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特開2022-140451半導体デバイスの空隙スペーサを形成する方法および半導体デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140451
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】半導体デバイスの空隙スペーサを形成する方法および半導体デバイス
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/768 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
H01L21/90 N
【審査請求】有
【請求項の数】27
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022108897
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2019502665の分割
【原出願日】2017-07-21
(31)【優先権主張番号】15/232,341
(32)【優先日】2016-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】508369618
【氏名又は名称】テセラ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Tessera, Inc.
【住所又は居所原語表記】3025 Orchard Parkway San Jose, California 95134 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100151987
【弁理士】
【氏名又は名称】谷口 信行
(72)【発明者】
【氏名】グエン、ソン、ファン
(72)【発明者】
【氏名】山下 典洪
(72)【発明者】
【氏名】チョン、カングオ
(72)【発明者】
【氏名】ハイ ジュニア、トーマス、ジャスパー
(72)【発明者】
【氏名】パーク、チャンロ
(72)【発明者】
【氏名】リニガー、エリック
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジュンタオ
(72)【発明者】
【氏名】メータ、サンジェイ
(57)【要約】
【課題】半導体デバイスのBEOL層またはMOL層の一部として形成された空隙スペーサを有する半導体デバイス、およびこのような空隙スペーサを作製する方法を提供する。
【解決手段】例えば、方法は、基板上に第1の金属構造部および第2の金属構造部を形成することを含み、この第1の金属構造部および第2の金属構造部は、絶縁材料を間に挟んで互いに隣接して配置されている。この絶縁材料をエッチングして、第1の金属構造部と第2の金属構造部の間に空間を形成する。ピンチ・オフ堆積プロセスを使用して、第1の金属構造部および第2の金属構造部の上に誘電体材料の層を堆積させて、第1の金属構造部と第2の金属構造部の間の空間内に空隙を形成する。この空隙の一部分は、第1の金属構造部および第2の金属構造部のうちの少なくとも一方の上面より上方に延びている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
基板上に第1の金属構造部および第2の金属構造部を形成することであり、前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部が、絶縁材料を間に挟んで互いに隣接して配置される、前記形成することと、
前記絶縁材料をエッチングして、前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間に空間を形成することと、
前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部の上に誘電体材料の層を堆積させて、前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間の前記空間内に空隙を形成することと、を含み、
前記空隙の一部分が、前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部のうちの少なくとも一方の上面より上方に延びる、方法。
【請求項2】
前記第1の金属構造部が、BEOL(配線工程)相互接続構造のILD(レベル間誘電体)層内に形成された第1の金属線を含み、前記第2の金属構造部が、前記BEOL相互接続構造の前記ILD層内に形成された第2の金属線を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記空隙の前記一部分が、前記第1の金属線より上方に、かつ前記第2の金属線より上方に延びる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の金属構造部が、デバイス接点を含み、前記第2の金属構造部が、トランジスタのゲート構造部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記デバイス接点が、前記ゲート構造部よりも高く、前記空隙の前記一部分が、前記ゲート構造部より上方に、かつ前記デバイス接点の上面より下方に延びる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部の上に誘電体材料の層を堆積させることが、
誘電体材料の非コンフォーマル層を堆積させて、前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間の前記空間と位置合わせされたピンチ・オフ領域を有する誘電体キャッピング層を形成することを含み、
前記ピンチ・オフ領域が、前記誘電体キャッピング層内で、前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部のうちの前記少なくとも一方の前記上面より上方に形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記誘電体材料の非コンフォーマル層を堆積させることが、40%以下のコンフォーマル性レベルが得られるようにプラズマ化学蒸着プロセスの堆積パラメータを設定することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記誘電体材料が、5.0以下の誘電率を有する低k誘電体材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記誘電体材料が、SiCOH、多孔性p-SiCOH、SiCN、SiNO、炭素リッチSiCNH、SiC、p-SiCNH、およびSiNのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部の上に前記誘電体材料を堆積させて前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間の前記空間内に前記空隙を形成する前に、前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間の前記空間内にコンフォーマル・ライナ層を形成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
半導体デバイスであって、
空間を間に挟んで互いに隣接して基板上に配置された、第1の金属構造部および第2の金属構造部と、
前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間の前記空間内に空隙を形成するように前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の上に形成された誘電体キャッピング層とを備え、
前記空隙の一部分が、前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部のうちの少なくとも一方の上面より上方に延びる、半導体デバイス。
【請求項12】
前記第1の金属構造部が、BEOL(配線工程)相互接続構造のILD(レベル間誘電体)層内に形成された第1の金属線を含み、前記第2の金属構造部が、前記BEOL相互接続構造の前記ILD層内に形成された第2の金属線を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記空隙の前記一部分が、前記第1の金属線より上方に、かつ前記第2の金属線より上方に延びる、請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記第1の金属構造部が、デバイス接点を含み、前記第2の金属構造部が、トランジスタのゲート構造部を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイス接点が、前記ゲート構造部よりも高く、前記空隙の前記一部分が、前記ゲート構造部より上方に、かつ前記デバイス接点の上面より下方に延びる、請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記誘電体キャッピング層が、前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間の前記空間と位置合わせされたピンチ・オフ領域を含む誘電体材料の非コンフォーマル層を含み、
前記ピンチ・オフ領域が、前記誘電体キャッピング層内で、前記第1の金属構造部および前記第2の金属構造部のうちの前記少なくとも一方の前記上面より上方に配置される、請求項11に記載のデバイス。
【請求項17】
前記誘電体材料の非コンフォーマル層のコンフォーマル性レベルが、40%以下である、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記誘電体キャッピング層が、5.0以下の誘電率を有する低k誘電体材料を含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項19】
前記誘電体キャッピング層が、SiCOH、多孔性p-SiCOH、SiCN、SiNO、炭素リッチSiCNH、SiC、p-SiCNH、およびSiNのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載のデバイス。
【請求項20】
