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特開2022-140240柱体、柱体の設置構造、及び柱体の設置方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140240
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】柱体、柱体の設置構造、及び柱体の設置方法
(51)【国際特許分類】
   E01F 15/04 20060101AFI20220915BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E01F15/04 B
E01F13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021146619
(22)【出願日】2021-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2021038001
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】井上 仁
(72)【発明者】
【氏名】上原 健嗣
(72)【発明者】
【氏名】上田 樹
(72)【発明者】
【氏名】吉村 真一
【テーマコード(参考)】
2D101
【Fターム(参考)】
2D101CA06
2D101CA13
2D101DA04
2D101EA01
2D101FA04
2D101FA11
(57)【要約】
【課題】大きな強度を有し、立設させた後に速やかに利用できる柱体、柱体の設置構造、及び柱体の設置方法を提供する。
【解決手段】中空筒状の杭部と、この杭部の内側に下部を収納させた中空筒状の柱部と、この柱部の内側に下部を収納させた補強部を備え、前記杭部の中空部分を下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部として第一開口部を通過した収納土壌を収納させ、前記柱部の中空部分を第二開口部を有する第二土壌収納部として第二開口部を通過した収納土壌を収納させ、前記補強部の埋設部を前記第二土壌収納部内の収納土壌に埋設させる。
杭部、柱部、及び補強部をそれぞれ打ち込みによって設置できるので、コンクリートやモルタルなどを充填させた後に固化させるような時間を要することなく、打ち込み作業のみで柱体を立設して利用することができる。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌などからなる設置面へ打ち込みによって立設される柱体であって、
中空筒状の杭部と、該杭部の内側に下部が収納される中空筒状の柱部と、該柱部の内側に下部が収納される補強部とを備え、
前記杭部は中空部分が下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部となされ、
前記柱部は中空部分が下方に開口する第二開口部を有する第二土壌収納部となされ、
前記補強部は埋設部を備えており、
前記第一開口部を通じて前記第一土壌収納部に収納される収納土壌が、前記第二開口部を通じて前記第二収納部に収納されると共に、該収納土壌に前記埋設部の下部が埋設されるように設けられていることを特徴とする柱体。
【請求項2】
前記柱部の下端が前記杭部の下端より上方に間隔をあけて配置されるように設けられ、前記補強部の下端が前記柱部の下端より上方に間隔をあけて配置されるように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の柱体。
【請求項3】
前記柱部と前記補強部が内側に収納された前記杭部に規制部が設けられ、該規制部により前記柱部と前記補強部の前記杭部に対する下方への移動が規制されるように設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の柱体。
【請求項4】
土壌などからなる設置面へ打ち込みによって立設される柱体の設置構造であって、
前記柱体は中空筒状の杭部と、該杭部の内側に下部が収納された中空筒状の柱部と、該柱部の内側に下部が収納された補強部を備え、
前記杭部は中空部分が下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部となされ、第一開口部を通過した収納土壌が第一土壌収納部に収納されており、
前記柱部は中空部分が下方に開口する第二開口部を有する第二土壌収納部となされ、前記収納土壌が第二開口部を通過して第二土壌収納部に収納されており、
前記補強部は埋設部を備えており、
該埋設部が第二土壌収納部内の前記収納土壌に埋設されていることを特徴とする柱体の設置構造。
【請求項5】
前記柱部の下端が前記杭部の下端より上方に間隔をあけて配置され、前記補強部の下端が前記柱部の下端より上方に間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項4に記載の柱体の設置構造。
【請求項6】
