(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140367
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】UV硬化装置、基板処理設備及び基板処理方法
(51)【国際特許分類】
B05C 9/12 20060101AFI20220915BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B05C9/12
B05C11/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022035469
(22)【出願日】2022-03-08
(31)【優先権主張番号】10-2021-0032869
(32)【優先日】2021-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】510223380
【氏名又は名称】エーピー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン サンヒ
(72)【発明者】
【氏名】ユ ジョンピル
(72)【発明者】
【氏名】チェ ジョングォン
(72)【発明者】
【氏名】ペク チョンファ
【テーマコード(参考)】
4F042
【Fターム(参考)】
4F042AA02
4F042AA06
4F042AB00
4F042BA16
4F042BA19
4F042DA09
4F042DB42
4F042DB48
4F042DC01
4F042DF01
4F042DF10
4F042DH09
(57)【要約】 (修正有)
【課題】基板の処理時間を短縮させて生産性を向上させることのできるUV硬化装置、基板処理設備及び基板処理方法を提供する。
【解決手段】光硬化性物質が塗布された基板Gを用意する過程と、前記基板を基板支持台110に載置する過程と、前記基板の上部に、かつ、前記基板の一部の領域との間に前記基板の処理空間Sを形成する過程と、前記処理空間に不活性ガス雰囲気を形成する過程と、前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間においてUV光を照射する過程と、を含み、基板の上部に基板の処理空間を局部的に形成して基板の処理効率を向上させることができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象体の上部に沿って移動可能なように配設される本体と、
前記本体の下部に配設されるUVランプと、
前記処理対象体との間に処理空間を形成するように前記本体の下部に連結される壁体部と、
前記処理空間に不活性ガスを供給するように一部が前記壁体部に配設されるガス供給部と、
前記ガス供給部の動作を制御するための制御部と、
を備えるUV硬化装置。
【請求項2】
前記壁体部は、上部及び下部が開かれる中空状に形成される請求項1に記載のUV硬化装置。
【請求項3】
前記壁体部は、上下方向に延びる胴体部と、前記胴体部の下部に前記本体の内側に向かって折り曲げられる延在部と、を備える請求項2に記載のUV硬化装置。
【請求項4】
前記壁体部は、前記本体の内側及び外側のうちの少なくとも一方に向かって傾くように配置される請求項2に記載のUV硬化装置。
【請求項5】
前記ガス供給部は、
前記空間にガスを噴射するように前記壁体部の内面に配設されるノズルと、
前記ノズルにガスを供給するように前記ノズルに連結されるガス供給配管と、
前記ガス供給配管に配設される弁と、
を備える請求項1に記載のUV硬化装置。
【請求項6】
前記ガス供給部は、上下方向にガスを噴射するように前記壁体部の外面に配設される補助ノズルをさらに備える請求項5に記載のUV硬化装置。
【請求項7】
前記処理空間において酸素の濃度を測定するように前記壁体部に配設される濃度測定器を備える請求項5に記載のUV硬化装置。
【請求項8】
前記濃度測定器は、前記ノズルよりも下部に配置される請求項7に記載のUV硬化装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記濃度測定器において測定された結果を用いて前記弁の動作を制御することが可能である請求項7に記載のUV硬化装置。
【請求項10】
上部に光硬化性物質が塗布された基板を支持するための基板支持部と、
前記基板支持部の上部に配設され、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のUV硬化装置と、
を備える基板処理設備。
【請求項11】
前記基板の温度を測定するように前記壁体部に配設される温度測定器を備える請求項10に記載の基板処理設備。
【請求項12】
前記基板支持部は、
上部に基板を支持するための基板支持台と、
