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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014047
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/16 20060101AFI20220112BHJP
   H02K 5/173 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H02K5/16 Z
H02K5/173 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116188
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000240477
【氏名又は名称】アダマンド並木精密宝石株式会社
(72)【発明者】
【氏名】沖 幸治
(72)【発明者】
【氏名】楢崎 雄一
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605BB05
5H605BB14
5H605BB19
5H605CC02
5H605CC04
5H605CC05
5H605CC10
5H605EB10
5H605EB17
5H605EB28
5H605EB33
(57)【要約】
【課題】ベアリンググリースの漏れ及び拡散を抑制可能なモータを提供する。
【解決手段】モータ1は、出力軸2と、出力軸2を支持する第1ベアリング3及び第2ベアリング4と、ベアリング3,4を支持する固定支持体9と、出力軸2に固定され、第1ベアリング3の内輪32を押さえるブッシュ7と、出力軸2に固定され、第2ベアリング4の内輪42を押さえる連結部57と、マグネット50を収容したロータケース51と、ステータ6と、を備えている。固定支持体9は、ベアリング3,4を収容する筒部91を有している。ブッシュ7は、筒部91の一端91a側の開口部に配置されて筒部91との間にラビリンス隙間S1を形成している。連結部57は、筒部91の他端91b側の開口部に配置されて筒部91との間にラビリンス隙間S3を形成している。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出力軸と、
前記出力軸を内輪で支持する第1ベアリング及び第2ベアリングと、
前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングの外輪を支持する固定支持体と、
前記出力軸に固定され、前記第1ベアリングの内輪における前記第2ベアリングと反対側の端を押さえる第1押さえ部材と、
前記出力軸に固定され、前記第2ベアリングの内輪における前記第1ベアリングと反対側の端を押さえる第2押さえ部材と、
マグネットを収容したロータケースと、
ステータと、を備え、
前記固定支持体が、前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングを収容する筒部を有し、
前記第1押さえ部材が、前記筒部の一端側の開口部に配置されて前記筒部との間にラビリンス隙間を形成しており、
前記第2押さえ部材が、前記筒部の他端側の開口部に配置されて前記筒部との間にラビリンス隙間を形成している
ことを特徴とするモータ。
【請求項2】
前記筒部の内周面に、前記出力軸に向かって突出し、前記第1ベアリングと前記第2ベアリングとの間に配置された突出部が形成され、
前記突出部が、前記第1ベアリング、前記出力軸、前記第2ベアリングとの間にラビリンス隙間を形成している
ことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記第2押さえ部材が、前記ロータケースの一部として形成されており、
前記筒部の他端側が前記ロータケース内に配置されている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のモータ。
【請求項4】
前記ステータが、前記筒部の外周に固定されて前記マグネットの内側に配置されている
ことを特徴とする請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1押さえ部材が、前記出力軸に固定されたブッシュと、前記第1ベアリングの内輪における前記第2ベアリングと反対側の端に接触する接触部材と、前記ブッシュと前記接触部材との間に介在して前記接触部材を前記第1ベアリング側に付勢するコイルばねと、で構成され、
前記ブッシュが、前記筒部との間にラビリンス隙間を形成している
ことを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、モータには、出力軸を回転可能に支持するベアリングが組み込まれている。例えば特許文献1には、出力軸を2つのボールベアリングで支持したモータが開示されている。このボールベアリングは、内輪と外輪の間の空隙にボールが配置されており、前記空隙には潤滑のためグリースが封入されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-166146号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したベアリングは、グリース漏れを防止するシール構造を有しているタイプのボールベアリングを適用することができるものの、このシール構造は完璧ではなく、使用環境等によってはグリース漏れが生じてしまうことがあった。例えば、上記ベアリングを備えたモータが高圧環境下で使用される場合、モータ外の高圧気体がモータ内のベアリングに到達することでグリースが押し出されることがあった。また、高温環境下でベアリングからグリースが漏れると、漏れたグリースが周囲に広がり易かった。
