(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140803
(43)【公開日】2022-09-27
(54)【発明の名称】半導体モジュール
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20220915BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L25/04 C
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022125809
(22)【出願日】2022-08-05
(62)【分割の表示】P 2018088899の分割
【原出願日】2018-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 貴裕
(57)【要約】
【課題】冷却装置において、冷媒の流速分布を均一化する。
【解決手段】半導体チップを含む半導体装置と、前記半導体装置が載置される天板を含む冷却装置とを備える半導体モジュールであって、前記冷却装置は、前記天板の下面に接し、第1方向に配列された複数の金属部材を含み、前記複数の金属部材は、前記第1方向と垂直な第2方向において、周期的に第1開口を形成する第1金属部材と、前記第2方向において、前記第1開口とは異なる位置に周期的に第2開口を形成する第2金属部材と、を含む半導体モジュールを提供する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体チップを含む半導体装置と、前記半導体装置が載置される天板を含む冷却装置とを備える半導体モジュールであって、
前記冷却装置は、
前記天板の下面に接し、第1方向に配列された複数の金属部材を含み、
前記複数の金属部材は、
前記第1方向と垂直な第2方向において、周期的に第1開口を形成する第1金属部材と、
前記第2方向において、前記第1開口とは異なる位置に周期的に第2開口を形成する第2金属部材と、
を含む半導体モジュール。
【請求項2】
周期的に形成される前記第1開口の開口面積が同一である
請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項3】
周期的に形成される前記第2開口の開口面積が同一である
請求項2に記載の半導体モジュール。
【請求項4】
前記第1開口と前記第2開口の開口面積が同一である
請求項3に記載の半導体モジュール。
【請求項5】
前記第1開口および前記第2開口は、メッシュ状に形成されている
請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項6】
前記第1金属部材および前記第2金属部材は、金属のワイヤーを交差させることで形成されている
請求項5に記載の半導体モジュール。
【請求項7】
前記冷却装置は、
前記第1方向における一方の側に設けられた冷媒導入口と、
前記第1方向における他方の側に設けられた冷媒導出口と、
を含む請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項8】
前記半導体装置は、前記半導体チップが固定される回路基板と、前記回路基板を収容する内部空間を有する収容部とを含む請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項9】
前記天板は、締結部材が挿入される貫通孔を有する
請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項10】
前記冷却装置は、
前記天板の下面に接続された複数の構造物を含む
請求項1に記載の半導体モジュール。
【請求項11】
前記複数の構造物は、前記第2方向において、周期的に冷媒流路を形成している
請求項10に記載の半導体モジュール。
【請求項12】
前記第1開口または前記第2開口が設けられる周期は、前記冷媒流路が設けられる周期以下である
請求項11に記載の半導体モジュール。
【請求項13】
前記第1方向において、前記複数の構造物は少なくとも1つの前記第1金属部材と対向していて、かつ、前記冷媒流路に対して少なくとも1つの前記第1開口が配置されている
請求項11に記載の半導体モジュール。
【請求項14】
前記複数の金属部材は、前記第2方向に周期的に第3開口が設けられている第3金属部材と、前記第2方向に周期的に前記第3開口とは異なる位置に第4開口が設けられている第4金属部材と、を有し、
前記冷却装置は、前記第1方向において、前記複数の構造物が設けられた第1領域と、前記第1金属部材と前記第2金属部材が設けられた第2領域と、前記第3金属部材と前記第4金属部材が設けられた第3領域とを含み、前記第2領域と前記第3領域は前記第1領域を挟んでいる
請求項10に記載の半導体モジュール。
【請求項15】
前記冷却装置は、前記第1方向において、前記第1領域と前記第2領域との間に、前記第1領域と前記第2領域とを分離する第4領域が形成されている