前記基板支持台の温度を調節するための冷却装置と、
を備え、
前記制御部は、前記温度測定器において測定された結果を用いて前記冷却装置の動作を制御することが可能である請求項11に記載の基板処理設備。
【請求項13】
前記壁体部は、前記基板支持台から離れるように配設される請求項12に記載の基板処理設備。
【請求項14】
光硬化性物質が塗布された基板を用意する過程と、
前記基板を基板支持台に載置する過程と、
前記基板の上部に、かつ、前記基板の一部の領域との間に前記基板の処理空間を形成する過程と、
前記処理空間に不活性ガス雰囲気を形成する過程と、
前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間においてUV光を照射する過程と、
を含む基板処理方法。
【請求項15】
前記UV光を照射する過程は、前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間を移動させる過程を含む請求項14に記載の基板処理方法。
【請求項16】
前記不活性ガス雰囲気を形成する過程と前記UV光を照射する過程のうちの少なくとも一方は、前記処理空間中の酸素の濃度を測定する過程を含む請求項15に記載の基板処理方法。
【請求項17】
前記不活性ガス雰囲気を形成する過程は、前記処理空間に不活性ガスを供給する過程を含み、
前記不活性ガス雰囲気を形成する過程と前記UV光を照射する過程のうちの少なくとも一方は、測定された酸素の濃度に基づいて前記処理空間に供給される前記不活性ガスの流量を調節する過程を含む請求項16に記載の基板処理方法。
【請求項18】
前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間を移動させる過程は、
前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間が移動する方向に対して前方側に供給される不活性ガスの流量と後方側に供給される不活性ガスの流量とが互いに異なるように調節する過程を含む請求項17に記載の基板処理方法。
【請求項19】
前記不活性ガス雰囲気を形成する過程と前記UV光を照射する過程のうちの少なくとも一方は、前記処理空間と前記基板との間に不活性ガスカーテンを形成する過程を含む請求項17に記載の基板処理方法。
【請求項20】
前記UV光を照射する過程は、
前記基板の温度を測定する過程を含む請求項14乃至請求項19のいずれか一項に記載の基板処理方法。
【請求項21】
前記UV光を照射する過程は、測定された基板の温度に基づいて前記基板支持台の温度を調節する過程を含む請求項20に記載の基板処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、UV硬化装置、基板処理設備及び基板処理方法に係り、さらに詳しくは、基板の上部に基板の処理空間を局部的に形成して基板の処理効率を向上させることのできるUV硬化装置、基板処理設備及び基板処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コーティング(coating)とは、物品の表面の損傷及び異物の付着を防ぎ、反射率を調節することを目指して、物品の表面に皮膜を形成することをいう。コーティングの仕方には色々な種類があるが、近頃には、UV(Ultra violet)硬化コーティングが汎用されている。
【0003】
UV硬化コーティングは、対象物の表面に光硬化性物質であるUVコーティング液を塗布し、UV光を照射してUVコーティング液を硬化させて皮膜を形成するようなコーティング方式である。このようにして形成された皮膜は、高光沢性、高硬度、耐薬品性などといった物性を有する。また、UVコーティング液の硬化速度の方が熱硬化方式の硬化速度に比べて速いことから、生産性を向上させ、しかも、熱処理工程が省略されることから、工程点数を減らすことができる。また、UV硬化コーティングは、有機溶剤を用いないことから、環境に及ぼす影響を最小限に極力抑えることができ、UV光を用いることから、熱により歪みやすい対象物にも容易に適用することができる。とりわけ、UV硬化コーティングは、硬化速度が数秒から数十秒までと極めて短いことから、ディスプレイ分野に用いられる光学フィルムを連続してコーティングするうえで非常に有利である。
【0004】
しかしながら、200nm以下の波長を有するUV光は、空気中の酸素を吸収してオゾンを生じさせ、空気中の酸素は、UVコーティング液のUV光による化学反応を抑えて硬化密度を低下させてしまうという不都合がある。なお、光学フィルムのコーティングに際して、UVコーティング液が酸素と接触すれば、酸化反応により酸化されて光学性の機能が低下してしまう。
【0005】
