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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140331
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】多方向性ワークアウトホイール装置
(51)【国際特許分類】
   A63B 22/20 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
A63B22/20
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022031092
(22)【出願日】2022-03-01
(31)【優先権主張番号】110108800
(32)【優先日】2021-03-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】522080591
【氏名又は名称】▲景▼昌實業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100142077
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 真之
(72)【発明者】
【氏名】許文宗
(57)【要約】      (修正有)
【課題】単純な部材により作製され、且つ容易に開始及び停止可能な多方向性ワークアウトホイール装置を提供する。
【解決手段】ワークアウトホイール装置は、ベースフレーム20、トップカバー21及び滑走機構を備える。前記ベースフレームは、筐体及び前記筐体に形成された複数のスルーホールを有する。前記トップカバーは、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記スルーホールと整列するドーム構造を有する。前記滑走機構は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記ドーム構造に収容されると共に前記スルーホールから部分的に突出する多方向性回転部材22を有する。前記カバーボディ上に付加された圧力に応じて、前記ドーム構造が前記多方向性回転部材に接触することで両者の間に摩擦を引き起こし、その摩擦が、前記カバーボディ上に付加される力により変化する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースフレーム、トップカバー及び滑走機構を備えたワークアウトホイール装置であって、
前記ベースフレームは、筐体及び前記筐体に形成された複数のスルーホールを有し、
前記トップカバーは、複数のドーム構造が設けられたカバーボディを有し、前記ドーム構造の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに前記スルーホールの1つと整列し、
前記滑走機構は、複数の多方向性回転部材を有し、前記多方向性回転部材の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記ドーム構造の1つに収容されると共に前記スルーホールの1つから部分的に突出し、
前記カバーボディ上にユーザによって付加された圧力に応じて、前記ドーム構造が前記多方向性回転部材に接触することで両者の間に特定レベルの摩擦を引き起こし、前記ドーム構造と前記多方向性回転部材との間の摩擦が、前記カバーボディ上に付加される力の強度、方向及び/又は力点により変化することを特徴とするワークアウトホイール装置。
【請求項2】
前記ドーム構造の各々は、共通の最上部中心から放射状に伸長すると共に前記多方向性回転部材の1つを受けるように適応されたサイズを持つ湾曲リブのセットを有することを特徴とする請求項1に記載のワークアウトホイール装置。
【請求項3】
前記複数の多方向性回転部材の各々は、少なくともボールを有することを特徴とする請求項2に記載のワークアウトホイール装置。
【請求項4】
前記複数のスルーホールの各々は、大きな上部開口と小さな下部開口を持つようにテーパ状の壁により画定され、前記ボールが前記ベースフレームから脱落すること無く前記スルーホール内で自由に回転可能となるように、前記下部開口の直径が、前記スルーホール内に収容された前記ボールの直径よりも僅かに小さくなっていることを特徴とする請求項3に記載のワークアウトホイール装置。
【請求項5】
前記トップカバーは、前記ワークアウトホイール装置を確実に掴んで安定に操作するために、前記カバーボディの上側にユーザの指が置かれるように設けられた複数の凹部を有し、前記複数の凹部の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記多方向性回転部材の1つと整列することを特徴とする請求項4に記載のワークアウトホイール装置。
【請求項6】
ベースフレーム、第1のトップカバー、第2のトップカバー及び滑走機構を備えたワークアウトホイールキットであって、
前記ベースフレームは、筐体及び前記筐体に形成された複数のスルーホールを有し、
