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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140385
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】モジュールを備える聴覚装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 25/00 20060101AFI20220915BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20220915BHJP
   H04R 1/10 20060101ALN20220915BHJP
【FI】
H04R25/00 Q
H04M1/00 Z
H04R1/10 104E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022036371
(22)【出願日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】PA202170109
(32)【優先日】2021-03-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DK
(71)【出願人】
【識別番号】522068795
【氏名又は名称】ジーエヌ ヒアリング ツー エー/エス
【氏名又は名称原語表記】GN Hearing 2 A/S
【住所又は居所原語表記】Lautrupbjerg 7, 2750 Ballerup Denmark
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハンス エリク グラム
(72)【発明者】
【氏名】ビロル アクデニズ
(72)【発明者】
【氏名】キム フェーリング アンデルセン
【テーマコード(参考)】
5D005
5K127
【Fターム(参考)】
5D005BB08
5K127BB02
5K127DA15
(57)【要約】      (修正有)
【課題】電力を節約する、モジュールを備える聴覚装置を提供する。
【解決手段】聴覚装置は、受信したオーディオ信号に基づいて入力信号を生成する入力変換器(マイクロフォン)と、信号プロセッサと、信号プロセッサの出力信号を変換する出力変換器(スピーカ)と信号プロセッサに結合される無線機10と無線機10に結合されるアンテナ12と、モジュール14と、を備える。モジュール14は、無線機10に結合される無線機インターフェイス11とアンテナ12に結合されるアンテナインターフェイス13と、無線機10からアンテナ12へ信号を送信する送信経路16と、アンテナ12から無線機10へ信号を送信する受信経路18と、送信経路16及び受信経路18をバイパスして無線機10とアンテナ12との間で信号を送信するバイパス経路20と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの耳に装着されるように構成される聴覚装置(2)であって、
受信されたオーディオ信号に基づいて1つ以上の入力信号を生成するための入力変換器(4)と、
信号プロセッサ(6)と、
前記信号プロセッサ(6)からの出力信号を出力信号に変換するために、前記信号プロセッサの出力に結合される出力変換器(8)と、
前記信号プロセッサに結合される、無線データ通信のための無線機(10)と、
前記無線機(10)に結合される、電磁場の放出及び受信のためのアンテナ(12)と、
モジュール(14)と、
を備え
前記モジュール(14)は、
前記無線機(10)に結合される無線機インターフェイス(11)と、
前記アンテナ(12)に結合されるアンテナインターフェイス(13)と、
前記無線機(10)から前記アンテナ(12)に信号を送信するように構成され、TXアンプ(22)を含む送信(TX)経路(16)と、
前記アンテナ(12)から前記無線機(10)に信号を送信するように構成され、RXアンプ(24)を含む受信(RX)経路(18)と、
前記TX経路(16)及び前記RX経路(18)をバイパスして、前記無線機(10)と前記アンテナ(12)との間で信号を送信するように構成されるバイパス経路(20)と、
を備える、聴覚装置(2)。
【請求項2】
前記RXアンプ(24)は、低雑音アンプ(LNA)(26)である、請求項1に記載の聴覚装置(2)。
【請求項3】
前記TX経路(16)は、前記TXアンプ(22)と前記アンテナインターフェイス(13)との間に、前記TX経路(16)上に配置されるフィルタ(28)を備える、請求項1又は2に記載の聴覚装置(2)。
【請求項4】
前記モジュール(14)は、前記無線機インターフェイス(11)においてマッチコンポーネントを備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の聴覚装置(2)。
【請求項5】
前記モジュール(14)は、
第1の電気スイッチ(30)と、
第2の電気スイッチ(30´)と、
を備え、
前記第1の電気スイッチ(30)は、前記無線機インターフェイス(11)に配置され、
前記第2の電気スイッチ(30´)は、前記アンテナインターフェイス(13)に配置され、
前記第1の電気スイッチ(30)及び前記第2の電気スイッチ(30´)は、それぞれ、前記TX経路(16)を選択するための設定と、前記RX経路(18)を選択するための設定と、前記バイパス経路(20)を選択するための設定と、を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の聴覚装置(2)。
【請求項6】
前記第1の電気スイッチ(30)及び前記第2の電気スイッチ(30´)の少なくとも一方、好ましくは両方が、PINダイオードスイッチである、請求項1から5のいずれか一項に記載の聴覚装置(2)。
【請求項7】
前記モジュール(14)は、制御ユニット(32)を備え、
前記制御ユニット(32)は、前記第1の電気スイッチ(30)及び前記第2の電気スイッチ(30´)を制御するように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載の聴覚装置(2)。
【請求項8】
前記モジュール(14)は、前記無線機インターフェイス(11)における第1の容量性ユニット(34)を備え、及び/又は、
前記モジュール(14)は、前記アンテナインターフェイス(13)における第2の容量性ユニット(34´)を備える、請求項1から7のいずれか一項に記載の聴覚装置(2)。
【請求項9】
前記モジュール(14)は、前記無線機インターフェイス(11)において平衡インターフェイス(36)を備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の聴覚装置(2)。
【請求項10】
前記モジュール(14)は、別個のチップであるか、又は、前記モジュール(14)は、プリント回路基板を含む聴覚装置ハイブリッドに統合される、請求項1から9のいずれか一項に記載の聴覚装置(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、モジュールを備える聴覚装置に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、聴覚装置は、典型的には、例えばBluetooth接続を介して、無線方式でスマートフォンに接続される。聴覚装置とスマートフォンとの間のこのようなワイヤレス接続は、ユーザが、例えば、スマートフォンから音楽を聴覚装置にストリーミングすること、又は、聴覚装置とスマートフォンとの間に音声通信を行うことを可能にする。しかしながら、ユーザは、例えば、ユーザがスマートフォンをバッグ、バックポケット、又は、フロントポケットに入れたときに、弱い信号リンクを経験することがある。そのような場合、例えば、スマートフォンから音楽を聴覚装置にストリーミングすること、又は、電話をかけることは不可能となり得る。したがって、ユーザは、スマートフォンをバッグ、バックポケット、又は、フロントポケットから取り出し、アプリケーション又は接続を再開する必要があり得る。したがって、上述の問題に対処する改良された聴覚装置が依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様では、聴覚装置が開示される。聴覚装置は、ユーザの耳に配置されるように構成される。聴覚装置は、入力変換器を備える。入力変換器は、受信したオーディオ信号に基づいて、1つ以上の入力信号を生成する。聴覚装置は、信号プロセッサを備える。聴覚装置は、出力変換器を備える。出力変換器は、信号プロセッサからの出力信号を出力信号に変換するために、信号プロセッサの出力に結合される。聴覚装置は、無線機を備える。無線機は、信号プロセッサに結合される。無線機は、無線データ通信のために構成される。聴覚装置は、電磁場の放出及び受信のためのアンテナを備える。アンテナは、無線機に結合される。聴覚装置は、モジュールを備える。モジュールは、無線機インターフェイスを備える。無線機インターフェイスは、無線機に結合される。モジュールは、アンテナインターフェイスを備える。アンテナインターフェイスは、アンテナに結合される。モジュールは、送信(TX)経路を備える。TX経路は、無線機からアンテナに信号を送信するように構成される。TX経路はTXアンプを含む。モジュールは、受信(RX)経路を備える。RX経路は、アンテナから無線機に信号を送信するように構成される。RX経路は、RXアンプを含む。