この理由から、対象物をチャンバーの内部に搬入し、チャンバーの内部を窒素雰囲気に切り換えてチャンバーの内部における酸素の濃度を下げた上でUV硬化コーティングを行うといった方法が用いられている。しかしながら、対象物の大型化が進むことにつれて、チャンバーの大きさもまた益々大型化され、これにより、チャンバーの内部の雰囲気を切り替えるのに長い時間がかかり、これは、生産性の低下につながるという不都合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1032398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、基板の処理時間を短縮させて生産性を向上させることのできるUV硬化装置、基板処理設備及び基板処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係るUV硬化装置は、処理対象体の上部に沿って移動可能なように配設される本体と、前記本体の下部に配設されるUVランプと、前記処理対象体との間に処理空間を形成するように前記本体の下部に連結される壁体部と、前記処理空間に不活性ガスを供給するように一部が前記壁体部に配設されるガス供給部と、前記ガス供給部の動作を制御するための制御部と、を備えていてもよい。
【0009】
前記壁体部は、上部及び下部が開かれる中空状に形成されてもよい。
【0010】
前記壁体部は、上下方向に延びる胴体部と、前記胴体部の下部に前記本体の内側に向かって折り曲げられる延在部と、を備えていてもよい。
【0011】
前記壁体部は、前記本体の内側及び外側のうちの少なくとも一方に向かって傾くように配置されてもよい。
【0012】
前記ガス供給部は、前記空間にガスを噴射するように前記壁体部の内面に配設されるノズルと、前記ノズルにガスを供給するように前記ノズルに連結されるガス供給配管と、前記ガス供給配管に配設される弁と、を備え前記ガス供給部は、前記空間にガスを噴射するように前記壁体部の内面に配設されるノズルと、前記ノズルにガスを供給するように前記ノズルに連結されるガス供給配管と、前記ガス供給配管に配設される弁と、を備えていてもよい。
【0013】
前記ガス供給部は、上下方向にガスを噴射するように前記壁体部の外面に配設される補助ノズルをさらに備えていてもよい。
【0014】
前記処理空間において酸素の濃度を測定するように前記壁体部に配設される濃度測定器を備えていてもよい。
【0015】
前記濃度測定器は、前記ノズルよりも下部に配置されてもよい。
【0016】
前記制御部は、前記濃度測定器において測定された結果を用いて前記弁の動作を制御することが可能であってもよい。
【0017】
本発明の実施形態に係る基板処理設備は、上部に光硬化性物質が塗布された基板を支持するための基板支持部と、前記基板支持部の上部に配設され、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のUV硬化装置と、を備えていてもよい。
【0018】
前記基板の温度を測定するように前記壁体部に配設される温度測定器を備えていてもよい。
【0019】
前記基板支持部は、上部に基板を支持するための基板支持台と、前記基板支持台の温度を調節するための冷却装置と、を備え、前記制御部は、前記温度測定器において測定された結果を用いて前記冷却装置の動作を制御することが可能であってもよい。
【0020】
前記壁体部は、前記基板支持台から離れるように配設されてもよい。
【0021】
本発明の実施形態に係る基板処理方法は、光硬化性物質が塗布された基板を用意する過程と、前記基板を基板支持台に載置する過程と、前記基板の上部に、かつ、前記基板の一部の領域との間に前記基板の処理空間を形成する過程と、前記処理空間に不活性ガス雰囲気を形成する過程と、前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間においてUV光を照射する過程と、を含んでいてもよい。
【0022】
前記UV光を照射する過程は、前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間を移動させる過程を含んでいてもよい。
【0023】
前記不活性ガス雰囲気を形成する過程と前記UV光を照射する過程のうちの少なくとも一方は、前記処理空間中の酸素の濃度を測定する過程を含んでいてもよい。
【0024】
前記不活性ガス雰囲気を形成する過程は、前記処理空間に不活性ガスを供給する過程を含み、前記不活性ガス雰囲気を形成する過程と前記UV光を照射する過程のうちの少なくとも一方は、測定された酸素の濃度に基づいて前記処理空間に供給される前記不活性ガスの流量を調節する過程を含んでいてもよい。
【0025】
