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特開2022-140311遠隔作業環境で受信された1つ以上の要求を扱うための方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140311
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】遠隔作業環境で受信された1つ以上の要求を扱うための方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220915BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220915BHJP
   H04L 65/40 20220101ALI20220915BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G06F3/12 338
B41J29/38 203
G06F3/12 322
G06F3/12 329
G06F3/12 356
H04L65/40
H04N1/00 127B
H04N1/00 002C
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022024008
(22)【出願日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】17/200,314
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】シャンムカ・テジャ・バダナ
(72)【発明者】
【氏名】ペディレディ・デヴィ
(72)【発明者】
【氏名】ハリシュ・ティルマラセティ
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP03
2C061AP04
2C061AP07
2C061HK03
2C061HK15
2C061HN05
2C061HN15
2C061HQ06
5C062AA05
5C062AB38
5C062AC38
5C062AC56
5C062AE16
5C062AF14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】遠隔作業環境で受信した1つ以上の要求を扱う方法及びシステムを提供する。
【解決手段】方法は、印刷要求及び多機能デバイスの電源をオフにするための要求をユーザのコンピューティングデバイスから受信し、要求に基づいて、GPSなどの事前定義された方法をリアルタイムで使用して、コンピューティングデバイスの場所を取得することによって、コンピューティングデバイスが遠隔に位置するかどうかを確認する。次いで、取得したコンピューティングデバイスの場所を、多機能デバイスの場所と比較し、比較に基づいて、適切な行動のために、対応するメッセージ又は警報を、ユーザインターフェースを介してユーザに提示する。ユーザは、文書を安全な印刷ジョブとして提出することができ、他の非遠隔ユーザを確認することができ、遠隔で作業しているときに多機能デバイスの電源をオフにすることができない。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遠隔印刷を保護するための方法であって、コンピューティングデバイス上で作動する印刷ドライバにおいて実装され、前記方法が、
1つ以上の印刷属性とともに、前記印刷ドライバを通じてユーザからの文書を印刷するための印刷コマンド要求を受信することと、
印刷するための前記文書を多機能デバイスに提供する前に、前記コンピューティングデバイスが前記多機能デバイスに対して遠隔に位置しているかどうかを確認することと、
前記確認に基づいて、前記文書を安全な印刷ジョブとして提出するために、リアルタイムでメッセージを生成し、前記ユーザに表示することと、を含む、方法。
【請求項2】
確認することが、事前定義された方法をリアルタイムで使用して、前記コンピューティングデバイスの場所を取得することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンピューティングデバイスの前記取得された場所を、前記多機能デバイスの場所と比較することを更に含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記多機能デバイスの前記場所を取得することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記比較された場所の差異が事前定義された値を超える場合、ユーザインターフェースを介して前記ユーザに前記メッセージを表示することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記文書と関連付けられた前記1つ以上の印刷属性を変更することによって、通常の印刷ジョブとして提出された文書を安全な印刷ジョブに自動的に変換することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
通常の印刷ジョブとして提出された前記文書を安全な印刷ジョブにリアルタイムで変換するために、前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザにオプションを提供することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
遠隔印刷ジョブを保護するためのコンピューティングデバイスであって、印刷ドライバであって、
1つ以上の印刷属性とともに、前記印刷ドライバを通じて文書を印刷するための印刷要求を受信することであって、前記文書を印刷するために選択された少なくとも1つの印刷属性が、通常の印刷ジョブである、受信することと、
印刷するための前記文書を多機能デバイスに提供する前に、前記コンピューティングデバイスが前記多機能デバイスに対して遠隔に位置しているかどうかを確認することと、
前記確認に基づいて、前記文書を安全な印刷ジョブとして提出するために、ユーザインターフェースを介してリアルタイムで前記ユーザに警報を出すためのメッセージを生成し、表示することと、を行うための印刷ドライバを備える、コンピューティングデバイス。
【請求項9】
前記印刷ドライバが、事前定義された方法をリアルタイムで使用して、前記コンピューティングデバイスの場所を取得するためのものである、請求項8に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項10】
前記印刷ドライバが、前記コンピューティングデバイスの前記取得された場所を前記多機能デバイスの場所と比較するためのものである、請求項9に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項11】
前記印刷ドライバが、前記比較された場所の差異が事前定義された値を超える場合、前記ユーザに前記警報を表示するためのものである、請求項9に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項12】
前記印刷ドライバが、通常の印刷ジョブとして提出された前記文書を安全な印刷ジョブに変換するために前記ユーザにオプションを提供するためのものである、請求項8に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項13】
前記印刷ドライバが、前記少なくとも1つの印刷属性を変更することによって、通常の印刷ジョブとして提出された前記文書を安全な印刷ジョブに自動的に変換するためのものである、請求項8に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項14】
遠隔地からの1つ以上の多機能デバイスを管理するための方法であって、
管理ユーザのコンピューティングデバイス上で作動する遠隔プリンタアクセスアプリであって、
前記1つ以上の多機能デバイス及び1つ以上の印刷ジョブを遠隔地から管理し、これらにアクセスするために、前記管理ユーザにユーザインターフェースを提供することであって、前記1つ以上の多機能デバイスが、ネットワークを介して互いに通信可能に結合されている、提供することと、
前記ネットワークに接続された前記1つ以上の多機能デバイスのうちの少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにするための要求を受信することと、
前記要求に基づいて、事前定義された方法をリアルタイムで使用して、前記コンピューティングデバイスの場所を取得することによって、前記コンピューティングデバイスが前記多機能デバイスに対して遠隔に位置しているかどうかを確認することと、
前記コンピューティングデバイスの前記取得された場所を、前記少なくとも1つの多機能デバイスの場所と比較することと、
前記比較に基づいて、前記少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにしないように、前記ユーザインターフェースを介して前記管理ユーザに警告メッセージを提示することと、を行うための遠隔プリンタアクセスアプリを備える、方法。
【請求項15】
前記比較された場所の差異が事前定義された値を超える場合、前記管理ユーザが前記少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにすることを却下することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記比較された場所の差異が事前定義された値を超える場合、前記ユーザに前記警告メッセージを提示することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
遠隔地からの1つ以上の多機能デバイスを管理するためのコンピューティングデバイスであって、