前記第1の金属構造部と前記第2の金属構造部の間の前記空間内の表面上に形成されたコンフォーマル・ライナ層をさらに備える、請求項11に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本分野は、一般に半導体作製に関し、特に、半導体デバイスの空隙スペーサ(air gap spacer)を作製する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造技術では、デザインルールの微細化および高集積密度化が進んでおり、集積回路内の隣接する構造どうしの分離は、ますます微細になっている。したがって、BEOL(配線工程(back-end-of-line))相互接続構造の隣接する金属配線や、FEOL(基板工程(front-end-of-line))デバイスの隣接する接点(例えばMOL(中間工程(middle-of-the-line))デバイス接点)などの集積回路の隣接する構造どうしの間で、望ましくない容量性結合が起こる可能性がある。これらの構造に関連する寄生容量は、半導体デバイスの性能低下につながる恐れがある。例えば、トランジスタの接点間の容量性結合は、トランジスタの動作速度に悪影響を及ぼしたり、集積回路のエネルギー消費を増加させたりする、ゲート・ソース間またはゲート・ドレイン間の寄生容量の増大につながる恐れがある。さらに、BEOL構造の隣接する金属配線間の望ましくない容量性結合は、抵抗容量遅延(または待ち時間)の増大、クロストーク、相互接続スタックにおける動的電力散逸の増大などにつながる恐れもある。
【0003】
隣接する導電性構造間の寄生結合を低減するために、半導体業界では、超大規模(ULSI)集積回路のMOLおよびBEOL層の絶縁材料として、低誘電率(低k)誘電体および超低k(ULK)誘電体(従来のSiO2(k=4.0)の代わりに)の使用を採用している。しかし、急速な小型化に関連した低k誘電体の登場は、これらの低k材料の長期信頼性という点で重大な難題を生じている。例えば、低k材料は、一般に従来のSiO2誘電体よりも低い固有絶縁破壊強度を有するので、低kTDDB(絶縁膜経時破壊)が、一般に重要な問題と考えられている。一般に、TDDBとは、誘電体が電圧/電流バイアスおよび温度応力を受けたときに時間とともに誘電体の絶縁性が失われることを指す。TDDBは、漏れ電流の増大を引き起こし、それによりナノスケール集積回路の性能を劣化させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
半導体デバイスのBEOL層またはMOL層の一部として形成された空隙スペーサを有する半導体デバイス、およびこのような空隙スペーサを作製する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、その半導体デバイスのBEOL層またはMOL層の一部として形成された空隙スペーサを有する半導体デバイス、および半導体デバイスのBEOL層およびMOL層の一部として空隙スペーサを作製する方法を含む。
【0006】
例えば、半導体デバイスを作製する方法は、基板上に第1の金属構造部および第2の金属構造部を形成することを含み、この第1の金属構造部および第2の金属構造部は、絶縁材料を間に挟んで互いに隣接して配置されている。この絶縁材料をエッチングして、第1の金属構造部と第2の金属構造部の間に空間を形成する。第1の金属構造部および第2の金属構造部の上に誘電体材料の層を堆積させて、第1の金属構造部と第2の金属構造部の間の空間内に空隙を形成する。この空隙の一部分は、第1の金属構造部および第2の金属構造部のうちの少なくとも一方の上面より上方に延びている。
【0007】
1実施形態では、第1の金属構造部は、BEOL相互接続構造のレベル間誘電体層内に形成された第1の金属線を含み、第2の金属構造部は、BEOL相互接続構造のILD層内に形成された第2の金属線を含む。
【0008】
別の実施形態では、第1の金属構造部は、デバイス接点を含み、第2の金属構造部は、トランジスタのゲート構造部を含む。1実施形態では、デバイス接点は、ゲート構造部よりも高く、空隙の上記一部分は、ゲート構造部より上方に、かつデバイス接点の上面より下方に延びている。
【0009】
添付の図面と関連付けて読まれるべき以下の発明を実施するための形態では、その他の実施形態についても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態による、半導体デバイスのBEOL構造内に一体形成された空隙スペーサを備える半導体デバイスを示す概略図である。
図2】本発明の実施形態による、半導体デバイスのBEOL構造内に一体形成された空隙スペーサを備える半導体デバイスを示す概略図である。
図3】従来の方法を使用して形成された空隙構造と比較したときの、本発明の実施形態によるピンチ・オフ堆積方法(pinch-off deposition method)を使用して形成された空隙構造を用いて実現されるTDDB信頼性の向上およびBEOL構造の金属線の間の容量性結合の低下を概略的に説明する図である。
図4】従来の方法を使用して形成された空隙構造と比較したときの、本発明の実施形態によるピンチ・オフ堆積方法を使用して形成された空隙構造を用いて実現されるTDDB信頼性の向上およびBEOL構造の金属線の間の容量性結合の低下を概略的に説明する図である。
図5】本発明の別の実施形態による、半導体デバイスのBEOL構造内に一体形成された空隙スペーサを備える半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図6】本発明の実施形態による図1の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、開口のパターンをILD(層間誘電体)層内に形成する中間作製段階の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図7】本発明の実施形態による図1の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、ライナ材料のコンフォーマル(conformal)層を堆積させ、金属材料の層を堆積させてILD層の開口を充填した後の、図6の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図8】本発明の実施形態による図1の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、半導体構造の表面をILD層まで平坦化して金属配線層を形成した後の、図7の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図9】本発明の実施形態による図1の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、金属配線層の金属線上に保護キャップを形成した後の、図8の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図10】本発明の実施形態による図1の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、ILD層をエッチングして金属配線層の金属線の間に空間を形成した後の、図9の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図11】本発明の実施形態による図1の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、絶縁材料のコンフォーマル層を堆積させて、金属配線層およびILD層の露出表面を被覆する絶縁ライナを形成した後の、図10の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図12】本発明の実施形態による図1の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、非コンフォーマル(non-conformal)堆積プロセスを使用して誘電体材料を堆積させて金属配線層の金属線の間の空間の上の堆積誘電体材料内にピンチ・オフ領域の形成を開始させるプロセスを示す、図11の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図13】本発明の別の実施形態による、半導体デバイスのFEOL/MOL構造内に一体形成された空隙スペーサを備える半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図14】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、垂直トランジスタ構造を半導体基板上に形成する中間作製段階の半導体デバイスを示す概略断面図である。
図15】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、プレメタル誘電体層をパターン形成して、垂直トランジスタ構造のゲート構造部の間に接点開口を形成した後の、図14の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図16】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、半導体デバイスの表面上にコンフォーマル・ライナ層を形成して、接点開口をライナ材料で裏当てした後の、図15の半導体デバイスの概略横断面図である。
図17】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、金属材料の層を堆積させて接点開口を金属材料で充填し、半導体デバイスの表面を平坦化してMOLデバイス接点を形成した後の、図16の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図18】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、垂直トランジスタ構造のゲート構造部のゲート・キャッピング層および側壁スペーサを凹ませた後の、図17の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図19】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、絶縁材料のコンフォーマル層を堆積させて、ゲート構造部およびMOLデバイス接点の露出表面を裏当てする絶縁ライナを形成した後の、図18の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図20】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、非コンフォーマル堆積プロセスを使用して誘電体材料を堆積させて、ゲート構造部とMOLデバイス接点の間の空間内に空隙を形成するピンチ・オフ領域を生じさせた後の、図19の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
図21】本発明の実施形態による図13の半導体デバイスを作製する方法を概略的に説明する図であって、半導体デバイスの表面をMOLデバイス接点まで平坦化し、BEOL構造の第1の相互接続レベルの一部としてILD層を堆積させた後の、図20の半導体デバイスを示す概略横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、BEOL層またはMOL層あるいはその両方の一部として形成される空隙スペーサを有する半導体集積回路デバイス、および半導体集積回路デバイスのBEOL層またはMOL層あるいはその両方の一部として空隙スペーサを作製する方法に関連して、実施形態についてさらに詳細に説明する。特に、以下でさらに詳細に説明するように、本発明の実施形態は、特定の誘電体材料および堆積技術を利用して形成される空隙スペーサのサイズおよび形状を制御し、それにより対象の応用分野に合わせて空隙スペーサ形成を最適化する「ピンチ・オフ」堆積技術を使用して、空隙スペーサを作製する方法を含む。空隙スペーサを形成するための本明細書で述べる例示的なピンチ・オフ堆積方法は、半導体集積回路デバイスのBEOL層およびMOL層のTDDB信頼性の向上および最適な容量低下をもたらす。