【0005】
そこで、本発明は、ベアリンググリースの漏れ及び拡散を抑制可能なモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータは、出力軸と、前記出力軸を内輪で支持する第1ベアリング及び第2ベアリングと、前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングの外輪を支持する固定支持体と、前記出力軸に固定され、前記第1ベアリングの内輪における前記第2ベアリングと反対側の端を押さえる第1押さえ部材と、前記出力軸に固定され、前記第2ベアリングの内輪における前記第1ベアリングと反対側の端を押さえる第2押さえ部材と、マグネットを収容したロータケースと、ステータと、を備え、前記固定支持体が、前記第1ベアリング及び前記第2ベアリングを収容する筒部を有し、前記第1押さえ部材が、前記筒部の一端側の開口部に配置されて前記筒部との間にラビリンス隙間を形成しており、前記第2押さえ部材が、前記筒部の他端側の開口部に配置されて前記筒部との間にラビリンス隙間を形成していることを特徴とする。
【0007】
このように、筒部外から筒部内の第1ベアリング、第2ベアリングに至る経路の少なくとも一部がラビリンス隙間となっていることから、本モータが高圧環境下で使用される場合、モータ外から筒部内に進入してくる気体の勢いを弱めてその流量を抑えることができ、第1ベアリング、第2ベアリングからグリースが漏れることを抑制できる。また、仮に第1ベアリング、第2ベアリングからグリースが漏れ出たとしても、ラビリンス隙間によってグリースが筒部外に拡散することを抑制できる。
【0008】
上記モータにおいては、前記筒部の内面に、前記出力軸に向かって突出し、前記第1ベアリングと前記第2ベアリングとの間に配置された突出部が形成され、前記突出部が、前記第1ベアリング、前記出力軸、前記第2ベアリングとの間にラビリンス隙間を形成していることが好ましい。このような構成により、仮に第1ベアリングから第2ベアリング側にグリースが漏れ出たとしても、このグリースがラビリンス隙間に留まり、第2ベアリングまで拡散することを抑制できる。さらに、このようにグリースがラビリンス隙間に留まることで、筒部内に進入した気体が第1ベアリング側から第2ベアリングに到達し難くなる。
【0009】
上記モータにおいては、前記第2押さえ部材が、前記ロータケースの一部として形成されており、前記筒部の他端側が前記ロータケース内に配置されていてもよい。このような構成においては、仮に第1ベアリング、第2ベアリングからグリースが漏れ出たとしても、ラビリンス隙間によってグリースが筒部外に拡散することが抑制されるので、グリースがロータケース内に拡散することを抑制できる。
【0010】
上記モータにおいては、前記ステータが、前記筒部の外周に固定されて前記マグネットの内側に配置されていてもよい。即ち、上記モータは、アウターロータ型であってもよい。
【0011】
上記モータにおいては、前記第1押さえ部材が、前記出力軸に固定されたブッシュと、前記第1ベアリングの内輪における前記第2ベアリングと反対側の端に接触する接触部材と、前記ブッシュと前記接触部材との間に介在して前記接触部材を前記第1ベアリング側に付勢するコイルばねと、で構成され、前記ブッシュが、前記筒部との間にラビリンス隙間を形成していてもよい。このような構成により、第1ベアリングの内輪に予圧を与えることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ベアリンググリースの漏れ及び拡散を抑制可能なモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施形態にかかるモータの斜視図である。
図2図1のモータを別の角度からみた斜視図である。
図3図1中のA-A線に沿った断面斜視図である。
図4図1中のA-A線に沿った断面図である。
図5図4の出力軸周辺の拡大図である。
図6】本発明の第2実施形態にかかるモータの断面図である。
図7図6の出力軸周辺の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態にかかる「モータ」について、図1~5を参照して説明する。
【0015】
図1~4に示すモータ1は、出力軸2を含む回転部分と、出力軸2を内輪32,42で支持する第1ベアリング3及び第2ベアリング4と、ステータ6と、第1ベアリング3及び第2ベアリング4の外輪31,41を支持し、ステータ6と固定された固定支持体9と、リード線62aと、を備えている。
【0016】
上記回転部分(ロータ、回転子とも呼ばれる)は、円柱状の出力軸2、出力軸2に固定されたロータケース51及びブッシュ7、ロータケース51内に収容されたマグネット50、である。
【0017】
第1ベアリング3は、「ボールベアリング」と呼ばれるものであり、内輪32及び外輪31と、これらの間の空隙に配置されたボールと、該ボールを保持した保持器33と、前記空隙に封入されたグリースの漏れ出しを防ぐ金属シールド板34と、を備えている。金属シールド板34は、外輪31に固定されており、内輪32とは非接触になっている。また、金属シールド板34は、第1ベアリング3の両面(出力軸2の軸方向の一方の面と他方の面)に設けられている。
【0018】
第2ベアリング4は、第1ベアリング3と同一構成同一サイズであり、内輪42及び外輪41と、これらの間の空隙に配置されたボールと、該ボールを保持した保持器43と、金属シールド板44と、を備えている。
