(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140463
(43)【公開日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ウォーキング支援方法、ウォーキング支援システム、マンホール蓋、携帯端末、RFタグおよびサーバ
(51)【国際特許分類】
E02D 29/14 20060101AFI20220915BHJP
G01G 19/52 20060101ALI20220915BHJP
G16H 20/00 20180101ALI20220915BHJP
【FI】
E02D29/14 Z
G01G19/52 F
G16H20/00
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022110415
(22)【出願日】2022-07-08
(62)【分割の表示】P 2018015524の分割
【原出願日】2018-01-31
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(72)【発明者】
【氏名】高崎 絢斗
(72)【発明者】
【氏名】岩下 智
(72)【発明者】
【氏名】坂本 愛
(72)【発明者】
【氏名】飛田 智史
(72)【発明者】
【氏名】夜久 英信
(72)【発明者】
【氏名】木下 菜穂子
(57)【要約】
【課題】
ウォーキングを支援するウォーキング支援方法およびウォーキング支援システム、ならびに、ウォーキング支援に用いられるマンホール蓋、携帯端末およびサーバを提供する。
【解決手段】
固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と、固有の端末IDが設定された携帯端末と、サーバと、を用いたウォーキング支援方法であって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知すると、前記マンホールIDを前記携帯端末に送信し、前記携帯端末は、前記マンホール蓋から前記マンホールIDを受信し、前記マンホールIDおよび前記端末IDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記携帯端末から前記マンホールIDおよび前記端末IDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記端末IDが設定された携帯端末のユーザに付与する、ウォーキング支援方法が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部および重量センサを有するマンホール蓋と、
固有のタグIDが設定されたRFタグと、
サーバと、を用いたウォーキング支援方法であって、
前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを前記重量センサが検知すると、前記RFタグとの通信を確立し、
前記RFタグは、通信が確立されると、前記タグIDを前記マンホール蓋に送信し、
前記マンホール蓋は、前記タグIDを受信し、前記タグIDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記マンホール蓋から前記タグIDおよび前記体重情報を受信するとともに、発光パターン情報を生成し、
前記マンホール蓋の前記表示部は、前記発光パターン情報に基づく発光パターンで発光する、ウォーキング支援方法。
【請求項2】
マンホール蓋と、
固有のタグIDが設定されたRFタグと、
サーバと、を用いたウォーキング支援システムであって、
前記マンホール蓋は、
前記サーバが生成する発光パターン情報に基づく発光パターンで発光する表示部と、
前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、
前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記RFタグとの通信を確立する第1制御部と、を備え、
前記RFタグは、通信が確立されると、前記タグIDを前記マンホール蓋に送信する第4制御部を備え、
前記マンホール蓋の前記第1制御部は、前記タグIDを受信し、前記タグIDおよび前
記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記マンホール蓋から前記タグIDおよび前記体重情報を受信するとともに、前記発光パターン情報を生成する第3制御部を備える、ウォーキング支援システム。
【請求項3】
固有のタグIDが設定されたRFタグおよびサーバと通信可能なマンホール蓋であって、
前記サーバが生成する発光パターン情報に基づく発光パターンで発光する表示部と、
前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、
前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記RFタグとの通信を確立し、前記RFタグから前記タグIDを受信し、前記タグIDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信する第1制御部と、を備えるマンホール蓋。
【請求項4】
発光パターン情報に基づく発光パターンで発光する表示部を有するマンホール蓋と通信可能なサーバであって、
前記マンホール蓋は、重量センサを有し、固有のタグIDが設定されたRFタグを持ったユーザが前記マンホール蓋に乗ったことを前記重量センサが検知すると、前記RFタグとの通信を確立して前記タグIDを受信し、
前記RFタグを持ったユーザが乗った前記マンホール蓋から、前記タグIDおよび前記重量センサにより計測される前記ユーザの体重を示す体重情報を受信するとともに、前記発光パターン情報を生成する第3制御部を備えるサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンホール蓋を利用したウォーキング支援方法およびウォーキング支援システム、ならびに、ウォーキング支援に用いられるマンホール蓋、携帯端末、RFタグおよびサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
マンホール蓋は、地下に埋設された下水道などの管理のために地面に開けられたマンホールに嵌められるものであり、一義的には人がマンホールに落下するのを防ぐためのものであるが、近年ではマンホール蓋を利用した様々な技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、マンホール鉄蓋を踏むことでアンケートの質問に回答する回答収集システムが開示されている。この回答収集システムによれば、アンケートへの回答が容易になるため、アンケートに対する回答を効率的に収集できるとされている。
特許文献2には、企業や施設、イベント会場、キャラクターなど対象宣伝物の説明・広告表示、対象宣伝物への誘導表示を備えるマンホール蓋が開示されている。誘導表示として避難施設への誘導とすることもでき、災害時の対策として活用できるとされている。
特許文献3には、マンホール蓋の内部に交通機関の交通量や通過速度などを測定する情報測定部を組み込んだ測定装置が開示されている。この測定装置は、道路に簡単・迅速に設置でき、かつ、容易に交換・撤去可能であるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-206692号公報