前記第1及び第2のトップカバーの1つは、前記ベースフレームに対して着脱可能に組み付けられ、前記第1及び第2のトップカバーの各々は、複数のドーム構造が設けられたカバーボディを有し、前記ドーム構造の各々は、前記第1又は第2のトップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに前記スルーホールの1つと整列し、
前記滑走機構は、複数の多方向性回転部材を有し、前記多方向性回転部材の各々は、前記第1又は第2のトップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記第1又は第2のトップカバーのドーム構造の1つに収容されると共に前記スルーホールの1つから部分的に突出し、
前記第1のトップカバーのカバーボディ上に圧力が付加されて、前記第1のトップカバーのドーム構造が前記多方向性回転部材に接触するように押されたときに第1のレベルの摩擦が引き起こされ、前記第2のトップカバーのカバーボディ上に同じ圧力が付加されて、前記第2のトップカバーのドーム構造が前記多方向性回転部材に接触するように押されたときに前記第1のレベルの摩擦とは異なる第2のレベルの摩擦が引き起こされることを特徴とするワークアウトホイールキット。
【請求項7】
ベースフレーム、トップカバー、第1の滑走機構及び第2の滑走機構を備えたワークアウトホイールキットであって、
前記ベースフレームは、筐体及び前記筐体に形成された複数のスルーホールを有し、
前記トップカバーは、複数のドーム構造が設けられたカバーボディを有し、前記ドーム構造の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに前記スルーホールの1つと整列し、
前記第1及び第2の滑走機構の1つは、前記ベースフレームと前記トップカバーとの間に着脱可能に設置され、前記第1及び第2の滑走機構は、それぞれ第1のセットの多方向性回転部材及び第2のセットの多方向性回転部材を有し、前記第1のセット又は第2のセットの多方向性回転部材の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記ドーム構造の1つに収容されると共に前記スルーホールの1つから部分的に突出し、
前記カバーボディ上に圧力が付加されて、前記ドーム構造が前記第1のセットの多方向性回転部材に接触するように押された場合には第1のレベルの摩擦が引き起こされ、前記カバーボディ上に同じ圧力が付加されて、前記ドーム構造が前記第2のセットの多方向性回転部材に接触するように押された場合には、前記第1のレベルの摩擦とは異なる第2のレベルの摩擦が引き起こされることを特徴とするワークアウトホイールキット。




【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークアウトホイール装置に関し、特に、多方向性ワークアウトホイール装置に関する。また、本発明は、ワークアウトホイールキット、特に、摩擦制御のために置換可能な部材を備えたワークアウトホイールキットに関する。
【背景技術】
【0002】
忙しくてジムに行けない人や限られた居住空間しか持たない人にとって、例えば、トレッドミル、ダンベル、エクセサイズバイクといった家庭用の小型フィットネス装置が、近年、益々人気になってきている。図1に示すフィットネスホイールも、家庭用で人気のあるフィットネス装置の1つである。このフィットネスホイールは、作業面又は傾斜に置かれるホイールボディ13を備え、ユーザは、第1のグリップエンド11及び第2のグリップエンド12を個々の手で掴んでフィットネスホイールを保持する。使用に際して、膝立ち又は腹臥位となったユーザは、作業面又は傾斜でフィットネスホイールが前後に滑走するようにフィットネスホイールを前後方に押引する。ホイールボディ13が、作業面又は傾斜に対して特定の摩擦係数を持つので、ユーザは、例えば、腹部、ウエスト、ヒップ、腕の筋肉といった身体の特定部分の筋肉を使って特定レベルの力を発揮する必要があり、これにより、筋持久力が高められる。しかしながら、このようなフィットネスホイールは、直線的にしか滑走できないので多様な筋肉をトレーニングするには不向きであり、また、日常的に使用するには退屈である。
【0003】
CN 205850104は、更なるワークアウトプログラムを提供するフィットネスホイールを開示している。このフィットネスホイールは、多様な方向に滑走するために、作業面又は傾斜において多方向に回転可能なボールを利用している。但し、膝立ち又は腹臥位となったユーザにとって、回転するボールを物理的に停止させてフィットネスホイールを引き戻すのはきつい動作であることは理解できるであろう。そこで、従来技術は、作業面又は傾斜からボールを持ち上げ、これにより、作業面又は傾斜でのフィットネスホイールの滑走を停止させる独立ブレーキ機構を利用している。しかしながら、従来技術は、少なくとも2つの難点を有する。まず、追加のブレーキ機構は、構成を複雑にする上にコスト高を招く。