【0004】
第2の態様では、聴覚装置が開示される。聴覚装置は、ユーザの耳に配置されるように構成される。聴覚装置は、入力変換器を備える。入力変換器は、受信したオーディオ信号に基づいて1つ以上の入力信号を生成する。聴覚装置は、信号プロセッサを備える。聴覚装置は、出力変換器を備える。出力変換器は、信号プロセッサからの出力信号を出力信号に変換するために、信号プロセッサの出力に結合される。聴覚装置は、無線機を備える。無線機は、信号プロセッサに結合される。無線機は、無線データ通信のために構成される。聴覚装置は、電磁場の放出及び受信のためのアンテナを備える。アンテナは、無線機に結合される。聴覚装置は、モジュールを備える。モジュールは、無線機インターフェイスを備える。無線機インターフェイスは無線機に結合される。モジュールは、アンテナインターフェイスを備える。アンテナインターフェイスは、アンテナに結合される。モジュールは、送信(TX)経路を備える。TX経路は、無線機からアンテナに信号を送信するように構成されている。TX経路はTXアンプを含む。モジュールは、受信(RX)経路を備える。RX経路は、アンテナから無線機に信号を送信するように構成されている。RX経路は、RXアンプを含む。モジュールは、バイパス経路を備える。バイパス経路は、TX経路とRX経路をバイパスすることで、送受信機とアンテナとの間で信号を送信するように構成されている。
【0005】
開示される聴覚装置は、外部装置、電子装置、周辺装置、又は、スマートフォンなどの補助装置と、聴覚装置との間で信号を送信することを可能にする。以下では、用語「スマートフォン」が使用されるが、これは、聴覚装置に無線で接続された任意の装置であってもよいことが理解される。
【0006】
開示される聴覚装置は、TX経路を介して聴覚装置からスマートフォンに信号を送信することを可能にする。聴覚装置からスマートフォンにTX経路を介して送信される信号は、TX経路のTXアンプによって増幅されるなどで、改善される。さらに、開示される聴覚装置は、RX経路を介して、スマートフォンからの信号を聴覚装置に送信することを可能にする。スマートフォンから聴覚装置にRX経路を介して送信された信号は、RX経路のRXアンプによって増幅されるなどで、改善される。TX経路及びRX経路は、信号リンクが弱いときに使用されてもよい。したがって、TX経路及びRX経路は、例えば、ユーザがスマートフォンをバッグ、バックポケット、又は、フロントポケットに入れたとき、即ち、スマートフォンがユーザの耳にないとき、又は、ユーザの耳に近いくないときに、弱い信号リンクを改善する。これにより、ユーザは、例えば、スマートフォンをバッグ、バックポケット、フロントポケットから取り出す必要がなくなる。さらに、ユーザは、アプリケーションを再起動する必要がなく、又は、聴覚装置とスマートフォンとの間の接続、例えば、Bluetooth接続を再起動する必要がなくなり得る。それによって、開示された聴覚装置のTX及びRX経路は、例えば、スマートフォンがユーザのバッグ、バックポケット、又は、フロントポケット内に配置される場合であっても、聴覚装置とスマートフォンとの間の強力で信頼性のある信号リンクを可能にする。
【0007】
さらに、開示される聴覚装置は、バイパス経路を介してTX経路及びRX経路をバイパスすることを可能にする。信号リンクが強いとき、バイパス経路を介してTX経路及びRX経路をバイパスすることが実行されてもよい。例えば、バイパス経路は、ユーザがスマートフォンを手に持っている場合に選択される。これにより、バイパス経路は、聴覚装置の電力を節約することを可能にする。バイパス経路を使用する場合、TXアンプ及び/又はRXはパワーダウンされるように構成されてもよい。
【0008】
全体として、開示される聴覚装置は、信頼性があり、強固な一定の通信、例えば、聴覚装置とスマートフォンとの間の両方向、即ち、聴覚装置からスマートフォンへの、及び、その逆の強力なBluetooth信号リンクを提供する。それによって、開示された聴覚装置は、信頼性があり、強固で、効率的で、ユーザフレンドリな聴覚装置を提供する。開示された聴覚装置の利点の一例は、聴覚装置のバッテリは、従来の聴覚装置と同様に頻繁に充電又は交換する必要がない場合があることである。開示された聴覚装置の利点の別の例は、聴覚装置のユーザが、スマートフォンを手に持っていない間でも、聴覚装置を使用し続けることができることである。例えば、聴覚装置のユーザは、スマートフォンをポケットに入れて走りながら音楽を聴き続けることができる。したがって、聴覚装置は、改善された無線通信能力を提供する。
【0009】
聴覚装置は、ユーザの耳に配置されるように構成される。聴覚装置は、ユーザの耳に装着されるように構成される。聴覚装置は、ユーザの耳の内側に配置されてもよい。聴覚装置は、ユーザの耳の後ろに配置されてもよい。聴覚装置は、ユーザの耳の中に配置されてもよい。聴覚装置は、ユーザの耳のすぐ近くに配置されてもよい。聴覚装置は、ユーザの耳の後ろに配置されるように適合された構成要素と、ユーザの耳に配置されるように適合された構成要素と、を備えていてもよい。聴覚装置は、入力変換器を備える。入力変換器は、受信したオーディオ信号に基づいて1つ以上の入力信号を生成する。入力変換器の一例は、マイクロフォンである。
【0010】
聴覚装置は、信号プロセッサを備える。信号プロセッサは、1つ以上の入力信号を処理するように構成されてもよい。信号プロセッサは、ユーザの聴力損失又は聴力障害を補償するように信号を処理してもよく、そのような補償は、ユーザの聴力損失に基づく入力信号の周波数依存の増幅を含むことができる。信号プロセッサは、修正された信号を提供することができる。
【0011】
聴覚装置は、出力変換器を備える。出力変換器は、信号プロセッサからの出力信号を出力信号に変換するために、信号プロセッサの出力に結合される。出力変換器の例は、オーディオ出力信号を生成するためのスピーカなどの受信機、又は、ユーザの聴覚神経への電気刺激信号を生成するための人工内耳である。
【0012】
聴覚装置は、無線機を備える。無線機は、信号プロセッサに結合される。無線機は、無線データ通信のために構成される。無線機は、接続されたデバイス、例えば、スマートフォンと通信するように構成される。無線機の例としては、ラジオ又は無線の通信ユニットと、送信機/受信機のペア(T/R)と、である。
【0013】
聴覚装置は、電磁場の放出及び受信のためのアンテナを備える。アンテナは、無線機に結合される。アンテナは、接続されたデバイス、例えばスマートフォンと通信するように構成される。
【0014】
聴覚装置は、交換可能バッテリ、又は、充電式バッテリのような電源を備えてもよい。聴覚装置は、電力管理ユニットを備えてもよい。電力管理ユニットは、電源から信号プロセッサ、出力変換器、入力変換器、及び、無線機に供給される電力を制御するために構成されてもよい。さらに、聴覚装置は、ハウジング又はシェルを備えてもよい。聴覚装置の電源及び電力管理ユニットは、ハウジング内、例えば、ハウジング内のコンパートメント又はフレーム内に配置することができる。
【0015】