管理ユーザの前記コンピューティングデバイス上で作動する遠隔プリンタアクセスアプリであって、
1つ以上の多機能デバイス及び1つ以上の印刷ジョブを遠隔地から管理し、これらにアクセスするために、前記管理ユーザにユーザインターフェースを提供することであって、前記1つ以上の多機能デバイスが、ネットワークを介して互いに通信可能に結合されている、提供することと、
前記1つ以上の多機能デバイスのうちの少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにするための要求を受信することと、
前記要求に基づいて、事前定義された方法をリアルタイムで使用して、前記管理ユーザの前記コンピューティングデバイスの場所を取得することと、
前記コンピューティングデバイスの前記取得された場所を、前記少なくとも1つの多機能デバイスの場所と比較することと、
前記比較に基づいて、前記少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにしないように、前記ユーザインターフェースを介して前記管理ユーザに警告メッセージを提示することと、を行うための遠隔プリンタアクセスアプリを備える、コンピューティングデバイス。
【請求項18】
前記遠隔プリンタアクセスアプリが、前記比較された場所の差異が事前定義された値を超える場合、前記管理ユーザが前記少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにすることを却下するためのものである、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項19】
前記遠隔プリンタアクセスアプリが、前記比較された場所の差異が事前定義された値を超える場合、前記ユーザに前記警告メッセージを提示するためのものである、請求項17に記載のコンピューティングデバイス。
【請求項20】
遠隔作業環境で受信された1つ以上の要求を制御するための方法であって、
ユーザのコンピューティングデバイスからの印刷要求及び多機能デバイスの電源をオフにするための要求を含む、少なくとも1つの要求を受信することと、
前記要求に基づいて、事前定義された方法をリアルタイムで使用して、前記コンピューティングデバイスの場所を取得することによって、前記コンピューティングデバイスが遠隔に位置しているかどうかを確認することと、
前記コンピューティングデバイスの前記取得された場所を、前記多機能デバイスの場所と比較することと、
前記比較に基づいて、適切な行動のために、ユーザインターフェースを介して前記ユーザに警報を提示することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記ユーザからの前記要求が印刷要求に関する場合、印刷するための文書を安全な印刷ジョブとしてリアルタイムで提出するために、ユーザインターフェースを介して前記ユーザに警報メッセージを提示することを更に含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記ユーザからの前記要求が多機能デバイスの電源をオフにすることに関する場合、前記多機能デバイスの電源をオフにしないように、前記ユーザインターフェースを介して前記ユーザに警告メッセージを提示することを更に含む、請求項20に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、印刷分野に関する。より詳細には、本開示は、遠隔作業環境で受信された1つ以上の要求を扱うための方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスでは、典型的には、コンピューティングデバイス、ラップトップなどのようなユーザデバイスは、有線又は無線であり得るローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)を介して、互いに、及びプリンタ、多機能デバイスなどの様々な他のオフィスデバイスに接続されている。ユーザは、印刷要求などの様々な要求を、接続されたプリンタ又は多機能デバイスにLANを通じて提出する。しかしながら、最近では、ユーザがオフィスの場所ではなく自宅で作業/操作する作業操作モードに完全にシフトしている。例えば、ユーザは、自宅で作業をするか、又は彼ら自身の選択による異なる場所で操作する場合がある。このような遠隔作業環境では、ユーザ/ユーザデバイスは、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network、VPN)を介して互いに接続される。VPNは、パブリックネットワーク(すなわち、インターネット)を使用して、遠隔地に位置するユーザをオフィスネットワークに安全に接続することを可能にする。LANと同様に、ユーザは、全てのオフィスデバイスにアクセスし、互いに通信することができ、VPNに接続されると、遠隔地を通じて印刷要求を提出することができる。全てのユーザと同様に、管理ユーザは、VPN接続を通じて、プリンタ、多機能デバイスなどのオフィスデバイスに遠隔アクセスし、これらを制御することができる。例えば、管理ユーザは、ジョブキューに存在する全ての印刷ジョブを見るか、ジョブを管理するか、任意のデバイスの電源をオンにするか、又はそれをオフにすることができる。
【0003】
VPNに接続されたユーザは、自身のコンピューティングデバイスを通じてプリンタを選択することができ、通常の印刷を行うための文書を提出する。プリンタは、提出されたユーザの属性に基づいて文書を印刷する。しかしながら、このアプローチは、深刻なセキュリティ問題を引き起こす可能性がある。例えば、印刷要求を提出したユーザがオフィスにいないときに、オフィスにいる誰かが、印刷された文書にアクセスすることができる。更に、ユーザの場所が近くにある場合であっても、ユーザがオフィスに到着し、印刷された文書を回収するのに時間がかかる可能性があるが、任意の他のユーザは、その文書を回収することができる。このアプローチを実施することにより、他の/不正なユーザが、ユーザの潜在的な機密情報及び/又は個人情報にアクセスすることを可能にする。同様に、管理ユーザが偶然又は故意に遠隔で任意のオフィスデバイスの電源をオフにしたとき、オフィスで作業をしている他のユーザにとって問題が生じる可能性がある。例えば、オフィスにいるユーザが、文書を印刷するか、又はスキャン、コピーなどの他の目的のためにデバイスにアクセスすることを望んでも、管理ユーザがデバイスの電源をオフにしているので、任意の行動を実施することができない。現在、遠隔地を通じて/遠隔に位置するユーザから提出されたこのような要求を扱うための既知の解決策又は機構は存在しない。したがって、このような課題に対処するための方法及びシステムが必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
本明細書に例示される態様によれば、遠隔印刷ジョブを保護するための方法が存在し、本方法は、コンピューティングデバイス上で作動する印刷ドライバにおいて実装される。本方法は、1つ以上の印刷属性とともに、印刷ドライバを通じてユーザからの文書を印刷するための印刷コマンド要求を受信することを含む。印刷するための文書を多機能デバイスに提出する前に、コンピューティングデバイスが多機能デバイスに対して遠隔に位置しているかどうかを確認する。この確認に基づいて、文書を安全な印刷ジョブとして提出するために、ユーザインターフェースを介してリアルタイムでメッセージが生成され、ユーザに表示される。
【0005】
本明細書に例示される更なる態様によれば、遠隔印刷ジョブを保護するためのコンピューティングデバイスが開示される。コンピューティングデバイスは、印刷ドライバであって、1つ以上の印刷属性とともに、印刷ドライバを通じて文書を印刷するための印刷要求を受信することであって、文書を印刷するために選択された少なくとも1つの印刷属性が、通常の印刷ジョブである、受信することと、印刷するための文書を多機能デバイスに提出する前に、コンピューティングデバイスが多機能デバイスに遠隔に接続されているかどうかを確認することと、確認に基づいて、文書を安全な印刷ジョブとして提出するために、ユーザインターフェースを介してリアルタイムでユーザに警報を出すためのメッセージを生成し、表示することと、を行うための印刷ドライバを含む。
【0006】
本明細書に例示される更なる態様によれば、1つ以上の多機能デバイスを遠隔地から管理するための方法がある。遠隔プリンタアクセスアプリは、以下:1つ以上の多機能デバイス及び1つ以上の印刷ジョブを遠隔地から管理し、これらにアクセスするために、管理ユーザにユーザインターフェースを提供することであって、1つ以上の多機能デバイスが、ネットワークを介して互いに通信可能に結合されている、提供することと、ネットワークに接続された1つ以上の多機能デバイスのうちの少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにするための要求を受信することと、要求に基づいて、事前定義された方法をリアルタイムで使用して、コンピューティングデバイスの場所を取得することによって、コンピューティングデバイスが多機能デバイスに対して遠隔に位置しているかどうかを確認することと、コンピューティングデバイスの取得された場所を、少なくとも1つの多機能デバイスの場所と比較することと、比較に基づいて、少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにしないように、ユーザインターフェースを介して管理ユーザに警告メッセージを提示することと、を行うために、管理ユーザのコンピューティングデバイス上で作動する。
【0007】
