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特開2022-140379膝関節形成術のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140379
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】膝関節形成術のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/38 20060101AFI20220915BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20220915BHJP
【FI】
A61F2/38
A61B34/20
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022036140
(22)【出願日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】17/197,369
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507400686
【氏名又は名称】グローバス メディカル インコーポレイティッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】ジェーソン ザッパコスタ
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー ジェイ.ブラックウェル
(72)【発明者】
【氏名】デビッド ストゥンポ
【テーマコード(参考)】
4C097
【Fターム(参考)】
4C097AA07
4C097BB01
4C097CC01
4C097CC03
4C097CC05
4C097CC13
4C097DD01
4C097DD09
4C097FF05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】骨に対するインプラントの位置を決定及び確認するための位置確認システムを提供する。
【解決手段】膝関節形成術のための膝蓋骨インプラント10は、キャップと、基部と、を含む。キャップは、関節運動表面と、複数の第1の接続部材と、を有する。基部は、患者の膝蓋骨の裏側に取り付けられる。基部は、キャップに装着されたキャップ支持体を含む。キャップ支持体は、複数の第1の接続凹部を含む。キャップの各第1の接続部材は、キャップを基部に装着するために、キャップ支持体の第1の接続凹部のうちの対応する1つに配設されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝関節形成術のための膝蓋骨インプラントであって、
関節運動表面を含むキャップであって、前記キャップが、複数の第1の接続部材を有する、キャップと、
患者の膝蓋骨の裏側に取り付けられるように構成された基部であって、前記基部が、前記キャップに装着されたキャップ支持体を含み、前記キャップ支持体が、複数の第1の接続凹部を含み、前記キャップの各第1の接続部材が、前記キャップを前記基部に装着するために、前記キャップ支持体の前記第1の接続凹部のうちの対応する1つに配設されている、基部と、を備える、膝蓋骨インプラント。
【請求項2】
前記キャップの各第1の接続部材が、前記キャップ支持体の前記第1の接続凹部のうちの前記対応する1つと組み合っている、請求項1に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項3】
各第1の接続凹部が、凹部基部の反対側の凹部口を有し、前記凹部口が、前記凹部基部よりも小さい、請求項2に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項4】
各第1の接続部材が、取り付け端部とは反対側の接続端部を有し、各取り付け端部が、前記対応する接続端部よりも小さく、各接続端部が、前記凹部基部のサイズ及び形状に対応しており、各取り付け端部が、前記凹部口のサイズ及び形状に対応している、請求項3に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項5】
前記第1の接続部材が、前記接続端部と前記取り付け端部との間に配設された少なくとも1つの接続部材先細表面を含む、請求項4に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項6】
各第1の接続凹部が、前記キャップ支持体の少なくとも1つのキャップ支持体先細表面によって少なくとも部分的に画定され、各接続部材先細表面が、対応するキャップ支持体先細表面と係合して、前記それぞれの第1の接続凹部からの前記それぞれの第1の接続部材の離脱を阻止する、請求項5に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項7】
前記キャップが、複数の第2の接続部材を含み、前記基部の前記キャップ支持体が、複数の第2の接続凹部を含み、前記キャップの各第2の接続部材が、前記キャップを前記基部に装着するために、前記キャップ支持体の前記第2の接続凹部のうちの対応する1つに配設されている、請求項1に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項8】
第2の接続部材が、前記第1の接続部材とは異なる形状を有し、前記第2の接続凹部が、前記第1の接続凹部とは異なる形状を有する、請求項7に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項9】
前記第2の接続部材が、前記キャップの周辺縁部に沿って配設され、前記第1の接続部材が、前記第2の接続部材の内側に配設されている、請求項8に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項10】
前記第2の接続凹部が、前記基部の周辺縁部に沿って配設され、前記第1の接続凹部が、前記第2の接続凹部の内側に配設されている、請求項9に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項11】
前記キャップ支持体が、複数の相互接続空隙を含み、各相互接続空隙が、2つの隣接する第2の接続凹部の間に延在し、かつ前記2つの隣接する第2の接続凹部を相互接続し、前記キャップが、複数の相互接続筋交いを含み、各相互接続筋交いが、2つの隣接する第2の接続部材の間に延在し、かつ前記2つの隣接する第2の接続部材を相互接続し、各相互接続筋交いが、前記相互接続空隙のうちの対応する1つに配設されている、請求項7に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項12】
前記基部が、前記膝蓋骨の前記裏側に挿入されるように構成された少なくとも1つの係留突出部を更に含む、請求項1に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項13】
前記少なくとも1つの係留突出部が、多孔質領域を含む、請求項12に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項14】
前記基部は、前記基部が前記膝蓋骨に取り付けられた後に前記基部内への骨の内部成長を可能にするために、前記基部が前記膝蓋骨に取り付けられているときに前記膝蓋骨の前記裏側に面するように構成された多孔質領域を含む、請求項1に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項15】
多孔質領域が、前記キャップ支持体から遠位に盛り上がっている、請求項14に記載の膝蓋骨インプラント。
【請求項16】
膝関節形成術のための膝蓋骨インプラントの基部であって、
前記膝蓋骨インプラントのキャップに取り付けられるように構成されたキャップ支持体であって、前記キャップ支持体が、複数の第1の接続凹部を含み、各第1の接続凹部が、前記キャップを前記キャップ支持体に取り付けるために、前記キャップの対応する第1の接続部材を受容するように構成されている、キャップ支持体と、
前記キャップ支持体から延在し、前記膝蓋骨の裏側に挿入されるように構成された少なくとも1つの係留突出部と、を備える、基部。
【請求項17】
膝蓋骨インプラントを形成する方法であって、
複数の第1の接続凹部を有する基部を形成することと、
前記基部上で材料を成形して、関節運動表面を有するキャップを形成することであって、前記成形が、前記複数の第1の接続凹部を前記材料で実質的に充填することを含む、形成することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記基部が、複数の第2の接続凹部を含み、前記成形が、前記複数の第2の接続凹部を前記材料で実質的に充填することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記基部が、複数の相互接続空隙を含み、各相互接続空隙が、2つの隣接する第2の接続凹部の間に延在し、かつ前記2つの隣接する第2の接続凹部を相互接続し、前記成形が、前記複数の相互接続空隙を前記材料で実質的に充填することを更に含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記形成が、
前記基部のキャップ支持体を形成することであって、前記キャップ支持体が、前記複数の第1の接続凹部を含む、形成することと、
積層造形機を使用して、前記キャップ支持体上に多孔質領域を形成することと、を含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年9月3日に出願された米国特許出願第17/011,049号の一部継続出願であり、その内容全体は、あらゆる目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、概して、膝関節形成術、特に膝関節形成術インプラント、及び膝関節形成術インプラントを設置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
膝関節形成術は、しばしば膝置換術と呼ばれ、関節炎などによって損傷した膝を再構築し、表面を直すために使用される外科処置である。全膝関節形成術デバイスは、脛骨大腿関節と膝蓋大腿関節との両方を置き換える。脛骨大腿関節は、脛骨及び大腿骨が関節運動するところである。膝蓋大腿関節は、膝蓋骨及び大腿骨が関節運動するとことである。脛骨大腿関節を置き換えるために、膝関節形成術は、大腿骨の遠位端部に固設される大腿骨トライアル(又はインプラント)、脛骨の近位端部に固設される脛骨トレイ(又はインプラント)、及びそれらの間に配設されるインサートを含む。大腿骨インプラント及び脛骨インプラントは、それぞれ、膝関節を形成する大腿骨及び脛骨の端部を覆い、それによって膝を再建する。膝蓋大腿関節を置き換えるために、膝関節形成術は、膝蓋骨の裏側を置き換え、大腿骨トライアルと相互作用する置換関節運動表面を形成するための膝蓋骨人工器官(又はインプラント)を含む。
【発明の概要】
【0004】
一態様では、膝関節形成術のための脛骨インプラントは、患者の脛骨の近位端部上に配置するようにサイズ決定及び形状決定された脛骨プレートを含む。脛骨プレートは、反対側にある近位表面及び遠位表面を含む。遠位表面は、脛骨の端部と係合するように構成されている。脛骨キールが、脛骨プレートの遠位表面から遠位に延在しており、脛骨の近位端部に挿入されるように構成されている。少なくとも1つの係留突出部が、脛骨プレートの遠位表面から遠位に延在し、脛骨の近位端部に挿入されるように構成されている。
【0005】
別の態様では、患者の脛骨の近位端部に対する脛骨インプラントの埋め込みを確認する方法は、脛骨インプラントを脛骨の近位端部に対して位置決めすることと、脛骨インプラントに対する位置確認システムの位置インジケータを位置決めすることと、位置確認システムのトラッカで位置インジケータの位置を追跡することによって、脛骨インプラントの位置を決定することと、脛骨の位置を決定することと、脛骨の位置に対して脛骨インプラントの位置を比較することによって、脛骨の近位端部に対して脛骨インプラントが正しく位置決めされていることを確認することと、を含む。
【0006】
別の態様では、膝関節形成術のための膝蓋骨インプラントは、関節運動表面を含むキャップを備える。キャップは、複数の第1の接続部材を有する。基部は、患者の膝蓋骨の裏側に取り付けられるように構成されている。基部は、キャップに装着されたキャップ支持体を含む。キャップ支持体は、複数の第1の接続凹部を含む。キャップの各第1の接続部材は、キャップを基部に装着するために、キャップ支持体の第1の接続凹部のうちの対応する1つに配設されている。
【0007】
別の態様では、膝関節形成術のための膝蓋骨インプラントの基部は、膝蓋骨インプラントのキャップに取り付けられるように構成されたキャップ支持体を備える。キャップ支持体は、複数の第1の接続凹部を含む。各第1の接続凹部は、キャップの対応する第1の接続部材を受容して、キャップをキャップ支持体に取り付けるように構成されている。少なくとも1つの係留突出部は、キャップ支持体から延在し、膝蓋骨の裏側に挿入されるように構成されている。
【0008】
別の態様では、膝蓋骨インプラントを形成する方法は、複数の第1の接続凹部を有する基部を形成することと、基部上で材料を成形して、関節運動表面を有するキャップを形成することと、を含む。成形は、複数の第1の接続凹部を材料で実質的に充填することを含む。
【0009】
本開示の他の目的及び特徴は、部分的に明らかであり、以下で部分的に言及される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の一実施形態による脛骨インプラントの前方斜視図である。
図2図1の脛骨インプラントの底部斜視図である。
図3図1の脛骨インプラントの底部平面図である。
図4】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図5】本開示の別の実施形態による、脛骨インプラントの底部平面図である。
図6図5の脛骨インプラントの拡大部分底部斜視図である。
図7】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図8】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図9】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図10】本開示の別の実施形態による、脛骨インプラントの底部斜視図である。
図11】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図12図11の脛骨インプラントの係留突出部の拡大部分側面図である。
図13】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図14図13の脛骨インプラントの係留突出部の拡大部分側面図である。
図15】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図15A図15の脛骨インプラントの拡大部分底部斜視図である。
図16】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの正面底部斜視図である。
図17図16の脛骨インプラントの後方底部斜視図である。
図18】患者の脛骨の近位端部に図16の脛骨インプラントを設置する設置工具アセンブリの斜視図である。
図19】設置工具アセンブリの嵌入ガイドの前方斜視図である。
図20】嵌入ガイドの後方斜視図である。
図21】本開示の別の実施形態による脛骨インプラントの底部斜視図である。
図22図21の脛骨インプラントの底部平面図である。
図23】本開示の一実施形態による膝蓋骨インプラントの側面図である。
図24】膝蓋骨インプラントの断面図である。
図25】膝蓋骨インプラントの底平面図である。
