(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140363
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】フルボ酸の製造方法、フルボ酸の製造装置及び腐植土の製造方法
(51)【国際特許分類】
C05F 11/02 20060101AFI20220915BHJP
C12P 7/40 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
C05F11/02
C12P7/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022034985
(22)【出願日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】P 2021040587
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518356844
【氏名又は名称】neten株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】七沢 賢治
(72)【発明者】
【氏名】嘉島 康二
(72)【発明者】
【氏名】西村 知浩
【テーマコード(参考)】
4B064
4H061
【Fターム(参考)】
4B064AD21
4B064CA01
4B064CC01
4B064CD24
4B064DA11
4H061AA02
4H061CC17
4H061CC32
4H061CC43
4H061CC58
4H061EE02
4H061EE14
4H061EE16
4H061EE44
4H061EE52
4H061GG19
4H061GG21
4H061GG48
4H061GG62
(57)【要約】
【課題】フルボ酸又はその原料になる腐植土を効率よく入手する。
【解決手段】内部を所定の温度で真空状態に保つことのできる真空減圧乾燥機2と、タンパク源をベースとした有機物6と、破砕鉱物7と、純水8と、鉄イオン溶液9とを準備し、真空減圧乾燥機2に有機物6と、破砕鉱物7と、純水8と、鉄イオン溶液9とを投入し、真空減圧乾燥機2を所定温度に保ち、所定時間放置した後、真空引きして乾燥させ、乾燥工程を所定日数繰り返し行い、腐植土10を生成する。そして、低周波振動発生装置3が装着された容器12に腐植土10及び水13を含むフルボ酸原料を投入し、低周波振動発生装置3によって振動を加えて原料を容器12の内部で熟成させ、容器の上澄みからフルボ酸を抽出する。熟成工程において、低周波振動発生装置3に非周期の連続信号を加えて低周波振動を発生させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1Hz以上の周波数において異なる基本周期からなる1周期のアナログ波形の中から基本周期差のある上記アナログ波形同士を基本周期の短いものから長いもの、又は基本周期の長いものから短いもののいずれかの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号を生成する信号生成工程と、
低周波振動発生装置が装着された容器に腐植土及び水を含むフルボ酸原料を投入するフルボ酸原料投入工程と、
低周波振動を発生させる上記低周波振動発生装置に上記非周期の連続信号を加え、低周波振動を加えて上記フルボ酸原料を上記容器の内部で熟成させる熟成工程と、
上記容器の上澄みからフルボ酸を抽出する抽出工程とを含む
ことを特徴とするフルボ酸の製造方法。
【請求項2】
1Hz以上の周波数において異なる基本周期からなる1周期のアナログ波形の中から基本周期差のある上記アナログ波形同士を基本周期の短いものから長いもの、又は基本周期の長いものから短いもののいずれかの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号を生成する信号生成工程と、
内部を所定の温度で真空状態に保つことのできる真空減圧乾燥機と、タンパク源をベースとした有機物と、破砕鉱物と、純水と、鉄イオン溶液とを準備する準備工程と、
上記真空減圧乾燥機に上記有機物と、上記破砕鉱物と、上記純水と、上記鉄イオン溶液とを投入する腐植土原料投入工程と、
上記真空減圧乾燥機を所定温度に保ち、所定時間放置する放置工程と、
真空引きして乾燥させる乾燥工程と、
上記乾燥工程を所定日数繰り返し行い、腐植土を生成する繰り返し工程と、
低周波振動発生装置が装着された容器に上記腐植土及び水を含むフルボ酸原料を投入するフルボ酸原料投入工程と、
低周波振動を発生させる上記低周波振動発生装置に上記非周期の連続信号を加え、低周波振動を加えて上記フルボ酸原料を上記容器の内部で熟成させる熟成工程と、
上記容器の上澄みからフルボ酸を抽出する抽出工程とを含む
ことを特徴とするフルボ酸の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフルボ酸の製造方法であって、
上記フルボ酸原料投入工程において、食品添加用セラミックを添加する
ことを特徴とするフルボ酸の製造方法。
【請求項4】
請求項3に記載のフルボ酸の製造方法であって、
上記食品添加用セラミックは、牡蠣殻80質量%以上、酸化マグネシウム18質量%未満、ゼオライト0.5質量%未満のものよりなる