本明細書に例示される更なる態様によれば、1つ以上の多機能デバイスを遠隔地から管理するためのコンピューティングデバイスが開示される。コンピューティングデバイスは、管理ユーザのコンピューティングデバイス上で作動する遠隔プリンタアクセスアプリであって、1つ以上の多機能デバイス及び1つ以上の印刷ジョブを遠隔地から管理し、これらにアクセスするために、管理ユーザにユーザインターフェースを提供することであって、1つ以上の多機能デバイスが、ネットワークを介して互いに通信可能に結合されている、提供することと、1つ以上の多機能デバイスのうちの少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにするための要求を受信することと、要求に基づいて、事前定義された方法をリアルタイムで使用して、管理ユーザのコンピューティングデバイスの場所を取得することと、コンピューティングデバイスの取得された場所を少なくとも1つの多機能デバイスの場所と比較することと、比較に基づいて、少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにしないように、ユーザインターフェースを介して管理ユーザに警告メッセージを提示することと、を行うための遠隔プリンタアクセスアプリを含む。
【0008】
本明細書に例示される更なる態様によれば、遠隔作業環境で受信された1つ以上の要求を制御するための方法及びシステムが開示される。本方法は、印刷要求及び多機能デバイスの電源をオフにするための要求を含む、少なくとも1つの要求を受信することを含み、この要求はユーザのコンピューティングデバイスから受信される。要求に基づいて、GPSなどの事前定義された方法をリアルタイムで使用して、コンピューティングデバイスの場所を取得することによって、コンピューティングデバイスが遠隔に位置しているかどうかを確認する。次いで、コンピューティングデバイスの取得された場所は、多機能デバイスの場所と比較される。比較に基づいて、対応するメッセージ又は警報が、適切な行動のために、ユーザインターフェースを介してユーザに提示される。
【0009】
本開示の他の及び更なる態様及び特徴は、本開示を限定するのではなく、例示することを意図した実施形態の以下の詳細な説明を読むことから明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
主題の例示される実施形態は、図面を参照することによって最もよく理解され、同様の部分は、全体を通して同様の数字によって示される。以下の説明は、例としてのみ意図されており、本明細書で特許請求される主題と一致するデバイス、システム、及びプロセスの特定の選択された実施形態を単に示す。
【0011】
図1A】本開示の様々な実施形態を実践することができる例示的な環境を示す。
図1B】本開示の様々な実施形態を実践することができる例示的な環境を示す。
【0012】
図2A】本開示の一実施形態による、遠隔ジョブを保護するためのシステムである。
【0013】
図2B】本開示の一実施形態による、1つ以上のオフィスデバイスを管理するための別のシステムである。
【0014】
図3A】ユーザに表示される様々なメッセージ/警報の例示的なスナップショットである。
図3B】ユーザに表示される様々なメッセージ/警報の例示的なスナップショットである。
図3C】ユーザに表示される様々なメッセージ/警報の例示的なスナップショットである。
図3D】ユーザに表示される様々なメッセージ/警報の例示的なスナップショットである。
【0015】
図3E】ユーザに表示されるメッセージ/警報の例示的な別のスナップショットを示す。
【0016】
図4】遠隔作業環境内の1人以上のユーザから受信された1つ以上の要求を扱うための例示的な方法フロー図である。
【0017】
図5】本開示の一実施形態による、遠隔印刷ジョブを保護するための例示的な方法フロー図である。
【0018】
図6】本開示の一実施形態による、1つ以上の多機能デバイスを遠隔地から管理するための例示的な方法フロー図である。
【0019】
図7】本開示を実施するための例示的なフロー図を示す。
【0020】
図8】本開示を実施するための例示的なオフィス環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
開示される実施形態のいくつかの発明の態様を、様々な図を参照して以下で詳細に説明する。実施形態は、特許請求の範囲によって定義される、その範囲を限定するものではない、開示された主題を例示するために説明される。当業者であれば、以下の説明で提供される様々な特徴のいくつかの等価な変形例を認識するであろう。
非限定的な定義
【0022】
本開示の様々な実施形態では、本文書で使用される1つ以上の用語の定義を以下に提供する。当業者であれば、定義は明確にするためにのみ提供され、以下に提供される例に加えて、より多くの例を含むことを意図していることが理解される。
【0023】
「多機能デバイス」という用語は、限定するものではないが、印刷、撮像、スキャン、コピー、撮像などの1つ以上の機能を実施するための単一のデバイス又は複数のデバイスの組み合わせを指す。多機能デバイスは、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせを含み得る。本開示の文脈では、多機能デバイスは、ユーザ又はユーザのコンピューティングデバイスから遠隔に位置するデバイスであり、仮想プライベートネットワーク(VPN)を介してコンピューティングデバイスに通信可能に結合される。多機能デバイスは、VPNを介して印刷するために全てのユーザに利用可能である。多機能デバイスは、その物理的な場所をコンピューティングデバイスなどの他のデバイスに送信し得、多機能デバイスはまた、オフィスデバイスとも称することができる。
【0024】
「コンピューティングデバイス」という用語は、ユーザが通常、印刷コマンド及び他の目的を付与するために使用するデバイスを指す。コンピューティングデバイスの例としては、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、ラップトップ、携帯電話、タブレット、携帯情報端末(Personal Digital Assistant、PDA)、スマートフォン、又はデータ通信が可能な任意の他のデバイスが挙げられるが、これらに限定されない。コンピューティングデバイスは、印刷ドライバアプリケーション、遠隔プリンタアクセスアプリケーションなどの1つ以上のアプリケーションを含む。印刷ドライバアプリケーションは、ユーザが印刷コマンド、1つ以上の印刷パラメータ/属性、及び印刷するための文書を提出することを可能にする。遠隔プリンタアクセスアプリケーションは、管理ユーザなどのユーザが多機能デバイス又は多機能デバイスにおける印刷ジョブを遠隔で管理することを可能にする。本開示の文脈では、コンピューティングデバイスは、遠隔作業環境内の1人以上のユーザから受信された1つ以上の要求を扱う/制御する。要求の例としては、少なくとも1つの印刷要求、オフィスデバイスの電源をオフにするための要求などが挙げられ得る。
【0025】
「ユーザ」という用語は、ユーザのそれぞれのコンピューティングデバイスから印刷するための印刷要求又は文書を提出するユーザなどの任意のユーザを含み得る。「管理ユーザ」という用語は、多機能デバイスなどの全てのオフィスデバイス及びそれらの機能を遠隔地から管理する権利を有するユーザを指す。例えば、管理ユーザは、オフィスデバイスの電源をオン又はオフにすることができる。別の例では、管理ユーザは、オフィスデバイスを一時停止することができる。
【0026】
「遠隔作業環境」という用語は、何人かのユーザ又はいくつかのコンピューティングデバイスがオフィスの場所から遠隔に位置するか、又は多機能デバイスに遠隔に位置する環境を指す。遠隔作業環境では、コンピューティングデバイスは、VPNを介して遠隔で互いにかつ/又はオフィスデバイスに接続される。「遠隔に位置する」という用語は、ユーザ及び/又はユーザそれぞれのコンピューティングデバイスがオフィス内に存在せず、また、オフィスの場所から離れている状況に使用される。
【0027】
「事前定義された方法」という用語は、コンピューティングデバイス及び/又はユーザの場所を決定するための任意の既知の、又は任意の後に開発された方法を指す。1つの例示的な事前定義された方法は、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)であり得る。
【0028】
「事前定義された値」という用語は、複数のコンピューティングデバイス、オフィスデバイス、ユーザが通常接続されるローカルエリアネットワーク距離範囲を定義する。事前定義された値は、10km、15km、25kmなどであり得る。任意のユーザ又はコンピューティングデバイスが事前定義された値を超えて位置する場合、ユーザ/コンピューティングデバイスが遠隔に位置していると見なされる。言い換えれば、事前定義された値を超える任意の値は、ユーザ及び/又はコンピューティングデバイスがローカルオフィスネットワークの一部ではなく、例えば、VPNを通じて遠隔でオフィスネットワークに接続されていることを示す。
【0029】
「事前定義されたメッセージ」とは、警報、通知、又は警告メッセージの形態でユーザに示される任意のメッセージを指す。事前定義されたメッセージは、印刷要求に関し得る。例えば、ユーザのメッセージは、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに変更することであり得る。事前定義されたメッセージは、電源をオフにするための要求に関し得る。例えば、ユーザのための事前定義されたメッセージは、多機能デバイスなどのオフィスデバイスの電源をオフにしないことであり得る。
概要
【0030】
