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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140235
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】車両用熱電発電装置
(51)【国際特許分類】
   F01N 5/02 20060101AFI20220915BHJP
   H01L 35/30 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
F01N5/02 B
H01L35/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021143259
(22)【出願日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】10-2021-0031575
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 炳 旭
(72)【発明者】
【氏名】李 民 在
(57)【要約】
【課題】車両の運転条件に応じて熱電発電装置への熱エネルギーの供給有無を調節することができる車両用熱電発電装置を提供する。
【解決手段】本発明は、車両用熱電発電装置に係り、車両の被発熱体に接近及び離間する方向に移動可能に設けられ、単位熱電素材を含む熱電素材ユニットと、熱電素材ユニットと被発熱体との間に設けられ、被発熱体の温度に対応して選択的に膨張及び収縮する熱膨張部材と、被発熱体に対する熱電素材ユニットの移動を弾性的に支持する弾性部材と、を含むことで、構造を簡素化し、安定性及び信頼性を向上させるという有利な効果を奏することができる。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の被発熱体に接近及び離間する方向に移動可能に設けられ、単位熱電素材を含む熱電素材ユニットと、
前記熱電素材ユニットと前記被発熱体との間に設けられ、前記被発熱体の温度に対応して選択的に膨張及び収縮する熱膨張部材と、
前記被発熱体に対する前記熱電素材ユニットの移動を弾性的に支持する弾性部材と、を含む、ことを特徴とする車両用熱電発電装置。
【請求項2】
前記熱膨張部材が収縮すると、前記熱電素材ユニットは前記被発熱体に接触し、
前記熱膨張部材が膨張すると、前記熱電素材ユニットは前記被発熱体から離間される、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項3】
前記熱電素材ユニットと前記被発熱体との間に設けられる熱伝導性部材を含み、
前記熱電素材ユニットは、前記熱伝導性部材を介して前記被発熱体に接触する、ことを特徴とする請求項2に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項4】
前記被発熱体の周りを取り囲むように提供されるハウジングを含み、
前記弾性部材は、前記ハウジングと前記熱電素材ユニットとの間に介在される、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項5】
前記弾性部材は、
前記熱電素材ユニットに弾性的に接触する接触部と、
前記接触部の一端に設けられ、前記ハウジングに固定される固定部と、
前記接触部の他端に設けられ、前記ハウジングに対して移動可能に配置される移動部と、を含む、ことを特徴とする請求項4に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項6】
前記接触部、前記固定部、及び前記移動部は、金属部材を連続的に折り曲げて形成される、ことを特徴とする請求項5に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項7】
前記熱電素材ユニットに対して前記熱膨張部材を拘束するストッパを含む、請求項1に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項8】
前記ストッパは、前記熱電素材ユニット及び前記被発熱体のうち少なくとも何れか一つに設けられる、ことを特徴とする請求項7に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項9】
前記ストッパは、
第1方向に沿って配置される第1ストッパ突起と、
前記第1方向に交差する第2方向に沿って配置され、前記第1ストッパ突起に連結される第2ストッパ突起と、を含み、
前記第1ストッパ突起及び前記第2ストッパ突起は、相互協調して前記熱膨張部材の周りを取り囲むように提供される、ことを特徴とする請求項8に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項10】
前記ストッパは、前記熱電素材ユニット及び前記被発熱体のうち少なくとも何れか一つに設けられるストッパ溝を含み、
前記熱膨張部材が前記ストッパ溝に収容される、ことを特徴とする請求項7に記載の車両用熱電発電装置。
【請求項11】
前記単位熱電素材は、
N型熱電素材とP型熱電素材のうち少なくとも何れか一つを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用熱電発電装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用熱電発電装置に係り、より具体的には、車両の運転条件に応じて熱電発電装置への熱エネルギーの供給有無を調節することができる車両用熱電発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両で発生する熱エネルギー(例えば、排気ガスの排気熱)を用いて、車両に必要な電気を発生する熱電発電装置が開発されている。