土壌などからなる設置面へ打ち込みによって立設させる柱体の設置方法であって、
前記柱体は中空筒状の杭部と、該杭部の内側に下部を収納させる中空筒状の柱部と、該柱部の内側に下部を収納させる補強部を備え、
前記杭部は中空部分が下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部となされ、
前記柱部は中空部分が下方に開口する第二開口部を有する第二土壌収納部となされ、
前記補強部は埋設部を備えており、
設置面へ前記杭部を打ち込むことで前記第一開口部を通過させた土壌を前記第一土壌収納部へ収納させる段階と、
前記第一土壌収納部内の収納土壌へ前記柱部を打ち込むことで前記第二開口部を通過させた収納土壌を前記第二土壌収納部へ収納させる段階と、
前記第二土壌収納部内の収納土壌へ前記補強部を打ち込むことで該補強部の埋設部を収納土壌へ埋設させる段階とを備えることを特徴とする柱体の設置方法。
【請求項7】
前記柱部と前記補強部が内側に収納された前記杭部に規制部が設けられ、該規制部により前記柱部と前記補強部の前記杭部に対する下方への移動が規制されるように設けられており、前記柱部及び補強部の少なくともいずれか一方を下方へ打ち込むことで、前記杭部が設置面へ打ち込まれて前記第一開口部を通過させた土壌を前記第一土壌収納部へ収納させる段階がなされることを特徴とする請求項6に記載の柱体の設置方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、設置面へ打ち込みによって立設する柱体と、その設置構造、及び設置方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
柵の支柱や、車止め等として利用する柱体は、アンカーナットによる締結や、コンクリート基礎への埋め込みなどの様々な立設方法がある。その一つとして、土壌などの設置面へ打撃や振動によってその下端を打ち込み、埋設させて立設させる方法が利用されており、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、上下端を開口した中空構造の支柱を地中に打ち込んで建て込んだ後に、該支柱内に固結材を充填して立設する防護柵用支柱の立設方法であって、上下端を開口した中空構造の管体からなる支柱と、前記支柱に内挿して打撃可能な圧密治具とを使用し、前記圧密治具を打撃して圧密治具とともに前記支柱を地中に貫入して建て込み、前記支柱内に取り込んだ土砂を前記圧密治具で打撃して支柱内の下部に圧密土塊を形成し、前記圧密土塊で閉鎖した支柱の内部全域に固結材を充填し、前記外装管を介して前記圧密土塊と固結材とを一体に拘束したことを特徴とする、防護柵用支柱の立設方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-204882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示される支柱の立設方法は、圧密治具を用いることで支柱内の土砂を圧密土塊とし、その後支柱の内部全域に固結材を充填するものであるが、セメントやモルタルなどの固結材が固化するまで後工程の実施や、柱の利用を待たなければならないという問題点があった。
【0006】
本発明は、立設作業の後に速やかに利用可能な柱体、柱体の設置構造、及び柱体の設置方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る柱体は、土壌などからなる設置面へ打ち込みによって立設される柱体であって、中空筒状の杭部と、該杭部の内側に下部が収納される中空筒状の柱部と、該柱部の内側に下部が収納される補強部とを備え、前記杭部は中空部分が下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部となされ、前記柱部は中空部分が下方に開口する第二開口部を有する第二土壌収納部となされ、前記補強部は埋設部を備えており、前記第一開口部を通じて前記第一土壌収納部に収納される収納土壌が、前記第二開口部を通じて前記第二収納部に収納されると共に、該収納土壌に前記埋設部の下部が埋設されるように設けられていることを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明に係る柱体の設置構造は、土壌などからなる設置面へ打ち込みによって立設される柱体の設置構造であって、前記柱体は中空筒状の杭部と、該杭部の内側に下部が収納された中空筒状の柱部と、該柱部の内側に下部が収納された補強部を備え、前記杭部は中空部分が下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部となされ、第一開口部を通過した収納土壌が第一土壌収納部に収納されており、前記柱部は中空部分が下方に開口する第二開口部を有する第二土壌収納部となされ、前記収納土壌が第二開口部を通過して第二土壌収納部に収納されており、前記補強部は埋設部を備え、該埋設部が第二土壌収納部内の前記収納土壌に埋設されていることを特徴とする前記補強部