ことを特徴とするフルボ酸の製造方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のフルボ酸の製造方法であって、
上記熟成工程において、上記容器の内部を40℃以上50℃以下に保つ
ことを特徴とするフルボ酸の製造方法。
【請求項6】
低周波振動発生装置が装着された容器と、
上記低周波振動発生装置に対し、1Hz以上の周波数において異なる基本周期からなる1周期のアナログ波形の中から基本周期差のある上記アナログ波形同士を基本周期の短いものから長いもの、又は基本周期の長いものから短いもののいずれかの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号を加える非周期連続信号発生装置とを備え、
上記容器に腐植土及び水を含む原料が投入された状態で上記低周波振動発生装置に上記非周期の連続信号を加え、低周波振動を加えることで上記原料が上記容器の内部で熟成され、該容器の上澄みからフルボ酸が抽出されるように構成されている
ことを特徴とするフルボ酸の製造装置。
【請求項7】
内部を所定の温度で真空状態に保つことのできる真空減圧乾燥機と、タンパク源をベースとした有機物と、破砕鉱物と、純水と、鉄イオン溶液とを準備する準備工程と、
上記真空減圧乾燥機に上記有機物と、上記破砕鉱物と、上記純水と、上記鉄イオン溶液とを投入する腐植土原料投入工程と、
上記真空減圧乾燥機を所定温度に保ち、所定時間放置する放置工程と、
真空引きして乾燥させる乾燥工程と、
上記乾燥工程を所定日数繰り返し行い、腐植土を生成する繰り返し工程とを含む
ことを特徴とする腐植土の製造方法。
【請求項8】
請求項7に記載の腐植土の製造方法であって、
上記有機物は、アミノ酸を含み、上記破砕鉱物は、赤玉土、礫、砂利又は粘土である
ことを特徴とする腐植土の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載の腐植土の製造方法であって、
上記アミノ酸を含む有機物と上記赤玉土、礫、砂利又は粘土の質量比は、25:4で、加える純水と鉄イオン溶液の体積比は、100:5.5である
ことを特徴とする腐植土の製造方法。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか1つに記載の腐植土の製造方法であって、
上記放置工程及び上記乾燥工程において、上記真空減圧乾燥機の内部を50℃以上60℃以下に保つ
ことを特徴とする腐植土の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フルボ酸の製造方法、フルボ酸の製造装置及び腐植土の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フルボ酸は、数百万年前もの太古に、命を終えた動植物や海草、植物などが堆積され、長い年月をかけて、現代において、それらを微生物が発酵及び分解してできた最終生成物である。フルボ酸は、物質同士を分離させ、抽出する力や、有害物質を排出しやすい形に変えて排出したり、吸収されにくい成分を吸収されやすい形に変えたりする、優れた「キレート作用」があり、取り入れることで体内ミネラルバランスを整えることが知られている。フルボ酸は、体を酸化させる物質を効果的に排出して内部を浄化するため、元気やわかわかしさをサポートするとして、健康及び美容方面においても高い注目を浴びている。
【0003】
このようなフルボ酸又はその原料になる腐植を人工的に製造する方法として、例えば、特許文献1のように、極強酸性の有機酸である木酢液又は竹酢液に木、草、残滓等の未分解の有機物を漬け込むことによってフルボ酸を抽出する前の原料となる腐植液を製造することが知られている。
【0004】
また、特許文献2のように、内部に閉鎖可能な処理空間を有する密閉容器と、この密閉容器内に高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段と、開閉機構を有し、密閉容器内に原料を供給するための供給部と、開閉機構を有し、蒸気による原料の処理により生成された処理液を外部に排出するための排出部とを備えた処理装置が知られている。この処理装置の密閉容器の処理空間内に、供給部から、主原料として木材チップを含有する原料を投入する原料投入工程、温度が120~250℃で、圧力が12~35atmの蒸気を、原料が投入されている処理空間内に導入しつつ、原料を撹拌しながら、原料を亜臨界水反応処理して、フルボ酸とフミン酸と木材のチップ及び/又はその破片の懸濁物を含有する混合溶液を得る処理工程、及び、取得した混合溶液から、フルボ酸を分離して、フルボ酸溶液を取得するフルボ酸溶液取得工程を備えたフルボ酸溶液の製造方法が知られている。
【0005】
さらに特許文献3のように、1L(1000cc)の蒸留水に、1gの塩化第二鉄、0.3gの硫酸水素ナトリウムを入れた水溶液を作る第1工程と、この第1工程で得た水溶液を加圧容器に入れて、300kg/cm2の圧力をかけながら、20~30℃に保温して20日放置する第2工程と、この第2工程で得た溶液1Lを蒸留水で10倍に希釈し、酢酸0.5ccを入れて希硫酸によりpHを5.5に調整する第3工程と、この第3工程で得た溶液を60~80℃に20分間加熱した後、放置して常温にさました後、1:1の割合で硫酸第一鉄及び硫酸マグネシウムを250g溶かす第4工程と、この第4工程で得た溶液を希硫酸によりpHを3~4に調整する第5工程よりなる液状の生ゴミ土壌化処理剤の製造方法が知られている。この生ゴミ土壌化処理剤と粘土質鉱物との混合物に生ゴミを混合し、水を加えて加熱しながら撹拌することにより生ゴミを堆肥化して有効成分を粘土質鉱物に付着させて土壌様の肥料とすることができる。