【0003】
熱電発電装置(TEG;Thermoelectric Generation)は、高温部と低温部の温度差を利用して電気を発生させる熱電素子を用いて、排気熱を高温部として活用し、冷却水を低温部として活用することで、車両に必要な電気を発生させるように構成されている。
【0004】
一方、熱電発電装置に過度な熱エネルギーが供給されると熱電発電装置に損傷が発生する恐れがあるため、熱電発電装置に供給される熱エネルギー(例えば、排気ガスの温度)が既設定の条件より高い場合には、熱電発電装置への熱エネルギーの供給を中断しなければならない。
【0005】
しかし、従来は、熱電発電装置への熱エネルギーの供給を中断するために、熱エネルギーが熱電発電装置を経ずにバイパスされるようにするための別のバイパス流路及び弁を設ける必要があったため、その構造が複雑であり、設計自由度及び空間活用性が低下するという問題があった。
【0006】
そこで、近年、熱電発電装置への熱エネルギーの供給を選択的に調節可能であり、かつ構造を簡素化するための多様な研究が行われているが、まだ不充分であって、その開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2021-093475
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の実施形態は、車両の運転条件に応じて熱電発電装置への熱エネルギーの供給有無を調節することができる車両用熱電発電装置を提供することを目的とする。
特に、本発明の実施形態は、熱電発電装置に過度な熱エネルギーが供給されることを抑えることを目的とする。
【0009】
また、本発明の実施形態は、安定性及び信頼性を向上させることができ、熱電発電装置の損傷を最小化し、寿命を延ばすことを目的とする。
【0010】
また、本発明は、バイパス流路を別に設けなくても、運転条件に応じて熱電発電装置への熱エネルギーの供給有無を能動的に調節することを目的とする。
【0011】
さらに、本発明の実施形態は、構造を簡素化し、空間活用性及び設計自由度を向上させることを目的とする。
【0012】
実施形態で解決しようとする課題はこれに限定されず、下記で説明する課題の解決手段や実施形態から把握され得る目的や効果も含まれるといえる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述の本発明の目的を達成するための本発明の好ましい実施形態によると、車両用熱電発電装置は、車両の被発熱体に接近及び離間する方向に移動可能に設けられ、単位熱電素材を含む熱電素材ユニットと、前記熱電素材ユニットと前記被発熱体との間に設けられ、前記被発熱体の温度に対応して選択的に膨張及び収縮する熱膨張部材と、前記被発熱体に対する前記熱電素材ユニットの移動を弾性的に支持する弾性部材と、を含む。
【0014】
これは、構造を簡素化し、安定性及び信頼性を向上させるためである。
【0015】
すなわち、熱電発電装置に過度な熱エネルギーが供給されると熱電発電装置に損傷が発生する恐れがあるため、熱電発電装置に供給される熱エネルギーが既設定の条件より高い場合には、熱電発電装置への熱エネルギーの供給を中断しなければならない。しかし、従来は、熱電発電装置への熱エネルギーの供給を中断するために、熱エネルギーが熱電発電装置を経ずにバイパスされるようにするための別のバイパス流路及び弁を設ける必要があったため、構造が複雑であり、設計自由度及び空間活用性が低下するという問題がある。
【0016】
しかし、本発明は、被発熱体の温度に対応して選択的に膨張及び収縮する熱膨張部材を介して、熱電素材ユニットと被発熱体との相互熱伝逹が維持(接触)または遮断(分離)されるようにすることで、熱電素材ユニットに過度な熱エネルギーが供給されることを抑え、熱電素材ユニットの損傷を最小化するという有利な効果を奏することができる。
【0017】
なによりも、本発明の実施形態は、被発熱体の熱エネルギーが熱電素材ユニットを経ずにバイパスされるようにするための別のバイパス流路及び弁を設けなくても、熱電素材ユニットへの熱エネルギーの供給有無を選択的に調節することができるため、構造を簡素化し、設計自由度及び空間活用性を向上させるという有利な効果を奏することができる。
【0018】
熱電素材ユニットは、熱交換器から発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換するための単位熱電素材を含む多様な構造で提供されることができる。
【0019】
一例として、単位熱電素材は、N型熱電素材とP型熱電素材のうち少なくとも何れか一つを含むことができる。
【0020】
本発明の好ましい実施形態によると、熱膨張部材が収縮すると前記熱電素材ユニットは前記熱交換器に接触することができ、前記熱膨張部材が膨張すると前記熱電素材ユニットは熱交換器から離間されることができる。
【0021】
このように、前記熱電素材ユニットと前記熱交換器との間に熱膨張部材を設け、前記熱膨張部材が熱電素材ユニットと熱交換器との間で選択的に収縮または膨張されるようにすることで、前記熱膨張部材を介して、熱電素材ユニットを熱交換器に接近及び離間する方向に移動させることが可能である。
【0022】
したがって、前記熱交換器の熱エネルギーが過度に高い場合(例えば、前記熱電素材ユニットの損傷が発生し始める限界温度よりも高い場合)には、前記熱電素材ユニットを熱交換器から離間させて配置することができるため、前記熱電素材ユニットに過度な熱エネルギーが伝達(伝導)されることを抑えることができる。