請求項14に記載の半導体モジュール。
【請求項16】
前記第1方向において、前記第1金属部材と前記第2金属部材は離れて配置されていて、
前記第1方向における前記第1金属部材と前記第2金属部材の間の長さは、前記第1方向における前記第4領域の長さよりも短い
請求項15に記載の半導体モジュール。
【請求項17】
上面視において、前記半導体チップは、前記金属部材で挟まれている
請求項14に記載の半導体モジュール。
【請求項18】
前記半導体チップは、前記第1領域の上方に設けられている
請求項14に記載の半導体モジュール。
【請求項19】
半導体チップを含む半導体装置と、前記半導体装置が載置される冷却装置とを備える半導体モジュールであって、
前記冷却装置は、
冷媒が流通する冷媒流通部と、
前記冷媒流通部において、第1方向の一方の側に設けられた冷媒導入口と、
前記冷媒流通部において、第1方向の他方の側に設けられた冷媒導出口と、
前記冷媒流通部において、少なくとも前記冷媒導入口側または前記冷媒導出口側に設けられ、前記第1方向に配列された複数の金属部材と、を含み、
前記複数の金属部材は、
前記第1方向と垂直な第2方向において、周期的に第1開口を形成する第1金属部材と、
前記第2方向において、前記第1開口とは異なる位置に周期的に第2開口を形成する第2金属部材と、
を含む半導体モジュール。
【請求項20】
半導体チップを含む半導体装置と、前記半導体装置が載置される天板を含む冷却装置とを備える半導体モジュールであって、
前記冷却装置は、
前記天板の下面に接する、第一の複数の金属部材と、複数の冷却フィンと、第二の複数の金属部材とを含み、
第一方向に、前記第一の複数の金属部材、前記複数の冷却フィン、前記第二の複数の金属部材の順番に並んでおり、
前記第一方向と垂直な第二方向において、前記第一の複数の金属部材の各々が、第一周期にて複数の第一開口が配置されるように配置され、
前記第二方向において、前記複数の冷却フィンの各々が、前記第一周期よりも長い第二周期にて複数の第二開口が配置されるように配置され、
前記第二方向において、前記第二の複数の金属部材の各々が、前記第一周期にて複数の第三開口が配置されるように配置される、
半導体モジュール。
【請求項21】
前記第一方向において、前記第一の複数の金属部材の第一配置領域および前記第二の複数の金属部材の第三配置領域は、前記複数の冷却フィンの第二配置領域よりも狭い
請求項20に記載の半導体モジュール。
【請求項22】
平面視において、前記第二配置領域と前記半導体チップとが互いに重なり合い、前記第一配置領域および前記第三配置領域と前記半導体チップとは互いに重なり合わない
請求項21に記載の半導体モジュール。
【請求項23】
前記第二方向において、各々の前記第一の複数の金属部材の第一幅および各々の前記第二の複数の金属部材の第三幅は、各々の前記複数の冷却フィンの第二幅よりも小さく、
前記第二方向において、各々の前記第一開口および各々の前記第三開口は、各々の前記第二開口よりも小さく、
前記第二方向において、各々の前記第一の複数の金属部材の第一配置ピッチおよび各々の前記第二の複数の金属部材の第三配置ピッチは、各々の前記複数の冷却フィンの第二配置ピッチよりも小さい
請求項22に記載の半導体モジュール。
【請求項24】
前記第一配置領域と前記第二配置領域の間に、前記第一、第二の複数の金属部材および前記複数の冷却フィンが配置されない第四領域を有し、
前記第二配置領域と前記第三配置領域の間に、前記第一、第二の複数の金属部材および前記複数の冷却フィンが配置されない第五領域を有し、
前記第一方向において、前記第一配置領域よりも前記第四領域の方が広く、前記第四領域よりも前記第二配置領域の方が広く、前記第二配置領域よりも前記第五領域の方が狭く、前記第五領域よりも前記第三配置領域の方が狭い
請求項23に記載の半導体モジュール。
【請求項25】
前記第一幅と前記第三幅は同一であり、前記第一配置ピッチと前記第三配置ピッチは同一である請求項24に記載の半導体モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パワー半導体チップ等の半導体素子を含む半導体モジュールにおいて、冷却装置を設けた構成が知られている(例えば、特許文献1-2参照)。
特許文献1 特開2011-134979号公報
特許文献2 WO2015/177909
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
冷却装置内における冷媒の流速分布は、できるだけ均一であることが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様においては、半導体チップを含む半導体装置と、前記半導体装置が載置される天板を含む冷却装置とを備える半導体モジュールであって、前記冷却装置は、前記天板の下面に接し、第1方向に配列された複数の金属部材を含み、前記複数の金属部材は、前記第1方向と垂直な第2方向において、周期的に第1開口を形成する第1金属部材と、前記第2方向において、前記第1開口とは異なる位置に周期的に第2開口を形成する第2金属部材と、を含む半導体モジュールを提供する。
