(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140913
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】吸収性物品
(51)【国際特許分類】
A61F 13/535 20060101AFI20220921BHJP
A61F 13/534 20060101ALI20220921BHJP
A61F 13/53 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A61F13/535 200
A61F13/534 100
A61F13/534 110
A61F13/53 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021040974
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002170
【氏名又は名称】弁理士法人翔和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 英悟
【テーマコード(参考)】
3B200
【Fターム(参考)】
3B200AA01
3B200AA03
3B200BA01
3B200BA02
3B200BA03
3B200BB17
3B200CA08
3B200CA11
3B200DA06
3B200DB01
3B200DB02
3B200DB05
3B200DB12
3B200DB19
(57)【要約】
【課題】横漏れ防止性能に優れ、着用者の脚への負荷圧が低減され着用感にも優れる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】吸収性コア6は、第1層7と第2層8とが厚み方向に積層された積層構造を有し、両層7,8は粒子状の吸水性ポリマーを含有する。第2層8は、少なくとも股下部Bに、第1層7の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方に延出する横方向延出部82を有している。第2層8は、第1層7に比べて、吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が小さい。本発明の一実施形態では、第1層7は、親水性繊維を含む繊維集合体を有し、吸水性ポリマーは該繊維集合体の繊維間空隙に存在しており、第2層8は、吸水性ポリマーを主体とし且つ繊維を含有しない吸水性ポリマー層80を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、排泄物を吸収保持する吸収性コアを具備する吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、第1層と該第1層よりも着用者の肌から遠い側に配された第2層とが厚み方向に積層された積層構造を有し、該第1層及び該第2層は、それぞれ、粒子状の吸水性ポリマーを含有し、
前記第2層は、少なくとも前記股下部に、前記第1層の前記縦方向に沿う側縁から前記横方向の外方に延出する横方向延出部を有し、
前記第2層は、前記第1層に比べて、前記吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が小さい、吸収性物品。
【請求項2】
前記第1層は、親水性繊維を含む繊維集合体を有し、前記吸水性ポリマーは、該繊維集合体の繊維間空隙に存在しており、
前記第2層は、前記吸水性ポリマーを含有し且つ繊維を含有しない吸水性ポリマー層を含む、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記第2層は、前記第1層に比べて、前記吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度が大きい、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記第2層は、前記第1層に比べて、前記吸水性ポリマーの平均粒子径が小さい、請求項2又は3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記第2層の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度に対する前記第1層の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度の比率が、2.8以上である、請求項1~4の何れか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記吸収性コアの前記横方向延出部が存在する部分での厚み方向且つ前記横方向に沿う断面視において、前記第2層の横方向長さに対する前記第1層の横方向長さの比率が、0.83以下である、請求項1~5の何れか1項に記載の吸収性物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、股下に装着して排泄物を吸収保持するのに使用される吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品は、一般に、排泄物を吸収保持する吸収体と、該吸収体の肌対向面側に配された表面シートと、該吸収体の非肌対向面側に配された裏面シートとを含む。吸収体は、吸水性材料を主体とする吸収性コアを含み、該吸水性材料としては従来、木材パルプ等の親水性繊維、粒子状の吸水性ポリマー等が使用されている。
【0003】
特許文献1には、二層構造の吸収体を具備する吸収性物品が記載されている。この二層構造の吸収体は、親水性繊維を含有する上層吸収体と、該上層吸収体の非肌対向面側に配置された下層吸収体とを有し、該下層吸収体は、該上層吸収体よりも長手方向及び幅方向において延出した延出領域を有している。特許文献1には、上層吸収体と下層吸収体の延出領域とで吸水性ポリマーの坪量を異ならせることで、上層吸収体でのゲルブロッキングと横漏れを防止できることが記載されているが、両吸収体で吸水性ポリマーの種類を異ならせることは記載されていない。
【0004】
特許文献2には、排泄物の吸収速度を高速に保ちつつ、ゲルブロック対策がなされた吸収体を具備する吸収性物品が記載されている。特許文献2に記載の吸収体は、熱可塑性繊維の一部が熱融着して形成された3次元網目構造を有する繊維層と、該繊維層に分散して配置され、Vortex法による吸収速度が25秒以下の吸水性ポリマー粒子とを含み、該吸水性ポリマー粒子は、該吸収体の肌側面に配置される第1粒子と、該吸収体の非肌対向面側に配置され、該第1粒子よりも粒径の大きい第2粒子とを含む。