【特許文献2】特開2017-53142号公報
【特許文献3】特開平5-128331号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ウォーキングは健康維持のために有効であるが、実際にはウォーキングを始めても継続しない人も少なくない。その理由の1つとして、ウォーキングの成果が見えづらく、モチベーションが生じにくいことが挙げられる。特許文献1~3に記載の技術は、いずれもウォーキングを考慮したものではなく、これらを組み合わせたとしてもウォーキングの支援にはならない。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、ウォーキングを行うモチベーションが生じるようウォーキングを支援するウォーキング支援方法およびウォーキング支援システム、ならびに、ウォーキング支援に用いられるマンホール蓋、携帯端末、RFタグおよびサーバを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と、固有の端末IDが設定された携帯端末と、サーバと、を用いたウォーキング支援方法であって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知すると、前記マンホールIDを前記携帯端末に送信し、前記携帯端末は、前記マンホール蓋から前記マンホールIDを受信し、前記マンホールIDおよび前記端末IDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記携帯端末から前記マンホールIDおよび前記端末IDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記端末IDが設定された携
帯端末のユーザに付与する、ウォーキング支援方法が提供される。
【0007】
前記サーバは、受信した前記マンホールIDに基づいて、ユーザが乗ったマンホール蓋の数、ユーザが乗ったマンホール蓋間の距離、ユーザが乗ったマンホール蓋間の平均歩幅、ユーザが乗ったマンホール蓋間の平均移動速度、および、1日あたりの総移動距離のうちの少なくとも1つに応じたポイントを前記端末IDが設定された携帯端末のユーザに付与してもよい。
【0008】
この場合、前記サーバは、ユーザが乗ったマンホール蓋間の平均移動速度が所定範囲内であれば健康ポイントを付与し、所定範囲外であれば健康ポイントを付与しないのが望ましい。
また、前記サーバは、ユーザが乗ったマンホール蓋間の平均移動速度が所定値に近いほど高い健康ポイントを付与するのが望ましい。
【0009】
前記マンホール蓋は、ユーザが1日のうちの初めに乗ったものである場合、前記ユーザの体重を示す体重情報を前記携帯端末に送信してもよい。
【0010】
前記携帯端末は、ユーザが乗ったマンホール蓋の数、ユーザが乗ったマンホール蓋間の距離、ユーザが乗ったマンホール蓋間の平均移動速度、ユーザに付与されたポイント、および、ユーザの体重のうちの少なくとも1つの変化を表示してもよい。
前記携帯端末は、付与されたポイントと交換可能なクーポンの情報を表示してもよい。
【0011】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と、固有の端末IDが設定された携帯端末と、サーバと、を備えるウォーキング支援システムであって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記マンホールIDを前記携帯端末に送信する第1制御部と、を備え、前記携帯端末は、前記マンホール蓋から前記マンホールIDを受信し、前記マンホールIDおよび前記端末IDを前記サーバに送信する第2制御部を備え、前記サーバは、前記携帯端末から前記マンホールIDおよび前記端末IDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記端末IDが設定された携帯端末のユーザに付与する第3制御部を備える、ウォーキング支援システムが提供される。
【0012】
本発明の別の態様によれば、携帯端末と通信可能であり、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋であって、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記マンホールIDを前記携帯端末に送信する第1制御部と、を備えるマンホール蓋が提供される。
【0013】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋およびサーバと通信可能であり、固有の端末IDが設定された携帯端末であって、前記携帯端末のユーザが前記マンホール蓋に乗ると、前記マンホール蓋から前記マンホールIDを受信し、前記マンホールIDおよび前記端末IDを前記サーバに送信する第2制御部を備える携帯端末が提供される。
【0014】
本発明の別の態様によれば、固有の端末IDが設定された携帯端末と通信可能なサーバであって、前記携帯端末から、前記携帯端末のユーザが乗ったマンホール蓋に固有のマンホールIDと、前記端末IDと、を受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記端末IDが設定された携帯端末のユーザに付与する第3制御部を備えるサーバが提供される。
【0015】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と、携帯端末と、を用いたウォーキング支援方法であって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知すると、前記ユーザの体重を示す体重情報を前記携帯端末に送信し、前記携帯端末は、前記マンホール蓋から前記体重情報を受信する、ウォーキング支援方法が提供される。
【0016】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と、携帯端末と、を用いたウォーキング支援システムであって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記ユーザの体重を示す体重情報を前記携帯端末に送信する第1制御部と、を備え、前記携帯端末は、前記マンホール蓋から前記体重情報を受信する第2制御部を備えるウォーキング支援システムが提供される。
【0017】
本発明の別の態様によれば、携帯端末と通信可能であるマンホール蓋であって、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記ユーザの体重を示す体重情報を前記携帯端末に送信する第1制御部と、を備えるマンホール蓋が提供される。