【0012】
添付の図面に示す様々な層、構造、および領域は、概略的に示したものであり、必ずしも一定の比率で描いたものではないことを理解されたい。さらに、説明を容易にするために、所与の図において、半導体デバイスまたは構造を形成するために一般的に使用される種類の1つまたは複数の層、構造、および領域は、明示的には図示していないこともある。ただし、明示的に図示されない層、構造、および領域があったとしても、それらが実際の半導体構造において省略されるということではない。
【0013】
さらに、本明細書で述べる実施形態は、図示し、本明細書で説明する特定の材料、特徴、および処理ステップに限定されるわけではないことを理解されたい。特に、半導体処理ステップについては、本明細書に与える説明は、実用的な半導体集積回路デバイスを形成するために必要になる可能性がある全ての処理ステップを包含するように意図してものではないことを強調しておく。むしろ、例えばウェット洗浄ステップおよびアニーリング・ステップなど、半導体デバイスを形成する際に一般的に使用される特定の処理ステップについては、説明の無駄を避けるために、本明細書では敢えて説明していない。
【0014】
さらに、全図面を通じて、同じまたは同様の特徴、要素、または構造は、同じまたは同様の参照番号で指してあるので、これらの同じまたは同様の特徴、要素、または構造についての詳細な説明を、図面ごとに繰り返すことはしない。本明細書において厚さ、幅、割合、範囲などに関連して使用する「約」または「実質的に」という用語は、正確にそうであるという意味ではなく、近い、または近似値であることを意味していることを理解されたい。例えば、本明細書で使用する「約」または「実質的に」という用語は、記載する量の1%未満など、わずかな誤差幅が存在することを意味している。
【0015】
図1および図2は、本発明の実施形態による、半導体デバイスのBEOL構造内に一体形成された空隙スペーサを備える半導体デバイス100を示す概略図である。図1は、図2の線1A-1Aに沿って取った半導体デバイス100の概略横断面図であり、図2は、図1に示す線1B-1Bを含む平面に沿った半導体デバイス100の概略平面図である。さらに詳細には、図1は、X-Z平面内の半導体デバイス100の概略横断面図であり、図2は、図1および図2に示すXYZデカルト座標で示される、X-Y平面内の様々な要素のレイアウトを示す平面図である。本明細書で使用する「垂直」または「垂直方向」という用語は、図面に示すデカルト座標のZ方向を示し、本明細書で使用する「水平」または「水平方向」という用語は、図面に示すデカルト座標のX方向またはY方向あるいはその両方を示していることを理解されたい。
【0016】
特に、図1は、基板110と、FEOL/MOL構造120と、BEOL構造130とを備える半導体デバイス100を概略的に示している。1つの実施形態では、基板110は、例えばシリコン、あるいはゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム合金、炭化ケイ素、シリコン・ゲルマニウム・カーバイド合金、または化合物半導体材料(例えばIII-VおよびII-VI)など、バルク半導体作製プロセスで一般的に使用されるその他の種類の半導体基板材料で構成されたバルク半導体基板を含む。化合物半導体材料の非限定的な例としては、ヒ化ガリウム、ヒ化インジウム、およびリン化インジウムが挙げられる。基板110の厚さは、応用分野によって様々である。別の実施形態では、基板110は、ベース半導体基板(例えばシリコン基板)と能動回路構成要素(例えば電界効果トランジスタ)がFEOL層の一部として形成される活性半導体層(例えば活性シリコン層)との間に配置された絶縁層(例えば酸化物層)を備える、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板である。
【0017】
特に、FEOL/MOL構造120は、基板110上に形成されたFEOL層を備える。FEOL層は、半導体基板110の活性表面の中または上に形成されて対象の応用分野用の集積回路を形成する、様々な半導体デバイスおよび構成要素を備える。例えば、FEOL層は、半導体基板110の活性表面の中または上に形成された、FETデバイス(FinFETデバイス、平面型MOSFETデバイスなど)、バイポーラ・トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、インダクタ、抵抗器、分離デバイスなどを備える。一般的に、FEOLプロセスは、通常は、基板110(またはウェハ)を準備すること、分離構造(例えばシャロー・トレンチ分離)を形成すること、デバイス・ウェルを形成すること、ゲート構造部をパターン形成すること、スペーサを形成すること、ソース/ドレイン領域を(例えば注入によって)形成すること、ソース/ドレイン領域上にケイ化物接点を形成すること、ストレス・ライナを形成することなどを含む。
【0018】
FEOL/MOL構造120は、FEOL層上に形成されたMOL層をさらに備える。一般的に、MOL層は、PMD(プレメタル誘電体)層と、PMD層内に形成された導電性接点(例えばバイア接点)とを備える。PMD層は、FEOL層の構成要素およびデバイスの上に形成される。PMD層に開口のパターンを形成し、これらの開口を、タングステンなどの導電性材料で充填して、FEOL層の集積回路のデバイス端子(例えばソース/ドレイン領域、ゲート接点など)と電気的に接触する導電性バイア接点を形成する。MOL層の導電性バイア接点は、FEOL層の集積回路とBEOL構造130の第1のメタライゼーション・レベルの間の電気的接続をもたらす。
【0019】
BEOL構造130は、FEOL/MOL構造120上に形成されて、FEOL層の様々な集積回路構成要素を接続する。当技術分野で既知の通り、BEOL構造は、複数のレベルの誘電体材料と、その誘電体材料に埋め込まれた複数のレベルのメタライゼーションとを備える。BEOLのメタライゼーションは、水平方向の配線、相互接続、パッドなど、ならびにBEOL構造の異なる相互接続レベル間の接続を形成する導電性バイアの形態をした垂直方向配線を含む。BEOL作製プロセスは、FEOLデバイス間の電気的接続のネットワークを形成し、外部構成要素とのI/O接続を提供するための、誘電体材料および金属材料の複数の層の連続的な堆積およびパターン形成を伴う。
【0020】
図1の例示的な実施形態では、BEOL構造130は、第1の相互接続レベル140と、第2の相互接続レベル150とを含む。第1の相互接続レベル140は、概略的に図示してあるが、1つまたは複数の低kレベル間誘電体(ILD)層と、金属バイアおよび配線レベル(例えば銅ダマシン構造)とを含む可能性がある。キャッピング層148は、第1の相互接続レベル140と第2の相互接続レベル150の間に形成される。キャッピング層148は、第1の相互接続レベル140のメタライゼーションをILD層151の誘電体材料から絶縁する働きをする。例えば、キャッピング層148は、相互接続の信頼性を向上させ、銅メタライゼーションが第2の相互接続レベル150のILD層151から拡散するのを防止する働きをする。キャッピング層148は、これらに限定されるわけではないが、窒化ケイ素(SiN)、炭化ケイ素(SiC)、炭窒化ケイ素(SiCN)、水素化炭化ケイ素(SiCH)、同種または異種の誘電体材料を含む多層スタックなどを含む、任意の適当な絶縁または誘電体材料を含み得る。キャッピング層148は、例えば化学蒸着など、標準的な堆積技術を使用して堆積させることができる。キャッピング層148は、約2nmから約60nmの範囲の厚さで形成することができる。
【0021】
第2の相互接続レベル150は、ILD層151と、ILD層151内に形成された金属配線層152とを備える。ILD層151は、これらに限定されるわけではないが、酸化ケイ素(例えばSiO2)、SiN(例えば(Si3N4))、水素化炭酸化ケイ素(SiCOH)、シリコン系低k誘電体、多孔性誘電体、またはその他の既知のULK(超低k)誘電体材料などを含む、任意の適当な誘電体材料を使用して形成することができる。ILD層151は、例えばALD(原子層堆積)、CVD(化学蒸着)、PECVD(プラズマ化学蒸着)、またはPVD(物理蒸着)など、既知の堆積技術を使用して堆積させることができる。ILD層151の厚さは、応用分野によって様々であり、例えば約30nmから約200nmの範囲の厚さを有することができる。
【0022】
金属配線層152は、複数の近接した金属線152-1、152-2、152-3、152-4、152-5、および152-6を含み、これらの金属線は、ILD層151内にパターン形成されたトレンチ/開口を金属材料で充填することによって形成されている。トレンチ/開口は、金属材料(例えばCu)がILD層151に移動するのを防止する拡散障壁層(barrier diffusion layer)、ならびにILD層151のトレンチ/開口を充填して金属線152-1、…152-6を形成するために使用されている金属材料(例えばCu)への良好な接着をもたらす接着層として働く、コンフォーマル・ライナ層153で裏当てされている。
【0023】
図1にさらに示すように、第2の相互接続レベル150は、金属線152-1、152-2、152-3、152-4、152-5、および152-6の上面上に選択的に形成された保護キャップ154と、金属配線層152をコンフォーマルに被覆するコンフォーマル絶縁ライナ155と、金属線152-1、152-2、152-3、152-4、152-5、152-6の間に空隙スペーサ158を形成するようにピンチ・オフ堆積技術を使用して堆積させた誘電体キャッピング層156とをさらに備える。保護キャップ154およびコンフォーマル絶縁ライナ155は、後続の処理ステップおよび環境条件によって生じる可能性がある潜在的な構造的損傷または汚染から金属配線152を保護する働きをする。保護キャップ154およびコンフォーマル絶縁ライナ155を形成する例示的な材料および方法については、図9から図11を参照して以下でさらに詳細に述べる。
【0024】