【0005】
特許文献3には、薄型で液吸収性に優れた吸収性物品用の吸収体として、対向配置された2枚の不織布の間に、吸水性樹脂及び接着剤を含有する吸収層が配置された構成のものが記載されている。前記吸収層は、不織布からなる繊維基質によって厚み方向に2つの層に分割されており、その2つ層のうちの一方の吸水性樹脂の食塩水流れ誘導性(SFC)が特定範囲に設定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-162526号公報
【特許文献2】特開2013-252333号公報
【特許文献3】特開2012-218320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
吸収性物品の着用者の前後方向に対応する方向を縦方向、該縦方向に直交する方向を横方向とした場合、吸収性物品における着用者の股間部に対応する部分(股下部)の吸収体の横方向長さを長くすると、吸収体の吸収容量が増加して液吸収性の向上が期待できる反面、吸収性物品の着用中に、横方向に大きく張り出した吸収体によって、該吸収体の横方向両側に存在する着用者の両脚(大腿部)が強く押圧されるようになり、着用感の低下を招くおそれがある。一方、股下部の吸収体の横方向長さを短くすると、このような吸収体による着用者の両脚への負荷圧は低減されるものの、液吸収性の低下を招くおそれがあり、特に排泄物が吸収性物品の横方向外方に漏れ出すいわゆる横漏れが懸念される。横漏れ防止と着用者の脚への負荷圧低減との両立を実現し得る技術は未だ提供されていない。
【0008】
本発明は、横漏れ防止性能に優れ、着用者の脚への負荷圧が低減され着用感にも優れる吸収性物品を提供することに関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、排泄物を吸収保持する吸収性コアを具備する吸収性物品である。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記吸収性コアは、第1層と該第1層よりも着用者の肌から遠い側に配された第2層とが厚み方向に積層された積層構造を有し、該第1層及び該第2層は、それぞれ、粒子状の吸水性ポリマーを含有している。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記第2層は、少なくとも前記股下部に、前記第1層の前記縦方向に沿う側縁から前記横方向の外方に延出する横方向延出部を有している。
本発明の吸収性物品の一実施形態では、前記第2層は、前記第1層に比べて、前記吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が小さい。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、横漏れ防止性能に優れ、着用者の脚への負荷圧が低減され着用感にも優れる吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつの展開且つ伸長状態における肌対向面側(表面シート側)の模式的な展開平面図である。
【
図2】
図2は、
図1のI-I線断面(吸収性物品の厚み方向且つ横方向に沿う断面)の模式的な断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す吸収体を拡大して示す模式的な断面図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すおむつの着用時における股下部の吸収性コアの厚み方向且つ横方向に沿う模式的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
【0013】
図1及び
図2には、本発明の吸収性物品の一実施形態である使い捨ておむつ1が示されている。おむつ1は、着用者の前後方向、すなわち腹側から股間部を介して背側に延びる方向に対応する縦方向Xと、縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。またおむつ1は、着用者の股間部に配され、陰茎等の排泄部に対向する排泄部対向部(図示せず)を含む股下部Bと、該股下部Bよりも着用者の腹側(前側)に配される腹側部Aと、該股下部Bよりも着用者の背側(後側)に配される背側部Cとの3つに区分される。
【0014】
本実施形態では、おむつ1は、
図1に示す如き展開且つ伸長状態において、横中心線CLyを挟んで一方側と他方側とで対称に形成されている。
腹側部Aは、おむつ1の前身頃Fの一部であり、背側部Cは、おむつ1の後身頃Rの一部である。股下部Bは、縦中心線CLxを縦方向Xに跨いでおり、前身頃F及び後身頃Rの双方にわたって存在している。股下部Bは、典型的には、レッグ開口部形成用の凹欠部であるレッグ縁部LS,LSが形成された領域を含む。レッグ縁部LSは、裏面シート4の縦方向Xに沿う両側縁部の一部である。
本発明において、腹側部A、股下部B及び背側部Cは、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに三等分した場合の各領域であり得る。
【0015】
横中心線CLyは、展開且つ伸長状態のおむつ1を横方向Yに二等分して縦方向Xに延びる仮想直線である。縦中心線CLxは、展開且つ伸長状態のおむつ1を縦方向Xに二等分して横方向Yに延びる仮想直線である。
前記「展開且つ伸長状態」とは、吸収性物品を平面状に拡げて展開状態とし、その展開状態の吸収性物品の各部の弾性部材を伸長させて設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態をいう。
【0016】
本実施形態では、おむつ1は
図2に示すように、肌対向面を形成する液透過性の表面シート3、非肌対向面を形成する液不透過性の裏面シート4、及びこれら両シート3,4間に配された吸収体5とを備えており、これらの部材3,4,5が吸収性本体2を構成している。吸収性本体2を構成する各部材どうしは、接着剤、融着等の接合手段により一体とされている。表面シート3は、吸収体5の肌対向面の全域を被覆し、裏面シート4は、吸収体5の非肌対向面の全域を被覆している。表面シート3及び裏面シート4は、それぞれ、吸収体5の縦方向Xの両端から縦方向Xの外方に延出しているとともに、吸収体5の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出している。裏面シート4は、少なくとも横方向Yにおいて表面シート3よりも横方向Yの外方に延出しており、