の下部が第二土壌収納部内の前記収納土壌に埋設されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明にかかる柱体の設置方法は、土壌などからなる設置面へ打ち込みによって立設させる柱体の設置方法であって、前記柱体は中空筒状の杭部と、該杭部の内側に下部を収納させる中空筒状の柱部と、該柱部の内側に下部を収納させる補強部を備え、前記杭部は中空部分が下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部となされ、前記柱部は中空部分が下方に開口する第二開口部を有する第二土壌収納部となされ、前記補強部は埋設部を備えており、設置面へ前記杭部を打ち込むことで前記第一開口部を通過させた土壌を前記第一土壌収納部へ収納させる段階と、前記第一土壌収納部内の収納土壌へ前記柱部を打ち込むことで前記第二開口部を通過させた収納土壌を前記第二土壌収納部へ収納させる段階と、前記第二土壌収納部内の収納土壌へ前記補強部を打ち込むことで該補強部の埋設部を収納土壌へ埋設させる段階とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る柱体、柱体の設置構造、及び柱体の設置方法によれば、柱体が中空筒状の杭部と、この杭部の内側に下部を収納させる中空筒状の柱部と、この柱部の内側に下部を収納させる補強部を備えるので、杭部の内側に立設させる柱部の強度が補強部によって向上する。
また、前記杭部の中空部分を下方に開口する第一開口部を有する第一土壌収納部とするので、設置面へ前記杭部を打ち込むことで杭部を設置すると共に、土壌を第一開口部を通過させて第一土壌収納部内に収納させることができる。
また、前記柱部の中空部分を下方に開口する第二開口部を有する第二土壌収納部とするので、前記第一土壌収納部内の収納土壌へ前記柱部を打ち込むことで柱部を設置すると共に、この収納土壌を第二開口部を通過させて第二土壌収納部内に収納させることができる。
また、前記補強部が埋設部を備え、この埋設部を前記第二土壌収納部内の収納土壌に埋設するように設けるので、この収納土壌へ補強部を打ち込むことで補強部を設置することができる。
杭部、柱部、及び補強部をそれぞれ打ち込みによって設置できるので、コンクリートやモルタルなどを充填させた後に固化させるような時間を要することなく、打ち込み作業のみで柱体を立設して利用することができる。
また、柱体の内部において、第二土壌収納部内の収納土壌が、第一土壌収納部内の収納土壌や柱体の外側の土壌よりも圧密状態となされるので、外力を受けたときの収納土壌の変形が抑制されて、第二土壌収納部内の収納土壌が位置する部位における柱体の強度が向上する。
【0011】
また、前記柱部の下端を前記杭部の下端より上方に間隔をあけて配置させ、前記補強部の下端を前記柱部の下端より上方に間隔をあけて配置させれば、杭部内に柱部と補強部とが収納される三重構造の部位の下方に、杭部内に柱部が収納される二重構造の部位が配置され、さらにその下方に杭部と収納土壌のみの部位が配置されるようになされる。このように柱体を設けることで、設置面から下方へ向かって柱体の剛性が段階的に変化するので、車両が接触するなどして柱体が強い衝撃を受けたときに、剛性が大きく変化する部位へ力が集中することによる柱体の破損を抑制することができる。
【0012】
また、前記柱部と前記補強部を内側に収納させた前記杭部に規制部を設け、この規制部により前記柱部と前記補強部の前記杭部に対する下方への移動を規制すれば、前記柱部及び補強部の少なくともいずれか一方を下方へ打ち込むことで前記杭部を設置面へ打ち込むことができ、作業効率が良好となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る柱体、柱体の設置構造、及び柱体の設置方法によれば、大きな強度を有する柱体を立設させた後に速やかに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る柱体の実施の一形態を示す図である。
図2図1の柱体の設置状態を示す部分断面図である。
図3図2の杭部と柱部を示す正面図である。
図4図2の補強部を示す正面図である。
図5図4の平面図である。
図6図3の杭部を設置面へ設置させる前の状況を示す図である。
図7図6の杭部を設置面へ設置させた状況を示す図である。
図8図7の杭部の内側へ図3の柱部と図4の補強部を設置させる前の状況を示す図である。
図9図8の柱部を設置している状況を示す図である。
図10図9の柱部と補強部を設置させた状況を示す図である。
図11図10のA-A断面図である。
図12図10のB-B断面図である。
図13図10のC-C断面図である。
図14】本発明に係る柱体の実施の他の一形態を示す図である。
図15図14の杭部と柱部を示す正面図である。
図16図14の補強部を示す正面図である。
図17図15の杭部2の内側へ柱部3の下部を収納させた状態を示す図である。
図18図14の柱体を設置面へ設置させる前の状況を示す図である。