前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間を移動させる過程は、前記不活性ガス雰囲気が形成された処理空間が移動する方向に対して前方側に供給される不活性ガスの流量と後方側に供給される不活性ガスの流量とが互いに異なるように調節する過程を含んでいてもよい。
【0026】
前記不活性ガス雰囲気を形成する過程と前記UV光を照射する過程のうちの少なくとも一方は、前記処理空間と前記基板との間に不活性ガスカーテンを形成する過程を含んでいてもよい。
【0027】
前記UV光を照射する過程は、前記基板の温度を測定する過程を含んでいてもよい。
【0028】
前記UV光を照射する過程は、測定された基板の温度に基づいて前記基板支持台の温度を調節する過程を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明の実施形態によれば、大気中において基板に塗布された光硬化性物質の硬化工程を行うことできる。すなわち、UV硬化装置と基板との間に窒素雰囲気を局部的に形成することができる。このように、UV硬化装置と基板との間に局部的に窒素雰囲気を形成し、UV光を照射することにより、UV光及び光硬化性物質が酸素と接触することを防ぐことができる。したがって、硬化工程を行うためにチャンバーの内部の雰囲気を切り替えるのにかかる時間を短縮させて工程効率を向上させ、基板の生産性を向上させることができる。なお、チャンバーを別途に設けなくても硬化工程を行うことができるので、チャンバーを設けるのにかかるコストやチャンバーのメンテナンスコストを節減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係る基板処理設備を概略的に示す図。
【
図2】本発明の実施形態に係る基板処理設備の拡大図。
【
図5】本発明の実施形態に係る基板処理設備を用いて基板を処理するとき、チャンバーの内部の酸素の濃度を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態をより詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、異なる様々な形態に具体化され、単にこれらの実施形態は本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。
【0032】
図1は、本発明の実施形態に係る基板処理設備を概略的に示す図であり、
図2は、本発明の実施形態に係る基板処理設備の拡大図である。
【0033】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施形態に係る基板処理設備は、上部に基板Gを支持するための基板支持部100と、基板支持部100の上部に基板Gに沿って移動可能なように配設されるUV硬化装置200及び基板支持部100とUV硬化装置200の動作を制御するための制御部300を備えていてもよい。UV硬化装置200は、本体220と、基板支持部100に向かってUV光を照射するように本体220に配設されるUVランプ230と、UVランプ230の外側にUVランプ230を取り囲むように配置され、処理対象物との間に処理空間Sを形成するように本体220の下部に連結される壁体部240(240a,240b)と、壁体部240の内部にガスを噴射するように一部が壁体部240に形成されるガス供給部250及び本体220を移動させるための駆動装置210を備えていてもよい。
【0034】
基板支持部100は、基板支持台110と、基板支持台110に冷却媒体を循環させるための冷却装置120と、を備えていてもよい。基板支持台110は、基板G、例えば、有機発光ダイオード(OLED)、発光ダイオード(LED)などのディスプレイのガラス基板Gを支持するための構成要素である。基板支持台110は、基板Gの面積とほぼ同じであるか、あるいは、基板Gの面積よりも大きな面積を有するように設けられてもよい。例えば、基板支持台110は、水平方向に幅と厚さを有し、所定の高さを有するように形成されてもよい。このとき、基板支持台110は、四角い形状、円形状など様々な形状を呈するように形成されてもよく、基板Gの形状に対応する形状を呈するように形成されてもよい。基板支持台110は、上部に基板Gを載置して支持してもよく、基板Gを浮上させて基板支持台110の上部面から所定の高さだけ離して支持してもよい。基板支持台110の内部には、冷却媒体を循環させるための流路(図示せず)が設けられてもよい。
【0035】
冷却装置120は、基板支持台110の内部に形成される流路に冷却媒体を循環させてもよい。すなわち、冷却装置120は、基板支持台110の流路に冷却媒体を供給し、流路を通過した冷却媒体を回収してもよい。これらの過程を連続して行って基板支持台110の流路に冷却媒体を循環させることができる。冷却装置120は、冷却媒体の温度を調節して基板支持台110に供給してもよく、外部の他の冷却設備(図示せず)に連結されて一定の温度に調節された冷却媒体を基板支持台110に供給してもよい。冷却装置120は、冷却媒体の供給速度や供給流量を調節して基板支持台110の温度を精度よく調節することができる。
