(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140906
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】遊技台
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 602A
A63F5/04 650
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040965
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】597044139
【氏名又は名称】株式会社大都技研
(74)【代理人】
【識別番号】100107102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉延 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100164242
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 直人
(72)【発明者】
【氏名】清水 一馬
(72)【発明者】
【氏名】朝倉 洵
(72)【発明者】
【氏名】松山 進
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 泰典
【テーマコード(参考)】
2C182
2C518
【Fターム(参考)】
2C182CB10
2C518CA03
2C518EA02
2C518EB01
2C518EB07
2C518EB08
2C518EB16
2C518EC15
2C518EC17
2C518EC22
2C518EC26
(57)【要約】
【課題】演出を実行可能な遊技台において遊技の興趣を向上させる。
【解決手段】回転駆動される複数のリールと、前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられた複数のストップボタンと、前記複数のストップボタンの上側に設けられた表示手段と、遊技者の操作を受け付け可能な受付部と、を備えた遊技台であって、前記受付部は、前記表示手段の上、横の少なくともいずれかの側に設けられたものであり、前記表示手段は、前記受付部が受け付けた操作に基づいて表示内容を変化させるものである、ことを特徴とする遊技台。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動される複数のリールと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられた複数のストップボタンと、
前記複数のストップボタンの上側に設けられた表示手段と、
遊技者の操作を受け付け可能な受付部と、
を備えた遊技台であって、
前記受付部は、前記表示手段の上、横の少なくともいずれかの側に設けられたものであり、
前記表示手段は、前記受付部が受け付けた操作に基づいて表示内容を変化させるものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に、前記受付部への操作に要する遊技者の手の移動方向と同じ方向に、所定の画像を移動する様子を表示させることが可能なものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に表示内容の変化の情報である所定の情報が予約されている場合には、該所定の情報に基づいて表示内容を変化させるものであり、
前記表示手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に前記所定の情報が予約されていない場合でも、表示内容を変化させる場合があるものである、
ことを特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の遊技台であって、
前記受付部は、操作の受け付けにあたって振動の検知結果を用いるものである、
ことを特徴とする遊技台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スロットマシンに代表される遊技台では、ストップボタンを用いて遊技を行う(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の遊技台では、遊技の興趣を向上させるための演出が実行される場合があるが、その構成には改良の余地がある。
【0005】
本発明は、演出を実行可能な遊技台において遊技の興趣を向上させることができる遊技台の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の遊技台は、
回転駆動される複数のリールと、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられた複数のストップボタンと、
前記複数のストップボタンの上側に設けられた表示手段と、
遊技者の操作を受け付け可能な受付部と、
を備えた遊技台であって、
前記受付部は、前記表示手段の上、横の少なくともいずれかの側に設けられたものであり、
前記表示手段は、前記受付部が受け付けた操作に基づいて表示内容を変化させるものである、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技台によれば、演出を実行可能な遊技台において遊技の興趣を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【
図3】(A)は、
図1に示すスロットマシン100の上部を示す正面図であり、(B)は、
図3(A)のA-A線の断面において振動センサ450周辺を示す図である。
【
図4】
図3(B)の状態を構成する部品を示す図である。
【
図5】(A)は、振動センサ450とリブ102TRを示す斜視図であり、(B)は、振動センサ450とリブ102TRの接触の状態を示す斜視図である。
【
図6】振動センサ450周辺の構成について、
図3(B)とは異なる一例を示す図である。
【
図7】(A)は、振動センサ450が振動を検知したことに基づく演出の一例を示す図であり、(B)は、(A)に示す構成を採用した場合の動作の一例を示す図である。
【
図8】(A)は、演出画像表示装置157の横側に振動センサ450を設けた構成の一例を示す図であり、(B)は、(A)の振動センサ450が振動を検知した場合の演出の一例を示す図である。
【
図9】(A)は、振動が検知された場合の一例を示す図であり、(B)は、振動が検知されない場合の一例を示す図である。
【
図10】(A)は、通常の背景画像が表示されている状態で振動を検知した場合のチェック演出の一例を示す図であり、(B)は、割込演出が実行されている状態で振動を検知した場合のチェック演出の一例を示す図である。
【
図11】音量低下状態となる流れの一例を示す図である。
【
図12】音量低下状態となる流れの一例を示す図である。
【
図13】音量低下状態が解除される流れの一例を示す図である。
【
図14】音量低下状態が解除される流れの一例を示す図である。
【
図15】前面扉102の開閉に伴う動作の流れの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、
図1~
図18を用いて、本発明の遊技台の実施形態に係るスロットマシンについて説明する。なお、
図1~
図18に示す符号は、原則として
図1~
図18を用いた説明にのみ用いることとし、重複する符号が他の図面に示されている場合であっても、
図1~
図18を用いた説明では
図1~
図18に示す符号を優先する。
【0010】
以下説明する本実施形態のスロットマシンは、所定数の遊技媒体が投入され、且つ、複数種類の図柄がそれぞれ施された複数のリールが所定の回転開始指示操作を受け付けたことで回転を開始するとともに、その回転開始指示操作を受け付けたことに基づいて複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定し、その複数のリールそれぞれが、所定の回転停止指示操作を受け付けることで回転を個別に停止し、その抽選の結果に基づく役およびその複数のリールが停止したときの図柄組み合わせによって決まる条件が所定の払出し条件に、合致していれば遊技媒体を払い出して終了となり、合致していなければ遊技媒体を払い出さずに終了となる一連の遊技を進行する遊技台である。
【0011】
まず、
図1を用いてスロットマシン100の基本構成を説明する。
図1は、スロットマシン100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【0012】
図1に示すスロットマシン100は、本発明の遊技台の一例に相当するものであり、本体101と、本体101の前面側に取り付けられ、本体101に対して開閉可能な前面扉102と、を備える。本体101の中央内部には(図示省略)、外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール110、中リール111、右リール112)収納され、スロットマシン100の内部で回転できるように構成されている。これらのリール110~112はステッピングモータ等の駆動装置により回転駆動される。
【0013】
本実施形態において、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール110~112が構成されている。リール110~112上の図柄は、遊技者から見ると、表示窓113から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール110~112を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合わせが変動することとなる。つまり、各リール110~112は複数種類の図柄の組み合わせを変動可能に表示する表示装置として機能する。なお、このような表示装置としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、本実施形態では、3個のリールをスロットマシン100の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