図1に示す如き展開状態のおむつ1の外形を形作っている。
【0017】
本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体)に着目したときに、吸収性物品の着用時に着用者の肌に向けられる面であり、「非肌対向面」は、吸収性物品の着用時に着用者の肌とは反対側に向けられる面である。つまり、肌対向面は、着用者の肌から相対的に近い側の面であり、非肌対向面は、着用者の肌から相対的に遠い側の面である。また、「着用時」及び「着用状態」は、吸収性物品の適正な着用位置が維持されて着用された状態を指す。
【0018】
吸収性本体2の構成部材としては、当該部材について後で説明がある場合はその説明が適用され得るものであることを前提として、この種の吸収性物品において通常使用されているものを特に制限なく用いることができる。表面シート3としては、液透過性を有する各種のシートを用いることができ、例えば、不織布、織布、紙が挙げられる。裏面シート4としては、防漏性を有するシート、具体的には液不透過性(液を全く通さない性質)又は液難透過性(液不透過性とまでは言えないものの、液を通し難い性質)を有するシートを用いることができ、例えば、透湿性の樹脂フィルム、該樹脂フィルムと不織布との積層体が挙げられる。
【0019】
本実施形態では、おむつ1は、吸収性本体2の縦方向Xに沿う両側部に沿って配された一対の防漏カフ10,10を備えている。各防漏カフ10は、液不透過性且つ通気性の防漏シート11を含み、防漏シート11の横方向Yの一端側は、他の部材(
図2に示す形態では裏面シート4)に固定されて固定端部とされ、防漏シート11の横方向Yの他端側は、他の部材に非固定の自由端部とされている。防漏シート11の前記自由端部には、防漏カフ形成用弾性部材12が、縦方向Xに伸長状態で固定されることで同方向に伸縮可能に配置されている。おむつ1の着用時には、弾性部材12の収縮力により、少なくとも股下部Bにおいて、防漏シート11の前記自由端部側が、前記固定端部を起立基端として着用者側に起立することで一対の防漏カフ10,10が起立し、これにより尿等の排泄物の横方向Yの外方への流出が阻止される。なお
図2では、説明の便宜上、防漏カフ10を起立した状態で示しているが、
図1に示す如き展開且つ伸長状態のおむつ1において防漏カフ10が必ずしも
図2に示すように起立するというわけではない。
【0020】
おむつ1は、展開型吸収性物品に特有の構成として、
図1に示すように、背側部Cの縦方向Xに沿う両側縁部に配された一対のファスニングテープ13,13と、腹側部Aの非肌対向面(裏面シート4の非肌対向面)に配され、各ファスニングテープ13が有する係合部14を着脱自在に止着可能な止着部材15とを備えており、おむつ1の着用時には、係合部14を止着部材15に止着させる。
【0021】
本実施形態では、おむつ1は、
図2に示すように、吸収体5(吸収性本体2)の周縁よりも外方に位置するフラップ部16を備える。フラップ部16は、吸収体5の周縁を跨ぐように配された部材によって構成され、図示の形態では、表面シート3、裏面シート4及び防漏シート11を含んで構成されている。フラップ部16を構成する複数の部材どうしは、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。フラップ部16における、吸収体5の縦方向Xに沿う両側縁及び該両側縁の仮想延長線よりも横方向Yの外方に位置する部分はサイドフラップ部17である。一対のサイドフラップ部17,17それぞれの少なくとも股下部Bには、レッグギャザー形成用弾性部材18がレッグ縁部LS(縦方向X)に沿って伸縮可能に配されている。おむつ1の着用時には、弾性部材18の収縮により、レッグ縁部LS,LSを構成するシート(図示の形態では裏面シート4及び防漏シート11)に、弾性部材18の収縮方向と交差する方向に延びる複数の襞(ギャザー)が形成され、これにより着用者の脚周りの全周にわたって該襞が実質的に連続したレッグギャザーが形成される。
【0022】
以下、おむつ1の特徴部分である吸収体5について詳細に説明する。
本実施形態では、吸収体5は
図1に示すように、平面視において一方向に長い形状(
図2に示す形態では長方形形状)を有し、その長手方向とおむつ1の縦方向Xとが一致するように配されている。吸収体5は少なくとも股下部Bに配され、本実施形態では、吸収体5は、腹側部Aから股下部Bを介して背側部Cに延びて配されている。吸収体5の長手方向両側縁(縦方向Xに沿う両側縁)は、おむつ1の縦方向Xに沿う両側縁よりも内方に位置している。
【0023】
本実施形態では、吸収体5は、吸収体5の主体をなし、排泄物を吸収保持する吸収性コア6と、吸収性コア6の外面を被覆するコアラップシート9とを含む。コアラップシート9としては、液透過性を有するシートを用いることができ、例えば、紙、不織布、織布を用いることができる。
図2に示す形態では、1枚のコアラップシート9によって吸収性コア6の肌対向面及び非肌対向面が被覆されているが、吸収体5は複数枚のコアラップシート9を含んでいてもよく、例えば、吸収性コア6の肌対向面を被覆する1枚の肌側コアラップシートと、吸収性コア6の非肌対向面を被覆する1枚の非肌側コアラップシートとを含んでいてもよい。
なお本発明では、コアラップシート9は必須ではなく、吸収体5は吸収性コア6のみから構成されていてもよい。
【0024】
吸収性コア6は、第1層7と該第1層7よりも着用者の肌から遠い側に配された第2層8とが厚み方向に積層された積層構造を有している。したがって、おむつ1の着用者が排泄した尿等の排泄物は、通常、吸収性コア6を第1層7、第2層8の順で厚み方向に移行する。
【0025】
本実施形態では、
図2に示すように、第1層7と第2層8との間に他の部材が介在しておらず、第1層7の非肌対向面と第2層8の肌対向面とが接触しており、吸収性コア6は、第1層7と第2層8との二層構造を有している。
なお本発明では、本発明の要旨を逸脱しないことを条件として、第1層7と第2層8との間に他の部材(例えば、コアラップシート9と同様の素材からなるシート)が介在していてもよく、吸収性コア6は三層以上の積層構造を有していてもよい。
【0026】