聴覚装置は、モジュールを備える。モジュールは、フロントエンドモジュールであってもよい。モジュールは、無線機に結合される無線機インターフェイスを備える。無線機インターフェイスは、モジュールの入力/出力であってもよい。モジュールは、アンテナに結合されるアンテナインターフェイスを備える。アンテナインターフェイスは、モジュールの入力/出力であってもよい。
【0016】
モジュールは、送信(TX)経路を備える。TX経路は、無線機からアンテナに信号を送信するように構成される。TX経路はTXアンプを含む。TX経路は、無線接続を介して送信するために、無線周波数(RF)信号をアンテナに送信するように構成される。TX経路は、DC信号をブロックするように構成されてもよい。RF信号の例は、例えば、聴覚装置内のマイクロフォンなどの入力変換器によって拾われるユーザの音声などのオーディオ信号である。ユーザの音声は、聴覚装置がヘッドセットとして使用され、スマートフォンがユーザのポケット、バッグ、又は、手にある、即ち、ユーザの耳にないとき、例えば、通話中に、スマートフォンに送信されるべきものである。
【0017】
モジュールは、受信(RX)経路を備える。RX経路は、アンテナから無線機に信号を送信するように構成される。RX経路は、RXアンプを含む。RX経路は、無線接続を介してアンテナで受信したRF信号を無線機へ送信するように構成される。RX経路は、DC信号をブロックするように構成されてもよい。RF信号の例は、遠端発呼者の音声などのオーディオ信号である。オーディオ信号は、聴覚装置がヘッドセットとして使用され、スマートフォンがユーザのポケット、バッグ、又は、手(耳の近くではない)にあるときに、例えば、通話中に、スマートフォンから聴覚装置に送信されるべきである。アンテナを介して聴覚装置に送信されるオーディオ信号の別の例は、聴覚装置がヘッドセットとして使用されるときにスマートフォンから聴覚装置にストリーミングされる音楽である。
【0018】
モジュールは、バイパス経路を備える。バイパス経路は、TX経路とRX経路をバイパスすることで、無線機とアンテナとの間で信号を送信するように構成されている。バイパス経路は、無線機からアンテナに、及び、アンテナから無線機に、即ち、両方向に信号を送信するように構成されている。バイパス経路は、無線機とアンテナ間の信号リンクが強い場合に選択される。バイパス経路は、聴覚装置の電力を節約することを可能にする。バイパス経路は、省電力モードを提供する。バイパス経路は、典型的には、TX及びRX経路の12mAと比較して4uAを消費する。これにより、バイパス経路は、TX及びRX経路よりも約3000分の1の電力を消費する。
【0019】
聴覚装置は、数多くの電子機器、又は、アクセサリと接続されてもよい。数多くの電子機器、又は、アクセサリは、身体に装着されるか、又は、ユーザの近くに配置され得る。したがって、いわゆる物のインターネット(Internet of Things)(IoT)の一部としてインターネットに接続されてもよい。2.4GHz ISM 帯域は、BLEやZigBee(登録商標)などの低電力通信のための多くの整合規格が存在すること、産業用に世界中で利用可能であること、及び、電力消費と達成可能な範囲とのトレードオフのために好ましいかもしれない。したがって、2.4GHz帯は、聴覚装置の通信に使用されてもよい。
【0020】
ここで、1.6GHzのISM 帯域が聴覚装置で使用されてもよい。良好なオンボディ性能を達成するために、アンテナは、最適な放射効率、帯域幅、偏波、及び、放射パターンを示し得るが、ほとんどの場合、補聴器、特にITE(In-The-Ear)補聴器のような装着可能な装置において、空間は重要となるため、設計に利用可能な容積は小さい。
【0021】
さらに、大量生産及び工業設計の必要性から、アンテナは、低背、軽量、及び、製造コストが安価であることが要求され得る。様々な全体的な制約が関連し得る。身体組織は、高い水分含量のために約2.4GHzの高い損失を有するので、人間の頭部へのアンテナの近接によって効率が低下する可能性がある。これは、効率の低下の大きさと、聴覚装置の無線機が超低電力領域で動作する可能性があるという事実と、を考慮すると、全体的な性能に重大な影響を与える可能性がある。アンテナ効率を脅かすもう一つの問題は、設計に利用可能な容積が少ないことである。というのは、必然的に必ずアンテナが装置の他の部分と、物理的、したがって電気的にも近づけられ、それらに結合する可能性が高い。大きな帯域幅は、その根本的な制限のために、電気的に小さなアンテナに達成するのが難しいのと同様である。帯域幅は、少なくとも、2.45GHz+/-5%などの帯域幅2.45GHz+/-2.5%のような全2.4GHz ISM 帯域、及び/又は、1.6GHz+/-5%などの帯域幅1.6GHz+/-2.5%のような1.6GHz周辺の帯域幅をカバーしてもよいが、より大きな帯域幅は、ユーザ毎に変化する身体によって生じるアンテナの離調を補償するのに役立ち得る。
【0022】
無線機は、無線通信のために構成される。無線機は、1つ以上の無線通信ユニットを備えてもよい。無線機は、電磁場の放出及び受信のためのアンテナと相互に接続される。無線通信ユニットは、例えば、無線機(トランシーバ)、無線機(ラジオ)、無線回路等の送信機、受信機、送受信機/受信機のペ組み合わせを備えてもよい。無線通信ユニットは、当業者に知られている任意のプロトコルを使用して通信するように構成されてもよい。任意のプロトコルは、Bluetooth Low Energy、Bluetooth Smartなどを含むBluetooth(登録商標)や、WLAN規格や、CSRメッシュ、低電力無線通信プロトコル、私有のプロトコル、調整された近接アンテナプロトコルなどの製造における特定のプロトコルを含む。
【0023】
アンテナは、空間を伝搬する電波と、送信機又は受信機のような通信ユニットと共に使用される金属導体内を移動する電流と、の間のインターフェイスであってもよい。送信では、無線送信機がアンテナの端子に電流を供給し、アンテナが電流からのエネルギーを電磁波(電波)として放射してもよい。受信では、アンテナは、その端末で電流を生成するために、電波のエネルギーのいくらかを傍受(インターセプト)してもよく、それは増幅されるべき受信機に印加される。
【0024】
アンテナは、受信機又は送信機に電気的に接続される導体(素子)のアレイであってもよい。送信中では、送信機によってアンテナに流される振動電流は、アンテナ素子の周囲に振動電場及び磁場を生成してもよい。これらの時間変動場は、移動横電磁場波、電波として、アンテナから離れた空間にエネルギーを放射してもよい。反対に、受信中では、入ってくる電波の振動する電界と磁界がアンテナ素子内の電子に力を加え、それらが前後に動き、アンテナ内に振動電流を作り出してもよい。アンテナは、磁気アンテナのようなコイルアンテナであってもよい。アンテナは、電気アンテナであってもよい。
【0025】
アンテナは、すべての水平方向に等しく(全方向性アンテナ)、又は、優先的に特定の方向(指向性又は高利得アンテナ)に電波を送受信するように設計されてもよい。アンテナは、電波をビーム又は他の所望の放射パターンに導く役割を果たす無給電素子を含んでもよい。
【0026】
聴覚装置は、ヘッドセット、補聴器、ヒアラブルデバイス等であってもよい。聴覚装置は、耳内型(In-the-ear:ITE)聴覚装置、耳内レシーバ型(Receiver-in-ear:RIE)聴覚装置、外耳道内レシーバ型(Receiver-in-Canal:RIC)聴覚装置、耳内マイクロフォン及びレシーバ型(Microphone-and-receiver-in-ear:MaRIE)聴覚装置、耳後方型(Behind-the-ear:BTE)聴覚装置、店頭取引型(Over-The-Counter:OTC)聴覚装置等や、フリーサイズ(one-size-fits-all)聴覚装置等であってもよい。
【0027】
聴覚装置は、ユーザによって装着されるように構成される。聴覚装置は、ユーザの耳に、ユーザの耳の上に、ユーザの耳の中に、ユーザの外耳道の中に、ユーザの耳の後ろ等に配置されてもよい。ユーザは、2つの聴覚装置を装着し、各耳に1つの聴覚装置を装着してもよい。2つの聴覚装置は、無線で接続されるように接続されてもよい。
【0028】