【0014】
各々のリール110~112の背面には、表示窓113に表示される個々の図柄を照明するためのバックライトが配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン100内部において各々のリール110~112の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。この光学式センサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール110~112を停止させる。
【0015】
入賞ライン表示ランプ120は、有効となる入賞ラインを示すランプである。入賞ラインとは、入賞役に対応する図柄組み合わせが表示されたか否かが判定されるラインのことである。有効となる入賞ライン(以下、単に「有効ライン」と称する場合がある)は、遊技媒体としてベットされたメダルの枚数によって予め定まっている。入賞ラインが有効になると、スタートレバー135を操作して遊技を開始することができるようになる。
【0016】
告知ランプ123は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役に内部当選していること、または、何らかの遊技状態(例えば、ボーナス中)であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ124は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ122は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技役に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ128は演出用のランプである。
【0017】
ベットボタン130~132は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダル(クレジットという)を所定の枚数分投入するためのボタンである。本実施形態においては、ベットボタン130が押下される毎に1枚ずつ投入され、ベットボタン131が押下されると2枚投入され、ベットボタン132が押下されると3枚投入されるようになっている(上限3枚)。以下、ベットボタン132はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ129は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ121が点灯する。
【0018】
メダル投入口141は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン130~132により電子的に投入することもできるし、メダル投入口141から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。
【0019】
貯留枚数表示器125は、スロットマシン100に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器126は、各種の内部情報(例えば、ボーナス中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器127は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。なお以下では、遊技者に払出される、と同様の意味で、遊技者に付与されると表現する場合がある。本実施形態では、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、および、払出枚数表示器127は、7セグメント(SEG)表示器で構成されている。
【0020】
スタートレバー135は、リール110~112の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口141に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン130~132を操作して、スタートレバー135を操作すると、リール110~112が回転を開始することとなる。スタートレバー135に対する操作を遊技の開始操作と言う。
【0021】
ストップボタンユニット136には、左ストップボタン137、中ストップボタン138および右ストップボタン139で構成されるストップボタン137~139が設けられている。ストップボタン137~139は、スタートレバー135の操作によって回転を開始したリール110~112を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール110~112に対応付けられている。より具体的に言えば、左ストップボタン137を操作することによって左リール110を停止させることができ、中ストップボタン138を操作することによって中リール111を停止させることができ、右ストップボタン139を操作することによって右リール112を停止させることができる。以下、ストップボタン137~139に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第一停止操作、次の停止操作を第二停止操作、最後の停止操作を第三停止操作という。また、これらの停止操作に対応して停止されるリールを順に第一停止リール、第二停止リール、第三停止リールと称する。さらに、回転中の各リール110~112を全て停止させるためにストップボタン137~139を停止操作する順序を操作順序または押し順という。さらに、第一停止操作を左リール110の停止操作とする操作順序を「順押し操作順序」または単に「順押し」と呼び、第一停止操作を右リール112の停止操作とする停止操作を「逆押し操作順序」または単に「逆押し」と呼ぶ。なお、各ストップボタン137~139の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン137~139の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
【0022】
メダル返却ボタン133は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン134は、スロットマシン100に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口155から排出するためのボタンである。ドアキー孔140は、スロットマシン100の前面扉102のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。
【0023】
ストップボタンユニット136の下部には、機種名の表示と各種証紙の貼付とを行うタイトルパネル162が設けられている。タイトルパネル162の下部には、メダル払出口155、メダルの受け皿161が設けられている。
【0024】
音孔145はスロットマシン100内部の下方に設けられているスピーカ277(
図2参照)の音を外部に出力するための孔である。前面扉102の左右各部に設けられたサイドランプ144は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉102の上部には演出装置160が配設されており、演出装置160の上部には、スロットマシン100内部の上方に設けられているスピーカ272(
図2参照)の音を外部に出力するための音孔143が設けられている。この演出装置160は、水平方向に開閉自在な2枚の右シャッタ163a、左シャッタ163bからなるシャッタ(遮蔽装置)163と、このシャッタ163の奥側に配設された演出画像表示装置157(液晶表示装置)を備えており、右シャッタ163a、左シャッタ163bが演出画像表示装置157の手前で水平方向外側に開くと演出画像表示装置157の表示画面がスロットマシン100正面(遊技者側、前面側)に出現する構造となっている。なお、液晶表示装置でなくとも、種々の演出画像や種々の遊技情報を表示可能な表示装置であればよく、例えば、複数セグメントディスプレイ(7セグディスプレイ)、ドットマトリクスディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ、リール(ドラム)、或いは、プロジェクタとスクリーンとからなる表示装置等でもよい。また、表示画面は、方形をなし、その全体を遊技者が視認可能に構成している。本実施形態の場合、表示画面は長方形であるが、正方形でもよい。また、表示画面の周縁に不図示の装飾物を設けて、表示画面の周縁の一部が該装飾物に隠れる結果、表示画面が異形に見えるようにすることもできる。表示画面は本実施形態の場合、平坦面であるが、曲面をなしていてもよい。なお、この演出画像表示装置157は、表示手段あるいは演出手段の一例に相当する。
【0025】
前面扉102の最上部102Tは庇状に突出した形状となっており、この最上部102Tの内部には振動センサ450が設けられている。また、この振動センサ450が設けられた部分に最も近い外部の対応箇所には「強打」の文字を示す装飾KYが施されている。
【0026】
<制御部の回路構成>
次に、
図2を用いて、スロットマシン100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
【0027】
スロットマシン100の制御部は、大別すると、遊技の進行を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主な演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、によって構成されている。ここで、主制御部300に関しては、データ容量が大きくなるとプログラムの確認作業が困難になり、また不正改造の温床にもなるといったようなセキュリティ低下の問題が生じることから、主制御部300のROM306やRAM308のデータ容量には制限を設けている。