更に、ユーザは、ワークアウト中にブレーキ機構を操作するために一方の手をフリーにする必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明は、単純な部材により作製され、且つ容易に開始及び停止可能な多方向性ワークアウトホイール装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様では、ワークアウト装置は、ベースフレーム、トップカバー及び滑走機構を備え、:前記ベースフレームは、筐体及び前記筐体に形成された複数のスルーホールを有し、:前記トップカバーは、複数のドーム構造が設けられたカバーボディを有し、前記ドーム構造の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに前記スルーホールの1つと整列し、:前記滑走機構は、複数の多方向性回転部材を有し、前記多方向性回転部材の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記ドーム構造の1つに収容されると共に前記スルーホールの1つから部分的に突出する。前記カバーボディ上にユーザによって付加された圧力に応じて、前記ドーム構造が前記多方向性回転部材に接触することで両者の間に特定レベルの摩擦を引き起こし、前記ドーム構造と前記多方向性回転部材との間の摩擦が、前記カバーボディ上に付加される力の強度、方向及び/又は力点により変化する。
【0006】
本発明の別の態様では、ワークアウトホイールキットは、ベースフレーム、第1のトップカバー、第2のトップカバー及び滑走機構を備え、:前記ベースフレームは、筐体及び前記筐体に形成された複数のスルーホールを有し、:前記第1及び第2のトップカバーの1つは、前記ベースフレームに対して着脱可能に組み付けられ、前記第1及び第2のトップカバーの各々は、複数のドーム構造が設けられたカバーボディを有し、前記ドーム構造の各々は、前記第1又は第2のトップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに前記スルーホールの1つと整列し、:前記滑走機構は、複数の多方向性回転部材を有し、前記多方向性回転部材の各々は、前記第1又は第2のトップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記第1又は第2のトップカバーのドーム構造の1つに収容されると共に前記スルーホールの1つから部分的に突出する。前記第1のトップカバーのカバーボディ上に圧力が付加されて、前記第1のトップカバーのドーム構造が前記多方向性回転部材に接触するように押されたときに、第1のレベルの摩擦が引き起こされる。一方、前記第2のトップカバーのカバーボディ上に同じ圧力が付加されて、前記第2のトップカバーのドーム構造が前記多方向性回転部材に接触するように押されたときに、前記第1のレベルの摩擦とは異なる第2のレベルの摩擦が引き起こされる。
【0007】
本発明の更に別の態様では、ワークアウトホイールキットは、ベースフレーム、トップカバー、第1の滑走機構及び第2の滑走機構を備え、:前記ベースフレームは、筐体及び前記筐体に形成された複数のスルーホールを有し、:前記トップカバーは、複数のドーム構造が設けられたカバーボディを有し、前記ドーム構造の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに前記スルーホールの1つと整列し、:前記第1及び第2の滑走機構の1つは、前記ベースフレームと前記トップカバーとの間に着脱可能に設置され、前記第1及び第2の滑走機構は、それぞれ第1のセットの多方向性回転部材及び第2のセットの多方向性回転部材を有し、前記第1のセット又は第2のセットの多方向性回転部材の各々は、前記トップカバーが前記ベースフレームに組み付けられたときに、前記ドーム構造の1つに収容されると共に前記スルーホールの1つから部分的に突出する。前記カバーボディ上に圧力が付加されて、前記ドーム構造が前記第1のセットの多方向性回転部材に接触するように押された場合には第1のレベルの摩擦が引き起こされ、:前記カバーボディ上に同じ圧力が付加されて、前記ドーム構造が前記第2のセットの多方向性回転部材に接触するように押された場合には、前記第1のレベルの摩擦とは異なる第2のレベルの摩擦が引き起こされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明の上記内容は、以下の詳細な記載及び添付の図面を参照することで当業者には容易に明確になるであろう。
図1】従来のフィットネスホイールを示す模式図。
図2A】本発明の一実施形態に係る多方向性ワークアウトホイール装置の部分分解図。
図2B図2Aに示した多方向性ワークアウトホイール装置のベースフレームの上面斜視図。
図2C図2Aに示した多方向性ワークアウトホイール装置のベースフレームの下面図。
図2D図2Aに示した多方向性ワークアウトホイール装置のトップカバーの上面斜視図。
図2E図2Aに示した多方向性ワークアウトホイール装置の操作法を示す概略図。
図2F図2Aに示した多方向性ワークアウトホイール装置のトップカバーの下面図。
図3A図2Aに示した多方向性ワークアウトホイール装置のトップカバーの下面斜視図。
図3B図3Aに示したトップカバーへのボール設置を示す概略図。
図3C】組み付けられた図2Aの多方向性ワークアウトホイール装置の下面斜視図。
図3D】本発明の別の実施形態に係る多方向性ワークアウトホイール装置の下面斜視図。
図4】2つのワークアウトホイール装置の同時使用を示す概略図。