空隙スペーサ158は、金属配線層152の隣接する金属線の間の寄生容量性結合を減少させる手段として、金属配線層152の金属線152-1、152-2、152-3、152-4、152-5、152-6の間の空間内に形成される。以下でさらに詳細に説明するように、ILD層151の誘電体材料の一部分をエッチングによって除去して配線層152の金属線152-1、152-2、152-3、152-4、152-5、152-6の間に空間を形成する誘電体空隙一体化プロセスを、BEOL作製プロセスの一部として実行する。配線層152の金属線の間の空間の上側部分の上方に「ピンチ・オフ」領域156-1を形成する誘電体材料を堆積させる非コンフォーマル堆積プロセス(例えば化学蒸着)を使用して誘電体キャッピング層156を形成し、それにより空隙スペーサ158を形成する。図1に示すように、本発明の1実施形態では、ピンチ・オフ領域156-1は、破線1B-1Bで示すように、金属配線層152の金属線152-1、…、152-6の上面の上方に形成される。これに関連して、金属線152-1、…、152-6の間に形成される空隙スペーサ158は、金属線152-1、…、152-6より上では誘電体キャッピング層156中に垂直に延びている。
【0025】
さらに、本発明の1実施形態では、図2に示すように、金属線152-1、…、152-6の間に形成される空隙スペーサ158は、隣接する金属線の端部を超えて水平方向に(例えばY方向に)延びている。特に、図2は、金属配線層152の例示的な櫛と櫛が噛み合う形状のレイアウト・パターンを示している。このレイアウト・パターンでは、金属線152-1、152-3、および152-5は、それぞれ一端が細長い金属線152-7に接続されており、金属線152-2、152-4、および152-6は、それぞれ一端が細長い金属線152-8に接続されている。図2に示すように、空隙スペーサ158は、金属線152-1、…、152-6の開放(非接続)端部を超えて水平方向に延びている。従来の空隙構造と比較すると、図1および図2に示す空隙スペーサ158の大きさおよび形状は、TDDB信頼性の向上、および金属線の間の容量性結合の低下をもたらす。その理由について、次に、図3および図4を参照してさらに詳細に述べる。
【0026】
図3および図4は、従来の方法を用いて形成される空隙構造と比較したときの、本発明の実施形態によるピンチ・オフ堆積を使用して形成される空隙構造を用いて実現されるTDDB信頼性の向上およびBEOL構造の金属線間の容量性結合の低下を概略的に説明する図である。特に、図3は、金属線152-1および152-2と、本発明の実施形態によるピンチ・オフ堆積プロセスを使用して誘電体キャッピング層156を形成することによってこれらの金属線の間に形成された空隙158とを含む、図1の金属配線層152の一部分を概略的に示している。図3に示すように、金属線152-1およびそれに関連するライナ153と、金属線152-2およびそれに関連するライナ153とは、幅Wを有するように形成され、距離Sだけ離間している。さらに、図4は、図3と同様に、同じ幅Wおよび間隔Sを有する同じ2本の金属線152-1と152-2の間に配置された空隙168を備えているが、空隙168が従来のピンチ・オフ堆積プロセスを使用して誘電体キャッピング層166を形成することによって形成されている半導体構造を概略的に示している。
【0027】
図3に示すように、「ピンチ・オフ」領域156-1は、誘電体キャッピング層156内に形成され、空隙158が、金属線152-1および152-2の上面より上方に延びるようになっている。これに対して、図4に示すように、従来のピンチ・オフ堆積プロセスでは、金属線152-1および152-2の上面より下方の誘電体キャッピング層166内にピンチ・オフ領域166-1が形成され、その結果得られる空隙168が金属線152-1および152-2より上方には延びないようになっている。さらに、比較のために図3および図4に示すように、従来のピンチ・オフ堆積プロセスを用いて図4に示すように金属線152-1と152-2の間の空間の側壁および底面に堆積させた誘電体材料の量は、本発明の実施形態によるピンチ・オフ堆積プロセスを用いて図3に示すように金属線152-1と1522の間の空間の側壁および底面に堆積させた誘電体材料の量よりかなり多い。その結果として、図3に示す得られる空隙158の体積V1は、図4に示す得られる空隙168の体積V2よりかなり大きい。
【0028】
図4に示す従来の構造と比較して、図3の構造には、関連する様々な利点がある。例えば、空隙158の体積V1が大きい(金属線の間の空間内に堆積する誘電体材料が少ない)ので、(図4の構造と比較して)金属線152-1と152-2の間の寄生容量が小さくなる。実際に、図3の金属線152-1と152-2の間の空間では誘電体材料が少なく、空気(k=1)の体積V1が大きいので、図3の金属線152-1と152-2の間の空間では、図4と比較して、有効誘電率が低下している。
【0029】
さらに、図3の構造は、図4の構造と比較して向上したTDDB信頼性を提供する。特に、図3に示すように、空隙158が金属線152-1および152-2より上方まで延びているので、金属線152-1の臨界界面と金属線152-2の臨界界面の間に長い拡散/導電経路P1がある(臨界界面とは、誘電体キャッピング層156と金属線152-1および152-2の上面の間の界面である)。これは、図4に示す構造における金属線152-1の臨界界面と金属線152-2の臨界界面の間の誘電体キャッピング層166内の短い拡散/導電経路P2とは対照的である。図3または図4の構造にTDDB故障機構が生じるとすれば、それは、誘電体材料の破壊と、電子トンネル電流による金属線152-1の上面と金属線152-2の上面の間の誘電体材料内の導電経路の形成とによって生じる。図3に示す構造の長い拡散経路P1は、優れた絶縁破壊強度を有する密な誘電体ライナ155の材料を任意選択で併せて使用すれば、図4に示す構造と比較して、図3の構造のTDDB信頼性の向上をもたらすことになる。
【0030】
さらに、図2に示すように空隙スペーサ158が金属線の端部を超えて水平方向に延びていることにより、図3を参照して述べたのと同じ理由で、TDDB信頼性がさらに向上し、容量性結合がさらに低下することになる。特に、図2に示すように、空隙158が例えば金属線152-1の端部を超えて延びていることにより、金属線152-1と隣接する金属線152-2の開放端部における臨界界面の間に長い拡散/導電経路が形成されることになる。図2の代替の実施形態では、細長い金属線152-8と、金属線152-1、152-3、および152-5の隣接する開放端部との間に空隙スペーサを形成し、細長い金属線152-7と、金属線152-2、152-4、および152-6の隣接する開放端部との間に空隙スペーサを形成し、それによりTDDB信頼性をさらに最適化し、噛み合う櫛形構造の間の容量性結合を低下させることもできる。
【0031】
図5は、本発明の別の実施形態による、半導体デバイスのBEOL構造内に一体形成された空隙スペーサを備える半導体デバイスを示す概略横断面図である。特に、図5は、図1図2に示す半導体デバイス100と同様の構造の半導体デバイス100’を概略的に示している。ただし、図5に示す空隙スペーサ158は、金属配線層152の金属線の底面を超えて延びていない。この構造では、ILD層151は、(図10に示すように金属線の底部より下まで凹んで、図1に示す長い空隙スペーサを形成しているのと比較して)金属線の底部の高さまで凹んでいる。本発明の他の実施形態では、図1および図5は第1および第2の相互接続レベル140および150を有するBEOL構造130を示しているが、BEOL構造130は、第2の相互接続レベル150の上に形成された1つまたは複数の追加の相互接続レベルを有することもできる。このような追加の相互接続レベルは、本明細書に記載する技術および材料を使用して、空隙スペーサを備えるように形成することができる。
【0032】
次に、様々な作製段階の半導体デバイス100を概略的に示す図6から図12を参照して、図1(および図5)の半導体デバイス100を作製する方法について、さらに詳細に述べる。例えば、図6は、本発明の実施形態による、ILD層151に開口151-1のパターン(例えばトレンチおよびバイア開口を含むダマシン開口)を形成する中間作製段階の半導体デバイス100を示す概略断面図である。特に、図6は、基板110の上にFEOL/MOL構造120、第1の相互接続レベル140、キャッピング層148、ILD層151を順に形成し、ILD層151をパターン形成してILD層151に開口151-1を形成した後の中間作製段階の図1の半導体デバイス100を概略的に示している。ILD層151を堆積させた後で、標準的なフォトリソグラフィおよびエッチング・プロセスを実行して、ILD層151の開口151-1をエッチングすることができ、その後、これらの開口151-1を金属材料で充填して、図1の金属配線層152を形成する。なお、ILD層151内に垂直バイアを示していないが、第2の相互接続レベル150内に垂直バイアが存在して、その下にある相互接続レベル140のメタライゼーションへの垂直方向接続を提供することに留意されたい。
【0033】
図6では、開口151-1は、幅Wを有し、距離Sだけ離間しているものとして示してある。本発明の1実施形態では、ピンチ・オフ堆積方法を使用して近接した金属線の間に空隙スペーサを形成する状況で、(金属線がその中に形成される)開口の幅Wは、約2nmから約25nmの範囲とすることができ、好ましい範囲は、約6nmから約10nmである。さらに、1実施形態では、金属線の間の間隔Sは、約2nmから約25nmの範囲とすることができ、好ましい範囲は、約6nmから約10nmである。
【0034】
例示的な作製プロセスの次のプロセス・モジュールは、図7および図8に概略的に示すプロセス・フローを用いて図1に示す金属配線層152を形成することを含む。特に、図7は、ライナ材料のコンフォーマル層153Aを堆積させ、そのライナ材料のコンフォーマル層153Aの上に金属材料の層152Aを堆積させてILD層151の開口151-1を充填した後の、図6の半導体デバイスを示す概略断面図である。さらに、図8は、半導体構造の表面をILD層151まで平坦化して、金属配線層152を形成した後の、図7の半導体デバイスを示す概略断面図である。金属配線層152は、既知の材料および既知の技術を使用して形成することができる。
【0035】
例えば、ライナ材料のコンフォーマル層153Aは、ILD層151の開口151-1の側壁および底面を薄いライナ層で裏当てするように堆積させることが好ましい。この薄いライナ層は、例えば窒化タンタル(TaN)、コバルト(Co)、ルテニウム(Ru)、マンガン(Mn)または窒化マンガン(MnN)、あるいは所与の応用分野に適したその他のライナ材料(またはTa/TaN、TiN、CoWP、NiMoP、NiMoBなどのライナ材料の組合せ)などの材料の1つまたは複数の薄層をコンフォーマルに堆積させることによって形成することができる。この薄いライナ層は、複数の目的に適う。例えば、この薄いライナ層は、金属材料(例えばCu)のILD層151中への移動/拡散を防止する拡散障壁層として機能する。さらに、この薄いライナ層は、ILD層151の開口151-1を充填するために使用される金属材料(例えばCu)の層152Aへの良好な接着をもたらす接着層として機能する。
【0036】