【0006】
さらに、特許文献4のように、発酵タンク内のブドウに、メロディ又はリズムからなる楽音による振動を、発酵タンクの振動により伝達し、楽音の振動を与えると共にブドウを発酵させるワインの醸造方法も知られている。
【0007】
なお、特許文献5のような、送信対象の情報群を予め定めた構成要素に分割し、予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当て、別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期の連続信号を生成する信号生成方法が知られている。また、特許文献6のように、電気信号を発生する電気信号発生装置と、電気信号発生装置からの電気信号を増幅させる増幅器と、この増幅器から送信される電気信号を機械的な振動に変換する振動発生装置と、この振動発生装置の振動発生部が連結され、かつ人体が直接又は間接的に接触する座面部及び該座面部に連続する側面部を有する金属製の振動部材と、座面部の裏側に配置され、少なくとも上側側面が上記側面部で覆われ、振動発生装置を覆うと共に、載置面に載置されて振動エネルギーを上記載置面に伝達するのを抑制するように座面部を該載置面から浮かせた状態に支持する座面支持部材とを備えており、座面部に触れた人体から振動が伝達されるように構成されている骨振動体感装置も知られている。
【0008】
また、特許文献7のような、牡蠣殻等の貝殻類と天然ゼオライトとを特殊な熱処理と粉体の水温処理により形成された食品添加用還元剤が知られている。具体的には、この食品添加用還元剤は、牡蠣殻等の二枚貝類よりなる貝殻をまず電気炉で、初期温度550℃で3時間、その後温度を上昇させて700℃で5時間と、さらに840℃で8時間加熱焼成したものを10ミクロンの粉体に加工形成した後、該粉体に対し天然ゼオライトを初期温度250℃で2時間、750℃で5時間熱処理を、その後10ミクロンの粉体に加工し、該貝殻の粉体90%に対し、該ゼオライト粉体10%を混合した混合物を水温90℃で平衡温度を維持したまま8時間イオン交換させた後、含水比3%になるまで乾燥し、さらに電気炉で、840℃で5時間焼成することにより得られる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特許第5354633号公報
【特許文献2】特許第6285605号公報
【特許文献3】特許第3863318号公報
【特許文献4】特公平6-102005号公報
【特許文献5】特許第6656648号公報
【特許文献6】特許第6604669号公報
【特許文献7】特許第4465687号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
近年、色々な効用のあるフルボ酸を使用する用途が広がっており、従来のフルボ酸の製造方法よりもさらに容易かつ迅速に入手したいというニーズがある。
【0011】
また、特許文献5及び6のような非周期の連続信号を幅広く利用できないかという研究が行われている。
【0012】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、フルボ酸又はその原料になる腐植土を効率よく入手できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、この発明では、振動を用いて熟成の促進化を図るようにした。
【0014】
具体的には、第1の発明では、1Hz以上の周波数において異なる基本周期からなる1周期のアナログ波形の中から基本周期差のあるアナログ波形同士を基本周期の短いものから長いもの、又は基本周期の長いものから短いもののいずれかの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号を生成する信号生成工程と、
低周波振動発生装置が装着された容器に腐植土及び水を含むフルボ酸原料を投入するフルボ酸原料投入工程と、
低周波振動を発生させる上記低周波振動発生装置に上記非周期の連続信号を加え、低周波振動を加えて上記フルボ酸原料を上記容器の内部で熟成させる熟成工程と、
上記容器の上澄みからフルボ酸を抽出する抽出工程とを含む構成とする。
【0015】