【0028】
<主制御部>
まず、スロットマシン100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムデータ、入賞役の内部抽選時に用いる抽選データ、リールの図柄配列や停止位置等を記憶したROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、WDT(ウォッチドッグタイマ)314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400や第2副制御部500についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器315bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。さらには、CPU304は、電源が投入されるとROM306の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ312に送信し、カウンタタイマ312は受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU304に送信する。CPU304は、この割込み要求を契機に各センサ等の監視や駆動パルスの送信を実行する。例えば、水晶発振器315bが出力するクロック信号を8MHz、カウンタタイマ312の分周値を1/256、ROM306の分周用のデータを47に設定した場合、割り込みの基準時間は、256×47÷8MHz=1.504msとなる。
【0029】
主制御部300は、水晶発振器315aから入力されるクロック信号に基づき0~65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数発生回路316と、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路338を備えており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号が入力された場合に、遊技制御を開始する。
【0030】
また、主制御部300は、センサ回路320を備えており、CPU304は、割り込み時間ごとに各種センサ318(ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、ベットボタン132センサ、メダル投入口141から投入されたメダルのメダル受付センサ、スタートレバー135センサ、左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、右ストップボタン139センサ、精算ボタン134センサ、メダル払出装置180から払い出されるメダルのメダル払出センサ、リール110~112の光学式センサ(インデックスセンサ)、等)の状態を監視している。
【0031】
なお、センサ回路320がスタートレバーセンサのHレベルを検出した場合には、この検出を示す信号を乱数発生回路316に出力する。この信号を受信した乱数発生回路316は、そのタイミングにおける値をラッチし、抽選に使用する乱数値を格納するレジスタに記憶する。
【0032】
メダル受付センサは、メダル投入口141の内部通路に2個設置されており、メダルの通過有無を検出する。スタートレバー135センサは、スタートレバー135内部に2個設置されており、遊技者によるスタート操作を検出する。左ストップボタン137センサ、中ストップボタン138センサ、および、右ストップボタン139センサは、各々対応するストップボタン137~139に設置されており、遊技者によるストップボタンの操作を検出する。
【0033】
ベットボタン130センサ、ベットボタン131センサ、および、ベットボタン132センサは、対応するベットボタン130~132のそれぞれに設置されており、RAM308に電子的に貯留されているメダルを遊技への投入メダルとして投入する場合の投入操作を検出する。精算ボタン134センサは、精算ボタン134に設けられている。精算ボタン134が一回押されると、電子的に貯留されているメダルを精算する。メダル払出センサは、メダル払出装置180が払い出すメダルを検出するためのセンサである。なお、以上の各センサは、非接触式のセンサであっても接点式のセンサであってもよい。
【0034】
リール110~112の光学式センサ(インデックスセンサ)は、各リール110~112の取付台の所定位置に設置されており、リールフレームに設けた遮光片が通過するたびにLレベルになる。一旦Lレベルになってから次にLレベルになるまでの間、リールが基準位置からどのくらい回転しているかを示す回転位置情報は、水晶発振器315bが出力するクロック信号をカウントした値に基づいて算出される。CPU304は、上記Lレベルの信号を検出すると、リールが1回転したものと判断し、リールの回転位置情報をゼロにリセットする。この回転位置情報は、主制御部300のRAM308に格納されている。
【0035】
主制御部300は、リール110~112に設けたステッピングモータを駆動する駆動回路322、投入されたメダルを選別するメダルセレクタ170に設けたソレノイドを駆動する駆動回路324、メダル払出装置180に設けたモータを駆動する駆動回路326、各種ランプ336(入賞ライン表示ランプ120、告知ランプ123、遊技メダル投入可能ランプ124、再遊技ランプ122、遊技メダル投入ランプ129は、遊技開始ランプ121、貯留枚数表示器125、遊技情報表示器126、払出枚数表示器127)を駆動する駆動回路328を備えている。
【0036】
また、基本回路302には、情報出力回路334が接続されており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にスロットマシン100の遊技情報を出力する。
【0037】
また、主制御部300は、電源管理部(図示省略)から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路330を備えており、電圧監視回路330は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0038】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースを備えており、第1副制御部400との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400にコマンド等の信号を送信できるように構成されているが、第1副制御部400からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成されている。
【0039】
<副制御部>
次に、スロットマシン100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主制御部300が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信する。第1副制御部400は、この制御コマンドに基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402は、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM406には、第1副制御部400の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、バックライトの点灯パターンや各種表示器を制御するためのデータ等が記憶されている。
【0040】
CPU404は、所定のタイミングでデータバスを介してROM406の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ412に送信する。カウンタタイマ412は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU404は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0041】
また、第1副制御部400には、音源IC418が設けられており、音源IC418に出力インタフェースを介してスピーカ272、277が設けられている。音源IC418は、CPU404からの命令に応じてアンプおよびスピーカ272、277から出力する音声の制御を行う。音源IC418には音声データが記憶されたS-ROM(サウンドROM)が接続されており、このROMから取得した音声データをアンプで増幅させてスピーカ272、277から出力する。
【0042】
また、第1副制御部400には、駆動回路422が設けられ、駆動回路422に入出力インタフェースを介して各種ランプ420(上部ランプ、下部ランプ、サイドランプ144、タイトルパネルランプ、ベットボタンランプ、チャンスボタンランプ、リールバックライト等)が接続されている。
【0043】
また、第1副制御部400には、シャッタ163のモータを駆動する駆動回路424を設けており、駆動回路424には出力インタフェースを介してシャッタ163を設けている。この駆動回路424は、CPU404からの命令に応じてシャッタ163に設けたステッピングモータ(図示省略)に駆動信号を出力する。
【0044】
また、第1副制御部400には、センサ回路426を設けており、センサ回路426には入力インタフェースを介してシャッタセンサ428および振動センサ450を接続している。CPU404は、割り込み時間ごとにシャッタセンサ428および振動センサ450の状態を監視している。
【0045】
また、CPU404は、出力インタフェースを介して第2副制御部500へ信号の送受信を行う。第2副制御部500は、演出画像表示装置157の表示制御を含む演出装置160の各種制御を行う。なお、第2副制御部500は、例えば、演出画像表示装置157の表示の制御を行う制御部、各種演出用駆動装置の制御を行う制御部(例えば、シャッタ163のモータ駆動を制御する制御部)とするなど、複数の制御部で構成するようにしてもよい。
【0046】