1実施形態では、金属材料の層152Aは、電気めっき、無電解めっき、CVD、PVD、またはこれらの方法の組合せなど既知の技術を使用して堆積させた、例えば銅(Cu)、アルミニウム(Al)、タングステン(W)、コバルト(Co)、またはルテニウム(Ru)などの金属材料を含む。ILD層151の開口151-1を導電性材料で充填する前に、ALD、CVD、またはPVDなど適当な堆積技術を使用して、任意選択で薄いシード層(例えばCuシード層)を(コンフォーマル・ライナ層153A上に)堆積させることもできる。シード層は、金属材料とその下にある材料との接着を向上させ、その後のめっきプロセス中に触媒材料として働く材料で構成することができる。例えば、薄いコンフォーマルなCuシード層を、PVDを用いて基板の表面上に堆積させ、その後にCuの電気めっきを行って、ILD層151に形成された開口151-1(例えばトレンチおよびバイア)を充填することによって、Cuメタライゼーション層152を形成することもできる。次いで、化学機械研磨プロセス(CMP)を行うことによって過剰なライナ、シード、およびメタライゼーションの材料を除去し、半導体構造の表面をILD層151まで平坦化して、図8に示す中間構造を得る。
【0037】
本発明の1実施形態では、CMPプロセスを行った後で、金属線152-1、…、152-6の露出した表面の上に保護層を形成して、後続の処理状態および環境によって損傷する可能性からこのメタライゼーションを保護することができる。例えば、図9は、本発明の実施形態による、保護キャップ154を金属線152-1、…、152-6上に形成した後の図8の半導体デバイスを示す概略断面図である。1実施形態では、銅のメタライゼーションのために、金属線152-1、…、152-6の露出した表面上にCoの薄いキャッピング層を選択的に堆積させる選択的Co堆積プロセスを用いて保護キャップ154を形成することができる。本発明の他の実施形態では、保護キャップ154は、タンタル(Ta)またはルテニウム(Ru)など、他の材料で構成することもできる。金属線152-1、…、152-6上の保護キャップ154は、任意選択の機構であり、望ましい場合に利用して、本明細書の以下で述べる技術を用いて空隙スペーサおよびその他の構造を形成するときにより過酷なエッチング条件などを見込むことができるようにすることができる。
【0038】
この作製プロセスの次のステップは、図10図11、および図12に概略的に示すプロセス・フローを用いて、第2の相互接続レベル150に間隙スペーサを形成することを含む。特に、図10は、本発明の実施形態による、ILD層151の露出部分をエッチングして金属線152-1、…、152-6の間に空間151-2を形成した後の図9の半導体デバイスを示す概略断面図である。1実施形態では、任意の適当なマスキング技術(例えばフォトレジスト・マスク)およびエッチング技術(例えばRIE(反応性イオン・エッチング))を使用して、図10に示すようにILD層151の一部を凹ませて、空間151-2を形成することができる。例えば、1実施形態では、フッ素系エッチング液を使用したドライ・エッチング技術を使用して、ILD層151の誘電体材料を除去して、空間151-2を形成することができる。1実施形態では、空間151-2は、図10に示すように、ILD層151の凹んだ表面が金属線152-1、…、152-6の底面より下方になるように形成される。別の実施形態では、エッチング・プロセスは、空間151-2が金属配線152の底面の高さまで凹むように(図5参照)行うことができる。大きく離間した金属線の間の線間容量は無視できるものと仮定できるので、金属線が比較的大きく離間している金属配線152の領域では、ILD層151を除去しない。
【0039】
このプロセスの次のステップは、図8の半導体構造の上に絶縁材料のコンフォーマル層を堆積させて、図11に示すようなコンフォーマル絶縁ライナ155を形成することを含む。コンフォーマル絶縁ライナ155は、任意選択の保護機構であり、ILD層151および金属配線層152の露出表面に追加の保護を提供するためにピンチ・オフ体積プロセスの前に形成することもできる。例えば、図11の例示的な実施形態では、コンフォーマル・ライナ層153が金属線152-1、…、152-6の側壁にある程度の保護を提供しているが、金属線が銅で構成され、ライナ層153がその後に形成される空隙スペーサ158から金属線への酸素の拡散を防止するのに不十分であるときには、コンフォーマル絶縁ライナ155が、金属線152-1、…、152-6の酸化に対する追加の保護を提供することができる。実際には、空隙スペーサ158は、ほぼ真空の環境を有するように後に形成されるが、空隙スペーサ158内には以前としてある程度の酸素が存在し、ライナ層153が空隙スペーサ158内の残留酸素がライナ層153を通って金属線に拡散することを許す場合には、銅製の金属線の酸化につながる可能性がある。
【0040】
さらに、コンフォーマル絶縁ライナ155は、少ない漏れ、高い絶縁破壊、疎水性などの望ましい電気的および機械的特徴を有し、後続の半導体加工ステップでの損傷が少なくて済む、1つまたは複数の頑健な超薄誘電体材料層を備えて形成することができる。例えば、コンフォーマル絶縁ライナ155は、SiN、SiCN、SiNO、SiCNO、SiBN、SiCBN、SiC、または上述の所望の電気的/機械的性質を有するその他の誘電体材料などの誘電体材料で構成することができる。1実施形態では、コンフォーマル絶縁ライナ155は、約0.5nmから約5nmの範囲の厚さで形成される。コンフォーマル絶縁ライナ155は、周期的堆積プロセスを用いて堆積させた、同じ、または異なる誘電体材料の複数のコンフォーマル層で構成することもできる。例えば、1実施形態では、コンフォーマル絶縁ライナ155は、全体で望ましい厚さを有するSiNライナ層を形成するように順次堆積させた、SiNの複数の薄いコンフォーマル層(例えば0.1nmから0.2nmの厚さのSiN層)で構成することもできる。
【0041】
図11に示すように、コンフォーマル絶縁ライナ155を形成した後、金属配線層152の金属線の間の空間151-2は、初期体積Viを有するものとして示してある。特に、コンフォーマル絶縁ライナ155を形成する1実施形態では、この体積Viは、コンフォーマル絶縁ライナ155の側壁および底面と、金属配線層152上のコンフォーマル絶縁ライナ155の上面を示す破線Lとによって画定される。本発明の別の実施形態では、コンフォーマル絶縁ライナ155を形成しないときには、初期体積Viは、ライナ層153の露出表面と、ILD層151の凹んだ表面と、金属配線層152の金属線の上面とによって画定されることになる。以下で述べるように、本発明の実施形態によるピンチ・オフ堆積プロセスを用いて空隙スペーサ158を形成した後で、初期体積Viのかなりの部分は、金属線の間の空間151-2内に留まる。
【0042】
この作製プロセスの次のステップは、ピンチ・オフ堆積プロセスを用いて図11の半導体構造の上に誘電体材料を堆積させて、金属配線層152の金属線の間の空間151-2内に空隙スペーサ158を形成することを含む。例えば、図12は、本発明の実施形態による、金属配線層152の金属線の間の空間151-2の上の堆積誘電体材料156A内にピンチ・オフ領域の形成を開始させる非コンフォーマル堆積プロセス(例えばPECVDまたはPVD)を用いて、誘電体材料の層156Aを堆積させるプロセスを概略的に示す図である。図1は、誘電体キャッピング層内にピンチ・オフ領域156-1を備え、金属配線層152の金属線の間の空間151-2内に形成された空隙スペーサ158を備えるように誘電体キャッピング層156を形成するピンチ・オフ堆積プロセスが完了したときの半導体デバイス100を示している。
【0043】
本発明の実施形態によれば、ピンチ・オフ体積によって形成される空隙スペーサの構造的特徴(例えば、大きさ、形状、体積など)は、例えば(i)誘電体キャッピング層156を形成するために使用される誘電体材料の種類、または(ii)ピンチ・オフ堆積を行うために使用される堆積プロセスおよび関連する堆積パラメータ(例えば、気体流量、RF電力、圧力、堆積速度など)、あるいはその両方に基づいて制御することができる。例えば、本発明の1実施形態では、キャッピング層158は、低k誘電体材料(例えば、kは約2.0から約5.0の範囲)のPECVD堆積によって形成される。このような低k誘電体材料としては、これらに限定されるわけではないが、SiCOH、多孔性p-SiCOH、SiCN、炭素リッチSiCNH、p-SiCNH、SiN、SiCなどが挙げられる。SiCOH誘電体材料は、誘電率k=2.7を有し、多孔性SiCOH材料は、約2.3から2.4の誘電率を有する。本発明の1つの例示的な実施形態では、ピンチ・オフ堆積プロセスは、気体をトリメチルシラン(200から500標準立方センチメートル毎分(sccm))およびアンモニア(300から800sccm)とし、RF電力を300から600ワットとし、圧力を2から6Torrとし、堆積速度を0.5から5nm/秒とするという堆積パラメータで、産業用平行平板型シングル・ウェハ300mmCVD装置を用いたプラズマCVD堆積プロセスによってSiCN誘電体膜を堆積させることによって実施される。
【0044】
さらに、PECVDで堆積させた誘電体材料のコンフォーマル性レベルを制御して、隣接する金属線の表面より上方、または隣接する金属線の表面より下方で誘電体キャッピング層の「ピンチ・オフ」を実現することができる。アスペクト比R(R=トレンチ深さ/トレンチ開口)が2のトレンチの上に堆積させた絶縁/誘電体膜の「コンフォーマル性レベル」という用語は、本明細書では、トレンチ位置の最上部における絶縁/誘電体膜の厚さに対するトレンチ位置の中央における側壁に堆積した絶縁/誘電体膜の厚さの比として定義される。例えば、12nmの開口および24nmの深さ(アスペクト比2)を有するトレンチ構造の上に堆積させた3nmの厚さを有する絶縁/誘電体膜のコンフォーマル性レベルが33%であれば、トレンチの中央部の側壁で約1nmの厚さを有し、トレンチの最上部で約3nmの厚さを有するものとする(コンフォーマル性レベル=1nm/3nm~33%)。
【0045】
例えば、コンフォーマル性レベルが約40%以下である場合には、図1に示す「ピンチ・オフ」領域156-1は、金属配線層152の金属線より上方の誘電体キャッピング層156内に形成される。これにより、金属配線層152の金属線より上方に延びる空隙スペーサ158が形成されることになる。一方、コンフォーマル性レベルが約40%超である場合には、「ピンチ・オフ」領域は、金属配線層152の金属線の上面より下方の誘電体キャッピング層内に形成されることになる。これにより、金属配線層152の金属線より上方には延びない空隙スペーサが形成されることになる。
【0046】
所与の応用分野、および空隙/空気スペーサ構造の寸法によっては、堆積プロセスのパラメータを調節することによって、PECVDで堆積させた誘電体材料のコンフォーマル性の目標レベルを達成することができる。例えば、SiN、SiCN、SiCOH、多孔性p-SiCOH、およびその他のULK誘電体材料などのPECVD誘電体材料では、RF電力を増大させること、圧力を増大させること、または堆積速度を増大させる(例えば前駆材料の流量を増大させる)こと、あるいはそれらの組合せによって、より低いコンフォーマル性レベルを得ることができる。コンフォーマル性レベルが低下すると、「ピンチ・オフ」領域は、空間151-2内の露出した側壁および底面の上の誘電体材料の体積を最小限に抑えて、金属線より上方に形成され、例えば図1および図5に示すように、金属配線層152の金属線より上方に延びる大きな大体積空隙スペーサ158が形成される。