【0018】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と、固有の端末IDが設定された携帯端末と、サーバと、を用いたウォーキング支援方法であって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知すると、前記携帯端末との通信を確立し、前記携帯端末は、通信が確立されると、前記端末IDを前記マンホール蓋に送信し、前記マンホール蓋は、前記端末IDを受信し、前記マンホールIDおよび前記端末IDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記マンホール蓋から前記マンホールIDおよび前記端末IDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記端末IDが設定された携帯端末のユーザに付与する、ウォーキング支援方法が提供される。
【0019】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と、固有の端末IDが設定された携帯端末と、サーバと、を備えるウォーキング支援システムであって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記携帯端末との通信を確立する第1制御部と、を備え、前記携帯端末は、通信が確立されると、前記端末IDを前記マンホール蓋に送信する第2制御部を備え、前記マンホール蓋の前記第1制御部は、前記端末IDを受信し、前記マンホールIDおよび前記端末IDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記マンホール蓋から前記マンホールIDおよび前記端末IDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記端末IDが設定された携帯端末のユーザに付与する第3制御部を備える、ウォーキング支援システムが提供される。
【0020】
本発明の別の態様によれば、固有の端末IDが設定された携帯端末およびサーバと通信可能であり、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋であって、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記携帯端末との通信を確立し、前記携帯端末から前記端末IDを受信し、前記マンホールIDおよび前記端末IDを前記サーバに送信する第1制御部と、を備えるマンホール蓋が提供される。
【0021】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と通信可能であり、固有の端末IDが設定された携帯端末であって、当該携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知した前記マンホール蓋との通信が確立されると、前記端末IDを前記マンホール蓋に送信する第2制御部を備える携帯端末が提供される。
【0022】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と通信可能なサーバであって、固有の端末IDが設定された携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知した前記マンホール蓋から、前記マンホールIDおよび前記端末IDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記端末IDが設定された携帯端末のユーザに付与する第3制御部を備えるサーバが提供される。
【0023】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と、固有の端末IDが設定された携帯端末と、サーバと、を用いたウォーキング支援方法であって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知すると、前記携帯端末との通信を確立し、前記携帯端末は、通信が確立されると、前記端末IDを前記マンホール蓋に送信し、前記マンホール蓋は、前記端末IDを受信し、前記端末IDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記マンホール蓋から前記端末IDおよび前記体重情報を受信し、受信した前記端末IDが設定された携帯端末に前記体重情報を送信する、ウォーキング支援方法が提供される。
【0024】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と、固有の端末IDが設定された携帯端末と、サーバと、を用いたウォーキング支援システムであって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記携帯端末との通信を確立する第1制御部と、を備え、前記携帯端末は、通信が確立されると、前記端末IDを前記マンホール蓋に送信する第2制御部を備え、前記マンホール蓋の前記第1制御部は、前記端末IDを受信し、前記端末IDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記マンホール蓋から前記端末IDおよび前記体重情報を受信し、受信した前記端末IDが設定された携帯端末に前記体重情報を送信する第3制御部を備える、ウォーキング支援システムが提供される。
【0025】
本発明の別の態様によれば、固有の端末IDが設定された携帯端末およびサーバと通信可能なマンホール蓋であって、前記マンホール蓋に前記携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記携帯端末との通信を確立し、前記携帯端末から前記端末IDを受信し、前記端末IDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信する第1制御部と、を備える、マンホール蓋が提供される。
【0026】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋およびサーバと通信可能であり、固有の端末IDが設定された携帯端末であって、当該携帯端末を持ったユーザが乗ったことを検知した前記マンホール蓋との通信が確立されると、前記端末IDを前記マンホール蓋に送信し、前記マンホール蓋によって取得された前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバを介して受信する第2制御部を備える携帯端末が提供される。
【0027】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋および固有の端末IDが設定された携帯端末と通信可能なサーバであって、前記携帯端末を持ったユーザが乗った前記マンホール蓋から、前記端末IDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を受信し、受信した前記端末IDが設定された携帯端末に前記体重情報を送信する第3制御部を備える、サーバが提供される。
【0028】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と、固有のタグIDが設定されたRFタグと、サーバと、を用いたウォーキング支援方法であって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知すると、前記RFタグとの通信を確立し、前記RFタグは、通信が確立されると、前