第1層7及び第2層8は、それぞれ、粒子状の吸水性ポリマーを含有している。図中の符号Pは、吸水性ポリマーである。両層7,8に含有される吸水性ポリマーとしては、後述する説明に沿うものであることを条件として、この種の吸収性物品に使用可能なものを特に制限無く用いることができ、典型的には、水の吸収及び保持が可能なヒドロゲル材料を用いることができ、例えばアクリル酸又はアクリル酸アルカリ金属塩の重合物又は共重合物を用いることができる。その例としては、ポリアクリル酸及びその塩並びにポリメタクリル酸及びその塩が挙げられ、具体的には、アクリル酸重合体部分ナトリウム塩が挙げられる。また、粒子状の吸水性ポリマーの形状は特に制限されず、例えば、球状、房状、塊状、俵状、繊維状、不定形状及びこれらの組み合わせの粒子であり得る。
【0027】
本実施形態では、第1層7は、親水性繊維を含む繊維集合体を有し、吸水性ポリマーは、該繊維集合体の繊維間空隙に存在している。第1層7はいわゆる積繊タイプの吸収性コアである。このような繊維集合体を主体とする第1層7は、典型的には、第2層8に含まれる後述の吸水性ポリマー層80の如き、吸水性ポリマーを含有し且つ繊維を含有しない吸水性ポリマー層を含んでおらず、吸水性ポリマーは該繊維集合体の全体に分散配置されている。
繊維集合体を主体とする第1層7において、吸水性ポリマーは第1層7の全体に均一に分布していてもよく、また、前記吸水性ポリマー層を形成しない程度に偏在していてもよい。後者の具体例として、第1層7の肌対向面側又は非肌対向面側に吸水性ポリマーが偏在している形態、すなわち、肌対向面側及び非肌対向面側の何れか一方が他方に比べて吸水性ポリマーの含有量が多い形態を例示できる。ここでいう、第1層7の肌対向面側と第1層7の非肌対向面側とは、第1層7を厚み方向に二等分する仮想直線(図示せず)によって分けられる。
【0028】
第1層7に含まれる親水性繊維としては、この種の吸収性コアに使用可能なものを特に制限無く用いることができ、例えば、セルロース繊維、親水性合成繊維等が挙げられ、1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。セルロース繊維としては、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ;キュプラ、レーヨン等の再生繊維等が挙げられる。
第1層7における親水性繊維の含有量は、第1層7に含まれる繊維の全質量に対して、好ましくは50質量%以上であり、100質量%でもよい。第1層7には、親水性繊維以外の繊維、例えば、疎水性の熱可塑性繊維等が含有されていてもよい。
【0029】
第1層7の坪量や形成材料の含有量等は特に制限されないが、第1層7の所定の効果を確実に奏させるようにする観点から、以下のように設定することができる。特に、第1層7が前述した繊維集合体を主体として構成されるものである場合は、以下のように設定することが好ましい。
第1層7の坪量は、好ましく50m2以上、より好ましくは100g/m2以上、そして、好ましくは1000g/m2以下、より好ましくは800g/m2以下である。
第1層7における繊維の含有量は、第1層7の全質量に対して、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
第1層7における吸水性ポリマーの含有量は、第1層7の全質量に対して、好ましくは20質量%以上、より好ましくは50質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは90質量%以下である。
【0030】
第1層7は、回転ドラムを備えた公知の積繊装置を用いて常法に従って製造することができる。積繊装置は、典型的には、外周面に集積用凹部が形成された回転ドラムと、該集積用凹部に形成材料(繊維、粒子状の吸水性ポリマー)を搬送する流路を内部に有するダクトとを備え、該回転ドラムをそのドラム周方向に沿って回転軸周りに回転させつつ、該回転ドラムの内部側からの吸引によって該流路に生じた空気流に乗って搬送された該形成材料を、該集積用凹部に積繊させるようになされている。斯かる積繊工程によって集積用凹部内に形成される積繊物は、第1層7である。
【0031】
本実施形態では、第2層8は、
図2及び
図3に示すように、吸水性ポリマーを含有し且つ繊維を含有しない吸水性ポリマー層80を含む。ここでいう、「繊維を含有しない」には、繊維の含有量がゼロである形態のみならず、吸水性ポリマー層80に繊維が含有されているものの、その繊維の含有量は実質的にゼロと言えるような極少量(吸水性ポリマー層80の全質量に対して好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下)である形態が包含される。第2層8はいわゆるシートタイプの吸収性コアである。
【0032】
本実施形態では、第2層8は、該第2層8の厚み方向に対向配置された2枚の基材シート81,81を含み、吸水性ポリマー層80は、この2枚の基材シート81,81の間に介在配置されている。2枚の基材シート81,81は、互いに同一でもよく、構成、材質、物性等の1つ以上の特性が異なっていてもよい。
【0033】
吸水性ポリマー層80は、典型的には、ホットメルト型接着剤等の接着剤を含んでおり、この接着剤によって、吸水性ポリマー層80を構成する吸水性ポリマーどうしが接合されているとともに、2枚の基材シート81,81どうし、及び基材シート81と吸水性ポリマーとが互いに接合されている。
吸水性ポリマー層80の坪量は特に制限されないが、第2層8の所定の効果を確実に奏させるようにする観点から、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは20g/m2以上、そして、好ましくは1000g/m2以下、より好ましくは800g/m2以下である。
【0034】
基材シート81としては、液透過性ないし液吸収性を有するシートを用いることができる。基材シート81は、典型的には、繊維を主体とする、すなわち繊維の含有量が50質量%を超える繊維シートである。
基材シート81の構成繊維としては、例えば、針葉樹パルプや広葉樹パルプ等の木材パルプ、綿パルプや麻パルプ等の非木材パルプ等の天然繊維;カチオン化パルプ、マーセル化パルプ等の変性パルプ(以上、セルロース繊維);ポリエチレン及びポリプロピレン等の樹脂を含んで構成される合成繊維等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
基材シート81の形態としては、例えば、紙、織布、不織布が挙げられ、不織布としては、例えば、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンボンド-メルトブローン-スパンボンド(SMS)不織布が挙げられる。基材シート81は、典型的には、これらの1種からなる単層構造であるが、2種以上が積層一体化した積層構造でもよい。