本開示は、遠隔作業環境でユーザから受信された1つ以上の要求を扱うための方法及びシステムを開示する。一例では、要求は、印刷要求であり得る。別の例では、要求は、プリンタ、多機能デバイス、スキャナ、コピー機などのオフィスデバイスの電源をオフにするための要求であり得る。これらは2つの例であるが、ユーザからの他のタイプの遠隔要求が存在し得る。1つ以上の要求は、ユーザが印刷するための文書を含む印刷要求(遠隔印刷ジョブとも称される)を遠隔地から提出するときに、通常の印刷ジョブの代わりに安全な印刷ジョブとして提出されるように管理又は制御される。同様に、管理ユーザがプリンタなどのオフィスデバイスの電源を遠隔地からオフにすることを試みるとき、このデバイスの電源をオフにすることができない。ここでは、1つ以上のメッセージが警報、通知、又は警告の形態でユーザ及び/又は管理ユーザに提示される。
例示的な環境
【0031】
図1Aでは、本開示の様々な実施形態を実践することができる例示的な環境100を示す。環境100は、複数のユーザが遠隔で操作し、オフィスデバイス及び/又はリソースに遠隔でアクセスする遠隔作業環境を表す。簡単にするために、単一のユーザ/コンピューティングデバイスが示されているが、遠隔作業環境100は、複数のユーザ及び/又は複数のコンピューティングデバイスなどを含み得る。多機能デバイス106の代わりに、環境100は、プリンタ、多機能プリンタ、多機能周辺デバイス、又は印刷能力を有する任意のデバイスを含み得る。
【0032】
図示のように、環境100は、多機能デバイス106に通信可能に結合されたコンピューティングデバイス102を含む。コンピューティングデバイス102は、多機能デバイス106から遠隔に位置し、他のデバイス及び/又はユーザと安全に通信するために、仮想プライベートネットワーク105(VPN)を通じて多機能デバイス106に更に接続される。VPN105は、コンピューティングデバイス102と多機能デバイス106との間に安全な通信路を作成して通信する。VPNは、ユーザ及び/コンピューティングデバイスをオフィスネットワークに接続するための一例であるが、ユーザ及び/コンピューティングデバイスは、他の既知の又は後に開発された方法を通じて遠隔でオフィスネットワーク/デバイスに接続され得る。ユーザは、チャット、電子メール、サーフィン、印刷するための文書の提出などのような日々の業務のためにコンピューティングデバイス102を使用する。コンピューティングデバイス102の様々な例は、ラップトップ、パーソナルコンピュータ、モバイルデバイス、携帯情報端末、又は任意の既知の若しくは後に開発されたコンピューティングデバイスであり得る。コンピューティングデバイス102は、印刷ドライバ104などのいくつかのアプリケーションを実行する。
【0033】
印刷ドライバ104は、ユーザが、ページ、コピー枚数、白黒、印刷縮尺、向き、宛先プリンタなどの1つ以上の印刷属性/パラメータとともに、印刷するための文書を提出することを可能にする。本開示の文脈では、印刷ドライバ104は、遠隔多機能デバイス106に提出する前にこのような印刷要求を扱うように構成されている。
【0034】
操作中、ユーザが印刷ドライバ104を介して印刷するための文書を選択するとき、印刷ドライバ104は、文書を印刷するために、106など多機能デバイスなどの他の選択された印刷属性、すなわち宛先プリンタ、コピー枚数、印刷するページ数、向き、印刷タイプなどとともに文書を受信する。106などの選択された多機能デバイスに印刷するための文書を提出する前に、印刷ドライバ104は、コンピューティングデバイス102が多機能デバイス106から遠隔に位置しているかどうかを確認する。これは、コンピューティングデバイス102の場所及び多機能デバイス106の場所に基づいて判定される。この確認に基づいて、印刷ドライバ104は、ユーザのために事前定義されたメッセージを生成する。事前定義されたメッセージは、ユーザに、ユーザがオフィスの場所から離れて又はオフィス外から印刷するための文書を提出していることに警報を出し、ユーザが適切な行動をとる、すなわち、印刷ジョブを安全な印刷ジョブとして提出することを更に可能にする。
【0035】
上記と同様に、図1Bの環境110では、コンピューティングデバイス112及び多機能デバイス116は、VPNネットワーク117を通じて遠隔に接続されている。コンピューティングデバイス112は、遠隔プリンタアクセスアプリケーション114を含むように示されている。典型的には、遠隔プリンタアプリケーション114は、多機能デバイス、プリンタ、スキャナ、コピー機などの1つ以上のオフィスデバイスを遠隔管理し、これらにアクセスするために管理ユーザが使用する。例えば、遠隔プリンタアクセスアプリケーション114は、ユーザが、様々なユーザが提出した全ての印刷ジョブ、印刷キューを見ることを可能にし、管理ユーザが、ネットワークに接続された多機能デバイス116の電源をオンにする、多機能デバイス116を一時停止させる、多機能デバイス116の電源をオフにすることを更に可能にする。本開示の文脈では、管理ユーザが電源オフオプションを選択することによって多機能デバイス116の電源をオフにするように要求するときに、遠隔プリンタアクセスアプリケーション114は、管理ユーザ及び/又は管理ユーザのコンピューティングデバイス112が遠隔に位置しているかどうかを確認する。選択された多機能デバイス116から遠隔に位置している場合、遠隔プリンタアクセスアプリケーション114は、多機能デバイス116の電源をオフにしないように警告メッセージを表示する。遠隔プリンタアクセスアプリケーション114は、管理ユーザのコンピューティングデバイス112が多機能デバイス116から遠隔に位置しているときに、管理ユーザが多機能デバイス116の電源をオフにしないように更に却下にする。
例示的なシステム
【0036】
図2Aは、仮想プライベートネットワーク(VPN)212を介して多機能デバイス214に通信可能に結合されたコンピューティングデバイス202を含むシステム200である。例示のように、コンピューティングデバイス202は、VPNクライアント210と、ユーザインターフェース206並びに場所決定及び分析モジュール208を含む印刷ドライバ204と、を含む。
【0037】
ユーザは、最初に、コンピューティングデバイス202を、ブロードバンド、モバイルホットスポット、又は他の既知の若しくは後に開発された方法などの任意の方法を使用して、パブリックネットワーク、すなわちインターネットに接続する。接続されると、ユーザは、自身のコンピューティングデバイス202上でVPNクライアント210を開いてこれにアクセスし、ユーザ名、パスワード、従業員コード、従業員ID、又は他の認証情報などのログイン認証情報を入力して、オフィスネットワーク、デバイス、プリンタ、多機能デバイス(214など)などのリソースに接続するか、又は他のユーザと通信することを必要とする。これにより、コンピューティングデバイス202と多機能デバイス214との間の安全な接続が確立される。VPNネットワーク212に接続されると、ユーザは、任意のリソース、ファイルを見る及びこれらに更にアクセスすることができるか、又は場所エリアネットワークで接続されたときに実施されるような任意の他のユーザと通信することができる。例えば、ユーザは、ファイルサーバなど上に存在するファイルにアクセスすることができる。
【0038】
操作中、ユーザは、印刷ドライバ204を使用して、印刷するための文書を、ユーザのコンピューティングデバイス202から遠隔に位置する多機能デバイス214に提出する。ユーザは、上で考察したように、1つ以上の印刷属性の選択とともに、文書を印刷するための印刷コマンド要求を提出する。印刷コマンドを提出する間、ユーザは、印刷に利用可能な全ての多機能デバイスを見ることができ、任意の多機能デバイスを選択することができる。例えば、ユーザは、印刷するために214などの多機能デバイスを選択することができる。印刷ドライバ204は、印刷するための選択された多機能デバイス214とともに、文書を受信する。選択された多機能デバイス214に印刷するための文書を提出する前に、印刷ドライバ204は、コンピューティングデバイス202が遠隔に位置しているかどうかを確認する。この目的を達成するために、印刷ドライバ204は、場所決定及び分析モジュール208と通信する。場所決定及び分析モジュール208は、例えば、GPSをリアルタイムで使用して、コンピューティングデバイス202の場所を取得する。場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202のIP(インターネットプロトコル)アドレスに基づいて、コンピューティングデバイス202の場所を取得し得る。他の例では、場所決定及び分析モジュール208は、既知の又は後に開発された方法として任意の第三者サービス又はツールを使用して、コンピューティングデバイス202の場所を取得し得る。取得されると、場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202の場所を、文書を印刷するために選択された多機能デバイス214の場所と比較する。この目的を達成するために、選択された多機能デバイス214の場所は、印刷ドライバ204自体を通じて取得されてもよいし、又は選択された多機能デバイス214のIPアドレスが既知であるか、又は印刷ドライバ204内に事前供給される場合に取得されてもよい。更に、選択された多機能デバイス214の場所は、印刷ドライバ20と選択された多機能デバイス214との間の接続を確立することによって取得されてもよい。
【0039】