【0036】
UV硬化装置200は、基板支持台110の上方に移動可能なように配設されて、基板支持台110の上部に支持される基板GにUV光を照射してもよい。UV硬化装置200は、基板支持台110、すなわち、基板Gとの間に不活性ガス雰囲気を形成し、基板Gに塗布された誘電体物質などのような光硬化性物質を硬化させるように基板GにUV光を照射してもよい。換言すれば、UV硬化装置200は、UV光が照射される領域に不活性ガス雰囲気、例えば、窒素雰囲気を形成して基板Gに塗布された光硬化性物質大気に含有される酸素と反応することを抑制もしくは防止することができる。
【0037】
UV硬化装置200は、本体220と、基板支持部100に向かってUV光を照射するように本体220に配設されるUVランプ230と、UVランプ230の外側にUVランプ230を取り囲むように配置され、処理対象物である基板Gとの間に処理空間を形成するように本体220の下部に連結される壁体部240と、壁体部240の内部にガスを噴射するように一部が壁体部240に形成されるガス供給部250及び本体220を移動させるための駆動装置210を備えていてもよい。なお、UV硬化装置200は、壁体部240と基板Gとの間に形成される処理空間において酸素の濃度を測定するための濃度測定器260を備えていてもよい。
【0038】
まず、駆動装置210は、本体220を支持するために基板支持台110の上部に距離を隔てて配設されるガイドフレーム211と、本体220を移動させるための動力を与える駆動器(図示せず)と、を備えていてもよい。
【0039】
ガイドフレーム211は、基板支持台110が延びる方向、例えば、基板支持台110の幅方向に沿って延びるように配設されてもよい。駆動器213は、本体220を移動させるための動力を与え、ガイドフレーム211に配設されてもよく、本体220に配設されてもよい。
【0040】
本体220は、UVランプ230と壁体部240を支持し、UVランプ230を作動させるための電子素子(図示せず)などを組み込んでいてもよい。また、本体220は、駆動装置210のガイドフレーム211に連結されて、ガイドフレーム211が延びる方向に往復移動してもよい。このとき、本体220は、ブロック状に形成されてもよく、一方向に延びるバー状に形成されてもよい。本体220がブロック状に形成される場合、バー状を呈するように複数が一方向に連なっていてもよい。これは、基板Gが面積を有するプレート形状を呈するように形成され、本体220を基板Gが延びる方向、例えば、幅方向に移動させながら基板GにUV光を照射するため、本体220の移動方向に対して水平に交差する方向にUV光を照射するためである。すなわち、本体220を移動させながら基板Gの全体にわたってUV光を照射するためである。
【0041】
UVランプ230は、基板支持台110にUV光を照射するように本体220の下部に配設されてもよい。このとき、UVランプ230は、UV光を照射できる限り、電球状ランプ、棒状ランプ、LEDランプなど様々な形状のランプとして設けられてもよい。
【0042】
壁体部240は、本体220の下部に上下方向に延びるように連結されてもよい。壁体部240は、UVランプ230の外側を取り囲むように本体220に連結されてもよい。このような壁体部240は、上部及び下部が開かれた中空状に形成されて、UVランプ230から発せられるUV光が基板Gに照射できるように光路を形成してもよい。なお、壁体部240は、基板Gの処理に際して、基板Gとの間に不活性ガス雰囲気を形成できるように不活性ガスを一時的に収容するバッファー(Buffer)の役割を果たしてもよい。壁体部240は、一体型に形成されてもよく、複数が組み合わせられた組み立て体として形成されてもよい。
【0043】
壁体部240は、本体220に連結されて本体220の下部において基板Gとの間に基板Gの処理空間Sを形成してもよい。壁体部240は、本体220の下部、例えば、本体220と基板支持台110との間、またはUVランプ230と基板Gとの間に処理空間を形成してもよい。このような壁体部240は、上下方向に延びる胴体部と、本体220の内側または処理空間Sに向かって折り曲げられる延在部と、を備える「L」字状を呈するように設けられてもよい。このとき、壁体部240に延在部が形成される場合、延在部により処理空間Sに供給される窒素ガスが基板Sに向かって直ちに排出されることなく一時的に滞在するという効果が得られる。あるいは、壁体部240は、胴体部のみを備える「I」字形状を呈するように形成されてもよく、少なくとも一部に曲面を有するように設けられてもよい。基板Gの上部に不活性ガス雰囲気、例えば、窒素雰囲気を形成可能な処理空間を形成できる限り、壁体部240の形状はこれに何ら限定されるものではなく、種々の形状を呈するように設けられてもよい。