基材シート81の坪量は特に制限されないが、第2層8の所定の効果を確実に奏させるようにする観点から、好ましくは5g/m2以上、より好ましくは8g/m2以上、そして、好ましくは100g/m2以下、より好ましくは80g/m2以下である。
【0035】
図3に示すように、第2層8は、少なくとも股下部Bに、第1層7の縦方向Xに沿う側縁7Sから横方向Yの外方に延出する横方向延出部82を有している。
本実施形態では、横方向延出部82は、
図1に示すように、第1層7を挟んで横方向Yの両側に一対存在しており、その一対の横方向延出部82,82は、それぞれ、第2層8の縦方向Xの全長にわたって連続的に延在し、股下部Bのみならず腹側部A及び背側部Cにも存在している。横方向延出部82の横方向長さLy82(
図3参照)は、横方向延出部82の縦方向Xの全長にわたって一定である。
なお本発明では、横方向延出部82は少なくとも股下部Bに存在すればよく、その平面視形状等は特に制限されず、例えば、横方向長さLy82は縦方向Xの全長にわたって一定ではなくてもよく、横方向長さLy82が部分的に異なっていてもよい。また、縦方向Xにおいて複数の横方向延出部82が不連続に存在していてもよい。
【0036】
このように、吸収性コア6を構成する第1層7及び第2層8のうち第2層8のみが股下部Bに横方向延出部82を有するということは、換言すれば、股下部Bにおいて横方向延出部82と縦方向Xにおいて同位置に存在する第1層7は、第2層8に比べて横方向Yの長さ(幅)が短く、第2層8ほどは横方向Yに張り出していないということである。このような構成の吸収性コア6を備えるおむつ1を常法に従って着用した場合、
図4に示すように、着用者の股間部90では、おむつ1の股下部Bの吸収性コア6が着用者の両脚(大腿部)91,91に挟まれて横方向Yに圧縮され得る状態となるので、脚91の股間部90側が吸収性コア6の横方向Yの端部によって押圧され得る状態となり、着用者に脚91への負荷圧を知覚させ、着用感の点で不満を感じさせるおそれがある。しかしながらおむつ1においては、前述したとおり
図4に示すように、着用者の股間部90に対応する股下部Bにおいて第2層8が第1層7よりも横方向Yの外方に延出しているので、おむつ1の着用中に脚91を押圧するのは主に第2層8(横方向延出部82)であり、第1層7による脚91の押圧の機会及び押圧力が低減されているので、従来の吸収性物品のように吸収性コア(吸収体)の横方向長さがその厚み方向の全体にわたって同じ場合に比べて、脚91への負荷圧が低減されており、着用感の向上が図られている。
【0037】
特に本実施形態では、着用者の脚への負荷圧の主要因となる第2層8(横方向延出部82)が、親水性繊維を含む繊維集合体を主体とし、比較的厚みが厚く高剛性のいわゆる積繊タイプの吸収性コアではなく、吸水性ポリマー層80を主体とし、比較的厚みが薄く低剛性のいわゆるシートタイプの吸収性コアであるため、着用者の脚への負荷圧の一層の低減、着用感の一層の向上が図られている。一般に、シートタイプの吸収性コアは、積繊タイプの吸収性コアに比べて、厚みが薄く柔軟である。
なお、吸収性コアが、積繊タイプの吸収性コアとシートタイプの吸収性コアとの二層構造からなることの有利な点として、一定の漏れ性能を担保しながら吸収性コアの薄型化を図ることが可能である点が挙げられる。
【0038】
前述した第2層8の横方向延出部82による作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、
図3に示す如き、吸収性コア6の横方向延出部82が存在する部分での厚み方向且つ横方向Yに沿う断面視において、第2層8の横方向長さLy8(
図3参照)に対する第1層7の横方向長さLy7(
図3参照)の比率(Ly7/Ly8)は、好ましくは0.83以下、より好ましくは0.58以下である。また、斯かるLy7/Ly8の比率の下限については、第1層7の液吸収能の確保等の観点から、好ましくは0.25以上、より好ましくは0.4以上である。
なお、第1層7の横方向長さLy7は、第1層7が該第1層7の形成材料(親水性繊維、吸水性ポリマー等)の非存在部を有している場合、具体的には例えば、第1層7がスリット、貫通孔のような空間部を有している場合は、そのような形成材料の非存在部(空間部)の横方向Yの長さを含む。第2層8の横方向長さLy8についても同様である。
【0039】
前記と同様の観点から、横方向延出部82の横方向長さLy82(
図3参照)は、好ましくは10mm以上、より好ましくは25mm以上、そして、好ましくは50mm以下、より好ましくは40mm以下である。
【0040】
ところで、股下部Bの第2層8に横方向延出部82を設けると、第1層7における横方向延出部82と縦方向Xにおいて同位置にある部分の横方向Yの長さが、横方向延出部82が設けられていない場合(第1層7と第2層8とで横方向Yの長さが同じ場合)に比べて短くなるため、第1層7の横方向Yにおける排泄物の吸収容量が低下する。そのため、第2層8に比較的多量の排泄物が移行するようになり、第2層8に移行してきた排泄物が第2層8中を横方向Yに拡散されて第2層8の横方向Yの端部から外部に漏れ出す、いわゆる横漏れが発生しやすくなることが懸念される。
しかしながら本発明では、「第2層8は、第1層7に比べて、吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が小さい」という構成が採用されており、第2層8における尿等の排泄物の透過・拡散速度は第1層7のそれに比べて小さくなっているので、第2層8における横漏れが発生し難く前記懸念が払拭されている。
このようにおむつ1は、股下部Bに第2層8の横方向延出部82が存在する(厚み方向且つ横方向Yに沿う断面視において第1層7が第2層8に比べて横方向Yの長さが短い部分が存在する)という構成を有するため、着用者の脚への負荷圧が低く着用感に優れ、また、斯かる構成に起因する不都合(横漏れ)については、吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度について「第1層7>第2層8」の関係が成立していることによりその発生が効果的に防止されており、横漏れ防止性能にも優れる。
【0041】