図26】患者の脛骨の近位端部に対する脛骨インプラントの位置を確認するために、脛骨インプラントの位置決めガイドに係合する位置インジケータを有する位置確認システムの概略図である。
図27】患者の大腿骨の遠位端部に対する大腿骨インプラントの位置を確認するために、大腿骨インプラントの位置決めガイドに係合する図26の位置インジケータの斜視図である。
図28】脛骨インプラントの近位端部に対する位置を確認するために、脛骨インプラントに取り付けられた脛骨設置工具と係合する図26の位置インジケータの斜視図である。
図29】大腿骨の遠位端部に対する大腿骨インプラントの位置を確認するために、大腿骨インプラントに取り付けられた大腿骨設置工具に係合する図26の位置インジケータの斜視図である。
図30】脛骨の近位端部に対する脛骨インプラントの位置を確認するために、脛骨インプラントと係合する図26の位置インジケータの斜視図である。
図31】大腿骨の遠位端部に対する大腿骨インプラントの位置を確認するために、大腿骨インプラントに係合する図26の位置インジケータの斜視図である。
図32】脛骨インプラントの近位端部に対する位置を確認するために、脛骨インプラントに取り付けられた脛骨設置工具に固設された位置確認システムの位置インジケータの斜視図である。
図33】大腿骨の遠位端部に対する大腿骨インプラントの位置を確認するために、大腿骨インプラントに取り付けられた大腿骨設置工具に固設された図32の位置インジケータの斜視図である。
図34】脛骨インプラントの近位端部に対する位置を確認するために、脛骨インプラントに取り付けられた脛骨カバーに固設された図26の位置インジケータの斜視図である。
図35】大腿骨の遠位端部に対する大腿骨インプラントの位置を確認するために、大腿骨インプラントに取り付けられた大腿骨カバーに固設された図32の位置インジケータの斜視図である。
図36】本開示の別の実施形態による膝蓋骨インプラントの側面図である。
図37図36の底部平面図である。
図38図36の膝蓋骨インプラントの基部の上部平面図である。
図39図36の膝蓋骨インプラントの基部の拡大部分側面斜視図である。
図40図36の膝蓋骨インプラントの基部の拡大部分上部斜視図である。
図41図36の膝蓋骨インプラントの基部の拡大部分断面図である。
図42図36の膝蓋骨インプラントの拡大部分断面図であり、基部に接続された膝蓋骨インプラントのキャップを示している。
図43図42の拡大図である。
図44図36の膝蓋骨インプラントの拡大部分上部斜視図であり、キャップの接続部材の基部との相互接続をより明確に示すために、キャップの部分が図から隠されている。
図45図36の膝蓋骨インプラントの断面図である。
図46図45の拡大図である。
図47】本開示の別の実施形態による膝蓋骨インプラントのための基部の上部平面図である。
図48図47の基部の側面図である。
図49図47の基部の断面図である。
図50】本開示の別の実施形態による膝蓋骨インプラントの底部平面図であり、膝蓋骨インプラントが図47の基部を含んでいる。
図51】本開示の別の実施形態による膝蓋骨インプラントの側面図である。
図52図51の膝蓋骨インプラントの底部斜視図である。
図53】本開示の別の実施形態による膝蓋骨インプラントのための基部の側面図である。
図54】本開示の別の実施形態による膝蓋骨インプラントの底部斜視図である。
図55図54の膝蓋骨インプラントの係留突出部の拡大部分斜視図である。
図56図54の膝蓋骨インプラントの係留突出部の拡大部分断面図である。
図57図54の膝蓋骨インプラントの係留突出部の拡大部分底部図である。
【0011】
対応する参照符号は、図面全体を通して対応する部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
膝関節形成術を実行及び実施するための様々な異なるシステム及び方法が本明細書に開示される。本明細書に開示される膝関節形成術のための異なるシステムは、インプラント(例えば、脛骨インプラント、大腿骨インプラント、膝蓋骨インプラント)、インプラントを設置するための設置工具、又は関節形成術工具と、骨に対するインプラントの位置を決定及び確認するための位置確認システムと、を含む。本明細書に開示される膝関節形成術のための異なる方法は、骨に対する設置されたインプラントの位置を確認するためのインプラント及び方法を設置するための方法を含む。
【0013】
図1図3を参照すると、本開示の一実施形態による膝関節形成術のための脛骨トレイ又はインプラントの一実施形態は、概して参照番号10で示されている。脛骨インプラント10は、患者の脛骨Tの近位端部PE上に配置するようにサイズ決定及び形状決定された脛骨プレート12を含む(図18)。脛骨プレート12は、脛骨インプラントが取り付けられる脛骨Tの近位端部PEの特定のサイズ及び形状に一致するように概して任意のサイズ及び形状を有することができる。脛骨プレート12は、反対側にある近位表面14及び遠位表面16を含む。脛骨プレート12の遠位表面16は、脛骨Tの近位端部PEと係合するように構成されている。脛骨プレート12は、周囲縁部マージン18を有する。図示される実施形態では、脛骨プレート12は、近位表面14から近位に延在する周囲壁20を含む。周囲壁20は、周囲縁部マージン18を含む。周囲壁20は、インサート(図示せず)を受容するようにサイズ決定及び形状決定されたインサート受容空間22を画定する。周囲壁20は、インサートの一部分を受容してインサートをインサート受容空間22に保持するために使用される1つ以上の凹部又は切り欠き24を含み得る。近位表面14は、インサート受容空間22の遠位端部又は底部端部を画定する。
【0014】
脛骨インプラント10は、以下でより詳細に説明されるように、脛骨インプラントが脛骨の近位端部上に埋め込まれた(例えば、配置された)後に、脛骨Tの近位端部PEに対する脛骨インプラントの位置を確認するための位置確認システム1400(図26)によって係合されるように構成された少なくとも1つの(例えば、複数の)位置決めガイド26を含み得る。位置決めガイド26は、以下でより詳細に説明されるように、脛骨インプラント10に対して位置確認システム1400を位置付けるか又は位置合わせするために使用される。位置決めガイド26は、位置確認システム1400の要素又は構成要素(例えば、位置インジケータ1402)と嵌合するようにサイズ決定及び形状決定されている。したがって、位置決めガイド26は、位置確認システム1400のための接触点である。1つ以上の位置決めガイド26は、インプラントが脛骨Tに取り付けられた後にアクセス可能な位置で脛骨インプラント10上に配設されている。図示される実施形態では、位置決めガイド26は、脛骨プレート12上に配設されている。具体的には、位置決めガイド26は、脛骨インプラント10が埋め込まれた後に位置決めガイドに容易にアクセス可能であるように、脛骨プレート12の周囲縁部マージン18上に、望ましくは周囲縁部マージンの前方部分上に配設される。位置決めガイド26の他の位置は、本開示の範囲内である。例えば、位置決めガイド26は、近位表面14上に配設され得る。位置決めガイド26は、突出部などの凸状の要素、又は窪みなどの凹状の要素であり得る。図示される実施形態では、位置決めガイド26は、窪み又は凹部である。したがって、図示される実施形態の位置決めガイド26は、位置確認システム1400を受容するか又は位置確認システム1400によって係合されるように構成されている。凹部26は、図1に示されるような、円錐形状(例えば、逆円錐)、平坦な底部を有する円錐形、部分球状シェーパ、半球形状、円筒状の形状、矩形形状、正方形形状、角錐形状などであるがこれらに限定されない、概して任意の形状を有し得る。位置決めガイド26は、互いに離間配置されている。一実施形態では、位置決めガイド26は、脛骨インプラントのサイズ、インプラントの部分の数などであるがこれらに限定されない、脛骨インプラント10の識別データを示すように構成されている。脛骨インプラント10上の位置決めガイド26の位置及び/又は位置決めガイド間の距離を使用して、識別データを示すか、又はコードに変換することができる。位置確認システム1400が位置決めガイド26に位置合わせされるとき、システムは、位置決めガイドの位置及び/又は位置決めガイド間の距離を、可能性のあるインプラントのリストを含むインプラントデータベースに一致させて、脛骨インプラント10の特定のタイプを決定し、かつ/又は正しい脛骨インプラントが脛骨Tに埋め込まれたことを確認することができる。例えば、位置決めガイド26間の距離は脛骨インプラント10のサイズ(例えば、位置決めガイド26間の間隔は、インプラントのサイズによって異なる)を表し(例えば、コードに変換し)、位置確認システム1400は、正しいサイズの脛骨インプラントが埋め込まれたことを確認するために、インプラントデータベースを参照することによって、インプラント脛骨インプラントのサイズを決定することができる。
【0015】
脛骨インプラント10は、脛骨ステム又はキール28を含む。脛骨キール28は、脛骨Tの近位端部PEに挿入されるように構成されている。脛骨キール28は、脛骨プレート12に取り付けられている。脛骨キール28は、脛骨プレート12の遠位表面16から全体的に遠位に延在する。図示される実施形態では、脛骨キール28は、略直線状である。脛骨キール28は、中実又は中空であり得る(例えば、中実又は中空のコアを有し得る)。脛骨キール28は、冠状フィン30(例えば、2つの冠状フィン)を含み得る。冠状フィン30は、脛骨キール28の中心から外側に、患者の冠状平面(例えば、垂直な左右方向に延在する平面)と略平行な方向に延在している。図示される実施形態では、冠状フィン30は、わずかなV字形を形成するために、冠状平面に対してわずかな角度、例えば、約15度以下である。脛骨キール28はまた、矢状フィン32(例えば、2つの矢状フィン)を含み得る。矢状フィン32は、脛骨キール28の中心から外側に、患者の矢状平面(例えば、垂直な前後方向に延在する平面)と略平行な方向に延在している。冠状フィン30及び矢状フィン32は、フィンが遠位に延在するにつれて内側に先細になっている。矢状フィン32の幅も、フィンが遠位に延在するにつれて、内側に(例えば、冠状平面に略平行な方向に)先細になっていてもよい。フィン30、32は、丸みを帯びた縁部を有する。脛骨キール28の鼻部又は先端部は、冠状平面において先細(例えば、曲線状)になっている。他の実施形態では、脛骨キール28の鼻部はまた、矢状平面において先細になっていてもよい。脛骨キールの他の構成は、本開示の範囲内であり、そのいくつかは本明細書に開示される。
【0016】
図2及び図3を参照すると、脛骨インプラント10は、少なくとも1つの係留突出部34を含み得る。図示される実施形態では、脛骨インプラント10は、4つの係留突出部34を含むが、より多くの又はより少ない係留突出部は、本開示の範囲内である。係留突出部34は、脛骨プレート12の遠位表面16の上で互いに離間配置されている。図示される実施形態では、4つの係留突出部34は、脛骨キール28の周りで略X構成で配され、脛骨キールは、Xの中心にある。係留突出部34の他の構成は、本開示の範囲内である。
【0017】
各係留突出部34は、脛骨Tの近位端部PEに挿入されるように構成されている。各係留突出部34は、略同一であり、したがって、他の係留突出部は、本質的に同じ構築を有する(例えば、脛骨プレート12上の異なる場所に配設されている)ことを理解して、1つの係留突出部を更に詳細に説明することになる。係留突出部34は、脛骨プレート12に取り付けられている。係留突出部34は、脛骨プレート12の遠位表面16から概ね遠位に延在する。係留突出部34は、遠位端部又は先端36を有する。この実施形態では、遠位先端36は凹部を含む。凹部は、円錐形状(例えば、逆円錐)などであるがこれに限定されない、概ね任意の形状を有し得るが、平坦な底部を有する円錐形状、部分球状シェーパ、半球シェーパ、円筒状の形状、矩形形状、正方形形状、角錐形状などの他の形状も本開示の範囲内にある。凹部は、脛骨インプラント10が脛骨Tに埋め込まれるときに、係留突出部34と骨との圧縮篏合を最大化して、係留突出部と骨との間の圧縮を増加さて、骨の治癒を促進させる。更に、凹部は、遠位先端36における鋭利な先頭遠位縁部の形成を容易にして、係留突出部34の脛骨Tの近位端部PE内への挿入を容易にする。図示される実施形態では、係留突出部34は、略丸みを帯びた円錐形状(例えば、弾丸形状)を有するが、丸みを帯びた、ブレード、又は中空の形状などの他の形状は、本開示の範囲内である。係留突出部34は、遠位先端36から近位に延在する複数のリブ38を含む。リブ38は、脛骨プレート12の遠位表面16まで近位に延在する。図示される実施形態では、係留突出部34は、6つのリブ38を含むが、より多くの(例えば、20)又はより少ない(例えば、4)リブは、本開示の範囲内である。リブ38は、係留突出部34を中心に円周方向に配設されている。リブ38は、傾斜した縁部を有するが、他の実施形態では、丸みを帯びている、面取りされている、鋭利である、隅肉であるなどの縁部を有することができる。この実施形態では、リブ38は、係留突出部34の長手方向軸を中心に湾曲(例えば、わずかに湾曲)している。長手方向軸は、係留突出部34の遠位先端36を通って近位及び遠位に延在する。言い換えれば、リブ38は、長手方向軸を中心に螺旋状又は部分的に螺旋状に湾曲する。図示される実施形態では、各リブ38は、遠位表面16から概ね遠位に直線状に延在する近位部分と、近位部分から遠位先端36まで、長手方向軸を中心に曲線状の様式で遠位に延在する遠位部分と、を含む。リブ38は、リブが遠位に延在するにつれて、内側に(例えば、長手方向軸に向かって)遠位先端36に向かって先細になっている。先細部は、直線状又は曲線状であり得る。リブ38の他の構成は、本開示の範囲内である。隣接するリブ38は、それらの間に溝40を画定する。溝40は、遠位表面16から遠位先端36まで延在し、溝の形状は、概ねリブ38の形状に対応する。したがって、溝40も長手方向軸を中心に湾曲する。リブ38(広義には、係留突出部34)の設計は、骨変位を最小化し、骨折のリスクを最小化し、骨内部成長のための係留突出部の表面積を増加させる。係留突出部の他の構成は、本開示の範囲内であり、そのいくつかは本明細書に開示される。係留突出部34は、中実又は中空であり得る(例えば、中実又は中空のコアを有し得る)。
【0018】
脛骨インプラント10は、1つ以上の多孔質領域を含み得る。多孔質領域は、脛骨T(広義には、骨)と係合する脛骨インプラント上の位置に配設されている。多孔質領域は、脛骨インプラントが骨上に配置された後、インプラントと骨との間に強力な接続を形成するように、脛骨インプラント10内への骨の内部成長を可能にする。これにより、膝関節形成術において従来使用されているセメントを用いずに脛骨インプラント10を脛骨Tに挿入し、処置時間、セメントに関連する合併症、及び外科医のストレスを低減することができる。多孔質領域は、40%と90%を含む、約40%~90%の範囲、又はより好ましくは、50%と80%を含む、約50%~80%の範囲内の多孔度を有し得る。多孔質領域は、約1mm~1.5mmの厚さを有し得る。図示される実施形態では、脛骨プレート12の遠位表面16は多孔性である(例えば、多孔質領域である)。脛骨インプラント10の他の部分は、多孔質領域を含み得る。例えば、一実施形態では、脛骨インプラント10が脛骨Tの近位端部PEに挿入されるか又は埋め込まれた後に、脛骨キール及び/又は係留突出部34内への骨の内部成長をそれぞれ可能にするために、脛骨キール28及び係留突出部34の少なくとも一部分が多孔質である。脛骨キール28のいずれの表面及び係留突出部34は多孔質であり得る。好ましくは、多孔質領域は、脛骨プレート12の遠位表面16から、脛骨キール28及び係留突出部34に沿って延在する。好ましくは、脛骨キール28及び/又は係留突出部34の多孔質領域は、約10mmを含む最大約10mmの距離にわたって遠位表面16から遠位に延在する。これにより、骨を脛骨キール28及び/又は係留突出部34に成長させることができる一方で、将来、インプラントの調整又は置換が必要となった場合に、依然として脛骨インプラント10を容易に取り外すことができるようになる。脛骨キール28及び/又は係留突出部34の多孔質領域は、より強力な接続が脛骨キール及び/又は係留突出部34の間に形成され得るように、脛骨キール28及び/又は係留突出部34の全体を含む、脛骨キール及び/又は係留突出部34よりも広い範囲にわたって延在してもよいが(例えば、覆ってもよいが)、取り外しが必要になった場合、骨からのそのような脛骨インプラントを取り外して置き換えることは、より困難になるであろう。一実施形態では、多孔質領域は、一緒に結合されて格子を形成する六角形の筋交いを備えるが(図2及び図5)、任意の好適な多孔質構造は、本開示の範囲内である。