【0044】
このような壁体部240は、様々な形状を呈するように設けられてもよい。
【0045】
【0046】
壁体部240は、
図3の(a)から
図3の(c)に示すように、対称となる形状を呈するように本体220に連結されてもよく、
図3の(d)に示すように、非対称の形状を呈するように本体220に連結されてもよい。例えば、壁体部240が本体220の両側に対称状に連結される場合、壁体部240は、傾かないように本体220に連結されてもよく、あるいは、本体220の内側に向かって傾くように本体220に連結されても、あるいは、本体220の外側に向かって傾くように本体220に連結されてもよい。さらに、壁体部240が本体220の両側に非対称状に連結される場合、本体220の両側に連結される壁体部240のうちの少なくとも一方が本体220の内側または外側に向かって傾くように本体220に連結されてもよい。このとき、本体220に壁体部240を傾くように連結する場合、壁体部240を本体220の移動方向、例えば、UV光を照射しながら移動する方向に対して前方に向かって傾くように配置することが望ましい。これは、UV光が基板Gに照射されないうちに窒素ガスを基板Gに先に接触させて基板Gに残留する酸素を取り除くためである。本体220が光硬化性物質を硬化させるために、基板GにUV光を照射しながら移動する方向に対して前方に向かって傾くように本体220に連結されることが望ましい。
【0047】
ガス供給部250は、壁体部240に形成されるノズル253と、ノズル253に供給するための不活性ガスを貯留可能なガス貯留器251と、ノズル253とガス貯留器251とをつなぐガス供給配管(図示せず)及び不活性ガスの流量を調節するようにガス供給配管に配設される弁255を備えていてもよい。
【0048】
ノズル253は、処理空間Sに不活性ガスを噴射できるように壁体部240の内面に形成されてもよい。ノズル253は、本体220が延びる基板Gの厚さ方向に延びるようにスリット状に設けられてもよく、複数が本体220が延びる基板Gの厚さ方向に離間するように形成されてもよい。
【0049】
ガス供給配管は、本体220の移動に影響を及ぼさないように少なくとも一部が伸縮可能な材質、あるいは、可撓性の材質から形成されてもよい。弁255は、ガス供給配管に配設されて、ノズル253に供給される不活性ガスの流量を調節してもよい。
【0050】
一方、壁体部240の内部には、ノズル253に不活性ガスを供給するための通路が形成されてもよい。通路は、壁体部240の全体にわたって一つにつながるように形成されてもよく、複数に分岐されるように形成されてもよい。例えば、通路は、本体220の移動方向に対して前方側に配置される壁体部240と後方側に配置される壁体部240に互いに分岐されるように形成されてもよい。この場合、ガス供給配管は、本体220の移動方向に対して前方側に配置される通路と後方側に配置される通路にそれぞれ独立して連結されてもよく、それぞれのガス供給配管に弁が配設されてもよい。なお、必要に応じて、前方側に配置される壁体部240に形成される通路と後方側に配置される壁体部240に形成される通路に供給される不活性ガスの流量を互いに異なるように調節してもよい。
【0051】
濃度測定器260は、壁体部240と基板Gとの間に形成される処理空間Sにおいて酸素の濃度を測定してもよい。濃度測定器260は、壁体部240の内面に配設されてもよく、本体220の下部に配設されてもよい。ただし、酸素は、基板Gに塗布された光硬化性物質が硬化されるときに影響を及ぼすため、濃度測定器260は、光硬化性物質が塗布される基板Gと隣り合う側に配設されることが好ましい。例えば、濃度測定器260は、ノズル235よりも低い位置に配設されてもよい。
【0052】
基板支持部100は、基板支持台110の温度を測定するための温度測定器130をさらに備えていてもよい。温度測定器130は、非接触方式で基板Gの温度を測定可能なパイロメーター(pyrometer)、赤外線温度計などとして設けられてもよい。このような温度測定器130は、非接触方式で基板Gの温度を測定できるように壁体部240に配設されてもよい。例えば、温度測定器130は、基板支持台110と向かい合う壁体部240の底面に基板Gから離れるように配設されてもよい。温度測定器130は、基板Gの温度を非接触方式で測定できる限り、壁体部240の底面の他にも、様々なに配設されてもよい。なお、UV光が照射される領域において基板Gの温度を測定できるように、本体220が延びる方向、例えば、基板Gの厚さ方向に沿って複数の温度測定器130を配設してもよい。