図19図18の柱体の下部を設置面へ打ち込んだ状況を示す図である。
図20図19の柱体を設置面へ更に打ち込んだ状況を示す図である。
図21図20の柱体を設置面へ設置させた状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図1は本発明に係る柱体1の実施の一形態を示す図であり、図2図1の柱体1の設置状態を示す部分断面図である。
図1、2に示す柱体1は、設置面Gに埋設固定した杭部2と、杭部2の内側に下部を収納して立設させた柱部3と、柱部3の内側に収納した補強部4を備えている。図1に示す柱体1は、柱部3の外面を覆うようにカバー材9を取り付けて車止めPを構成している状態を示しており、図2図1の柱体1からカバー材9を取り外した状態を示している。また、図2においては、柱部3内に収納した補強部4を点線で描いて表すと共に、設置面Gの下方において杭部2全体を断面図として表している。
図1、2に示す設置面Gは、土や砂、小石などを含む所謂土壌Mで形成されている。
【0016】
前記杭部2は、内側に中空部21を有する筒状の長尺体であり、具体的には丸形鋼管で形成している。
また、前記柱部3は、内側に中空部31を有する筒状の長尺体であり、具体的には丸形鋼管で形成しており、詳細には、杭部2の内径よりも若干小さな外形の丸形鋼管で形成している。
図3図2の杭部2と柱部3を示す正面図である。
図3に示すように、杭部2は中空部21が長手方向両側にそれぞれ開口して外側に通じており、杭部2の上端に開口部22を有し、下端に第一開口部23を有している。
また、柱部3は中空部31が長手方向両側にそれぞれ開口して外側に通じており、柱部3の上端に開口部32を有し、下端に第二開口部33を有している。
【0017】
図4図2の補強部4を示す正面図であり、図5図4の平面図である。
補強部4は、内側の中空部41aを有する筒状の長尺体である芯部45と、この芯部45の外面に設けた補強材部46とを備えている。芯部45は、横断面形状が角部をR状とした略正方形の角筒状体であり、具体的には角形鋼管で形成している。芯部45は内側の中空部41aが長手方向両側に開口して外側に通じており、芯部45の上端に開口部42aを有し、下端に第三開口部43aを有している。
補強部4は、芯部45の長手方向の大きさを前記柱部3よりも小さく形成している。
【0018】
補強部4の補強材部46は、鋼製の長尺板状体を平面視略L字状に折り曲げて形成されたものであり、前記芯部4の四辺にそれぞれ1個ずつ合計4個配置している。具体的には、各補強材部46は、L字形状の角部47を外側へ向けて配置し、各板状部分の縁を芯部45の外面へ当接して溶接により固定している。
各補強材部46は、上下方向の全長を芯部45の約2/3程度の大きさに形成しており、その下端を芯部45の下端の位置に一致させて配置している。
また、各補強材部46の内側面と芯部45の外側面との間には、横断面形状が略三角形の中空部41bがそれぞれ形成されており、各中空部41bは補強材部46の上端の開口部42bと下端の第三開口部43bで外側へ通じている。
【0019】
図2に示す柱体1は、開口部22が設置面Gとほぼ一致する位置に配置されるように杭部2を土壌Mへ埋設して設置している。杭部2の中空部21は第一土壌収納部として機能し、第一開口部23を通過した収納土壌m1を収納している。前記収納土壌m1は上端が設置面Gの近傍に位置しており、杭部2の全体に収納されている。
【0020】
前記柱部3は、下部を杭部2の内側に収納し、上部を開口部22から突出させて設置している。換言すると、前記柱部3は、その下部を前記収納土壌m1へ埋設して設置面Gに立設させている。
柱部3の中空部31は第二土壌収納部として機能し、第二開口部33を通過した収納土壌m2を収納している。前記収納土壌m2は、上端が設置面Gの近傍に位置している。
また、柱部3の下端は、杭部2の下端から間隔をあけて上方に配置している。
【0021】
前記補強部4は、埋設部として機能する下部を含むその全体を柱部3の中空部31内に収納させている。具体的には、補強部4は、全長の約1/3程度を埋設部として前記収納土壌m2へ埋設させている。
補強部4の芯部45の中空部41aは第三土壌収納部として機能し、第三開口部43aを通過した収納土壌m3aを収納している。また、補強部4の各補強材部46の中空部41bも第三土壌収納部として機能し、第三開口部43bを通過した収納土壌m3bを収納している。
前記補強部4は、芯部45の下端を柱部3の下端から間隔をあけて上方に配置しており、芯部45の上端を柱部3の上端の位置に略一致させて配置している。
また、前記補強部4は、各補強材部46の長手方向の中央部分が設置面G付近に配置されるように設けている。換言すると、補強部4は、各補強材部46が設置面Gの上下に跨がるように配置されるように設けている。
【0022】
図6図3の杭部2を設置面Gへ設置させる前の状況を示す図である。
杭部2は、下端の第一開口部23を設置面Gへ当接させ、打撃や振動等を利用する杭打ち機等によって土壌M内へ打ち込まれ埋設される。