【0019】
脛骨インプラント10は、従来の製造プロセス及び方法、並びに/又は積層造形プロセス及び方法(例えば、三次元(three-dimensional、3D)印刷)を使用して作製することができる。製造方法の1つでは、脛骨インプラント10全体が、積層造形を使用して構築される。この方法では、脛骨インプラント10は、概して、基部プレート上のインプラントを構築する積層造形機(例えば、3Dプリンタ)によって作られ、インプラントが基部プレートから取り外される前にインプラントを後処理する。別の製造方法では、脛骨インプラント10は、従来の製造方法を積層造形と組み合わせるハイブリッド製造を使用して構築される。このハイブリッド方法では、インプラント10の脛骨プレート12は、まず、金属ブランクを冷間形成(例えば、スタンピング、切断、変形)すること、又は脛骨プレートを鍛造などの従来の製造方法によって造り出すことができる。次いで、脛骨プレート12は、脛骨プレート上の追加の要素(例えば、キール28、係留突出部34、多孔質領域など)を作る積層造形機に配置される。好ましくは、脛骨インプラント10の多孔質領域は、積層造形を使用して構築される。積層造形機は、脛骨インプラントの構成要素(例えば、脛骨プレート12)上に多孔質領域(例えば、六角形の筋交いの格子)を作る(例えば、作るように構成される)。積層造形は、従来の方法で作ることが可能であった多孔質構造体よりも複雑な多孔質構造体を作ることを可能にする。例えば、従来の製造方法は、六角形の筋交いの格子から構成される多孔質領域を構築することができない。3D印刷、直接金属レーザー焼結(direct metal laser sintering、DMLS)、チタン堆積スプレーなどの様々な異なる積層造形プロセスを使用して、多孔質領域を造り出すことができる。多孔質領域を構築する他の方法は、本開示の範囲内である。例えば、多孔質領域は、レーザーエッチング又は酸エッチングなどの除去製造プロセスを使用して構築することができる。
【0020】
脛骨インプラントの他の構成は、本開示の範囲内である。例えば、脛骨インプラントは、以下に記載される脛骨キール及び/又は係留突出部のうちの1つ以上を有することができる。
【0021】
図4を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント110のための係留突出部は、概して参照番号134で示されている。この実施形態では、係留突出部134のリブ138は、略直線状であり、長手方向軸に平行に、かつ長手方向軸に向かって延在する(例えば、長手方向軸を中心に湾曲しない)。この実施形態では、係留突出部134の遠位先端136は、点(例えば、円錐形状の点)を含む。
【0022】
図5及び図6を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント210のための係留突出部は、概して参照番号234で示されている。この実施形態では、係留突出部234は、略X字形状で配された4つのリブ238を含む(図5)。リブ238もまた、略直線状であり、長手方向軸に平行に、かつ長手方向軸に向かって延在する。遠位先端236もまた、係留突出部134と同様の点を含む。この実施形態では、リブ238は、脛骨プレート12の遠位表面16から離間配置されている。リブ238は、遠位先端236から遠位先端及び遠位表面16の中間の場所まで近位に延在している。各リブ238は、遠位表面16に面し、かつ遠位表面16から離間配置されている近位表面を含む。リブ238の近位表面、脛骨プレート12の遠位表面16、及びリブの基部(図示せず)が一緒になって、骨(例えば、脛骨T)がリブ内に成長し、リブを取り囲むための空間を画定する。他の実施形態では、図16図17図21、及び図22の係留突出部234Aのリブなどのリブ238は、遠位表面16までずっと延在し得る。
【0023】
図7を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント310のための係留突出部は、概して参照番号334で示されている。この実施形態では、係留突出部334は円筒形である(例えば、円筒状の形状を有する)。係留突出部334は、円筒状の外側表面335及び前方表面又は遠位表面336を含む。遠位表面は、略平面状であり(例えば、遠位端部336は、概ね鋭くない)、円形の形状を有する。外側表面335と遠位表面336との間の縁部又は角は丸みを帯びているが、他の実施形態では、傾斜している、面取りされている、鋭利である、隅肉などであり得る。
【0024】
図8を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント410のための係留突出部は、概して参照番号434で示されている。この実施形態では、係留突出部434は、円筒状の外側表面435を有する略円筒形である。遠位端部436は、図示される実施形態において、逆円錐である凹部を含むが、本明細書に記載される他の構成は、本開示の範囲内である。この実施形態では、遠位端部436における逆円錐凹部の基部の幅又は直径は、円筒状の外側表面435の幅又は直径に略等しいが、より小さい幅を有する凹部の基部は、本開示の範囲内である。係留突出部434は、遠位端部436の凹部と円筒状の外側表面436との間の遠位端部436に鋭利な先頭縁部又は遠位縁部を含む。
【0025】
図9を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント510のための係留突出部は、概して参照番号534で示されている。この実施形態では、係留突出部534は、係留突出部が遠位に延在するにつれて内側に先細になる略多角形(例えば、六角形)形状を有する。多角形形状の表面541は凹状である。その結果、表面間の縁部は、概して、鋭利な縁部を有する係留突出部534の突起538を画定する。この実施形態では、遠位端部536は、略平面状の遠位表面を有する。
【0026】
図10を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント610のための係留突出部は、概して参照番号634で示されている。この実施形態では、係留突出部634は、係留突出部が遠位に延在するにつれて内側に先細になる略多角形(例えば、六角形)形状を有する。多角形形状の表面641は凹状である。その結果、表面間の縁部は、概して、係留突出部634の突起638を画定する。この実施形態では、突起638は丸みを帯びている。遠位端部636は、逆円錐などの凹部を有する。
【0027】
図11及び図12を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント710のための係留突出部は、概して参照番号734で示されている。この実施形態では、係留突出部734は、係留突出部が遠位に延在するにつれて内側に先細になる略多角形(例えば、六角形)形状を有する。多角形形状の表面741は凹状である。その結果、表面741間の縁部は、概して、鋭利な縁部を有する係留突出部734の突起738を画定する。突起738は、一般に、スパインが遠位に延在するにつれて、係留突出部の長手方向軸LAを中心に湾曲している。したがって、多角形の断面形状は、概して、係留突出部が遠位に延在するにつれて、長手方向軸LAを中心に回転する。遠位端部736は、逆六角形ピラミッドなどの凹部を有するが、本明細書に記載されるものなどの他の形状は、本開示の範囲内である。係留突出部734は、遠位端部及び表面741の凹部間の遠位端部736に鋭利な先頭縁部又は遠位縁部737を含む。遠位縁部737は、複数の線形セグメントから作製された多角形(例えば、六角形)形状を有する。遠位縁部737の線形セグメントは、概ね同一平面上にある。
【0028】
図13及び図14を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント810のための係留突出部は、概して参照番号834で示されている。この実施形態では、係留突出部834は、係留突出部が遠位に延在するにつれて内側に先細になる略多角形(例えば、六角形)形状を有する。多角形形状の表面841は凹状である。その結果、表面841間の縁部は、概して、鋭利な縁部を有する係留突出部834の突起838を画定する。突起838は、概して、スパインが遠位に延在するにつれて、係留突出部の長手方向軸LAを中心に湾曲している。したがって、多角形の断面形状は、概して、係留突出部が遠位に延在するにつれて、長手方向軸LAを中心に回転する。遠位端部836は、逆六角形ピラミッドなどの凹部を有するが、本明細書に記載されるものなどの他の形状は、本開示の範囲内である。係留突出部834は、遠位端部及び表面841の凹部間の遠位端部836に鋭利な先頭縁部又は遠位縁部837を含む。遠位縁部837は、複数のセグメントで作製された略多角形(例えば、六角形)形状を有する。この実施形態では、遠位縁部837の線セグメントは、弓形又は曲線状であり(例えば、長手方向軸LAに対して略垂直に延在する軸(例えば、水平方向軸)を中心に略曲線状である)。その結果、遠位縁部837は、2つの曲線状のセグメントと突起838との交点に歯又は点が配設されている(例えば、それによって画定されている)、略鋸歯状の構成を有する。
【0029】
図15及び図15Aを参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント910のための係留突出部は、概して参照番号934で示されている。この実施形態では、係留突出部934は、遠位表面16から遠位端部936まで遠位に延在する円筒状の壁939を含む。円筒状の壁939は、略円筒状の外側表面935及び略円筒状の内側表面943を含む。円筒状の内側表面943は、本明細書に記載される係留突出部の他の凹部と関連して同様に、係留突出部の空洞又は凹部945を画定する。空洞945は、遠位表面16から遠位端部936まで延在する。遠位端部936は、略平面状の遠位表面を含む。遠位表面の内側及び/又は外側の円周縁部は、傾斜している、丸みを帯びている、面取りされている、鋭利である、隅肉などであり得る。図示される実施形態では、遠位端部936の遠位表面の内側縁部は、傾斜している。外側表面943及び内側表面934は各々、円周方向に画定された1つ以上の(例えば、複数の)円周突起938を含み、概して、円筒状の壁939内に延在する凹状の溝を含む。突起938は、円筒状の壁939に沿って長手方向に離間配置されている。
【0030】
図16及び図17を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント1010の脛骨キールは、概して参照番号128で示されている。この実施形態では、脛骨キール128は、弓形又は曲線状である。脛骨キール128は、脛骨キールが脛骨プレートの遠位表面から遠位に延在するにつれて、患者の横軸(例えば、脛骨プレート12の遠位表面16に略平行である水平方向軸又は左右方向軸)を中心に湾曲する。言い換えれば、脛骨キール128は、脛骨インプラント1010の前(例えば、前方方向)に向かって湾曲する。結果として、脛骨インプラント1010が脛骨Tに埋め込まれたときに、脛骨キール128は患者の脛骨結節に向かって湾曲する。脛骨結節は、整形外科手術のランドマークとして一般的に使用される皮質顕微鏡である。脛骨キール128の鼻部を脛骨結節に向けることで、他のキール設計とは異なり、皮質骨のより近くに配設されることによって、追加の皮質引っ掛かりが保証され、持ち上げの可能性が低減される。更に、曲線状の脛骨キール128は、直線状のキール設計よりも大きい表面積を有する。脛骨キール128のより大きな前側表面又は前方表面及び後側表面又は後方表面は、脛骨Tから脛骨インプラント10を持ち上げるより大きな抵抗を提供する。加えて、曲線状の設計により、脛骨キール128の後方表面の一部分は遠位に面し、遠位に面する表面積の全体量を増加させ、これにより、脛骨インプラント1010が沈下に抵抗する能力が増加する。脛骨キール128が曲線状であることに加えて、脛骨キールの冠状フィン130及び矢状フィン132は、貫通縁部を含む。フィン130、132の縁部は、先細、鋭利、及び/又は鋸歯状であり得る。従来の挿入技術は、インプラントを挿入する前に、脛骨T内に掘削及び/又はブローチ加工キール特徴部を必要とする。脛骨キール128の貫通縁部は、いかなる又は最小限の事前の骨の準備を伴わずに、脛骨インプラント1010の挿入を容易にする。加えて、この実施形態では、脛骨キール128はまた、係留突出部又はスパイク131も含む。係留突出部131は、脛骨Tの近位端部PEに挿入されて、脛骨インプラント1010を脛骨に更に固設するように構成されている。図示される実施形態では、係留突出部131は、冠状フィン130の縁部に隣接して、脛骨キール128の後方側に配設される。
【0031】
図18図20を参照すると、患者の脛骨Tの近位端部PE上に、インプラント1010などの曲線状のキール脛骨インプラントを設置するための設置工具アセンブリは、概して参照番号1200で示されている。設置工具アセンブリ1200は、脛骨トライアルハンドル1202と、嵌入ガイド1212と、を含む。ハンドル1202は、脛骨Tに埋め込まれる脛骨インプラント1010のサイズを決定するために使用されるフットプリントテンプレート1204を含む。フットプリントテンプレート1204は、脛骨キール及び/又は係留突出部を脛骨Tの近位端部PEに挿入することを可能にし、一方で、フットプリントテンプレートが脛骨の上に重なる、1つ以上の孔又は空間1206を含み得る。フットプリントテンプレート1204は、シャフト1208の一端に解放可能に結合されている。シャフト1208は、略円形の断面形状を有する。以下でより詳細に説明するように、シャフト1208は、嵌入ガイド1212をハンドル1202上に位置決めするために使用される凹部又は窪み1210を位置決めすることを含む。
【0032】
嵌入ガイド1212は、脛骨インプラント1010を曲線状の様式で(例えば、曲線状の又は弓状の経路CPで)脛骨Tの近位端部PEに挿入するように構成されている。嵌入ガイド1212は、装着部分1214及び駆動部分1216を含む。装着部分1214は、ハンドル1202に結合される(例えば、解放可能に結合される)ように構成されている。装着部分1214は、ハンドルのシャフト1208を受容するようにサイズ決定及び形状決定されたハンドル開口部1218を画定する。ハンドル開口部1218は、装着部分1214がシャフト1208の端部の上をハンドル1202のシャフトに沿って摺動することを可能にするために、反対側にある開放端部を有する。ハンドル開口部1218は、ハンドル1202のシャフト1208の断面形状に一致するか、又はそれに対応する断面形状を有する。したがって、図示される実施形態では、ハンドル開口部1218は、円形の断面形状を有する。装着部分1214は、装着部分をハンドル1202上に位置決め及び固設するように構成された戻り止め又はキャッチ1220を含む。戻り止め1220は、ハンドルに沿って凹部1210のうちの1つに挿入されるようにサイズ決め及び形状決定され、ハンドル1202上の所定の位置に嵌入ガイド1212を位置決め及び係止する。係止位置(図20)では、戻り止め1220は、概して、ハンドル開口部1220内に延在する。嵌入ガイド1212がハンドル1202に装着されると、戻り止め1220は、戻り止めが係止位置にあるときに凹部1210内に延在する。戻り止め1220は、ばね又はリビングヒンジなどによって、係止位置に向かって依存的に付勢され得る。戻り止め1220が凹部1210(例えば、ハンドル開口部1218)から離間するように、戻り止めを解放位置(図示せず)に移動させると、嵌入ガイド1212がハンドル1202に沿って移動又は摺動することが可能になる。
