は、高い熱伝導率を有する材料(たとえば、金属)から作製され得る。
【0026】
[0037]モーター134のモーターケース139は、外側モーターハウジング150の中に固定および支持され得、それらの間に1つまたは複数のギャップを備えている。これらのギャップは、より詳細に下記に議論されることとなるように、モーター134の冷却のための冷却剤流体のフローのためのスペースを提供する。
【0027】
[0038]シャフト140の第1の端部142および第2の端部144は、モーターケース139のそれぞれの側から延在することが可能であり、軸受121によって外側モーターハウジング150の中に支持され得る。したがって、モーター134は、ハウジング119の中での軸線120の周りの回転グループ118の回転を駆動するために、回転グループ118に動作可能に取り付けられ得る。
【0028】
[0039]また、圧縮機デバイス102は、圧縮機セクション110を含むことが可能である。圧縮機セクション110は、圧縮機ホイール130を含むことが可能であり、圧縮機ホイール130は、ハウジング119の圧縮機ハウジング152の中に収容されている。圧縮機ホイール130は、シャフト140の上に装着され得、シャフト140は、圧縮機ホイール130からモーターセクション112へ延在している。圧縮機ハウジング152は、チューブ状の入口部153を備えた圧縮機流路151を画定することが可能であり、チューブ状の入口部153は、軸線120に中心を合わせられている。入口部153は、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな形状およびプロファイルを有することが可能である。また、圧縮機ハウジング152の流路151は、軸線120の周りに延在する渦巻き通路154の少なくとも一部を画定することが可能である。いくつかの実施形態において、圧縮機ハウジング152は、鋳造操作を介して、アディティブマニュファクチャリングプロセスを介して、または、その他の方法で製造されるユニタリー(単一のピース)コンポーネントであることが可能である。圧縮機ハウジング152は、外側モーターハウジング150の軸線方向面156に固定して取り付けられ得、圧縮機ホイール130の前方側146をカバーすることが可能である。圧縮機ホイール130は、圧縮機セクション110の圧縮機ハウジング152の中で、軸線120の周りにモーター134によって回転方向に駆動され得る。
【0029】
[0040]いくつかの実施形態において、圧縮機デバイス102は、中間ハウジング部材158を含むことが可能である。中間ハウジング部材158は、いくつかの実施形態において、ハウジング119の一部分および軸受121の一部分を画定することが可能である。したがって、中間ハウジング部材158は、「スラストカバー」と称され得、以降では、そのように称されることとなる。スラストカバー158は、いくつかの実施形態において、ユニタリーの、ワンピースの、ディスクのようなパーツであることが可能である。スラストカバー158は、第1の軸線方向面160および第2の軸線方向面162を含むことが可能である。スラストカバー158は、圧縮機セクション110とモーターセクション112との間に、および/または、圧縮機セクション110とモーターセクション112との間の移行部に配設され得る。第1の軸線方向面160は、圧縮機ハウジング152、および、圧縮機ホイール130の後方側148の方を向いていることが可能である。第1の外側半径方向縁部部分163は、圧縮機ハウジング152に対向し、それに係合し、および/または、それに固定して取り付けることが可能であり、第2の外側半径方向縁部部分164は、外側モーターハウジング150に対向し、それに係合し、および/または、それに固定して取り付けることが可能である。第2の軸線方向面162は、外側モーターハウジング150の軸線方向面156に対向し、それに係合し、および/または、それに固定して取り付けることが可能である。そうであるので、スラストカバー158のディフューザー部分170は、圧縮機ハウジング152と協働して、圧縮機デバイス102のディフューザーエリア172を画定することが可能であり、それは、圧縮機ホイール130の外側半径方向縁部から半径方向外向きに配設されている。さらに外向きにおいて、スラストカバー158の第1の軸線方向面160は、渦巻き通路154の中への入口部を協働的に画定することが可能である。また、スラストカバー158の第2の軸線方向面162および他の部分は、詳細に下記に説明されることとなるように、1つまたは複数の流体通路、セグメント、チャンバーなどを画定することが可能である。そのうえ、スラストカバー158は、軸受121を画定および/または支持するために、その内側半径方向部分の上にスラスト軸受部分174を含むことが可能である。示されているように、スラスト軸受部分174は、軸線方向に環状の圧縮機カラー176と軸受121のスラストディスク178との間に受け入れられ得る。
【0030】
[0041]圧縮機デバイス102の動作の間に、入口部空気ストリーム(図1の中の矢印122によって表されている)は、入口部153の中へ流入することが可能であり、入口部空気ストリーム122は、それが圧縮機ホイール130と圧縮機ハウジング152との間を下流に流れてディフューザーエリア172を通って渦巻き通路154の中へ流れるにつれて圧縮され得る。圧縮空気ストリーム(矢印124によって表されている)は、渦巻き通路154を退出することが可能であり、中間冷却器128に方向付けられ、次いで、燃料電池システム100の動作効率を高めるために、燃料電池スタック104に方向付けられ得る。
【0031】
[0042]そのうえ、燃料電池スタック104からの排気ガスストリーム(矢印132によって表されている)は、図1に表されているように、大気に排出され得る。別の言い方をすれば、排気ガスストリーム132は、圧縮機デバイス102から離れるように方向付けられ得る。したがって、回転グループ118は、タービンを必要とすることなく、回転方向に駆動され得る。換言すれば、回転グループ118は、タービンレスであることが可能であり、いくつかの実施形態において、電気モーター134のみによって駆動され得る。他の実施形態において、排気ガスストリーム132は、圧縮機デバイス102に向けて戻るように方向付けられ、たとえば、回転グループ118の中に含まれるタービンホイールの回転を駆動することが可能である。そして、これは、圧縮機ホイール130の回転を駆動し、たとえば、電気モーター134を支援することが可能である。
【0032】
[0043]そのうえ、圧縮機デバイス102は、モーター冷却システム180を含むことが可能である。一般的に、モーター冷却システム180は、モーター134を冷却するために、ハウジング119を通して第1の流体(たとえば、液体冷却剤)の第1のフローを提供することが可能である。また、いくつかの実施形態において、モーター冷却システム180は、議論されることとなるように、軸受121を冷却するために、および、構造体を取り囲むために、ハウジング119を通され得る。モーター冷却システム180は、入口部181および出口部182(両方とも図1に概略的に表されている)、ならびに、入口部181および出口部182を接続するための1つまたは複数の連続的な流体経路を形成する複数の通路、チャンバーなどを含むことが可能である。
【0033】