このように杭部2を土壌Mへ打ち込むことにより、第一開口部23を通過した土壌Mが収納土壌m1として第一土壌収納部となされる中空部21内に収納される。
【0023】
図7図6の杭部2を設置面Gへ設置させた状況を示す図である。図7及び後述する図8~10においては、杭部2と柱部3を断面で描いて表し、補強部4を正面視の外形で表して、図面を簡略化している。
図7の杭部2は、上端が設置面Gと略一致するまで土壌Mへ打ち込み、埋設させている。
【0024】
柱部3は、その下部を杭部2の内側へ収納させて設置面Gの上方へ立設させるものであり、上方から前記杭部2内の収納土壌m1へ打ち込むことでその下部を埋設させている。
図8図7の杭部2の内側へ図3の柱部3と図4の補強部4を設置させる前の状況を示す図である。
図8において、柱部3はその下端を杭部2内の収納土壌m1の上面へ当接させており、補強部4は柱部3の中空部31内に収納させている。
柱部3は、打撃や振動等を利用する杭打ち機等によって収納土壌m1内へ打ち込まれ、その下部が埋設される。
また、図8において、補強部4はその上端が柱部3の上端から間隔をあけて下方に配置されるので、杭打ち機等による打ち込みは補強部4にはなされず柱部3のみになされる。
【0025】
図9図8の柱部3を設置している状況を示す図である。
図9は、杭打ち機等によって柱部3を収納土壌m1へ打ち込むことで、その上端が補強部4の上端に一致する位置まで柱部3の下部を収納土壌m1へ埋設させた状況を示している。
杭打ち機等によって柱部3の下部を収納土壌m1へ打ち込むことにより、第二開口部33を通過した収納土壌m1が収納土壌m2として第二土壌収納部となされる中空部31内に収納される。
【0026】
図10図9の柱部3と補強部4を設置させた状況を示す図である。
図10は、図9の柱部3の上端と補強部4の上端とへ杭打ち機等によって更に打撃や振動を加え、それぞれの下部を打ち込み埋設させた状況を示しており、図2に示す柱体1と同じ状態である。
即ち、上端の位置を一致させた柱体3と補強部4とへ同時に打撃や振動を加えることで、柱体3の下部を収納土壌m1へ更に打ち込むと共に、補強部4の下部を収納土壌m2へ打ち込み埋設させた状況を示している。
補強部4の埋設部である下部を収納土壌m2へ打ち込むことにより、第三開口部43a、43bを通過した収納土壌m2が収納土壌m3a、m3bとして第三土壌収納部となされる中空部41a、41b内にそれぞれ収納される。
【0027】
図11図10のA-A断面図であり、図12図10のB-B断面図であり、図13図10のC-C断面図である。
設置面Gへ立設させた柱体1は、図13に示すように杭部2の内側に柱部3と補強部4とが収納されている部位が設置面G付近に配置される。この杭部2の内側に柱部3と補強部4とが収納される三重構造となされた部位は、図10に示すように、杭部2の下端から柱部3や補強部4の上端までの柱部1の全長に対して概ね五分の一程度の大きさに形成している。
また、補強部4の下端より下方には、図12に示すように杭部2の内側に柱部3が収納されている部位が配置され、更に柱部3の下端より下方には、図11に示すように杭部2のみが配置される。
すなわち、前記柱体1は設置面Gに埋設させた部位において、杭部2、柱部3、及び補強部4の各部材の重複を異ならせることで剛性が異なる3つの部位を形成しており、下方に至るほど剛性が段階的に低くなるように設けている。
【0028】
図11に示すように、杭部2のみが配置されている部位においては、杭部2の内側に収納土壌m1aが収納されている。
打ち込みにより、第一土壌収納部内に収納された収納土壌m1aは、その圧密の度合いが杭部2の外側の土壌Mと概ね同じ程度となされている。ここでいう、土壌の圧密の度合いとは土壌を構成する土や砂や小石等の粒体間の隙間の大きさの大小を意味し、締め固められる等して粒体間の隙間がより小さくなされた土壌がより圧密状態となされているとする。
【0029】
また、図12に示すように、杭部2の内側に柱部3のみが収納されている部位においては、柱部3の内側に収納土壌m2aが収納され、柱部3と杭部2との間には収納土壌m1bが収納されている。
前記収納土壌m2a、m1bは、杭部2の内側に保持された状態の収納土壌m1へ柱部3を打ち込むことで柱体3の筒壁の内外に配置されたものであるため、収納土壌m1aよりも圧密状態となされる。収納土壌は、構成する砂や土等の粒体間の隙間がより小さくなされる圧密状態とすることで、外力を受けたときに粒体の移動が抑制され、柱体1の変形を低減させる効果が期待できる。
換言すると、杭部2の内側に柱部3を収納させた部位においては、その下方の杭部2のみを配置させた部位と比較して、より圧密状態となされた収納土壌m2a、m1bを収納することで、更にその剛性を高める効果が期待できる。
【0030】
図13に示すように、杭部2の内側に柱部3と補強部4とが収納されている部位においては、補強部4の中空部41a内に収納土壌m3aが収納され、中空部41b内に収納土壌m3bが収納され、補強部4と柱部3との間には収納土壌m2bが収納されている。