特に本実施形態のように、第1層7が積繊タイプの吸収性コアであると、第1層7において液(排泄物)の流路として機能し得る、近接する吸水性ポリマーどうしの間に、親水性繊維が存在するため、該流路を介しての液の透過・拡散が親水性繊維によって阻害されるおそれがあり、第1層7の通液性が低下することが懸念される。また本実施形態のように、第2層8が吸水性ポリマー層80を含むシートタイプの吸収性コアであると、吸水性ポリマー層80において近接する吸水性ポリマーどうしの間に繊維が実質的に存在しないため、圧力損失が比較的少なく、これに起因して、液(排泄物)が横方向Yに拡散しやすいため、横漏れが起こりやすい。しかしながら、このような積繊タイプの吸収性コア(第1層7)とシートタイプの吸収性コア(第2層8)との積層構造に特有の課題は、吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度について「第1層7>第2層8」の関係が成立することで解決可能である。
【0042】
加圧下通液速度は、吸水性ポリマーを含む吸収性コア中の液の拡散・透過速度の指標となり得るものであり、加圧下通液速度の低下は、吸収性コアにかけられた圧力により引き起こされる膨潤した吸水性ポリマーどうしの接着に起因する、吸収性コア内の液体の流路の狭窄(ゲルブロッキング)により引き起こされる。第2層8は、第1層7に比べて吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が小さく、ゲルブロッキングによる液(排泄物)の拡散阻害、通液性の低下が起こりやすいため、第1層7に比べて液(排泄物)の拡散・透過速度が小さく、それ故に横漏れを生じ難い。一方、第2層8に比べて着用者の肌に近い第1層7は、第2層8に比べて吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が大きく、ゲルブロッキングによる液(排泄物)の拡散阻害、通液性の低下が起こり難いため、第2層8に比べて液(排泄物)の拡散・透過速度が大きく、それ故に液残りが少なく、表面シート3のドライ感の向上、液戻りの防止等の効果が期待できる。2.0kPaという加圧力は、吸収性物品を着用しているときに吸収性コアに加わる圧力にほぼ相当する。加圧下通液速度は下記方法により測定される。
【0043】
<加圧下通液速度の測定方法>
本測定方法は、特開2003-235889号公報(特に[0008]、[0009]、
図1、
図2等参照)に記載されている測定方法に準じるもので、具体的には以下の手順で行われる。本測定方法は23±2℃、相対湿度50±5%で行われる。測定の前に、測定試料である吸水性ポリマーを同環境で24時間以上保存する。
まず、200mLのガラスビーカーに、測定試料である吸水性ポリマー0.32±0.005gと、これを膨潤するのに十分な量の生理食塩水(例えば、吸水性ポリマーの飽和吸収量の5倍以上の0.9質量%塩化ナトリウム水)とを入れ、該吸水性ポリマーを該生理食塩水中に浸した状態で30分間放置する。
次に、垂直に立てた円筒(内径25.4mm)の開口部の下端に、金網(目開き150μm、株式会社三商販売のバイオカラム焼結ステンレスフィルター30SUS)と、コック(内径2mm)付き細管(内径4mm、長さ8cm)とを備えた濾過円筒管を配置し、該コックを閉じた状態で該円筒内に、膨潤した測定試料を含む前記ビーカーの内容物の全てを投入する。そして、前記コックを開いて、前記円筒内の液面を、60mLの目盛り線よりも5cm上方(初期液面位置)に調整する。
次に、金網(目開き150μm、直径25mm)を先端に備えた直径2mmの円柱棒を前記濾過円筒管内に挿入して、該円柱棒の該金網と測定試料とが接するようにし、更に測定試料に2.0kPaの荷重が加わるようおもりを載せる。この状態で1分間放置した後、前記コックを開いて、前記濾過円筒管が備える前記円筒の下端に配された前記金網から液を流し、前記濾過円筒管内の液面が前記初期液面位置から20mL減少するまでの時間(吸水性ポリマーが収容された前記濾過円筒管内を20mLの生理食塩水が通過するのに要した時間)T
1(秒)を計測し、下記式により、当該測定試料の2.0kPaでの加圧下通液速度を算出する。下記式中の「T
0」は、吸水性ポリマーが収容されていない前記濾過円筒管内を20mLの生理食塩水が通過するのに要した時間(秒)である。
加圧下通液速度(mL/分)=20×60/(T
1-T
0)
測定は、1種類の測定試料(第1層又は第2層の吸水性ポリマー)につき5回行い、上下各1点の値を除き、残る3点の平均値を測定値とする。
【0044】
前述した加圧下通液速度の大小関係の成立による作用効果(横漏れ防止)をより一層確実に奏させるようにする観点から、第2層8の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度に対する第1層7の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度の比率(後者/前者)は、好ましくは2.8以上、より好ましくは83以上である。斯かる比率は、横漏れ防止の観点からは大きいほど好ましく、上限については特に考慮しなくてもよいが、第2層8に実用上十分な液吸収能を付与する等の観点から、好ましくは300以下、より好ましくは200以下である。
第1層7の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度は、第2層8のそれに比べて大きいことを前提として、好ましくは30mL/分以上、より好ましくは50mL/分以上、そして、好ましくは1000mL/分以下、より好ましくは400mL/分以下である。
第2層8の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度は、第1層7のそれに比べて小さいことを前提として、好ましくは0.1mL/分以上、より好ましくは2mL/分以上、そして、好ましくは150mL/分以下、より好ましくは100mL/分以下である。
【0045】
本実施形態のように、第1層7が積繊タイプの吸収性コア、第2層8がシートタイプの吸収性コアである場合において、第2層8は、第1層7に比べて、吸水性ポリマーのボルテックス(VORTEX)法による吸水速度が大きい(速い)ことが好ましい。ボルテックス法による吸水速度は、吸水性ポリマーが液を固定化する速度の指標となり得るもので、吸水性ポリマーの液固定能力を評価するのに適している。第2層8は、その液吸収能の根幹をなす吸水性ポリマー層80に、液吸収能の向上に寄与し得る親水性繊維が実質的に含有されていないため、吸水性ポリマー層80を構成する吸水性ポリマーに一定レベル以上の液固定能力を付与して、横漏れをより一層確実に防止する観点から、ボルテックス法による吸水速度について「第1層7<第2層8」の関係が成立することが好ましい。ボルテックス法による吸水速度は下記方法により測定される。