印刷ドライバ204及び選択された多機能デバイス214両方の場所が取得されると、場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202の場所を、選択された多機能デバイス214の場所と比較する。次いで、場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202と選択された多機能デバイス214との間の距離を計算し、コンピューティングデバイス202と選択された多機能デバイス214との間の距離が事前定義された値よりも大きいかどうかを更に判定する。一例として、事前定義された値は、15kmであり得る。例えば、コンピューティングデバイス202と多機能デバイス214との間の距離が15kmよりも大きい場合、場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202がローカルエリアネットワークの一部ではなく、オフィスの場所から離れていると判定する。場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202の場所を、選択された多機能デバイス214の場所と単に比較し得、コンピューティングデバイス202がオフィスから、又は多機能デバイス214から遠隔に位置していると判定する。いくつかの実装形態では、場所決定及び分析モジュール208は、多機能デバイス214内で定義されたエリア範囲を取得することができる。例えば、定義されたエリア範囲が25kmである場合、場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202と多機能デバイス214との間の距離が定義されたエリア範囲よりも大きいかどうかを更に識別する。定義されたエリア範囲よりも大きい場合、場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202が多機能デバイス214から遠隔に位置していると見なす。そうでなければ、コンピューティングデバイス202は、多機能デバイス214の近くに位置している。このようにして、場所決定及び分析モジュール208は、コンピューティングデバイス202が多機能デバイス214から遠隔に位置していると判定する。事前定義された値及び定義されたエリア範囲(距離など)は、全てのデバイスがローカルデバイスと見なされる境界を示し、境界の外側にあるデバイスは、遠隔に位置していると見なされる。
【0040】
次いで、場所決定及び分析モジュール208は、そのことを印刷ドライバ204に伝達する。印刷ドライバ204は、印刷属性を確認し、ユーザが文書を通常の印刷ジョブとして提出したか、又は安全な印刷ジョブとして提出したか識別する。印刷属性が通常の印刷ジョブである場合、印刷ドライバ204は、コンピューティングデバイス202がオフィスから離れていることを示す、ユーザのためのメッセージを生成する。メッセージは、警報の形態で生成され、印刷ドライバのユーザインターフェース206自体を介してユーザに表示される。メッセージは、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブとして提出するためにユーザに提示される。1つのこのような例示的なユーザインターフェース300が図3Aに示される。ユーザインターフェース300は、例えば、「オフィスから離れて印刷を進めています」などの事前定義されたメッセージ(302として表示される)を表示する。ユーザは、オプションOk(306として表示される)を選択して更に進めることができる。ユーザインターフェース300は、ユーザに、今後はこのメッセージを省略する(304bとして表示される)ためのメッセージを更に示す。ユーザは、304aとして表示されたチェックボックスを使用して、メッセージ304b及びチェックボックス304aを集合的に304としてこのようなメッセージを省略することを選択することができる。
【0041】
ユーザからの応答に基づいて、印刷ドライバ204は、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに自動的に変換する。ここでは、印刷ドライバ204が、通常の印刷ジョブなどの少なくとも1つの印刷属性を安全な印刷ジョブに変更する。このようにして、印刷ドライバ204は、遠隔地から提出された印刷ジョブを保護し、遠隔作業環境に対するセキュリティレベルを高める。いくつかの実装形態では、印刷ドライバ204は、ユーザに、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブにリアルタイムで変換するためのオプションを提供する。オプションは、ユーザインターフェース206を通じて提供される。オプション(312として表示される)を備えたこのような例示的なインターフェース310が一旦ユーザに示される。オプション312は、ユーザが通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに変換したいかどうかを尋ねる。ユーザが「はい」(314として表示される)を選択する場合、印刷ドライバ204は、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに変換する。ユーザが「いいえ」(316として表示される)を選択する場合、印刷ドライバ204は、通常の印刷ジョブをそのまま保持する。
【0042】
通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに首尾よく変更すると、印刷ドライバ204は、文書及び印刷属性を多機能デバイス214に提出して印刷する。安全な印刷ジョブは、ユーザが多機能デバイス214のところにいるときに印刷することができ、ユーザ名、ユーザID、パスワード、従業員IDなどの自身の認証情報を更に入力する。ユーザ認証が成功すると、多機能デバイス214は、ユーザが提出した印刷属性に基づいて文書を印刷する。このようにして、システム200は、遠隔印刷ジョブ、すなわち多機能デバイス214/オフィスから遠隔に位置するコンピューティングデバイス202から提出されたときのジョブを保護するための方法を提供する。
【0043】
図2Bでは、コンピューティングデバイス222及び多機能デバイス234を備えたシステム220を示し、システム220は、図2Aに示し考察されたシステム200と同様である。しかしながら、コンピューティングデバイス222から提出された要求は、図1A及び図2Aで提出された要求とは異なる。図2Bにより、コンピューティングデバイス222は、管理ユーザなどのユーザが任意のオフィスデバイスを遠隔で管理することを可能にする遠隔プリンタアクセスアプリケーション224を含む。
【0044】
管理ユーザは、最初に、コンピューティングデバイス222をパブリックネットワーク、すなわちブロードバンド、モバイルホットスポット、又は他の既知の若しくは後に開発された方法などの任意の方法を使用するインターネットに接続する。接続されると、管理ユーザは、自身のコンピューティングデバイス222上でVPNクライアント230を開いてこれにアクセスし、ユーザ名、パスワード、従業員コード、従業員ID、又は他の認証情報などのログイン認証情報を入力して、オフィスネットワーク、デバイス、プリンタ、多機能デバイスなどのリソースに接続するか、又は他のユーザと通信することを必要とする。これにより、コンピューティングデバイス222と多機能デバイス234との間の安全な接続が確立される。VPNネットワーク232に接続されると、管理ユーザは、遠隔プリンタアクセスアプリケーション224を更に使用して、任意のオフィスデバイス、リソース、ファイルにアクセスしてこれらを管理するか、又は場所エリアネットワークで接続されたときに実施されるような任意の他のユーザと通信する。例えば、管理ユーザは、多機能デバイス234にアクセスし、多機能デバイス234を遠隔管理することができる。
【0045】
実装形態では、管理ユーザは、234などの多機能デバイスの電源をオフにするための要求を提出する。要求は、遠隔プリンタアクセスアプリケーション224のユーザインターフェース226を通じて提出される。ユーザインターフェース226は、以下で詳細に考察されるように、管理ユーザのための様々なオプションを更に含む。多機能デバイス234の電源をオフにする前に、遠隔プリンタアクセスアプリケーション224は、管理ユーザのコンピューティングデバイス222が多機能デバイス234に遠隔に接続されているかどうかを確認する。この目的を達成するために、遠隔プリンタアクセスアプリケーション224は、場所決定及び分析228モジュールと通信する。場所決定及び分析モジュール228は、例えば、GPSをリアルタイムで使用して、コンピューティングデバイス222の場所を取得する。場所決定及び分析モジュール228は、コンピューティングデバイス222のIPアドレスに基づいて、コンピューティングデバイス222の場所を取得し得る。他の例では、場所決定及び分析モジュール228は、既知の又は後に開発された方法として任意の第三者サービス又はツールを使用して、コンピューティングデバイス222の場所を取得し得る。場所決定及び分析モジュール228は、コンピューティングデバイス222の場所を、選択された多機能デバイス234の場所と更に比較する。選択された多機能デバイス234の場所は、遠隔プリンタアクセスアプリケーション224を通じて取得されてもよいし、又は選択された多機能デバイス234のIPアドレスが既知であるか、又は遠隔プリンタアクセスアプリケーション224内に事前供給される場合に取得されてもよい。更に、選択された多機能デバイス234の場所は、選択された多機能デバイス234との通信を確立することによって取得されてもよい。選択された多機能デバイス234の場所が取得されると、場所決定及び分析モジュール228は、コンピューティングデバイス222の場所を、選択された多機能デバイス234の場所と比較する。場所決定及び分析モジュール228は、コンピューティングデバイス222と選択された多機能デバイス234との間の距離を計算し、コンピューティングデバイス222との間の距離が事前定義された値よりも大きいかどうかを更に判定する。例えば、コンピューティングデバイス222と多機能デバイス234との間の距離が15kmよりも大きい場合、場所決定及び分析モジュール228は、コンピューティングデバイス222がローカルエリアネットワークの一部ではなく、オフィスの場所から離れている、すなわち、遠隔に位置していると判定する。場所決定及び分析モジュール228は、コンピューティングデバイス222の場所を、選択された多機能デバイス234の場所と単に比較し得、コンピューティングデバイス222がオフィスから遠隔に位置していると判定し得る。次いで、場所決定及び分析モジュール228は、そのことを遠隔プリンタアクセスアプリケーション224に伝達する。遠隔プリンタアクセスアプリケーション224は、コンピューティングデバイス222がオフィスから離れていることを示す、管理ユーザのためのメッセージを生成する。メッセージは、警報又は警告メッセージの形態で生成され、遠隔プリンタアクセスアプリケーション224を介して管理ユーザに表示される。警報は、管理ユーザが遠隔地で作業しており、デバイス234の電源をオフにするか、又は一時停止させる必要がないことを管理ユーザに気付かせる。