第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、この基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512と、を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。ROM506には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されている。
【0047】
CPU504は、所定のタイミングでデータバスを介してROM506の所定エリアに格納された分周用のデータをカウンタタイマ512に送信する。カウンタタイマ512は、受信した分周用のデータを基に割り込み時間を決定し、この割り込み時間ごとに割り込み要求をCPU404に送信する。CPU504は、この割込み要求のタイミングをもとに、各ICや各回路を制御する。
【0048】
また、第2副制御部500には、VDP516(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)を設けており、このVDP516には、バスを介してROM506、VRAM518が接続されている。VDP516は、CPU504からの信号に基づいてROM506に記憶された画像データ等を読み出し、VRAM518のワークエリアを使用して表示画像を生成し、演出画像表示装置157に画像を表示する。
【0049】
[振動センサ450について]
本実施形態では、演出に関する入力デバイスの一つとして、振動センサ450が設けられている。以下、
図3、
図4、
図5を用いて、前面扉102の最上部102Tの内部に設けられた振動センサ450について説明する。
図3(A)は、
図1に示すスロットマシン100の上部を示す正面図であり、
図3(B)は、
図3(A)のA-A線の断面において振動センサ450周辺を示す図である。また、
図4は、
図3(B)の状態を構成する部品を示す図である。また、
図5(A)は、振動センサ450とリブ102TRを示す斜視図であり、
図5(B)は、振動センサ450とリブ102TRの接触の状態を示す斜視図である。
【0050】
図3(B)、
図4に示すように、振動センサ450(縦線のハッチング)は、ケース701(横線のハッチング)に収納された状態で前面扉102の最上部102T(左下がりのハッチング)の内部に取り付けられている。この例では、ケース701の最奥部(図では下方向)に緩衝材702が設けられており、この緩衝材702の上に振動センサ450が収納される。なお、緩衝材702の素材については特に限定されるものでないが、ゴム等の弾性を有する素材であることが好ましい。一方、前面扉102の最上部102Tの内部にはリブ102TRが形成されており、このリブ102TRの下に振動センサ450が配置される。振動センサ450を収納したケース701が前面扉102の最上部102Tの内部にネジ703で取り付けられると、リブ102TRと緩衝材702に振動センサ450が接した状態となる。
【0051】
ここで
図5(B)に示すように、振動センサ450とリブ102TRは、振動センサ405の上面の一部と接触した状態となっている。例えば、リブ102TRを設けずに、前面扉102の最上部102Tを平面状に形成し、振動センサ405の上面の全面において最上部102Tと接する構成とした場合、最上部102Tにかかる振動が分散してしまったり、接触が不完全になったりするといった理由で振動が検知されにくくなる可能性がある。
図5(B)に示すように、振動センサ405に対して最上部102Tの内部の突出した部分(凸部)が接触する構成とすることで、最上部102Tにかかる振動が集中して振動センサ405に伝わり、振動がより検知されやすくすることができる。
【0052】
なお、
図5(A)では、最上部102Tの内部に3つのリブ102TRが平行に配置されているが、交差して配置されたものでもよいし、1つのリブ102TRがさらに複数に分割されていてもよい。また、3つのリブ102TRではなく、1つのリブ102TRだけであってもよいまた、リブ102TRのように一方向に延びた形状に限られるものではなく、単に凹凸が形成されたものであってもよい。すなわち、振動センサ405に対して凸部が接触する構成であればよく、上記説明した実施形態の構成に限られるものではない。
【0053】
なお、本実施形態のように複数のリブ102TRを用いた構成では、製造の際の誤差によってこれらのリブ102TRの先端の位置にずれが生じ、振動センサ450との接触が不十分になる虞がある。しかし、リブ102TRは振動センサ450からの押圧力によってある程度撓ませることができるため、振動センサ450との接触状態を確保しやすいという利点がある。
【0054】
また、
図3(B)では、最上部102Tの内部にリブ102TRが設けられた構成となっているが、
図6に示すように、最上部102Tの内部に支持部102TSによって支持される平板部102TPを形成し、この平板部102TPにリブ102TRが形成された構成とし、さらにリブ102TRが設けられた位置に対し、平板部102TPの反対側の位置には空間SPが形成された構成としてもよい。この構成では、リブ102TRが設けられた箇所の平板部102TPがある程度撓むため、振動センサ450とリブ102TRとの接触状態を確保しやすくすることができ、最上部102Tからの振動を振動センサ450に伝達しやすくすることができる。
【0055】
また、上記説明した実施形態では最上部102Tの内部に振動センサ450を設けた構成となっているが、遊技台の外装の内部であれば最上部102Tに限らず他の位置であってもよく、上記実施形態の位置に限定されるものではない。さらに、振動センサ450が設けられている部分の外側の面は平面となっているが、外装が曲面となっている箇所の内部に振動センサ450を設けてもよい。
【0056】
上記説明した実施形態では振動センサ450を取り付けるにあたってケース701を用いた構成を採用している。振動センサの大きさや形状は様々なものがあるが、本実施形態のように一旦ケース701に収納することで適用可能な振動センサの種類が増えるため、設計やメンテナンスを容易にすることができる。また、振動センサの大きさが小さい場合、リブ102TRとの接触が不十分になる虞があるが、緩衝材702が設けられていることでこうした問題が生じにくくすることができる。なお、
図3(B)、
図4では、振動センサ450の下面にのみ緩衝材702が設けられた構成となっているが、緩衝材702の位置についてはこの構成に限定されるものでななく、例えば側面に緩衝材702を設けた構成としてもよい。
【0057】
また遊技台には、演出用の光を内部から照射できるように、外装に透過性の素材を用いる場合がある。こうした遊技台では、見栄えの観点から、振動センサ450を取り付けるためのネジ孔を外部から視認しにくい位置や光源の邪魔にならない位置に設けることが求められる。また、外装の形状によっては、ネジ孔を設けることができる場所が制限される場合がある。このため、仮に、本実施形態のようにケース701を用いずに振動センサ450を直接取り付ける場合には、振動センサ450の設置位置が制限されることになる。本実施形態では、振動センサ450が収納されたケース701を取り付ける構成であり、このケース701の形状については様々な形状のものを採用する事が可能である。このため、要求されたネジ孔の条件を満たすケース701を採用することで、振動センサ450を様々な位置に設置することができる。
【0058】
また、本実施形態では、最上部102Tの内部に設けられた振動センサ450の位置を把握しやすいように、「強打」の文字を示す装飾KYが設けられている。この装飾KYを設けない構成としてもよいが、振動センサ450の位置が把握しにくいと振動センサ450を有効に利用しにくくなることから、本実施形態のように装飾KYを設けた構成とすることが好ましい。
【0059】
[振動センサを用いた演出について(1)]
ここで、振動センサ450を用いた演出の例について図面を用いて説明する。
図7は、振動センサ450の振動検知による演出の例を示す図である。
【0060】
図3等で説明したように振動センサ450は、スロットマシン100の前面扉102の最上部102Tの内部に設けられており、スロットマシン100の上面にかかる下向きの力による振動を検知しやすい構成となっている。スロットマシン100を正面側から見た場合、
図7(A)に示すように演出画像表示装置157の上側に振動センサ450が配置された位置関係になるが、この位置関係において振動センサ450から演出画像表示装置157への方向は、振動センサ450が検知しやすい下向きの力の方向と概ね一致する。そこで本実施形態では、振動センサ450が振動を検知したことに基づいて、この下向きの力を受けたことを想定した演出を実行する構成を採用している。つまり、遊技者の手が下方向に移動したことを前提とし、その方向と同じ下方向に移動する画像を表示する演出を行う。
図7(A)では、振動センサ450が振動を検知したことに基づいて、画像Aが演出画像表示装置157の表示領域内を下方に向けて移動する演出が実行される例が示されている。
【0061】
図7(B)は、
図7(A)に示す構成を採用した場合の動作の一例を示す図である。この例では、スロットマシン100の上部を叩いたときに、これによる振動を振動センサ450が検知して、演出画像表示装置157の表示領域内上部からタライが落下する演出(以下、タライ落下演出)が実行される例が示されている。この例に示すように、
図7(A)の構成を採用することで、遊技者の操作による力が演出画像表示装置157の表示領域内の画像に働いたような印象を与えることができる。なお、例えば画像Aが右下方向や左下方向に移動する、といったものであってもよく、想定される力の向きが移動成分に含まれていることが好ましい。また、画像Aの動作としては、すでに表示されている画像Aが振動を検知したことで移動するものであってもよいし、振動を検知したことで新たに画像Aが出現するものであってもよい。
【0062】