【0005】
周期的に形成される前記第1開口の開口面積が同一であってよい。周期的に形成される前記第2開口の開口面積が同一であってよい。前記第1開口と前記第2開口の開口面積が同一であってよい。
【0006】
前記第1開口および前記第2開口は、メッシュ状に形成されていてよい。前記第1金属部材および前記第2金属部材は、金属のワイヤーを交差させることで形成されていてよい。
【0007】
前記冷却装置は、前記第1方向における一方の側に設けられた冷媒導入口と、前記第1方向における他方の側に設けられた冷媒導出口と、を含んでよい。
【0008】
前記半導体装置は、前記半導体チップが固定される回路基板と、前記回路基板を収容する内部空間を有する収容部とを含んでよい。前記天板は、締結部材が挿入される貫通孔を有してよい。
【0009】
前記冷却装置は、前記天板の下面に接続された複数の構造物を含んでよい。前記複数の構造物は、前記第2方向において、周期的に冷媒流路を形成していてよい。前記第1開口または前記第2開口が設けられる周期は、前記冷媒流路が設けられる周期以下であってよい。前記第1方向において、前記複数の構造物は少なくとも1つの前記第1金属部材と対向していて、かつ、前記冷媒流路に対して少なくとも1つの前記第1開口が配置されていてよい。
【0010】
前記複数の金属部材は、前記第2方向に周期的に第3開口が設けられている第3金属部材と、前記第2方向に周期的に前記第3開口とは異なる位置に第4開口が設けられている第4金属部材と、を有し、前記冷却装置は、前記第1方向において、前記複数の構造物が設けられた第1領域と、前記第1金属部材と前記第2金属部材が設けられた第2領域と、前記第3金属部材と前記第4金属部材が設けられた第3領域とを含み、前記第2領域と前記第3領域は前記第1領域を挟んでいてよい。
【0011】
前記冷却装置は、前記第1方向において、前記第1領域と前記第2領域との間に、前記第1領域と前記第2領域とを分離する第4領域が形成されていてよい。前記第1方向において、前記第1金属部材と前記第2金属部材は離れて配置されていて、前記第1方向における前記第1金属部材と前記第2金属部材の間の長さは、前記第1方向における前記第4領域の長さよりも短くてよい。
【0012】
上面視において、前記半導体チップは、前記金属部材で挟まれていてよい。前記半導体チップは、前記第1領域の上方に設けられていてよい。
【0013】
本発明の第2の態様においては、半導体チップを含む半導体装置と、前記半導体装置が載置される冷却装置とを備える半導体モジュールであって、前記冷却装置は、冷媒が流通する冷媒流通部と、前記冷媒流通部において、第1方向の一方の側に設けられた冷媒導入口と、前記冷媒流通部において、第1方向の他方の側に設けられた冷媒導出口と、前記冷媒流通部において、少なくとも前記冷媒導入口側または前記冷媒導出口側に設けられ、前記第1方向に配列された複数の金属部材と、を含み、前記複数の金属部材は、前記第1方向と垂直な第2方向において、周期的に第1開口を形成する第1金属部材と、前記第2方向において、前記第1開口とは異なる位置に周期的に第2開口を形成する第2金属部材と、を含む半導体モジュールを提供する。
【0014】
本発明の第3の態様においては、半導体チップを含む半導体装置と、前記半導体装置が載置される天板を含む冷却装置とを備える半導体モジュールであって、前記冷却装置は、前記天板の下面に接する、第一の複数の金属部材と、複数の冷却フィンと、第二の複数の金属部材とを含み、第一方向に、前記第一の複数の金属部材、前記複数の冷却フィン、前記第二の複数の金属部材の順番に並んでおり、前記第一方向と垂直な第二方向において、前記第一の複数の金属部材の各々が、第一周期にて複数の第一開口が配置されるように配置され、前記第二方向において、前記複数の冷却フィンの各々が、前記第一周期よりも長い第二周期にて複数の第二開口が配置されるように配置され、前記第二方向において、前記第二の複数の金属部材の各々が、前記第一周期にて複数の第三開口が配置されるように配置される、半導体モジュールを提供する。
【0015】
前記第一方向において、前記第一の複数の金属部材の第一配置領域および前記第二の複数の金属部材の第三配置領域は、前記複数の冷却フィンの第二配置領域よりも狭くてよい。平面視において、前記第二配置領域と前記半導体チップとが互いに重なり合い、前記第一配置領域および前記第三配置領域と前記半導体チップとは互いに重なり合わなくてよい。
【0016】
前記第二方向において、各々の前記第一の複数の金属部材の第一幅および各々の前記第二の複数の金属部材の第三幅は、各々の前記複数の冷却フィンの第二幅よりも小さく、前記第二方向において、各々の前記第一開口および各々の前記第三開口は、各々の前記第二開口よりも小さく、前記第二方向において、各々の前記第一の複数の金属部材の第一配置ピッチおよび各々の前記第二の複数の金属部材の第三配置ピッチは、各々の前記複数の冷却フィンの第二配置ピッチよりも小さくてよい。