上記の構成によると、1日に何度か内容物が腐らないように手動で撹拌するだけのような場合に比べ、低周波振動発生装置によって容器に振動を加えることで、フルボ酸原料が効率よく熟成され、より高濃度のミネラルを含むフルボ酸が抽出される。しかも、単なる音響周波数信号(例えば、サイン波、矩形波、ピンクノイズ等)に比べると、本発明で用いる非周期連続信号は、短い周期の波と長い周期の波のペアが連続して構成された疎密波(縦波)であり、媒質が適度に揺すられるので、さらに効率よく腐植土の熟成が進み、上澄みから高濃度のフルボ酸が抽出される。具体的には、非周期連続信号は、(1)「基本周期の短いものから長いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形だけを連続して並べた、非周期の連続信号」、(2)「基本周期の長いものから短いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形だけを連続して並べた、非周期の連続信号」及び(3)「基本周期の短いものから長いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形と、基本周期の長いものから短いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号」のいずれかが生成される。
【0016】
第2の発明では、1Hz以上の周波数において異なる基本周期からなる1周期のアナログ波形の中から基本周期差のある上記アナログ波形同士を基本周期の短いものから長いもの、又は基本周期の長いものから短いもののいずれかの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号を生成する信号生成工程と、
内部を所定の温度で真空状態に保つことのできる真空減圧乾燥機と、タンパク源をベースとした有機物と、破砕鉱物と、純水と、鉄イオン溶液とを準備する準備工程と、
上記真空減圧乾燥機に上記有機物と、上記破砕鉱物と、上記純水と、上記鉄イオン溶液とを投入する腐植土原料投入工程と、
上記真空減圧乾燥機を所定温度に保ち、所定時間放置する放置工程と、
真空引きして乾燥させる乾燥工程と、
上記乾燥工程を所定日数繰り返し行い、腐植土を生成する繰り返し工程と、
低周波振動発生装置が装着された容器に上記腐植土及び水を含むフルボ酸原料を投入するフルボ酸原料投入工程と、
低周波振動を発生させる上記低周波振動発生装置に上記非周期の連続信号を加え、低周波振動を加えて上記フルボ酸原料を上記容器の内部で熟成させる熟成工程と、
上記容器の上澄みからフルボ酸を抽出する抽出工程とを含む構成とする。
【0017】
上記の構成によると、鉄イオン溶液により有機物を迅速に分解し、真空減圧乾燥機において真空引きして一気に乾燥させる作業を繰り返すことで、フルボ酸の元となる腐植土が生成される。この腐植土からフルボ酸を得る場合に、1日に何度か内容物が腐らないように手動で撹拌するだけのような場合に比べ、低周波振動発生装置によって容器に振動を加えることで、原料がより熟成され、高濃度のミネラルを含むフルボ酸が抽出される。単なる音響周波数信号(例えば、サイン波、矩形波、ピンクノイズ等)に比べると、非周期連続信号は、短い周期の波と長い周期の波のペアが連続して構成された疎密波(縦波)であり、媒質が適度に揺すられるので、さらに効率よく腐植土の熟成が進み、上澄みから高濃度のフルボ酸が抽出される。
【0018】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、
上記フルボ酸原料投入工程において、食品添加用セラミックを添加する構成とする。
【0019】
上記の構成によると、食品添加用セラミックは、触媒としての効果があり、腐植土の熟成が進んでフルボ酸がより効率的に生成される。
【0020】
第4の発明では、第3の発明において、
上記食品添加用セラミックは、牡蠣殻80質量%以上、酸化マグネシウム18質量%未満、ゼオライト0.5質量%未満のものよりなる。
【0021】
上記の構成によると、牡蠣殻及びゼオライトの骨格構造が腐植土との間で電子のやりとりを行い、腐植土の熟成が進んでフルボ酸の発生効率が格段に向上する。
【0022】
第5の発明では、第1から第4のいずれか1つの発明において、
上記熟成工程において、上記容器の内部を40℃以上50℃以下に保つ構成とする。
【0023】
上記の構成によると、40℃以上50℃以下の適度な温度範囲に保つことで、微生物の死滅を防止しながら季節に左右されずに一定してフルボ酸が効率よく得られる。
【0024】
第6の発明のフルボ酸の製造装置は、
低周波振動発生装置が装着された容器と、
上記低周波振動発生装置に対し、1Hz以上の周波数において異なる基本周期からなる1周期のアナログ波形の中から基本周期差のあるアナログ波形同士を基本周期の短いものから長いもの、又は基本周期の長いものから短いもののいずれかの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号を加える非周期連続信号発生装置とを備え、
上記容器に腐植土及び水を含む原料が投入された状態で上記低周波振動発生装置に上記非周期の連続信号を加え、低周波振動を加えることで上記原料が上記容器の内部で熟成され、該容器の上澄みからフルボ酸が抽出されるように構成されている。
【0025】
上記の構成によると、1日に何度か内容物が腐らないように手動で撹拌するような場合に比べ、低周波振動発生装置によって容器に振動を加えることで、原料が熟成され、より高濃度のミネラルを含むフルボ酸が抽出される。単なる音響周波数信号に比べると、非周期連続信号は、短い周期の波と長い周期の波のペアが連続して構成された疎密波(縦波)であり、媒質が適度に揺すられるので、さらに効率よく腐植土が熟成され上澄みに高濃度のフルボ酸が抽出される。
【0026】
第7の発明では、