【0053】
制御部300は、冷却装置120と、駆動器213と、UVランプ230と、弁255と、濃度測定器260と、温度測定器130など基板処理設備の全体の全般的な動作を制御してもよい。特に、制御部300は、濃度測定器260において測定された酸素の濃度を用いて弁255の動作を制御してもよい。なお、制御部300は、温度測定器130において測定された基板Gの温度を用いて冷却装置120の動作を制御してもよい。
【0054】
【0055】
図4を参照すると、UV硬化装置は、処理空間Sの外部から不活性ガスを噴射するように壁体部240に配設される補助ノズル257をさらに備えていてもよい。補助ノズル257は、基板Gに向かって不活性ガスを噴射するように壁体部240の外面に配設されてもよい。このとき、補助ノズル257は、基板Gの厚さ方向に沿ってガスを噴射するように壁体部240に配設されてもよい。このため、補助ノズル257は、壁体部240と基板支持台110との間、または壁体部240と基板Gとの間に不活性ガスカーテン、例えば、窒素ガスカーテンを形成してもよい。このような窒素カーテンが形成されれば、ノズル253を介して処理空間Sに噴射される窒素ガスが処理空間S内において滞在する時間が長くなり、外部から処理空間Sへと空気が流れ込むことを遮断することができる。したがって、処理空間Sの内部の雰囲気を一定に保つことができる。
【0056】
ここでは、基板処理装置がチャンバーを備えていないことを想定して説明しているが、基板の処理のための雰囲気を制御するための目的ではなく、基板に噴射される窒素ガスを回収するための目的にチャンバーを用いてもよい。
【0057】
以下では、本発明の実施形態に係る基板処理方法について説明する。
【0058】
本発明の実施形態に係る基板処理方法は、光硬化性物質が塗布された基板を用意する過程と、基板を基板支持台に載置する過程と、基板の上部に基板の一部の領域と連通される処理空間を形成する過程と、処理空間に窒素雰囲気を形成する過程及び窒素雰囲気が形成された処理空間から基板へとUV光を照射する過程を含んでいてもよい。
【0059】
まず、光硬化性物質が塗布された基板Gを用意してもよい。このとき、基板Gとしては、OLED、LCDなどのディスプレイ用ガラス基板が挙げられ、光硬化性物質は、誘電体物質を含んでいてもよい。しかしながら、基板と光硬化性物質は、これに何ら限定されない。
【0060】
基板Gが用意されれば、基板Gを基板支持台110の上部に載置してもよい。このとき、基板Gは、基板支持台110の上部に接触された状態で載置されてもよく、基板支持台110からエアを噴射して基板支持台110から所定の距離だけ離れるように浮上させてもよい。後者のように、基板Gを基板支持台110の上部に浮上させる理由は、基板Gが透光性材質である場合、基板GにUV光を照射して光硬化性物質を硬化させると、基板支持台110の表面のトポロジーや基板支持台110の表面の模様が光硬化性物質に転写されてモアレ(moire)が生じる恐れがあるからである。
【0061】
基板Gが基板支持台110に載置されれば、UV硬化装置の本体220を基板Gの一方の側、例えば、基板Gの左側に移動させてもよい。次いで、制御部300を制御することでガス供給部250の弁255の動作を制御して、ガス貯留器251に貯留されている窒素ガスをノズル253に供給してもよい。
【0062】
窒素ガスが供給されれば、ノズル253を介して壁体部240の内部の処理空間Sに窒素ガスが噴射されてもよい。このようにして処理空間Sに窒素ガスが供給されれば、処理空間Sの内部にあった空気が壁体部240と基板Gとの間の空間を介して外部に排出され、処理空間Sの内部は窒素雰囲気に切り替えられることが可能になる。
【0063】
このように、処理空間Sに窒素ガスを噴射し続けて処理空間Sの内部の窒素雰囲気を保ち、UVランプ230を作動させて基板GにUV光を照射してもよい。また、補助ノズル257を用いて処理空間Sの外側、すなわち、壁体部240の外部から基板Gに向かって窒素ガスを噴射してもよい。このとき、補助ノズル257は、基板Gに向かってガスを噴射して壁体部240と基板Gとの間に窒素カーテンを形成してもよい。このため、ノズル253を介して処理空間Sに噴射される窒素ガスは、窒素カーテンにより処理空間S内において一時的に滞在することができる。なお、窒素カーテンにより処理空間Sへの空気の流れ込みが遮断されて基板GにおけるUV光が照射される領域に窒素雰囲気を円滑に保つことができる。
【0064】
そして、駆動装置210を用いて、UV硬化装置200の本体220を基板Gの他方の側、例えば、右側に移動させながら基板Gの上部に塗布されている光硬化性物質を硬化させてもよい。このとき、ノズル253から噴射される窒素ガスは、壁体部240と基板Gとの間に排出されながら基板Gの表面に残留する空気または酸素を取り除くことができる。本体220を移動させることに伴い、本体220の移動方向に沿って処理空間Sもまた移動され、移動された処理空間Sにおいて光硬化性物質の硬化が連続して行われる。