【0033】
嵌入ガイド1212の駆動部分1216は、脛骨インプラント1010を保持し、脛骨Tの近位端部PEに脛骨インプラントを駆動するように構成されている。駆動部分1216は、装着部分1214に枢動可能に結合されている。図示される実施形態では、駆動部分1216は、ヒンジ1222(例えば、装着部分及び駆動部分の整列した開口部を通って延在するシャフト)によって装着部分1214に結合されている。したがって、駆動部分1216は、概して、回転軸ARを中心に回転して脛骨インプラント1010を脛骨Tに駆動する。駆動部分1216は、脛骨インプラント1010に解放可能に結合するように構成された結合頭部1224を含む。特に、結合頭部1224は、インサート受容空間22及び凹部24内に延在し、周囲壁20の内部表面と係合して、脛骨インプラント1010に結合する。結合頭部1224は、脛骨インプラント1010にスナップ嵌合又は圧縮嵌合を形成して、脛骨インプラントに解放可能に結合されるように構成されている。結合頭部1224は、装着インサート1226、1228(例えば、前方装着インサート及び後方装着インサート)を含む。装着インサート1226、1228は、インサート受容空間22及び/又は凹部24に挿入されるように構成されている。装着インサート1226、1228は、概ね、脛骨インプラント1010の周囲壁20の一部分に合致する。装着インサート1226、1228は、互いから離れる方向に弾性的に付勢される。装着インサート1226、1228は、互いに離れる方向に移動し、脛骨インプラント1010の周囲壁20と係合して、脛骨インプラントを嵌入ガイド1212に固設する。脛骨インプラント1010を取り付けるか、又は結合頭部1224から解放するために、装着インサート1226、1228は、互いに向かって押されて、インサートがインサート受容空間22の中又は外に移動することを可能にする。図示される実施形態では、弾性的に偏向可能なアーム1230は、装着インサート1226、1228を一緒に結合する。アーム1230はまた、ヒンジ1222の一部分を画定する。図示されるアーム1230は、略U字形を有する。結合頭部1224はまた、ハンマー(図示せず)によって係合又は打たれて、駆動部分1216を回転軸ARを中心に回転させ、脛骨インプラント1010を脛骨Tの近位端部PE内に駆動するように構成された接触表面1232も含む。駆動部分1216は、脛骨インプラント1010が結合頭部1224に取り付けられたときに、曲線状の脛骨キール128が湾曲する湾曲軸が、回転軸ARと概ね同一線上にあるように構成されている。これにより、駆動部分1216は、脛骨キール128の曲線に概ね対応し、それに一致する曲線状の経路に沿って脛骨インプラント1010を移動させることができる。
【0034】
設置工具アセンブリ1200を使用した1つの動作方法では、外科医は、ハンドル1202を使用して、脛骨インプラント1010の適切なサイズを選択する。外科医は、当技術分野で一般に知られている処置であるフットプリントテンプレート1204を使用して、脛骨Tの近位端部PEに埋め込まれる脛骨インプラント1010のサイズを決定し、ハンドル1202はまた、当技術分野で知られている従来の手段を使用して脛骨Tに対して所定の位置にも固設されている。脛骨インプラント1010のサイズが決定されると、外科医は、正しいサイズの脛骨インプラントを選択し、それを嵌入ガイド1216の結合頭部1224に取り付ける。脛骨インプラント1010は、装着インサート1226、1228を互いに向かって移動させることによって結合頭部1124に取り付けられ、これにより、それらがインサート受容空間22に挿入され得るようにする。インサート受容空間22に入ると、装着インサート1226、1228は互いに離れる方向に移動し、周囲壁20と係合してインプラントを嵌入ガイド1216に固設する。次いで、外科医は、ハンドル1202のシャフト1208を装着部分1214のハンドル開口部1218を通して挿入し、ハンドルに沿って嵌入ガイド1216を摺動させる。外科医は、戻り止め1220を所望の凹部1210と整列させて、嵌入ガイド1212をハンドル1202に沿った所望の位置に設定及び固設する。外科医は、ハンマーを使用して、接触表面1232に衝撃を与え、脛骨インプラント1010を脛骨Tに打ち込む。ハンマーは、回転軸ARを中心に駆動部分1216及び脛骨インプラント1010を回転させ、脛骨インプラント1010を曲線状の経路に沿って移動させる。一実施形態では、外科医は、設置工具アセンブリ1200を取り外す前に、脛骨インプラント1010を脛骨TのPE内に完全に近位端部叩いてもよい。別の実施形態では、外科医は、脛骨インプラント1010を脛骨Tの近位端部PEに部分的に叩き、次いで、設置工具アセンブリ1200を取り外すことができる。設置工具アセンブリ1200が取り外された後、外科医は、脛骨インプラント1010を脛骨T内に残りの部分を駆動する。例えば、外科医は、脛骨インプラントを脛骨Tの中の約半分のような中間位置まで駆動してもよい。この実施形態では、曲線状の脛骨キール128は、インプラントが脛骨T内に更に駆動されると、曲線状の経路に沿って脛骨インプラント1010をガイドし続ける。脛骨インプラント1010を引き離すために、外科医は装着インサート1226、1228を互いに向かって移動させ、次にインサート受容空間22から外に出す。上述したように、脛骨インプラント1010の脛骨キール128は、従来の脛骨インプラントを埋め込むために必要ないくつかの事前の骨の準備を伴わない、脛骨インプラント1010を埋め込むことを可能にする鋭利な縁部を有する。具体的には、脛骨キールのための脛骨Tを準備するステップ(例えば、孔を予め掘削する)が排除される。更に、本明細書に記載される曲線状のキール脛骨インプラント1010の埋め込みは、従来の直線状のキール埋め込み技術に脛骨インプラントを設置するために必要な転位、伸延、及びクリアランスを低減する。
【0035】
図21及び図22を参照すると、本開示の別の実施形態による脛骨インプラント1110の脛骨キールは、概して参照番号228で示されている。この実施形態では、冠状フィン230及び矢状フィン232を有する脛骨キール228。この実施形態では、フィンの縁部及び脛骨キール228の鼻部は、概ね鋭利でない(例えば、略平面状)である。更に、脛骨キール228の矢状フィン232は、凹状側部233を含む。脛骨キールの他の構成は、本開示の範囲内である。例えば、一実施形態では、脛骨インプラントは、(前方に湾曲する代わりに)前方に傾斜したような、垂直に対して一定の角度の脛骨キール(図示しない)を含む。脛骨キールの傾斜角度は、脛骨インプラントを脛骨Tの近位端部PEに埋め込むことを容易にする。傾斜した脛骨キールにより、脛骨インプラントをより前側又は前方の位置で開始し、次いで、インプラントを脛骨Tの近位端部PE内に駆動するときに、傾斜キールにより後側又は後方に移動することが可能である。直線状のキールと比較して、より前方の位置で脛骨インプラントの埋め込みを開始できることは、インプラントと患者の身体の他の部分(大腿骨など)及び/又は他の外科用工具との間のより大きいクリアランスを提供し、インプラントを脛骨Tに挿入することをより容易にする。
【0036】
本明細書に記載される脛骨インプラント10、110、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110の要素、特徴、及び方法は、大腿骨インプラント及び膝蓋骨インプラントを含むがこれらに限定されない他の骨インプラントに適用され得ることが理解される。例えば、脛骨インプラントの多孔質領域は、膝蓋骨インプラントなどの他の骨インプラントに組み込まれている。そのような膝蓋骨インプラントの例は、概して、図23図25の参照番号1310によって示されている。膝蓋骨インプラント1310は、膝蓋骨の裏側に埋め込まれるようにサイズ決定及び形状決定されている。膝蓋骨インプラント1310は、近位又は関節運動表面1314及び反対側の遠位表面1316を含む。遠位表面1316は、膝蓋骨の裏側に係合するように構成されている。関節運動表面1314は、部分的なドーム形状を有する。膝蓋骨インプラント1310は、上述されたように、多孔質領域を含む。特に、遠位表面1316は多孔性である(例えば、多孔質領域である)。図示される実施形態では、遠位表面1316の一部分は多孔性であるが、他の実施形態では、遠位表面1316全体は多孔質であり得る。多孔質である遠位表面1316の部分は、概ね遠位表面上の中央に位置し、遠位表面の周辺縁部から離間配置されている。多孔質領域は、遠位表面1316のより大きな円形の形状内に配設された略円形の形状を有する。図示される実施形態に示されるように、多孔質領域は、一緒に結合されて格子を形成する略六角形の筋交いを含むが、任意の好適な多孔質構造体は、本開示の範囲内にある。上記したように、遠位表面1316の多孔度により、膝関節形成術において従来使用されているセメントを伴わずに膝蓋骨インプラント1310が膝蓋骨に挿入又は埋め込まれ、処置時間、セメントに関連する合併症、及び外科医のストレスを低減することができる。
【0037】
膝蓋骨インプラント1310は、キャップ1350と、一緒に結合された基部又は係留部1352と、を含む。キャップ1350は、関節運動表面1314及び遠位表面1316の一部分を画定する(例えば、含む)。図示される実施形態では、キャップ1350によって画定される遠位表面1316の部分は、多孔質ではない。キャップ1350は、ポリマー材料又は任意の他の好適な材料から作製することができる。基部1352は、遠位表面1316の一部分を画定する。図示される実施形態では、基部1352によって画定される遠位表面1316の部分は、多孔質である。基部1352はまた、上述された係留突出部と同様に、少なくとも1つの(例えば、複数の)係留突出部1334も含む。図示される実施形態では、膝蓋骨インプラント1310は、3つの係留突出部1334を含むが、より多くの又はより少ない係留突出部は、本開示の範囲内である。各係留突出部1334は、遠位表面1316から概ね遠位に延在する。この実施形態では、各係留突出部1334は、浅い円錐状遠位先端1336を有する円筒形である(例えば、円筒状の形状を有する)。係留突出部1334もまた中実であるが(図24)、他の実施形態では、係留突出部は中空であり得る。基部1352は、金属又は任意の他の好適な材料から作製され得る。
【0038】
キャップ1350及び基部1352は、一緒に結合されて、膝蓋骨インプラント1310を形成するように構成されている。図示される実施形態では、キャップ1350及び基部1352は、スナップ嵌合接続を形成するように構成されている。基部1352は、対向する内側及び外側円周縁部マージン又は表面を有する支持リング1354を含む。図24に示されるように、支持リング1354の内側及び外縁円周縁部マージンは、縁部マージンが略上方に延在するにつれて、互いから離れる方向に先細になっている。その結果、支持リング1354の近位端部は、支持リングの遠位端部(例えば、略ありほぞ断面形状)よりも広くなる。キャップ1350は、支持リング1354を受容するようにサイズ決定及び形状決定された略円周チャネル1356又は凹部を含む。支持リング1354及びチャネル1356は、対応するサイズ及び形状を有する。キャップ1350は、チャネル1356の側部を画定する対抗する内側円周表面及び外側円周表面を含む。キャップ1350の内側表面及び外側表面は、支持リング1354の内側縁部及び外側縁部の先細部に対応する。図24に示されるように、キャップ1350の内側及び外側表面はまた、表面が略上方に延在するにつれて、互いから離れる方向にも先細になる。その結果、チャネル1356は、その基部(例えば、略ありほぞ断面形状)よりも狭い口を有する。膝蓋骨インプラント1310を組み立てるために、基部1352の支持リング1354は、キャップ1350のチャネル1356に挿入される。キャップ1350は弾性的に変形可能であり、チャネル1356の口を拡大するように変形して、支持リング1354がチャネル1356を通過できるようにしてから、初期状態又は静止状態に向かって戻るか又はスナップして戻り、それによってキャップ及び基部1352を一緒に固設することができる。キャップ1350は、支持リング1354と係合して、基部1352をキャップに固設する。キャップ1350及び支持リング1354の先細部の内側表面及び外側表面は、それぞれ互いに係合して、キャップ及び基部1352を一緒に固設する。支持リング1352はまた、膝蓋骨インプラント1310及び多孔質構造体のための装着プラットフォーム(例えば、六角形の筋交い)のための剛性を提供する。
【0039】
基部1352は、本明細書で説明される製造技術及びプロセスを使用して構築され得る。例えば、基部1352は、上述したように、ハイブリッド製造を使用して構築することができる。ハイブリッド製造プロセスでは、支持リング1354及び係留突出部1334は、まず、金属ブランクを冷間形成(例えば、スタンピング、切断、変形)すること、又は鍛造などの従来の製造方法によって造り出すことができる。次いで、部分的に形成された基部1352は、上部に多孔質領域を作る積層造形機に配置される。次いで、キャップ1350は、基部1352に取り付けられて、膝蓋骨インプラント1310の構築を完了する。ポリマーキャップ1350は、圧縮成形などの従来の方法によって形成され得る。
【0040】
図26図35を参照すると、患者の骨に対するインプラントの埋め込みを確認するための様々な異なるシステム及び方法が開示される。以下の説明は、骨に対する膝関節形成術インプラントの位置又は配置を確認するための異なるシステム及び方法を説明する。例えば、これらのシステム及び方法を使用して、患者の脛骨Tの近位端部PEに対する、本明細書に開示される脛骨インプラント10、又はインプラントのいずれかの位置を確認することができる。しかしながら、インプラントの位置を確認するためのこれらのシステム及び方法は、膝関節形成術以外の他の外科的用途で使用され得ることが理解される。
【0041】
全膝関節形成術は、大腿骨及び脛骨インプラントの適切な配置に依存する。従来の膝関節形成手術では、インプラントの最終的な配置は、インプラントを骨上に配置することと、インプラントが据えられる骨の鋸切断を実施することと、の両方における手術技能に依存する。骨内の鋸切断部を造り出すための様々な異なるシステムがある。例えば、インプラントの鋸切断は、手動の非コンピュータ支援器具、鋸切断の位置決めに関するコンピュータ支援フィードバックを提供するナビゲーション器具、鋸歯の位置決めに関するロボット支援ガイダンスを提供する外科用ロボットによって駆動することができる。外科用ロボット及び鋸切断の位置決めに対するロボット支援ガイダンスの更なる詳細は、2020年1月8日に出願された米国特許出願第16/737,054号に見出すことができ、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。インプラントは、概して鋸切断部に追従するが、従来の膝関節形成術において、インプラントの最終位置は、手術経験、技能、感触、及び眼に依然として依存する。以下のシステム及び方法は、患者の骨上のインプラントの位置に確認及び確証を提供する。
【0042】
米国特許出願第16/737,054号に開示された膝関節形成術を実施するシステム(例えば、外科用ロボット、追跡システムなど)及び方法は、本明細書に記載されるシステム(例えば、インプラント位置確認など)及び方法(例えば、インプラント埋め込み、位置確認など)は、膝関節形成術を実施、ガイド、支援するために使用され、かつ/又は膝関節形成術と組み合わせて使用され得る。
【0043】