内部を所定の温度で真空状態に保つことのできる真空減圧乾燥機と、タンパク源をベースとした有機物と、破砕鉱物と、純水と、鉄イオン溶液とを準備する準備工程と、
上記真空減圧乾燥機に上記有機物と、上記破砕鉱物と、上記純水と、上記鉄イオン溶液とを投入する腐植土原料投入工程と、
上記真空減圧乾燥機を所定温度に保ち、所定時間放置する放置工程と、
真空引きして乾燥させる乾燥工程と、
上記乾燥工程を所定日数繰り返し行い、腐植土を生成する繰り返し工程とを含む構成とする。
【0027】
上記の構成によると、鉄イオン溶液により有機物を迅速に分解し、真空減圧乾燥機において真空引きして一気に乾燥させる作業を繰り返すことで、フルボ酸の元となる腐植土が生成される。ここで、「タンパク源をベースとした有機物」は、特に限定されないが、例えば、おからなどアミノ酸を含む材料が適している。「鉄イオン溶液」は、例えば、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウムなどを含む。「破砕鉱物」は、赤玉土、礫、赤土などである。また、「純水」とは、フルボ酸の製造において障害とならない程度の不純物が残留する水を含む意味である。
【0028】
第8の発明では、第7の発明において、
上記有機物は、アミノ酸を含み、上記破砕鉱物は、赤玉土、礫、砂利又は粘土である。
【0029】
上記の構成によると、後処理のしやすいフルボ酸に富んだ腐植土が得られる。
【0030】
第9の発明では、第8の発明において、
上記アミノ酸を含む有機物と上記赤玉土、礫、砂利又は粘土の質量比は、25:4で、加える純水と鉄イオン溶液の体積比は、100:5.5である。
【0031】
上記の構成によると、効率よくフルボ酸に富んだ腐植土が得られる。
【0032】
第10の発明では、第7から第9のいずれか1つの発明において、
上記放置工程及び上記乾燥工程において、上記真空減圧乾燥機の内部を50℃以上60℃以下に保つ。
【0033】
上記の構成によると、真空にして減圧し、50℃以上60℃以下に保つことで、真空減圧乾燥機内の微生物が死滅しないようにし、タンパク質の変性を抑えながら鉄イオン溶液による有機物の分解が促進される。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明によれば、フルボ酸又はその原料になる腐植土を効率よく入手できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図3】実施形態に係る基準時間と基準周波数の割り当て例を示す説明図である。
【
図4】非周期連続信号を説明するための図であり、(a)がタイムコード(時間の帯)で、(b)がサイン波で、(c)がパルス波である。
【
図6】電気に非周期連続信号を重畳する構成を示す図である。
【
図7】非周期連続信号の波形例を示すグラフである。
【
図8】比較例としてのブラウンノイズの波形を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0037】
-非周期連続信号生成方法-
まず、
図3及び
図4を用いて本発明の実施形態で用いる非周期連続信号生成方法の概念について説明する。
【0038】
この信号生成方法は、まず、送信対象の情報群を予め定めた構成要素に分割する。送信対象の情報群が言語情報である場合には、言語情報を予め定めた構成要素である、子音と母音に分割する。なお、以下、説明の容易化のために、送信対象の情報群が、言語情報の例について説明するが、送信対象の情報群は、言語情報に限定されない。
【0039】
具体的には、
図3に示すような、「そら」という言語情報がある場合、子音である「S」「L」と、母音である「お」「あ」とに分割する。
【0040】
次いで、予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当てる。
図3の言語情報の場合には、子音及び母音にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当てる。詳細は後述するが、例えば、予め定めた規則に則り、「S」に0.028秒、「お」に0.15秒、「L」に0.02秒、「あ」に0.1秒が割り当てられる。
【0041】
そして、
図3に示すように、それぞれ割り当てられた別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成する。非周期連続信号は、非周期信号が連続した信号であり、非周期信号とは、特定の時間間隔の後にそれ自身を繰り返さない信号である。この場合、全体で、0.298秒で「そら」についての言語情報を非周期連続信号として発信することができる。言い換えれば、非周期連続信号は、各音素の時間を帯で表す、連続したタイムコードの形で発信される。
【0042】
世界中のあらゆる言語は、子音と母音からなる音素によってできていることから、世界中のあらゆる言語を用いた言語情報は、予め定めた構成要素である子音と母音に分割できる。このため、本実施形態では、分割された子音及び母音にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当て、別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成することができるので、言語情報を最小限のアナログ波の数で伝えることもできる。本実施形態では、言語情報は、例えば、歌詞、祝詞、祈り、構文、願い事など特に限定されない。