【0017】
前記第一配置領域と前記第二配置領域の間に、前記第一、第二の複数の金属部材および前記複数の冷却フィンが配置されない第四領域を有し、前記第二配置領域と前記第三配置領域の間に、前記第一、第二の複数の金属部材および前記複数の冷却フィンが配置されない第五領域を有し、前記第一方向において、前記第一配置領域よりも前記第四領域の方が広く、前記第四領域よりも前記第二配置領域の方が広く、前記第二配置領域よりも前記第五領域の方が狭く、前記第五領域よりも前記第三配置領域の方が狭くてよい。前記第一幅と前記第三幅は同一であり、前記第一配置ピッチと前記第三配置ピッチは同一であってよい。
【0018】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の一例を示す模式的な断面図である。
【
図2】冷却フィン94および損失付加部30のxy面における配置例を示す図である。
【
図3A】冷却フィン94を除去した場合の冷媒流通部92を示す図である。
【
図3B】損失付加部30を除去した場合の冷媒流通部92を示す図である。
【
図4】2つの開口部42の他の配置例を示す図である。
【
図5】2つの開口部42の他の配置例を示す図である。
【
図6】冷却フィン94および損失付加部30の一例を示す斜視図である。
【
図7】冷却フィン94および損失付加部30の概要を説明する上面図である。
【
図8】yz面における損失付加部30の構造例を示す図である。
【
図9】損失付加部30の他の配置例を示す上面図である。
【
図10】本発明の一つの実施形態に係る車両200の概要を示す図である。
【
図11】本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の主回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
図1は、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の一例を示す模式的な断面図である。半導体モジュール100は、半導体装置70および冷却装置10を備える。本例の半導体装置70は、冷却装置10に載置されている。本明細書では、半導体装置70が載置されている冷却装置10の面をxy面とし、xy面と垂直な面をz軸とする。本明細書では、z軸方向において冷却装置10から半導体装置70に向かう方向を上、逆の方向を下と称するが、上および下の方向は、重力方向に限定されない。また本明細書では、各部材の面のうち、上側の面を上面、下側の面を下面、上面および下面の間の面を側面と称する。
【0022】
半導体装置70は、パワー半導体チップ等の半導体チップ78を1つ以上含む。一例として半導体チップ78には、シリコン等の半導体基板に形成された絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)が設けられている。
【0023】
半導体装置70は、回路基板76と、収容部72とを有する。回路基板76は、一例として絶縁基板に回路パターンが設けられた基板である。回路基板76には、はんだ等を介して半導体チップ78が固定されている。収容部72は、樹脂等の絶縁材料で形成されている。収容部72は、半導体チップ78、回路基板76および配線等を収容する内部空間を有する。収容部72の内部空間には、半導体チップ78、回路基板76および配線等を封止する封止部74が充填されていてよい。封止部74は、例えばシリコーンゲルまたはエポキシ樹脂等の絶縁部材である。
【0024】
冷却装置10は、天板20およびケース部40を有する。天板20は、xy面と平行な上面22および下面24を有する板状の金属板であってよい。一例として天板20は、アルミニウムを含む金属で形成されている。天板20の上面22には、半導体装置70が載置される。天板20には、半導体チップ78が発生した熱が伝達される。例えば天板20および半導体チップ78の間は、回路基板76、金属板およびはんだ等の熱伝導性の部材が配置されている。回路基板76は、はんだ等により天板20の上面22に直接的に固定されていてよい。この場合、収容部72は、天板20の上面22において回路基板76等が配置された領域を囲んで設けられる。他の例では、半導体装置70は収容部72の下面に露出する金属板を有しており、当該金属板の上面に回路基板76が固定され、当該金属板が天板20の上面22に固定されていてもよい。
【0025】
ケース部40は、天板20の下面24と底板64との間に冷媒流通部92を有して配置されている。ケース部40は、天板20と一体に形成されていてよく、別部材として形成されていてもよい。冷媒流通部92は、水等の冷媒が流通する領域である。冷媒流通部92は、天板20の下面24に接する密閉空間であってよい。また、ケース部40は、xy面において冷媒流通部92を囲む領域において、天板20の下面24に直接または間接に密着して配置されている。これにより、冷媒流通部92を密閉している。なお、間接に密着とは、天板20の下面24とケース部40との間に設けられた、シール材、接着剤、または、その他の部材を介して、天板20の下面24とケース部40とが密着している状態を指す。密着は、冷媒流通部92の内部の冷媒が、当該密着部分から漏れ出ない状態を指す。
