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特開2022-140853除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器
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  • 特開-除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器 図1
  • 特開-除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器 図2
  • 特開-除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器 図3
  • 特開-除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器 図4
  • 特開-除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140853
(43)【公開日】2022-09-28
(54)【発明の名称】除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器
(51)【国際特許分類】
   A47G 19/00 20060101AFI20220920BHJP
   A01N 25/08 20060101ALI20220920BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20220920BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A47G19/00 Z
A01N25/08
A01N59/16 A
A01P3/00
A47G19/00 G
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021055872
(22)【出願日】2021-03-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0033052
(32)【優先日】2021-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516133652
【氏名又は名称】銀未来株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】平井 明
【テーマコード(参考)】
3B001
4H011
【Fターム(参考)】
3B001AA02
3B001CC36
3B001CC38
3B001DB20
4H011AA02
4H011BB18
4H011CC01
4H011CD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された容器を提供すること。
【解決手段】容器本体部の表面の一部又は全部にサンドブラスト又はサンドペーパーを使用して凹凸領域部5を形成し、水に銀塩類化合物の粉末を添加、溶解させて製造した銀塩類溶解液を塗布し、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して、凹凸領域部5の表面上に焼結銀含有表面層10を形成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体部、前記容器本体部の表面の一部又は全部に焼結銀含有表面層を具備する除菌用容器の製造方法であり、
前記容器本体部の表面の一部又は全部にサンドブラスト又はサンドペーパーを使用して凹凸領域部を形成する第1段階と、水に銀塩類化合物の粉末を添加して溶解させて、銀塩類溶解液を製造する第2段階と、前記第1段階が終了した前記容器本体部の表面の一部又は全部に形成された凹凸領域部に、前記第2段階の銀塩類溶解液を塗布する第3段階と、前記容器本体部の表面の一部又は全部に形成された凹凸領域部に塗布された銀塩類溶解液を、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して、前記容器本体部の表面の一部又は全部に形成された凹凸領域部の表面上に焼結銀含有表面層を形成する第4段階とを含むことを特徴とする除菌用容器の製造方法。
【請求項2】
容器本体部の表面の一部又は全部に焼結銀含有表面層を具備する除菌用容器であり、
前記容器本体部の表面の一部又は全部に凹凸領域部が形成され、水に銀塩類化合物の粉末を添加して溶解させた銀塩類の溶解液を、前記凹凸領域部上に塗布して、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して、前記凹凸領域部の表面上に焼結銀含有表面層が形成されることを特徴とする除菌用容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器に関するものであり、より詳細には、凹凸領域部上に形成された焼結銀含有表面層を備える除菌用カップの製造方法及びこれにより製造された除菌用カップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的な食品容器、例えば、真空ボトル・水筒など携帯型の水・飲料の容器において内容水を飲用するとき、人の唇が触れる部位の汚染や、時には飲用者の唾液や手指などに付いている雑菌類・口内菌(ストレプトコッカス・ミュータンス)などが 水筒における内部の水に混入・付着されることにより、水筒内に雑菌類が増殖したりする弊害が指摘される。