【0046】
遠隔プリンタアクセスアプリケーション224は、226及び228などのモジュールを含むように示されているが、これらのモジュール226及び228の機能は、遠隔プリンタアクセスアプリケーション224に直接組み込むことができる。このような場合、場所決定、場所比較、警報の生成、メッセージなどがアプリケーション224によって実施される。
【0047】
遠隔プリンタアクセスアプリケーション224は、オフィス内で利用可能な全ての多機能デバイスをリスト化する。管理ユーザは、多機能デバイスのリストから任意の多機能デバイスを選択することができる。考察の便宜上、管理ユーザは、234などの単一の多機能デバイスを選択するものと考えられる。
【0048】
320などの1つのこのような例示的な遠隔プリンタアクセスアプリケーションが図3Cに示される。図示のように、遠隔プリンタアクセスアプリケーション320又はそのユーザインターフェースは、324a、324b、324c、324d、及び324eなどの様々なユーザが提出した全てのジョブ(324として表示される)を表示する。更なる図示のように、遠隔プリンタアクセスアプリケーション320は、削除326a、ジョブ進捗326b、及びジョブ詳細326c(集合的に326)などの様々なオプションを含む。オプション326aは、管理ユーザが任意のジョブを削除することを可能にし、オプション326bは、管理ユーザが任意のリスト化されたジョブの進捗を見ることを可能にし、オプション326cは、管理ユーザがジョブキュー内のリスト化されたジョブの全ての詳細を閲覧することを可能にする。アプリケーション320は、234などのオフィスデバイスの電源をオフにするための、328として表示される電源オフオプションを更に含み、デバイス234を一時的に一時停止させるための、330として表示される一時停止オプションを含む。管理ユーザが電源オフオプション328を選択したとき、図3Dに示すような例示的なメッセージが管理ユーザに表示される。例示的なメッセージは、図3Dのスナップショット340内の「プリンタポリシーにより、外部組織からプリンタの電源をオフにすることはできません」(342として表示される)である。管理ユーザに示される別の例示的なメッセージは、図3Eのスナップショット350内の「申し訳ありません。仮想アクセス型プリンタの電源をオフにすることはできません。既存の非遠隔ユーザとの相違を回避するために遠隔でプリンタの電源をオフにすることを制限しています」(352として表示される)である。
【0049】
図2A及び図2Bでは、印刷ドライバ204及び遠隔プリンタアクセスアプリケーション224に関して考察されているが、場所識別及び距離計算は、それぞれ、場所決定及び分析モジュール208及び228によって実施される。しかしながら、(コンピューティングデバイス202、222、及び多機能デバイス214、234両方の)場所識別並びに距離計算は、例えば、VPNレベルで、すなわち、それぞれ図2A及び図2Bに示すようにVPNクライアント210及び230によって実施され得ることが理解される。例えば、VPNクライアント210は、既にソース及び宛先場所、すなわち、コンピューティングデバイス202及び多機能デバイス214の場所を有し得、これらの場所に基づいて、VPNクライアント210は距離を計算し、コンピューティングデバイス202が遠隔に位置しているかどうかを識別する。他の例では、VPNクライアント210は、多機能デバイス214の場所をリアルタイムで取得することができる。同様に、図2BのVPNクライアント230は、既にソース場所、すなわち、コンピューティングデバイス222及び宛先場所、すなわち多機能デバイス234を有し得、これらの場所に基づいて、VPNクライアント230は距離を計算し、コンピューティングデバイス222が遠隔に位置しているかどうかを識別する。他の例では、VPNクライアント230は、多機能デバイス234の場所をリアルタイムで取得することができる。これらはいくつかの例であるが、任意の既知の方法又は後に開発された方法を使用して、本開示の範囲を逸脱することなく、コンピューティングデバイス(202及び222)及び多機能デバイス(214及び234)の場所を決定/識別することができる。
例示的な方法フロー図
【0050】
図4は、遠隔作業環境で受信された1つ以上の要求を制御するための方法フロー図400である。402において、ユーザ又はコンピューティングデバイスからの少なくとも1つの要求が受信される。要求は、印刷要求又は多機能デバイス106などのオフィスデバイスの電源をオフにするための要求であり得る。印刷要求は、1つ以上の印刷属性とともに、文書を印刷するための印刷コマンド要求を含み、少なくとも1つの属性は、106などの宛先印刷デバイスである。考察を容易にするために、印刷要求又は多機能デバイス106の電源をオフにするための要求は、102などの同じコンピューティングデバイスから受信されると考えることができる。しかしながら、印刷要求又はデバイス106の電源をオフにするための要求は、異なるコンピューティングデバイスから受信することができ、したがって、これらのコンピューティングデバイスの場所が決定されて比較されることが理解される。同様に、印刷要求又はデバイス106の電源をオフにするための要求が同じ多機能デバイス106に対して考察される。しかしながら、印刷要求及びデバイスの電源をオフにするための要求は、異なる多機能デバイスに対するものであり得ることが理解される。したがって、これらの多機能デバイスの場所は、比較のためのものであると見なされる。印刷要求は、オフィスの任意のユーザから、又は管理ユーザから受信され得る。デバイス106の電源をオフにするための要求は、管理ユーザから受信され得る。
【0051】
要求に基づいて、404において事前定義された方法をリアルタイムで使用して、コンピューティングデバイスの場所を取得することによって、コンピューティングデバイスが遠隔に位置しているかどうかを確認する。コンピューティングデバイスの場所は、上で詳しく考察したように取得される。406において、コンピューティングデバイスの取得された場所は、多機能デバイスの場所と比較される。408において、比較に基づいて適切な行動のためにユーザインターフェースを介してユーザに対応するメッセージが提示される。例えば、ユーザからの要求が印刷要求に関する場合、文書を安全な印刷ジョブとして提出するために、ユーザインターフェースを介してリアルタイムでユーザにメッセージが表示される。別の例では、ユーザからの要求が多機能デバイスの電源をオフにすることに関する場合、多機能デバイスの電源をオフにしないように、ユーザインターフェースを介してユーザに警告メッセージが提示される。このようにして、方法400は、遠隔作業環境で受信された全ての要求を制御するか、又は扱う。例えば、方法400は、ユーザ/コンピューティングデバイスがオフィスから離れているときにジョブを保護するために、文書を安全な印刷ジョブとして提出するためにユーザにメッセージを最初に提示することによって印刷要求を制御し、かつ/又は文書を通常の印刷ジョブから安全な印刷ジョブに更に変換する。別の例では、方法400は、多機能デバイスの電源をオフにしないように管理ユーザに最初に警告することによって多機能デバイスの電源をオフにするための要求を制御し、かつ/又は管理ユーザが多機能デバイスの電源をオフにしないように更に却下する。
【0052】
図5は、遠隔印刷ジョブを保護するための例示的な方法フロー図500である。方法500は、図1Aのコンピューティングデバイス102、又は図2Aのコンピューティングデバイス202などのコンピューティングデバイスに実施され得る。しかしながら、方法500は、印刷ドライバなどを含む任意の同等のデバイスに実施することができる。
【0053】
最初に、ユーザは、印刷ドライバ104を通じて印刷コマンドを提出し、上で考察したように1つ以上の印刷属性を選択する。これとともに、印刷ドライバ104は、ジョブを印刷するために利用可能な1つ以上の多機能デバイスを表示する。ユーザは、印刷ドライバを通じて印刷するために106などの多機能デバイスを選択する。502において、ユーザからの印刷するための文書は、印刷属性、及び印刷するために多機能デバイス106の選択とともに受信される。
【0054】
選択された多機能デバイス106に印刷するための文書を提出する前に、コンピューティングデバイス102の場所は、504においてリアルタイムで取得される。場所は、GPSなどの事前定義された方法をリアルタイムで使用して取得される。これと同様に、選択された多機能デバイス106の場所は、コンピューティングデバイス102又は印刷ドライバ104に取得されている/既に知られている。次いで、506において、コンピューティングデバイス102の取得された場所は、選択された多機能デバイス106の場所と比較される。次に、コンピューティングデバイス102と選択された多機能デバイス106との間の距離は、これらの取得された場所に基づいて計算される。比較された場所の計算された距離の差異が、事前定義された値、例えば10KMよりも大きい場合、コンピューティングデバイス102がオフィス外に位置しているか、又は遠隔に位置していると判定される。したがって、508において、印刷ジョブを安全なジョブとして提出するためのメッセージがユーザのために生成され、ユーザに表示/提示される。通知は、ユーザがオフィス外で操作しており、したがって、ユーザがオフィスにいないときには文書を安全な印刷ジョブとして提出する必要があるという警報を出してユーザに気付かせる。ユーザからの応答に基づいて、通常の印刷ジョブは、通常の印刷から安全な印刷ジョブに直接かつ自動的に変換される。場合によっては、ユーザには、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに変換するためのオプションが提供される。ユーザは、オプションを選択し、通常の印刷ジョブから安全な印刷ジョブに印刷属性を手動で変更することができる。このようにして、方法500は、遠隔地から提出された印刷ジョブを保護し、コンピューティングデバイス102から提出された文書が安全な印刷ジョブであることを確実にする。