聴覚装置は、例えば、ユーザが音楽やラジオなどのメディアを聴くことが可能、及び/又は、ユーザの通話が可能な、オーディオ通信のために構成されてもよい。聴覚装置は、ユーザに対して聴覚補償を実行するように構成されてもよい。聴覚装置は、ノイズキャンセル等を実行するように構成されてもよい。
【0029】
聴覚装置は、受信したオーディオ信号に基づいて1つ以上のマイクロフォン出力信号を生成するために、第1の入力変換器、例えばマイクロフォンを備えてもよい。音声信号は、アナログ信号であってもよい。マイク出力信号は、デジタル信号であってもよい。したがって、第1の入力変換器、例えばマイクロフォン、又は、アナログ-デジタル変換器は、アナログオーディオ信号をデジタルマイクロフォン出力信号に変換してもよい。全ての信号は、音信号であっても、音に関する情報を含む信号であってもよい。聴覚装置は、信号プロセッサを備えていてもよい。1つ以上のマイクロフォン出力信号は、1つ以上のマイクロフォン出力信号を処理するために信号プロセッサに提供されてもよい。信号は、ユーザの聴力損失又は聴力障害を補償するように処理されてもよい。信号プロセッサは、修正された信号を提供してもよい。これらの構成要素は全て、ITEユニット又はBTEユニットのハウジング内に備えられてもよい。聴覚装置は、受信機、出力変換器、スピーカ、又は、スピーカを備えていてもよい。受信機は、信号プロセッサの出力に接続されてもよい。受信機は、修正された信号をユーザの耳に出力してもよい。受信機、又は、デジタル/アナログ変換器は、プロセッサからのデジタル信号である修正された信号をアナログ信号に変換してもよい。受信機は、ITEユニット又はイヤホン、例えば、RIEユニット又はMaRIEユニットに含まれてもよい。聴覚装置は、2つ以上のマイクロフォンを備えてもよく、ITEユニット又はBTEユニットは、少なくとも1つのマイクロフォンを備えてもよく、RIEユニットは、少なくとも1つのマイクロフォンを備えてもよい。
【0030】
聴覚装置信号プロセッサは、アンプ、コンプレッサ、及び/又は、ノイズ低減システムなどの要素を備えてもよい。信号プロセッサは、信号処理チップ又はプリント回路基板(PCB)に実装されてもよい。聴覚装置は、さらに、出力信号を最適化するための補償フィルタのようなフィルタ機能を有していてもよい。
【0031】
聴覚装置は、さらに、電磁場の放射及び受信のために、無線周波数(RF)アンテナ又は磁気誘導アンテナなどのアンテナと相互接続された無線データ通信のための、無線通信回路又は磁気誘導チップなどの無線通信ユニット又はチップを備えてもよい。無線機(ラジオ)又は無線機(トランシーバ)を含む無線通信ユニットは、1つ以上の外部装置と通信をするために、聴覚装置信号プロセッサ及びアンテナに接続してもよい。1つ以上の外部装置は、例えば、1つ以上の外部電子装置であり、1つ以上の外部電子装置は、例えば、少なくとも1つのスマートフォン、少なくとも1つのタブレット、少なくとも1つの聴覚アクセサリ装置を含み、少なくとも1つの聴覚アクセサリ装置は、例えば、少なくとも1つのスパウスマイクロフォン、リモートコントロール装置、オーディオテスト装置などを含み、又は、いくつかの実施例では、無線通信ユニットは、別の耳に位置する別の聴覚装置などの別の聴覚装置と、典型的にはバイノーラル聴覚装置システムにおいて通信するために、聴覚装置信号プロセッサ及びアンテナに接続してもよい。
【0032】
聴覚装置は、任意の聴覚装置、例えば、聴覚装置の装着者の聴力損失を補償する任意の聴覚装置、又は、装着者に音を提供する任意の聴覚装置、又は、ノイズキャンセルを提供する聴覚装置、又は、耳鳴り低減/マスキングを提供する聴覚装置であってもよい。当業者には、異なる種類の聴覚装置と、聴覚装置の装着者の耳内及び/又は耳に聴覚装置を配置するための異なるオプションと、がよく知られている。
【0033】
例えば、聴覚装置は、耳内型(In-the-ear:ITE)、外耳道内レシーバ型(Receiver-in-Canal:RIC)、又は、耳内レシーバ型(Receiver-in-ear:RIE又はRITE)、又は、耳内マイクロフォン及びレシーバ型(Microphone-and-receiver-in-ear:MaRIE)の聴覚装置であってもよく、受信機は、使用中に、例えば耳内ユニットの一部として装着者の耳内などの耳内に配置され、一方、プロセッサ、無線通信ユニット、バッテリなどの他の聴覚装置構成要素は、アセンブリとして提供され、耳後方型(Behind-the-ear:BTE)ユニットのハウジング内に取り付けられてもよい。プラグとソケットコネクタがBTEユニットとイヤホン、例えば、RIEユニットやMaRIEユニットなど、を接続してもよい。
【0034】
聴覚装置は、RIEユニットを含んでもよい。RIEユニットは、典型的には、ハウジング、プラグコネクタ、及び、プラグコネクタとイヤピースとを接続する電気ワイヤ/チューブといったイヤホンを備える。イヤピースは、耳内ハウジングと、ユーザの耳に設けられるように構成された受信機といった受信機と、及び/又は、ユーザの外耳道に設けられるように構成された受信機と、開いた又は閉じたドームと、を備えてもよい。ドームは、ユーザの耳の中においてイヤピースを正確な位置で支持してもよい。RIEユニットは、マイクロフォン、受信機、1つ以上のセンサ、及び/又は、他の電子機器を備えてもよい。イヤピースには、電子部品が置かれていてもよいが、プラグコネクタには他の電子部品が置かれてもよい。受信機は、異なる強度、即ち、低電力、中電力、又は、高電力を有していてもよい。電線/チューブは、RIEユニットのイヤホンに設けられた電子部品と、BTEユニットに設けられた電子部品と、の電気的接続を提供する。RIEユニット自体と同様に、電線/チューブも長さが異なってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、RXアンプは、低雑音アンプ(LNA)であってもよい。アンテナにより受信された信号は、弱い信号、即ち、ノイズより少し上の信号であってもよい。したがって、アンテナによる信号は、低い信号対ノイズ比(SNR)を有していてもよい。LNAの利点は、例えば、いかなるノイズも付加し得ず、又は、受信信号にわずかなノイズしか付加し得ないことである。それによって、アンテナによって受信された微弱な信号は、LNA自体によるノイズ寄与が小さくなり得るように、LNAによって増幅されてもよい。さらに、LNAは、受信信号と比較して良好な線形性を有する。これにより、LNAと無線機との間にフィルタを配置する必要がない。これは、費用効果の高い方法で、即ち、フィルタなしで、RX経路を構成することが可能である。LNAは、典型的には、4~5mAまで使用することができる。LNAは、アンテナによって信号を受信する時間の間だけ、電流を使用することができる。そのような時間は、典型的には、聴覚装置を使用する時間の15%、10%、7%、又は、4%未満であってもよい。
【0036】
いくつかの実施形態では、TXアンプは、パワーアンプ(PA)であってもよい。これにより、PAは、無線機からアンテナに送信される信号を増幅することができる。無線機からアンテナに送信される信号は強くてもよい。したがって、無線機からアンテナに送信される信号は、高いSNRを有してもよい。PAの利点の例は、その効率である。PAは、典型的には、12~14mAまで使用することができる。PAは、無線機からアンテナに信号を送信している時間の間だけ、電流を使用することができる。そのような時間は、典型的には、聴覚装置を使用する時間の15%、10%、7%、又は、4%未満であってもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、TX経路は、TXアンプとアンテナインターフェイスとの間のTX経路に配置されたフィルタを備えてもよい。フィルタは、第二高調波及び第三高調波のようなPAによって発生する高調波を除去してもよい。例えば、無線機がBluetooth接続を介してアンテナに接続されている場合に、信号の周波数は2.4GHzになる。この場合、フィルタは、例えば、周波数4.8GHzの第二高調波及び周波数7.2GHzの第三高調波を除去してもよい。フィルタは、PAと直列に配置されてもよい。フィルタは、ローパスフィルタであってもよい。フィルタは、高調波フィルタであってもよい。フィルタは、高調波を除去することができる他の任意のタイプのフィルタであってもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、モジュールは、無線機インターフェイスに適合構成(match component)を備えてもよい。