【0023】
本発明の好ましい実施形態によると、前記車両用熱電発電装置は、前記被発熱体の周りを取り囲むように提供されるハウジングを含むことができ、前記弾性部材が、前記ハウジングと前記熱電素材ユニットとの間に弾性変形可能に介在されることができる。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によると、前記弾性部材は、前記熱電素材ユニットに弾性的に接触する接触部と、前記接触部の一端に設けられ、前記ハウジングに固定される固定部と、前記接触部の他端に設けられ、前記ハウジングに対して移動可能に配置される移動部と、を含むことができる。
【0025】
好ましくは、前記接触部、前記固定部、及び前記移動部は、金属部材を連続的に折り曲げて形成されることができる。
【0026】
このように、前記弾性部材の一端(固定部)は前記ハウジングに固定し、前記弾性部材の他端(移動部)は自由端として配置されるようにすることで、前記熱膨張部材の膨張時に、前記熱電素材ユニットが前記熱交換器から離間する方向(前記熱電素材ユニットが前記弾性部材に接近する方向)に移動しても、前記弾性部材(例えば、接触部)により前記熱電素材ユニットに加えられる(作用する)力の増加を最小化することができるため、前記熱電素材ユニットの損傷及び変形を最小化するという有利な効果を奏することができる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態によると、前記車両用熱電発電装置は、前記熱電素材ユニットと前記被発熱体との間に設けられる熱伝導性部材を含み、前記熱電素材ユニットは前記熱伝導性部材を介して被発熱体に接触される。
【0028】
これは、前記熱交換器の熱エネルギーを前記熱伝導性ユニットに全体的に均一に伝達するためのことである。
【0029】
すなわち、エンジンから排出された高温の排気ガスは、前記熱交換器の一端(例えば、入口)に流入されて前記熱交換器の内部を通過した後、前記熱交換器の他端(例えば、出口)から排出されるため、前記熱交換器の一端に隣接した部位の温度が、前記熱交換器の他端に隣接した部位より相対的に高く形成され得る。したがって、前記熱伝導性ユニットには、前記熱交換器の熱エネルギーが全体的に均一に伝達されにくいという問題がある。
【0030】
しかし、本発明の実施形態は、前記熱電素材ユニットと前記熱交換器との間に設けられる前記熱伝導性部材を介して前記熱電素材ユニットが前記熱伝導性部材に接触するようにすることで、前記熱伝導性ユニットの全体領域にわたって熱交換器の熱エネルギーを均一に伝達するという有利な効果を奏することができる。
【0031】
このように、本発明の実施形態は、前記熱交換器の熱エネルギーが前記熱伝導性ユニットに全体的に均一に伝達されるようにすることで、前記熱伝導性ユニットの局所的な過熱を抑えることができるため、安定性及び信頼性を向上させ、前記熱伝導性ユニットの寿命を延ばすという有利な効果を奏することができる。
【0032】
本発明の好ましい実施形態によると、車両用熱電発電装置は、熱電素材ユニットに対して熱膨張部材を拘束するストッパを含むことができる。
【0033】
前記ストッパは、前記熱電素材ユニットに対して前記熱膨張部材を拘束可能な多様な構造で提供されることができる。
【0034】
好ましくは、前記ストッパは、前記熱電素材ユニット及び前記被発熱体のうち少なくとも何れか一つに設けられることができる。
【0035】
一例として、前記ストッパは、第1方向に沿って配置される第1ストッパ突起と、前記第1方向に交差する第2方向に沿って配置され、前記第1ストッパ突起に連結される第2ストッパ突起と、を含み、前記第1ストッパ突起及び前記第2ストッパ突起は、相互協調して前記熱膨張部材の周りの少なくとも一部を取り囲むように提供されることができる。
【0036】
このように、本発明の実施形態は、互いに交差する前記第1方向及び前記第2方向に前記第1ストッパ突起及び前記第2ストッパ突起を設けることで、前記熱電素材ユニットに対する前記熱膨張部材の配置状態をより安定に維持するという有利な効果を奏することができる。
【0037】
他の例として、前記ストッパは、前記熱電素材ユニット及び前記被発熱体のうち少なくとも何れか一つに設けられるストッパ溝を含み、前記熱膨張部材が前記ストッパ溝に収容されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置の装着例を説明するための図である。
図2】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、被発熱体を説明するための図である。
図3】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置を説明するための図である。
図4】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、熱電素材ユニットを説明するための図である。
図5】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、熱膨張部材を説明するための図である。
図6】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、弾性部材を説明するための図である。
図7】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、弾性部材を説明するための図である。
図8】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、ストッパを説明するための図である。