【0026】
冷媒流通部92の内部には冷却フィン94が配置されている。冷却フィン94は、天板20の下面24と接続されていてよい。冷却フィン94の近傍に冷媒を通過させることで、半導体チップ78が発生した熱を冷媒に受け渡す。これにより、半導体装置70を冷却できる。本例のケース部40は、枠部62、底板64および側壁63を有する。
【0027】
枠部62は、xy面において冷媒流通部92を囲んで配置されている。枠部62は、天板20の下面24に直接または間接に密着して配置されている。つまり、枠部62と、天板20の下面24とは、冷媒流通部92を密閉するように設けられている。枠部62と、天板20の下面24との間には、シール材または他の部材が設けられていてよい。
【0028】
本例では、天板20およびケース部40の間はロウ付けされている。一例として、天板20およびケース部40は、同一組成の金属で形成されており、ロウ材は、天板20等よりも融点の低い金属で形成されている。
【0029】
底板64は、天板20の下面24との間に冷媒流通部92を有して配置されている。側壁63は、枠部62と、底板64とを接続することで、冷媒流通部92を画定する。側壁63は、底板64から天板20に向かって延伸している。本例の側壁63には、冷媒流通部92に冷媒を導入し、または、導出する2つ以上の開口部42が設けられている。開口部42には、冷媒を搬送するパイプ90が接続される。他の例では、開口部42は底板64に設けられていてもよい。
【0030】
天板20とケース部40は、互いを締結するためのネジ等が挿入される貫通孔79が設けられている。貫通孔79は、半導体モジュール100を外部の装置に固定するのに用いられてもよい。貫通孔79は、天板20および枠部62が、直接または間接に密着してz軸方向において重なって配置された領域に設けられている。
【0031】
冷却フィン94は、2つの開口部42の間に設けられている。冷却フィン94を挟んで設けられた一方の開口部42は、冷媒を冷媒流通部92に導入する導入口として機能して、他方の開口部42は、冷媒を冷媒流通部92から導出する導出口として機能する。いずれの開口部42を、導入口および導出口のいずれとして機能させるかは、ユーザーが適宜選択できる。
【0032】
また、冷媒流通部92には、冷媒流通部92を通過する冷媒に圧力損失を発生させる損失付加部30が設けられている。損失付加部30は、冷却フィン94と、2つの開口部42の少なくとも一方との間に配置される。
図1の例では、それぞれの開口部42に対して損失付加部30が設けられている。
【0033】
損失付加部30は、冷媒流通部92を通過する冷媒に圧力損失を発生させることで、冷媒流通部92内における冷媒の流速分布を均一化させる。損失付加部30は、冷却フィン94と開口部42との間における、冷媒流通部92の断面全体にわたって設けられてよい。損失付加部30は、当該断面全体に、冷媒の通過を遮断する遮断部分と、冷媒を通過させる開口部分とがメッシュ状に配置された部材であってよい。損失付加部30で大きな圧力損失を発生させることで、損失付加部30の上流における冷媒の圧力があがり、損失付加部30の面に加わる圧力が均等化される。これにより、損失付加部30のそれぞれの開口部分を通過する冷媒の流速を均等化できる。当該断面全体に損失付加部30を設けることで、冷却フィン94に向かう冷媒全体の流速を均一化させることができる。
【0034】
図2は、冷却フィン94および損失付加部30のxy面における配置例を示す図である。本明細書では、xy面における図を上面図と称する場合がある。また、
図2においては、半導体チップ78を搭載した回路基板76を当該xy面に投影した領域を実線で示している。
【0035】
本例において冷却フィン94とは、天板20の下面24に接続されており、且つ、下面24の下方に突出した構造物である。また、冷却フィン94は、半導体チップ78の下方における当該構造物と、当該構造物から連続して設けられた構造物を含む。また、半導体チップ78の下方における当該構造物と分離していても、当該構造物と同一の形状を有して、所定の間隔で冷媒流通部92に配置された構造物を冷却フィン94に含める。
【0036】
図2の例においては、半導体チップ78の下方には、xy面において波形状を有する構造物95が設けられている。構造物95は、x軸方向に伸びて設けられており、且つ、y軸方向に一定の間隔で配置されている。それぞれの構造物95は、xy面に対してほぼ垂直に設けられた板部材である。本例では、全ての構造物95を冷却フィン94とする。
【0037】