モジュールは、無線機インターフェイスに隣接して配置された適合要素を備えてもよい。モジュールは、無線機インターフェイスに接続された適合要素を備えてもよい。これにより、適合要素は、モジュールを無線機に適合させてもよい。適合要素は、マッチ(match)であってもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、モジュールは、第1の電気スイッチ及び第2の電気スイッチを含んでもよい。第1の電気スイッチは、無線機インターフェイスに配置されてもよい。第2の電気スイッチは、アンテナインターフェイスに配置されてもよい。第1の電気スイッチ及び第2の電気スイッチは、それぞれ、TX経路を選択するための設定を有してもよい。第1の電気スイッチ及び第2の電気スイッチは、それぞれ、RX経路を選択するための設定を有してもよい。第1の電気スイッチ及び第2の電気スイッチは、それぞれ、バイパス経路を選択するための設定を有してもよい。従って、第1の電気スイッチ及び第2の電気スイッチは、TX経路、RX経路、又は、バイパス経路のいずれか1つを選択することを可能にしてもよい。第1の電気スイッチは、モジュールの無線機の側に配置されてもよい。第1の電気スイッチは、無線機への結合部に配置されてもよい。第2の電気スイッチは、モジュールのアンテナ側に配置されてもよい。第2の電気スイッチは、アンテナへの結合部に配置されてもよい。第1及び第2の電気スイッチは、それらが互いに類似するように設定されてもよい。換言すれば、同じ経路、例えば、TX経路が、両方のスイッチによって選択されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の電気スイッチ及び第2の電気スイッチの少なくとも1つ、好ましくは、その両方は、PINダイオードスイッチである。PINダイオードスイッチは、シンプルな設計ソリューションを提供し、回路の生産が容易でコスト効率が高く、動作中非常に安定している。このため、信頼性の高い動作が保証される。最後に、PINダイオードスイッチはスイッチング時間が速い。このため、パスとパスの間の高速なスイッチングが可能である。PINダイオードスイッチは、1秒間に60~170回切り換え得る。これにより、聴覚装置のユーザは、例えば、スマートフォンをバッグに入れて電話をかけるときに、音声遅延に気付き得ない。
【0041】
いくつかの実施形態では、モジュールは、制御ユニットを備えていてもよい。制御ユニットは、第1の電気スイッチ及び第2の電気スイッチを制御するように構成されてもよい。制御ユニットは、論理制御ユニットであってもよい。制御ユニットは、聴覚装置の無線機に結合してもよい。例えば、制御ユニットは、聴覚装置の無線機に結合された制御ラインを有してもよい。制御ユニットは、無線機によって受信された制御信号に基づいて、適切な経路を選択するように構成されてもよい。例えば、無線機が受信する信号が強い場合、制御ユニットはバイパス経路を選択してもよい。この場合、制御ユニットは、第1及び第2の電気スイッチにバイパス経路への切り替えを命令してもよい。例えば、無線機によって受信された信号が弱い場合、制御ユニットは、TX経路及び/又はRX経路を選択してもよい。この場合、制御ユニットは、第1及び第2の電気スイッチにTX経路及び/又はRX経路への切り替えを命令してもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、モジュールは、無線機インターフェイスにおいて第1の静電容量ユニットを備えてもよい。モジュールは、無線機インターフェイスに隣接して配置された第1の静電容量ユニットを備えてもよい。モジュールは、無線機インターフェイスに接続された第1の静電容量ユニットを備えてもよい。いくつかの実施形態では、モジュールは、アンテナインターフェイスにおいて第2の静電容量ユニットを備えてもよい。モジュールは、アンテナインターフェイスに隣接して配置された第2の静電容量ユニットを備えてもよい。モジュールは、アンテナインターフェイスに接続された第2の静電容量ユニットを備えてもよい。それによって、第1及び第2の静電容量ユニットは、直流電流、即ち、DC漏れ電流が、モジュールから出ること及び/又はモジュールに入ることを防止することができる。第1の静電容量ユニットは、少なくとも1つのキャパシタを備えてもよい。あるいは、第1の静電容量ユニットは、DCブロッカーであってもよい。第2の静電容量ユニットは、少なくとも1つのキャパシタを備えてもよい。あるいは、第2の静電容量ユニットは、DCブロッカーであってもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、モジュールは、無線機インターフェイスにおいて平衡インターフェイスを備えてもよい。モジュールは、無線機インターフェイスに隣接して配置された平衡インターフェイスを備えていてもよい。モジュールは、無線機インターフェイスに接続された平衡インターフェイスを備えていてもよい。モジュールは、無線機インターフェイスに配置された平衡インターフェイスを備えていてもよい。言い換えると、無線機の入力は、平衡インターフェイスを備えてもよい。モジュール内に平衡インターフェイスを備えることによって、バラン構成要素を回路から省略可能である。それによって、平衡インターフェイスは、別個のバラン構成要素ではなくモジュールに含まれ得るので、聴覚装置ハイブリッドをより小さくよりコンパクトにし得る。平衡インターフェイスは、第1の入力/出力及び第2の入力/出力を含んでもよい。第1の入力/出力と第2の入力/出力とは、互いに異なる位相を有していてもよい。例えば、第1の入力/出力は、第2の入力/出力に対して180°位相がずれていてもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、モジュールは、別個のチップであってもよい。別個のチップは小さくてもよい。別個のチップは、1~2mm、好ましくは約1.6mm、1~2mm、好ましくは約1.2mmの寸法を有していてもよい。別個のチップは、3~4mm、好ましくは約0.35mmの厚さを有していてもよい。別個のチップは、モジュールを聴覚装置ハイブリッドに統合することを容易にし得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、モジュールは、プリント回路基板を備える聴覚装置ハイブリッドに一体化されてもよい。それによって、改善された聴覚装置は、例えば、モジュールのための別個のチップ/空間のコストを節約することによって、より低いコストで提供され得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、TXアンプは、5dBから15dBの増幅を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、TXアンプは、TX経路を使用する送信中に、20mA未満、好ましくは15mA未満を使用するように構成される。いくつかの実施形態では、RXアンプは、8dBから18dBの増幅を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、RXアンプは、RX経路を使用する受信中に、10mA未満、好ましくは5mA未満を使用するように構成される。いくつかの実施形態では、モジュールは、バイパス経路を使用する場合、5μA未満、好ましくは3μA未満、より好ましくは1μA未満を使用するように構成される。
【0047】
TXアンプを使用して限られた電源を利用する小型電子装置では、電力消費の増大という重いコストが生じる可能性がある。これは、補聴器にとって特に重要であり、補聴器は、ユーザが他人とコミュニケーションをとるための能力にとって不可欠であり、したがって、電源に蓄えられた電力で一日中持続することができなければならない。一方、いくつかの状況では、例えば、通話中に聴覚装置を入力/出力装置として使用することにより、無線リンクが必要とされ、改善され得る。したがって、上記の消費電力に対する増幅の比を有するTX及びRXアンプを聴覚装置に提供することは、電力消費を許容可能なレベルに保ちながら、TX及びRXアンプをいくつかの状況で使用することを可能にする利点がある。
