(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140364
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07C 209/68 20060101AFI20220915BHJP
C07C 211/52 20060101ALI20220915BHJP
C07C 209/84 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
C07C209/68 CSP
C07C211/52
C07C209/84
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022035050
(22)【出願日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】202110260878.9
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】522091380
【氏名又は名称】江西天宇化工有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】黄 超群
(72)【発明者】
【氏名】朱 錦涛
(72)【発明者】
【氏名】羅 ▲亮▼明
(72)【発明者】
【氏名】張 栄
【テーマコード(参考)】
4H006
【Fターム(参考)】
4H006AA02
4H006AC52
4H006AD11
4H006BA02
4H006BA32
4H006BA65
4H006BC10
4H006BC11
4H006BC19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】操作しやすく、コストが比較的低く、系のpHを制御する必要がなく、収率が高く、製品の純度が高い、4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法を提供する。
【解決手段】2-トリフルオロメチルアニリンと2-ブロモヘプタフルオロプロパンとを、ギ酸ナトリウムまたはその水和物およびSO
2供与剤の存在下で反応させ、4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを取得する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-トリフルオロメチルアニリンと、2-ブロモヘプタフルオロプロパンとを、ギ酸ナトリウムまたはその水和物およびSO2供与剤の存在下で反応させ、4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを取得することを含むことを特徴とする4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法。
【請求項2】
前記ギ酸ナトリウムまたはその水和物と、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比は(0.1~2):1であることを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項3】
前記SO2供与剤と、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比は(0.05~2):1である、請求項1に記載の調製方法。
【請求項4】
前記2-ブロモヘプタフルオロプロパンと、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比は(1.0~2):1である、請求項1に記載の調製方法。
【請求項5】
前記SO2供与剤は、亜ジチオン酸ナトリウム、SO2、アルカリ金属の亜硫酸塩、アルカリ金属の亜硫酸水素塩、アルカリ土類金属の亜硫酸塩、アルカリ土類金属の亜硫酸水素塩、(NH4)2SO3、またはNH4HSO3のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項6】
前記反応系には溶剤が更に含まれ、前記溶剤は、水、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸t-ブチル、t-ブタノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、またはキシレンのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項7】
前記反応系には相間移動触媒が更に含まれ、前記相間移動触媒は、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩を含むことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項8】
前記反応の温度は5~140℃であり、前記反応時間は2~20hであり、前記反応は0~10MPaの圧力で行われることを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項9】
不活性ガスを導入することにより反応系の圧力を高める、請求項1に記載の調製方法。
【請求項10】
(1)オートクレーブに、2-トリフルオロメチルアニリン、2-トリフルオロメチルアニリンとの質量比が(1~8):1の溶剤、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(0.1~2):1のギ酸ナトリウムまたはその水和物、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(0.05~2):1のSO2供与剤、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(1.0~2):1の2-ブロモヘプタフルオロプロパンを加え、不活性ガスを系の圧力が0~10MPaとなるまで導入し、系を5~140℃まで昇温し、2~20h反応させ、粗生成物を取得するステップと、
(2)ステップ(1)で得られた粗生成物を分液または濾過し、有機層を取得し、前記有機層を減圧蒸留して溶剤を除去し、炭酸ナトリウム溶液および水でそれぞれ洗浄し、再び減圧蒸留して4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを取得するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の調製方法。
【請求項11】
請求項1に記載の調製方法で調製された4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機合成の技術分野に関し、特に、4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法およびその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンは、メタジアミド系化合物を調製する重要な中間体である。例えば、殺虫剤Broflanilide(CAS:1207727-04-5)および新たに報告されたメタジアミド系化合物であるシプロフラニリド(CAS:2375110-88-4)等の合成において、いずれも4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを使用する必要がある。