他の例では、冷却フィン94は、xy面に対してほぼ垂直に設けられた柱状の構造物が、所定のパターンでxy面に配置されていてもよい。他の例では、冷却フィン94は、xy面にほぼ平行に設けられた板状の構造物であって、冷媒流路となる開口が設けられた構造物が、z軸方向に積層されたものであってもよい。なお冷却フィン94の構造はこれらに限定されない。冷却フィン94における構造物の具体例は、ブレード(板体)、コルゲートやピンであってよい。ブレードは、ストレート形状や
図2に示したジグザグ形状あるいは波形状であってよい。
【0038】
損失付加部30は、一例として冷媒流通部92における所定のyz断面全体にわたって設けられる。損失付加部30は、ケース部40の第1の側壁63-1から、第1の側壁63-1とは逆側の第2の側壁63-2まで設けられている。損失付加部30は、冷却フィン94とは異なる形状を有している。また、損失付加部30は、冷却フィン94とは分離して設けられてよい。
【0039】
冷却装置10においては、冷却フィン94を除去した場合のケース部40の冷媒流通部92を、一方の開口部42から他方の開口部42まで冷媒が通過したときの圧力損失が5kPa以上となるような、損失付加部30を設けている。圧力損失は、一方の開口部42に導入される冷媒の圧力と、他方の開口部42から排出された冷媒の圧力の差分である。圧力損失は、冷媒としてエチレングリコール50vol%水溶液を用い、温度65℃、流量10L/minの条件で測定される。冷却装置10は、半導体モジュール100または半導体モジュール100が実装される装置が運転される環境において、例えば温度-40~120℃、流量3~20L/minの冷媒を流し使用されてよい。冷媒として、公知の冷媒、一例として水やクーラント(濃度30~70vol%のエチレングリコール水溶液)を用いることができる。
【0040】
図3Aは、冷却フィン94を除去した場合の冷媒流通部92を示す図である。冷却フィン94を除去し、損失付加部30を残した状態で、2つの開口部42の間の圧力損失が5kPa以上となるような損失付加部30を設けている。このような損失付加部30を設けることで、圧力損失は増大するが、冷媒流通部92における冷媒の流速分布を均一化できる。損失付加部30は、冷媒を通過させるそれぞれの開口部分の開口面積が同一であってよい。また、損失付加部30は、開口部分が、yz面において均一に分布してよい。圧力損失が増大しても、冷媒を導入するポンプのパワーが十分大きければ、冷媒流通部92内を冷媒が一定以上の速度で通過できる。
【0041】
冷却フィン94を除去し、損失付加部30を残した状態での、2つの開口部42の間の圧力損失は、10kPa以下であってよく、8kPa以下であってよく、6kPa以下であってもよい。これにより、エネルギー損失が大きくなりすぎることを防げる。
【0042】
図2に示したように、2つの開口部42がx軸方向において対向する位置に設けられていると、2つの開口部42の間の冷媒流路を通過する冷媒の流速が比較的に早くなってしまう。これに対して、損失付加部30を設けることで、冷媒流通部92内における冷媒の流速分布をy軸方向においてほぼ均一にできた。
【0043】
なお、冷却フィン94を通過する場合の冷媒の圧力損失が、損失付加部30を通過する場合の冷媒の圧力損失よりも小さくてよい。損失付加部30が複数設けられている場合、損失付加部30を通過する場合の冷媒の圧力損失は、複数の損失付加部30における圧力損失の総和を用いる。損失付加部30における圧力損失を大きくすることで、冷却フィン94の形状等によらず、冷媒流通部92における冷媒の流速分布を均一化できる。損失付加部30における圧力損失は、冷却フィン94における圧力損失の倍以上であってよく、3倍以上であってもよい。
【0044】
図3Bは、損失付加部30を除去した場合の冷媒流通部92を示す図である。損失付加部30を除去し、冷却フィン94は残している。この状態における2つの開口部42の間の圧力損失を、冷却フィン94の圧力損失として用いてよい。
図3Aに示したような、冷却フィン94を除去し、損失付加部30を残した状態における2つの開口部42の間の圧力損失を、損失付加部30の圧力損失として用いてよい。または、
図2に示したように、冷却フィン94および損失付加部30を残した状態で測定した圧力損失と、
図3Aに示したように、冷却フィン94を除去した状態で測定した圧力損失との差分を、冷却フィン94における圧力損失として用いてもよい。上面視において、冷却フィン94のx軸方向の幅bは、冷却フィン94が設けられた領域以外の冷媒流通部92のx軸方向の幅a1,a2のそれぞれより大きくてよい。つまり、冷媒流通部92において、冷却フィン94前後の、冷却フィン94が設けられた領域以外の冷媒流通部92のそれぞれの容積は、冷却フィン94が占める容積より小さくてよい。幅bは、幅a1とa2の和より大きくてもよい。
【0045】
図4は、2つの開口部42の他の配置例を示す図である。本例の開口部42は、側壁63-1および側壁63-2に設けられている。この場合、開口部42から導入された冷媒は、y軸方向に沿って流れやすくなる。このため、開口部42からy軸方向に離れた位置の冷却フィン94を通過する冷媒の速度が速くなりやすい。このような配置においても、損失付加部30を設けることで、冷媒流通部92内における冷媒の流速分布をy軸方向において均一化することができた。