前記収納土壌m3a、m3b、m2bは、柱部3の内側に保持された状態の収納土壌m2aへ柱部3を打ち込むことで補強部4の筒壁の内外に配置されたものであるため、収納土壌m2aよりも圧密状態となされる。
即ち、杭部2の内側に柱部3と補強部4とが収納されている部位においては、その下方の杭部2の内側に柱部3を収納させた部位や、杭部2のみを配置させた部位に対して、より圧密状態となされた収納土壌m3a、m3b、m2bを収納することで、更にその剛性を高める効果が期待できる。
【0031】
前記柱体1は、各部材の重複や収納土壌の圧密状態を異ならせることによって剛性が異なる部位を3個形成し、設置面Gより下方に至るほど剛性が段階的に低くなるように設けている。
このように設けることで、柱体1は、車両などが接触するなどして大きな外力を受けたときに、剛性が大きく変化する部位へ力が集中することによる損傷を抑制することができる。
【0032】
また、前記柱体1は、杭部2、柱部3、及び補強部4の内側に、モルタルやコンクリート等の柔軟な状態から固化する充填材ではなく、収納土壌を収納させている。このように設けることで、充填材と土壌との境界で柱体1の剛性が大きく変化する部位が生じることがなく、車両などが接触するなどして大きな外力を受けたときに、剛性が大きく変化する部位へ力が集中することによる損傷を抑制することができる。
また、モルタルやコンクリートなどの充填材を利用しないので、充填材が固化する時間を必要とせず、柱体1を構成する前記各部材を打ち込みによって設置した後、速やかに柱体1を利用することができる。
【0033】
また、前記柱体1の設置方法は、杭部2、柱部3、及び補強部4をそれぞれ打撃や振動等を利用する杭打ち機等によって打ち込み、設置させるので、杭打ち機以外の施工機器を準備する必要がなく、容易に施工ができる。また、各部材の打ち込みは、杭打ち機ではなく、ハンマーなどを利用して人力で行ってもよい。
【0034】
また、前記柱体1の設置構造は、柱部3や補強部4をそれぞれ収納土壌m1や収納土壌m2へ打ち込みによって設置させるので、その内側の収納土壌m2や収納土壌m3をより圧密状態とすることができる。このため、杭部2の内側へ柱部3を挿入させた後に杭部2と柱部3の隙間へ上から土壌を流し込み充填する方法や、柱部3の内側へ補強部4を挿入させた後に柱部3と補強部4との隙間へ上から土壌を流し込み充填する方法と比較して、収納土壌m2、m3を収納させた柱部3、補強部4の部位の剛性を高めることができるので、好ましい。
【0035】
尚、本発明に係る柱体1や、柱体1の設置構造や、柱体1の設置方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の柱体1は、設置面Gの下方において剛性の異なる部位を3個形成しているが、これに限るものではない。補強部4の形状を変化させるなどして、剛性の異なる部位を4個以上形成してもよい。
【0036】
また、図6~10に示す前記柱体1の設置方法においては、補強部4の打ち込みを柱体3と同時に行っているがこれに限るものではない。杭体の内側に柱体3を打ち込んで埋設させた後に、補強部4を柱体3の内側に打ち込んで埋設させてもよい。
【0037】
また、前記柱体1は、柱体3と補強部4の上端の位置を一致させて配置させているが、これに限るものではなく、補強部4の上端を柱体3の上端の上方に配置してもよく、下方に配置してもよい。
【0038】
また、前記柱体1は、設置面Gへの設置前の状態において柱体3内に収納させる補強部4を柱体3へ結合させていないが、これに限るものではなく、ボルトやネジなどの締結部材や溶接などの固定手段を利用して相互に結合させてもよい。
また、設置前の状態において、杭部2内に収納させる柱体3を杭部2へ結合させていないが、これに限るものではなく、締結部材や溶接などによって相互に結合させてもよい。ただし、杭部2と柱体3とを別体に形成することで、設置前の柱体1の全長の大きさをより小さく設けることができるので、部材の持ち運びや設置作業の準備をより容易に行うことができ、好ましい。
【0039】
また、前記柱体1は、カバー体9を取り付けて車止めPとして利用しているが、これに限るものではなく、間隔をあけて複数立設させた柱体1へパネルやビームを取り付けて、柵体を構成する支柱として利用してもよい。
【0040】
図14は本発明に係る柱体1の実施の他の一形態を示す図である。
図14に示す柱体1は、杭部2に規制部29を設けている点と、補強部4の形状が、図2等に示す前記柱体1と異なる主な事項である。
即ち、図14に示す柱体1は、図2に示す前記柱体1と同様に、杭部2と、杭部2の内側に下部を収納した柱部3と、柱部3の内側に収納した補強部4を備えている。
【0041】
図14に示す規制部29は、杭部2へ取り付けた規制部材8によって形成している。具体的には、前記規制部材8はボルト・ナットからなる締結部材であり、杭部2の中心を通るように貫通させたボルトの雄ねじへナットを螺結させて、規制部材8を杭部2へ取り付けている。
前記杭部2には規制部29を2個設けており、規制部29aと規制部29bとを上下方向に間隔をあけて配置している。