また、水筒内の大腸菌などの有害食中毒菌またはストレプトコッカス・ミュータンスが付着したり、腐敗菌が増殖したりする危険性が指摘され、これらの菌の増殖を防止したり、また、死滅排除させるための効果的機能を維持した水筒類の研究が進められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2017-0075633号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記のような従来技術の問題点と、過去から要求されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0005】
本発明は、サンドペーパーやサンドブラストによって形成された凹凸領域部上に、焼結銀含有表面層を備える除菌用容器の製造方法及びこれにより製造された除菌用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、容器本体部、前記容器本体部の表面の一部又は全部に焼結銀含有表面層を具備する除菌用容器の製造方法であり、前記容器本体部の表面の一部又は全部にサンドブラスト又はサンドペーパーを使用して凹凸領域部を形成する第1段階と、水に銀塩類化合物の粉末を添加して溶解させて、銀塩類溶解液を製造する第2段階と、前記第1段階が終了した前記容器本体部の表面の一部又は全部に形成された凹凸領域部に、前記第2段階の銀塩類溶解液を塗布する第3段階と、前記容器本体部の表面の一部又は全部に形成された凹凸領域部に塗布された銀塩類溶解液を、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して、前記容器本体部の表面の一部又は全部に形成された凹凸領域部の表面上に焼結銀含有表面層を形成する第4段階とを含む。
【0007】
前記容器本体部の材質は、金属、ガラス、セラミックから選択されたいずれか一つを使用することができる。
【0008】
前記第2段階の銀塩類溶解液には、タルク粉末を含むことができる。
【0009】
本発明の他の実施形態は、容器本体部の表面の一部又は全部に焼結銀含有表面層を具備する除菌用容器であり、前記容器本体部の表面の一部又は全部に凹凸領域部が形成され、水に銀塩類化合物の粉末を添加して溶解させた銀塩類の溶解液を、前記凹凸領域部上に塗布して、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して、前記凹凸領域部の表面上に焼結銀含有表面層が形成される。
【発明の効果】
【0010】
本発明の除菌用容器の製造方法によれば、除菌用容器本体部の内側に除菌能力を持つ焼結銀皮膜を形成して非常に優れた除菌力を有する。また、本発明によれば、除菌用容器内の飲料が焼結銀含有表面層と接触して、銀イオンの溶出によって、銀イオンを含有する飲料が、口腔内の有害菌を除菌することができる。特に、1分~5分以内に銀イオンが溶出され、飲料の中で溶出された銀イオンによって、口腔内または体内で除菌効果がある。さらに、体内の酸素分子の超微細化現象に起因する酸素供給効果で除菌効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本発明の除菌用容器の側面図を示す。
図2図2は、本発明の除菌用容器の断面図を示す。
図3図3は、容器本体部の内側の一部に形成された凹凸領域部に焼結銀含有表面層を積層するプロセスを示す。
図4図4は、容器本体部の内側の一部に形成された凹凸領域部をサンドペーパー及びサンドブラストで製造する概略図を示す。
図5図5は、容器本体部の内側の一部又は全部に形成され凹凸領域部に焼結銀含有表面層を積層する段階のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施できる程度に詳細に説明するために、本発明の最も好ましい実施例を、添付図面を参照して説明する。また、本発明を説明するに当たり、関連した公知の構成または機能に対して、その詳細な説明は省略する。
【0013】
本発明は、容器本体部の表面の一部または全部に焼結銀含有表面層を含む除菌用容器の製造方法に関するものである。以下で、本発明の除菌用容器の製造方法について具体的に説明する。
【0014】
図1は、本発明の除菌用容器の側面図であり、図2は、本発明の除菌用容器の断面図である。図2(a)は、容器本体部の内側の一部に形成された凹凸領域部に焼結銀含有表面層を備えた除菌用容器の断面図を示し、図2(b)は、容器本体部の内側の全部に形成され凹凸領域部に焼結銀含有表面層を備えた除菌用容器の断面図を示す。図3は、容器本体部の内側の一部に形成された凹凸領域部に焼結銀含有表面層を積層する方法を示す概略図であり、図4は、容器本体部の内側の一部に形成された凹凸領域部をサンドペーパー及びサンドブラストで製造する概略図を示す。 図5は、容器本体部の内側の一部又は全部に形成され凹凸領域部に焼結銀含有表面層を積層する段階を示すフローチャートである。
【0015】