[0044]図1に示されているように、モーター冷却システム180は、冷却剤ジャケット184を含むことが可能であり、冷却剤ジャケット184は、モーターケース139と外側モーターハウジング150との間のギャップによって画定されている。冷却剤ジャケット184は、入口部181および出口部182に流体接続することが可能である。入口部181は、外側モーターハウジング150を通って延在することが可能であり、比較的に低い温度の冷却剤流体を冷却剤ジャケット184へ給送するように構成され得る。熱は、モーターケース139を通して、電気モーター134から冷却剤ジャケット184の中の冷却剤へ伝達され得る。冷却剤ジャケット184は、入口部181から出口部182へ冷却剤流体のフローを方向付けるように構成され得る。出口部182は、外側モーターハウジング150を通って延在することが可能であり、冷却剤ジャケット184から比較的に高い温度の冷却剤を受け入れるように構成され得る。
【0034】
[0045]冷却剤ジャケット184は、複数のフロー通路を含むことが可能であり、複数のフロー通路は、冷却剤流体のフローをモーターケース139の周りに分配し、その中のモーター134を冷却するように構成されている。いくつかの実施形態において、冷却剤ジャケット184は、外径部分(すなわち、半径方向部分186)、第1の軸線方向端部部分188、および第2の軸線方向端部部分189へと細分化され得、それらは、モーター134を集合的に取り囲んで覆っている。冷却剤流体は、モーター冷却システム180の使用の間に、半径方向部分186、第1の軸線方向端部部分188、および第2の軸線方向端部部分189を通して送達および循環され得る。
【0035】
[0046]冷却剤ジャケット184の半径方向部分186は、軸線120に対して円周方向および軸線方向に、モーターケース139の周りに広がっていることが可能である。そうであるので、半径方向部分186は、円筒形状のジャケットであることが可能であり、円筒形状のジャケットは、モーターケース139および下にあるモーター134のステーター138の半径方向部分をカバーしてその上に延在している。モーターケース139の外側表面157と外側モーターハウジング150の対向する内側半径方向表面171との間の半径方向部分186を画定する半径方向に測定されるギャップ159が、例として図1に示されている。このギャップ159は、モーターケース139の軸線方向の長さの少なくとも一部に関して、半径方向部分186に沿って維持され得る。
【0036】
[0047]冷却剤ジャケット184の第1の軸線方向端部部分188は、モーターケース139の第1の軸線方向端部135を横切って、半径方向(たとえば、軸線120に対して実質的に垂直方向)に広がっていることが可能である。そうであるので、第1の軸線方向端部部分188は、ジャケット184のディスク形状の部分であることが可能であり、それは、第1の軸線方向端部135および下にあるステーター138の第1の軸線方向端部165をカバーしてその上に延在している。
【0037】
[0048]冷却剤ジャケット184の第2の軸線方向端部部分189は、モーターケース139の第2の軸線方向端部131を横切って、半径方向(たとえば、軸線120に対して実質的に垂直方向)に広がっていることが可能である。そうであるので、第2の軸線方向端部189は、ジャケット184のディスク形状の部分であることが可能であり、それは、第2の軸線方向端部131および下にあるステーター138の第2の軸線方向端部169をカバーしてその上に延在している。
【0038】
[0049]冷却剤ジャケット184の複数のフロー通路のうちの少なくとも1つは、半径方向部分186を第1の軸線方向端部部分188に流体接続することが可能である。図1図3に表されているように、冷却剤ジャケット184は、半径方向部分と第1の軸線方向端部部分188との間の移行部において、第1の接合部215を含むことが可能である。同様に、冷却剤ジャケット184の複数のフロー通路のうちの少なくとも1つは、半径方向部分186を第2の軸線方向端部部分189に流体接続することが可能である。図1図3に表されているように、冷却剤ジャケット184は、第2の接合部217を含むことが可能である。第2の接合部217は、モーターケース139の貫通孔229であることが可能であり、それは、半径方向部分186と第2の軸線方向端部部分189との間で、モーターケース139のキャップ168を通って延在している。図1に示されているように、貫通孔229は、キャップ168を通って軸線方向に延在することが可能である。貫通孔229は、同様に、軸線120の周りに円周方向に延在することが可能であるということが認識されることとなる。貫通孔229のさまざまな実施形態が、より詳細に下記に議論されている。
【0039】
[0050]また、モーター冷却システム180は、モーターケース139と外側モーターハウジング150との間のギャップを分割するための少なくとも1つの流体境界、バリア、パーティションなどを含むことが可能である。そうであるので、境界、バリア、パーティション、などは、冷却剤ジャケット184を複数のフロー通路へと分割することが可能である。たとえば、図1図2、および図3に示されているように、冷却剤ジャケット184を複数のフロー通路へと分割する1つまたは複数のダム248が存在していることが可能である。いくつかの実施形態において、ダム248は、モーターケース139の一部であることが可能である。たとえば、少なくとも1つのダム248が存在していることが可能であり、少なくとも1つのダム248は、スリーブ166の外側表面157から、軸線120から離れるように半径方向に突出しており、内側半径方向表面171に近接して終端している。いくつかの実施形態において、ダム248の終端外側部は、外側モーターハウジング150の中にモーターケース139を支持するために、内側半径方向表面171に当接することが可能である。ダム248は、細長くなっていることが可能であり、いくつかの実施形態では、モーターケース139の外側表面157および/または他の部分に沿って長手方向に延在することが可能であるということが認識されることとなる。より具体的には、図1に表されているように、ダム248は、外側表面157に沿って円周方向に延在することが可能である。また、図1において、ダム248は、流体接合部215を維持するために円周方向に非連続的であることが可能であり、それによって、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186と第1の軸線方向端部部分188との間のフローを可能にするということが認識されることとなる。したがって、流体接合部215は、半径方向部分186bと第1の軸線方向部分188との間の流体フローを制御するために、所定の位置において、所定の寸法で提供され得る。
【0040】
[0051]したがって、入口部181は、冷却剤流体のフローを冷却剤ジャケット184へ送達することが可能である。たとえば、入口部181は、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186に流体接続され得る。半径方向部分186から、冷却剤流体は、第1の軸線方向部分188および第2の軸線方向部分189に分配され得る。図1に示されているように、出口部182は、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186に流体接続され得る。したがって、第1および第2の軸線方向部分188、189の中の冷却剤流体は、出口部182を介して退出する前に、半径方向部分186に戻ることが可能である。