なお、本実施形態の振動センサ450は、受けた力の方向を検知できるものではないため、例えばスロットマシン100の横方向からの力を受けた場合でもタライ落下演出が実行される場合がある。この場合、横方向からの力によってタライが動かされた結果、重力によって落下したように見える。すなわち、想定した方向とは異なる方向からの力を受けた場合であっても、遊技者の操作による力が演出画像表示装置157の表示領域内の画像に働いたような印象を与えることができる場合がある。
【0063】
上記の構成では、演出画像表示装置157の上側に振動センサ450が設けられた例について説明したが、演出画像表示装置157の横側や下側に振動センサ450が設けられた構成としてもよい。
図8(A)は、演出画像表示装置157の横側に振動センサ450を設けた構成の一例を示す図であり、
図8(B)は、
図8(A)の振動センサ450が振動を検知した場合の演出の一例を示す図である。この例では、スロットマシン100の右側面を叩いたときに、これによる振動を振動センサ450が検知して、演出画像表示装置157の表示領域内右側から忍者のキャラクタNJが出現(右側から左側に移動)する演出が実行される例が示されている。つまり、遊技者の手が左方向に移動したことを前提とし、その方向と同じ左方向に移動する画像を表示する演出を行う。
【0064】
なお、
図1および
図8の例では、振動センサ450は演出画像表示装置157よりも正面側にずれた位置にある。このように、振動センサ450を設ける位置については、演出画像表示装置157の真上、真横、真下である必要はなく、正面側から見たときの位置関係で演出画像表示装置157の周囲に設けられていればよい。この構成では、遊技者が演出画像表示装置157を視認しつつ操作することができるように、ストップボタン137~139が設けられた位置よりも上側に振動センサ450が設けられていることが好ましい。
【0065】
また、上記の実施形態のように振動センサ450が受けた力の方向を検知できないものに限らず、受けた力の方向を検知できる振動センサを採用してもよく、この検知結果に応じて実行する演出を使い分ける構成としてもよい。また、上記の実施形態では振動センサ450を一つ設けた例について説明したが、複数設けた構成としてもよい。この場合、複数の振動センサ450の検知結果から受けた力の方向を判定し、この判定結果に応じて実行する演出を使い分ける構成としてもよい。
【0066】
また、振動を検知したことによる演出を実行する場合には、その直前の状態としてこうした演出が実行されることを示唆する演出を実行するようにしてもよい。
図7(B)では、こうした演出の一例として右側のキャラクタYMが上方向を気にする様子が示されている。また、振動を検知したことによる演出を実行する場合には、その直前の状態として振動を与えることを促す演出を実行するようにしてもよい。
図8(B)では、こうした演出の一例として「叩いてください→」の文字が表示される例が示されている。
【0067】
また、振動を検知したことによる演出を実行する際に、例えばボーナスに内部当選している、といったような遊技に関する情報と対応付けた演出を実行したり、有利な状態を期待させる演出を実行したりするようにしてもよい。
【0068】
[振動センサを用いた演出について(2)]
図7(B)では、振動センサ450によって振動が検知されたことによってタライ落下演出を実行する構成について説明した。しかし、遊技者による操作がされない等の理由で振動が検知されない場合には、このタライ落下演出が実行されないことになる。このため、振動の検知がない場合であっても、タライ落下演出が抽選で実行されるようにしてもよい。以下こうした構成の一例について、
図9を用いて説明する。
図9(A)は、振動が検知された場合の一例を示す図であり、
図9(B)は、振動が検知されない場合の一例を示す図である。
【0069】
この例では、所謂AT状態等の有利な状態になることが確定している場合(内部的に有利な状態)に、抽選によって3ゲームに亘るタライ落下期間が設定される。このタライ落下期間では、
図7(B)と同様に右側のキャラクタYMが上方向を気にする演出が実行される。そして、遊技の度にタライ落下演出の抽選(当選確率1/3)が実行され、この抽選に当選するとその遊技においてタライ落下演出が実行される。また、この抽選に当選していない場合であっても、振動センサ450が振動を検知した場合にはタライ落下演出が実行される。
図9(A)では、タライ落下期間の2ゲーム目において振動センサ450が振動を検知したことによってタライ落下演出が実行された例が示されている。また
図9(B)では、タライ落下期間の3ゲーム目においてタライ落下演出の抽選に当選したことによってタライ落下演出が実行された例が示されている。
【0070】
なお、例えばタライ落下期間の3ゲーム目でタライ落下演出を実行されるようにタライ落下演出を予約したり、3ゲーム目の抽選確率を100%に設定しておく構成としてもよい。この構成でも、振動の検知がない場合にタライ落下演出を確実に実行させることができる。
【0071】
上記のタライ落下演出は振動センサ450が振動を検知した際に実行される演出の一例であるが、ここでの演出の内容によっては、複数回実行することで違和感が生じて遊技の興趣が減退する虞がある。このため、例えばタライ落下期間におけるタライ落下演出の実行回数を制限(例えば一回)してもよい。こうした構成の例としては、予め定めた回数のタライ落下演出の実行回数が予め定めた回数に達した後はタライ落下演出が実行されない構成が挙げられる。また、タライ落下演出の実行回数が予め定めた回数に達するとタライ落下期間を早期に終了させる構成としてもよい。
【0072】
また、タライ落下演出の実行回数に応じて徐々に演出内容が変化するようにしてもよい。この変化については、例えば内部的な有利度に対応した変化をするようにしてもよい。
【0073】
[振動センサを用いた演出について(3)]
振動センサ450は、ストップボタン137~139のような操作手段とは異なり、外部からその動作を確認することが困難である。そのため本実施形態では、
図7~
図9で説明したような演出が実行されない場合に、振動を検知したことに基づく動作チェック用の演出(チェック演出)を実行する構成を採用している。以下、
図10を用いてチェック演出の一例について説明する。なお、以下の例では、タライ落下演出のような演出が設定されていない状態であるとする。
【0074】
このチェック演出は、振動を検知したことで表示中の画像を0.2秒間暗くするものである。
図10(A)には、通常の背景画像が表示されている状態で振動を検知したことにより、この背景画像が0.2秒間暗くなり、その後再び通常の背景画像が表示される一連の変化が示されている。また、
図10(B)には、割込演出が実行されている状態で振動を検知したことにより、この割込演出の画像が0.2秒間暗くなった後、引き続き割込演出が実行される一連の変化が示されている。これらの0.2秒間暗くなった状態がチェック演出の一例に相当する。なお、こうしたチェック演出については、演出画像表示装置157を用いた演出に限られるものではなく、例えば、ランプを用いた演出であって、その明るさや色合いを変化させる演出であってもよいし、スピーカを用いた演出であって、その音量や音程を変化させる演出であってもよい。なお、ランプやスピーカについては別途チェック演出用のデータを実行する構成としてもよい。
【0075】
上記説明したチェック演出が実行されることで、振動センサ450の動作を確認することができる。また、動作の確認に限らず、こうしたチェック演出が実行されることで遊技の興趣を向上させることができる場合がある。例えば
図10では、チェック演出に続いて有利な状態であることを示唆する演出が偶然実行された場合、自らの操作で何らかの変化が生じたような印象を与えることができる。また、チェック演出は、実行中の演出のデータを利用することから、チェック演出用の演出データを別途用意せずに即座に実行することができる。なお、遊技中(スタートレバー135の操作から第三停止操作まで)においては頻繁にチェック演出が実行されると遊技の進行の妨げになる虞があるため、一遊技中のチェック演出の実行回数を一回に制限してもよい。
【0076】
[振動センサを用いた演出について(4)]
スロットマシン100は、遊技が行われていない状態でBGM音量を低下させる構成を採用している。具体的には、遊技進行に関する操作手段(ベットボタン130~132、スタートレバー135、ストップボタン137~139)のいずれも操作されず、さらに振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過したことでBGM音量を低下させる。なお、以下の説明ではBGM音量が低下した状態を音量低下状態と称する。なお、このBGM音量の低下については、音量を0にするものであってもよい。
【0077】
上記構成における動作の一例として、
図11には、第三停止操作がされた後に遊技進行に関する操作手段のいずれも操作されず、さらに振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過したことで、音量低下状態になったことが示されている。
図12(A)(B)には、遊技終了後(第三停止後)に振動センサ450が振動を検知し、その後に遊技進行に関する操作手段のいずれも操作されず、さらに振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過したことで、音量低下状態になったことが示されている。なお、
図12(A)は、
図9で説明したタライ落下期間中の動作であり、振動センサ450が振動を検知したことでタライ落下演出が実行されていることが示されている。また、
図12(B)は、
図10で説明した動作と同様にタライ落下期間が設定されていない場合の動作であり、振動センサ450が振動を検知したことでチェック演出が実行されていることが示されている。さらに、振動センサ450が振動を検知してから振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過したことで、音量低下状態になったことが示されている。つまり、遊技終了後(第三停止後)、3分が経過する前に振動センサ450が振動を検知すると、タイマーのリセットが行われ、新たな3分の経過があると音量低下状態になる。このため、遊技者操作に応じて音量低下状態となるまでの期間を延長することができる。なお、3分が経過する前に振動センサ450が振動を検知してもタイマーのリセットが行われないようにしてもよい。この場合、振動センサ450の誤検知等による期間の延長を防止することができる。