本発明の除菌用容器を製造するためには、4つの段階を含むことができる。すなわち、本発明の除菌用容器の製造方法は、容器本体部の表面の一部または全部にサンドブラストまたはサンドペーパーを使用して凹凸領域部を形成する第1段階S10と、水に銀塩類化合物の粉末を添加して溶解させて、銀塩類溶解液を製造する第2段階S20と、前記第1段階が終了した前記容器本体部の表面の一部または全部に形成された凹凸領域部に、前記第2段階の銀塩類溶解液を塗布する第3段階S30と、前記容器本体部の表面の一部または全部に形成された凹凸領域部に塗布された銀塩類溶解液を、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して、前記容器本体部の表面の一部または全部に形成された凹凸領域部の表面上に焼結銀含有表面層を形成する第4段階S40とを含む。本発明の除菌用容器の例は、飲料水を保管する水筒、タンブラー、コップ、食品を保管する食品容器のいずれか1つである。
【0016】
サンドペーパーを使用して凹凸領域部5を形成する第1段階S10は、表面粒度が大きいサンドペーパーで容器本体部の表面を研磨する第1工程S11を行った後、前記第1工程を行った部分に第1工程で使用したサンドペーパーよりも表面粒度が小さいサンドペーパーで研磨する第2工程S12を行うことができる。例えば、第1工程は、10 grit以上100 grit未満のサンドペーパーで凹凸領域部5を形成し、第2工程は、200 grit以上1,000 grit未満のサンドペーパーで表面を平坦化することができる。但し、第1工程よりも第2の工程を長くすれば、形成された凹凸がすべて平坦化されやすいため、第1工程と第2工程を同じ圧力で行う場合、第1工程の加工時間よりも第2工程の加工時間を少なくして、例えば、第2工程の加工時間を第1工程の加工時間より10%~30%で行うことが望ましい。
【0017】
図4(a)で表すように、サンドペーパーは、カップの内径よりも小さい外径を有する電動サンダー機30を利用して研磨することができる。電動サンダー機30の外側にサンドペーパーを付着して電動サンダー機を回転して容器本体部の内側に凹凸領域部を形成することができる。
【0018】
一方、図4(b)で表すように、前記第1段階でサンドブラストを使用して凹凸領域部5を形成する段階は、圧縮機40から供給される高圧の空気を使用して、砂の粒子を噴射して、前記噴射された砂の粒子が容器本体部の表面の一部または全部を研磨することができる。コンプレッサから供給される空気の圧力は、カップの表面に凹凸を形成することができるほどであればよく、例えば、1bar~10barの圧力を使用することができるが、これに限定されるものではない。ここで、砂の粒子の代わりに、セラミック粒子、金属粒子等を使用することもできる。ここで、圧縮機40の空気と砂の粒子が噴射するノズルの噴射方向は、コップの上から斜めであることが望ましい。例えば、コップの側面と平行な方向を0°で、コップの側面と垂直な方向を90°で定義した場合、ノズルの噴射方向をコップの上から30°~45°で噴射することが特に望ましい。この範囲で、90°で噴射された場合に比べて、コップの側面に刻まれた凹凸の中で、凹み部分の深さ方向が下の方へ斜めになり、その結果で銀塩類溶解液がより多くコップの側面に塗布されるようになり、焼結後に高い濃度で銀焼結された効果がある。
【0019】
サンドペーパーやサンドブラストを使用して凹凸領域部5を形成した後、凹凸領域部5に洗浄工程及び乾燥工程を行い、凹凸領域部5に残った汚染物質を除去することができる。
【0020】
本発明の容器本体部の表面の一部または全部にサンドブラストまたはサンドペーパーを使用して凹凸領域部5を形成することにより、凹凸領域部5上に形成された焼結銀含有表面層の除菌効果を高めることができる長所がある。特に、容器本体部の表面の側面の一部または全部にサンドブラストまたはサンドペーパーを使用して凹凸領域部5を形成することにより、焼結銀含有表面層の除菌効果をさらに高めることができる。本発明の焼結銀含有表面層を形成するためには、銀塩類溶解液を容器本体部の表面に塗布して400℃~1000℃の温度、または440℃~500℃の温度で焼結する必要がある。銀塩類溶解液を容器本体部の表面に塗布する際、容器本体部の表面が同じ条件であれば、容器本体部の表面における単位面積当たりに塗布される銀塩類溶解液の量は決まっている。一方、容器の表面が平らである場合より凹凸である場合が、その表面積は増加することになり、塗布された銀塩類溶解液の量も増えることになる。そのため、焼結銀含有表面層が形成された後、水との接触面積は増加することになって除菌効果が高くなる。また、銀塩類溶解液は液体であるため、容器本体部の側面に銀塩類溶解液を塗布すると、塗布された銀塩類溶解液は、側面で容器本体部の底面へ流れてしまう傾向がある。ここで、容器本体部の側面、例えば内側及び外側の少なくとも一つに凹凸領域部5を形成することにより、凹凸領域部5に形成された凸面と凹面にかけて銀塩類溶解液は接することになる。それは、容器本体部の側面が平らな場合に比べて、より多くの銀塩類溶解液が塗布され、高温で濃度が高い銀塩類溶解液を焼結する効果になる。濃度が高い銀塩類溶解液であるほど、焼結後に銀除菌効果が大きくなるため、同じ濃度の銀塩類溶解液を使用しても容器の側面が平らな場合より凹凸領域部を有する方がより除菌効果が高くなる。図2図4には、容器本体部の側面の内側だけが凹凸領域部が形成されているが、容器本体部の内側及び外側に凹凸領域部が形成されることもできる。外側に凹凸領域部が形成されることで、容器本体部を手で握る際に除菌効果や手の滑り易さも防止できる。