図26を参照すると、本開示の一実施形態による位置確認システムは、概して参照番号1400で示されている。位置確認システム1400は、脛骨Tの近位端部PEに対する脛骨インプラント10の位置を確認又は決定するように構成されている。位置確認システム1400は、脛骨Tの近位端部PE上の脛骨インプラント10の埋め込みの間及び/又はその後に使用することができる。位置確認システム1400は、位置インジケータ1402及びトラッカ1410(例えば、追跡システム)を含む。位置インジケータ1402は、脛骨インプラント10の位置を示すように構成されている。トラッカ1410は、脛骨インプラント10の位置を決定するために、(3D空間内の)位置インジケータ1402の位置をリアルタイムで追跡又は特定するように構成されている。位置インジケータ1402は、脛骨インプラント10に対して位置決めされて、脛骨インプラントの位置を示すように構成されている。位置インジケータ1402は、トラッカ1410によって追跡される複数の(例えば、4つの)追跡マーカ又はインジケータ1404を含む。インジケータ1404は、トラッカ1410によって認識される視覚的又は光学マーカである。図示される実施形態では、インジケータ1404は、球体又はボールであるが、任意の好適な光学マーカは、本開示の範囲内である。位置インジケータ1402は、固定された外形を有し、トラッカ1410は、位置インジケータの外形を知っている。したがって、位置インジケータ1402上のインジケータ1404の位置を追跡することにより、トラッカ1410は、位置インジケータが接触しているか、又は結合されているものの位置を決定又は外挿することができる。図26に示される実施形態では、位置インジケータ1402は、スタイラスを備える。スタイラス1402は、先端部を有する。一実施形態では、スタイラス1402の先端は、ボール又は球体である。以下でより詳細に説明されるように、外科医は、スタイラス1402の先端と、異なる構成要素(例えば、脛骨インプラント10、関節形成術工具など)と係合して、脛骨インプラントの位置を決定することができる。トラッカ1410は、インジケータ1404に対するスタイラス1402の先端の位置を知っている。トラッカ1410は、インジケータ1404及びスタイラスの既知の外形を使用してスタイラス1402の先端の位置を決定することができ、それによってスタイラスの先端が接触しているか、又は係合されているものの位置を決定することができる。位置インジケータ1402の他の構成は、本開示の範囲内にあり、そのいくつかは本明細書に記載されている。例えば、位置インジケータ1402は、米国特許出願第16/737,054号に記載されているような、動的参照アレイであり得る。
【0044】
トラッカ1410は、位置インジケータ1402を追跡するか又は位置インジケータ1402の位置を特定し、3D空間内の位置インジケータの位置を決定する。トラッカ1410は、米国特許出願第16/737,054号に記載されているような、カメラベースのトラッカ(例えば、カメラ追跡システム)であり得る。トラッカ1410は、追跡コンピュータ1414と有線又は無線で結合された(例えば、通信している)1つ以上のカメラ1412を含む。カメラ1412は、位置インジケータ1402の画像(例えば、写真、ビデオなど)を捕捉するように構成され、追跡コンピュータ1414は、カメラからの画像内のインジケータ1404に基づいて位置インジケータ及び脛骨インプラント10の位置を決定する。追跡コンピュータ1414は、脛骨Tの近位端部PEに対する脛骨インプラント10の位置などの外科医に情報を出力するためのディスプレイ(例えば、ビデオディスプレイ)を含むことができる。トラッカ1410は、米国特許出願第16/737,054号に記載されるように、3D空間内の骨(例えば、脛骨T)の位置も決定し得るが、骨の位置を決定する他の方法は、本開示の範囲内である。一般に、トラッカ1410は、脛骨Tの位置を脛骨インプラント10の位置と比較して、脛骨に対するインプラントの位置を決定する。次いで、トラッカ1410は、この情報を外科医に出力又は表示する。位置確認システム1400は、より大きな外科システム(例えば、より大きなロボット外科手術システム)の一部であり得ることが理解される。
【0045】
位置確認システム1400は、脛骨Tの近位端部PEに対する脛骨インプラント10の位置を決定するために様々な異なる方法で使用することができる。図26に示されるような1つの動作方法では、位置確認システム1400は、脛骨インプラント10の1つ以上の位置決めガイド26と噛み合うか又は位置合わせして、脛骨インプラントの位置を決定するように構成されている。この実施形態では、位置インジケータ1402(例えば、スタイラスの先端)は、脛骨インプラント10の1つ以上の位置決めガイド26と噛み合うか又は位置合わせされる。例えば、スタイラス1402の先端は、脛骨インプラント10の凹部26に挿入される。次いで、トラッカ1410は、脛骨Tの近位端部PEに対する脛骨インプラント10の位置を決定するための1つ以上の位置決めガイド26(例えば、凹部)の位置を決定する。例えば、1つの例示的な方法では、外科医は、脛骨インプラントを脛骨の近位端部に配置することによってなど、脛骨の近位端部PEに対して脛骨インプラント10を位置決めする。その後、外科医は、脛骨インプラント10に対して位置インジケータ1402を位置決めする。トラッカ1410は、位置インジケータ1402を追跡して、脛骨インプラント10の位置(例えば、3D空間内の脛骨インプラントの位置)を決定する。この実施形態では、外科医は、スタイラス1402を使用して、先端と位置合わせ又は係合(例えば、接触)し、様々な位置決めガイド26(例えば、位置インジケータがインプラントと直接係合する)を使用する。トラッカ1410は、位置インジケータが脛骨インプラント10に対して位置決めされるときに位置インジケータ1402の位置を追跡する。特に、トラッカ1410は、スタイラス1402を追跡して、位置決めガイド26の位置を決定し、脛骨インプラントの位置を外挿又は決定する。一実施形態では、外科医は、スタイラス1402が位置決めガイド26に位置合わせされたときに、追跡器のユーザインターフェースを介して追跡器1410に伝えるので、トラッカは、位置インジケータのどの位置が脛骨インプラント10の位置(例えば、位置決めガイド)に対応するかを知ることができる。位置インジケータ1402と同様に、この実施形態では、トラッカ1410は、脛骨インプラント10の外形を知っており、脛骨インプラントの既知の外形及び位置決めガイド26の位置に基づいて、脛骨インプラントの位置を決定することができる。一実施形態では、トラッカ1410は、位置決めガイド26の位置に基づいてインプラントの外形にアクセスする。上述したように、位置決めガイド26の位置を使用して、インプラントのそのスタイル(例えば、タイプ、サイズなど)に固有の情報をコードに変換することができる。位置決めガイド26の位置を決定した後、トラッカ1410は、インプラントデータベースにアクセスし、位置決めガイド情報(例えば、位置決めガイド間の距離)を使用して、名称、タイプ、サイズ、外形などのような特定のインプラントの位置を特定することができる。他の実施形態では、外科医は、ユーザインターフェースを介して、この情報をトラッカに手動で提供するか、又はトラッカがインプラントデータベース内の正しいインプラントエントリにアクセスすることを可能にする情報を入力することができる。
【0046】
この方法を続けると、いくつかの点で、トラッカ1410は、脛骨Tの位置(例えば、3D空間における脛骨の位置)を決定するか又は通知される。これは、脛骨インプラント10の位置が決定される前、最中、又は後にあり得る。次いで、3D空間内の脛骨インプラント10の位置は、脛骨インプラントが脛骨の近位端部PE上に正しく位置決めされているかどうかを確認するために、3D空間内の脛骨Tの位置と比較される。トラッカ1410は、脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置に関して外科医にフィードバックを提供する。トラッカ1410は、脛骨Tと脛骨インプラント10との位置を比較し得るか、又は外科医が脛骨の位置と脛骨インプラントの位置とを比較することを可能にする情報を表示し得る。トラッカ1410又は外科医は、脛骨Tに対する(例えば、上の)脛骨インプラント10の位置を、脛骨Tに対して基準値又は理想位置と比較して、脛骨インプラントが正しく位置決めされているかどうかを決定することができる。理想位置は、外科医などによって以前に決定され、脛骨T上の脛骨インプラント10の理論的に完全な(例えば、脛骨の近位端部PEに対する)位置である。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置が理想位置(又は適切なエラーのマージン内にある)と整列する場合、脛骨インプラントは正しく位置しており、外科医は手術の残り部分に進むことができる。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置の位置が理想位置と整列しない場合、外科医は、手術に進む前に、必要に応じてインプラントの位置を調整する。脛骨インプラント10が再位置決めされた後、外科医は、脛骨インプラントの新しい位置又は調整された位置が正しいかどうかを決定するために、上記のステップを繰り返すことができる。この同じプロセスを使用して、骨に対する他のインプラントの位置を決定することができる。例えば、図27に示されるように、位置確認システム1400の位置インジケータ1402を大腿骨インプラントの1つ以上の位置決めガイド26に位置合わせすることによって、大腿骨インプラント11の位置を確認するために、同じプロセスを使用することができる。
【0047】
図28を参照すると、別の動作方法では、位置確認システム1400は、関節形成術工具1420(例えば、脛骨設置工具、大腿骨設置工具)上の1つ以上の位置決めガイド26と噛み合うか又は位置合わせされて、脛骨インプラント10の位置を決定するように構成されている。関節形成術工具1420は、脛骨インプラント10に解放可能に取り付けられるように構成されている。関節形成術工具1420及び脛骨インプラント10が一緒に結合されるとき、関節形成術工具は、脛骨インプラントに堅固かつ移動不能に固設される。関節形成術工具1420は、インプラント(例えば、脛骨インプラント、大腿骨インプラント)ホルダなどの任意の好適な工具であり得る。関節形成術工具1420は、上述したように、1つ以上の位置決めガイド26を含む。この実施形態では、位置インジケータ1402(例えば、スタイラスの先端)は、関節形成術工具1420の1つ以上の位置決めガイド26と噛み合うか又は位置合わせする(例えば、位置インジケータは、工具を介してインプラントと間接的に係合する)。次いで、トラッカ1410は、関節形成術工具1420の位置を決定し、次いで、脛骨インプラント10の位置を決定するために、1つ以上の位置決めガイド26(例えば、凹部)の位置を決定する。例えば、1つの例示的な方法では、外科医は、脛骨の近位端部に脛骨インプラントを配置することなどによって、脛骨の近位端部PEに対して脛骨インプラント10を位置決めする。一実施形態では、外科医は、関節形成術工具1420を使用して脛骨インプラント10を配置し、工具をインプラントに取り付けることができる。別の実施形態では、外科医は、脛骨インプラントが脛骨Tに埋め込まれた後、関節形成術工具1420を脛骨インプラント10に取り付け、その後、外科医は、位置インジケータ1402を脛骨インプラント10に対して位置決めする。トラッカ1410は、位置インジケータ1402を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定する。この実施形態では、外科医は、スタイラス1402を使用して、先端と、関節形成術工具1420の様々な位置決めガイド26とを位置合わせ又は係合(例えば、接触)する。トラッカ1410は、位置インジケータが関節形成術工具1420の位置決めガイド26と位置合わせされるときに位置インジケータ1402の位置を追跡する。トラッカ1410は、スタイラス1402を追跡して、位置決めガイド26の位置を決定し、関節形成術工具1420及び脛骨インプラント10の位置を外挿又は決定する。位置インジケータ1402と同様に、この実施形態では、トラッカ1410は、脛骨インプラント10の外形、関節形成術工具1420の外形、及び関節形成術工具が脛骨インプラントに取り付けられているときの脛骨インプラント及び関節形成術工具の相対的な向き及び位置を知っている。トラッカ1410は、この情報を使用して、位置決めガイド26の位置に基づいて、脛骨インプラントの位置を決定する。上述されたように、位置決めガイド26は、関節形成術工具に関して関連情報(例えば、工具に取り付けられた脛骨インプラントの外形、向き、及び場所)にアクセスするために使用することができる。
【0048】
トラッカ1410が脛骨インプラント10の位置を決定した後、プロセスは概ね上記と同じである。トラッカ1410は、脛骨Tの位置を決定又は通知する。次いで、脛骨インプラントが脛骨の近位端部PE上に正しく位置決めされているかどうかを確認するために、脛骨インプラント10の位置を脛骨Tの位置と比較する。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置が正しい場合、外科医は、手術の残りの部分に進むことができる。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置の位置が誤っている場合、外科医は、手術に進む前に、必要に応じてインプラントの位置を調整する。この同じプロセスを使用して、骨に対する他のインプラントの位置を決定することができる。例えば、図29に示されるように、同じプロセスを使用して、位置確認システム1400の位置インジケータ1402を、大腿骨インプラントに結合された関節形成術工具1420の1つ以上の位置決めガイド26に位置合わせすることによって、大腿骨インプラント11の位置を確認することができる。
【0049】
図30を参照すると、別の動作方法では、位置確認システム1400は、脛骨インプラントの複数の異なる場所で脛骨インプラント10と係合して、脛骨インプラントの位置を決定するように構成されている。この実施形態では、外科医は、脛骨インプラント10の全部又は一部分にわたって、位置インジケータ1402(例えば、スタイラスの先端)を撫でるか又は移動させる。トラッカ1410は、位置インジケータ1402が脛骨インプラント10に係合し、脛骨インプラント10の上を移動するときに、位置インジケータを追跡して、脛骨インプラントのサイズ、形状、及び位置に対応する情報(例えば、雲点又は雲点データ)を生成する。例えば、1つの例示的な方法では、外科医は、脛骨の近位端部に脛骨インプラントを配置することなどによって、脛骨の近位端部PEに対して脛骨インプラント10を位置決めする。その後、外科医は、脛骨インプラント10に対して位置インジケータ1402を位置決めする。トラッカ1410は、位置インジケータ1402を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定する。この実施形態では、外科医は、スタイラス1402の先端を脛骨インプラント10又はその標的領域の上を撫でるか又は移動させる。例えば、外科医は、スタイラスを脛骨インプラント10上で前後に移動させることができる。この実施形態では、スタイラス1402の先端は、先端がインプラントの上を摺動するときに脛骨インプラント10を損傷しない(例えば、ひっかかない)ように構成されている。トラッカ1410は、位置インジケータ1402が脛骨インプラントを撫でるときに、位置インジケータの位置を追跡する。トラッカ1410は、スタイラス1402を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定する。トラッカ1410が追跡すると、脛骨インプラント10のサイズ、形状(例えば、輪郭)、及び位置に対応するスタイラス雲点データが生成される。位置インジケータ1402と同様に、この実施形態では、トラッカ1410は、脛骨インプラント10の外形を知っており、この情報を使用して、雲点データに基づいて脛骨インプラントの位置を決定する。上述された位置決めガイド26と同様に、一実施形態では、雲点データを使用して、インプラントデータベースから脛骨インプラント10に関する関連情報(例えば、外形)にアクセスすることができる。トラッカ1410は、表面一致アルゴリズムを使用して、脛骨インプラント10のインプラントデータベースから外形の情報又はデータを雲点データと整列させて、脛骨インプラント10の位置を決定することができる。