【0055】
方法500の目的のために、印刷要求は文書を含むと見なされ、文書に対して選択された印刷タイプ属性は、通常の印刷ジョブである。
【0056】
図6は、1つ以上の多機能デバイスを遠隔地から管理するための例示的な方法フロー図600である。方法600は、図1Bのコンピューティングデバイス112、又は図2Bのコンピューティングデバイス222などのコンピューティングデバイスに実装され得る。しかしながら、方法600は、遠隔プリンタアクセスアプリケーションなどを含む任意の同等のデバイスに実装することができる。
【0057】
遠隔プリンタアクセスアプリケーション114は、管理ユーザのコンピューティングデバイス112上で作動し、管理ユーザは、1つ以上のオフィスデバイスを遠隔地から管理することができる。例えば、管理ユーザは、多機能デバイス116にアクセスすることができる。ここでは、全ての多機能デバイスは、オフィス内に存在している。
【0058】
602において、1つ以上の多機能デバイスを遠隔地から管理し、これらにアクセスするために、ユーザインターフェースが管理ユーザに提供される。ここでは、1つ以上の多機能デバイスが、ローカルエリアネットワークを介して互いに通信可能に結合されている。簡単にするために、116などの単一の多機能デバイスが、フロー図600を考察すために考慮される。
【0059】
ブロック604において、1つ以上の多機能デバイスのうちの116などの少なくとも1つの多機能デバイスの電源をオフにするための要求が受信される。管理ユーザは、少なくとも多機能デバイス116を選択し、次いで、遠隔プリンタアクセスアプリケーションに含まれるオプションを選択して、デバイス116の電源をオフにする。
【0060】
要求に基づいて、選択された多機能デバイスの電源をオフにする前に、ブロック606において、コンピューティングデバイス112の場所がリアルタイムで取得される。場所は、GPSなどの事前定義された方法をリアルタイムで使用して取得される。これと同様に、選択された多機能デバイス116の場所が取得される/既に知られている。次いで、608において、コンピューティングデバイス112の取得された場所は、選択された多機能デバイス116の場所と比較される。次に、コンピューティングデバイス112と多機能デバイス116との間の距離は、これらの取得された場所に基づいて計算される。比較された場所の計算された差異が、事前定義された値、すなわち10KMよりも大きい場合、コンピューティングデバイス112がオフィス外に位置しているか、又は遠隔に位置していると判定される。
【0061】
次いで、610において、比較された場所の差異が事前定義された値を超える場合、ユーザインターフェースを介して警告メッセージが管理ユーザに表示される。警告メッセージは、少なくとも1つの多機能デバイス116の電源をオフにしないようにすることであり得る。場合によっては、管理ユーザは、遠隔プリンタアクセスアプリケーション114に含まれる電源オフオプションを無効にすることによって、選択された多機能デバイス116の電源をオフにすることを制限される。代替的に、管理ユーザは、多機能デバイス116の電源をオフにすることを却下される。他の場合では、電源オフオプションは、管理ユーザに対して一時的に無効にされる。このようにして、方法600は、多機能デバイスを遠隔で管理し、オフィス内に存在し得る他のユーザが多機能デバイス116を使用し続けることができることを確実にする。
【0062】
方法600は、管理ユーザが単一の多機能デバイスの電源をオフにするように要求するシナリオに関して考察されているが、方法600は、管理ユーザが複数の多機能デバイスの電源をオフにするように要求するときに実装することができる。このような場合、各多機能デバイスの場所が取得され、次いで、管理ユーザのコンピューティングデバイスの場所と比較される。比較に基づいて、管理ユーザは、各多機能デバイスに対する適切な行動のためのメッセージを提示される。例えば、管理ユーザは、多機能デバイス116の電源をオフにすることができない。また、管理ユーザは、多機能デバイスの電源をオフにすることを更に制限又は却下され得る。
【0063】
方法600は、電源オフ要求に関して考察されているが、方法600は、管理ユーザがデバイス116を一時停止させるように要求するときに実装することができる。
【0064】
図7では、ユーザ702がコンピューティングデバイスを使用して遠隔地(自宅など)で操作し、印刷するための文書を選択し、印刷するために704などのプリンタを更に選択するフロー図700を示す。このようにして、ユーザ702は、印刷(703として表示される)を進める。文書をプリンタ704に提出する前に、ユーザには、遠隔地から、離れて印刷することについて警報(705として表示される)が出される。次いで、ユーザは、安全な印刷ジョブ(706として表示される)又は通常の印刷ジョブ(708)など進めるために印刷タイプ情報を選択するように求められる。ユーザが安全な印刷ジョブオプション706を選択する場合、印刷は、安全な印刷ジョブとして処理される(709として表示される)。ユーザがオプション708を選択する場合、印刷ジョブは、通常の印刷ジョブとして処理される(711として表示される)。
例示的なオフィス環境
【0065】
本開示を実装するための例示的なユースケースシナリオが図8と併せて考察される。しかしながら、本開示は、その範囲を限定することなく、他のケースシナリオに対して実装され得ることが理解される。
【0066】
図8では、ユーザ802a、802b、802c(集合的に802)などの複数のユーザ、複数のコンピューティングデバイス804a、804b、並びに804c(集合的に804)、及び多機能デバイス810を示す、例示的なオフィス環境800を表す。ユーザ達の日々の作業などのために、ユーザ802aはコンピューティングデバイス804aを使用し、ユーザ802bはコンピューティングデバイス804bを使用し、ユーザ802cはコンピューティングデバイス804cを使用する。明確に示しているように、802a、802bなどの何人かのユーザは、オフィスで操作し、ローカルエリアネットワーク(LAN)を介して互いに接続されており、一方、ユーザ802cは、遠隔地、すなわちオフィス外で操作し、インターネット814を通じてVPNサーバ808を介してオフィスネットワークに接続されている。図示のように、ユーザ802a及び802b、及びLANの一部であるコンピューティングデバイス804a及び804bは、境界(812として表示される)によって示されている。更に、802cなどのユーザ及び遠隔に位置しているコンピューティングデバイス804cは、境界812の外側に示されている。
【0067】
典型的には、ユーザ802a及び802bが多機能デバイス810に印刷要求を提出するとき、ユーザ802a及び802bのそれぞれのコンピューティングデバイス804a及び804b上で作動する印刷ドライバは、コンピューティングデバイス804a及び804bがLANの一部であることを識別する。コンピューティングデバイス804a及び804bの印刷ドライバは、印刷するために、ユーザ802a及び802bのそれぞれの文書を多機能デバイス810に提出する。多機能デバイス810は文書を印刷し、ユーザ802a及び802bは、彼らのそれぞれの印刷された文書を収集する。しかしながら、ユーザ802cが文書を含む印刷要求を提出するとき、コンピューティングデバイス804c上で作動する印刷ドライバは、コンピューティングデバイス804cがローカルエリアネットワークの一部であるか、又は遠隔に位置しているかを確認する。確認に基づいて、印刷ドライバは、コンピューティングデバイス804cが遠隔に位置されていると識別し、印刷ドライバは、オフィス外にあるときの文書/印刷ジョブを安全な印刷ジョブとして提出するためにユーザ802cにメッセージを提示する。
【0068】
ユーザ802cが管理ユーザであり、多機能デバイス810の電源をオフにすることを試みる場合、コンピューティングデバイス804c上で作動する遠隔プリンタアクセスアプリケーションは、最初に、コンピューティングデバイス804c又は管理ユーザが遠隔に位置しているか、又はローカルエリアネットワークの一部であるかを確認する。確認に基づいて、遠隔印刷アプリケーションは、コンピューティングデバイス804cが遠隔に位置していることを識別する。次いで、アプリケーションは、ユーザ802cが多機能デバイス810の電源をオフにすることを制限する。このようにして、オフィス内にいる他のユーザ802a及び802bは、あらゆる障害なしで多機能デバイス810を使用するか、又はこれにアクセスし続けることができる。
【0069】
遠隔作業環境で受信された要求は、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに自動的に変換することによって、又は通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに変更するためにユーザにオプションを提供することによって制御することができる。同様に、オフィスデバイスの電源をオフにするための要求は、電源オフオプションを無効にするか、管理ユーザを制限することによって、又は管理ユーザがデバイスの電源をオフにすることを却下することによって制御することができる。