【0048】
いくつかの実施形態では、聴覚装置は、受信信号の信号強度を検出し、検出された信号強度に基づいて、聴覚装置の受信信号強度インジケータ(RSSI)を提供するように構成された検出器ユニットを含んでもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、聴覚装置は、1つ又は複数の動作モードで動作可能であってもよく、動作モードは、ユーザ定義モード、聴覚装置RSSIモード、外部装置RSSIモード、聴覚装置/外部装置RSSIモード、残電源閾値モード、残動作時間モード、及び/又は、外部装置タイプモードのうちの1つ又は複数を備える。動作モードは、ユーザによって選択されてもよく、又は事前に設定されていてもよい。
【0050】
ユーザ定義モードでは、TX経路及びRX経路は、それぞれ送信及び受信時に使用され、又は、バイパス経路は、ユーザからの入力に応じて、送信及び受信時に使用される。聴覚装置は、ユーザと第1のユーザインターフェイスとの間の対話に基づいてユーザ入力を提供するように構成された第1のユーザインターフェイス、例えばボタン又はスクロールホイールを備えてもよい。外部装置は、第2のユーザインターフェイスを備えてもよい。第2のユーザインターフェイスは、例えば、ユーザと第2のユーザインターフェイスとの間のインタラクションに基づくユーザ入力を提供するように構成されたAPP内のGUIを含んでもよい。ユーザ入力は、外部装置から聴覚装置に無線で送信されてもよい。
【0051】
聴覚装置RSSIモードでは、聴覚装置RSSIが第1の閾値を下回るときに、TX経路とRX経路が、送信及び受信において使用され、聴覚装置RSSIが第1の閾値を上回るときに、バイパス経路が、送信及び受信において使用される。外部装置RSSIモードでは、外部装置RSSIが第2の閾値を下回っているときに、TX経路とRX経路が、送信及び受信時のそれぞれで使用され、外部装置RSSIが第2の閾値を上回っているときに、バイパス経路が送信及び受信時において使用される。聴覚装置/外部装置RSSIモードでは、外部装置RSSIが第3の閾値を下回ったとき、TX経路が送信時において使用され、外部装置RSSIが第3の閾値を上回ったときに、バイパス経路が送信時において使用される。聴覚装置/外部装置RSSIモードでは、聴覚装置RSSIが第4の閾値を下回るとき、RX経路が受信時において利用され、聴覚装置RSSIが第4の閾値を上回るときに、バイパス経路が受信時において使用される。
【0052】
残電力閾値モードでは、残りの電源容量、例えば、残りのバッテリ容量が第5の閾値を上回る場合に、TX経路とRX経路が送信時及び受信時のそれぞれにおいて使用され、残りの電源容量が第5の閾値を下回っている場合に、バイパス経路が送信時及び受信時において使用される。
【0053】
残動作時間モードでは、推定された残り動作時間が第6の閾値を上回るときに、TX経路及びRX経路が、送信時及び受信時のそれぞれにおいて使用され、推定された残り動作時間が第6の閾値を下回るときに、バイパス経路が、送信時及び受信時において使用される。いくつかの実施形態では、信号プロセッサは、残りのバッテリ容量、現在の電力消費、(例えば現在の時間間隔、前の30分における電力消費)、及び/又は、履歴データ(即ち、1日のある時間における、ある地理的位置における、聴覚装置のユーザの使用に関するデータ)などのうちの1つ又は複数に基づいて、推定された残りの動作時間を提供するように構成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態では、聴覚装置は、改善された無線リンクを必要とする外部装置のリストと、改善された無線リンクを必要としない外部装置のリストとを備えるメモリストレージを備えてもよい。外部装置タイプモードでは、送信時又は受信時に使用される経路が選択される。当該経路は、外部装置が、改善された無線リンクを必要とする外部装置のリスト上のタイプであるか、又は、改善された無線リンクを必要としない外部装置のリスト上のタイプであるか、に基づいて選択される。
【0055】
「第1」、「第2」、「第3」などの用語は、ラベル付けのために使用され、いかなる特定の順序、依存性、又は、重要性も意味しないことに留意されたい。したがって、残動作時間モードで動作するように構成された聴覚装置は、第6の閾値を備えることになるが、聴覚装置が動作するように構成された動作モード(複数可)に応じて、第1の閾値から第5の閾値のいずれかを備えてもよいし、備えなくてもよい。
【0056】
本発明は、上記及び以下に記載される聴覚装置、ならびに対応する装置部分に関し、各々は、言及される聴覚装置に関連して記載される利益及び利点のうちの1つ以上をもたらし、各々は、添付の特許請求の範囲に開示される聴覚装置に関連して記載される実施形態に対応する1つ以上の実施形態を有する。
【図面の簡単な説明】
【0057】
上記及び他の特徴及び利点は、添付の図面を参照した例示的な実施形態の以下の詳細な説明によって、当業者に容易に明らかになるであろう。
【0058】
図1】例示的な聴覚装置を概略的に示す。
図2】例示的な聴覚装置のブロック図を概略的に示す。
図3】例示的なモジュールを概略的に示す。
図4】平衡インターフェイスを備える例示的なモジュールを概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
様々な実施形態が、図面を参照して以下に記載される。全体を通して、同様の参照番号は同様の要素を指す。したがって、同様の要素については、各図の説明に関して詳細には説明しない。また、図面は、実施形態の説明を容易にすることのみを意図していることにも留意されたい。それらは、特許請求の範囲に記載された発明の網羅的な説明として、又は特許請求の範囲に記載された発明の範囲に対する限定として意図されていない。さらに、図示された実施形態は、図示された態様又は利点のすべてを有する必要はない。特定の実施形態に関連して説明される態様又は利点は、必ずしもその実施形態に限定されず、そのように図示されていなくても、又はそのように明示的に説明されていなくても、任意の他の実施形態で実施することができる。全体を通して、同じ参照番号は、同一又は対応する部分に使用される。
【0060】
図1は、例示的な聴覚装置2を概略的に示す。聴覚装置2は、入力変換器4を有する。入力変換器4は、受信したオーディオ信号に基づいて、1つ又は複数の入力信号を生成する。聴覚装置2は、信号プロセッサ6を有する。信号プロセッサ6は、1つ又は複数の入力信号を処理するように構成されていてもよい。聴覚装置2は、出力変換器8を有する。出力変換器8は、信号プロセッサ6の出力に結合され、信号プロセッサからの出力信号を、例えば音声出力信号等の出力信号に変換する。聴覚装置は無線機10を備える。無線機10は、信号プロセッサ6に結合されている。無線機10は、無線データ通信のために構成される。聴覚装置2は、モジュール14を備える。モジュール14は無線機10に結合されている。聴覚装置2は、電磁場の放出及び受信のためのアンテナ12を備える。アンテナ12は、モジュール14に結合される。モジュール14は、図3に関連して後述される。
【0061】
図2は、聴覚装置2のブロック図の一例を概略的に示す。図2に示す聴覚装置2は、図1に示す聴覚装置2の全ての構成要素を備える。図2に示される入力変換器4は、マイクロフォンの形態である。図2に示す出力変換器8は、スピーカの形態である。さらに、聴覚装置2は、バッテリ又は充電式バッテリなどの電源を備えていてもよい。聴覚装置2は、電力管理ユニットをさらに備えていてもよい。電力管理ユニットは、電源から信号プロセッサ6、出力変換器8、入力変換器4、及び、無線機10に供給される電力を制御するために設けられていてもよい。
【0062】
図3は、例示的なモジュール14を概略的に示す。聴覚装置2は、図3に示すモジュール14を備える。モジュール14は、無線機10に結合された無線機インターフェイス11を備える。モジュール14は、アンテナ12に結合されたアンテナインターフェイス13を備える。モジュール14は、送信(TX)経路16を備える。TX経路16は、無線機10からアンテナ12に信号を送信するように構成される。TX経路16は、図3に矢印で示されており、当該矢印は、無線機10からアンテナ12への信号の方向を示す。TX経路16は、TXアンプ22を備える。なお、TXアンプ22は、パワーアンプであってもよい。さらに、TX経路16は、フィルタ28を備えていてもよい。図3は、フィルタ28がTX経路16に配置されていることを示す。図3は、フィルタ28がTXアンプ22とアンテナインターフェイス13との間に配置されていることを示す。