図9】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、ストッパを説明するための図である。
図10】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、ストッパの他の実施形態を説明するための図である。
図11】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、ストッパの他の実施形態を説明するための図である。
図12】本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置において、ストッパの他の実施形態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
【0040】
但し、本発明の技術思想は、説明される一部の実施形態に限定されず、異なる様々な形態で実現可能であり、本発明の技術思想の範囲内であれば、実施形態の構成要素のうち一つ以上を選択的に結合、置換して用いることができる。
【0041】
また、本発明の実施形態で用いる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者により一般的に理解される意味で解釈されることができ、辞書に定義されている用語のように一般に用いられる用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮した上でその意味を解釈することができる。
【0042】
また、本発明の実施形態で用いられている用語は、実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0043】
本明細書において、単数形は文句で特に言及しない限り、複数形も含み、「A及び(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載されている場合、A、B、Cにより組み合わせ可能な全ての組み合わせのうち一つ以上を含むことができる。
【0044】
また、本発明の実施形態の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を用いることができる。
【0045】
かかる用語は、その構成要素を他の構成要素から区別するためのものにすぎず、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などが限定されるものではない。
【0046】
そして、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結、結合、または接続される場合だけでなく、その構成要素とその他の構成要素との間にあるさらに他の構成要素を介して「連結」、「結合」、または「接続」される場合も含むことができる。
【0047】
また、各構成要素の「上または下」に形成または配置されると記載されている場合、上または下は、2つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、1つ以上のさらに他の構成要素が2つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上または下」と表現される場合、1つの構成要素を基準として上側方向だけでなく下側方向の意味も含むことができる。
【0048】
図1から図12を参照すると、本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置100は、車両の被発熱体に接近及び離間する方向に移動可能に設けられ、単位熱電素材220を含む熱電素材ユニット200と、熱電素材ユニット200と被発熱体との間に設けられ、被発熱体の温度に対応して選択的に膨張及び収縮する熱膨張部材300と、被発熱体に対する熱電素材ユニット200の移動を弾性的に支持する弾性部材400と、を含む。
【0049】
ここで、本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置100は、被発熱体の熱エネルギーを電気エネルギーに変換するために、車両の様々な被発熱体(または被発熱部)に適用可能であり、車両用熱電発電装置100が適用される被発熱体の種類及び構造によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0050】
一例として、本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置100は、車両のエンジン20から排出される高温の排気ガスで発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換させるために用いられることができる。
【0051】
以下では、本発明の実施形態に係る車両用熱電発電装置100が、エンジン20から排出される高温の排気ガスを排気する排気管30に連結された熱交換器40から熱エネルギーの伝達を受け、電気エネルギーに変換することを例として説明する。
【0052】
熱交換器40は、排気管30を介して排気される排気ガスとの相互熱交換が可能な様々な構造で提供されることができ、熱交換器40の種類及び構造によって本発明が制限または限定されるものではない。一例として、図2を参照すると、熱交換器40は、排気ガスが流動する経路を定義する熱交換器ハウジング42と、熱交換器ハウジング42の内部に設けられる複数個のピン44と、を含むことができる。
【0053】
熱電素材ユニット200は、熱交換器40(被発熱体)に接近及び離間する方向に移動可能に設けられ、熱交換器40から発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換するための単位熱電素材220を含む。