記タグIDを前記マンホール蓋に送信し、前記マンホール蓋は、前記タグIDを受信し、前記マンホールIDおよび前記タグIDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記マンホール蓋から前記マンホールIDおよび前記タグIDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記タグIDが設定されたRFタグのユーザに付与する、ウォーキング支援方法が提供される。
【0029】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と、固有のタグIDが設定されたRFタグと、サーバと、を備えるウォーキング支援システムであって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記RFタグとの通信を確立する第1制御部と、を備え、前記RFタグは、通信が確立されると、前記タグIDを前記マンホール蓋に送信する第4制御部を備え、前記マンホール蓋の前記第1制御部は、前記タグIDを受信し、前記マンホールIDおよび前記タグIDを前記サーバに送信し、前記サーバは、前記マンホール蓋から前記マンホールIDおよび前記タグIDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記タグIDが設定されたRFタグのユーザに付与する第3制御部を備える、ウォーキング支援システムが提供される。
【0030】
本発明の別の態様によれば、固有のタグIDが設定されたRFタグおよびサーバと通信可能であり、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋であって、前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記RFタグとの通信を確立し、前記RFタグから前記タグIDを受信し、前記マンホールIDおよび前記タグIDを前記サーバに送信する第1制御部と、を備えるマンホール蓋が提供される。
【0031】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と通信可能であり、固有のタグIDが設定されたRFタグであって、当該RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知した前記マンホール蓋との通信が確立されると、前記タグIDを前記マンホール蓋に送信する第4制御部を備えるRFタグが提供される。
【0032】
本発明の別の態様によれば、固有のマンホールIDが設定されたマンホール蓋と通信可能なサーバであって、固有のタグIDが設定されたRFタグを持ったユーザが乗ったことを検知した前記マンホール蓋から、前記マンホールIDおよび前記タグIDを受信し、受信した前記マンホールIDに基づくポイントを前記タグIDが設定されたRFタグのユーザに付与する第3制御部を備えるサーバが提供される。
【0033】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と、固有のタグIDが設定されたRFタグと、サーバと、を用いたウォーキング支援方法であって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知すると、前記RFタグとの通信を確立し、前記RFタグは、通信が確立されると、前記タグIDを前記マンホール蓋に送信し、前記マンホール蓋は、前記タグIDを受信し、前記タグIDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記マンホール蓋から前記タグIDおよび前記体重情報を受信する、ウォーキング支援方法が提供される。
【0034】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋と、固有のタグIDが設定されたRFタグと、サーバと、を用いたウォーキング支援システムであって、前記マンホール蓋は、前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記RFタグとの通信を確立する第1制御部と、を備え、前記RFタグは、通信が確立されると、前記タグIDを前記マンホール蓋に送信する第4制御部を備え、前記マンホール蓋の前記第1制御部は、前記タグIDを受信し、前記タグIDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信し、前記サーバは、
前記マンホール蓋から前記タグIDおよび前記体重情報を受信する第3制御部を備える、ウォーキング支援システムが提供される。
【0035】
本発明の別の態様によれば、固有のタグIDが設定されたRFタグおよびサーバと通信可能なマンホール蓋であって、前記マンホール蓋に前記RFタグを持ったユーザが乗ったことを検知する重量センサと、前記ユーザが乗ったことが検知されると、前記RFタグとの通信を確立し、前記RFタグから前記タグIDを受信し、前記タグIDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を前記サーバに送信する第1制御部と、を備えるマンホール蓋が提供される。
【0036】
本発明の別の態様によれば、マンホール蓋および固有のタグIDが設定されたRFタグと通信可能なサーバであって、前記RFタグを持ったユーザが乗った前記マンホール蓋から、前記タグIDおよび前記ユーザの体重を示す体重情報を受信する第3制御部を備えるサーバが提供される。
【発明の効果】
【0037】
マンホール蓋に乗ることでポイントが付与されたり、体重が管理されたりするため、ウォーキングの成果が見え、ウォーキングを行うモチベーションが生じさせることができ、ウォーキングを支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】第1の実施形態に係るウォーキング支援システムの概略構成図。
【
図2】第1の実施形態に係るウォーキング支援システムの処理動作の一例を示すシーケンス図。
【
図5】健康ポイントPsの別の例を模式的に示す図。
【
図6】表示部25に表示されるグラフを模式的に示す図。
【
図7】第2の実施形態に係るウォーキング支援システムの概略構成図。
【
図8】第2の実施形態に係るウォーキング支援システムの処理動作の一例を示すシーケンス図。
【
図9】第3の実施形態に係るウォーキング支援システムの概略構成図。
【
図10】第4の実施形態に係るウォーキング支援システムの処理動作の一例を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0040】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係るウォーキング支援システムの概略構成図である。ウォーキング支援システムは、マンホール蓋1と、携帯端末2と、サーバ3とを備えている。
【0041】
マンホール蓋1は、マンホールに嵌められる蓋本体(不図示)に加え、近距離通信部11と、アンテナ11aと、重量センサ12と、制御部13と、表示部14と、太陽電池15と、蓄電池15aとを有する。また、通常、ウォーキング支援システムにおけるマンホール蓋1は複数あり、そのそれぞれに固有のマンホールIDが設定されている。
【0042】
近距離通信部11は、アンテナ11aを介してマンホール蓋1と携帯端末2との間で情報の送受信を行うためのものであり、通信用ICなどから構成され得る。このアンテナ11aは、マンホール蓋1に乗ったユーザが持つ携帯端末2のみと通信すべく、指向性が高