【0063】
図3は、モジュール14が受信(RX)経路18を備えることを示す。RX経路18は、アンテナ12から無線機10に信号を送信するように構成される。RX経路18は、図3に矢印で示されており、当該矢印は、アンテナ12から無線機10への信号の方向を示す。RX経路18は、RXアンプ24を含む。RXアンプ24は低雑音アンプ26であってもよい。
【0064】
さらに、モジュール14は、バイパス経路20を備える。バイパス経路20は、TX経路16とRX経路18とをバイパスすることによって、無線機10とアンテナ12との間で信号を送信するように構成される。バイパス経路20は、図3の両矢印で示されており、当該両矢印は、無線機10からアンテナ12への信号の方向、及びその逆を示す。
【0065】
図3は、モジュール14が第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´を備えることを示す。図3は、第1の電気スイッチ30が無線機インターフェイス11に配置されてもよいことを示す。図3は、第2の電気スイッチ30´がアンテナインターフェイス13に配置されていることを示す。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´はそれぞれ、TX経路16を選択するための設定を有していてもよい。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´はそれぞれ、RX経路18を選択するための設定を有していてもよい。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´はそれぞれ、バイパス経路20を選択するための設定を有していてもよい。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´のうちの少なくとも1つは、好ましくは両方とも、PINダイオードスイッチであってもよい。
【0066】
図3は、モジュールが制御ユニット32を備えることを示す。制御ユニット32は、第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´を制御するように構成されてもよい。モジュール14は、無線機インターフェイス11において第1の静電容量ユニット34を備えてもよい。モジュール14は、無線機インターフェイス11に隣接して配置された第1の静電容量ユニット34を備えてもよい。モジュール14は、無線機インターフェイス11に接続された第1の静電容量ユニット34を備えてもよい。モジュール14は、アンテナインターフェイス13において第2の静電容量ユニット34´を備えてもよい。モジュール14は、アンテナインターフェイス13に隣接して配置された第2の静電容量ユニット34´を備えてもよい。モジュール14は、アンテナインターフェイス13に接続された第2の静電容量ユニット34´を備えてもよい。図3は、第1の静電容量ユニット34がコンデンサを備えることを示す。図3は、第2の静電容量ユニット34´がコンデンサを備えることを示す。
【0067】
制御ユニット32は、無線機10及び/又は信号プロセッサ6に結合されていてもよく、これらは、制御ユニット32に、第1及び第2の電気スイッチ30、30´の設定のための指示を含む制御信号を提供していてもよい。指示は、聴覚装置2が動作している動作モードに依存する。1つ以上の動作モードは、以下のうちの1つ以上から選択されてもよい:
-ユーザ定義モード、このモードでは、ユーザはTX及びRX経路16、18、又は、バイパス経路20のどちらを利用するかを決定する。これにより、ユーザは、外部機器との無線リンクを強くするか、低消費電力にするかを決定する;
-聴覚装置RSSIモード、このモードでは、受信信号の信号品質が予め設定された閾値を下回る場合に、聴覚装置2がTX及びRX経路16、18に切り替える;
-外部装置RSSIモード、このモードでは、外部装置によって受信された信号の信号品質が予め設定された閾値を下回る場合に、聴覚装置2がTX及びRX経路16、18に切り替わる。この場合、外部装置は、無線リンクを強化する要求を聴覚装置2に送信してもよい;
-聴覚装置/外部装置RSSIモード、このモードは、前述の2つのモードのハイブリッドである。聴覚装置2によって受信された信号の品質が許容可能なレベル以下に低下したときに聴覚装置2がRX経路18を利用し、外部装置によってそのように要求されたときにTX経路16を利用する;
-残電力供給閾値モード、このモードでは、電力供給が50%、30%、又は、20%を超える残量などの十分な残量を有するときに、聴覚装置2がTX及びRX経路16、18に切り替わる;
-残動作時間モード、このモードでは、推定された残動作時間が、10時間、5時間、2時間、1時間、又は、30分などの事前設定時間を超えたときに、聴覚装置2がTX及びRX経路16、18に切り替わる;及び/又は、
-外部装置タイプモード、このモードでは、接続されている外部装置のタイプに依存して、聴覚装置2が、TX及びRX経路16、18に切り替わる。ラップトップ又はデスクトップのような外部装置は、しばしば、良好なアンテナシステムを有し、強い信号を送信するので、このような装置との無線通信は、より少ない電力を利用して、即ち、バイパス経路20を使用することによって行われてもよく、一方、他の外部装置、例えば、スマートフォン又はスマートウォッチは、許容可能なリンク品質を得るために、改善された無線リンクを必要とし得る。
【0068】
ユーザは、聴覚装置2がどの動作モードで動作するべきかを選択しても、又は、動作モードを事前設定してもよい。これは、上述したモードのうちの1つのみが利用可能である実施形態、又は、聴覚装置2が製造業者又は処方者によるモードで動作するように事前設定される実施形態であってもよい。
【0069】
モジュール14は、別個のチップであってもよい。モジュール14は、プリント回路基板を含む聴覚装置ハイブリッドに統合することができる。
【0070】
図4は、例示的なモジュール14を示す。聴覚装置2は、図4に示すモジュール14を備える。モジュール14は、無線機10に結合された無線機インターフェイス11を備える。モジュール14は、アンテナ12に結合されたアンテナインターフェイス13を備える。モジュール14は、送信(TX)経路16を備える。TX経路16は、無線機10からアンテナ12に信号を送信するように構成される。TX経路16は、図4に矢印で示されており、当該矢印は、無線機10からアンテナ12への信号の方向を示す。TX経路16は、TXアンプ22を備える。TXアンプ22は、パワーアンプであってもよい。さらに、TX経路16は、フィルタ28を備えていてもよい。図4は、フィルタ28がTX経路16に配置されていることを示す。図4は、フィルタ28がTXアンプ22とアンテナインターフェイス13との間に配置されていることを示す。
【0071】
図4は、モジュール14が受信(RX)経路18を備えることを示す。RX経路18は、アンテナ12から無線機10に信号を送信するように構成される。RX経路18は、図4に矢印で示されており、当該矢印は、アンテナ12から無線機10への信号の方向を示す。RX経路18は、RXアンプ24を備える。RXアンプ24は低雑音アンプ26であってもよい。さらに、モジュール14は、バイパス経路20を備える。バイパス経路20は、TX経路16とRX経路18とをバイパスすることによって、無線機10とアンテナ12との間で信号を送信するように構成される。バイパス経路20は、図4の両矢印で示されており、当該両矢印は、無線機10からアンテナ12への信号の方向、及び、その逆を示す。
【0072】