各規制部29a、29bは、杭部2の内側へ下端を収納させた柱部3の下方への移動を規制している。また、前記規制部29aは、柱部3の内側へ収納させた補強部4の下方への移動を規制している。
【0042】
図15図14の杭部2と柱部3を示す正面図である。
図15に示す杭部2は、前記規制部29aを構成する規制部材8aを取り付けるための貫通孔28aと、前記規制部29bを構成する規制部材8bを取り付けるための貫通孔28bを形成している構成のみが、図3に示す前記杭部2と異なっている。
即ち、図15に示す杭部2は、内側に中空部21を有する丸形鋼管で形成しており、杭部2の上端に開口部22を有し、下端に第一開口部23を有している。
前記各貫通孔28a、28bは、規制部材8a、8bとなされる前記ボルトの雄ねじを挿通可能な円形に形成している。
【0043】
図15に示す柱部3は、前記規制部29aを構成する規制部材8aを取り付けるための貫通孔38aを形成している構成のみが、図3に示す前記柱部3と異なっている。
即ち、図15に示す柱部3は、杭部2の内径よりも若干小さな外形の丸形鋼管で形成しており、内側に中空部31を有しており、上端に開口部32を有し、下端に第二開口部33を有している。
前記貫通孔38aは、規制部材8aとなされる前記ボルトの雄ねじを挿通可能な円形に形成しており、杭部2に設けた前記貫通孔28aと同じ大きさに形成している。
【0044】
図16図14の補強部4を示す正面図である。
図16に示す補強部4は、芯部45の長手方向の大きさを各補強材部46と同じ大きさに形成している構成のみが図4に示す前記補強部4と異なっている。
即ち、図16に示す補強部4は、図4に示す前記補強部4と同様に、内側に中空部41aを有する角形鋼管で形成する芯部45と、この芯部45の外面に設けた補強材部46とを備えている。中空部41aは、芯部45の上端の開口部42aと下端の第三開口部43aで外側へ通じている。
各補強材部46は、図4に示す補強部4の補強材部46と同一形状であり、平面視において同じ配置で前記芯部45に固定している。各補強材部46の内側面と芯部45の外側面との間には、横断面形状が略三角形の中空部41bがそれぞれ形成されており、各中空部41bは補強材部46の上端の開口部42bと下端の第三開口部43bで外側へ通じている。
前記芯部45の上端の開口部42aと、各補強材部46の上端の開口部42bは、その上下方向の位置が一致している。
【0045】
図17図15の杭部2の内側へ柱部3の下部を収納させた状態を示す図である。
図17に示す杭部2は、貫通孔28aに挿通させて貫通させたボルトからなる規制部材8aによって規制部29aを形成しており、貫通孔28bに挿通させて貫通させたボルトからなる規制部材8bによって規制部29bを形成している。
【0046】
図17に示す柱部3は、貫通孔38aに前記規制部材8aを挿通させている。即ち、前記規制部材8aは柱部3を貫通しており、規制部材8aによって構成される規制部29aによって杭部2に対する柱部3の上下方向への移動を規制している。換言すると、前記杭部2と柱部3は規制部材8aによって結合している。
また、前記柱部3は、その下端を規制部材8bに当接させている。即ち、柱部3の第二開口部33は規制部材8bの近傍に配置されている。柱部3は、規制部材8bによって構成される規制部29bによって、杭部2に対する下方への移動が規制される。
【0047】
図14に示す柱体1は、図17に示す柱部3の上方から中空部31の内側へ図16に示す補強部4を差し入れて収納させて形成している。
補強部4は、その下端を規制部材8aに当接させている。即ち、補強部4の第三開口部43a、43bは、規制部材8aの近傍に配置されている。
補強部4は、規制部材8aによって構成される規制部29aによって、杭部2や柱部3に対する下方への移動が規制される。
また、図14に示す補強部4は、その上端が柱部3の上端よりも下方に位置するように形成している。
【0048】
図18図14の柱体1を設置面Gへ設置させる前の状況を示す図である。
図18に示す柱体1は、柱部3の内側にスペーサーSを収納させている。スペーサーSは鋼管で形成しており、下端を補強部4の上端へ当接させ、上端を柱部3の上端近傍に配置させるように形成している。
前記柱体1は、杭部2の下端の第一開口部23を設置面Gへ当接させ、杭打ち機等によって柱部3の上方から打撃や振動等を与える。柱部3は各規制部29a、29bにより杭部2に対し下方への移動が規制されるため、与えられた打撃や振動などが規制部29a、29bを介して杭部2へ伝達され、杭部2を土壌M内へ打ち込み埋設させる。
このように杭部2を土壌Mへ打ち込むことにより、第一開口部23を通過した土壌Mが収納土壌m1として第一土壌収納部となされる中空部21内に収納される。
【0049】
図19図18の柱体1の下部を設置面Gへ打ち込んだ状況を示す図である。
図19の柱体1は、設置面Gの下方において、第一土壌収納部となされる杭部2の中空部21内に収納土壌m1が収納されている。また、図19の柱体1は、規制部材8bが設置面Gに接しており、規制部材8bに下端が当接する柱部3の第二開口部33が収納土壌m1の近傍に配置されている。