いのが望ましい。通信の種類に特に制限はなく、例えばBluetooth(登録商標)を利用してよい。なお、マンホール蓋1から携帯端末2への通信経路と、携帯端末2からマンホール蓋1への通信経路とが異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0043】
重量センサ12は、例えば蓋本体の上面に設置され、マンホール蓋1上の物体の重量を計測する。具体的には、重量センサ12は、計測される重量が所定値以上である場合に、ユーザがマンホール蓋1に乗ったと判断する。また、重量センサ12はマンホール蓋1に乗ったユーザの体重を計測し、この体重を示す体重情報を生成する。
【0044】
制御部13は蓋本体に内蔵され、携帯端末2との情報送受信の制御や表示部14の制御を行う。具体的には、制御部13は、近距離通信部11を介して、体重情報やマンホールIDを携帯端末2に送信したり、発光パターン情報(後述)を携帯端末2から受信したりする。また、制御部13は受信した発光パターン情報に応じて表示部14を発光させる。
【0045】
表示部14は、例えば蓋本体の上面など見やすい位置に設置される。表示部14は、例えば複数色のLEDから構成され、制御部13の制御を受けて発光パターン情報によって定まる発光パターンで発光する。
【0046】
太陽電池15は、例えば蓋本体の上面など太陽光を受けやすい位置に設置され、太陽光を利用して電力を生成する。生成された電力は蓄電池15aに蓄えられ、近距離通信部11、重量センサ12、制御部13および表示部14の少なくとも一部が駆動される。他の種類の電源を用いてもよいが、マンホール蓋1は屋外に設置され、長時間太陽光を受けるので、太陽電池15を用いるのが好適である。
【0047】
携帯端末2は、ユーザが携帯するスマートフォン、タブレット、ノートPC、ウェアラブルデバイスその他任意のコンピュータであってよく、近距離通信部21と、アンテナ21aと、遠距離通信部22と、アンテナ22aと、GPS受信装置23と、制御部24と、表示部25とを有する。また、各携帯端末2には固有の端末IDが設定されている。通常、携帯端末2は特定のユーザが用いるため、端末IDはユーザに固有とも言える。
【0048】
近距離通信部21は、アンテナ21aを介して携帯端末2とマンホール蓋1との間で情報の送受信を行うためのものであり、通信用ICなどから構成され得る。通信の種類に特に制限はなく、例えばBluetooth(登録商標)を利用してよい。なお、携帯端末2からマンホール蓋1への通信経路と、マンホール蓋1から携帯端末2への通信経路とが異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0049】
遠距離通信部22は、アンテナ22aを介して携帯端末2とサーバ3との間で情報の送受信を行うためのものであり、通信用ICなどから構成され得る。通信の種類の特に制限はなく、インターネット回線やWiFi(登録商標)を利用してよい。なお、携帯端末2からサーバ3への通信経路と、サーバ3から携帯端末2への通信経路とが異なっていてもよいし、同一であってもよい。また、近距離通信用のアンテナ21aと遠距離通信用のアンテナ22aとを共用してもよい。
【0050】
GPS受信装置23は自己位置測定手段の一例であり、GPS衛星からの信号を受け取り、携帯端末2の現在位置を計測する。計測された現在位置は、遠距離通信部22を介してサーバ3に送信され得る。
【0051】
制御部24は、通信制御部241と、表示制御部242と、歩数カウント部243と、クーポン制御部244とを有する。制御部24の一部または全部は、携帯端末2のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより動作するウォーキング支援アプリとして実
装されてもよい。
【0052】
通信制御部241はマンホール蓋1およびサーバ3との情報送受信の制御を行う。具体的には、通信制御部241は、近距離通信部21を介して、体重情報やマンホールIDをマンホール蓋1から受信したり、発光パターン情報をマンホール蓋1に送信したりする。また、通信制御部241は、遠距離通信部22を介して、後述する種々の情報をサーバ3と送受信する。
【0053】
表示制御部242は表示部25の制御を行う。具体的には、表示制御部242はマンホール蓋1やサーバ3から受信した情報に応じた画面を表示部25に表示させる。また、表示制御部242は、サーバ3からの情報に基づいて、マンホール蓋1の表示部14の発光パターンを示す発光パターン情報を生成してもよい。その他、表示制御部242は、地図アプリと連携し、マンホール蓋1の設置位置を検索して表示部25に表示してもよい。
【0054】
歩数カウント部243は、携帯端末2に内蔵された加速度センサ(不図示)を利用し、ユーザの歩数をカウントする。歩数カウント部243は、ある期間の移動距離(GPS受信装置23から得られる)と、同期間でカウントされた歩数と、から歩幅を割り出してもよい。カウントされた歩数あるいは歩幅は、遠距離通信部22を介してサーバ3に送信され得る。
【0055】
クーポン制御部244は、本ウォーキング支援システムに参画している地域の商店街や小売店で使用可能であり、かつ、健康ポイント(後述)と交換可能なクーポンに関する情報を表示部25に表示させる。特定のクーポンが選択されると、クーポン制御部244は選択されたクーポンをユーザに付与し、選択されたクーポンに対応する健康ポイントを消費するようサーバ3に通知する。
【0056】
サーバ3は、遠距離通信部31と、アンテナ31aと、記憶部32と、制御部33とを有するバックサーバである。なお、サーバ3は複数装置から構成されてもよい。
【0057】
遠距離通信部31は、アンテナ31aを介してサーバ3と携帯端末2との間で情報の送受信を行うためのものであり、通信用ICなどから構成され得る。通信の種類の特に制限はなく、インターネット回線やWiFi(登録商標)を利用してよい。なお、サーバ3から携帯端末2への通信経路と、携帯端末2からサーバ3への通信経路とが異なっていてもよいし、同一であってもよい。
【0058】
記憶部32は、例えばハードディスクであり、各種の情報を記憶する。具体的には、記憶部32は、携帯端末2から受信した情報が示す種々のデータを端末IDと関連付けて(すなわち、端末IDが設定された携帯端末2のユーザと関連付けて)記憶する。記憶されるデータは、例えばユーザの体重、ユーザが乗ったマンホール蓋1の数、ユーザの移動距離、ユーザに付与された健康ポイント、ユーザの平均移動速度などである。また、記憶部32は各ユーザに付与された健康ポイントも記憶する。
【0059】
制御部33は、通信制御部331と、ポイント付与部332と、データ管理部333とを有する。
【0060】
通信制御部331は携帯端末との情報送受信の制御を行う。具体的には、通信制御部331は遠距離通信部31を介して携帯端末2と種々の情報を送受信する。
【0061】
ポイント付与部332は、携帯端末2からの情報に基づいて健康ポイントを付与し、記憶部32に保存する。具体的には、ポイント付与部332は、受信した端末IDが設定さ
れた携帯端末2のユーザに、受信したマンホールIDに基づく健康ポイントを付与する。ポイント付与の手法については、後に詳しく説明する。
【0062】