【0047】
なお、本明細書に記載する「ピンチ・オフ」堆積方法を使用してULK材料(例えばSiCOH、多孔性p-SiCOH)を含む非コンフォーマル・キャッピング層(コンフォーマル性40%未満)を形成して、近接した金属線の間に大きな大体積の空隙スペーサを得、それらの空隙スペーサが図1および図5に示すように金属線より上方に延びている、図1および図5に示すような実験的BEOL試験構造は、既に作製されていることに留意されたい。さらに、実験結果から、このような非コンフォーマルキャッピング層をピンチ・オフ堆積させると、金属線の間の空気空間の側壁および底面上に非常にわずかしか誘電体材料が堆積しないことが分かっている。特に、金属線の間の空間151-2が(図9に示すように)キャッピング層を形成する前に初期体積Viを有していると仮定して、本明細書に記載する非コンフォーマル・ピンチ・オフ堆積プロセスを用いて空隙スペーサを形成した後で約nVi(nは、約0.70から約1.0の範囲)の体積が得られている実験的BEOL試験構造が作製されている。
【0048】
空気の誘電率は、約1であり、これは、コンフォーマル絶縁ライナ155および誘電体キャッピング層156を形成するために使用される誘電体材料の誘電率よりはるかに小さい。これに関連して、本明細書に記載する技術を用いて金属配線層152の隣接する金属線の間の空間151-2内に堆積する誘電体材料の量を厳密に制御し、最小限に抑えることができるので、金属配線層152の隣接する金属線の間の有効誘電率(およびそれにより寄生容量)を低下させることによって、BEOL構造の電気的性能を最適化することが可能になる。さらに、ULK誘電体材料を用いてピンチ・オフ堆積を行って、低k誘電体キャッピング層156および大きな大体積空隙スペーサ158を形成することができることにより、BEOL構造の有効誘電率が全体として低下する(また、それにより寄生容量が低下する)。
【0049】
上述の本発明の例示的な実施形態では、BEOL構造の一部としての空隙スペーサの形成を説明したが、同様の技術を適用して、FEOL/MOL構造の一部として空隙スペーサを形成して、隣接するFEOL/MOL構造の間の寄生結合を低減することができる。例えば、図13から図21を参照して以下でさらに詳細に説明する技術を使用して、FEOL/MOL構造のMOLデバイス接点と垂直トランジスタ・デバイスの金属ゲート構造部との間に空隙スペーサを形成することもできる。
【0050】
図13は、本発明の別の実施形態による、半導体デバイスのFEOL/MOL構造内に一体形成された空隙スペーサを備える半導体デバイスを示す概略横断面図である。特に、図13は、バルク基板層210および絶縁層215(例えばSOI基板の埋込酸化物層)を含む基板210/215と、基板210/215上に形成された複数の垂直トランジスタ構造M1、M2、M3(図14参照)とを備える半導体デバイス200を概略的に示している。垂直トランジスタ構造M1、M2、M3は、半導体フィン220(基板に沿ってX方向に延びている)と、エピタキシャル成長ソース(S)/ドレイン(D)領域225と、それぞれの金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3とを備える、標準的な構造フレームワークを有する。半導体フィン220は、それぞれ金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3によって取り囲まれた半導体フィン220の領域において、垂直トランジスタ構造M1、M2、M3のための垂直チャネルとして働く。半導体フィン220は、絶縁層215の上に形成された活性シリコン層(例えばSOI基板のSOI層)をエッチング/パターン形成することによって形成することができる。半導体フィン220は、図13には詳細に示していないが、半導体フィン220の上面は、図13にも破線で示してある(すなわち、半導体フィン220のチャネル部分は、ゲート構造部230-1、230-2、230-3によって被覆されており、半導体フィン220のゲート構造部から延びている部分は、半導体フィン220の露出表面上で成長したエピタキシャル材料でカプセル化されている)。
【0051】
1実施形態では、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3は、それぞれ、半導体フィン220の垂直側壁および上面に形成されたコンフォーマルな高k金属ゲート・スタック構造と、この高k金属ゲート・スタック構造の上に形成されたゲート電極を備える。それぞれのコンフォーマルな高k金属ゲート・スタック構造は、半導体フィン220の側壁および上面に形成されたゲート誘電体材料(例えばHfO2、Al23などの高k誘電体材料)のコンフォーマル層と、このゲート誘電体材料のコンフォーマル層上に形成された金属仕事関数金属材料(例えばZr、W、Ta、Hf、Ti、Al、Ru、Pa、TaN、TiNなど)のコンフォーマル層とを備える。高k金属ゲート・スタック構造上に形成されるゲート電極材料は、これらに限定されるわけではないが、タングステン、アルミニウム、あるいはゲート電極構造を形成するために一般的に使用される任意の金属または導電性材料を含む、低抵抗導電性材料を含む。
【0052】
エピタキシャル・ソース(S)/ドレイン(D)領域225は、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3から延びる半導体フィン構造220の露出部分でエピタキシャル成長したエピタキシャル半導体材料(例えばSiGe、III-V化合物半導体材料など)を含む。半導体デバイス200のMOL層の一部として複数のMOLデバイス接点240/245を形成して、ソース/ドレイン領域225への垂直方向接点を形成する。各MOLデバイス接点240/245は、ライナ/バリヤ層240と、導電性バイア245とを含む。
【0053】
図13にさらに示すように、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3は、絶縁材料層234、250、260、および空隙スペーサ262によって、MOL接点240/245およびその他の周囲の構造から電気的に絶縁されている。これらの絶縁材料層は、下側側壁スペーサ234、コンフォーマル絶縁ライナ250、および誘電体キャッピング層260を含む。下側側壁スペーサ234は、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3を、隣接するソース/ドレイン領域223から電気的に絶縁する。コンフォーマル絶縁ライナ250(図1のBEOL構造のコンフォーマル絶縁ライナ155と同様の組成および機能を有する)は、MOLデバイス接点240/245および金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の側壁表面をコンフォーマルに被覆する。コンフォーマル絶縁ライナ250は、任意選択の機構であり、後続の加工ステップおよび環境条件によって生じる可能性がある潜在的な構造的損傷または汚染からMOLデバイス接点240/245および金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3を保護するために形成することができる。
【0054】
本発明の実施形態によれば、誘電体キャッピング層260は、ピンチ・オフ堆積プロセスを使用して低k誘電体材料を堆積させて、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の上側領域を低k誘電体材料でカプセル化し、金属ゲート構造部とMOLデバイス接点の間に空隙スペーサ262を形成することによって形成される。空隙スペーサ262を作製するプロセス・フローについて、以下でさらに詳細に述べる。図13に示すように、空隙スペーサ262は、比較的大きく大体積であり、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3より上方に垂直方向に延びている。図3に示すBEOLの空隙スペーサ158に関連して上述したのと同様の理由で、図13に示すこのFEOL/MOLの空隙スペーサ262の大きさおよび形状は、TDDB信頼性の向上と、MOLデバイス接点と金属ゲート構造部の間の容量性結合の低下をもたらす。
【0055】
例えば、大きな大体積の空隙スペーサ262は、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3とMOLデバイス接点240/245の間の空間の有効誘電率を低下させる。さらに、空隙スペーサ262は、図13に示すように金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3より上方に延びるので、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3(臨界界面は、誘電体キャッピング層260と金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の上面の間の界面)の臨界界面と隣接するMOLデバイス接点240/245との間に比較的長い拡散/導電経路Pがある。したがって、図13の空隙スペーサ262は、FEOL/MOL半導体構造のTDDB信頼性を高める働きをする。
【0056】
図13は、FEOL/MOL層の上に形成されたBEOL構造の第1の相互接続レベルをさらに示し、この第1の相互接続レベルは、ILD層270と、それぞれのMOLデバイス接点240/245と電気的に接触しているILD層270内に形成された複数の金属線272/274とを備える。金属線272/274は、既知の技術を使用して、ILD層270に開口(例えばトレンチまたはバイア)をエッチングし、これらの開口をバリヤ・ライナ層272で裏当てし、これらの開口を銅などの金属材料274で充填することによって形成される。
【0057】
次に、様々な作製段階の半導体デバイス200を概略的に示す図14から図21を参照して、図13の半導体デバイス200を作製するプロセス・フローについてさらに詳細に説明する。最初に、図14は、垂直トランジスタ構造M1、M2、およびM3が半導体基板210/215上に形成されている、中間作製段階の半導体デバイス200を示す概略断面図である。1実施形態では、基板210/215は、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)基板を含み、ベース基板210は、シリコン、あるいはゲルマニウム、シリコン・ゲルマニウム合金、炭化ケイ素、シリコン・ゲルマニウム・カーバイド合金、または化合物半導体材料(例えばIII-VおよびII-VI)などバルク半導体作製プロセスで一般的に使用されるその他の種類の半導体基板材料で構成される。化合物半導体材料の非限定的な例としては、ヒ化ガリウム、ヒ化インジウム、およびリン化インジウムが挙げられる。絶縁層215(例えば酸化物層)を、ベース半導体基板210と活性半導体層(例えば活性シリコン層)の間に堆積させ、活性半導体層を、既知の方法を用いてパターン形成して、半導体フィン構造220を作製する。さらに、エピタキシャル・ソース/ドレイン領域225を、既知の方法を用いて半導体フィン構造220の露出部分の上にエピタキシャル成長させることができる。