【0050】
トラッカ1410が脛骨インプラント10の位置を決定した後、プロセスは、上述された実施形態に記載されたものと概ね同じである。トラッカ1410は、脛骨Tの位置を決定又は通知する。次いで、脛骨インプラントが脛骨の近位端部PE上に正しく位置決めされているかどうかを確認するために、脛骨インプラント10の位置を脛骨Tの位置と比較する。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置が正しい場合、外科医は、手術の残りの部分に進むことができる。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置の位置が誤っている場合、外科医は、手術に進む前に、必要に応じてインプラントの位置を調整する。この同じプロセスを使用して、骨に対する他のインプラントの位置を決定することができる。例えば、図30に示されるように、同じプロセスを使用して、大腿骨インプラント上の位置確認システム1400の位置インジケータ1402を撫でることによって、大腿骨インプラント11の位置を確認することができる。
【0051】
図32を参照すると、位置決めシステム1400の位置インジケータの別の実施形態は、概して、参照番号1403で示されている。この実施形態では、位置インジケータ1403は、工具、付属品、又はインプラントなどの関節形成術デバイスに装着(例えば、結合)されたアレイである。アレイ1403は、インジケータ1404を支持するフレームを含む。位置インジケータ1403は、関節形成術デバイスに解放可能に結合されるか、又は関節形成術デバイスに固定され得る。位置インジケータ1403が関節形成デバイス上に装着されると、位置インジケータは、関節形成術デバイスに堅固かつ移動不能に固設される。位置インジケータ1403は、上述されたように、インジケータ1404を含む。この実施形態では、位置インジケータ1403は、インプラントホルダなどの関節形成術工具1420に堅固に結合される。上述されたように、関節形成術工具1420は、脛骨インプラント10に解放可能に取り付けられるように構成されている。
【0052】
例示的な動作方法では、位置確認システム1400は、関節形成術工具1420に結合された位置インジケータ1403を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定するように構成されている。この実施形態では、位置確認システム1400は、埋め込み中と埋め込み完了後との両方で、脛骨インプラント10の配置に関して外科医にフィードバックを提供することができる。インプラントの埋め込み中に脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置を決定することができることにより、利用可能な骨ストックの品質及び量が向上する。また、埋め込み後にインプラントの位置をチェックする余分な工程を排除することができる。1つの例示的な方法では、位置確認システム1400は、脛骨インプラント10を脛骨T上の位置にガイドするために埋め込み中に使用される。外科医は、位置インジケータ1403を有する関節形成術工具1420を脛骨インプラント10に取り付ける(例えば、外科医は、脛骨インプラントに対して位置インジケータを位置決めする)。次いで、外科医は、脛骨の近位端部PEに対して脛骨インプラント10を位置決めする。外科医は、関節形成術工具1420を使用して、脛骨インプラント10を脛骨Tの近位端部PE上の所定の位置に移動させる(例えば、脛骨インプラントを脛骨に向かって移動させる)。トラッカ1410は、位置インジケータ1403を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定する。トラッカ1410は、位置インジケータが関節形成術工具1420及び脛骨インプラント10とともに脛骨Tに向かって移動するときに位置インジケータ1403の位置を追跡する。トラッカ1410は、位置インジケータ1403の位置に基づいて脛骨インプラント10の位置を決定又は外挿する。この実施形態では、トラッカ1410は、関節形成術工具が脛骨インプラントに取り付けられているときに、脛骨インプラント10の外形、関節形成術工具1420の外形(関節形成術工具に対する位置インジケータ1403の場所を含む)及び脛骨インプラント及び関節形成術工具の相対的な向き及び位置を知っている。トラッカ1410は、この情報を使用して、位置インジケータ1403の位置に基づいて、脛骨インプラントの位置を決定する。
【0053】
一実施形態では、関連情報は、関節形成術工具が脛骨インプラントに取り付けられているときに、脛骨インプラント10の位置(例えば、脛骨インプラントの外形、関節形成術工具1420の外形(関節形成術工具に対する位置インジケータ1403の場所を含む)及び脛骨インプラント及び関節形成術工具の相対的な向き及び位置)を、インプラントデータベースに格納することができる。この実施形態では、外科医は、ユーザインターフェースを介して、どの脛骨インプラント10及び関節形成術工具1420が使用されているかをトラッカ1410に伝え、インプラントデータベースから適切な情報にアクセスし得る。別の実施形態では、脛骨インプラント10の位置を決定するための関連情報は、トラッカ1410に教示されている。この実施形態では、脛骨インプラント10は、関節形成術工具1420に取り付けられ、次いでトラッカ1410に示され、トラッカ1410は次いで必要な情報を決定(例えば、収集)する。例えば、外科医は、脛骨インプラントの可変領域を使用して、関節形成術工具1420に対する脛骨インプラント10の場所を較正することができる。この実施形態では、トラッカ1410は、表面一致アルゴリズムを使用してトラッカ1410を較正するために、スタイラス1402を使用して、脛骨インプラント10及び/又は関節形成術工具1420上の特定の点に接触するように外科医に促すことができる。
【0054】
トラッカ1410が脛骨インプラント10の位置を決定した後、プロセスは、上記の実施形態に記載されたものと概ね同じである。トラッカ1410は、脛骨Tの位置を決定又は通知する。次いで、脛骨インプラントが脛骨の近位端部PE上の正しい位置に向かって移動しているかどうかを確認するために、脛骨インプラント10の位置に対して脛骨Tの位置を比較する。脛骨T上の脛骨インプラント10の配置又は埋め込み中に位置確認システム1400を使用する場合、トラッカ1410又は外科医は、理想位置に対して脛骨インプラントの位置を比較して、脛骨インプラントが理想位置(例えば、脛骨インプラントが脛骨Tの近位端部PEに埋め込まれるときに)に向かって移動している(例えば、一致している)ことを確認することができる。脛骨インプラント10が理想位置に向かって移動している場合、外科医は、いかなる調整も行うことなく、脛骨インプラント10を脛骨Tに向かって移動(例えば、挿入)し続けることができる。脛骨インプラントが理想位置に向かって移動しない場合(例えば、軌道から外れている)場合、外科医は、脛骨インプラント10を脛骨Tに向かって移動させながら、必要な調整及び修正を行うことができる。このようにして、位置確認システム1400は、脛骨インプラント10を理想位置に向かってガイドする。
【0055】
別の例示的な方法では、関節形成術工具1420は、脛骨インプラントが脛骨Tに埋め込まれた後、脛骨インプラント10に結合又は再結合されて、脛骨に対する脛骨インプラントの位置を確認する。この実施形態では、外科医は、位置インジケータ1403を有する関節形成術工具1420を脛骨Tに埋め込まれた脛骨インプラント10に取り付ける(例えば、外科医は、脛骨インプラントに対して位置インジケータを位置決めする)。トラッカ1410は、位置インジケータ1403を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定する。トラッカ1410は、脛骨インプラント10に結合された関節形成術工具1420に装着された位置インジケータ1403の位置を追跡又は特定する。トラッカ1410は、位置インジケータ1403の位置を特定し、脛骨インプラント10の位置を決定又は外挿する。上記で説明したように、トラッカ1410は、関節形成術工具が脛骨インプラントに取り付けられているときに、脛骨インプラント10の外形、関節形成術工具1420の外形(関節形成術工具に対する位置インジケータ1403の場所を含む)及び脛骨インプラント及び関節形成術工具の相対的な向き及び位置を知っている。トラッカ1410は、この情報を使用して、位置インジケータ1403の位置に基づいて、脛骨インプラント10の位置を決定する。
【0056】
トラッカ1410が脛骨インプラント10の位置を決定した後、プロセスは、上記の実施形態に記載されたものと概ね同じである。トラッカ1410は、脛骨Tの位置を決定又は通知する。次いで、脛骨インプラントが脛骨の近位端部PE上に正しく位置決めされているかどうかを確認するために、脛骨インプラント10の位置を脛骨Tの位置と比較する。位置確認システム1400を使用する場合、インプラントが埋め込まれた後に脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置を確認するために、トラッカ1410又は外科医は、理想位置に対して脛骨インプラントの位置を比較して、脛骨インプラントが脛骨上の正しい位置にあることを確認又は確証することができる。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置が理想位置と整列する場合、脛骨インプラントは正しく位置しており、外科医は手術の残りの部分に進むことができる。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置の位置が理想位置と整列しない場合、外科医は、手術に進む前に、必要に応じてインプラントの位置を調整する。脛骨インプラント10の位置が確認された後、関節形成術工具1420は、インプラントから取り外されるか又は引き離され得る。これらの同じプロセスを使用して、骨に対する他のインプラントの位置を決定することができる。例えば、図33に示されるように、大腿骨インプラントに結合された関節形成術工具1420に装着された位置確認システム1400の位置インジケータ1403を追跡することによって、大腿骨インプラント11の位置を確認するために、同じプロセスを使用することができる。
【0057】
図34を参照すると、一実施形態では、位置確認システム1400は、インプラントカバー1422を含む。インプラントカバー1422は、インプラントに解放可能に結合するように構成されている。インプラントカバー1422は、カバーが対応するインプラントのタイプに結合するようにサイズ決定及び形状決定される。例えば、脛骨インプラント10(図34)のためのインプラントカバー1422は、インサートに類似し、インプラントのインサート受容空間22に固設されるようにサイズ決定及び形状決定され得る。別の実施形態では、インプラントカバー1422は、大腿骨インプラント11(図35)のためのものである。インプラント上に固設されるようにサイズ決定及び形状決定される。インプラントカバー1422がインプラントに結合されると、インプラントカバーは、インプラントに堅固かつ移動不能に固設される。好ましくは、インプラントカバー1422は、概して、インプラントの関節運動表面の上に嵌合する。概して、トラッカ1410は、インプラントカバー1422の位置を使用して、インプラントの位置を決定する。この実施形態では、位置インジケータ1402、1403は、インプラントカバー1422に堅固に結合されている。図34は、1つのタイプの位置インジケータ1402を示し、スタイラスは、脛骨インプラント10のインプラントカバー1422に結合され、図35は、大腿骨インプラント11のインプラントカバーに結合されたアレイの別のタイプの位置インジケータ1403を示している。他のタイプの位置インジケータは、インプラントカバーに結合され得る。一実施形態では、インプラントが骨上に配置された後、インプラントの位置を確認するためにインプラントカバー1422をインプラントに結合することができる。別の実施形態では、インプラントカバー1422は、インプラントが骨に埋め込まれている間にインプラントに結合されて、埋め込みをガイドし得る。
【0058】
更に図34を参照すると、例示的な動作方法では、位置確認システム1400は、インプラントカバー1422に結合された位置インジケータ1402を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定するように構成されている。この実施形態では、位置確認システム1400は、埋め込み中と埋め込み完了後との両方で、脛骨インプラント10の配置に関して外科医にフィードバックを提供することができる。1つの例示的な方法では、位置確認システム1400は、脛骨インプラント10を脛骨T上の位置にガイドするために埋め込み中に使用される。外科医は、位置インジケータ1402を有するインプラントカバー1422を脛骨インプラント10に取り付ける(例えば、外科医は、脛骨インプラントに対して位置インジケータを位置決めする)。外科医はまた、関節形成術工具1420を脛骨インプラント10に取り付ける。一実施形態では、インプラントカバー1422は、脛骨インプラント10と関節形成術工具1420との間に配設され、関節形成術工具とともに移動する。次いで、外科医は、脛骨の近位端部PEに対して脛骨インプラント10を位置決めする。外科医は、関節形成術工具1420を使用して、脛骨インプラント10を脛骨Tの近位端部PE上の所定の位置に移動させる(例えば、脛骨インプラントを脛骨に向かって移動させる)。トラッカ1410は、位置インジケータ1402を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定する。トラッカ1410は、位置インジケータがインプラントカバー1422、関節形成術工具1420、及び脛骨インプラント10とともに脛骨Tに向かって移動するときに位置インジケータ1402の位置を追跡する。トラッカ1410は、位置インジケータ1402を追跡して、インプラントカバー1422の位置を決定し、それに結合された脛骨インプラント10の位置を決定又は外挿する。この実施形態では、トラッカ1410は、脛骨インプラント10の外形、インプラントカバー1422の外形(インプラントカバーに対する位置インジケータ1402の場所を含む)、及びインプラントカバーが脛骨インプラントに取り付けられたときの脛骨インプラント及びインプラントカバーの相対的な向き及び位置を知っている。トラッカ1410は、この情報を使用して、位置インジケータ1402の位置に基づいて、脛骨インプラント10の位置を決定する。トラッカ1410によって知られている脛骨インプラント10の位置を決定するためのこの関連情報は、上記で説明したように、インプラントデータベースに、及び/又はトラッカに教示され得る。
【0059】
トラッカ1410が脛骨インプラント10の位置を決定した後、プロセスは、上記の実施形態で説明したものと概ね同じである。トラッカ1410は、脛骨Tの位置を決定又は通知する。次いで、脛骨インプラントが脛骨の近位端部PE上の正しい位置に向かって移動するかどうかを確認するために、脛骨インプラント10の位置に対する脛骨Tの位置を比較する。脛骨T上の脛骨インプラント10の配置又は埋め込み中に位置確認システム1400を使用する場合、トラッカ1410又は外科医は、理想位置に対する脛骨インプラントの位置を比較して、脛骨インプラントが理想位置(例えば、脛骨インプラントが脛骨Tの近位端部PEに埋め込まれるときに)に向かって移動している(例えば、一致している)ことを確認することができる。脛骨インプラント10が理想位置に向かって移動する場合、外科医は、いかなる調整も行うことなく、脛骨インプラント10を脛骨Tに向かって移動(例えば、挿入)し続けることができる。脛骨インプラントが理想位置に向かって移動しない場合、外科医は、脛骨インプラント10を脛骨Tに向かって移動させながら、必要な調整及び修正を行うことができる。このようにして、位置確認システム1400は、脛骨インプラント10を理想位置に向かってガイドする。