図5】保管のために積み重ねられた2つのワークアウトホイール装置を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、以下の実施形態を参照してより具体的に記載される。本発明の好ましい実施形態に関する以下の記載は、例示及び記載の目的のためだけに提示されることに留意すべきである。本発明は、開示されたそのままの形態に徹底又は限定されるものではない。
【0010】
図2Aは、多方向性ワークアウトホイール装置を模式的に示している。このワークアウトホイール装置は、ベースフレーム20及びトップカバー21から成るメインボディと、複数の多方向性回転部材22から成る滑走機構と、を備える。必須ではないが好ましくは、トップカバー21の輪郭はベースフレーム20の輪郭と一致し、メインボディは対称に形成される。そして、多方向性回転部材22は、ベースフレーム20とトップカバー21との間に設けられ、メインボディがバランス良く安定となるように均等に配置されている。本実施形態では、複数の多方向性回転部材22は、実質的にメインボディの角部に設置されている。或いは、多方向性回転部材は、角部以外の適切な位置に設置されてもよい。また、1つの多方向性回転部材を、例えば、メインボディの中心に設置することも可能である。このような構成において、当業者にとって周知の更なる部材が、装置のバランス化又は安定化のために任意に設けられ得る。更に、各々の多方向性回転部材は、図2Aに示すように1つのボール又はボールセット(不図示)を有し得る。図2Aに示す実施形態では、メインボディは三角形様形状を有し、3つのボールがそれぞれメインボディの3つの角部に配されている。ボールの代わりに他の回転可能な構造体が、ユーザの制御下において多方向に回転可能である限り、多方向性回転部材として用いられ得る。
【0011】
本実施形態では、ベースフレーム20、トップカバー21及びボール22が、良好な機械特性を持つ高強度工業プラスチックにより形成され得る。例えば、ベースフレーム20及びトップカバー21は、ポリプロピレン(PP)により形成され、比較的滑らかなボール22は、ポリエチレン(PE)により形成される。
【0012】
図2B及び2Cは、それぞれベースフレーム20の上面及び下面を概略的に示している。図2Bに示すように、ベースフレーム20は、筐体201と、3つのボール22を収容するために筐体201の3つの角部に均等に配置された3つのスルーホール202と、を有する。各々のスルーホール202の大きさは、スルーホール202の内部でボール22が自由に回転するのに十分大きく、且つスルーホール202からボール22が脱落しないように十分小さい。例えば、スルーホール202が円形の場合、各々のスルーホール202の直径は、スルーホール202に収容されるボール22の直径よりも僅かに小さい。図2Aに示した具体的な例示実施形態では、各々のスルーホール202は、テーパ状の壁2020により画定されている。すなわち、スルーホール202が大きな上部開口2021と小さな下部開口2022を持ち、下部開口2022の直径がスルーホール202に収容されるボール22の直径よりも僅かに小さくなるように、周囲の壁2020は傾斜している。このようにすることで、ボール22は、ベースフレーム20から脱落すること無く、スルーホール202内で自由に回転可能となる。本実施形態では、スルーホール202は、部分的に切り取られた逆円錐状に形成されている。或いは、スルーホール202は、三角錐、四角錐、五角錐、六角錐等の部分的に切り取られた逆錐体状に形成されてもよい。
【0013】
上記実施形態において各々のスルーホール202の直径は、スルーホール202内にボール22を保持するため、スルーホール202に収容されるボール22の直径よりも僅かに小さい。しかしながら、スルーホール202内にボール22を保持する封じ込め機構がスルーホール202に設けられているのであれば、スルーホール202の直径を対応するボール22の直径より大きくすることも可能である。封じ込め機構は、例えば、スルーホール202の壁から内方に突出して柔軟性を有する部材や、スルーホール202の壁に設置された環状のブラシにより実施され得る。環状のブラシは、回転するボール22を清掃するのにも役立つ。
【0014】
更に、筐体201は、筐体201のベースプレート2000と一体に形成され、且つ筐体201を強化するよう適切に配置された複数の支持リブ2010を有する。筐体201は、トップカバー21の対応する係合部2111と係合するため、ベースプレート2000と一体に形成された複数の係合部2011を更に有する。係合部2011、2111は、例えば、ネジ(不図示)により互いに接続されるネジ穴である。
【0015】
図2D、2E、2Fは、ベースフレーム20に組み付けられたトップカバー21の上面及び下面構成を概略的に示している。トップカバー21は、カバーボディ211及び複数の凹部212を有する。凹部212は、トップカバー21の曲げ強度を増強するためにカバーボディ211の上面に形成されている。更に、使用時にユーザは、ワークアウトホイールを確実に掴んで安定に操作するために、手の平でカバーボディ211を保持し、指を凹部212に置く(図2E参照)。また、図2Fに示すように、カバーボディ211は、下面側でカバーボディ211のベースフレーム2100と一体に形成され、且つカバーボディ211を強化するように適切に配置された複数の支持リブ2110を有する。また、カバーボディ211は、上述したようにベースフレーム20の対応する係合部2011と係合するための複数の係合部2111と、トップカバー21がベースフレーム20に組み付けられたときにスルーホール202と整列する3つのドーム構造2112と、を更に有する。ドーム構造2112の1つと対応するスルーホール202の1つとの間のスペースに、3つのボール22の1つが収容及び封じ込められる。