なお本発明では、ボルテックス法による吸水速度の指標として、測定対象の吸水性ポリマーが所定量の生理食塩水を吸収するのに要した時間を採用しており、斯かる時間が短いほど測定対象の吸水性ポリマーの吸水速度が大きい(速い)と評価されるので、第2層8の吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度の数値(秒)は、第1層7のそれに比べて小さいことが好ましい。
【0046】
<ボルテックス法による吸水速度の測定方法>
本測定方法は、JIS K 7224(1996)に準じるもので、具体的には以下の手順で行われる。本測定方法は23±2℃、相対湿度50±5%で行われる。測定の前に、測定試料である吸水性ポリマーを同環境で24時間以上保存する。
100mLのガラスビーカーに、生理食塩水(0.9質量%塩化ナトリウム水)50mLとマグネチックスターラーチップ(中央部直径8mm、両端部直径7mm、長さ30mmで、表面がフッ素樹脂コーティングされているもの)を入れ、ビーカーをマグネチックスターラー(アズワン製HPS-100)に載せる。マグネチックスターラーの回転数を600±60rpmに調整し、生理食塩水を攪拌させる。測定試料である吸水性ポリマー2.0gを、攪拌中の食塩水の渦の中心部で液中に投入し、JIS K 7224(1996)に準拠して該吸水性ポリマーの吸水速度(秒)を測定する。具体的には、吸水性ポリマーのビーカーへの投入が完了した時点でストップウォッチをスタートさせ、スターラーチップが試験液に覆われた時点(渦が消え、液表面が平らになった時点)でストップウォッチを止め、その時間(秒)をボルテックス法による吸水速度として記録する。
測定は、1種類の測定試料(第1層又は第2層の吸水性ポリマー)につき5回行い、上下各1点の値を除き、残る3点の平均値を測定値とする。
【0047】
前述したボルテックス法による吸水速度の大小関係の成立による作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、第1層7の吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度(秒)と第2層8の吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度(秒)との比率は、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは1.1以上、より好ましくは1.4以上、そして、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。
第1層7の吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度(秒)は、第2層8のそれに比べて大きい(すなわち速度としては遅い)ことを前提として、好ましくは30秒以上、より好ましくは40秒以上、そして、好ましくは120秒以下、より好ましくは60秒以下である。
第2層8の吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度(秒)は、第1層7のそれに比べて小さい(すなわち速度としては速い)ことを前提として、好ましくは10秒以上、より好ましくは20秒以上、そして、好ましくは40秒以下、より好ましくは30秒以下である。
【0048】
本実施形態のように、第1層7が積繊タイプの吸収性コア、第2層8がシートタイプの吸収性コアである場合において、第2層8は、第1層7に比べて、吸水性ポリマーの平均粒子径が小さいことが好ましい。これにより、第2層8は、第1層7に比べて、吸水性ポリマーの比表面積が大きくなるため、第2層8の液吸収速度の一層の向上が期待でき、横漏れがより一層確実に防止され得る。
【0049】
前記の「吸水性ポリマーの平均粒子径」は、例えば、測定対象の吸収性コア(第1層7、第2層8)の肌対向面又は非肌対向面を、顕微鏡を用いて適当な観察倍率で撮影し、その撮影された写真における複数の吸水性ポリマー粒子それぞれの直径(最大差し渡し長さ)を計測し、それら複数の計測値の算術平均値として算出することができる。
より具体的には例えば、顕微鏡を用いて観察倍率40倍で撮影された吸収性コアの肌対向面又は非肌対向面の写真において、面積が1平方センチメートルの平面視正方形形状の単位領域を任意に設定し、その単位領域に存在する吸水性ポリマー粒子それぞれの直径を計測し、それらの算術平均値を算出する。測定は、1種類の測定対象(例えば第1層7)につき3回行い、その3回分の測定値の算術平均値を、該1種類の測定対象の吸水性ポリマーの平均粒子径とする。なお、顕微鏡による写真撮影の対象とする面は、第1層7の場合は肌対向面、第2層8の場合は非肌対向面とする。また、測定対象の吸収性コアの肌対向面がコアラップシート等の他の部材で被覆されている場合は、該他の部材を除去した状態で顕微鏡撮影を行う。
【0050】
前述した吸水性ポリマーの平均粒子径の大小関係の成立による作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、第1層7の吸水性ポリマーの平均粒子径と第2層8の吸水性ポリマーの平均粒子径との比率は、前者>後者を前提として、前者/後者として、好ましくは1.05以上、より好ましくは1.3以上、そして、好ましくは4以下、より好ましくは3以下である。
第1層7の吸水性ポリマーの平均粒子径は、第2層8のそれに比べて大きいことを前提として、好ましくは300μm以上、より好ましくは400μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは850μm以下である。
第2層8の吸水性ポリマーの平均粒子径は、第1層7のそれに比べて小さいことを前提として、好ましくは100μm以上、より好ましくは200μm以上、そして、好ましくは600μm以下、より好ましくは500μm以下である。
【0051】
本発明の吸収性物品は、前記実施形態の如き展開型使い捨ておむつに制限されず、人体から排出される排泄物(尿、経血、軟便、汗等)の吸収に用いられる物品を広く包含し、ファスニングテープ13及び止着部材15の如き止着構造を有しないパンツ型使い捨ておむつ、生理用ナプキン、生理用ショーツ等も包含する。
【0052】
以上、本発明をその実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に制限されることなく適宜変更が可能である。