【0041】
[0052]したがって、冷却剤は、モーター134の半径方向部分および軸線方向部分の両方に送達され、それによって、モーター134を冷却するための大量の表面積露出を提供することが可能である。とりわけ、モーター134の第1の軸線方向端部165におけるステーター端ターンと第1の軸線方向部分188における冷却剤ジャケット184との間に、サーマルカップリングが存在していることが可能である。同様に、モーター134の第2の軸線方向端部169におけるステーター端ターンと第2の軸線方向部分189における冷却剤ジャケット184との間に、サーマルカップリングが存在していることが可能である。そうであるので、モーター134から冷却剤ジャケット184へ軸線方向への熱流束が存在していることが可能である。また、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186は、モーター134から半径方向外向きに伝達する熱を吸収することが可能である。
【0042】
[0053]1つまたは複数のダム248、貫通穴229、接合部215などは、モーターケース139の周りの所定のエリアに冷却剤フローを方向付けおよび分配するために、冷却剤ジャケット184の流体通路を画定することが可能である。ダム248、接合部215、および貫通孔229は、モーターケース139の周りに(ひいては、モーター134の周りに)フローを方向付けおよび分配し、冷却剤の所定のフロー特性(圧力、圧力降下など)を維持することが可能である。したがって、モーター冷却システム180は、モーター134の効果的なおよび効率的な冷却を提供することが可能である。
【0043】
[0054]また、本開示のモーター冷却システム180は、圧縮機デバイス102の特定の構成のために調整および構成され得る。たとえば、より高い電力消費率(すなわち、より多くの熱エネルギーが発生させられる)で稼働することが予期される圧縮機デバイス102は、そのモーター134の周りの流体通路の1つの構成(たとえば、図8および図9のモーターケース1139)を含むことが可能である。逆に、より低い電力消費率(すなわち、より少ない熱エネルギーが発生させられる)で稼働することが予期される別の圧縮機デバイス102は、冷却剤ジャケット184の別の構成(たとえば、図10および図11のモーターケース2139)を含むことが可能である。モーターケース1139、2139のこれらの実施形態は、より詳細に下記に議論されることとなる。
【0044】
[0055]そのうえ、キャップ168およびダム248の外側部分は、外側モーターハウジング150の内部表面に当接することが可能である。これは、モーターケース139、モーター134、および回転グループ118のためのロバストな構造的支持および剛性を提供することが可能である。
【0045】
[0056]図1に示されているように、圧縮機デバイス102は、1つまたは複数のシーリング部材を含むことが可能であり、1つまたは複数のシーリング部材は、モーターケース139と外側モーターハウジング150との間に流体シールを生成させる。たとえば、第1のOリングシール231が含まれ得、第1のOリングシール231は、軸線120を取り囲み、軸線120に中心を合わせられている。Oリングシール231は、モーターケース139の第1の軸線方向端部135と外側モーターハウジング150との間でシールされ得る。また、第2のOリングシール233が含まれ得、第2のOリングシール233は、モーターケース139の第2の軸線方向端部131と外側モーターハウジング150との間でシールされている。
【0046】
[0057]図3に示されているように、いくつかの実施形態において、モーター冷却システム180は、第1の軸線方向チャネル190をさらに含むことが可能であり、第1の軸線方向チャネル190は、外側モーターハウジング150を通って、一般的に、外側半径方向部分186から圧縮機セクション110に向けて軸線方向に延在している。第1の軸線方向チャネル190は、真っ直ぐになっていることが可能であり、(フロー方向に対して垂直の)丸みを帯びた(円形の)断面を有することが可能である。また、第1の軸線方向チャネル190は、軸線120に対して角度191で、外側モーターハウジング150の軸線方向面156へ軸線方向に延在することが可能である。第1の軸線方向チャネル190は、軸線方向面156において開口していることが可能であり、軸線方向面156において、第1の軸線方向チャネル190は、モーター冷却システム180の半径方向フローセクション192に流体接続して交差している。
【0047】
[0058]半径方向フローセクション192は、スラストカバー158の中の環状の溝部194によって少なくとも部分的に画定され得る。溝部194は、スラストカバー158の第1の外側半径方向縁部部分163と第2の外側半径方向縁部部分164との間に画定され得る。そうであるので、溝部194は、スラストカバー158の外径縁部から半径方向内向きに延在することが可能である。また、半径方向フローセクション192は、軸線120の周りに円周方向に延在することが可能である。半径方向フローセクション192は、モーター冷却システム180の第2の軸線方向チャネル196(図3)に流体接続することが可能である。第2の軸線方向チャネル196は、軸線方向面156から外側モーターハウジング150の中へ、一般的に、圧縮機セクション110から離れるように軸線方向に延在し、冷却ジャケット184の外側半径方向部分186に流体接続して戻ることが可能である。図3に表されているように、第2の軸線方向チャネル196は、第1の軸線方向チャネル190から軸線120の反対側に配設され得る(たとえば、軸線120の周りに180度間隔を離して配置されている)。また、第2の軸線方向チャネル196は、所定の角度(たとえば、第1の軸線方向チャネル190の角度191の逆)で配設され得る。
【0048】
[0059]したがって、モーター冷却システム180は、第1の冷却剤(たとえば、液体冷却剤)が入口部181から出口部182へ下流方向に流れるための1つまたは複数の流体流路を画定することが可能である。動作の間に、第1の流体は、入口部181から冷却剤ジャケット184へ流れることが可能である。冷却剤ジャケット184の中のこの第1の流体のうちのいくらかは、そこから分岐することが可能であり、第1の流体は、第1の軸線方向チャネル190を通って、半径方向フローセクション192の中へさらに下流に流れることが可能である。そこで、流体は、スラストカバー158を通って、円周方向におよび軸線120に向けて半径方向内向きに、軸線120の周りに流れることが可能である。さらに下流に移動すると、流体は、第2の軸線方向チャネル196へ流れ、冷却剤ジャケット184に戻り、次いで、出口部182へ流れることが可能である。
【0049】
[0060]追加的に、圧縮機デバイス102は、軸受冷却システム200を含むことが可能である。一般的に、軸受冷却システム200は、軸受121を冷却するためにハウジング119を通して第2の流体(たとえば、空気または他のガス冷却剤)の第2のフローを提供することが可能である。また、軸受冷却システム200は、議論されることとなるように、モーター冷却システム180とともに熱交換器配置で配設されるように、ハウジング119を通され得る。