【0021】
本発明は、第1段階の後、凹凸領域部5に銀塩類溶解液を均一に塗布するため、凹凸領域部5上に親水性処理をすることができる。微細な凹凸領域部5に銀塩類溶解液の広がり性を向上させるための親水性処理を行う。親水性処理は、銀塩類溶解液を塗布する前に凹凸領域部5にプラズマ処理、親水剤よる処理などの公知の方法を介して達成することができる。
【0022】
水に銀塩類化合物の粉末を添加して溶解させて、銀塩類溶解液を製造する第2段階S20は、水100重量部に銀塩類化合物の粉末1~30重量部添加することができる。この場合、製造された除菌用容器は、水との接触によって溶出される銀イオンの効果を十分発揮することができる。銀塩類化合物は、炭酸銀、塩素酸銀、塩化銀、クロム酸銀、バナジウム酸銀、マンガン酸銀、硝酸銀、亜硝酸銀、過塩素酸銀、リン酸銀、酢酸銀からなるグループから選択された1種または2種以上の化合物を使用することができ、好ましくは硝酸銀を使用することができる。
【0023】
前記第2段階の銀塩類溶解液を、前記第1段階が終了した容器本体部の表面の一部または全部に形成された凹凸領域部5に塗布する第3段階S30は、容器本体部を銀塩類溶解液に含浸して塗布層を形成するか、容器本体部の内部のみ銀塩類の溶解液を注入し、その後に前記注入された銀塩類溶解液を容器本体部の内部から外部へ移動させて塗布層を形成するか、又は銀塩類溶解液をスプレーで容器本体部の内側に噴射して塗布層を形成することができる。
【0024】
容器本体部の表面の一部または全部に形成された凹凸領域部5の表面上に焼結銀含有表面層を形成する第4段階S40は、前記容器本体部の表面の一部または全部に形成された凹凸領域部5に塗布された銀塩類溶解液を、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して達成することができる。ここで、銀塩類溶解液をコーティングして焼結銀含有表面層を形成するためには、加熱工程が必要である。例えば、硝酸銀の融点は212℃であり、硝酸が分解される温度は440℃である。したがって、焼結温度で硝酸銀が分解することができる440℃~1000℃の温度を使用することができる。前記窒素雰囲気は、窒素含有量が99vol%以上100vol%以下であり、好ましくは、窒素含有量が100vol%で焼結する。前記酸素雰囲気は、例えば、大気で焼結を行う。
【0025】
前記容器本体部の材質は、金属、ガラス、セラミックから選択されたいずれか一つであることを利用することができる。金属は、ステインレス、チタンなどを使用することができる。ガラスの場合、焼結温度をガラスの融点よりも低く使用することが望ましい。
【0026】
前記第2段階の銀塩類溶解液には、タルク粉末を含むことができる。前記タルク粉末の粒子の直径は1μm~20μmを使用することができる。前記タルクは、タルクを粉末にしたものであり、成分組成は、3MgO・4SiO・H2Oである。銀塩類溶解液100重量部にタルク粉末1重量部~5重量部を使用することができる。タルク粉末を含む塩類溶解液を凹凸領域部5に塗布した場合、タルク粉末と凹凸領域部5との間に銀塩類溶解液は、界面を形成するようになり、より多くの銀塩類溶解液が塗布されることで、高温で焼結した後、高い除菌効果を得ることができる。また、タルク粉末に親水性の処理を行い、銀塩類溶解液がタルク粉末の表面で広がり性を良くすることができる。
【0027】
本発明は、容器本体部の表面の一部または全部に焼結銀含有表面層を具備する除菌用容器である。ここで、上述した製造方法によって、除菌用容器を製造することができる。例えば、前記容器本体部の表面の一部または全部に凹凸領域部が形成され、水に銀塩類化合物の粉末を添加して溶解させた銀塩類の溶解液を、前記凹凸領域部上に塗布して、窒素雰囲気下又は酸素雰囲気下で400℃~1000℃の温度で焼結して、前記凹凸領域部の表面上に焼結銀含有表面層を形成することができる。ここで、除菌用容器は、除菌用コップ、除菌用タンブラー、除菌用食品容器などであるがこれに限定されない。
【0028】
前述した本願の説明は、例示のためのものであり、本明細書が属する技術分野の通常の知識を有する者は、本明細書の技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形で容易に変形が可能であることを理解できる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。
【0029】
本願の範囲は、前記の詳細な説明ではなく、後述する特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味と範囲、およびその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本明細書の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0030】
5:凹凸領域部
10、20:焼結銀含有表面層
30:電動サンダー機
40:サンドブラスト
70、80、90:容器本体部
100、200、300:除菌用容器

図1
図2
図3
図4
図5