【0043】
例えば、非周期連続信号は、6~50Hzの疎密波よりなる。母音の周波数の平均値は、地球の固有振動数であるシューマンウェーブの値である7.83Hzと近似している。
【0044】
そして、
図4(a)に示すようにタイムコードで表された非周期連続信号は、
図4(b)のようなアナログ波としてのサイン波が連続した信号であったり、
図4(c)のようなアナログ波としてのパルス波が連続した信号であったりしてもよく、アナログ波の種類は特に限定されない。
【0045】
このように本実施形態では、送信対象の情報群を、分割した構成要素に基本周期をそれぞれ当てはめることで、時間軸に展開することが可能になる。アナログ波形が
図4(c)のようなパルス波である場合、デジタルではなく、最小限のパルス数で情報を伝えることができる。
図4(b)のようなサイン波の場合も、最小限の数のサイン波で情報を伝えることができる。
【0046】
次いで、
図5を用いて、本実施形態の信号生成方法を実現するための情報処理装置32の概要について説明する。
【0047】
例えば、この情報処理装置32は、例えば、PC、スマートフォン、タブレットなどのコンピュータ等よりなり、キーボード、タッチパネル等の入力回路32aと、CPUなどのエンコーダ部としての信号生成回路32bとを備えている。入力回路32aは、インターネットを介して通信されてきた情報や記憶媒体に記憶された構文などの情報を入力するものでもよい。図示しないストレージなどの記憶装置には、変換テーブル32cが予め保存されている。この変換テーブル32cは、予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期(タイムコード)を割り当てたものであり、例えば、言語情報の場合には、子音及び母音にそれぞれ対応する別々の基本周期が割り当てられたものである。上述したように、世界中のあらゆる言語は、子音と母音からなる音素によってできていることから、世界中のあらゆる言語を用いた言語情報は、この変換テーブル32cによって変換することが可能である。コンピュータには、「入力された送信対象の情報群を予め定めた構成要素に分割し、この予め定めた構成要素にそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当て、これら別々の基本周期を有するアナログ波形を1周期ずつ連続して並べ、非周期連続信号を生成するためのプログラム」をインストールしておけばよい。
図3に示した「そら」という言語情報の場合、まず、子音である「S」「L」と母音である「お」「あ」とに分割され、次いで、変換テーブル32cにそれぞれ対応する別々の基本周期を割り当てる。例えば、上述したように、「S」に0.028秒、「お」0.15秒、「L」に0.02秒、「あ」に0.1秒が割り当てられる。
【0048】
信号生成回路32bにおいて、変換された別々の基本周期を有するアナログ波形は、1周期ずつ連続して並べられ、
図3の右上に示した非周期連続信号が生成される。そして、
図3の下に示したような連続するタイムコードになる。
図4で説明すると、
図4(b)、
図4(c)のような非周期連続信号が生成され、この非周期連続信号は、
図4(a)の示すような連続するタイムコードの形で保存できる。
【0049】
出力回路32dは、このタイムコードを伝送系統32eに出力する後述する非周期連続信号発生装置4に対し、このタイムコードを、伝送系統32eを介して伝送する。
【0050】
本実施例では、予め定めた構成要素を言語情報とし、それぞれ対応する別々の基本周期を割り当てて非周期連続信号を発生させているが、基本周期を構成する周波数情報を読み出すことができれば言語情報に限らず、どのような情報を用いてもよい。
【0051】
-腐植土の製造装置-
図1は本発明の実施形態に係る腐植土製造装置1を示し、この腐植土製造装置1は、内部を所定の温度で真空状態に保って内容物を乾燥可能な真空減圧乾燥機2を備えている。この真空減圧乾燥機2は、密閉容器に腐植土原料を入れた状態で図示しない真空ポンプで減圧排気し、真空状態で、この密閉容器を加熱し、輻射熱で対象物を乾燥させる装置である。気圧の低い状態で、100℃以下で水が気化する原理を用いて、通常よりも温度を上げずに水分を除去できるように構成されている。
【0052】
なお必須ではないが、
図6に示すように、非周期連続信号発生装置4で生成された非周期の連続信号201を、電源線205を通る電気202に重畳する構成とし、この非周期の連続信号201が重畳された電気が通る電源線205に真空減圧乾燥機2を接続するようにしてもよい。
【0053】
具体的には、
図6に示すように、非周期の連続信号201は、例えば、家庭用電気(例えば50Hz、100V)の交流電気のサイン波上にパソコン、マイコン等で制御される信号重畳回路203を用いて重畳される。電気202と非周期の連続信号201が重畳された波は、100Vの交流電気として電源線205内を進む。そして、コンセント206にプラグ207を差し込んだ真空減圧乾燥機2に送られる。
【0054】
-腐植土の製造方法-