【0050】
[0061]軸受冷却システム200は、入口部202および出口部204を含むことが可能である。いくつかの実施形態において、入口部202および/または出口部204は、圧縮機流路151に流体連通していることが可能である。たとえば、図1に示されているように、入口部202は、(たとえば、渦巻き通路154において)圧縮機流路151に流体接続され、そこから空気フローを受け入れることが可能であり、出口部204は、(たとえば、入口部153において)フローを圧縮機流路151に戻すよう流体接続され得る。また、軸受冷却システム200は、入口部202および出口部204を接続する1つまたは複数の連続的な流体経路を形成する複数の通路、チャンバーなどを含むことが可能である。
【0051】
[0062]図2に示されているように、入口部202は、ピトー管(「逆」ピトー管)を含むことが可能であり、ピトー管は、渦巻き通路154の中に配設されており、渦巻き通路154に流体接続されている。また、軸受冷却システム200は、軸線方向面156から外側モーターハウジング150を通って半径方向内向きに延在する通路を形成する1つまたは複数のボア206を含む。
【0052】
[0063]軸受冷却システム200は、フローセクション210をさらに含むことが可能である。いくつかの実施形態において、フローセクション210は、スラストカバー158の第2の軸線方向面162、および、外側モーターハウジング150の軸線方向面156によって、協働的に画定され得る。たとえば、第2の軸線方向面162および/または軸線方向面156は、1つまたは複数の凹部212を含むことが可能であり、1つまたは複数の凹部212は、1つまたは複数の壁部214同士の間に画定されている。図示されている実施形態において、たとえば、軸線方向面156、162の両方は、それぞれの凹部212および壁部214を含み、それらは、軸線方向に(すなわち、軸線120に沿って)整合させられ、軸受冷却システム200のフローセクション210を通るさまざまなセグメントを画定している。別の言い方をすれば、図2に示されているように、軸線方向面156は、第1の凹部220を含むことが可能であり、第1の凹部220は、軸線方向面162の第2の凹部222と軸線方向に整合し、フローセクション210のセグメント224を協働的に画定している。示されているように、軸線方向面156と軸線方向面162との間に画定されるフローセクション210の複数のセグメント224が存在している可能性がある。
【0053】
[0064]図4図7に表されているように、フローセクション210のセグメント224は、連続的な流路として一緒に配置され得る。示されているように、セグメント224は、本開示の範囲から逸脱することなく、さまざまな配置を有することが可能である。フローセクション210を通る流路、および、流路の下流方向は、図4図7の実施形態のそれぞれにおいて、矢印226によって示されている。示されているように、流路226は、回転軸線120に対して半径方向に下流方向に延在することが可能である。より具体的には、いくつかの実施形態において、流路226は、回転軸線120に対して半径方向内向きに下流方向に延在することが可能である。また、フローセクション210の流路226は、図4図7に示されているように、回転軸線120の1つの側から回転軸線120の反対側へ延在することが可能である。いくつかの実施形態において、流路226は、回転軸線120の周りに半径方向および円周方向の両方に延在することが可能である。流路226は、それが下流方向に延在するにつれて、弧状にならびに/または線形におよび真っ直ぐに延在することが可能である。
【0054】
[0065]とりわけ、図4の実施形態では、フローセクション210を通る流路226は、複数の弧状セグメントを含み、複数の弧状セグメントは、第1の弧状セグメント232、第2の弧状セグメント234、および第3の弧状セグメント236を含み、それらは、軸線120の周りに弧状にそれぞれ延在している。弧状セグメント232、234、236は、個別の半径をそれぞれ有することが可能であり、それぞれの半径は、回転軸線120に対して実質的に一定のままになっていることが可能である。弧状セグメント232、234、236は、同心円状になっており、軸線120に中心を合わせられ得、第2の弧状セグメント234が、第1の弧状セグメント232と第3の弧状セグメント236との間に半径方向に配設されている。また、壁部214のうちの1つの中に第1の円周方向ギャップ238が存在していることが可能であり、ギャップ238は、第1および第2の弧状セグメント232、234に流体接続することが可能である。同様に、別の壁部214の中に第2の円周方向ギャップ240が存在していることが可能であり、ギャップ240は、第2および第3の弧状セグメント234、236に流体接続することが可能である。流路226は、第1の(外側)弧状セグメント232の中に画定された入力エリア228を有することが可能であり、流路226は、曲がりくねった経路に沿って下流に延在し、第1の弧状セグメント232を通って円周方向に反対側方向に、次いで、ギャップ238を通って第2の弧状セグメント234の中へ半径方向内向きに、次いで、第2の弧状セグメント234を通って円周方向に反対側方向に、次いで、ギャップ240を通って第3の弧状セグメント236の中へ半径方向内向きに、最終的に、フローセクション210の出力エリア230に延在することが可能である。
【0055】
[0066]図5に表されている追加的な実施形態では、フローセクション210は、弧状セグメント242を含むことが可能であり、弧状セグメント242は、円周方向におよび半径方向内向きに延在し、その入力エリア228からその出力エリア230へ軸線120に向けて螺旋状になっている。図6に表されているさらなる実施形態において、フローセクション210は、複数の長手方向に真っ直ぐなセグメント244を含むことが可能であり、複数の長手方向に真っ直ぐなセグメント244は、端部同士を接続されており、軸線120の一方の側から他方の側へ、その入力エリア228からその出力エリア230へ延在するようになっている。図6に示されているように、流路226は、流路226が軸線120の周りに延在するにつれて、軸線120に対して半径方向内向きに徐々に延在することが可能である(すなわち、徐々に軸線120のより近くになる)。そのうえ、図7に表されている実施形態では、フローセクション210は、複数の長手方向に真っ直ぐなセグメント246を含むことが可能であり、複数の長手方向に真っ直ぐなセグメント246は、端部同士を接続されており、軸線120の一方の側から他方の側へ延在し、そして、戻るようになっている。示されているように、入力エリア228は、一方の側にあり、半径方向外側に配設され得る。流路226は、入力エリア228から反対側方向にスプリットし、垂直方向にターンし、および軸線120の反対側まで延在し、再び垂直方向にターンし、軸線120のオリジナルの側まで延在して戻ることが可能である。示されているように、流路226は、軸線120に対して半径方向内向きに徐々に延在することが可能である(すなわち、徐々に軸線120のより近くになる)。
【0056】