【0054】
以下では、熱交換器40の上部及び下部にそれぞれ熱電素材ユニット200が設けられたことを例として説明する。本発明の他の実施形態によると、熱交換器の上部及び下部のうち何れか一つのみに熱電素材ユニットを設けることも可能である。
【0055】
単位熱電素材220は、熱交換器40から発生する熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる様々な構造で提供されることができ、単位熱電素材220の種類及び構造によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0056】
単位熱電素材220は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換(または電気エネルギーを熱エネルギーに変換)する素子であり、ペルチェ素子、TEC(Thermoelectric Cooler)などとも呼ばれており、両端に温度差を与えると起電力が生じる効果(Seebeck effect)を用いて電流を生成することができる。
【0057】
本発明の好ましい実施形態によると、単位熱電素材220は、N型熱電素材222とP型熱電素材224のうち少なくとも何れか一つを含むことができる。以下では、単位熱電素材220がN型熱電素材222とP型熱電素材224を両方とも含むことを例として説明する。これと異なって、単位熱電素材220がN型熱電素材222とP型熱電素材224のうち何れか一つのみを含むことも可能である。
【0058】
一例として、図4を参照すると、熱電素材ユニット200は、第1基板210と、第1基板210に設けられるN型熱電素材222と、N型熱電素材222から離間して第1基板210に設けられるP型熱電素材224と、N型熱電素材222の一端及びP型熱電素材224の一端にそれぞれ個別的に連結される第1電極230と、N型熱電素材222の他端とP型熱電素材224の他端を電気的に連結する第2電極240と、第2電極240を支持する第2基板250と、を含むことができる。
【0059】
第1基板210及び第2基板250は、熱電素材ユニット200の形態を維持し、外部環境から単位熱電素材220を保護するために設けられることができる。
【0060】
第1基板210及び第2基板250の形態の材質及び構造は、求められる条件及び使用環境によって多様に変更可能であり、第1基板210及び第2基板250の形態の材質及び構造によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0061】
N型熱電素材222とP型熱電素材224は、直線方向に沿って離間されるように交互に配置されることができる。本発明の他の実施形態によると、N型熱電素材とP型熱電素材を曲線形態またはその他の形態で配列することが可能であり、N型熱電素材とP型熱電素材の配列形態によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0062】
第1電極230は、N型熱電素材222の一端(例えば、下端)及びP型熱電素材224の一端(例えば、下端)にそれぞれ個別的に連結(電気的に接続)されることができる。
【0063】
第1電極230は、N型熱電素材222及びP型熱電素材224と電気的に接続できる通常の金属材質で形成されることができ、第1電極230の材質によって本発明が制限または限定されるものではない。一例として、第1電極230は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、炭素(C)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、及びアルミニウム(Al)からなる群から選択される少なくとも一つで形成されることができる。
【0064】
第2電極240は、N型熱電素材222の他端(例えば、上端)とP型熱電素材224の他端(例えば、上端)を電気的に連結するように設けられる。
【0065】
より具体的に、第2電極240は、N型熱電素材222とP型熱電素材224に同時に接続可能な構造で形成され、第2電極240の構造によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0066】
第2電極240は、N型熱電素材222及びP型熱電素材224を電気的に連結できる通常の金属材質で形成されることができ、第2電極240の材質によって本発明が制限または限定されるものではない。一例として、第2電極240は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、炭素(C)、チタン(Ti)、タングステン(W)、銀(Ag)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、及びアルミニウム(Al)からなる群から選択される少なくとも一つで形成されることができる。
【0067】
ここで、本発明において、熱電素材ユニット200が車両の熱交換器40に接近及び離間する方向に移動するとは、熱電素材ユニット200が被発熱体(例えば、熱交換器)に接近する第1位置から、被発熱体から離間される第2位置へ移動(例えば、直線移動)することと定義されることができる。
【0068】
一例として、図3を基準として、熱電素材ユニット200は、上下方向に沿って第1位置から第2位置へ直線移動可能に設けられることができる。本発明の他の実施形態によると、熱電素材ユニットが第1位置から第2位置へ曲線移動するように構成することも可能である。
【0069】