図1は本発明の実施形態の腐植土の製造方法を示す。まず、準備工程において、内部を所定の温度で真空状態に保つことのできる上記真空減圧乾燥機2と、タンパク源をベースとした有機物6と、破砕鉱物7と、純水8と、鉄イオン溶液9とを準備する。
【0055】
本実施形態では、タンパク源をベースとした有機物6は、アミノ酸を含む物質が望ましく、例えば、おから、生ゴミ、ぬか等である。
【0056】
本実施形態では、破砕鉱物7は、赤玉土であるが、礫、赤土、砂利、粘土などでもよい。
【0057】
純水8は、不純物を含まない完全な純水でなくても、フルボ酸の製造において障害とならない程度の不純物が残留する水でもよい。
【0058】
鉄イオン溶液9は、例えば、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸マグネシウムなどを含む特許文献3の生ゴミ土壌化処理剤のようなものでよい。
【0059】
腐植土原料投入工程において、真空減圧乾燥機2に有機物6と、破砕鉱物7と、純水8と、鉄イオン溶液9とを投入する。本実施形態では、アミノ酸を含む有機物と赤玉土、礫、砂利又は粘土の質量比は、25:4で、加える純水と鉄イオン溶液の体積比は、100:5.5である。例えば、おからを500kg、赤玉土を80kg、純水8を100リットル及び鉄イオン溶液9を5.5リットル加える。配合割合は、あくまで一例であるが、この割合であると、腐植土が効率的に得られることが分かっている。
【0060】
次に放置工程において、真空減圧乾燥機2を所定温度に保ち、所定時間放置する。例えば、50℃以上60℃以下に保って2時間放置する。50℃以上60℃以下に保つことで、真空減圧乾燥機2内の微生物が死滅しないようにしている。また、約70℃で変性するタンパク質の変性を抑えることができる。真空にして減圧することにより、分解が促進される状態が造られている。
【0061】
そして、乾燥工程において、真空減圧乾燥機2を真空引きして乾燥させる。真空減圧乾燥機2内は、例えば、50℃以上60℃以下の範囲内の真空状態で乾燥させるので、熱に弱い腐植土についても乾燥処理を速めることができる。
【0062】
次いで、繰り返し工程において、上記乾燥工程を所定日数(例えば10日間)繰り返し行い、腐植土10を生成する。
【0063】
放置工程及び乾燥工程において、上述したように、非周期の連続信号201が重畳された電気が通る電源線205に真空減圧乾燥機2を接続してもよい。
【0064】
このように、鉄イオン溶液9により有機物6を迅速に分解し、真空減圧乾燥機2において真空引きして一気に乾燥させる作業を繰り返すことで、効率よく、後処理のしやすいフルボ酸に富んだ腐植土10が得られる。
【0065】
-フルボ酸の製造装置-
図2は本発明の実施形態に係るフルボ酸製造装置11を示し、このフルボ酸製造装置11は、低周波振動発生装置3が装着された容器12を備えている。この容器12は、例えば大型の場合は、8tonタンクで、小型の場合は40リットルタンクが考えられるが、これらの容量に限定されるものではない。
【0066】
この容器12には、低周波振動発生装置3が取り付けられている。例えば、16~15,000Hzの周波数帯域を再生可能な高性能バイブロトランスデューサよりなり、容器12の大きさに合わせて個数や貼付位置を調整するとよい。
【0067】
この低周波振動発生装置3には、非周期の連続信号を加える非周期連続信号発生装置4が増幅器5を介して取り付けられている。増幅器5は、AC100Vなどの電源が接続され、非周期連続信号発生装置4からの電気信号を増幅させる役割を果たす。この増幅器5から送信される電気信号が低周波振動発生装置3によって機械的な振動に変換されるようになっている。
【0068】
-フルボ酸の製造方法-
本発明の実施形態のフルボ酸の製造方法では、
図2に示すように、まず、フルボ酸原料投入工程において、低周波振動発生装置3が装着された容器12に腐植土10及び水13を含むフルボ酸原料を投入する。この投入工程における質量割合を例えば腐植土10:水13で1:6とする。配合割合は、これに限定されないが、この配合割合であると、効率的にフルボ酸が得られることが分かっているが、これに限定されない。
【0069】
さらに、これらの腐植土10と水13に加えて食品添加用セラミックを投入してもよい。この食品添加用セラミックは、例えば、特許文献7のように、加熱焼成された牡蠣殻等の二枚貝類の貝殻と、加熱焼成された天然ゼオライトとを水溶液に投入して加熱した後、乾燥処理して粉砕形成した食品添加用セラミックが適している。この食品添加用セラミックは、触媒としての効果があり、例えば抗酸化物質と組み合わせることにより、抗酸化物質の効果を高める働きがある。
【0070】
食品添加用セラミックは、例えば、牡蠣殻80質量%以上、酸化マグネシウム18質量%未満、ゼオライト0.5質量%未満のものよりなる。添加割合は、腐植土10と水13との混合物において質量%で0.5%以上30%以下が望ましい。0.5%よりも少ないと、添加の効果が現れず、30%よりも多く加えてもフルボ酸の発生効率が向上しない。適度な割合とすることにより、牡蠣殻及びゼオライトの骨格構造が腐植土との間で電子のやりとりを行い、フルボ酸の発生効率が格段に向上する。
【0071】