【0003】
欧州特許EP2319830A1では、高価な2-ヨードペンタフルオロプロパンをアルキル化試薬としているが、30%の収率しか取得できず、該プロセスは工業化生産に不利である。
【0004】
日本特許JP2012153635Aでは、2-ヨードペンタフルオロプロパンと2-トリフルオロメチルアニリンとを、水と酢酸エチルの混合溶剤中に入れ、相間移動触媒の作用で炭酸ナトリウム溶液を滴下することによりpHを4.9~5.0に制御したが、85%の転化率しか取得できず、反応系が複雑であり、系のpHを精確に制御する必要がある。
【0005】
WO2019059412A1特許で報告された方法は、日本特許JP2012153635Aの方法と同様であり、pHを4.3~4.5の範囲内に制御しただけで、収率がわずか81.1%であった。
【0006】
インド特許IN201611011512Aでは、2-ヨードペンタフルオロプロパンを2-ブロモヘプタフルオロプロパンに置き換え、15℃程度で反応させ、残りの操作は上記日本特許と同様であり、得られた粗生成物にHClガスを導入し、4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリン塩酸塩を調製しても、83%の収率しか取得できなかった。
【0007】
WO2019030187A1特許では、2-ブロモヘプタフルオロプロパンをアルキル化試薬とし、単一の溶剤で酸性物質触媒法により4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを合成することを報告したが、78%(2-ブロモヘプタフルオロプロパンで計算)の収率しか取得できず、原料の転化が不完全であり、製品の精製がしにくくなった。
【0008】
そのため、本分野では、操作しやすく、コストが低く、収率が高い4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法を研究することが急がれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、操作しやすく、コストが比較的低く、系のpHを制御する必要がなく、収率が高く、製品の純度が高い4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
態様1において、本発明は、
2-トリフルオロメチルアニリンと2-ブロモヘプタフルオロプロパンとを、ギ酸ナトリウムまたはその水和物およびSO2供与剤の存在下で反応させ、4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを取得することを含む4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法を提供する。
【0011】
本発明は、2-トリフルオロメチルアニリンおよび2-ブロモヘプタフルオロプロパンの反応系に、ギ酸ナトリウムまたはその水和物およびSO2供与剤を加え、両者の配合により、反応が高い収率を有し、製品の純度が高く、且つ、操作方法が簡単で、コストが比較的低く、系のpHを制御する必要がない。
【0012】
本発明において、SO2供与剤はSO2を生成できる物質を意味し、SO2は反応中で触媒の作用を果たす。
【0013】
本発明に係る反応の反応式は、以下のとおりである。
【化1】
【0014】
好ましくは、前記ギ酸ナトリウムまたはその水和物と2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(0.1~2):1であり、例えば、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1等であり、(0.6~1.6):1であることが好ましい。
【0015】
好ましくは、前記SO2供与剤と2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(0.05~2):1であり、例えば、0.1:1、0.2:1、0.3:1、0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1等であり、(0.2~1.2):1であることが好ましい。
【0016】
好ましくは、前記2-ブロモヘプタフルオロプロパンと2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(1.0~2):1であり、例えば、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1等であり、(1.2~1.8):1であることが好ましい。
【0017】
好ましくは、前記SO2供与剤は、亜ジチオン酸ナトリウム、SO2、アルカリ金属の亜硫酸塩、アルカリ金属の亜硫酸水素塩、アルカリ土類金属の亜硫酸塩、アルカリ土類金属の亜硫酸水素塩、(NH4)2SO3、またはNH4HSO3のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、亜ジチオン酸ナトリウム、SO2、Na2SO3、またはNaHSO3のいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせであることが好ましい。
【0018】
好ましくは、前記反応系には溶剤が更に含まれる。
【0019】
好ましくは、前記溶剤は、水、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、酢酸t-ブチル、t-ブタノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、またはキシレンのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせを含み、水、酢酸エチル、酢酸t-ブチル、アセトニトリル、プロピオニトリル、テトラヒドロフラン、メチルt-ブチルエーテル、t-ブタノール、または1,2-ジクロロエタンのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせであることが好ましく、水、酢酸エチル、アセトニトリル、t-ブタノール、または1,2-ジクロロエタンのいずれか1種または少なくとも2種の組み合わせであることが更に好ましい。
【0020】
好ましくは、前記溶剤と2-トリフルオロメチルアニリンとの質量比が(1~8):1であり、例えば、1.2:1、1.4:1、1.6:1、1.8:1、2:1、2.2:1、2.4:1、2.6:1、2.8:1、3:1、3.2:1、3.4:1、3.6:1、3.8:1、4:1、4.2:1、4.4:1、4.6:1、4.8:1、5:1、5.2:1、5.4:1、5.6:1、5.8:1、6:1、6.2:1、6.4:1、6.6:1、6.8:1、7:1、7.2:1、7.4:1、7.6:1、7.8:1等であり、(4~6):1であることが好ましい。