【0046】
図5は、2つの開口部42の他の配置例を示す図である。本例の開口部42は、x軸方向において冷却フィン94と対向する側壁63-3、63-4において、互いに対向しない位置に配置されている。この場合、開口部42と対向する位置の冷却フィン94を通過する冷媒の速度が速くなりやすい。このような配置においても、損失付加部30を設けることで、冷媒流通部92内における流速分布を均一化することができた。このように、損失付加部30を設けることで、開口部42の配置によらず、冷媒流通部92内における冷媒の流速分布をy軸方向において均一化することができた。
【0047】
図6は、冷却フィン94および損失付加部30の一例を示す斜視図である。本例の冷却フィン94は、xy面において波形状を有する板状の構造物95が、y軸方向に一定の間隔で配列されている。構造物95の間が、冷媒を通過させる冷媒流路として機能する。
【0048】
xy面において、冷却フィン94が設けられた領域の面積は、損失付加部30が設けられた領域の面積よりも大きいことが好ましい。これにより、損失付加部30を設けたことによる、装置サイズの増大を抑制できる。冷却フィン94の面積には、xy面において構造物95の間の冷媒流路の面積を含めてよい。損失付加部30の面積も同様に、構造物の間の冷媒流路の面積を含めてよい。例えば冷却フィン94および損失付加部30の面積とは、xy面において、冷却フィン94に外接する最小の矩形の面積および損失付加部30に外接する最小の矩形の面積を用いてよい。
【0049】
本例では、y軸方向における、冷却フィン94の幅と、損失付加部30の幅は同一である。これに対して、x軸方向における、冷却フィン94の幅は、損失付加部30の幅よりも大きい。x軸方向において、損失付加部30の幅は、冷却フィン94の幅の10%以下であってよく、5%以下であってもよい。
【0050】
図7は、冷却フィン94および損失付加部30の概要を説明する上面図である。本例の冷却フィン94は、複数の構造物95がy軸方向に配列されている。構造物95に挟まれた部分が、冷媒を一方の開口部42側から他方の開口部42側に通過させる冷媒流路96として機能する。本例の損失付加部30は、遮蔽物31と開口32とがy軸方向に交互に配置されている。開口32は、
図2に示したように側壁63-1から、側壁63-2まで、離散的に配置されている。開口32は、z軸方向においても離散的に配置されていてよい。
【0051】
y軸方向において、損失付加部30の開口32の幅W4は、冷却フィン94の冷媒流路96の幅W1よりも小さい。幅W4は、幅W1の半分以下であってよく、1/4以下であってもよい。また、開口32の幅W4は、遮蔽物31の幅W3よりも小さくてよい。幅W4は、幅W3の半分以下であってよく、1/4以下であってよく、1/10以下であってもよい。開口32の幅W4を小さくすることで、損失付加部30における圧力損失を高めることができる。
【0052】
また、開口32が設けられる周期W3+W4は、冷媒流路96が設けられる周期(冷媒流路96の幅W1と、構造物95の幅W2の和W1+W2)以下であってよい。周期W3+W4は、冷媒流路96の幅W1より小さくてよい。周期W3+W4を小さくすることで、全ての冷媒流路96に対して、少なくとも一つの開口32を配置できる。
【0053】
図8は、yz面における損失付加部30の構造例を示す図である。損失付加部30は、yz面に平行な板状の遮蔽物31を有してよい。遮蔽物31は、冷媒流通部92のyz断面の全体にわたって設けられている。遮蔽物31には、開口32が2次元的に離散して設けられている。開口32は、yz面において等間隔に配置されていることが好ましい。また、それぞれの開口32の開口面積は同一であることが好ましい。これにより、yz面において冷媒の流速を均一化できる。等間隔および同一とは、所定の誤差を含んでよい。例えば5%以内の誤差であれば、等間隔または同一としてよい。
【0054】
損失付加部30は、金属板に対して所定のパターンの開口32を打ち抜き形成したものであってよい。他の例の損失付加部30は、金属等のワイヤーを交差させることで形成してもよく、プラスチックで形成してもよく、繊維で形成してもよい。
【0055】
図9は、損失付加部30の他の配置例を示す上面図である。本例においては、少なくとも一つの開口部42と、冷却フィン94との間において、複数の損失付加部30がx軸方向において配列されている。それぞれの損失付加部30の構造は、例えば
図8に示した構造と同一である。それぞれの損失付加部30は、x軸方向において離れて配置されてよい。それぞれの損失付加部30において、yz面における開口32の位置が異なっていてもよい。このような構造により、損失付加部30における圧力損失の総和を増大させることができる。なお、一つの損失付加部30のx軸方向の厚みは、1mm以下であってよい。
【0056】