この場合、1Hz以上の周波数において異なる基本周期からなる1周期のアナログ波形の中から基本周期差のある上記アナログ波形同士を基本周期の短いものから長いもの、又は基本周期の長いものから短いもののいずれかの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号を生成する信号生成工程をさらに含んでいてもよい。非周期の連続信号は、(1)「基本周期の短いものから長いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形だけを連続して並べた、非周期の連続信号」、(2)「基本周期の長いものから短いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形だけを連続して並べた、非周期の連続信号」及び(3)「基本周期の短いものから長いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形と、基本周期の長いものから短いものの順に組み合わせて1組ずつ生成した波形を連続して並べた、非周期の連続信号」の少なくともいずれかよりなる。
【0072】
非周期連続信号は、
図7に示すように、短い周期の波と長い周期の波のペアが連続して構成されているので、変動疎密波となる。なお、正弦波形状の波は、縦波を横波に変換して可視化したものである。
【0073】
次いで、発酵工程において、低周波振動発生装置3によって振動を加えて原料を容器12の内部で熟成させる。このとき、音響周波数信号(例えば、サイン波、矩形波、ピンクノイズ等)を加えてもよい。回転翼などによる撹拌動作ではないことから、泡が発生せず、空気を巻き込まず、空気による汚染が防止される。
【0074】
この発酵工程において、低周波振動発生装置3に非周期の連続信号を加えて低周波振動を発生させてもよい。非周期の連続信号は、
図7に示すように、基本周期(一波長)の速い振動とゆっくりした振動のペアが周波数を変えながら、速い周期で切り替わるので、
図8に示す、比較例としてのブラウンノイズ(ピンクノイズ)のようなランダムな揺れではなく、全体としては「速い/ゆっくり」のパターンの揺れの繰り返しでありながらも、細部では少しずつ周期の違った揺れのペアで構成されている。そうすれば、単なる音響周波数信号(例えば、サイン波、矩形波、ピンクノイズ等)に比べると、さらに効率よく腐植土10の発酵が進み、上澄みにフルボ酸が得られる。この非周期の連続信号は、周波数レンジが約6~200Hzのもので、
図3~
図5を用いて説明した方法でタイムコードの形で保存されたデータを記憶媒体に保存し、この記憶媒体を非周期連続信号発生装置4に挿入し、非周期連続信号発生装置4から非周期連続信号を発信し、増幅器5を介して低周波振動発生装置3に送り込むとよい。これにより、振動を加えず、例えば、熟成期間を180日程度とした場合に、一日に数回撹拌するだけの場合に比べ、約2倍の濃度のフルボ酸が得られた。
【0075】
また、この発酵工程において、容器12の内部を40℃以上50℃以下に保つのが望ましい。このように、40℃以上50℃以下いう適度な温度範囲に保つことで、微生物等を死滅させることなく、季節に左右されずに一定してフルボ酸が効率よく得られる。
【0076】
次に、回収工程において、容器12の上澄みを回収してフルボ酸を得る。回収時に濾過などを行ってもよい。
【0077】
このように、例えば、1日に10分間内容物が腐らないように手動で撹拌するだけのような場合に比べ、低周波振動発生装置3によって容器12に適切な振動を加えることで、より高濃度のミネラルを含むフルボ酸が得られる。
【0078】
また、腐植土10と水13の質量割合を1:6とすることにより、腐植土10が他の質量割合に比べて効率的に発酵が進み、上澄みにフルボ酸が得られる。
【0079】
なお、原料が腐ってしまわないように、手などで1日数回撹拌する作業を加えてもよい。
【0080】
したがって、本実施形態によると、製造過程で適切に振動を加えることにより、フルボ酸又はその原料になる腐植土を効率よく入手できる。
【0081】
本実施形態で得られたフルボ酸は、飲用、化粧品(化粧水、クレンジング、クリーム、ジェル、オイル等)、植物栽培、土壌改良等幅広く用いられる。
【0082】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
【0083】
すなわち、上記実施形態に係るフルボ酸の製造方法では、腐植土10からフルボ酸を生成しているが、特許文献1の方法で得られるような固体状ではない液体状の腐植液からフルボ酸を製造するようにしてもよい。
【0084】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物や用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【符号の説明】
【0085】
1 腐植土製造装置
2 真空減圧乾燥機
3 低周波振動発生装置
4 非周期連続信号発生装置
5 増幅器
6 有機物
7 破砕鉱物
8 純水
9 鉄イオン溶液
10 腐植土
11 フルボ酸製造装置
12 容器
13 水
32 情報処理装置
32a 入力回路
32b 信号生成回路
32c 変換テーブル
32d 出力回路
32e 伝送系統
201 連続信号
202 電気
203 信号重畳回路
205 電源線
206 コンセント
207 プラグ