【0019】
ステータ6は、ステータコア61と、ステータコア61の周囲に巻き回された巻線62と、を備えている。
【0020】
固定支持体9は、出力軸2の外周に配置された円筒状の筒部91と、筒部91の外周面から外側に延びた鍔部92と、筒部91の内周面から出力軸2に向かって突出した突出部93と、を有している。
【0021】
第1ベアリング3及び第2ベアリング4は、筒部91内に収容されており、出力軸2の軸方向に間隔をあけて配置されている。また、第1ベアリング3は筒部91の一端91a側に配置されており、第2ベアリング4は筒部91の他端91b側に配置されている。
【0022】
上述した突出部93は、第1ベアリング3と第2ベアリング4との間に配置されている。突出部93には、第1ベアリング3の外輪31に当接した凸部94と、第2ベアリング4の外輪41に当接した凸部95と、が形成されている。
【0023】
また、突出部93は、図5に示すように、第1ベアリング3、出力軸2、第2ベアリング4との間にラビリンス隙間S2を形成している。ラビリンス隙間S2は、突出部93と第1ベアリング3との間の隙間S21と、突出部93と出力軸2との間の隙間S22と、突出部93と第2ベアリング4との間の隙間S23と、で構成されている。
【0024】
より詳細には、隙間S21は、第1ベアリング3の金属シールド板34と突出部93との間に形成されている。隙間S22は、隙間S21における内輪32側の端と連通しており、出力軸2に沿って第2ベアリング4側に延びている。即ち、隙間S22は、隙間S21と直角に交わっている。隙間S23は、第2ベアリング4の金属シールド板44と突出部93との間に形成されており、隙間S22における第1ベアリング3から離れた端と連通している。即ち、隙間S23は、隙間S22と直角に交わっている。
【0025】
このように、ラビリンス隙間S2は、第1ベアリング3から第2ベアリング4に至る細い経路となっており、経路をできるだけ長くするために断面クランク状に形成されている。また、本発明において「ラビリンス隙間」とは、交差(直角に限らない)している2以上の隙間と定義する。
【0026】
ロータケース51は、円板状の底板53と、円筒状の側壁52と、を有するカップ状に形成されている。底板53には、出力軸2と連結された連結部57が形成されている。連結部57と連結された出力軸2は、側壁52の中心を通ってロータケース51外まで延びている。筒部91の他端91b側はロータケース51内に配置されており、一端91a側はロータケース51外に配置されている。マグネット50は、側壁52の内周面に取り付けられている。また、ステータ6は、筒部91の外周に固定されており、ロータケース51内におけるマグネット50の内側に配置されている。即ち、本例のモータ1は、アウターロータ型である。
【0027】
連結部(「第2押さえ部材」に相当)57は、底板53の中心部分と、当該部分から円筒状に延びた出力軸挿通部54と、出力軸挿通部54から底板53と反対側に突出した凸部55と、を有している。出力軸2は、出力軸挿通部54内に圧入固定されている。連結部57は、筒部91の他端91b側の開口部に配置されている。また、凸部55は、第2ベアリング4の内輪42における第1ベアリング3と反対側の端に当接している。
【0028】
また、連結部57は、図5に示すように、第2ベアリング4、筒部91との間にラビリンス隙間S3を形成している。ラビリンス隙間S3は、出力軸挿通部54と第2ベアリング4との間の隙間S31と、出力軸挿通部54と筒部91の間の隙間S32と、底板53の中心部分と筒部91の他端91bとの間の隙間S33と、で構成されている。
【0029】
より詳細には、隙間S31は、第2ベアリング4の金属シールド板44と出力軸挿通部54との間に形成されている。隙間S32は、隙間S31における外輪41側の端と連通しており、筒部91に沿って他端91b側に延びている。即ち、隙間S32は、隙間S31と直角に交わっている。隙間S33は、隙間S32における第2ベアリング4から離れた端と連通しており、底板53に沿って出力軸2と反対側に延びている。即ち、隙間S33は、隙間S32と直角に交わっている。
【0030】
このように、ラビリンス隙間S3は、第2ベアリング4から筒部91外に至る細い経路となっており、経路をできるだけ長くするために断面S字クランク状に形成されている。
【0031】
ブッシュ7(「第1押さえ部材」に相当)は、筒部91の内径よりも大径である円板状の大径部71と、大径部71よりも小径である円板状の小径部72と、小径部72から大径部71と反対側に突出した凸部73と、を有している。出力軸2は、ブッシュ7の中心を貫通している。ブッシュ7は、筒部91の一端91a側の開口部に配置されている。より詳細には、大径部71が筒部91外に位置し、小径部72が筒部91内に位置している。また、凸部73は、第1ベアリング3の内輪32における第2ベアリング4と反対側の端に当接している。
【0032】
また、ブッシュ7は、図5に示すように、筒部91、第1ベアリング3との間にラビリンス隙間S1を形成している。ラビリンス隙間S1は、大径部71と筒部91の一端91aとの間の隙間S11と、小径部72と筒部91との間の隙間S12と、小径部72と第1ベアリング3との間の隙間S13と、で構成されている。
【0033】
より詳細には、隙間S11は、筒部91の外周面側から内周面側に延びている。隙間S12は、隙間S11における筒部91内周面側の端と連通しており、筒部91に沿って第1ベアリング3側に延びている。即ち、隙間S12は、隙間S11と直角に交わっている。隙間S13は、小径部72と第1ベアリング3の金属シールド板34との間に形成されており、隙間S12における第1ベアリング3側の端と連通している。即ち、隙間S13は、隙間S12と直角に交わっている。