また、2つの開口部42の開口面積S1、S2は異なっていてよい。開口面積の大きい方の開口部42に対応する1つ以上の損失付加部30の圧力損失の総和は、開口面積の小さい方の開口部42に対応する1つ以上の損失付加部30の圧力損失の総和よりも大きくてよい。これにより、流速のばらつきが生じやすい側における圧力損失を大きくして、流速のばらつきを低減できる。また、開口面積の大きい方の開口部42に対して損失付加部30を設け、開口面積の小さい方の開口部42に対しては損失付加部30を設けなくともよい。
【0057】
また、少なくとも一部の損失付加部30は、冷媒流通部92から脱着可能であってよい。これにより、開口部42と冷却フィン94との間に設ける損失付加部30の枚数を調整でき、発生させる圧力損失を調整できる。
【0058】
図10は、本発明の一つの実施形態に係る車両200の概要を示す図である。車両200は、少なくとも一部の推進力を、電力を用いて発生する車両である。一例として車両200は、全ての推進力をモーター等の電力駆動機器で発生させる電気自動車、または、モーター等の電力駆動機器と、ガソリン等の燃料で駆動する内燃機関とを併用するハイブリッド車である。
【0059】
車両200は、モーター等の電力駆動機器を制御する制御装置210(外部装置)を備える。制御装置210には、半導体モジュール100が設けられている。半導体モジュール100は、電力駆動機器に供給する電力を制御してよい。車両200は、バス、重機、トラック等の大型車両であってよい。この場合、冷媒を冷却装置10に供給するポンプとして大型のポンプを用いることが容易になり、圧力損失の大きい冷却装置10に冷媒を容易に供給できる。
【0060】
図11は、本発明の一つの実施形態に係る半導体モジュール100の主回路図である。半導体モジュール100は、車両のモーターを駆動する車載用ユニットの一部であってよい。半導体モジュール100は、出力端子U、VおよびWを有する三相交流インバータ回路として機能してよい。
【0061】
半導体チップ78‐1、78‐2および78‐3は半導体モジュール100における下アームを、複数の半導体チップ78‐4、78‐5および78‐6は半導体モジュール100における上アームを構成してよい。一組の半導体チップ78‐1、78-4はレグを構成してよい。一組の半導体チップ78‐2、78-5、一組の半導体チップ78‐3、78-6も同様にレグを構成してよい。半導体チップ78‐1においては、エミッタ電極が入力端子N1に、コレクタ電極が出力端子Uに、それぞれ電気的に接続してよい。半導体チップ78‐4においては、エミッタ電極が出力端子Uに、コレクタ電極が入力端子P1に、それぞれ電気的に接続してよい。同様に、半導体チップ78‐2、78-3においては、エミッタ電極がそれぞれ入力端子N2、N3に、コレクタ電極がそれぞれ出力端子V、Wに、電気的に接続してよい。さらに、半導体チップ78‐5、78‐6においては、エミッタ電極がそれぞれ出力端子V、Wに、コレクタ電極がそれぞれ入力端子P2、P3に、電気的に接続してよい。
【0062】
各半導体チップ78‐1から78‐6は、半導体チップ78の制御電極パッドに入力される信号により交互にスイッチングされてよい。本例において、各半導体チップ78はスイッチング時に発熱してよい。入力端子P1、P2およびP3は外部電源の正極に、入力端子N1、N2およびN3は負極に、出力端子U、V,およびWは負荷にそれぞれ接続してよい。入力端子P1、P2およびP3は互いに電気的に接続されてよく、また、他の入力端子N1、N2およびN3も互いに電気的に接続されてよい。
【0063】
半導体モジュール100において、複数の半導体チップ78‐1から78‐6は、それぞれRC‐IGBT(逆導通IGBT)半導体チップであってよい。RC‐IGBT半導体チップにおいて、IGBTおよび還流ダイオード(FWD)は一体形成され、且つ、IGBTおよびFWDは逆並列に接続されてよい。複数の半導体チップ78‐1から78‐6は、それぞれMOSFETやIGBTなどのトランジスタとダイオードとの組み合わせを含んでよい。トランジスタおよびダイオードのチップ基板は、シリコン基板、炭化けい素基板や窒化ガリウム基板であってよい。
【0064】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0065】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0066】
10・・・冷却装置、20・・・天板、22・・・上面、24・・・下面、30・・・損失付加部、31・・・遮蔽物、32・・・開口、40・・・ケース部、42・・・開口部、62・・・枠部、63・・・側壁、64・・・底板、70・・・半導体装置、72・・・収容部、74・・・封止部、76・・・回路基板、78・・・半導体チップ、79・・・貫通孔、90・・・パイプ、92・・・冷媒流通部、94・・・冷却フィン、95・・・構造物、96・・・冷媒流路、100・・・半導体モジュール、200・・・車両、210・・・制御装置