健康ポイントは、上述したクーポン制御部244によってクーポンとの交換が可能である。また、健康ポイントは、民間のポイントサービスと連携し、そのポイントサービスにおけるポイントと交換可能であってもよい。
【0063】
データ管理部333は、携帯端末2からの各種データや、記憶部32に保存された各種データを管理する。例えば、データ管理部333は、ユーザの体重、ユーザが乗ったマンホール蓋1の数、ユーザの移動距離、ユーザに付与された健康ポイント(後述)、ユーザの平均移動速度などの変化を算出し、これを表示するための情報を生成する。また、データ管理部333は、携帯端末2からの各種データや、記憶部32に保存された各種データに基づき、マンホール蓋1における表示部14の発光パターンを定める発光パターン情報を生成してもよい。
【0064】
図2は、第1の実施形態に係るウォーキング支援システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
ユーザがマンホール蓋1に乗ると、重量センサ12による重量計測結果が所定値を超え、これによってユーザがマンホール蓋1に乗ったことが検知される(ステップS11のYES)。
【0065】
これに応じて、マンホール蓋1における近距離通信部11は携帯端末2との通信を確立する(ステップS12)。例えば、近距離通信部11が所定の問い合わせ信号を送信し、携帯端末2の近距離通信部21から所定の応答信号が受信することで通信が確立される。この際、携帯端末2の通信制御部241は、その日初めてマンホール蓋1と通信を行う場合(すなわち、ユーザがその日初めてマンホール蓋1に乗った場合)、その旨をマンホール蓋1に通知する。
【0066】
マンホール蓋1の制御部13は、この通知を受けた場合には(ステップS13のYES)、重量センサ12によって計測されたユーザの体重を示す体重情報およびマンホール蓋1に設定されたマンホールIDを、近距離通信部11を介して携帯端末2に送信する(ステップS14,S15)。同通知を受けない場合、制御部13はマンホール蓋1に設定されたマンホールIDを、近距離通信部11を介して携帯端末2に送信する(ステップSS15)このように、初めにマンホール蓋1に乗った際の体重情報が携帯端末2に送信される。
【0067】
以下、体重情報が送信される場合(つまり、1日の初めにマンホール蓋1に乗った場合)について説明する。体重情報が送信されない場合については、体重情報に関する処理が省略される。なお、その日初めてか否かに関わらずマンホール蓋1から携帯端末2に体重情報を送信し、携帯端末2側でその日初めてか否かを判断してもよい。
【0068】
携帯端末2の通信制御部241は、近距離通信部21を介して、マンホールIDおよび体重情報をマンホール蓋1から受信する(ステップS21)。この際、表示制御部242は受信した体重情報が示す体重を表示部25に表示してもよい。そして、通信制御部241は、遠距離通信部22を介して、マンホールID、体重情報および端末IDをサーバ3に送信する。このとき、予め携帯端末2に服装(夏服か冬服か等)や荷物の有無を設定しておき、通信制御部241は重量センサ12による計測結果から適宜減算した上で、送信してもよい。また、通信制御部241は、歩数カウント部243でカウントされた歩数あるいは歩幅、GPS受信装置23で取得された現在位置を示す情報をサーバ3に送信してもよい。
【0069】
サーバ3の通信制御部331は、携帯端末2からのデータを受信し、記憶部32に保存する(ステップS31)。
【0070】
続いて、ポイント付与部332は、受信した端末IDが設定された携帯端末2のユーザに、受信したマンホールIDに基づく健康ポイントを付与する(ステップS32)。具体的な付与の手法は後述する。
【0071】
データ管理部333は、携帯端末2から受信した情報や、記憶部32に保存された各種データを利用し、携帯端末2の表示部25に所定の表示(例えば、ユーザの体重、ユーザが乗ったマンホール蓋1の数、ユーザの移動距離、ユーザに付与された健康ポイント、ユーザの平均移動速度などの変化のグラフ表示)を行うための表示情報を生成する。また、データ管理部333は、携帯端末2から受信した情報や、記憶部32に保存された各種データに基づいて、マンホール蓋1における表示部14の発光パターンを定める発光パターン情報を生成する。そして、通信制御部331は、遠距離通信部31を介して、これら表示情報や発光パターン情報を携帯端末2に送信する(ステップS33)。
【0072】
なお、データ管理部333は、前回受信した体重情報が示す体重と、今回受信した体重情報が示す体重との差が大きい(所定値を超える)場合、携帯端末2を持った人が本来のユーザではないと判断し、ポイント付与部332による健康ポイント付与を行わないようにしてもよい。これにより、他人に健康ポイントを稼いでもらうといった悪用を防げる。
【0073】
携帯端末2の通信制御部241は、遠距離通信部22を介して、表示情報および発光パターン情報をサーバ3から受信する(ステップS23)。そして、表示制御部242は表示情報に基づく画面を表示部25に表示させる。具体的な表示例は後述する。また、通信制御部241は、近距離通信部21を介して、発光パターン情報をマンホール蓋1に送信する(ステップS24)。
【0074】
マンホール蓋1の制御部13は、近距離通信部11を介して発光パターン情報を携帯端末2から受信し、発光パターン情報に応じて表示部14を発光させる(ステップS16)。
【0075】
一例として、発光パターン情報は、体重の増加量が大きい場合には表示部14が橙色に発光し、体重の減少量が大きい場合には表示部14が緑色に発光し、体重の増減がそれほどない場合には表示部14が黄色に発光するように設定されてもよい。別の例として、発光パターン情報は、健康ポイントの増加量が大きい場合には表示部14が緑色に発光し、健康ポイントの増加量が小さい場合には表示部14が橙色に発光するように設定されてもよい。
【0076】
続いて、ポイント付与部332による健康ポイント付与(
図2のステップS32)について、具体例を説明する。
【0077】
ポイント付与部332は、予め定めたポイントテーブルに基づいて健康ポイントを付与してもよい。
図3は、ポイントテーブルの構造例を示す図であり、記憶部32に記憶されている。図示のように、ポイントテーブルは、マンホールIDと、付与される健康ポイントとの関係を示している。例えば、携帯端末2から受信したマンホールIDがM01の場合、付与される健康ポイントは10ポイントである。マンホールIDと付与される健康ポイントとの関係は固定でもよいし、ウォーキング支援システムの提供者が任意に変更可能であってもよい。
【0078】
また、ポイント付与部332は、1日に乗ったマンホール蓋1の数、マンホール蓋1間の距離、マンホール蓋1間の平均移動速度、マンホール蓋1間の平均歩幅のうちの少なくとも1つに応じて、付与される健康ポイントを決定してもよい。
【0079】
1日に乗ったマンホール蓋1の数は、1日にサーバ3が受信したマンホールIDの数から把握できる。
【0080】
マンホール蓋1間の距離は、マンホールIDとその位置(例えば緯度および経度)とを関連付けて記憶部32に記憶しておき、ポイント付与部332が算出してもよい。
【0081】
マンホール蓋1間の平均移動速度は、サーバ3が連続する2つのマンホールIDを受信した時間差と、該当するマンホール蓋1間の距離とからポイント付与部332が算出してもよい。