【0078】
上記説明した音量低下状態は、遊技進行に関する操作手段のいずれかが操作されると解除され、音量が通常の状態に戻る。
図13には、音量低下状態でベットボタン132が操作されたことにより音量が通常の状態に戻っていることが示されている。さらに、タライ落下期間中においては、振動センサ450が振動を検知したことでも音量低下状態が解除される。
図14(A)には、タライ落下期間中に音量低下状態となった後、振動センサ450が振動を検知したことでも音量低下状態が解除されるとともに、タライ落下演出が実行されていることが示されている。これに対し、タライ落下期間が設定されていない場合は、振動センサ450が振動を検知したことによって音量低下状態が解除されることはない。
図14(B)には、タライ落下期間が設定されていない状態で音量低下状態となった後、振動センサ450が振動を検知したにも関わらず音量低下状態が解除されていないことが示されている。このとき、チェック演出も実行されない。
図14(B)の動作は、遊技者が遊技を終了して退席した状態を想定したものである。このような場合は振動センサ450が振動を検知したことで音量低下状態を解除する必要がない。仮に、振動センサ450が振動を検知したことで音量低下状態が解除される構成とした場合、例えば地震等によって複数の遊技台の音量が一斉に増加し、他の遊技台の遊技の妨げになる、といった問題が生じる虞がある。しかし、
図14(B)の動作であれば、こうした問題が生じることがない。
【0079】
なお、
図12(B)および
図14(B)では、音量低下状態の例について説明したが、例えば、音量低下状態に変えてデモ状態(デモ画面を表示するとともに音量を低下あるいは0にする)であってもよい。
【0080】
なお、音量低下状態やデモ状態は遊技が行われている状態では設定されない。すなわち、遊技の開始から終了までの間については、振動センサ450が振動を検知したことに基づく演出を実行可能な状態であると言える。
【0081】
[振動センサを用いた演出について(5)]
スロットマシン100は、設定変更やメンテナンスのために前面扉102を開閉する場合があるが、このときの前面扉102の動きや、前面扉102を閉めた後の施錠確認の動作等、前面扉102の動きによって生じる衝撃を振動センサ450が検知してしまう場合がある。この場合に、遊技者が意図しないタイミングで振動に対応する演出(例えば、
図7(B)のタライ落下演出)が実行されてしまうと、遊技の興趣が減退する虞がある。よって、前面扉102が開いている状態および閉めてから所定時間(例えば、1秒間)は、振動センサ450が振動を検知してもこれに対応する演出の処理を実行しないようにすることで、上記の問題が生じないようにすることができる。
【0082】
なお、
図11、
図12では、遊技進行に関する操作手段のいずれも操作されず、さらに振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過したことで音量低下状態となる例について説明したが、この期間のカウント中に前面扉102が開閉されたとしても、この期間のカウントはそのまま継続される。
図15には、この構成による動作の一例が示されている。
【0083】
まず
図15(A)では、前面扉102の開閉がされない場合に、遊技進行に関する操作手段のいずれも操作されず、さらに振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過したことで音量低下状態となった例が示されている。これに対し、
図15(B)では、遊技進行に関する操作手段のいずれも操作されず、さらに振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過する前に前面扉102が開閉されたものの、
図15(A)と同様のタイミングで音量低下状態となった例が示されている。なお、
図15(B)では、前面扉102が開いている時間と閉めた後の所定時間に亘って振動センサ450が振動を検知しても対応する処理が実行されないため、振動センサ450が振動を検知していない期間のカウントがそのまま継続されている。
【0084】
また、
図15(C)では、遊技進行に関する操作手段のいずれも操作されず、且つ振動センサ450が振動を検知しない期間が3分経過する前に、前面扉102が開けられ、さらにこの期間が3分経過して音量低下状態となった後に前面扉102が閉められた例が示されている。この場合にも、
図15(B)と同様に前面扉102の開閉が音量低下状態の設定タイミングに影響せずに、
図15(A)と同様のタイミングで音量低下状態となっている。なお、
図14(A)では、音量低下状態で振動センサ450が振動を検知すると音量低下状態が解除される例について説明したが、この例では前面扉102が開いている時間と閉めた後の所定時間においては振動センサ450が振動を検知しても対応する処理が実行されないため、例えば前面扉102を閉めた際の振動で音量低下状態が解除され、タライ落下演出が実行されてしまう、といった事態が生じないようにすることができる。
【0085】
[振動センサを用いた演出について(6)]
上記説明した実施形態では、振動センサ450が振動を検知したことに基づいて、タライ落下演出やチェック演出を実行する構成について説明した。この構成については、振動センサ450を用いた構成に限られるものではなく、ボタンやタッチパネル、あるいは物体の接近を検知する非接触式のセンサでもよく、遊技者の操作を受付可能な受付部であればよい。また、タライ落下演出やチェック演出の内容についても一例であって、その内容については様々な態様のものを採用することができる。
【0086】
また、例えば振動センサ450が、受けた振動の大きさを出力することが可能なものである場合には、ある閾値以上の出力の場合に演出を実行する、といったように、この出力値に基づいて演出の実行の可否を判定する構成としてもよい。
【0087】
[電断によってクレジットの払い出しが中断された場合の動作について]
本実施形態では主制御部300によってクレジットを払い出す精算処理が実行されるが、この精算処理が終了する前に電断が生じ、クレジットの払い出しが中断される場合がある。このような場合には、復電後に残りのクレジットの払い出しを実行可能な構成となっている。例えば、クレジット「50」を払い出す精算処理を終了する前(残りが「30」のとき)に電断が生じた場合、復電後に残りのクレジット「30」の払い出しを実行可能である。
【0088】
一方、第1制御部400は、主制御部300によるクレジットの払い出しに合わせて精算音を出力することが可能であるが、電断によってクレジットの払い出しが中断された場合には、復電後の残りのクレジットの払い出しについては精算音を出力しないように構成されている。なお、精算音に限らず、演出画像表示装置157による映像表示や、各種ランプ420による点灯といった演出についても行わないようにしてもよい。この構成では、電源投入後の主制御部300の復帰時間が第1制御部400よりも短い場合に、第1副制御部400の復帰を待たずに遊技媒体の払い出しや払出枚数表示を優先して開始することが可能となり、遊技媒体の払い出しを迅速に行うことができ利便性を高めることができる場合がある。
【0089】
また、第1制御部400では遊技のBGM(遊技背景音)を出力することが可能であるが、電断によってクレジットの払い出しが中断された場合には、復電後の残りのクレジットの払い出しを実行する際にはBGMを出力しないように構成されている。この構成では、残りのクレジットの払い出しによってメダルの受け皿161に落下するメダルの落下音が聞き取りやすくなり、払い出しを認識しやすくすることができる。
【0090】
なお、第1制御部400が、エラー(例えば、遊技台の扉開放を報知するドアオープンエラー、払い出しに関するホッパーエンプティエラー)を報知するエラー音を出力することが可能な構成を採用している場合には、電断によってクレジットの払い出しが中断された場合に、復電後の残りのクレジットの払い出しを実行する際にもこうしたエラー音が出力される場合があるように構成してもよい。この構成では、スロットマシン100が正常な状態にないことを一早く周囲に伝えることができる。
【0091】
なお、上記の説明では、遊技媒体の払い出しを実行可能な払出手段と、音を出力可能な音出力手段と、を備えた遊技台であって、前記音出力手段は、前記遊技媒体の払い出しの期間に払出音を出力可能な手段であり、前記音出力手段は、遊技中に遊技背景音を出力可能な手段であり、前記払出手段は、前記遊技媒体の払出の実行中に電断復電した場合に、該払出の残りを実行可能な手段であり、前記音出力手段は、前記払出手段による前記払出の残りの実行中に前記払出音を出力しない手段であり、前記音出力手段は、前記払出手段による前記払出の残りの実行中に前記遊技背景音を出力しない手段である、ことが記載されている。
【0092】
また、
図7では、振動センサ450が振動を検知したことに基づいて実行される演出(例えば、タライ落下演出)について説明した。この演出については、電断によってクレジットの払い出しが中断され、復電後に残りのクレジットの払い出しを実行している間は実行されないようにしてもよい。この構成では、残りのクレジットの払い出しによってメダルの受け皿161に落下するメダルの落下音が聞き取りやすくなり、払い出しを認識しやすくすることができる。なお、上記の演出を実行しないようにする構成としては、振動センサ450が振動を検知してもこれに対応する演出の処理を実行しないようにしてもよいし、振動センサ450が振動を検知しない状態に設定するものであってもよい。また、
図7のタライ落下演出の他、
図10のチェック演出についても同様の構成としてもよい。さらに、
図8(B)のような、振動を与えることを促す演出についても実行しないようにしてもよい。
【0093】
[電源投入時の動作について(1)]
以下、
図16を用いてスロットマシン100の電源投入時の動作について説明する。
【0094】