[0067]図3に示されているように、軸受冷却システム200は、第1の軸受注入経路250をさらに含むことが可能であり、第1の軸受注入経路250は、軸受121のスラストコンポーネントおよび/またはジャーナルコンポーネントに出力エリア230を流体接続している。たとえば、第1の軸受注入経路250は、スラストカバー158の内径部分を通って半径方向内向きに延在する通路であり、フローセクション210の出力エリア230をスラストディスク178の1つの軸線方向の側のギャップに流体接続することが可能である。したがって、圧縮機流路151からの流体(空気)は、軸受冷却システム200を介して提供され、軸受121を冷却することが可能である。また、軸受冷却システム200は、第2の軸受注入経路251を含むことが可能であり、第2の軸受注入経路251は、軸受121のスラストコンポーネントおよび/またはジャーナルコンポーネントに出力エリア230を流体接続している。たとえば、第2の軸受注入経路251は、モーター134に向けて軸線方向に延在するボアを含み、モーターケース139と外側モーターハウジング150との間のギャップにフローセクション210の出力エリア230を流体接続することが可能である。(環状のシーリング部材255が存在していることが可能であり、環状のシーリング部材255は、第2の軸受注入経路251によって提供される空気から、第1の軸線方向端部部分188の中の液体冷却剤をシールして分離している。)また、シャフト140と外側モーターハウジング150の内側半径方向リップ部254との間に画定された軸線方向の経路253が存在していることが可能であり、軸線方向の経路253は、第2の軸受注入経路251からスラストディスク178の他方の軸線方向の側へ空気を給送する。また、このエリアの中の空気は、同様に、軸受121のジャーナル要素にも流れることが可能である。そのうえ、軸受冷却システム200は、さらに下流に流路を画定する特徴を含むことが可能である。
【0057】
[0068]したがって、動作の間に、軸受冷却システム200の入口部202は、圧縮機流路151から空気を受け入れることが可能である。この空気は、ボア206(図2)を通して下流に、フローセクション210の入力エリア228へ流れることが可能である。フローは、フローセクション210の流路226に沿って半径方向内向きに継続することが可能であり、第1および第2の軸受注入経路250、251を介して軸受121へ流れることが可能である。空気は、最終的に、出口部204へ流れることが可能である。
【0058】
[0069]出口部204は、図1および図2に概略的に表されている。示されているように、出口部204は、細長い通路であることが可能であり、それは、ハウジング119の1つまたは複数の部分を通して画定されており、圧縮機流路151の入口部153に流体接続するように延在して戻る。いくつかの実施形態において、出口部204は、シャフト140の第2の端部144に近接するエリアから、外側モーターハウジング150および/または圧縮機ハウジング152を通って延在し、入口部153に流体接続することが可能である。また、第1の端部出口部分岐部260が存在していることも可能である(図2)。分岐部260は、半径方向に延在するボアであることが可能である。分岐部260は、モーター134と軸線方向面156の間の軸線方向位置において、外側モーターハウジング150を通って延在することが可能である。分岐部260は、第2の端部144から延在する出口部204の部分に交差することが可能である。そうであるので、分岐部260からのフローは、入口部153に戻ることが可能である。また、いくつかの実施形態において、出口部204の少なくとも一部は、ハウジング119の外部に沿って延在することが可能である。したがって、出口部204は、圧縮機ホイール130の上流において、軸受冷却システム200の第2の流体を圧縮機流路151の入口部153に戻すことが可能である。
【0059】
[0070]軸受冷却システム200およびモーター冷却システム180は、熱がそれらの間で伝達するように、熱交換器配置で一緒に配設され得る。たとえば、軸受冷却システム200のフローセクション210、および、モーター冷却システム180の軸線方向端部部分188は、軸線120に沿って異なる軸線方向位置に配設され得、熱は、外側モーターハウジング150の介在部分270を通して、軸線方向に(すなわち、一般的に、軸線120に沿って)流体同士の間で交換され得る。また、フローセクション210およびモーター冷却システム180の半径方向フローセクション192は、軸線120に沿って異なる軸線方向位置に配設され得、熱は、スラストカバー158の介在部分272を通して、軸線方向に流体同士の間で交換され得る。たとえば、いくつかの実施形態において、および/または、いくつかの動作条件において、軸受冷却システム200のフローセクション210の中の空気は、モーター冷却システム180の半径方向フローセクション192および軸線方向端部部分188の中の液体冷却剤よりも高温で走っている。したがって、液体冷却剤は、ヒートシンクであることが可能であり、そのような動作の間にフローセクション210の中の空気から熱を受け取ることが可能である。
【0060】
[0071]したがって、軸受およびモーター冷却システム180、200の熱交換器配置は、モーター134および軸受121のための効果的な冷却を提供することが可能である。これは、最終的に、圧縮機デバイス102の動作効率を向上させることが可能である。また、これらの特徴は、圧縮機デバイス102の長い動作寿命時間にわたって、圧縮機デバイス102をロバストにすることが可能である。そのうえ、圧縮機デバイス102は、上記に議論されている特徴に起因して、コンパクトおよび軽量であることが可能である。追加的に、本開示の圧縮機デバイス102は、比較的に低い部品数および便利な組み立てプロセスによって高度に製造可能である。
【0061】
[0072]ここで図8および図9を参照すると、モーターケース1139は、追加的な実施形態に従って議論されることとなる。モーターケース1139は、図1図3のモーターケース139に関して上記に議論されている複数の特徴を含むことが可能である。図1図3のモーターケース139のコンポーネントに対応するコンポーネントは、1000だけ増加された対応する参照数字を伴って示されている。
【0062】
[0073]モーターケース1139は、スリーブ1166およびキャップ1168を含むことが可能であり、それらは、電気モーターをその中に収納するように協働する。また、スリーブ1166は、第1の軸線方向端部1135に近接して、複数のダム1248(たとえば、スリーブ1166の周りに円周方向に延在する細長い円周方向ダム1302など)を含むことが可能である。円周方向ダム1302は、外側表面1157から(図1の外側モーターハウジング150に向けて)半径方向外向きに突出することが可能である。円周方向ダム1302は、第1の長手方向端部1304および第2の長手方向端部1306を含むことが可能であり、それらは、円周方向において所定の距離に間隔を離して配置されている。
【0063】
[0074]複数のダム1248は、第1の軸線方向ダム1308をさらに含むことが可能である。第1の軸線方向ダム1308は、軸線1120に沿って(たとえば、軸線1120に対して実質的に平行に)延在することが可能である。また、第1の軸線方向ダム1308は、スリーブ1166の外側表面1157から(図1の外側モーターハウジング150に向けて)半径方向外向きに突出することが可能である。
