(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140850
(43)【公開日】2022-09-28
(54)【発明の名称】衣類ハンガー
(51)【国際特許分類】
D06F 57/00 20060101AFI20220920BHJP
A47G 25/52 20060101ALI20220920BHJP
A47G 25/28 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
D06F57/00 350
A47G25/52
A47G25/28 Z
D06F57/00 380
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040880
(22)【出願日】2021-03-14
(71)【出願人】
【識別番号】312014867
【氏名又は名称】黒田 まさみ
(72)【発明者】
【氏名】黒田 哲正
(72)【発明者】
【氏名】黒田 まさみ
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA15
3K099CA55
3K099CA58
3K099CB34
3K099DA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】部品点数を少なくして一度に全てのピンチを解放できる衣類ハンガーを提供することができる。
【解決手段】衣類ハンガー10は、略水平に配置された棒状体23を有して略山型に形成された弾性体からなるハンガー本体部20と、この棒状体23に嵌装された複数のピンチ30とから構成されている。ハンガー本体部20は棒状体23と、ショルダー部24-1・24-2と、押圧部26-1・26-2と、フック21とを有する連続体で形成されている。ハンガー本体部20には、棒状体23の一方の端に第一の本体端部25-1が設けられ、ハンガー本体20の他端にある第二の本体端部25-2の間にはスライド部が設けてある。押圧部26-1・26-2を握って押圧すると、第一の本体端部25-1がスライド部でスライドする。これにより、複数のピンチ30を挟圧し、複数のピンチ全部30を一度に開くことができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略水平に配置された棒状体を有する弾性体からなるハンガー本体部と、この棒状体に嵌装された複数のピンチとから構成され、このハンガー本体部はこの棒状体と、ショルダー部と、押圧部と、フックとを有する連続体で形成され、このハンガー本体部はこの棒状体の一方の端部とハンガー本体部の他方の端部の間にスライド部を構成し、この押圧部を押圧すると、このスライド部においてこの棒状体がハンガー本体部の他の端部にたいしてスライドし、これらの複数のピンチを挟圧し、複数のピンチ全部が一度に開くことを特徴とする衣類ハンガー。
【請求項2】
請求項1の衣類ハンガーのハンガー本体部は一本の金属線で構成され、この棒状体の第一の本体端部から始まり、棒状体、第一のショルダー部、第一の押圧部、フックを介して、第二の押圧部、第二のショルダー部、第二の本体端部まで連続して形成され、第二の本体端部に設けた第一の本体端部挿入孔に第一の本体端部をスライド可能に挿入したことを特徴とする衣類ハンガー。
【請求項3】
略水平に配置された棒状体を有して弾性体からなるハンガー本体部と、この棒状体に嵌装された複数のピンチとから構成され、このハンガー本体部は金属線で、棒状体と、ショルダー部と、押圧部と、フックとを含んで形成され、このフックは根元から先端に渡って金属線を往復させて形成し、このハンガー本体部はこの棒状体の一方の端部にスライド部を有し、この押圧部を押圧すると、このスライド部がスライドし、これらの複数のピンチを挟圧し、複数のピンチ全部が一度に開くことを特徴とするハンガー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、衣類を掛けて収納したり、洗濯物を吊り下げて乾燥したりする衣類ハンガーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、洗濯物を乾燥させる場合は角形や丸型の枠体に多数のピンチを吊り下げた衣類ハンガーを用いていた。しかしながら、従来の衣類ハンガーでは、洗濯物を取り込む時、それぞれの洗濯物を挟んだピンチを一つひとつ開かなければならず、大変煩わしかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7-255995
【特許文献2】特許5543561
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の従来技術は、洗濯物を一度に外そうとするものであるが、洗濯物を挟むときにピンチを開くときは、ピンチの端部でなく、ピンチの支点に近い側を指で押圧しなければならなかった。このため、ピンチの支点に近い側を指で押圧するには、より大きな力が必要になるという問題点があった。さらに、この従来技術では、洗濯物を挟むとき、衣類ハンガーの本体の枠体と洗濯物の間の狭い空間に指を挿入しなければならず、操作性に難点があった。
【0005】
この問題点を解決するため、特許文献2の技術が開示された。しかしながら、この技術であっても、構成部品点数が多く、また、ハンガー本体を構成する樹脂部品を成型するには大きな金型が必要であり、初期投資額が大きくなるという問題点があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
略水平に配置された棒状体を有する弾性体からなるハンガー本体部と、この棒状体に嵌装された複数のピンチとから構成され、このハンガー本体部はこの棒状体と、ショルダー部と、押圧部と、フックとを有する連続体で形成され、このハンガー本体部はこの棒状体の一方の端部とハンガー本体部の他方の端部の間にスライド部を構成し、この押圧部を押圧すると、このスライド部においてこの棒状体がハンガー本体部の他の端部に対してスライドし、これらの複数のピンチを挟圧し、複数のピンチ全部が一度に開くことを特徴とする衣類ハンガー。