図4は、モジュール14が第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´を備えることを示す。図4は、第1の電気スイッチ30が無線機インターフェイス11に配置されていてもよいことを示す。図4は、第2の電気スイッチ30´がアンテナインターフェイス13に配置されていることを示す。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´はそれぞれ、TX経路16を選択するための設定を有していてもよい。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´はそれぞれ、RX経路18を選択するための設定を有していてもよい。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´はそれぞれ、バイパス経路20を選択するための設定を有していてもよい。第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´のうちの少なくとも1つ、好ましくは両方とも、PINダイオードスイッチであってもよい。
【0073】
図4は、モジュールが制御ユニット32を備えることを示す。制御ユニット32は、第1の電気スイッチ30及び第2の電気スイッチ30´を制御するように構成されてもよい。モジュール14は、無線機インターフェイス11において第1の静電容量ユニット34を備えることができる。モジュール14は、無線機インターフェイス11に隣接して配置された第1の静電容量ユニット34を備えてもよい。モジュール14は、無線機インターフェイス11に接続された第1の静電容量ユニット34を備えてもよい。モジュール14は、アンテナインターフェイス13において第2の静電容量ユニット34´を備えてもよい。モジュール14は、アンテナインターフェイス13に隣接して配置された第2の静電容量ユニット34´を備えてもよい。モジュール14は、アンテナインターフェイス13に接続された第2の静電容量ユニット34´を備えてもよい。図4は、第1の静電容量ユニット34がコンデンサを含むことを示す。図4は、第2の静電容量ユニット34´がコンデンサを含むことを示す。
【0074】
図4に示すモジュール14は、無線機インターフェイス11において平衡インターフェイス36を備える。モジュール14は、無線機インターフェイス11に隣接して配置された平衡インターフェイス36を備えてもよい。図4は、モジュール14が、無線機インターフェイス11に接続された平衡インターフェイス36を備えることを示す。図4に示す平衡インターフェイス36は、第1の入力/出力及び第2の入力/出力を含む。平衡インターフェイスは、より多くの数の入力/出力を備えていてもよい。モジュール14は、別個のチップであってもよい。モジュール14は、プリント回路基板を含む聴覚装置ハイブリッドに統合することができる。
【0075】
特定の特徴が示され、説明されてきたが、それらは、特許請求された発明を限定することを意図しておらず、特許請求された発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更及び修正がなされ得ることが、当業者に明らかにされることが理解されるであろう。したがって、本明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的な意味で見なされるべきである。特許請求される発明は、全ての代替物、修正物、及び均等物を包含することが意図される。
【0076】
(項目1)
ユーザの耳に装着されるように構成される聴覚装置(2)であって、
受信されたオーディオ信号に基づいて1つ以上の入力信号を生成するための入力変換器(4)と、
信号プロセッサ(6)と、
前記信号プロセッサ(6)からの出力信号を出力信号に変換するために、前記信号プロセッサの出力に結合される出力変換器(8)と、
前記信号プロセッサに結合される、無線データ通信のための無線機(10)と、
前記無線機(10)に結合される、電磁場の放出及び受信のためのアンテナ(12)と、
モジュール(14)と、
を備え
前記モジュール(14)は、
前記無線機(10)に結合される無線機インターフェイス(11)と、
前記アンテナ(12)に結合されるアンテナインターフェイス(13)と、
前記無線機(10)から前記アンテナ(12)に信号を送信するように構成され、TXアンプ(22)を含む送信(TX)経路(16)と、
前記アンテナ(12)から前記無線機(10)に信号を送信するように構成され、RXアンプ(24)を含む受信(RX)経路(18)と、
前記TX経路(16)及び前記RX経路(18)をバイパスして、前記無線機(10)と前記アンテナ(12)との間で信号を送信するように構成されるバイパス経路(20)と、
を備える、聴覚装置(2)。
(項目2)
前記RXアンプ(24)は、低雑音アンプ(LNA)(26)である、項目1に記載の聴覚装置(2)。
(項目3)
前記TXアンプ(22)は、パワーアンプ(PA)である、項目1又は2に記載の聴覚装置(2)
(項目4)
前記TX経路(16)は、前記TXアンプ(22)と前記アンテナインターフェイス(13)との間に、前記TX経路(16)上に配置されるフィルタ(28)を備える、項目1から3のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目5)
前記モジュール(14)は、前記無線機インターフェイス(11)においてマッチコンポーネントを備える、項目1から4のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目6)
前記モジュール(14)は、
第1の電気スイッチ(30)と、
第2の電気スイッチ(30´)と、
を備え、
前記第1の電気スイッチ(30)は、前記無線機インターフェイス(11)に配置され、
前記第2の電気スイッチ(30´)は、前記アンテナインターフェイス(13)に配置され、
前記第1の電気スイッチ(30)及び前記第2の電気スイッチ(30´)は、それぞれ、前記TX経路(16)を選択するための設定と、前記RX経路(18)を選択するための設定と、前記バイパス経路(20)を選択するための設定と、を有する、項目1から5のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目7)
前記第1の電気スイッチ(30)及び前記第2の電気スイッチ(30´)の少なくとも一方、好ましくは両方が、PINダイオードスイッチである、項目1から6のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目8)
前記モジュール(14)は、制御ユニット(32)を備え、
前記制御ユニット(32)は、前記第1の電気スイッチ(30)及び前記第2の電気スイッチ(30´)を制御するように構成される、項目1から7のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目9)
前記モジュール(14)は、前記無線機インターフェイス(11)における第1の容量性ユニット(34)を備え、及び/又は、
前記モジュール(14)は、前記アンテナインターフェイス(13)における第2の容量性ユニット(34´)を備える、項目1から8のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目10)
前記モジュール(14)は、前記無線機インターフェイス(11)において平衡インターフェイス(36)を備える、項目1から9のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目11)
前記モジュール(14)は、別個のチップである、項目1から10のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
(項目12)
前記モジュール(14)は、プリント回路基板を含む聴覚装置ハイブリッドに統合される、項目1から11のいずれか1つに記載の聴覚装置(2)。
【符号の説明】
【0077】
2:聴覚装置
4:入力変換器
6:信号プロセッサ
8:出力変換器
10:無線機
11:無線機インターフェイス
12:アンテナ
13:アンテナインターフェイス
14:モジュール
16:送信経路
18:受信経路
20:バイパス経路
22:TXアンプ
24:RXアンプ
26:低雑音アンプ
28:フィルタ
30:第1の電気スイッチ
30':第2の電気スイッチ
32:制御装置
34:第1の静電容量ユニット
34':第2の静電容量ユニット
36:平衡インターフェイス
図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】