【0058】
図14にさらに示すように、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3は、絶縁キャッピング層232および側壁スペーサ234を含む絶縁/誘電体材料構造にカプセル化される。キャッピング層232および側壁スペーサ234は、既知の技術および絶縁材料(例えばSiN)を用いて作製される。金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3は、例えば、ダミー・ゲート構造部を最初に形成し、次いでエピタキシャル・ソース/ドレイン領域225を形成した後、MOLデバイス接点を形成する前に、このダミー・ゲート構造部を金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3で置換する、RMG(置換金属ゲート)プロセスによって形成することができる。図14の実施形態では、RMGプロセスが既に完了して、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3が形成されており、PMD(プレメタル誘電体)層236を既に堆積させて平坦化して、図14に示す構造が得られているものと仮定している。
【0059】
PMD層236は、半導体デバイスの表面上に誘電体材料の層を堆積させ、次いでこの誘電体材料をキャッピング層232の上面まで平坦化することによって形成される。PMD層236は、例えば酸化ケイ素、窒化ケイ素、水素化炭酸化ケイ素、シリコン系低k誘電体、多孔性誘電体、または多孔性有機誘電体などの有機誘電体など、任意の適当な絶縁/誘電体材料で構成することができる。PMD層236は、例えばALD、CVD、PECVD、スピン・オン堆積、またはPVDなどの既知の堆積技術を用い、その後に標準的な平坦化プロセス(例えばCMP)を行うことによって形成することができる。
【0060】
次のプロセス・モジュールは、図15図16、および図17に概略的に示すプロセス・フローを用いてMOLデバイス接点を形成することを含む。特に、図15は、PMD層236をパターン形成して、垂直トランジスタ構造M1、M2、M3のゲート構造部230-1、230-2、230-3の間に、ソース/ドレイン領域225まで接点開口236-1を形成した後の図14の半導体デバイスを示す概略横断面図である。接点開口236-1は、キャッピング層232および側壁スペーサ234の絶縁材料に対して選択可能なPMD層236の材料をエッチングするための既知のエッチング技術およびエッチング化学作用を用いて形成することができる。
【0061】
次に、図16は、半導体デバイスの表面上にコンフォーマル・ライナ層240Aを堆積させた後の図15の半導体デバイスを示す概略横断面図である。コンフォーマル・ライナ層240Aは、開口236-1を充填してMOLデバイス接点を形成するために使用される金属材料の拡散障壁層または接着層あるいはその両方として働くTaNなどの材料を含む可能性がある。次に、図17は、金属材料層を堆積させて、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の間の接点開口236-1を導電性材料245で充填し、半導体デバイスの表面をゲート・キャッピング層232まで平坦化して過剰なライナおよび導電性材料を除去することによってMOLデバイス接点240/245を形成した後の、図16の半導体デバイスを示す概略横断面図である。導電性材料245は、銅、タングステン、コバルト、アルミニウム、またはソース/ドレイン領域およびゲート電極との垂直MOLデバイス接点を形成する際に使用するのに適したその他の導電性材料を含む可能性がある。
【0062】
図17には詳細には示していないが、MOLゲート接点は、PMD層236およびキャッピング層232内に金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の上面まで形成される開口内に形成することができる。当業者に理解されるように、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3は、Y-Y方向に(図13に示すデカルト座標系に基づいて図面の紙面に出入りするように)延び、したがって、MOLゲート接点は、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の延長端部と位置合わせしてPMD層236内に形成することができることを理解されたい。
【0063】
MOLデバイス接点を形成した後、次のプロセス・モジュールは、図18から図21に概略的に示すプロセス・フローを用いて金属ゲート構造部とMOLデバイス接点の間に空隙スペーサを形成することを含む。このプロセスの最初のステップは、ゲート・キャッピング層232および側壁スペーサ234をエッチングすることを含む。特に、図18は、ゲート・キャッピング層232をエッチングによって除去し、側壁スペーサ234を半導体フィン構造220の上面まで凹ませることによって、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の側壁と隣接するMOLデバイス接点240/245の間に細い空間Sを形成した後の、図17の半導体デバイスを示す横断面図である。図18の例示的な実施形態では、ゲート・キャッピング層232がエッチングによって完全に除去されるものとして示しているが、代替の実施形態では、エッチング・プロセスは、エッチング後のゲート・キャッピング層232の薄い層が金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3の上面に残るように実施することもできる。
【0064】
次に、図19は、絶縁材料のコンフォーマル層250Aを堆積させて、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3およびMOLデバイス接点240/245の露出表面上に絶縁ライナを形成した後の、図18の半導体デバイスを示す概略横断面図である。コンフォーマル絶縁ライナ層250Aは、任意選択の保護機構であり、上述したのと同じ、または同様の理由で、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3およびMOLデバイス接点240/245の露出表面に追加の保護を提供するためにピンチ・オフ堆積プロセスの前に形成することができる。
【0065】
さらに、コンフォーマル絶縁ライナ層250Aは、少ない漏れ、高い絶縁破壊、疎水性などの望ましい電気的および機械的特徴を有し、後続の半導体加工ステップでの損傷が少なくて済む、1つまたは複数の頑健な超薄誘電体材料層で構成することができる。例えば、コンフォーマル絶縁ライナ層250Aは、SiN、SiCN、SiNO、SiCNO、SiC、または上述の所望の電気的/機械的性質を有するその他の誘電体材料などの誘電体材料で構成することができる。1実施形態では、間隔S(図18)が約4nmから約15nmの範囲であるときには、コンフォーマル絶縁ライナ層250Aを、約1.0nmから約2nmの範囲の厚さで形成することによって、隣接する構造の側壁のライナ層250Aにより間隔Sを約2nmから約4nmだけ減少させる。
【0066】
上述のBEOLの実施形態と同様に、コンフォーマル絶縁ライナ層250Aは、周期的堆積プロセスを用いて堆積させた、同じ、または異なる誘電体材料の複数のコンフォーマル層で構成することもできる。例えば、1実施形態では、コンフォーマル絶縁ライナ層250Aは、全体で望ましい厚さを有するSiNライナ層を形成するように順次堆積させた、SiNの複数の薄いコンフォーマル層で構成することもできる(例えば、シランおよびNH3によるプラズマCVDまたはCVDプロセスを使用して、0.1nmから0.2nmの厚さのSiN層を周期的に堆積させる)。
【0067】
この作製プロセスの次のステップは、ピンチ・オフ堆積プロセスを用いて図19の半導体構造の上に誘電体材料を堆積させて、金属ゲート構造部とMOLデバイス接点の間に空隙スペーサを形成することを含む。例えば、図20は、非コンフォーマル堆積プロセスを使用して誘電体材料の層260Aを堆積させて、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3と隣接するMOLデバイス接点240/245の間の細い空間内に空隙スペーサ262を形成するピンチ・オフ領域を生じさせた後の、図19の半導体デバイスを示す概略横断面図である。上述のように、本発明の実施形態によれば、ピンチ・オフ堆積によって形成された空隙スペーサ262の構造的特徴(例えば、大きさ、形状、体積など)は、例えば(i)誘電体層260Aを形成するために使用される誘電体材料の種類、または(ii)ピンチ・オフ堆積を行うために使用される堆積プロセスおよび関連する堆積パラメータ(例えば、気体流量、RF電力、圧力、堆積速度など)、あるいはその両方に基づいて制御することができる。
【0068】
例えば、本発明の1実施形態では、誘電体材料層260Aは、低k誘電体材料(例えば、kは約2.0から約5.0の範囲)のPECVD堆積によって形成される。このような低k誘電体材料としては、これらに限定されるわけではないが、SiCOH、多孔性p-SiCOH、SiCN、SiNO、炭素リッチSiCNH、p-SiCNH、SiN、SiCなどが挙げられる。SiCOH誘電体材料は、誘電率k=2.7を有し、多孔性SiCOH材料は、約2.3から2.4の誘電率を有する。本発明の1つの例示的な実施形態では、ピンチ・オフ堆積プロセスは、気体をシラン(100から500sccm)およびアンモニア(200から1000sccm)とし、RF電力を200から600ワットとし、圧力を1から8Torrとし、堆積速度を0.5から8nm/秒とするという堆積パラメータで、産業用平行平板型シングル・ウェハ300mmCVD装置を用いたプラズマCVD堆積プロセスによってSiN誘電体膜を堆積させることによって実施される。
【0069】
図21は、半導体デバイスの表面をMOLデバイス接点まで平坦化し、BEOL構造の第1の相互接続レベルの一部としてILD層270を堆積させた後の、図20の半導体デバイスを示す概略横断面図である。図20の半導体構造は、標準的なCMPプロセスを用いて平坦化することができる。ここで、このCMPプロセスは、過剰な誘電体材料260AおよびMOLデバイス接点の上に堆積した絶縁ライナ層250Aの一部を除去して、図21に示す構造が得られるように行われる。図21に示すように、ピンチ・オフ堆積させた誘電体材料260Aの残りの部分が、金属ゲート構造部230-1、230-2、230-3および分離した絶縁ライナ250の上の分離した誘電体キャッピング構造260を形成する。図13および図21には詳細には示していないが、ILD層270を形成する前に、平坦化したFEOL/MOL表面上に追加のキャッピング層を形成して、MOLデバイス接点の導電性材料245をILD層270の誘電体材料から絶縁することができる。