【0050】
図19の柱体1は、前記杭打ち機等によって柱部3の上方から更に打撃や振動等を与えることで、杭部2を埋設させると共に、柱部3を杭部2の中空部21内の収納土壌m1へ打ち込むことができる。
図20図19の柱体1を設置面Gへ更に打ち込んだ状況を示す図である。
図20に示す柱体1は、柱部3の下部を前記収納土壌m1へ打ち込むことにより、柱部3の第二開口部33を通過した収納土壌m1が収納土壌m2として第二土壌収納部となされる中空部31内に収納されている。
また、図20に示す柱体1は、規制部材8aが設置面Gに接しており、規制部材8aに下端が当接する補強部4の第三開口部43a、43bが収納土壌m2の近傍に配置されている。
【0051】
図20の柱体1は、前記杭打ち機等によって柱部3の上方から更に打撃や振動等を与えることで、設置面Gへ埋設することができる。具体的には、杭部2を埋設させると共に、柱部3を杭部2の中空部21内の収納土壌m1へ打ち込む。更に、杭打ち機等からの打撃や振動等を補強部4へスペーサーSを介して伝達し、補強部4の下部を中空部31内の収納土壌m2へ打ち込む。杭部2の上端が設置面Gに至るまで打ち込んだ後、杭部3の内側からスペーサーSを抜き取り、柱体1を設置させる。
図21図20の柱体1を設置面Gへ設置させた状況を示す図である。
図21に示す柱体1は、補強部4の埋設部である下部を前記収納土壌m2へ打ち込むことにより、第三開口部43a、43bを通過した収納土壌m2が収納土壌m3a、m3bとして第三土壌収納部となされる中空部41a、41b内にそれぞれ収納される。
【0052】
図21のA-A断面図は図11と同一であり、図21のB-B断面図は図12と同一であり、図21のC-C断面図は図13と同一である。
設置面Gへ立設させた図21の柱体1は、杭部2の内側に柱部3と補強部4とが収納されている部位が設置面G付近に配置され、補強部4の下端より下方に杭部2の内側に柱部3が収納されている部位が配置され、更に柱部3の下端より下方に杭部2のみが配置される。
即ち、図21に示す柱体1は、図10に示す前記柱体1と同様に、設置面Gに埋設させた部位において、杭部2、柱部3、及び補強部4の各部材の重複を異ならせることで剛性が異なる3つの部位を形成しており、下方に至るほど剛性が段階的に低くなるように設けている。
【0053】
図21に示す柱体1は、図11に示す杭部2のみが配置されている部位において、内側の第一土壌収納部内に収納された収納土壌m1aが、杭部2の外側の土壌Mと概ね同じ程度の圧密の度合いとなされている。
また、図21に示す柱体1は、図12に示す杭部2の内側に柱部3のみが収納されている部位において、柱部3の内側に収納された収納土壌m2a、及び柱部3と杭部2との間に収納された収納土壌m1bが、図11に示す前記収納土壌m1aよりも圧密状態となされている。
また、図21に示す柱体1は、図13に示す杭部2の内側に柱部3と補強部4とが収納されている部位において、補強部4の中空部41a内に収納された収納土壌m3a、中空部41b内に収納された収納土壌m3b、及び補強部4と柱部3との間には収納された収納土壌m2bが、それぞれ図12に示す前記収納土壌m2aよりも圧密状態となされている。
即ち、図21に示す柱体1は、図10に示す前記柱体1と同様に、各部材の重複や収納土壌の圧密状態を異ならせることによって剛性が異なる部位を3個形成し、設置面Gより下方に至るほど剛性が段階的に低くなるように設けており、車両などが接触するなどして大きな外力を受けたときに、剛性が大きく変化する部位へ力が集中することによる損傷を抑制することができる。
【0054】
図14に示す柱体1は、ボルト・ナットからなる締結部材で規制部材8を形成しているが、これに限るものではない。例えば、ボルト・ナット以外の締結部材で規制部材8を形成してもよく、締結部材以外の金具などで規制部材8を形成してもよい。
また、杭部2に設ける規制部29を、杭部2と別体に形成された規制部材8によって設けるのではなく、規制部29を杭部2へ一体的に形成してもよい。
【0055】
また、図14に示す柱体1は、図16に示すように、補強部4の芯部45の長手方向の大きさを各補強材部46と同じ大きさに形成しているが、これに限るものではなく、図4に示す補強部4と同じ形状に形成してもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 柱体
2 杭部
21 中空部
22 開口部
23 第一開口部
28 貫通孔
29 規制部
3 柱部
31 中空部
32 開口部
33 第二開口部
38 貫通孔
4 補強部
41 中空部
42 開口部
43 第三開口部
45 芯部
46 補強材部
47 角部
8 規制部材
9 カバー材
G 設置面
M 土壌
m1 収納土壌
m2 収納土壌
m3 収納土壌
P 車止め
S スペーサー

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21