【0064】
[0075]複数のダム1248は、半径方向ダム1310(図9)を追加的に含むことが可能であり、半径方向ダム1310は、モーターケース1139の第1の軸線方向端部1135に沿って半径方向に延在している。半径方向ダム1310の軸線は、軸線120に交差することが可能である。半径方向ダム1310は、第1の軸線方向端部1135から(図1の外側モーターハウジング150に向けて)軸線方向外向きに突出することが可能である。半径方向ダム1310は、ダムセグメント1312において第1の軸線方向ダム1308に交差することが可能である。このセグメント1312は、円周方向に円周方向ダム1302の第1の長手方向端部1304と第2の長手方向端部1306との間に配設され得る。そうであるので、モーターケース1139のこのエリアは、円周方向にダム1302の第1の長手方向端部1304とダムセグメント1312との間に、第1の開口部1314を画定することが可能である。また、モーターケースは、円周方向にダム1302の第2の長手方向端部1306とダムセグメント1312との間に、第2の開口部1316の一部を画定することが可能である。モーターケース1139が外側モーターハウジング150(図1)の中に配設されているときには、開口部1314、1316は、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186と第1の軸線方向部分188との間に流体接合部を提供することが可能である。
【0065】
[0076]モーターケース1139は、第2の軸線方向ダム1309をさらに含むことが可能である。第2の軸線方向ダム1309は、軸線1120に沿って(たとえば、それに対して実質的に平行に)延在することが可能である。第2の軸線方向ダム1309は、第1の軸線方向ダム1308から円周方向に間隔を離して配置され得る。
【0066】
[0077]モーターケース1139のキャップ1168(図8および図9)は、第1の貫通孔1320および第2の貫通孔1322を含むことが可能である。貫通孔1320、1322は、図1図3の貫通孔229の実施形態と同様に、キャップ1168を通って軸線方向に延在することが可能である。貫通孔1320、1322は、キャップ1168の周りに角度的に間隔を離して配置され得る。モーターケース1139が外側モーターハウジング150(図1)の中に配設されているときには、貫通孔1320、1322は、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186と第2の軸線方向部分189との間に流体接合部を提供することが可能である。
【0067】
[0078]モーターケース1139は、外側モーターハウジング150(図1)の中に配設され、冷却剤ジャケット184を協働的に画定することが可能であるということが理解される。冷却剤ジャケットへの入口部1181は、図8の中のモーターケース1139に対して示されている。また、出口部1183も示されている。入口部1181および/または出口部1183は、図1の実施形態と同様に配置され得、または、本開示の範囲から逸脱することなく、異なって構成され得る。外側モーターハウジング150は図8および図9において隠されているが、冷却剤のための複数のフロー通路が議論されることとなる。外側モーターハウジング150の内側表面171(図1)は、滑らかになっていることが可能であり、ダム1248およびキャップ1168の半径方向部分は、内側表面171に当接することが可能であるということが認識されることとなる。上記に述べられているように、冷却剤ジャケット184は、したがって、モーターケース1139と内側表面171との間のギャップの中に画定され得、ダム1248、キャップ1168の中の貫通孔、流体接合部などが、冷却剤ジャケット184を通してフローを方向付ける。
【0068】
[0079]動作の間に、冷却剤流体は、入口部1181から円周方向フロー通路1351(第1の軸線方向ダム1308と第2の軸線方向ダム1309との間で円周方向に画定されており、また、ダム1302とキャップ1168との間で軸線方向に画定されている)の中へ受け入れられ得る。冷却剤フローは、円周方向フロー通路1351の中で円周方向に両方の方向に発散して流れることが可能である。一方の円周方向において、冷却剤フローは、軸線方向にターンし、第1の開口部1314を通って、モーターケース1139の第1の軸線方向端部1135における第1の弧状フロー通路(図9の中の矢印1352によって示されている)の中へ流れることが可能である。他方の円周方向において、冷却剤は、第2の軸線方向ダム1309に向けて流れることが可能である。フローは、円周方向フロー通路1351からさらに発散することが可能であり、軸線方向にターンし、第1の貫通孔1320を通って第2の軸線方向端部1131における第2の弧状フロー通路1353へ流れることが可能である。
【0069】
[0080]図8に示されているように、第1の弧状フロー通路1352の中のフローは、第1の開口部1314から第2の開口部1316へ、モーターケース1139の第1の軸線方向端部1135に沿って円周方向に方向付けられ得る。第2の弧状フロー通路1353(図9)の中の冷却剤は、第1の貫通孔1320から第2の貫通孔1322へ円周方向に流れることが可能である。第2の開口部1316および第2の貫通孔1322からのフローは、反対側の軸線方向端部1132、1131から流れることが可能であり、軸線方向フロー通路1360の中で収束することが可能である。軸線方向フロー通路1360は、軸線1120に沿って延在することが可能であり、第1の軸線方向ダム1308および第2の軸線方向ダム1309によって画定され得る。これらの収束する冷却剤フローは、軸線方向フロー通路1360の中で軸線方向に流れ、次いで、出口部1182を介して冷却剤ジャケットを退出することが可能である。
【0070】
[0081]ここで図10図12を参照すると、モーターケース2139の追加的な実施形態が、追加的な実施形態に従って議論されることとなる。モーターケース2139は、図8および図9のモーターケース1139に関して上記に議論されている複数の特徴を含むことが可能である。図8および図9のモーターケース1139のコンポーネントに対応するモーターケース2139のコンポーネントは、1000だけ増加された対応する参照数字を伴って示されている。
【0071】
[0082]モーターケース2139は、スリーブ2166およびキャップ2168を含むことが可能であり、それらは、モーターを収納するように協働する。また、スリーブ2166は、複数のダム2248を含むことが可能である。モーターケース2139のダム2248は、第1の軸線方向端部2135に近接して、スリーブ2166の周りに円周方向に延在する第1の円周方向ダム2302を含むことが可能である。円周方向ダム2302は、外側表面2157から(図1の外側モーターハウジング150に向けて)半径方向外向きに突出することが可能である。円周方向ダム2302は、第1の長手方向端部2304および第2の長手方向端部2306を含むことが可能であり、それらは、円周方向において所定の距離に間隔を離して配置されている。
【0072】