【0021】
好ましくは、前記反応系には相間移動触媒が更に含まれる。
【0022】
好ましくは、前記相間移動触媒はテトラブチルアンモニウム硫酸水素塩を含む。
【0023】
本発明において、反応の溶剤が水と水に不溶な有機溶剤との組み合わせである場合、相間移動触媒を加える必要があり、それ以外の場合、相間移動触媒を加えなくてもよい。
【0024】
好ましくは、前記反応の温度は5~140℃であり、例えば、10℃、20℃、30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃等であり、40~110℃であることが好ましい。
【0025】
好ましくは、前記反応時間は2~20hであり、例えば、3h、4h、5h、6h、7h、8h、9h、10h、11h、12h、13h、14h、15h、16h、17h、18h、19h等であり、10~18hであることが好ましい。
【0026】
好ましくは、前記反応は0~10MPa(例えば、1MPa、2MPa、3MPa、4MPa、5MPa、6MPa、7MPa、8MPa、9MPa等)の圧力で行われ、0.2MPa~2MPaの圧力で行われることが好ましい。
【0027】
好ましくは、不活性ガスを導入することにより反応系の圧力を高める。
【0028】
好ましくは、前記反応はオートクレーブ内で行われる。
【0029】
好ましくは、前記反応の生成物を後処理し、前記後処理は、
反応生成物を分離して有機層を取得し、前記有機層を減圧蒸留して溶剤を除去し、洗浄し、再び減圧蒸留して4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを取得するステップを含む。
【0030】
好ましくは、前記分離の方法は、分液または濾過を含む。
【0031】
好ましくは、前記洗浄用の洗剤は、炭酸ナトリウム溶液および/または水を含む。
【0032】
好ましくは、前記調製方法は、
(1)オートクレーブに、2-トリフルオロメチルアニリン、2-トリフルオロメチルアニリンとの質量比が(1~8):1の溶剤、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(0.1~2):1のギ酸ナトリウムまたはその水和物、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(0.05~2):1のSO2供与剤、2-トリフルオロメチルアニリンとのモル比が(1.0~2):1の2-ブロモヘプタフルオロプロパンを加え、不活性ガスを系の圧力が0~10MPaとなるまで導入し、系を5~140℃まで昇温し、2~20h反応させ、粗生成物を取得するステップと、
(2)ステップ(1)で得られた粗生成物を分液または濾過し、有機層を取得し、前記有機層を減圧蒸留して溶剤を除去し、炭酸ナトリウム溶液および水でそれぞれ洗浄し、再び減圧蒸留して4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを取得するステップとを含む。
【0033】
態様2において、本発明は、態様1に記載の調製方法で調製された4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを提供する。
【0034】
好ましくは、前記4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの純度は、96%よりも大きい。
【0035】
態様3において、本発明は、態様2に記載の4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンを中間体として調製されたメタジアミド系化合物を提供する。
【発明の効果】
【0036】
従来技術と比べ、本発明は、以下の有益な効果を有する。
【0037】
本発明は、2-トリフルオロメチルアニリンおよび2-ブロモヘプタフルオロプロパンの反応系に、ギ酸ナトリウムまたはその水和物およびSO2供与剤を加え、両者の配合により、反応が高い収率を有し、いずれも93%よりも高く、最大で97%以上に達することができ、製品の純度が高く(>96%)、且つ、操作方法が簡単で、コストが比較的低く、系のpHを制御する必要がない。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、具体的な実施形態により本発明の技術案について更に説明する。当業者にとって、前記実施例は、本発明を理解するためのものに過ぎず、本発明に対する具体的な制限と見なされるべきではないことは明らかである。以下の実施例および本発明に記載の含有量(純度)または収率は、特に説明がない限り、いずれも質量含有量(純度)または収率を意味する。
【実施例0039】
本実施例は、4-(パーフルオロプロパン-2-イル)-2-トリフルオロメチルアニリンの調製方法を提供し、具体的には以下のとおりである。
【0040】
2Lのオートクレーブに、2-トリフルオロメチルアニリン82.2g(0.5mol)、水164.4g、アセトニトリル164.4g、ギ酸ナトリウム二水和物63g(0.6mol)、亜ジチオン酸ナトリウム19.8g(0.1mol)、および2-ブロモヘプタフルオロプロパン149.4g(0.6mol)を順次投入し、圧力が0.2MPaとなるまでN2を導入し、40℃まで加熱して18h反応させ、反応終了後に分液し、減圧下でアセトニトリルを有機層から除去し、残留物を100gの10%炭酸ナトリウム溶液および50gの水で順次洗浄し、黄色油状物の粗生成物を取得し、粗生成物を更に負圧蒸留(3mmHg、100℃)して目的化合物を160.9g取得し、高圧液体クロマトグラフィーの外部標準法で定量し、含有量(純度)が98.1%で、収率が95.9%であった。
【0041】
構造検出:質量分析LC/MS[M+1]:m/z=330。
1H NMR(400 MHz, DMSO-d6)データは、以下のとおりである(δ[ppm])。δ7.52 (d, J = 8.9 Hz, 2H), 7.10 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 6.38 (s, 2H).
2Lのオートクレーブに、2-トリフルオロメチルアニリン82.2g(0.5mol)、水164.4g、酢酸エチル246.6g、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩4.2g、ギ酸ナトリウム48.1g(0.7mol)、亜ジチオン酸ナトリウム69.3g(0.35mol)、および2-ブロモヘプタフルオロプロパン199.2g(0.8mol)を順次投入し、圧力が1.1MPaとなるまでN2を導入し、60℃まで加熱して14h反応させ、反応終了後に分液し、減圧下で酢酸エチルを有機層から除去し、残留物を100gの10%炭酸ナトリウム溶液および50gの水で順次洗浄し、黄色油状物の粗生成物を取得し、粗生成物を更に負圧蒸留(3mmHg、100℃)して目的化合物を162.1g取得し、高圧液体クロマトグラフィーの外部標準法で定量し、含有量が97.9%で、収率が96.4%であった。