スロットマシン100では、電源投入時に演出画像表示装置157で起動中であることを示す起動表示(例えば、「画像表示の準備をしています」等の画像の表示)が実行される。この起動表示は、電源投入直後の起動処理(遊技の進行を制御する主制御部側の処理と、演出を制御する副制御部側の処理)が実行中であることを報知する表示である。そして、起動処理が終了すると、起動表示に代えて遊技中の表示(
図16では遊技背景表示)が実行される。
図16には、この表示の変化の流れが示されている。
【0095】
上記起動表示においては、「50%完了」といった処理の進行度合いの目安(この例では1%刻みで進行)が表示され、100%でほぼ処理が完了する。なお、実際に起動処理が終了した時点で「100%完了」と表示するようにした場合、瞬時に遊技中の背景画像の表示に切り替わることとなり、起動処理の終了を認識しにくくなる。このため、「100%完了」の表示を認識しやすいように、起動処理が終了した後にこの表示のための期間(例えば、1秒)を設けている。ただし、演出画像表示装置157以外の演出手段については遊技可能な状態での演出が先に実行されることになるため、ランプや音声による演出が先に開始し、その後に演出画像表示装置157の演出が開始する流れになる。なお、起動処理の終了間際から「100%完了」が表示されるように構成してもよく、この場合には起動処理の終了を認識しやすくするとともに、起動処理の終了後すぐに遊技を開始することができる。また、起動表示の内容としては、「○%完了」といった表示の他、起動処理の進行度合いをメーターで示したり、起動処理の残り時間を示すものであってもよい。
【0096】
またスロットマシン100では、上記の起動表示とは別に、電源投入時に電源投入音が出力される。この電源投入音は、電源投入直後であることを報知する音声(例えば、「電源投入されました」を一定の期間に繰り返し大音量で出力することで周辺に電源投入があったことを知らせる音)であり、その実行期間は
図16に示すように起動表示の実行期間よりも短くなっている。すなわち、電源投入がされると起動表示を実行しつつ電源投入音が出力され、その後電源投入音が終了して起動表示だけになり、さらに起動処理の終了によって遊技中の演出が開始される。
図16には、これらの変化の流れが示されている。
【0097】
起動処理については、遊技の進行を制御する主制御部側の処理と、演出を制御する副制御部側の処理があり、主制御部側の処理の方が処理時間が短い。このため、副制御部側の処理が終了していない状態であっても、主制御部側の処理が終了した段階でメダル投入から始まる遊技の進行を可能とすることができる。なお、主制御部側の処理が終了する前のメダル投入についてはメダルが検知されず、そのまま受け皿161に落下する。
図16では、電源投入後のメダル投入不可の状態が、主制御部側での起動処理の終了に伴いメダル投入可の状態に変化していることが示されている。
【0098】
スロットマシン100では、
図16に示すように、上記電源投入音の出力をメダル投入が可能となった後のタイミングで終了する。このメダル投入可能期間においては、通常であればメダル投入音が出力されるが、電源投入音の出力中に限り、メダル投入音が出力されない構成となっている。
図16には、メダル投入可能期間におけるメダルの投入(手入れ)に対し、電源投入音の出力中にはメダル投入音が出力されず、電源投入音の終了後にはメダル投入音が出力されていることが示されている。
【0099】
以下、上記構成の効果について説明する。電源投入は通常であればホールの開店時に行われるが、営業中においても遊技台への不正の際に電源投入が行われる場合がある。こうした不正な電源投入に気が付くことができるように、スロットマシン100では電源投入音をある程度の期間鳴らし続ける構成を採用している。
【0100】
ここで、起動処理が終了してからメダル投入を可能にする構成とした場合、メダル投入が可能になるまでに時間がかかり、遊技の準備を進めておきたいような場合に不便が生じることになる。そのため、起動処理が完全に終了する前であっても、メダル投入が可能となる期間を設けている。しかしながら、このメダル投入に対してメダル投入音を出力すると、この音に邪魔されて電源投入音が認識しにくくなる、といった問題が生じる。
【0101】
こうした問題に対し、スロットマシン100では、電源投入音が出力されている間はメダル投入音を出力しない構成を採用している(
図16参照)。この構成により、電源投入音が他の音に邪魔されず、電源投入音をより認識しやすい状態にすることができる。
【0102】
また、上記の理由から電源投入音は比較的大きな音量で出力する必要があるが、起動処理が完了するまでこの電源投入音を出力し続けた場合、例えば落雷による一時的な電断からの復帰の際にはかえって煩わしさを感じさせる虞がある。そのため、スロットマシン100では、電源投入音の出力を起動処理の終了(
図16では遊技背景音の出力開始時点)よりも前に終了する構成となっている。この構成でも、電源投入音を認識させつつ、煩わしさを感じにくくすることができる。なお、電源投入音の出力が終了した後は、メダル投入に対応するメダル投入音が出力可能な状態になる(
図16参照)。例えば、不正による電源投入がされた場合には、その後にメダル投入等の不正な操作が行われることが考えられるが、電源投入音が出力されない期間で、且つ起動処理の実行中においては演出用のBGM等がまだ出力可能な状態になっておらず、こうした操作の音だけが出力されることになる。すなわち、不正な操作に関する音の出力が際立つ状態となるため、不正に気付き易くすることができる。
【0103】
なお、
図16の例では、電源投入音の出力中はメダル投入音が出力されない構成となっているが、例えば、メダル投入音の音量を通常の音量の半分程度にするといったように、メダル投入音の音量が通常(起動処理後)よりも小さい構成であってもよい。電源投入音が認識しにくくならない程度にメダル投入音を出力することで、投入があったことも把握可能にできる。また、
図16の例では、電源投入音の出力を起動処理の終了よりも前に終了する構成となっているが、電源投入音の出力を終了することに代えて音量を小さくする構成であってもよい。
【0104】
また、
図16の例では、電源投入音の出力期間と、メダル投入音が出力されない期間が一致する構成について説明したが、これらの期間に重複した期間(例えば、1秒間)があってもよいし、いずれにも該当しない期間があってもよい。重複する間に必ずしもメダル投入がある訳ではないので、処理の都合等あれば一部の間が重複していてもよい。また例えば、電源投入音の出力が終了する間際にメダル投入音の出力が可能な状態となっていてもよく、電源投入音の出力が終了した後(例えば、1秒経過後)にメダル投入音の出力が可能な状態となっていてもよい。電源投入音の出力が終了した直後に必ずしもメダル投入がある訳ではないので、処理の都合等あれば一部の間が何れの音を出力しない状態となっていてもよい。こうした構成の例としては、電源投入音の出力期間とは関係なく時間監視し、時間経過があった場合に(電源投入音の出力終了前、あるいは出力終了後に)投入音を出力可能な状態にするものが挙げられる。
【0105】
なお、
図16の例では電源投入音について説明したが、電源投入に際し扉を開くことが必要な遊技台においては、電源投入音の他に、扉が開放状態であることを報知する扉開放音が出力される場合もある。電源投入後は、こうした扉開放音だけであっても、電源投入音と同様の効果を奏する場合がある。その他、電源投入に際して出力される遊技の準備音等であってもよい。すなわち、電源投入音に限らず、電源投入時の起動処理の実行中に出力される警告音であれば、同様の構成とすることができる。なお扉開放音は、扉を閉めた後も或る程度の時間は継続して実行されることが好ましい。例えば、扉開放を検知してから10秒間は扉開放音を出力するようにしたり、扉を閉めてから3秒間は扉開放音を出力するようにしたりすることが好ましい。なお、扉開放音は、扉を閉めたら出力を終了するものとしてもよい。不正対策のため扉を大きく開けないと電源スイッチに手が届かないように設計されていることが一般的であり、電源スイッチを操作した直後に扉を閉じることはそもそも困難な場合があるからである。
【0106】
また、
図16の例では、起動処理が終了すると遊技背景を表示したり、遊技背景音(BGM)を出力する構成について説明したが、起動処理の終了後の挙動についてはこれに限られるものではなく、デモが実行されるものであってもよく、またBGMについては出力されるものであっても、出力されないものであってもよい。
【0107】
[電源投入時の動作について(2)]
図16の例では、起動処理の実行中に電源投入音の出力を終了し、操作がされない限りは無音になる期間を設けた構成について説明したが、この無音期間が電源投入の度に生じることが分かると、かえって不正を招く虞がある。
【0108】
こうしたことから、
図17(a)に示すように無音期間が生じる場合と、
図17(b)に示すように無音期間が生じない場合があるようにしてもよい。
図17は、「画像表示の準備をしています」等の画像を表示するための準備を行っていることを示す起動表示、「ピンポン、ピンポン、」等の電源が投入されたことを示す電源投入音、「海岸の景色」等の遊技中であることを示す遊技背景表示、「波の音」等の遊技中であることを示す遊技背景音、が実行される期間を示す図である。空欄の期間は、音の出力が行われない無音期間を示している。なお、電源投入音と起動表示は、電源投入直後から開始してもよいし、電源投入後の準備期間を経て開始してもよい。
【0109】
図17(b)では、電源投入音の終了後に遊技背景音を前倒して出力することで無音期間が生じないようにしているが、このような構成に限られるものではない。また、
図17(b)の動作を実現するにあたっては、副制御部側の起動処理において遊技背景音を前倒して出力可能な構成とすればよい。さらには、
図17(c)に示すような電源投入音が終了した後は起動処理が完了した後も無音期間が継続する場合と、
図17(a)の場合があるようにしてもよく、これに加えて
図17(b)の場合があるようにしてもよい。なお、
図17(a)~(c)のいずれも、電源投入音の終了後にメダル投入音が出力可能な状態となる。また、