【0070】
本開示は、何人かのユーザがオフィスの場所で操作し、何人かのユーザが遠隔地で操作する任意の組織に対して実装することができる。本開示は、全てのユーザが遠隔地、すなわちオフィスの場所から離れた任意の場所で操作することができる任意の組織に対して実装することができる。
【0071】
本開示は、印刷要求又はプリンタなどのオフィスデバイスの電源をオフにするための要求など、遠隔作業環境におけるユーザの要求を扱うための方法及びシステムを開示する。本方法及びシステムは、ユーザが遠隔地から通常の印刷を提出するときに必要な警報/通知を生成し、印刷提出前にユーザの入力に基づいて、通常の印刷ジョブを安全な印刷ジョブに更に変換する。その結果、本方法及びシステムは、遠隔地、すなわちオフィス外から印刷ジョブを提出するときのセキュリティ問題を解決する。本方法及びシステムは、使いやすいアプローチ及び遠隔印刷を保護する効率的な方法を提供する。同様に、本方法及びシステムは、オフィスデバイスの電源を遠隔地からオフにすることを試みるときに、管理ユーザのための警報/通知を生成し、管理ユーザがデバイスの電源をオフにすることを更に却下にする。本方法及びシステムは、共通の機能にセキュリティを自動的に追加し、遠隔ユーザのセキュリティ層を更に追加する。本方法及びシステムは、オフィスから離れた印刷進行又はオフィスから離れた電源オフ要求に対して認識をもたらす。
【0072】
本方法が記載される順序は、限定として解釈されることを意図するものではなく、記載される方法ブロックの任意の数を、本方法又は代替の方法を実装するために任意の順序で組み合わせることができる。追加的に、本明細書に記載される主題の趣旨及び範囲から逸脱することなく、個々のブロックを本方法から削除することができる。更に、本方法は、任意の好適なハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせで実装され得る。しかしながら、説明を容易にするために、以下に記載される実施形態では、本方法は、上に記載されるシステム及び/若しくは機器並びに/又は任意の電子デバイス(図示せず)に実装されると考慮され得る。
【0073】
上記の説明は、様々な構成要素の製造又は設計の具体的な詳細を提供しない。当業者は、かかる詳細に精通しており、提示されるこれらの技法から逸脱しない限り、技法、既知の関連技術、又は今後開発される設計及び材料が用いられるべきである。当業者は、好適な製造及び設計の詳細を選ぶことができる。
【0074】
以下の考察全体を通して、サーバ、サービス、エンジン、モジュール、インターフェース、ポータル、プラットフォーム、又はコンピューティングデバイスから形成される他のシステムに関して多数の参照がなされ得ることに留意されたい。かかる用語の使用は、プロセッサ可読媒体とも称される、コンピュータ可読有形非一時的媒体に記憶されたソフトウェア命令を実行するように構成又はプログラムされた少なくとも1つのプロセッサを有する1つ以上のコンピューティングデバイスを表すものと見なされることを理解されたい。例えば、サーバは、記載される役割、責任、又は機能を果たす様式で、ウェブサーバ、データベースサーバ、又は他のタイプのコンピュータサーバとして動作する1つ以上のコンピュータを含み得る。本文書の文脈内で、開示されるデバイス又はシステムはまた、プロセッサと、デバイスに、デバイス又はシステムの特徴を制御、管理、又は別様に操作させる、プロセッサによって実行可能な命令を記憶する、非一時的メモリと、を有する、コンピューティングデバイスを備えると見なされる。
【0075】
本明細書の発明を実施するための形態のいくつかの部分は、中央処理ユニット(central processing unit、CPU)、CPU用メモリ記憶デバイス、及び接続された表示デバイスを含む、従来のコンピュータ構成要素によって実施されるデータビット上の動作のアルゴリズム及び記号表現に関して提示されている。これらのアルゴリズムの説明及び表現は、当業者の作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝達するために、データ処理分野の当業者によって使用される手段である。アルゴリズムは、一般に、所望の結果をもたらす、自己整合性のある工程の順序として理解される。工程は、物理的量の物理的操作を必要とするものである。概して、必ずしもそうではないが、これらの量は、記憶、転送、組み合わせ、比較、及び別様に操作することができる電気信号又は磁気信号の形態をとる。主に一般的な使用の理由から、これらの信号をビット、値、要素、記号、文字、用語、数字などと称することが時として好都合であることが証明されている。
【0076】
しかしながら、これら及び同様の用語の全ては、適切な物理的量に関連付けられるものであり、これらの量に適用される好都合なラベルに過ぎないことを理解されたい。別様に具体的に明記されていない限り、本明細書の考察から明らかなように、説明全体を通して、「受信する」、「印刷する」、「制御する」、「扱う」、「生成する」、「提示する」、「表示する」などのような用語を利用する考察は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理的(電子的)量として表されるデータを、コンピュータシステムのメモリ若しくはレジスタ内の物理的量として同様に表される他のデータに操作及び変換するコンピュータシステム若しくは同様の電子コンピューティングデバイス、又は他のこのような情報の記憶デバイス、送信デバイス、若しくは表示デバイスの働き及び処理を指すことが理解される。
【0077】
例示的な実施形態はまた、本明細書で考察される動作を実施するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築され得るか、又はコンピュータに記憶されたコンピュータプログラムによって選択的に起動若しくは再構成される汎用コンピュータを備え得る。かかるコンピュータプログラムは、限定はされないが、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、及び磁気光ディスクを含む任意のタイプのディスク、読み取り専用メモリ(read-only memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、又は電子命令を記憶するために好適な任意のタイプの媒体などの、各々がコンピュータシステムバスに連結されたコンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。
【0078】
本明細書に提示されるアルゴリズム及びディスプレイは、いかなる特定のコンピュータ又は他の装置にも本質的に関連しない。様々な汎用システムは、本明細書の教示に従ってプログラムで使用され得るか、又は本明細書に記載される方法を実施するために、より特殊な装置を構築することが便利であることを証明し得る。様々なこれらのシステムの構造は、上記の説明から明らかである。加えて、例示的な実施形態は、任意の特定のプログラミング言語を参照して記載されていない。様々なプログラミング言語を使用して、本明細書に記載される例示的な実施形態の教示を実装することができることが理解されよう。
【0079】
本明細書全体を通して例示される方法は、コンピュータ上で実行され得るコンピュータプログラム製品内に実装され得る。コンピュータプログラム製品は、ディスク、ハードドライブなどのような制御プログラムが記録された非一時的コンピュータ可読記録媒体を含み得る。非一時的コンピュータ可読媒体の一般的な形態としては、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、若しくは任意の他の磁気記憶媒体、CD-ROM、DVD、若しくは任意の他の光媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、又は他のメモリチップ若しくはカートリッジ、又は内部からコンピュータが読み出すことができ、かつ使用することができる任意の他の有形媒体が挙げられる。
【0080】
代替的に、本方法は、制御プログラムが、電波及び赤外線データ通信などの間に生成されるものなどの音波又は光波などの伝送媒体を使用するデータ信号として具現化される伝送可能な搬送波などの一時的媒体で実装され得る。
【0081】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、本開示を限定することを意図するものではない。上に開示される並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物のうちのいくつかは、他のシステム又は用途に組み合わされ得ることが理解されよう。以下の特許請求の範囲に包含されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、当業者によって、本明細書の様々な現在不測の若しくは予期されない代替例、修正例、変形例、又は改善例がその後に行われてもよい。
【0082】
当初提示された、及び補正され得る特許請求の範囲は、現在、予想又は認識されないもの、並びに、例えば、出願人/特許権者及び他の者から生じ得るものを含む、本明細書に開示される実施形態及び教示の変形、代替、修正、改善、等価物、及び実質的な等価物を包含する。
【0083】
上記で開示されたものの変形、並びに他の特徴及び機能、又はこれらの代替物が、多くの他の異なるシステム又は用途に組み合わされ得ることは、理解されるであろう。様々な現在予期されていない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、その後に当業者によってなされてもよく、それらも以下の特許請求の範囲によって包含されることを意図している。

図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図4
図5
図6
図7
図8