【0082】
マンホール蓋1間の平均歩幅は、サーバ3が連続する2つのマンホールIDを受信した時間にカウントされた歩数と、該当するマンホール蓋1間の距離とからポイント付与部332が算出してもよい。あるいは、携帯端末2から直接受信するようにしてもよい。
【0083】
より具体的には、ポイント付与部332は下式に基づいて付与される健康ポイントを算出してもよい。
健康ポイント=Pm*Nm+
Σ(Pd*Dxy+Px(Sxy-S0)+Pl(Lxy-L0)
(ただし、Sxy,Lxyは所定の下限値S0,L0および上限値で固定されるものとする。また、Σは1日に乗ったマンホール蓋1間についての総和を意味するものとする)
【0084】
ここで、各パラメータは以下のとおりである。
Nm:1日に乗ったマンホール蓋1の数
Dxy:マンホール蓋xとマンホール蓋yとの間の距離
Sxy:マンホール蓋xとマンホール蓋yとの間の平均移動速度(S0はその下限)
Lxy:マンホール蓋xとマンホール蓋yとの間の平均歩幅(L0はその下限)
Pm:1つのマンホール蓋1に乗った場合に付与される健康ポイント
Pd:単位移動距離に応じて付与される健康ポイント
Ps:平均移動速度に応じて付与される健康ポイント
Pl:平均歩幅に応じて付与される健康ポイント
【0085】
なお、Pm,Pd,Ps,Plは定数でもよいし、任意に変動させてもよい。以下、平均移動速度に応じて付与される健康ポイントPs(以下、単に健康ポイントPsと呼ぶ)を平均移動速度Sxyに応じて変動させる例を示す。
【0086】
図4は、健康ポイントPsの一例を模式的に示す図である。平均移動速度Sxyが速いほどカロリー消費が大きいため、健康ポイントPsを大きくする。ただし、平均移動速度Sxyが速すぎると無酸素運動(心拍数が平常時の概ね2倍以上となる激しい運動)となって健康維持に悪影響の可能性があるため、健康ポイントPsを0として健康ポイントを付与しない。
【0087】
図5は、健康ポイントPsの別の例を模式的に示す図である。平均移動速度Sxyがウォーキングとして健康維持に最適な平均移動速度Soptに近いほど、健康ポイントPdを大きくしてもよい。最適な平均移動速度Soptは、年齢や体力などに応じて各個人に算出され、サーバ3のポイント付与部332に予め通知されるとともに、携帯端末2の表示部25に表示可能であってもよい。一方、ウォーキングでは考えられないほど平均移動
速度Sxyが遅すぎる場合(Sxy1以下)や速すぎる場合(Sxy2以上)には、健康ポイントPsを0として健康ポイントを付与しない。
【0088】
また、上記とは別に、ポイント付与部332は1日当たりの総移動距離に応じて健康ポイントを付与してもよい。総移動距離は、例えばマンホール蓋1間の距離を累積してもよいし、携帯端末2におけるGPS受信装置23で取得された携帯端末2の位置を利用してもよい。ただし、総移動距離のうち、平均移動速度が速すぎる区間は除くのが望ましい。
【0089】
さらに、ポイント付与部332は、天気、時間、曜日など外的要因に合わせた特別な健康ポイントを加算してもよい。例えば、雨の日、週末、早朝にマンホール蓋1に乗った場合に特別な健康ポイントを加算することで、ウォーキングの定期的な継続を促すようにしてもよい。
【0090】
続いて、サーバ3のデータ管理部334および表示部25に表示されるデータについて説明する。データ管理部334は、ユーザの体重、ユーザが乗ったマンホール蓋1の数、ユーザの移動距離、ユーザに付与された健康ポイント、ユーザの平均移動速度などの変化をグラフ化するための表示情報を生成する。そして、この表示情報に基づいて、表示制御部242は表示部25にグラフを表示する。
【0091】
図6は、表示部25に表示されるグラフを模式的に示す図である。図示のように、時間の経過が横軸に示され、所定単位時間(同図では、週単位)内におけるデータ(同図では、体重)が縦軸に示される。表示の単位時間は、週単位のほか、月単位や年単位であってもよい。表示するデータは、ユーザの体重、ユーザが乗ったマンホール蓋1の数、ユーザの移動距離、ユーザに付与された健康ポイント、ユーザの平均移動速度のすべてでもよいし、一部でもよいし、他のデータを含んでいてもよい。
【0092】
その他、データ管理部333は、地図アプリと連携して過去に乗ったマンホール蓋1を、直近1週間、直近3ヶ月、直近6ヶ月などの単位で地図上にマッピングして表示するための情報を生成してもよい。
【0093】
また、データ管理部333は、年齢層や体型別などに、参加者を複数のカテゴリに分類し、同一カテゴリ内で、乗ったマンホール蓋1の数や、総移動距離、体重変化をランキング化してもよい。ランキング化する数値は、サーバ3の記憶部32に記憶されている他のユーザのデータを使用すればよい。
【0094】
また、1日当たりに乗るマンホール蓋1の数、総移動距離、体重の目標値を携帯端末2に設定し、達成した際に、その旨を携帯端末2の表示部25やマンホール蓋1の表示部14に表示してもよい。
【0095】
その他、ウォーキング支援システムはSNS(Social Networking Service)などとの
ネットワーク連携機能を有してもよい。例えば、乗ったマンホール蓋1の数や総移動距離などをSNSを通じてシェアできるようにしてもよい。また、SNSにおける友人の中で、本ウォーキング支援システムを利用している人がいる場合、マンホール蓋1に乗った数や総移動距離がランキング化されてもよい。さらに、本ウォーキング支援アプリを利用しているユーザどうしでメッセージ交換ができてもよい。
【0096】
このように、本実施形態では、ユーザがマンホール蓋1に乗ることで健康ポイントが付与される。そのため、マンホール蓋1に乗るべくウォーキングを継続的に行おうというモチベーションが生じ、ウォーキングの継続へとつながる。
【0097】
(第2の実施形態)
次に説明する第2の実施形態は、マンホール蓋1とサーバ3とが直接通信を行うものである。
【0098】
図7は、第2の実施形態に係るウォーキング支援システムの概略構成図である。
図1と共通する機能ブロックには共通の符号を付している。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0099】
マンホール蓋1は遠距離通信部16およびアンテナ16aを有する。遠距離通信部16は、アンテナ16aを介して、マンホール蓋1とサーバ3との間で情報の送受信を行うためのものである。また、制御部13は携帯端末2およびサーバ3との情報送受信の制御を行う。
【0100】
サーバ3における遠距離通信部31は、アンテナ31aを介して、携帯端末2のみならずマンホール蓋1との間でも情報の送受信を行うためのものである。そして、通信制御部331は携帯端末2およびマンホール蓋1の両方との情報送受信の制御を行う。
【0101】
図8は、第2の実施形態に係るウォーキング支援システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。なお、事前に携帯端末2から個人データ(特定のユーザが用いる携帯端末2の端末IDなど)をサーバ3に登録してあるものとする。
【0102】
ユーザがマンホール蓋1に乗ると、重量センサ12による重量計測結果が所定値を超え、これによってユーザがマンホール蓋1に乗ったことが検知される(ステップS111のYES)。
【0103】