図3を参照すると、熱電素材ユニット200が第1位置に位置した状態では、熱電素材ユニット200が熱交換器40に接触されることができ、熱交換器40の熱エネルギーが熱電素材ユニット200に伝達されることができる。一方、図5を参照すると、熱電素材ユニット200が第2位置に位置した状態では、熱電素材ユニット200が熱交換器40から離間されることにより、熱交換器40から熱電素材ユニット200への熱エネルギーの伝達(伝導)が中断されることができる。
【0070】
熱膨張部材300は、被発熱体(熱交換器)の温度に対応して選択的に膨張及び収縮可能に熱電素材ユニット200と被発熱体との間に設けられる。
【0071】
熱膨張部材300としては、被発熱体の温度に対応して選択的に膨張及び収縮可能な様々な素材で形成されることができ、熱膨張部材の材質及び特性によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0072】
一例として、熱膨張部材300としては、熱交換器40の温度に対応して選択的に膨張及び収縮できるアルミニウム、銀、銅、金、SUS304、ニッケルなどの通常の金属材質が使用できる。本発明の他の実施形態によると、エポキシ、アクリル、フェノール樹脂などの非金属材質で熱膨張部材300を形成することも可能である。
【0073】
また、熱膨張部材300の構造は、求められる条件及び設計仕様によって多様に変更可能である。一例として、熱膨張部材300は、四角断面を有する柱状で提供されることができる。本発明の他の実施形態によると、熱膨張部材が円形断面またはその他の断面形態を有するように構成することも可能である。
【0074】
本発明の好ましい実施形態によると、熱膨張部材300が収縮すると熱電素材ユニット200は熱交換器40に接触することができ、熱膨張部材300が膨張すると熱電素材ユニット200は熱交換器40から離間されることができる。
【0075】
このように、熱電素材ユニット200と熱交換器40との間に熱膨張部材300を設け、熱膨張部材300が熱電素材ユニット200と熱交換器40との間で選択的に収縮または膨張されるようにすることで、熱膨張部材300を介して熱電素材ユニット200を熱交換器40に接近及び離間する方向に移動させることが可能である。
【0076】
したがって、熱交換器40の熱エネルギーが過度に高い場合(例えば、熱電素材ユニットの損傷が発生し始める限界温度よりも高い場合)には、熱電素材ユニット200を熱交換器40から離間させて配置することができるため、熱電素材ユニット200に過度な熱エネルギーが伝達(伝導)されることを抑えることができる。
【0077】
図3及び図5から図7を参照すると、弾性部材400は、被発熱体に対する熱電素材ユニット200の移動(熱交換器40に接近及び離間する方向への移動)を弾性的に支持するために設けられる。
【0078】
本発明の好ましい実施形態によると、車両用熱電発電装置100は、被発熱体の周りを取り囲むように提供されるハウジング600を含むことができ、弾性部材400は、ハウジング600と熱電素材ユニット200との間に弾性変形可能に介在されることができる。
【0079】
一例として、ハウジング600は、内部に収容空間を有する四角のボックス状に形成されることができ、ハウジング600の上部(図3基準)の内面及び下部の内面にはそれぞれ弾性部材400が配置されることができる。
【0080】
弾性部材400としては、被発熱体(例えば、熱交換器)に対する熱電素材ユニット200の移動を弾性的に支持可能な様々な弾性部材400が使用でき、弾性部材400の種類及び構造によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0081】
本発明の好ましい実施形態によると、弾性部材400は、熱電素材ユニット200に弾性的に接触する接触部410と、接触部410の一端に設けられ、ハウジング600に固定される固定部420と、接触部410の他端に設けられ、ハウジング600に対して移動可能に配置される移動部430と、を含むことができる。
【0082】
以下では、複数個の弾性部材400が互いに離間されて設けられたことを例として説明する。弾性部材400の個数及び配列形態は、求められる条件及び設計仕様によって多様に変更可能である。
【0083】
好ましくは、接触部410、固定部420、及び移動部430は、金属部材(例えば、金属ストラップ)を連続的に折り曲げて形成されることができる。
【0084】
接触部410は、熱電素材ユニット200に弾性的に接触可能な様々な構造で形成されることができる。一例として、接触部410は、略円弧状(例えば、「C」字状)を成すように形成されることができる。本発明の他の実施形態によると、接触部を波形(waveform)状に形成したり、その他の形状に形成することも可能である。
【0085】
固定部420はハウジング600に一体に固定される。一例として、固定部420は、溶接WPによりハウジング600に一体に固定されることができる。本発明の他の実施形態によると、ボルトのような締結部材を用いて固定部をハウジングに固定することも可能である。
【0086】
移動部430は、固定部420に接近及び離間する方向(図7を基準として左右方向)に沿ってハウジング600に対して移動可能に配置される。ここで、移動部430がハウジング600に対して移動可能に配置されるとは、移動部430がハウジング600に固定されず、ハウジング600に対して自由に移動できる自由端として配置されると理解されることができる。
【0087】