[0083]複数のダム2248は、第1の蛇行ダム2402をさらに含むことが可能である。このダム2402は、軸線2120に対して外側表面2157の周りに円周方向に延在することが可能である。また、第1の蛇行ダム2402は、その長さに沿って、軸線2120に対して螺旋状に延在する少なくとも1つのセグメントを含むことが可能である。そうであるので、ダム2402は、第1の長手方向端部2404および第2の長手方向端部2406を含むことが可能であり、それらは、軸線2120に対して円周方向および軸線方向の両方に間隔を離して配置され得る。第2の長手方向端部2406は、円周方向に円周方向ダム2302の第1の長手方向端部2304と第2の長手方向端部2306との間に配設され得る。
【0073】
[0084]複数のダム2248は、第2の円周方向ダム2412をさらに含むことが可能である(図12)。このダム2412は、軸線2120に対して外側表面2157の周りに円周方向に延在することが可能である。そうであるので、ダム2412は、第1の長手方向端部2416および第2の長手方向端部2418を含むことが可能であり、それらは、軸線2120に対して円周方向に間隔を離して配置され得る。
【0074】
[0085]フローダイバーターパッド2414が含まれ得、フローダイバーターパッド2414は、第2の円周方向ダム2412と接続することが可能である。パッド2414は、くさび形状になっていることが可能であり、議論されることとなるように、冷却剤ジャケットの中のフローを転向させるかまたは収束させるように形状決めされ得る。図12に示されているように、パッド2414は、テーパー付きおよびくさび形状になっていることが可能であり、キャップ2168に向けて方向付けられるようになっている。また、パッド2414は、モーターケース2139を外側モーターハウジング150の中に支持するために外側モーターハウジング150(図1)に当接することができる比較的に大きい表面積を有する輪郭決めされた表面2420を提供することが可能である。
【0075】
[0086]複数のダム2248は、第3の円周方向ダム2422をさらに含むことが可能である。第3の円周方向ダム2422は、軸線2120に対して外側表面2157の周りに円周方向に延在することが可能である。そうであるので、ダム2422は、第1の長手方向端部2424(図10および図11)および第2の長手方向端部2426(図12)を含むことが可能である。第3の円周方向ダム242は、軸線方向に第2の円周方向ダム2412と外側表面2157の上のキャップ2168との間に配設され得る。
【0076】
[0087]また、複数のダム2248は、半径方向ダム2310(図11および図12)を含むことが可能であり、半径方向ダム2310は、モーターケース1139の第1の軸線方向端部2135に沿って半径方向に延在している。半径方向ダム2310の軸線は、軸線2120に交差することが可能である。半径方向ダム2310は、第1の軸線方向端部2135から(図1の外側モーターハウジング150に向けて)軸線方向外向きに突出することが可能である。半径方向ダム2310は、蛇行ダム2402の第2の長手方向端部2406に交差することが可能である。半径方向ダム2310は、軸線2120に中心を合わせられている環状のダム2408にさらに交差することが可能である。また、環状のダム2408は、Oリングシール(たとえば、図1のシール231など)を受け入れるための溝部2410を含むことが可能である。
【0077】
[0088]半径方向ダム2310は、円周方向に円周方向ダム2302の第1の長手方向端部2304と第2の長手方向端部2306との間に配設され得る。そうであるので、モーターケース2139は、円周方向にダム2302の第2の長手方向端部2306と半径方向ダム2310との間に、第1の開口部2314を画定することが可能である。そのうえ、モーターケース2139は、円周方向に第1の長手方向端部2304と半径方向ダム2310との間に、第2の開口部2316を画定することが可能である。また、モーターケース2139は、フロー方向付けベーン2430を含むことが可能である。ベーン2430は、比較的に短いダムであることが可能であり、第1の開口部2314の中に配設され得る。ベーン2430は、第1の開口部2314を通るフローを方向付けることを補助することが可能である。モーターケース2139が外側モーターハウジング150(図1)の中に配設されているときには、開口部2314、2316は、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186と第1の軸線方向部分188との間に流体接合部を提供することが可能である。
【0078】
[0089]そのうえ、モーターケース2139は、1つまたは複数の回転防止突出部2432を含むことが可能である(図12)。突出部2432は、第1の半径方向ダム2310から軸線方向に突出するピンであることが可能である。突出部2432は、外側モーターハウジング150(図1)の中の対応するアパーチャーの中に受け入れられ、外側モーターハウジング150に対して固定された角度配向でモーターケース2139を保つことが可能である。同様に、1つまたは複数の追加的な回転防止特徴が存在していることが可能である。
【0079】
[0090]キャップ2168は、第2の半径方向ダム2450を含むことが可能である(図10)。第2の半径方向ダム2450は、キャップ2168の外側半径方向縁部から第2の軸線方向端部2131の上で半径方向に延在することが可能である。第2の半径方向ダム2450は、環状のダム2452にさらに交差することが可能であり、環状のダム2452は、第2の軸線方向端部2131の上で軸線2120に中心を合わせられている。また、環状のダム2452は、Oリングシール(たとえば、図1のシール233など)を受け入れるための溝部2454を含むことが可能である。
【0080】
[0091]キャップ2168は、第1の貫通孔2320および第2の貫通孔2322を追加的に含むことが可能である。貫通孔2320は、キャップ2168を通って軸線方向に延在し、冷却剤ジャケット184の半径方向部分186および第2の軸線方向部分189に流体接続することが可能である。貫通孔2320、2322は、円周方向に間隔を離して配置され得、第2の半径方向ダム2450の両側に配設され得る。
【0081】
[0092]動作の間に、冷却剤流体は、入口部2181から第1の円周方向フロー通路の中へ受け入れられ得る(図10および図11の中の矢印2351によって規定されている)。このフローは、たとえば、以下を伴う複数の個別のフロー通路へと発散することが可能である:(a)矢印2460によって示されているように第3の円周方向ダム2422の第1の長手方向端部2424においてスプリットする部分;および(b)第1の貫通孔2320を介して第2の軸線方向端部2131に転向させられる別の部分。第2の軸線方向端部2131において、冷却剤流体は、第2の貫通孔2322に向けて円周方向に流れ、底部側軸線方向フローチャネルを通して概して軸線方向に流れることが可能である(図12の中の矢印2462によって表されている)。軸線方向フローチャネル2462のフロー軸線は、湾曲していることが可能であるが、一般的に、キャップ2168から第1の軸線方向端部2135に向けて軸線方向に延在することが可能である。
【0082】