【0007】
上記のハンガー本体部は一本の金属線で構成され、この棒状体の第一の本体端部から始まり、棒状体、第一のショルダー部、第一の押圧部、フックを介して、第二の押圧部、第二のショルダー部、第二の本体端部まで連続して形成され、第二の本体端部に設けた第一の本体端部挿入孔に第一の本体端部をスライド可能に挿入したことを特徴とする衣類ハンガー。
【0008】
略水平に配置された棒状体を有して弾性体からなるハンガー本体部と、この棒状体に嵌装された複数のピンチとから構成され、このハンガー本体部は連続した金属線で形成し、ショルダー部と、押圧部と、フックとを含んだ連続体で形成され、このフックは根元から先端に渡って金属線を往復させて形成し、このハンガー本体部はこの棒状体の一方の端部にスライド部を有し、この押圧部を押圧すると、このスライド部がスライドし、これらの複数のピンチを挟圧し、複数のピンチ全部が一度に開くことを特徴とするハンガー。
【発明の効果】
【0009】
上記の問題点を解決でき、部品点数を少なくして一度に全てのピンチを解放できる衣類ハンガーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】第一の実施形態の衣類ハンガーを示す正面図である。背面図は正面図と対称に表れる。
【
図2】第一の実施形態の衣類ハンガーを示す左側面図、右側面図、平面図、底面図、拡大図である。
【
図3】第一の実施形態の衣類ハンガーの操作方法を示す正面図である。
【
図4】第二の実施形態の衣類ハンガーを示す正面図である。背面図は正面図と対称に表れる。
【
図5】第二の実施形態の衣類ハンガーを示す左側面図、右側面図、平面図、底面図、拡大図である。
【
図6】第三の実施形態の衣類ハンガーを示す正面図である。背面図は正面図と対称に表れる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1から
図3に示す第一の実施形態の衣類ハンガーは、略水平に配置された棒状体23を有して略山型に形成された弾性体からなるハンガー本体部20と、この棒状体23に嵌装された複数のピンチ30とから構成されている。ハンガー本体部20は棒状体23と、ショルダー部24と、押圧部26と、フック21とを有する連続体で形成されている。
【0012】
ハンガー本体部20には、棒状体23の一方の端に第一の本体端部25-1が設けられ、ハンガー本体20の他端にある第二の本体端部25-2にはスライダー60が設けてある。スライダー60には第二の本体端部挿入孔62が設けられ、第二の本体端部25-2が挿入・固着されている。
【0013】
また、スライダー60には、第一の本体端部挿入孔61も設けられ、第一の本体端部25-1がスライド可能に挿入され、スライド部を構成している。ハンガー本体部20はステンレススチールや鉄等の一本の金属のワイヤーで構成され、この棒状体23の第一の本体端部25-1から始まり、棒状体23、第一のショルダー部24-1、第一の押圧部26-1、フック21、第二の押圧部26-2、第二のショルダー部24-2、第二の本体端部25-2まで連続して形成されている。このようにハンガー本体部20は一本の金属線を折り曲げるだけで形成できる利点があるが、機械設備の都合により途中で接続して形成することもできる。例えば、
図6のように、フック先端部21Aで、溶接、ロウ付け、あるいは捩じったりカシメたりして接合してもよい。
【0014】
図3のように、押圧部26を握って押圧すると、第一の本体端部25-1がスライダー60に対しスライドする。これにより、複数のピンチ30を挟圧し、複数のピンチ30全部を一度に開くことができる。なお、抜け止め66が第一の本体端部25-1の端に挿入され、棒状体23が第一の本体端部挿入孔61から脱落しないようにしている。また、複数のピンチ30の間にはスペーサー40が嵌装されている。
【0015】
フック21は、その根元から先端にワイヤーが往復し、先端で折り返して形成してある。従って、押圧部26を押圧した場合、フック21の全体が撓んで曲げ変形に寄与し、応力が分散する。そして、金属線は弾性域内で変形し、永久変形を避けることができる。一方、ピンチ30を挟圧するには、ショルダー部26,棒状体23に十分な剛性が必要であるので、ハンガー本体20のワイヤー剛性を上げる必要がある。ワイヤー剛性を上げると押圧部26を押圧するのに必要な操作力が大きくなるが、このようなフック21の構成でバネ定数を低くすることにより、操作力を低くすることができる。
【0016】
図4,
図5に示す第二の実施形態の衣類ハンガーでは、フック21をハンガー本体部20と同一平面内で屈曲させて形成してある。また、スライダー60を省略し、第二の本体端部25-2でワイヤーを曲げて第一の本体端部挿入孔61を形成している。材料と製造コストを節約し、劣化も減少させることができる。また、衣類ハンガー10を積み重ねたとき、厚みを減少させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0017】
家庭用の衣類ハンガーに限らず、農水産物や日用品や工業製品ように衣類以外のものを吊り下げたり外したりするものに広く利用可能であり、棒状体を水平でなく斜めや縦にして利用することも可能である。
【符号の説明】
【0018】
10は衣類ハンガー
20はハンガー本体
21はフック
21Aはフック先端部
23は棒状体
24はショルダー部
24-1は第一のショルダー部
24-2は第二のショルダー部
25は本体端部
25-1は第一の本体端部
25-2は第二の本体端部
26は押圧部
26-1は第一の押圧部
26-2は第二の押圧部
30はピンチ
31は挟持体
32は嵌装孔
33は支点
34は挟持部
35はバネ
36は操作部
40はスペーサー
60はスライダー
61は第一の本体端部挿入孔
62は第二の本体端部挿入孔
66は抜け止め