【0070】
実験的試験構造は、図13に概略的に示す半導体構造に基づいて、既に作製されている。この実験的試験構造では、コンフォーマル絶縁ライナ250は、1nm、1.5nm、2nm、および3nmの厚さを有する周期的なSiN膜で構成されており、ピンチ・オフ堆積は、k=2.7および2.4を有するPECVD SiCN膜およびPECVD ULK膜を用いて行われている。実験結果から、金属ゲート構造部より上方に延びる大きな大体積空隙スペーサ(図13に概略的に示す空隙スペーサ262)を得ることができることが分かっている。さらに、実験結果から、ピンチ・オフ堆積に使用する堆積プロセスのパラメータまたは材料を変化させることによって、空隙スペーサの大きさ、形状、体積などを、様々な応用分野に合わせて最適化することができることも分かっている。
【0071】
本明細書に記載するFEOL/MOLまたはBEOL層に空隙スペーサを作製する方法は、様々なアナログ回路およびデジタル回路または混合信号回路を備えた半導体デバイスおよび集積回路を作製する様々な半導体加工フローに組み込むことができることを理解されたい。特に、集積回路ダイを、電界効果トランジスタ、バイポーラ・トランジスタ、金属酸化物半導体トランジスタ、ダイオード、コンデンサ、インダクタなど様々なデバイスを備えるように作製することができる。本発明による集積回路は、アプリケーション、ハードウェア、または電子システム、あるいはそれらの組合せで利用することができる。本発明を実施するのに適したハードウェアおよびシステムとしては、これらに限定されるわけではないが、パーソナル・コンピュータ、通信ネットワーク、電子商取引システム、携帯型通信デバイス(例えば携帯電話)、ソリッド・ステート媒体記憶デバイス、機能性回路などが挙げられ得る。このような集積回路を内蔵したシステムおよびハードウェアは、本明細書に記載する実施形態に含まれるものと考えられる。本明細書に与えた本発明の教示があれば、当業者なら、本発明の技術のその他の実施態様および応用分野を企図することができるであろう。
【0072】
本明細書では、添付の図面を参照して例示的な実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に厳密に限定されるものではなく、当業者なら、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく、様々な変更および改変を加えることができることを理解されたい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【手続補正書】
【提出日】2022-08-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体集積回路デバイスであって、
基板と、
第1の相互接続レベルと、
前記第1の相互接続レベルより上方の第2の相互接続レベルと、
を備え、前記第2の相互接続レベルが、
前記基板と平行な第1の方向に延びる第1の金属線と、
前記第1の金属線に隣接しかつ平行であって前記第1の方向に延びる第2の金属線と、
前記第1および第2の金属線間で前記第1の方向に延びるとともに、前記第1および第2の金属線の上面を含む平面より上方において誘電体キャッピング材料内に形成されたピンチ・オフ領域に垂直に延びる空隙スペーサと、
前記第1の金属線上の第1の自己整合型導電性保護キャップと、
前記第2の金属線上の第2の自己整合型導電性保護キャップと、
前記第1および第2の自己整合型導電性保護キャップの導電性部分の上に直接配置され、かつ、前記空隙スペーサに隣接する前記第1および第2の金属線の対向する側面に配置されて、前記空隙スペーサの下方に連続するコンフォーマル絶縁ライナと、
を備え、
前記第1および第2の金属線間の横方向距離が6nmから10nmの範囲であり、
前記コンフォーマル絶縁ライナの厚さが0.5nmから5nm未満の範囲である、半導体集積回路デバイス。
【請求項2】
前記コンフォーマル絶縁ライナが、複数のコンフォーマル層を備える、請求項1に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項3】
前記複数のコンフォーマル層の各々が、0.1nm~0.2nmの間の範囲の厚さを有する、請求項2に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項4】
前記複数のコンフォーマル層がSiNを含む、請求項2に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項5】
前記コンフォーマル絶縁ライナがSiCNOを含む、請求項1に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項6】
前記コンフォーマル絶縁ライナがSiCBNを含む、請求項1に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項7】
前記第1のおよび第2の自己整合型保護キャップがCoからなる、請求項1に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項8】
前記空隙スペーサが、前記第1の金属線の端部を包み込む、請求項1に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項9】
前記空隙スペーサが、前記第1の金属線の端部および前記第2の金属線の端部を越えて延びる、請求項1に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項10】
前記誘電体キャッピング材料が、前記空隙スペーサの上方と、(i)前記第1および第2の金属線の対向する側面における前記コンフォーマル絶縁ライナの垂直部分、および(ii)前記空隙スペーサの下方における前記コンフォーマル絶縁ライナの水平部分、の両方とに配置され、
前記誘電体キャッピング材料が、40%以下のコンフォーマル性レベルで形成される、請求項1に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項11】
前記空隙スペーサが、前記第1の自己整合型保護キャップの上面および前記第2の自己整合型保護キャップの上面を含む平面より上方に垂直に延びる、請求項10に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項12】
前記空隙スペーサが、前記第1の金属線の底面を含む平面より下方および前記第2の金属線の底面より下方に垂直に延びる、請求項10に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項13】
前記誘電体キャッピング材料が超低k材料を含む、請求項10に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項14】
前記超低k材料が多孔性SiCOHを含む、請求項13に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項15】
半導体集積回路デバイスであって、
基板と、
第1の相互接続レベルと、
前記第1の相互接続レベルより上方の第2の相互接続レベルと、
を備え、前記第2の相互接続レベルが、
前記基板と平行な第1の方向に延びる第1の金属線と、
前記第1の金属線に隣接しかつ平行であって前記第1の方向に延びる第2の金属線と、
前記第1および第2の金属線間に配置されて前記第1の方向に延びる空隙スペーサと、
前記第1の金属線上の第1の自己整合型導電性保護キャップと、
前記第2の金属線上の第2の自己整合型導電性保護キャップと、
前記第1および第2の自己整合型導電性保護キャップの導電性部分の上に直接配置され、かつ、前記空隙スペーサに隣接する前記第1および第2の金属線の対向する側面に配置されて前記空隙スペーサの下方に連続するコンフォーマル絶縁ライナと、
前記空隙スペーサの上方と、(i)前記第1および第2の金属線の対向する側面における前記コンフォーマル絶縁ライナの垂直部分、および(ii)前記空隙スペーサの下方における前記コンフォーマル絶縁ライナの水平部分、の両方とに配置された誘電体キャッピング材料と、
を備え、
前記誘電体キャッピング材料が、40%以下のコンフォーマル性レベルで形成され、
前記空隙スペーサが、前記誘電体キャッピング材料内のピンチ・オフ領域に垂直に延び、
前記ピンチ・オフ領域が、前記第1の自己整合型保護キャップの上面および前記第2の金属線上の前記第2の自己整合型保護キャップの上面を含む平面より上方に形成される、半導体集積回路デバイス。
【請求項16】
前記第1および第2の金属線間の横方向距離が6nmから10nmの範囲であり、前記コンフォーマル絶縁ライナの厚さが0.5nmから5nm未満の範囲である、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項17】
前記コンフォーマル絶縁ライナが、複数のコンフォーマル層を備える、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項18】
前記複数のコンフォーマル層の各々が、0.1nm~0.2nmの範囲の厚さを有する、請求項17に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項19】
前記複数のコンフォーマル層の前記コンフォーマル層がSiNを含む、請求項17に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項20】
前記コンフォーマル絶縁ライナがSiCNOを含む、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項21】
前記コンフォーマル絶縁ライナがSiCBNを含む、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項22】
前記第1のおよび第2の自己整合型保護キャップがCoからなる、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項23】
前記空隙スペーサが、前記第1の金属線の端部を包み込む、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項24】
前記空隙スペーサが、前記第1の金属線の端部および前記第2の金属線の端部を越えて延びる、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項25】
前記空隙スペーサが、前記第1の金属線の底面および前記第2の金属線の底面を含む平面より下方に垂直に延びる、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項26】
前記誘電体キャッピング材料が超低k材料を含む、請求項15に記載の半導体集積回路デバイス。
【請求項27】
前記超低k材料が多孔性SiCOHを含む、請求項26に記載の半導体集積回路デバイス。
【外国語明細書】