[0093]そのうえ、図10および図11に示されているように、長手方向端部2424によって転向させられるフローの一部は、ダム2422のそれぞれの側に円周方向に流れることが可能である。さらに下流において、これらのフローは、(図12の中の矢印2480によって表されているように)再び収束することが可能である。示されているように、このフローの一部は、フローダイバーターパッド2414(図12)によって収束2480に向けて方向付けされ得る。さらに下流では、このフローは、第2の貫通孔2322から底部側軸線方向フローチャネル2462に進入するフローに再び加わることが可能である。さらに下流では、底部側軸線方向フローチャネル2462は、第1の軸線方向端部2135に近接して、両側の円周方向に発散することが可能である。一方の円周方向において、冷却剤流体は、第1の円周方向ダム2302と第2の円周方向ダム2412との間で、第1の開口部2314に向けて、円周方向フロー通路2490の中を流れることが可能である。他方の円周方向において、冷却剤流体は、蛇行ダム2402と円周方向ダム2302との間で、出口部2183に向けて、蛇行フロー通路2492(たとえば、螺旋フロー通路)の中を流れることが可能である。第1の開口部2314において、冷却剤流体は、第2の開口部2316および出口部2183に向けて円周方向に流れることが可能である。
【0083】
[0094]したがって、モーターケース113、1139、2139は、冷却剤ジャケットを通る冷却剤のフローを制御するためのさまざまな構成を有することが可能である。したがって、モーター冷却システムは、圧縮機デバイスのより高い性能のために、効果的なおよび効率的なモーター冷却を提供することが可能である。また、モーター冷却システムは、コンパクトなパッケージで提供され得る。また、モーター冷却システムは、同様に、製造効率および/または他の利益を提供することが可能である。
【0084】
[0095]少なくとも1つの例示的な実施形態が先述の詳細な説明において提示されてきたが、膨大な数の変形例が存在するということが認識されるべきである。また、1つまたは複数の例示的な実施形態は、単なる例に過ぎず、決して、本開示の範囲、適用可能性、または構成を限定することを意図していないということが認識されるべきである。むしろ、先述の詳細な説明は、本開示の例示的な実施形態を実装するための便利なロードマップを当業者に提供することとなる。添付の特許請求の範囲に記載されているような本開示の範囲から逸脱することなく、例示的な実施形態において説明されている要素の機能および配置において、さまざまな変更が行われ得るということが理解される。
【符号の説明】
【0085】
100 燃料電池システム
102 圧縮機デバイス
104 燃料電池スタック
105 電気モーター
106 タンク
110 圧縮機セクション
112 モーターセクション
118 回転グループ
119 ハウジング
120 回転軸線
121 軸受
122 入口部空気ストリーム
124 圧縮空気ストリーム
128 中間冷却器
130 圧縮機ホイール
131 第2の軸線方向端部
132 排気ガスストリーム
134 電気モーター
135 第1の軸線方向端部
136 ローター
137 半径方向部分
138 ステーター
139 モーターケース
140 シャフト
142 第1の端部
144 第2の端部
146 前方側
147 ブレード
148 後方側
150 外側モーターハウジング
151 圧縮機流路
152 圧縮機ハウジング
153 入口部
154 渦巻き通路
156 軸線方向面
157 外側表面
158 中間ハウジング部材、スラストカバー
159 ギャップ
160 第1の軸線方向面
162 第2の軸線方向面
163 第1の外側半径方向縁部部分
164 第2の外側半径方向縁部部分
165 第1の軸線方向端部
166 スリーブ
167 半径方向面
168 キャップ
169 第2の軸線方向端部
170 ディフューザー部分
171 内側半径方向表面
172 ディフューザーエリア
174 スラスト軸受部分
176 圧縮機カラー
178 スラストディスク
180 モーター冷却システム
181 入口部
182 出口部
184 冷却剤ジャケット
186 半径方向部分
188 第1の軸線方向端部部分
189 第2の軸線方向端部部分
190 第1の軸線方向チャネル
191 角度
192 半径方向フローセクション
194 溝部
196 第2の軸線方向チャネル
200 軸受冷却システム
202 入口部
204 出口部
206 ボア
210 フローセクション
212 凹部
214 壁部
215 第1の接合部
217 第2の接合部
220 第1の凹部
222 第2の凹部
224 セグメント
226 流路
228 入力エリア
229 貫通孔
230 出力エリア
231 第1のOリングシール
232 第1の弧状セグメント
233 シール
234 第2の弧状セグメント
236 第3の弧状セグメント
238 第1の円周方向ギャップ
240 第2の円周方向ギャップ
242 弧状セグメント
244 長手方向に真っ直ぐなセグメント
246 長手方向に真っ直ぐなセグメント
248 ダム
250 第1の軸受注入経路
251 第2の軸受注入経路
253 軸線方向の経路
254 内側半径方向リップ部
255 環状のシーリング部材
260 第1の端部出口部分岐部
270 介在部分
272 介在部分
1120 軸線
1131 第2の軸線方向端部
1135 第1の軸線方向端部
1139 モーターケース
1157 外側表面
1166 スリーブ
1168 キャップ
1181 入口部
1182 出口部
1248 ダム
1302 円周方向ダム
1304 第1の長手方向端部
1306 第2の長手方向端部
1308 第1の軸線方向ダム
1309 第2の軸線方向ダム
1310 半径方向ダム
1312 ダムセグメント
1314 第1の開口部
1316 第2の開口部
1320 第1の貫通孔
1322 第2の貫通孔
1351 円周方向フロー通路
1352 第1の弧状フロー通路
1353 第2の弧状フロー通路
1360 軸線方向フロー通路
2120 軸線
2131 第2の軸線方向端部
2135 第1の軸線方向端部
2139 モーターケース
2157 外側表面
2166 スリーブ
2168 キャップ
2181 入口部
2183 出口部
2248 ダム
2302 第1の円周方向ダム
2304 第1の長手方向端部
2306 第2の長手方向端部
2310 半径方向ダム
2314 第1の開口部
2316 第2の開口部
2320 第1の貫通孔
2322 第2の貫通孔
2351 第1の円周方向フロー通路
2402 ダム
2404 第1の長手方向端部
2406 第2の長手方向端部
2408 環状のダム
2410 溝部
2412 第2の円周方向ダム
2414 フローダイバーターパッド
2416 第1の長手方向端部
2418 第2の長手方向端部
2420 輪郭決めされた表面
2422 第3の円周方向ダム
2424 第1の長手方向端部
2426 第2の長手方向端部
2430 フロー方向付けベーン
2432 回転防止突出部
2450 第2の半径方向ダム
2452 環状のダム
2454 溝部
2462 軸線方向フローチャネル
2490 円周方向フロー通路
2492 蛇行フロー通路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】