【0060】
別の例示的な方法では、インプラントカバー1422は、脛骨インプラントが脛骨Tに埋め込まれた後、脛骨インプラント10に結合されて、脛骨に対する脛骨インプラントの位置を確認する。この実施形態では、外科医は、インプラントカバー1402を有する関節形成術工具1422を脛骨Tに埋め込まれた脛骨インプラント10に取り付ける(例えば、外科医は、脛骨インプラントに対して位置インジケータを位置決めする)。トラッカ1410は、位置インジケータ1402を追跡して、脛骨インプラント10の位置を決定する。トラッカ1410は、脛骨インプラント10に結合されているインプラントカバー1422上に装着された位置インジケータ1402の位置を追跡又は特定する。トラッカ1410は、位置インジケータ1402の位置を特定し、脛骨インプラント10の位置を特定又は外挿する。上記で説明されたように、トラッカ1410は、脛骨インプラント10の外形、インプラントカバー1422の外形(インプラントカバーに対する位置インジケータ1402の場所を含む)、及びインプラントカバーが脛骨インプラントに取り付けられたときの脛骨インプラント及びインプラントカバーの相対的な向き及び位置を知っている。トラッカ1410は、この情報を使用して、位置インジケータ1402の位置に基づいて、脛骨インプラント10の位置を決定する。
【0061】
トラッカ1410が脛骨インプラント10の位置を決定した後、プロセスは、上記の実施形態に記載されたものと概ね同じである。トラッカ1410は、脛骨Tの位置を決定又は通知する。次いで、脛骨インプラントが脛骨の近位端部PE上に正しく位置決めされているかどうかを確認するために、脛骨インプラント10の位置を脛骨Tの位置と比較する。位置確認システム1400を使用する場合、インプラントが埋め込まれた後に脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置を確認するために、トラッカ1410又は外科医は、理想位置に対する脛骨インプラントの位置を比較して、脛骨インプラントが脛骨上の正しい位置にあることを確認又は確証することができる。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置が理想位置と整列する場合、脛骨インプラントは正しく位置しており、外科医は手術の残りの部分に進むことができる。脛骨Tに対する脛骨インプラント10の位置の位置が理想位置と整列しない場合、外科医は、手術に進む前に、必要に応じてインプラントの位置を調整する。脛骨インプラント10の位置が確認された後、インプラントカバー1422は、インプラントから取り外されるか又は引き離され得る。これらの同じプロセスを使用して、骨に対する他のインプラントの位置を決定することができる。例えば、図35に示されるように、大腿骨インプラントに結合されたインプラントカバー1422に装着された位置確認システム1400の位置インジケータ1403を追跡することによって、大腿骨インプラント11の位置を確認するために、同じプロセスを使用することができる。
【0062】
本明細書に記載される本開示の態様の実施形態における動作の実行順序又は性能は、特に明記しない限り、又は別途示されない限り、本質的なものでない。すなわち、動作は、任意の順序及び/又は同時に実施され得、本開示の態様の実施形態は、本明細書に開示される動作よりも追加の又は少ない動作を含み得る。例えば、別の動作の前、同時に、又はその後に特定の動作を実行又は実施することは、本開示の範囲内であることが企図される。
【0063】
本明細書に記載される追跡システム及び方法はまた、インプラント以外の他の要素及び物体の位置を決定するためにも使用され得る。一実施形態では、本明細書に記載される追跡システム及び方法は、インプラントが取り付けられている骨の位置を決定するために使用される。例えば、図30及び図31に示される実施形態と同様の一実施形態では、外科医は、脛骨T又はその近位端部PEの全部又は一部分にわたって位置インジケータ1402(例えば、スタイラスの先端)を撫でるか又は移動させて、脛骨の位置を決定することができる。
【0064】
図36図46を参照すると、本開示の別の実施形態による膝蓋骨インプラントは、概して参照番号1510で示されている。膝蓋骨インプラント1510は、患者の膝蓋骨の裏側に埋め込まれるようにサイズ決定及び形状決定される。膝蓋骨インプラント1510は、近位又は関節運動表面1514(例えば、近位端部)及び反対側の遠位表面1516(例えば、遠位端部)を含む。遠位表面1516は、膝蓋骨の裏側に係合するように構成されている。関節運動表面1514は、部分的なドーム形状を有する。膝蓋骨インプラント1510は、上述されたように、多孔質領域を含む。特に、遠位表面1516は多孔性である(例えば、多孔質領域である)。図示される実施形態では、遠位表面1516の一部分は多孔性であるが、他の実施形態では、遠位表面1516全体は多孔質であり得る。多孔質である遠位表面1516の部分は、概ね遠位表面上の中央に位置し、遠位表面の周辺縁部から離間配置されている。多孔質領域は、遠位表面1516のより大きな円形の形状内に配設された略円形の形状を有する。図示される実施形態に示されるように、多孔質領域は、一緒に結合されて格子を形成する略六角形の筋交いを含むが、任意の好適な多孔質構造体は本開示の範囲内にある。上記したように、遠位表面1516の多孔度により、膝関節形成術において従来使用されているセメントを伴わずに膝蓋骨インプラント1510が膝蓋骨に挿入又は埋め込まれ、処置時間、セメントに関連する合併症、及び外科医のストレスを低減することができる。
【0065】
膝蓋骨インプラント1510は、キャップ1550と、一緒に結合又は固設された基部又は係留部1552と、を含む。キャップ1550は、基部1552に装着されている。キャップ1550は、関節運動表面1514を画定する(例えば、含む)。キャップ1550はまた、遠位表面1516の一部分も画定する。図示される実施形態では、キャップ1550によって画定される遠位表面1516の部分は、多孔質ではない。キャップ1550は、シュラウド又はカバー1551を含む。シュラウド1551は、関節運動表面1514を含む。シュラウド1551は、部分的なドーム形状を有し、以下でより詳細に説明されるように、基部1552の一部分を受容するようにサイズ決定及び形状決定された内部又は空洞を画定する。シュラウド1551は、基部1552の近位端部分を取り囲む(例えば、覆う)。キャップ1550は、ポリマー材料又は任意の他の好適な材料から作製することができる。
【0066】
基部1552は、患者の膝蓋骨の裏側に取り付けられるように構成されている。基部1552は、上述された係留突出部と同様に、少なくとも1つの(例えば、複数の)係留突出部1534を含む。係留突出部1534は、膝蓋骨の裏側に挿入されるように構成されている。図示される実施形態では、膝蓋骨インプラント1510は、3つの係留突出部1534を含むが、より多くの又はより少ない係留突出部は、本開示の範囲内である。各係留突出部1534は、遠位表面1516から概ね遠位に延在する。具体的には、係留突出部1534は、キャップ支持体1554から延在し、これは以下でより詳細に説明される。この実施形態では、各係留突出部1534は、浅い円錐状遠位先端1536を有する円筒形である(例えば、円筒状の形状を有する)。係留突出部1534もまた中実であるが、他の実施形態では、係留突出部は中空であり得る。加えて、基部1552は、遠位表面1516の一部分を画定する。図示される実施形態では、基部1552によって画定される遠位表面1516の部分は多孔質である(図48を参照)。これにより、基部が膝蓋骨に取り付けられた後、基部を膝蓋骨に更に固設するために、基部1552への骨の内部成長が可能になる。したがって、膝蓋骨インプラント1510が膝蓋骨に取り付けられたときに、遠位表面1516は、膝蓋骨に面し、それと係合する。したがって、基部1552の多孔質領域は、膝蓋骨の裏側に面するように構成されている。基部1552は、金属又は任意の他の好適な材料から作製され得る。
【0067】
キャップ1550及び基部1552は、一緒に結合され(例えば、結合されるように構成されて)、膝蓋骨インプラント1510を形成する。基部1552は、(例えば、キャップに取り付けるように構成された)キャップ1550に装着された基部支持体1554を含む。具体的には、基部支持体1554は、キャップ1550のシュラウド1551に装着されている。基部支持体1554は、基部支持体を受容するようにサイズ決定及び形状決定されたシュラウド1551の内部に配設されている。キャップ1550及び基部1552を一緒に固設するために、キャップ及び基部は、複数の相互接続又は交互嵌合部材を含む。キャップ1550及び基部1552の相互接続部材は、互いに噛み合い、組み合って、キャップ及び基部を互いに固設する。キャップ1550及び基部1552の複数の相互接続部材は、従来の膝蓋骨インプラントよりも、キャップ及び基部の互いの解離からの抵抗を増加させ、微動の発生及び強度を最小化する。キャップ支持体1554はまた、膝蓋骨インプラント1510及び多孔質構造体(例えば、六角形の筋交い)及び係留突出部1534のための装着プラットフォームの剛性を提供する。
【0068】
図38~46を参照すると、キャップ1550の相互接続部材は、複数の第1の接続部材1560(例えば、第1の突出部)を含む。同様に、基部1552の相互接続部材は、複数の第1の接続凹部1562を含む。キャップ1550の各第1の接続部材1560は、基部1552の第1の接続凹部1562のうちの対応する1つに配設され(例えば、配設されるように構成され)て、キャップを基部に装着及び固設するように配設されている(例えば、第1の接続凹部が第1の接続部材を受容するか、又は受容するように構成されている)。第1の接続部材1560は、離間配置されており、その内部表面からシュラウド1551の内部に延在する。キャップ支持体1554は、第1の接続凹部1562を含む(例えば、画定する)。第1の接続凹部1562は、キャップ支持体1554の外部表面から概ね内側に延在する。キャップ支持体1554の外部表面及びシュラウド1551の内部表面は、互いに対応及び係合する(図42)。図示される実施形態では、外部及び内部表面は、概して、部分的なドーム形状を有する。
【0069】
キャップ1550の組み合いの各第1の接続部材1560(例えば、組み合うように構成されている)は、基部1552の第1の接続凹部1562のうちの対応する1つである。具体的には、第1の接続部材1560及び第1の接続凹部1562のサイズ及び形状は、互いに対応する。第1の接続凹部1562は、内部に配設された第1の接続部材1560の離脱を防止するように、各々アンダーカット(1つ以上の方向に)されている。図示される実施形態では、各第1の接続凹部1562は、凹部口1564と、凹部口の反対側の凹部基部又は床1566とを含む。凹部口1564(例えば、その面積及び/又は直径)は、凹部基部1564(例えば、その面積及び/又は直径)よりも小さいか又は狭い。各第1の接続凹部1562は、少なくとも1つのキャップ支持体先細表面1568(例えば、第1のキャップ支持体先細表面)によって少なくとも部分的に画定されている。図示される実施形態では、第1の接続凹部1562は、1つのキャップ支持体先細表面1568を含むが、他の構成は、本開示の範囲内である。キャップ支持体先細表面1568は、キャップ支持体先細表面が内側に延在するにつれて外側に先細になっている。図示される実施形態では、キャップ支持体先細表面1568は、凹部口1566(例えば、キャップ支持体1554の外部表面)から内側に延在する。それに対応して、図示される実施形態では、各第1の接続部材1560は、取り付け端部1572の反対側の自由端部又は接続端部1570を含む。取り付け端部1572は、シュラウド1551(例えば、その内部表面)に取り付けられている。取り付け端部1572(例えば、その断面積及び/又は直径)は、接続端部1570(例えば、断面積及び/又はその直径)よりも小さいか又は狭い。各第1の接続部材1560の取り付け端部1572は、対応する第1の凹部材1562の凹部口1564のサイズ及び形状に対応する。同様に、各第1の接続部材1560の接続端部1570は、対応する第1の凹部材1562の凹部基部1566のサイズ及び形状に対応する。各第1の接続部材1560は、少なくとも1つの接続部材先細表面1574(例えば、第1の接続部材先細表面)を含む。図示される実施形態では、第1の接続部材1560は、1つの接続部材先細表面1574を含むが、他の構成は、本開示の範囲内である。接続部材先細表面1574は、接続端部1570と取り付け端部1572との間に配設されている。接続部材先細表面1574は、接続部材先細表面がシュラウド1551(例えば、シュラウドの内部表面)から離れる方向に延在するときに外側に先細になっている。図示される実施形態では、接続部材先細表面1574は、シュラウド1551(例えば、その内部表面)から延在する。接続部材先細表面1574及びキャップ支持体先細表面1568は、互いに係合して(例えば、係合するように構成されて)、キャップ1550及び基部1552を一緒に接続し、それぞれの第1の接続部材1560がそれぞれの第1の接続凹部1562から離脱するのを阻止している。図示される実施形態では、第1の接続部材1560及び第1の接続凹部1562は、略切頭の円錐形状を有する。
【0070】
更に図38図44を参照すると、キャップ1550の相互接続部材は、複数の第2の接続部材1576(例えば、第2の突出部)を更に含む。同様に、基部1552の相互接続部材は、複数の第2の接続凹部1578を含む。キャップ1550の各第2の接続部材1576は、基部1552の第2の接続凹部1578のうちの対応する1つに配設され(例えば、配設されるように構成され)て、キャップを基部に装着及び固設するように配設されている(例えば、第2の接続休憩が第2の接続部材を受容するか、又は受容するように構成されている)。第2の接続部材1576は、離間配置されており、その内部表面からシュラウド1551の内部に延在する(例えば、半径方向に延在する)。第2の接続部材1576は、キャップ1550(例えば、シュラウド1551)の周辺縁部(例えば、内部周辺縁部)に沿って配設されている。第2の接続部材1576は、シュラウド1551の周辺縁部に沿って円周方向に離間配置されている。したがって、第2の接続部材1576は、概して、第1接続部材1560の外側(例えば、半径方向外側)に配設されている(例えば、第1の接続部材は、概して第2の接続部材の内側に配設されている)。キャップ支持体1554は、第2の接続凹部1578を含む。第2の接続凹部1578は、キャップ支持体1554の周辺縁部(例えば、外側周辺縁部)に沿って配設されている。第2の接続凹部1578は、キャップ支持体1554の周辺縁部に沿って円周方向に離間配置されている。したがって、第2の接続凹部1578は、概して第1の接続凹部1562の外側(例えば、半径方向外側)に配設されている(例えば、第1の接続凹部は、概して第2の接続凹部の内側に配設されている)。
【0071】
キャップ1550の組み合いの各第2の接続部材1576(例えば、組み合うように構成されている)は、基部1552の第2の接続凹部1578のうちの対応する1つである。具体的には、第2の接続部材1576及び第2の接続凹部1578のサイズ及び形状は、互いに対応する。第1の接続凹部1562と同様に、第2の接続凹部1578は、内部に配設された第2の接続部材1576の離脱を防止するように、各々アンダーカット(1つ以上の方向に)されている。明らかなように、第2の接続部材1576は、第1の接続部材1560とは異なる形状を有する。同様に、第2の接続凹部1578は、第1の接続凹部1562とは異なる形状を有する。
【0072】