【0065】
次いで、光硬化性物質が硬化されれば、基板Gを後続する工程場所に搬送してもよい。そして、制御部300を用いて弁255を作動させて窒素ガスの供給を遮断し、後続する基板Gを処理するために本体220を基板支持台110の一方の側に移動させてもよい。
【0066】
このような光硬化性物質を硬化させる過程において、処理空間Sの内部の酸素の濃度を測定してもよい。このとき、酸素の濃度は、弁255を作動させて処理空間Sに窒素ガスを供給してから光硬化性物質の硬化が終わるまで、すなわち、基板Gの処理が終わるまで行われ続けてもよい。
【0067】
基板処理工程は、別途のチャンバーなしに大気圧中で行われるため、処理空間Sの内部の酸素の濃度を「0」に制御することには無理がある。このため、酸素の濃度を光硬化物質の硬化に影響を及ぼさないほど、例えば、1,000ppm以下に制御しながら基板を処理してもよい。このとき、酸素の濃度が1,000ppmよりも高ければ、UV光が酸素を吸収してオゾンを生じさせたり光硬化性物質を酸化させたりする恐れがあり、処理空間Sにおいて生じる気流により基板Gに形成される皮膜にモアレが形成される恐れがある。この理由から、処理空間Sにおける酸素の濃度を1,000ppm以下に制御することが好ましい。
【0068】
基板Gを処理する過程において、濃度測定器260を用いて処理空間Sの内部の酸素の濃度を測定し続け、処理空間Sの内部の酸素の濃度を1,000ppm以下に保ってもよい。このとき、濃度測定器260において測定された酸素の濃度が1,000ppm以上である場合、制御部300は、弁255の動作を制御してノズル253を介して噴射される窒素ガスの流量を増やしてもよい。これに対し、濃度測定器260において測定された酸素の濃度が1,000ppm以下である場合、ノズル253を介して噴射される窒素ガスの流量をそのまま保ってもよい。
【0069】
また、基板Gを処理する過程において、基板支持台110の温度を制御してもよい。すなわち、UV光により基板G及び基板支持台110の温度が過剰に昇温することがある。したがって、温度測定器130を用いて基板Gの温度を測定し、測定された温度に基づいて冷却装置120の動作を制御して、基板支持台110の内部において循環される冷却媒体の流量や循環速度を制御することにより、基板支持台110の温度を調節してもよい。
【0070】
以下では、本発明の実施形態に係る基板処理方法に係る基板の処理能を検証するための実験結果について説明する。
【0071】
光硬化性物質が塗布された基板を基板支持台に載置し、UV硬化装置を用いて基板の上方に局部的に窒素雰囲気を形成しながらUV光を照射して光硬化性物質を硬化させた。そして、UV硬化装置の壁体部の内部に形成される空間において酸素の濃度を測定した。このとき、酸素の濃度が1,000ppm、800ppm、600ppm、500ppm、300ppm、200ppmに達するまでにかかる時間を計測した。
【0072】
下記の表1は、酸素の濃度が予め設定された濃度に達するまでにかかる時間を計測した結果を示す。
【0073】
【0074】
酸素の濃度が光硬化性物質がUV光により硬化されるのにほとんど影響を及ぼさない1,000ppmに達する時間は、9~12秒、平均で10.5秒であるということを推察することができた。このように、UV光が照射される領域にのみ局部的に窒素雰囲気を形成すれば、チャンバーの内部の全体を窒素雰囲気に切り替えるのに約30分かかっていた従来の技術に比べて、基板の処理時間を短縮させることができる。なお、このような方法で光硬化性物質を硬化させ、硬化された皮膜の品質をテストした結果、従来の技術により硬化された皮膜とほぼ同一であるか、あるいは、同一の品質を示すということを確認することができた。
【0075】
以上、本発明の詳細な説明の欄において具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において様々な変形が行えるということはいうまでもない。よって、本発明の範囲は、上述した実施形態に何ら制限されてはならず、後述する特許請求の範囲だけではなく、この特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである
【符号の説明】
【0076】
100:基板支持部
110:基板支持台
120:冷却装置
130:温度測定器
200:UV硬化装置
210:駆動装置
220:本体
230:UVランプ
240:壁体部
250:ガス供給部
251:ガス貯留器
253:ノズル
255:弁
257:補助ノズル
260:濃度測定器
300:制御部