【0034】
このように、ラビリンス隙間S1は、筒部91外から第1ベアリング3に至る細い経路となっており、経路をできるだけ長くするために断面S字クランク状に形成されている。
【0035】
上記構成のモータ1は、ブロワーに適用されることがある。その場合、出力軸2のブッシュ7から突き出た部分に羽が連結され、図3における鍔部92よりも紙面上側部分がハウジングで覆われる。そして、モータ1が稼働されることにより羽が回転し、前記ハウジング内が高圧環境となる。すると、前記ハウジング内の高圧気体が筒部91とブッシュ7との間から筒部91内に進入してくる。
【0036】
このような状況において、本モータ1は、筒部91外から第1ベアリング3に至る経路がラビリンス隙間S1となっていることから、筒部91内に進入してくる気体の勢いを弱めてその流量を抑えることができ、第1ベアリング3からグリースが漏れることを抑制できる。また、仮に第1ベアリング3から第2ベアリング4側にグリースが漏れ出たとしても、このグリースがラビリンス隙間S2に留まり、第2ベアリング4まで拡散することを抑制できる。さらに、このようにグリースがラビリンス隙間S2に留まることで、筒部91内に進入した気体が第1ベアリング3側から第2ベアリング4に到達し難くなる。なお、仮に筒部91内に進入した気体が第2ベアリング4に到達して第2ベアリング4からグリースが漏れ出たとしても、ラビリンス隙間S3によってグリースが筒部91外に拡散することを抑制でき、グリースがロータケース51内に拡散することを抑制できる。
【0037】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態にかかる「モータ」について、図6,7を参照して説明する。図6,7において前述した第1実施形態と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0038】
図6,7に示すモータ101は、第1実施形態の第1ベアリング3の代わりにサイズの小さい第1ベアリング103を備えている。第1ベアリング103は、内輪132及び外輪131と、これらの間の空隙に配置されたボールと、該ボールを保持した保持器133と、金属シールド板134と、を備えている。
【0039】
本例においては、第1実施形態のブッシュ7の代わりに、出力軸2に固定されたブッシュ107と、接触部材81と、ブッシュ107と接触部材81との間に介在して接触部材81を第1ベアリング103側に付勢するコイルばね80と、を用いて第1ベアリング103の内輪132を押さえる(ブッシュ107、接触部材81、コイルばね80は、「第1押さえ部材」に相当)。接触部材81には、第1ベアリング103の内輪132における第2ベアリング4と反対側の端に接触する凸部82が形成されている。このように本発明では、用いるベアリングに応じて該ベアリングに予圧を与える構成としてもよい。
【0040】
本例の固定支持体109は、筒部91の一端91aの内周面に拡径部97が形成されている。ブッシュ107の大径部71は筒部91内に位置しており、該大径部107の外縁は拡径部97に位置している。
【0041】
また、ブッシュ107は、図7に示すように、筒部91との間にラビリンス隙間S4を形成している。ラビリンス隙間S4は、大径部71と拡径部97との間の隙間S41,S42と、小径部72と筒部91との間の隙間S43と、で構成されている。ラビリンス隙間S4は、筒部91外から第1ベアリング103に至る途中の細い経路となっており、経路をできるだけ長くするために断面S字クランク状に形成されている。
【0042】
本例のモータ101は、上述したようにブロワーに適用される場合、筒部91外から第1ベアリング103に至る経路の一部がラビリンス隙間S4となっていることから、筒部91内に進入してくる気体の勢いを弱めてその流量を抑えることができ、第1ベアリング103からグリースが漏れることを抑制できる。なお、仮に筒部91内に進入した気体が第2ベアリング4に到達して第2ベアリング4からグリースが漏れ出たとしても、ラビリンス隙間S3によってグリースが筒部91外に拡散することを抑制でき、グリースがロータケース51内に拡散することを抑制できる。
【0043】
上述した実施形態では、第1ベアリング及び第2ベアリングとしてボールベアリングを採用していたが、本発明では、ボールベアリング以外にローラーベアリングを採用することもできる。
【0044】
上述した実施形態のモータはアウターロータ型であったが、本発明のモータはこれに限らず、例えばインナーロータ型であってもよい。
【0045】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、この実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。かかる変形によってもなお本発明の構成を具備する限り、勿論、本発明の範疇に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1,101 モータ
2 出力軸
3,103 第1ベアリング
4 第2ベアリング
6 ステータ
7,107 ブッシュ(第1押さえ部材)
9,109 固定支持体
51 ロータケース
57 連結部(第2押さえ部材)
S1,S2,S3,S4 ラビリンス隙間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7