このように、弾性部材400の一端(固定部)はハウジング600に固定し、弾性部材400の他端(移動部)は自由端として配置されるようにすることで、熱膨張部材300の膨張時に、熱電素材ユニット200が熱交換器40から離間する方向(熱電素材ユニット200が弾性部材400に接近する方向)に移動しても、弾性部材400(例えば、接触部)により熱電素材ユニット200に加えられる(作用する)力P2の増加を最小化することができるため、熱電素材ユニット200の損傷及び変形を最小化するという有利な効果を奏することができる。
【0088】
すなわち、弾性部材400は、熱膨張部材300の収縮時に、熱電素材ユニット200を損傷させない程度の力P1で熱電素材ユニット200を弾性的に支持するように設けられる(図6参照)。
【0089】
ところが、弾性部材400の両端を両方ともハウジング600に固定することも可能であるが、弾性部材400の両端がハウジング600にそれぞれ固定された状態で熱膨張部材300が膨張すると、熱電素材ユニット200が弾性部材400に接近する方向に移動することにより、弾性部材400(例えば、接触部)により熱電素材ユニット200に加えられる力P2が不可避に増加し(P2>P1)、これにより、熱電素材ユニット200の損傷及び変形が発生し得る。
【0090】
しかし、本発明の実施形態は、熱膨張部材300の膨張時に、熱電素材ユニット200が弾性部材400に接近する方向に移動すると同時に、移動部430が固定部420から離間される方向に移動(図7参照)するようにすることで、弾性部材400が熱電素材ユニット200を加圧する力P2の増加を最小化することができるため、熱電素材ユニット200の損傷及び変形を最小化するという有利な効果を奏することができる。
【0091】
好ましくは、熱膨張部材300の収縮時に弾性部材400が熱電素材ユニット200を加圧する力P1、及び熱膨張部材300の膨張時に弾性部材400が熱電素材ユニット200を加圧する力P2が、互いに同一(P1=P2)であるように設定されることができる。
【0092】
図3及び図5を参照すると、本発明の好ましい実施形態によると、車両用熱電発電装置100は、熱電素材ユニット200と被発熱体(例えば、熱交換器)との間に設けられる熱伝導性部材500を含み、熱電素材ユニット200は熱伝導性部材500を介して被発熱体に接触する。
【0093】
一例として、熱伝導性部材500は、熱交換器40を向い合う熱伝導性ユニットの一面に設けられることができる。
【0094】
熱伝導性部材500は、熱交換器40の熱エネルギーを熱伝導性ユニットに全体的に均一に伝達するために設けられる。
【0095】
すなわち、エンジン20から排出された高温の排気ガスは、熱交換器40の一端(例えば、入口)に流入されて熱交換器40の内部を通過した後、熱交換器40の他端(例えば、出口)から排出されるため、熱交換器40の一端に隣接した部位の温度が、熱交換器40の他端に隣接した部位より相対的に高く形成され得る。したがって、熱伝導性ユニットには、熱交換器40の熱エネルギーが全体的に均一に伝達されにくいという問題がある。
【0096】
しかし、本発明の実施形態は、熱電素材ユニット200と熱交換器40との間に設けられる熱伝導性部材500を介して熱電素材ユニット200が熱交換器40に接触するようにすることで、熱伝導性ユニットの全体領域にわたって熱交換器40の熱エネルギーを均一に伝達するという有利な効果を奏することができる。
【0097】
このように、本発明の実施形態は、熱交換器40の熱エネルギーが熱伝導性ユニットに全体的に均一に伝達されるようにすることで、熱伝導性ユニットの局所的な過熱を抑えることができるため、安定性及び信頼性を向上させ、熱伝導性ユニットの寿命を延ばすという有利な効果を奏することができる。
【0098】
熱伝導性部材は、熱交換器40の熱エネルギーを全体的に均一に分散できる種々の材質及び構造で形成されることができ、熱伝導性部材の材質及び構造によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0099】
一例として、熱伝導性部材としては、薄い板状を有する銅プレートが用いられることができる。
【0100】
図8から図12を参照すると、本発明の好ましい実施形態によると、車両用熱電発電装置100は、熱電素材ユニット200に対して熱膨張部材300を拘束するストッパ700を含むことができる。
【0101】
ストッパ700は、熱電素材ユニット200(または被発熱体)に対する熱膨張部材300の配置状態を安定して維持し、熱膨張部材300の離脱を抑えるために設けられる。
【0102】
ストッパ700は、熱電素材ユニット200に対して熱膨張部材300を拘束できる様々な構造で提供されることができ、ストッパ700の構造によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0103】
好ましく、ストッパ700は、熱電素材ユニット200及び被発熱体のうち少なくとも何れか一つに設けられることができる。本発明の他の実施形態によると、熱電素材ユニット及び被発熱体ではなく、その他の部位(例えば、ハウジング)にストッパを設けることも可能である。
【0104】
一例として、図8及び図9を参照すると、ストッパ700は熱電素材ユニット200を向い合う被発熱体の一面に設けられることができる。
【0105】
本発明の好ましい実施形態によると、ストッパ700は、第1方向に沿って配置される第1ストッパ突起710と、第1方向に交差する第2方向に沿って配置され、第1ストッパ突起710に連結される第2ストッパ突起720と、を含み、第1ストッパ突起710及び第2ストッパ突起720は、相互協調して熱膨張部材300の周りの少なくとも一部を取り囲むように提供されることができる。
【0106】
第1ストッパ突起710及び第2ストッパ突起720は、熱電素材ユニット200を向い合う被発熱体の一面に突出するように設けられることができる。
【0107】