【0016】
ドーム構造2112を明確に示すため、図3Aではトップカバー21が反転されている。本実施形態では、各々のドーム構造2112は、下面側でベースプレート2100と一体に形成され、且つ共通の最上部中心から放射状に伸長した湾曲リブ21120のセットを有し、図3Bに示すように、ボール22の1つを受けるように適応されたサイズを持つ。操作状態においてボール22は、図3Cに示すように、作業面又は傾斜に対して回転可能に接触するように、対応するスルーホール202から部分的に突出している。図3Cは、ネジ300によって係合部2111と接続される係合部2011を更に示している。係合部としてのネジ及びネジ穴の使用は、単に図示のための例であることに留意すべきである。ボルトやほぞ継ぎのような他の適切な係合部も使用可能である。更に、係合部2011、2111の位置及び数は、係合部2011、2111が堅固に係合し得る限り、実際の条件に従って変更可能である。図3Cに示した例では、各々2対の係合部2011、2111から成る3セットの係合部が、ベースプレート20とトップカバー21とを組み付けるのに用いられている。図3Dは、係合部のバリエーションを例示しており、3対の係合部2011、2111がそれぞれ3つの頂部近傍に配置されている。
【0017】
ワークアウトホイール装置が作業面又は傾斜に置かれると、ボール22は、スルーホール202の下部開口2022から部分的に飛び出している。そして、ユーザが手の平でワークアウトホイール装置を保持してトップカバー21を下方に押し付けると、湾曲リブ21120の下部表面211200がボール22の外表面と接触して、湾曲リブ21120とボール22との間で摩擦が生じる。そのため、ユーザは、ホイール装置を前後に移動させるには摩擦力を超える力を付加する必要があり、これにより、運動するという目的が達成される。次いで、ユーザの手によりトップカバー21上に付加される力の方向及び/又は強度をマニュアルで変化させることにより、湾曲リブ21120とボール22との間及びボール22と作業面又は傾斜との間の摩擦レベルが変化し得る。更に、異なるボール-ドームペアで生じる摩擦は、ユーザの手によりトップカバー21上に付加される力点を変化させることで局所的に調整可能となっている。例えば、最外部のボール-ドームペアに対して適切な強度の後方及び下方への力を付加することにより、ブレーキ手段を設けること無くボール22の回転を止めることができる。
【0018】
上記目的を達成するため、3つのボール-ドームペアに対して圧力が実質的に均等に付加されたときに、ドーム構造とボールとの間の摩擦がボール22の回転を阻害しないよう、ワークアウトホイール装置は適切な材料で作製されることが望まれる。一方、ユーザが、特定のボール22の回転を止めて装置全体の滑走を止めるために対応するボール-ドームペアを強く押すように力ベクトルを調節したときに、3つのボール-ドームペアのうち特定の1つで生じた摩擦は、局所的に増加可能となっている。
【0019】
本発明の別の態様により、ベースフレーム20と、ボール22のセットと、各々ベースフレーム20のサイズに適合したサイズを持つ複数の置換可能なトップカバー21と、を備えたワークアウトホイールキットが与えられ得る。複数のトップカバー21は、似た構造を持つが、湾曲リブ21120又はトップカバー21全体の材料、数及び/又は総面積が異なる。異なる材料は、ボール22に対して異なる摩擦を引き起こす。必要とされる摩擦レベルによって、トップカバー21の中から適切な1つが、ベースフレーム20との組み付けに選択される。或いは、本発明により、ベースフレーム20と、トップカバー21と、複数のボール22のセットと、を備えたワークアウトホイールキットが与えられ得る。複数のボール22のセットは、トップカバー21の湾曲リブ21120に対して異なる摩擦を持つように異なる材料で構成されている。必要とされる摩擦レベルによって、複数のボール22のセットの中から適切な1つが、ベースフレーム20とトップカバー21との間で用いられるように選択される。
【0020】
図4に示すように、一般的に、2つのワークアウトホイール装置41、42が同時に使用される。すなわち、ユーザは、膝立ち又は腹臥位となり、自身の2本の手それぞれで2つのワークアウトホイール装置41、42を保持して操作する。本発明に係るワークアウトホイール装置は、ボールの自由回転特性により多様な方向に移動可能となっているので、種々の身体部分や筋肉を選択的に鍛えることができる。ところで、図5に示すように、2つのワークアウトホイール装置41、42は保管のために積み重ねられ、積み重ねを安定に維持するために2つのワークアウトホイール装置41、42の間に柔らかい滑り止め材43が置かれてもよい。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5
【外国語明細書】