図示される実施形態では、各第2の接続凹部1578は、凹部口1580と、凹部の口の反対側の凹部基部又は床1582と、を含む。図示される実施形態では、凹部口1580は、略砂時計形状を有する。凹部口1580の時間ガラス形状は、キャップ支持体1554の角で概ね曲げられている。同様に、凹部基部1582は、曲げられてもいる略砂時計形状有する。凹部口1580(例えば、その面積)は、凹部基部1582(例えば、その面積)よりも小さいか又は狭い。各第2の接続凹部1578は、複数のキャップ支持体先細表面1584(例えば、第2のキャップ支持体先細表面)によって少なくとも部分的に画定されている。各キャップ支持体先細表面1568は、キャップ支持体先細表面が内側に延在するにつれて外側に先細になっている。キャップ支持体先細表面1568は、複数の異なる外側方向に外向きに先細になっている。図示される実施形態では、各キャップ支持体先細表面1584は、凹部口1580(例えば、キャップ支持体1554の外部表面)から内側に(例えば、略半径方向内側に)延在する。各キャップ支持体先細表面1584は、第2の接続凹部1578の側部を画定する。それに対応して、図示される実施形態では、各第2の接続部材1576は、取り付け端部1588の反対側の自由端部又は接続端部1586を含む。取り付け端部1588は、シュラウド1551(例えば、その内部表面)に取り付けられている。取り付け端部1588(例えば、その断面積)は、接続端部1586(例えば、その断面積)よりも小さいか又は狭い。各第2の接続部材1576の取り付け端部1588は、対応する第2の凹部材1578の凹部口1580のサイズ及び形状に対応する。同様に、各第2の接続部材1576の接続端部1586は、対応する第2の凹部材1578の凹部基部1582のサイズ及び形状に対応する。各第2の接続部材1576は、複数の接続部材先細表面1590(例えば、第2の接続部材先細表面)を含む。各接続部材先細表面1590は、接続端部1586と取り付け端部1588との間に配設されている。各接続部材先細表面1590は、接続部材先細表面がキャップ支持体1554(例えば、キャップ支持体の外部表面)内に延在するにつれて外側に先細になっている。図示される実施形態では、各接続部材先細表面1590は、キャップ支持体1554の外部表面から延在する。各接続部材先細表面1590は、対応するキャップ支持体先細表面1584と係合して、キャップ1550及び基部1552を一緒に接続し、それぞれの第2の接続凹部1578からのそれぞれの第2の接続部材1576の離脱を阻止する。
【0073】
図39及び図44図46を参照すると、キャップ1550の相互接続部材は、複数の相互接続筋交い1592を更に含む。各相互接続筋交い1592は、2つの隣接する第2の接続部材1576の間に延在し、かつそれらを相互接続する。同様に、基部1552の相互接続部材は、複数の相互接続空隙1594を更に含む。各相互接続空隙1594は、2つの隣接する第2の接続凹部1578の間に延在し、かつそれらを相互接続する。キャップ1550の各相互接続筋交い1592は、基部1552の相互接続空隙1594のうちの対応する1つに配設され(例えば、配設されるように構成され)、キャップを基部に更に装着及び固設する(例えば、相互接続空隙が相互接続筋交いを受容するか、又は受容するように構成される)。したがって、図45に示されるように、相互接続筋交い1592及び第2の接続部材1576は、基部1552の一部分(例えば、キャップ支持体1554)を包囲するところで連続ループを形成するように組み合わさっている。相互接続筋交い1592及び第2の接続部材1576によって形成された連続ループは、キャップ支持体1554によって基部1552に対して移動するように拘束される。したがって、第1の接続部材1560及び第2の接続部材1576のみの場合と同様に、相互接続筋交い1592及び第2の接続部材によって形成される連続ループは、キャップ1550及び基部1552を一緒に固設及び組み合って、キャップの基部に対する移動を阻止している。
【0074】
キャップ1550及び基部1552の相互接続部材の他の構成、並びにキャップ及び基部を一緒に取り付ける他の方法は、本開示の範囲内である。
【0075】
膝蓋骨インプラント1510は、本明細書で説明される製造技術及びプロセスを使用して構築することができる。基部1552は、ハイブリッド製造を使用して構築することができる。ハイブリッド製造プロセスでは、キャップ支持体1554及び係留突出部1534は、まず、金属ブランクを冷間成形(例えば、スタンピング、切断、変形)すること、又は鍛造などの従来の製造方法によって造り出すか又は形成することができる。次いで、部分的に形成された基部1552は、上部に(例えば、キャップ支持体1554上に)多孔質領域を作る積層造形機内に配置される。他の実施形態では、基部1552は、積層造形プロセスによって完全に形成され得る。基部1552が形成された後、キャップ1550は、次いで、基部に取り付けられ(例えば、形成され)、膝蓋骨インプラント1510の構築を完了する。ポリマーキャップ1550は、圧縮成形などの従来の方法によって形成され得る。
【0076】
例えば、膝蓋骨インプラント1510を形成する1つの方法では、基部1552(及び相互接続部材、係留突出部1534などの関連要素)を形成し、次いで、基部(例えば、キャップ支持体1554)上で材料(例えば、ポリマー材料)を成形(例えば、圧縮成形)して、関節運動表面1514を有するキャップ1550を形成することを含む。成形は、第1の接続部材1560を形成するために、第1の接続凹部1562を材料と実質的に(完全にはない場合)充填することを含む。同様に、成形は、第2の接続凹部1578を材料で実質的に(完全でないとしても)充填して、第2の接続部材1576を形成することを含む。更に、成形は、相互接続空隙1594を材料で実質的に(完全にではないにしても)充填して、相互接続筋交い1592を形成することを含む。
【0077】
図47図50を参照すると、本開示による膝蓋骨インプラントの別の実施形態は、概して1610(図50)で示されている。この実施形態では、膝蓋骨インプラント1610の基部1652の構成は、図36図46の膝蓋骨インプラント1510の基部1552の構成とは異なる(キャップ1650の構成は、図36図46のキャップ1550と概ね同じである)。この実施形態では、基部1652の多孔質領域は、キャップ支持体1654から遠位に盛り上がっている。言い換えれば、多孔質領域によって画定される遠位表面1616の部分1616Aは、キャップ1650によって画定される遠位表面の部分1616Bから遠位に盛り上がっている。これにより、多孔質領域と骨との最大限の接触が保証され、多孔質領域内への骨の内部成長が容易にされる。加えて、この実施形態では、係留突出部1634は各々、多孔質領域を含む。図示される実施形態では、多孔質領域は、概して、係留突出部1634の外部表面全体にわたって延在するが、他の構成は、本開示の範囲内である。例えば、多孔質領域は、係留突出部の一部分の上にのみ延在し得る(例えば、側面に沿ってのみ)。図示される実施形態では、係留突出部1634の多孔質領域は、遠位表面1616の部分1616Aを画定する基部1652の多孔質領域と連続している。係留突出部1634及び基部の多孔質領域は、図示されるように、同様の構築及び多孔度を有し得るか、又は異なる構築及び多孔度を有し得る。
【0078】
加えて、この実施形態では、係留突出部1634は中空である(例えば、中空コアを有する)。基部1652は、各係留突出部1634のための細長い空洞1633を画定する。各細長い空洞1633は、キャップ支持体1654の外部表面から、キャップ支持体を通って係留突出部1634内に延在する。細長い空洞1633の遠位端部は、係留突出部1634の遠位端部1636に隣接している。図示される実施形態では、細長い空洞1633の遠位端部は閉じられている。他の実施形態では、細長い空洞1633は、係留突出部1634を通って延在し(例えば、開放遠位端部を有し)得る。細長い空洞1633は、基部1652を構築するために必要な材料の量を減少させ、それによって中実係留突出部に対する製造コストを低減する。加えて、細長い空洞1633は、キャップ1650を基部1652に更に固設するために、基部1652の別の相互接続部材を形成する。この実施形態では、キャップ1650は、細長い部材又はシャフト(図示せず)を含むことができ、各細長い部材は、細長い空洞1633のうちの対応する1つに配設されている(例えば、配設されるように構成されている)。キャップ1650の細長い部材は、本明細書に記載されるように、成形によって(例えば、成形中に)形成され得る。
【0079】
図51及び図52を参照すると、本開示による別の実施形態膝蓋骨インプラントは、概して、1710で示されている。この実施形態では、膝蓋骨インプラント1710の基部1752は、図47図50の基部1652のように、基部1752の多孔質領域がキャップ支持体1754から遠位に盛り上がっていることを除いて、図36図46の基部1552と概ね同じである。加えて、各係留突出部1734は、骨の係留突出部への接続を容易にするために、突出部の外部にある骨接続構造体1796(多孔質領域の他に)を含む。骨接続構造体1796は、概して、係留突出部1734の表面積を増加させて、骨と係留突出部との間の接触量を増加させ、それによって骨と係留突出部との間の接続の強度を増加させる。図示される実施形態では、骨接続構造体1796は、各係留突出部1734の外側表面に沿って延在する溝によって分離された隆起部を備える。隆起部を画定する溝は、骨が圧縮されるための解放を提供することによって、骨との圧縮嵌合を向上させる。隆起部及び溝は、概して、係留突出部1734に沿って軸方向に延びている。溝及び/又は隆起部のサイズ(例えば、幅)は、図示されるように、係留突出部1734の長さに沿って一定であり得るか、又は係留突出部の長さに沿って変化し得る。隆起部及び/又は溝の他の寸法(例えば、深さ、直径など)も変化するか、又は一定であり得る。図示される実施形態では、隆起部及び溝は、人間の眼に視認可能であるように十分に大きいが、他の実施形態では、隆起部及び/又は溝は、人間の眼(例えば、顕微鏡的)によって観察することができないように、著しく小さくなり得る。骨接続構造体の他の構成は、本開示の範囲内である。例えば、骨接続構造体は、ゴルフボールと同様に、球形へこみを備え得る。更に別の例では、骨接続構造体は、係留突出部1734の粗い外部表面を備え得る。
【0080】
図53を参照すると、本開示による膝蓋骨インプラントのための基部の別の実施形態は、概して、1852で示されている。この実施形態では、基部1852は、係留突出部1834が図47図50の係留突出部1634のような多孔質領域を有さないことを除いて、図47図50の基部1652と概ね同じである。明らかなように、本明細書に記載されるキャップは、基部1852に接続されて、膝蓋骨インプラント(図示せず)を形成し得る。
【0081】
図54図57を参照すると、本開示による膝蓋骨インプラントの別の実施形態は、概して、1910で示されている。この実施形態では、膝蓋骨インプラント1910の基部1952は、骨接続構造体の構成を除いて、図51及び図52の基部1752と概ね同じである。この実施形態では、骨接続構造体1996は、ありほぞ溝(例えば、複数のありほぞ溝)を含む。一実施形態では、各ありほぞ溝は、係留突出部1934に沿って(1つ以上の方向に)先細になり得る。図示される実施形態では、ありほぞ溝が、基部1952の多孔質領域から離れる方向に係留突出部1934に沿って延在するにつれて、各ありほぞ溝が先細になる(例えば、狭くなる)。加えて、図示される実施形態では、ありほぞ溝が、基部1952の多孔質領域から離れる方向に係留突出部1934に沿って延在するにつれて、各ありほぞ溝は、幅が先細になる(例えば、狭くなる)。別の実施形態では、各ありほぞ溝は、係留突出部1934の長さに沿って一定のサイズのままであり得る。更に別の実施形態では、ありほぞ溝が、基部1952の多孔質領域から離れる方向に係留突出部1934に沿って延在するにつれて、各ありほぞ溝は、深さ及び/又は幅が先細になり(例えば、広がり)得る。更に別の実施形態では、各ありほぞ溝は、一定のままである1つ以上の寸法(例えば、深さ、幅など)と、ありほぞ溝が、基部1952の多孔質領域から離れる方向に係留突出部1934に沿って延在するにつれて、先細になる(例えば、狭くなるか又は広がる)の1つ以上の寸法(例えば、深さ、幅など)と、を有し得る。例えば、ありほぞ溝の深さは、一定のままであるが、幅は先細になってもよく、又はその逆でもよい。図示される実施形態では、ありほぞ溝の底部又は基部は丸みを帯びているか又は湾曲している。別の実施形態では、ありほぞ溝の底部は、略平坦又は平面状であり得る。
【0082】
明らかなように、本明細書に開示されるインプラント10、110、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1310、1510、1610、1710、1910は、概して、互いに類似しており、したがって、理解を容易にするために、様々な異なるインプラント(又はその要素、例えば基部1552、1652、1752、1852、及び1952)間で同様の又は類似の部分が使用される場合、同一の最後の2桁を有する参照数字が採用される。例えば、脛骨キール28は、脛骨キール228に類似しており、したがって、これらの2つの脛骨キールは、「28」の同じ最後の2桁を有する。別の例では、塩基1852は基部1652に類似しており、したがって、これらの2つの塩基は、「52」の同じ最後の2桁を有する。したがって、別途明確に記載されていない限り、又は示されていない限り、インプラント及びその要素に関する上記の説明は、すべての類似のインプラント及びその要素に等しく適用される。例えば、係留突出部34に関する説明の少なくともいくつかはまた、係留突出部134に適用され得、かつ/又はその逆も同様である。別の例では、基部1552に関連する説明の少なくともいくつかはまた、基部1852に適用され得、かつ/又はその逆も同様である。
【0083】
本明細書に開示される各実施形態に記載される要素、特徴、及び/又は教示は、特定の実施形態に限定されず、要素、特徴、及び/又は教示が記載されていることが明らかであり、理解される。したがって、一実施形態で説明される要素、特徴、及び/又は教示は、本明細書に開示される他の実施形態のうちの1つ以上に適用され得ることが明らかであり、理解される。例えば、本明細書に開示される脛骨キールのいずれも、脛骨キール128上に存在する鋭利な縁部を有し得ることが理解される。別の例では、1つの位置確認方法の方法及び特徴は、別の位置確認方法とともに使用され得る。
【0084】
添付の特許請求の範囲に定義される本開示の範囲から逸脱することなく、開示された実施形態の修正及び変形が可能である。
【0085】
本開示の要素又はその実施形態を紹介するとき、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」は、要素のうちの1つ以上が存在することを意味することを意図している。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、包括的であることが意図され、列挙された要素以外の追加の要素が存在し得ることを意味する。
【0086】
本開示の範囲から逸脱することなく、上記の構築物、製品、及び方法で様々な変更を行うことができるため、上記の説明に含まれ、添付の図面に示されるすべての物質は、例示として解釈されるものとする。
図1
図2
図3
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図10
図11
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図13
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図15
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図50
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図52
図53
図54
図55
図56
図57
【外国語明細書】