例えば、第1ストッパ突起710は水平方向(図9基準)に沿って配置されることができ、第2ストッパ突起720は垂直方向(図9基準)に配置されることができる。本発明の他の実施形態によると、第1ストッパ突起及び第2ストッパ突起を水平方向(または垂直方向)において傾斜して配置することも可能である。
【0108】
一例として、第1ストッパ突起710及び第2ストッパ突起720は、相互協調して略「L」字状、「T」字状、「U」字状のうち少なくとも何れか一つを成すように設けられることができる。
【0109】
これと異なって、第1ストッパ突起710及び第2ストッパ突起720が相互協調してその他の形態(例えば、「C」字状、「S」字状)を成すように形成することも可能であり、第1ストッパ突起710及び第2ストッパ突起720の個数及び配列形態によって本発明が制限または限定されるものではない。
【0110】
このように、本発明の実施形態は、互いに交差する第1方向及び第2方向に第1ストッパ突起710及び第2ストッパ突起720を設けることで、熱電素材ユニット200に対する熱膨張部材300の配置状態をより安定して維持するという有利な効果を奏することができる。本発明の他の実施形態によると、ストッパが第1ストッパ突起及び第2ストッパ突起のうち何れか一つのみを含むことも可能である。
【0111】
前述及び図示した本発明の実施形態では、ストッパ700が突出した突起状を有するストッパ700突起を含むことを例として説明しているが、本発明の他の実施形態によると、ストッパが凹陥した溝状のストッパ溝を含むことも可能である。
【0112】
図10から図12を参照すると、ストッパ700は、熱電素材ユニット200及び被発熱体のうち少なくとも何れか一つに設けられるストッパ溝730を含み、熱膨張部材300がストッパ溝730に収容されることができる。
【0113】
一例として、図10及び図11を参照すると、被発熱体を向い合う熱電素材ユニット200の一面にはストッパ溝730が形成されることができ、熱膨張部材300がストッパ溝730に収容されることができる。
【0114】
例えば、ストッパ溝730は、熱膨張部材300に対応する断面(例えば、四角断面)の形態を有するように形成されることができる。本発明の他の実施形態によると、ストッパ溝が熱膨張部材と異なる断面の形態(例えば、円形断面)を有するように構成することも可能である。
【0115】
好ましくは、熱膨張部材300は、収縮状態でストッパ溝730の外部に突出せずストッパ溝730の内部に完全に収容可能なサイズを有するように設けられることができ、熱膨張部材300の収縮状態では、熱電素材ユニット200が被発熱体に接触された状態を維持することができる(図10参照)。
【0116】
一方、熱膨張部材300が膨張すると、熱膨張部材300は、ストッパ溝730の外部に突出することで、熱電素材ユニット200を被発熱体から離間するように移動させることができる。
【0117】
ここで、図10では、熱電素材ユニット200が被発熱体に直接接触することを例として説明しているが、本発明の他の実施形態によると、熱電素材ユニット200が熱伝導性部材(図3の500参照)を介して被発熱体に接触するように構成することも可能である。
【0118】
他の例として、図12を参照すると、熱電素材ユニット200を向い合う被発熱体(例えば、熱交換器)の一面にストッパ溝730’を形成し、熱膨張部材300をストッパ溝730’に収容することも可能である。
【0119】
上述のように、本発明の実施形態によると、車両の運転条件に応じて熱電発電装置への熱エネルギーの供給有無を調節するという有利な効果を奏することができる。
【0120】
特に、本発明の実施形態によると、熱電発電装置に過度な熱エネルギーが供給されることを抑えるという有利な効果を奏することができる。
【0121】
また、本発明の実施形態によると、安定性及び信頼性を向上させることができ、熱電発電装置の損傷を最小化し、寿命を延ばすという有利な効果を奏することができる。
【0122】
また、本発明の実施形態によると、バイパス流路を別に設けなくても、運転条件に応じて熱電発電装置への熱エネルギーの供給有無を能動的に調節するという有利な効果を奏することができる。
【0123】
また、本発明の実施形態によると、構造を簡素化し、空間活用性及び設計自由度を向上させるという有利な効果を奏することができる。
【0124】
以上、実施形態を中心に説明したが、これは例示にすぎず、本発明を限定するものではない。本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば、本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上に例示されていない種々の変形と応用が可能であることが分かる。例えば、実施形態に具体的に示された各構成要素は変形実施することができる。そして、このような変形と応用に係る相違は、添付の特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0125】
20 エンジン
30 排気管
40 熱交換器
42 熱交換器ハウジング
44 ピン
100 車両用熱電発電装置
200 熱電素材ユニット
210 第1基板
220 単位熱電素材
222 N型熱電素材
224 P型熱電素材
230 第1電極
240 第2電極
250 第2基板
300 熱膨張部材
400 弾性部材
410 接触部
420 固定部
430 移動部
500 熱伝導性部材
600 ハウジング
700 ストッパ
710 第1ストッパ突起
720 第2ストッパ突起
730、730’ ストッパ溝


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12