図17(a)~(c)の動作のいずれを実行するかについては、例えば抽選によって決定してもよいし、起動処理後の遊技の状態や演出に応じて決定してもよい。なお、
図17(c)の場合には、メダル投入音をより際立たせることができる。
【0110】
[電源投入時の動作について(3)]
図16の例では、電源投入音の出力中はメダル投入音が出力されなくすることで、電源投入音を認識しやすくする構成について説明したが、電源投入音以外の音であれば、メダル投入音と同様に出力を制限することで、電源投入音を認識しやすい状態とすることができる。例えば、
図18には、入賞や精算に基づくメダル払い出し中に電断があり、電源投入後に残りのメダルを払い出しが実行される例が示されている。この例では、残りのメダルの払い出し期間が、電源投入音の出力中であるため、この払い出しに対応する払い出し音が出力されない。一方、遊技中の払い出しであれば、不正対策のために比較的大きな音量で払い出し音を出力する。この場合、払い出し音がないことで電源投入音だけが出力されて電断が発生したことを気づかせることができる。実際には、スピーカから出力される電源投入音と、メダル払出装置がメダルを払い出す動作音と、メダルの受け皿161に衝突するメダル衝突音が、聞こえるようになる。よって、メダル払出装置がメダルを払い出す動作を正常に行っているか否か、メダル払出装置が払い出したメダルがメダルの受け皿161に到達しているか否か、の確認も行うことができる。なお、遊技中の払い出しであれば、大きな音量で払い出し音が出力されるため、メダル払出装置の動作等の確認を行うことは困難である。
【0111】
なお、例えば、電源投入後に精算ボタンが操作された場合には、電源投入音の出力中であっても精算音を出力するようにする、といった構成としてもよく、電源投入音の出力中に制限される音の種類については任意に採用することができる。
【0112】
≪その他≫
なお、本実施形態においては、遊技台の一例として、メダル(コイン)を遊技媒体としたスロットマシン100を示したが、これに限定されるものではなく、遊技球(例えば、パチンコ玉)を遊技媒体としたスロットマシンや、ぱちんこ機、アレンジボール遊技機や、じゃん球遊技機、スマートボール等に適用可能である。
【0113】
なお、スロットマシンは、上記の構成に基づく動作をシミュレーションするプログラムによって、携帯端末(スマートフォン、ゲーム機)やパソコン上で動作するような、メダルを使用せずに電子データのやり取りのみ行うスロットマシンであってもよく、この場合、遊技媒体は、メダルに相当する電子化したデータを含むものであり、遊技媒体の投入は、所定の外部装置(電子貯留装置)から、電子化したデータを入力することを含むものであり、遊技媒体の払出は、所定の外部装置(電子貯留装置)へ、電子化したデータを出力することを含むものである。
【0114】
以上、本実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
【0115】
≪発明の構成と実施形態の対応≫
以下、上記説明に記載されている発明の構成について、対応する構成を参照しつつ記載する。
【0116】
上記の説明では、
回転駆動される複数のリール(例えば、リール110~112)と、
前記複数のリールのそれぞれに対応して設けられた複数のストップボタン(例えば、ストップボタン137~139)と、
前記複数のストップボタンの上側に設けられた表示手段(例えば、演出画像表示装置157)と、
遊技者の操作を受け付け可能な受付部(例えば、振動センサ450)と、
を備えた遊技台(例えば、スロットマシン100)であって、
前記受付部は、前記表示手段の上、横の少なくともいずれかの側に設けられたものであり(例えば、
図7(A)参照)、
前記表示手段は、前記受付部が受け付けた操作に基づいて表示内容を変化させるものである(例えば、
図7参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0117】
また、上記記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に、前記受付部への操作に要する遊技者の手の移動方向と同じ方向に、所定の画像を移動する様子を表示させることが可能なものである(例えば、
図7(B)参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0118】
また、上記記載の遊技台であって、
前記表示手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に表示内容の変化の情報である所定の情報(例えば、タライ落下演出の情報)が予約されている場合には、該所定の情報に基づいて表示内容を変化させるものであり(例えば、
図9参照)、
前記表示手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に前記所定の情報が予約されていない場合でも、表示内容を変化させる場合があるものである(例えば、
図10参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0119】
また、上記記載の遊技台であって、
前記受付部は、操作の受け付けにあたって振動の検知結果を用いるものである、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0120】
また、上記の説明では、
演出手段(例えば、演出画像表示装置157、スピーカ272、277、各種ランプ420)と、
遊技者の操作を受け付け可能な受付部(例えば、振動センサ450)と、
を備えた遊技台(例えば、スロットマシン100)であって、
前記演出手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に所定の演出情報(例えば、タライ落下演出の情報)が予約されている場合には、当該情報に基づいて演出を実行するものであり(例えば、
図9参照)、
前記演出手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に前記所定の演出情報が予約されていない場合でも、演出を実行する場合があるものである(例えば、
図10参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0121】
また、上記記載の遊技台であって、
前記演出手段は、遊技の開始から終了までの間において前記受付部が操作を受け付けた際に、該操作に基づく演出を実行可能なものである(例えば、[振動センサを用いた演出について(4)]の記載参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0122】
また、上記記載の遊技台であって、
前記演出手段は、前記受付部が操作を受け付けた際に前記所定の演出情報が予約されていない場合には、実行中の演出を変化させた演出を実行するものである(例えば、
図10参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0123】
また、上記記載の遊技台であって、
前記遊技台は、遊技の終了後にデモ状態あるいは音量低下状態となる場合があるものであり(例えば、
図11~
図14参照)、
前記演出手段は、前記デモ状態あるいは前記音量低下状態において前記受付部が操作を受け付けた際に前記所定の演出情報が予約されていない場合には、該操作に基づく演出を実行しないものである(例えば、
図14(B)参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0124】
また、上記記載の遊技台であって、
前記受付部は、操作の受け付けにあたって振動の検知結果を用いるものである、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0125】
また、上記の説明では、
演出手段(例えば、演出画像表示装置157、スピーカ272、277、各種ランプ420)と、
振動を検知する振動センサ(例えば、振動センサ450)と、
前記振動センサの設置位置に設けられ、前記振動センサに向けて突出した凸部(例えば、リブ102TR)と、
を備えた遊技台(例えば、スロットマシン100)であって、
前記振動センサは、前記凸部に接した状態で配置されたものであり(例えば、
図3(B)参照)、
前記演出手段は、前記振動センサの検知結果に基づいて演出を実行するものである(例えば、
図7(A)参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0126】
また、
前記振動センサを収納するためのケース(例えば、ケース701)を備えた上記記載の遊技台であって、
前記ケース内には、緩衝材(例えば、緩衝材702)が設けられており、
前記振動センサは、前記凸部と前記緩衝材に挟まれた状態で前記ケースに収納されたものである(例えば、
図3(B)参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【0127】
また、上記遊技台であって、
前記凸部は、板状部材(例えば、平板部102TP)に設けられたものであり、
前記板状部材は、前記凸部が設けられた面とは反対側で支持部材(例えば、支持部102TS)によって支持されたものであり、
前記凸部が設けられた位置に対する、前記板状部材の反対側の位置には空間(例えば、空間SP)が形成されている、
ことを特徴とする遊技台(例えば、
図6参照)、が記載されている。
【0128】
また、上記記載の遊技台であって、
遊技台の表面のうち前記振動センサに対応する位置に印(例えば、装飾KY)が設けられている(例えば、
図1参照)、
ことを特徴とする遊技台、が記載されている。
【符号の説明】
【0129】
100 スロットマシン
110~112 リール
113 表示窓
130~132 ベットボタン
135 スタートレバー
137~139 ストップボタン
157 演出画像表示装置
272,277 スピーカ
420 各種ランプ
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部
450 振動センサ