これに応じて、マンホール蓋1における近距離通信部11は携帯端末2との通信を確立する(ステップS112)。通信が確立されると、携帯端末2の通信制御部241は端末IDをマンホール蓋1に送信する(ステップS211)。これに応じて、マンホール蓋1の制御部13は携帯端末2から端末IDを受信する(ステップS113)。そして、制御部13はマンホールIDおよび端末IDをサーバ3に送信する(ステップS114)。
【0104】
なお、マンホール蓋1と携帯端末2との間で通信を確立する際、携帯端末2の通信制御部241は、その日初めてマンホール蓋1と通信を行う場合(すなわち、ユーザがその日初めてマンホール蓋1に乗った場合)、その旨をマンホール蓋1に通知する。マンホール蓋1の制御部13は、この通知を受けた場合には(ステップS115のYES)、重量センサ12によって計測されたユーザの体重を示す体重情報もサーバ3に送信する(ステップS116)。
【0105】
以下、体重情報が送信される場合(つまり、1日の初めにマンホール蓋1に乗った場合)について説明する。体重情報が送信されない場合については、体重情報に関する処理が省略される。なお、その日初めてか否かに関わらずマンホール蓋1からサーバ3に体重情報を送信し、サーバ3側でその日初めてか否かを判断してもよい。
【0106】
サーバ3の通信制御部331は、マンホールID、端末IDおよび体重情報をマンホール蓋1から受信し、記憶部32に保存する(ステップS311)。続いて、ポイント付与部332は、受信した端末IDが設定された携帯端末2のユーザに、受信したマンホールIDに基づく健康ポイントを付与する(ステップS312)。
【0107】
データ管理部333は、マンホール蓋1から受信した情報や、記憶部32に保存された各種データを利用し、携帯端末2の表示部25に所定の表示を行うための表示情報を生成
し、端末装置2に送信する(ステップS313)。
また、データ管理部333は、マンホール蓋1から受信した情報や、記憶部32に保存された各種データに基づいて、マンホール蓋1における表示部14の発光パターンを定める発光パターン情報を生成し、発光パターン情報をマンホール蓋1に送信する(ステップS314)。
【0108】
携帯端末2の通信制御部241は表示情報をサーバ3から受信し、表示制御部242は表示情報に基づく画面を表示部25に表示させる(ステップS212)。また、マンホール蓋1の制御部13は発光パターン情報を携帯端末2から受信し、発光パターン情報に応じて表示部14を発光させる(ステップS117)。
【0109】
このように、本実施形態でも、ユーザがマンホール蓋1に乗ることで健康ポイントが付与される。そのため、マンホール蓋1に乗るべくウォーキングを継続的に行おうというモチベーションが生じ、ウォーキングの継続へとつながる。
【0110】
(第3の実施形態)
次に説明する第3の実施形態は、携帯端末2に代えて、より安価なRFタグを用いるものである。
【0111】
図9は、第3の実施形態に係るウォーキング支援システムの概略構成図である。
図1および
図2と共通する機能ブロックには共通の符号を付している。以下、第2の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0112】
このウォーキング支援システムは、マンホール蓋1と、サーバ3と、RFタグ4とを備えている。
【0113】
RFタグ4は、近距離通信部41と、アンテナ41aと、制御部42とを有する。RFタグ4には固有のタグIDが設定されている。通常、RFタグ4は特定のユーザが用いるため、タグIDはユーザに固有とも言える。なお、タグIDは、第1および第2の実施形態における端末IDと同様に用いられる。
【0114】
近距離通信部41は、アンテナ41aを介してマンホール蓋1との間で情報の送受信を行うためのものであり、通信用ICなどから構成され得る。通信制御部42はマンホール蓋1との情報送受信の制御を行う。具体的には、通信制御部42は、近距離通信部41を介して、タグIDをマンホール蓋1に送信する。
【0115】
図10は、第3の実施形態に係るウォーキング支援システムの処理動作の一例を示すシーケンス図である。なお、事前に個人データ(特定のユーザが用いるRFタグ4のタグIDなど)をサーバ3に登録してあるものとする。
【0116】
ユーザがマンホール蓋1に乗ると、重量センサ12による重量計測結果が所定値を超え、これによってユーザがマンホール蓋1に乗ったことが検知される(ステップS121のYES)。
【0117】
これに応じて、マンホール蓋1における近距離通信部11はRFタグ4との通信を確立する(ステップS122)。通信が確立されると、RFタグ4の通信制御部42はタグIDをマンホール蓋1に送信する(ステップS221)。これに応じて、マンホール蓋1の制御部13はRFタグ4からタグIDを受信する(ステップS123)。そして、制御部13は、マンホールIDおよびタグIDと、重量センサ12によって計測されたユーザの体重を示す体重情報とをサーバ3に送信する(ステップS124)。
【0118】
サーバ3の通信制御部331は、マンホールID、タグIDおよび体重情報をマンホール蓋1から受信し、マンホールIDおよびタグIDを記憶部32に保存する(ステップS321)。なお、受信されたタグIDがその日初めてである場合、通信制御部331は体重情報も記憶部32に保存する。続いて、ポイント付与部332は、受信したタグIDが設定されたRFタグ4のユーザに、受信したマンホールIDに基づく健康ポイントを付与する(ステップS322)。
【0119】
データ管理部333は、記憶部32に保存された各種データに基づいて、マンホール蓋1における表示部14の発光パターンを定める発光パターン情報を生成し、発光パターン情報をマンホール蓋1に送信する(ステップS323)。
【0120】
マンホール蓋1の制御部13は発光パターン情報を携帯端末2から受信し、発光パターン情報に応じて表示部14を発光させる(ステップS127)。
【0121】
このように、本実施形態でも、ユーザがマンホール蓋1に乗ることで健康ポイントが付与される。そのため、マンホール蓋1に乗るべくウォーキングを継続的に行おうというモチベーションが生じ、ウォーキングの継続へとつながる。
【0122】
なお、
図1、
図7および
図9の態様は一例にすぎず、携帯端末2内の各部の一部がサーバ3内にあってもよいし、サーバ3内の各部の一部が携帯端末2内にあってもよい。また、複数の実施形態を任意に組み合わせてもよい。あるいは、体重計測など一部の機能を省略してもよい。
【0123】
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲とすべきである。
【符号の説明】
【0124】
1 マンホール蓋
11 近距離通信部
11a アンテナ
12 重量センサ
13 制御部
14 表示部
15 太陽電池
15a 蓄電池
16 遠距離通信部
16a アンテナ
2 携帯端末
21 近距離通信部
21a アンテナ
22 遠距離通信部
22a アンテナ
23 GPS受信装置
24 制御部
241 通信制御部
242 表示制御部
243 歩数カウント部
244 クーポン制御部
25 表示部
3 サーバ
31 遠距離通信部
31a アンテナ
32 記憶部
33 制御部
331 通信制御部
332 ポイント付与部
333 データ管理部
4 RFタグ
41 近距離通信部
41a アンテナ
42 制御部