例えば、前述した実施形態では、第1層7は、親水性繊維を含む繊維集合体を主体とするいわゆる積繊タイプの吸収性コアであり、第2層8は、吸水性ポリマー層80を含むいわゆるシートタイプの吸収性コアであったが、本発明では、両層7,8の形態はこれに限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設定可能であり、例えば、第1層7及び第2層8の双方が積繊タイプ又はシートタイプであってもよく、第1層7がシートタイプ、第2層8が積繊タイプであってもよい。ただし、最も好ましいのは前述した実施形態である。
また、吸収性や防漏性等の向上の観点から、表面シート3と吸収体5との間に、セカンドシート、サブレイヤーシートなどとも呼ばれる、紙や各種不織布からなる液透過性シートが介在配置されていてもよい。
【0053】
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
<1>
着用者の腹側から股間部を介して背側に延びる縦方向と該縦方向に直交する横方向とを有し、該股間部に配される股下部と、該股下部よりも着用者の腹側に配される腹側部と、該股下部よりも着用者の背側に配される背側部とに区分され、排泄物を吸収保持する吸収性コアを具備する吸収性物品であって、
前記吸収性コアは、第1層と該第1層よりも着用者の肌から遠い側に配された第2層とが厚み方向に積層された積層構造を有し、該第1層及び該第2層は、それぞれ、粒子状の吸水性ポリマーを含有し、
前記第2層は、少なくとも前記股下部に、前記第1層の前記縦方向に沿う側縁から前記横方向の外方に延出する横方向延出部を有し、
前記第2層は、前記第1層に比べて、前記吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が小さい、吸収性物品。
<2>
前記第1層は、親水性繊維を含む繊維集合体を有し、前記吸水性ポリマーは、該繊維集合体の繊維間空隙に存在しており、
前記第2層は、前記吸水性ポリマーを含有し且つ繊維を含有しない吸水性ポリマー層を含む、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>
前記第1層における前記繊維の含有量が、該第1層の全質量に対して、10質量%以上90%以下、好ましくは20質量%以上80質量%以下である、前記<2>に記載の吸収性物品。
<4>
前記第1層における前記吸水性ポリマーの含有量が、該第1層の全質量に対して、20質量%以上90質量%以下、好ましくは50質量%以上80質量%以下である、前記<2>又は<3>に記載の吸収性物品。
<5>
前記吸水性ポリマー層の全質量に対する繊維の含有量が、10質量%以下、好ましくは5質量%以下であり、より好ましくは、該吸水性ポリマー層は繊維を含有しない、前記<2>~<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>
前記第1層の坪量が、50m2以上1000g/m2以下、好ましくは100g/m2以上800g/m2以下である、前記<2>~<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>
前記吸水性ポリマー層の坪量が、5m2以上1000g/m2以下、好ましくは20g/m2以上800g/m2以下である、前記<2>~<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0054】
<8>
前記第2層は、前記第1層に比べて、前記吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度が大きい、前記<2>~<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>
前記第1層の前記吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度に対する前記第2層の前記吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度の比率が、1.1以上6以下、好ましくは1.4以上4以下である、前記<8>に記載の吸収性物品。
<10>
前記第1層の前記吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度が、30秒以上120秒以下、好ましくは40秒以上60秒以下である、前記<8>又は<9>に記載の吸収性物品。
<11>
前記第2層の前記吸水性ポリマーのボルテックス法による吸水速度が、10秒以上40秒以下、好ましくは20秒以上30秒以下である、前記<8>~<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0055】
<12>
前記第2層は、前記第1層に比べて、前記吸水性ポリマーの平均粒子径が小さい、前記<2>~<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>
前記第2層の前記吸水性ポリマーの平均粒子径に対する前記第1層の前記吸水性ポリマーの平均粒子径の比率が、1.05以上4以下、好ましくは1.3以上3以下である、前記<12>に記載の吸収性物品。
<14>
前記第1層の前記吸水性ポリマーの平均粒子径が、300μm以上1000μm以下、好ましくは400μm以上850μm以下である、前記<12>又は<13>に記載の吸収性物品。
<15>
前記第2層の前記吸水性ポリマーの平均粒子径が、100μm以上600μm以下、好ましくは200μm以上500μm以下である、前記<12>~<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0056】
<16>
前記第2層の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度に対する前記第1層の吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度の比率が、2.8以上、好ましくは2.8以上300以下、より好ましくは83以上200以下である、前記<1>~<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>
前記第1層の前記吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が、30mL/分以上1000mL/分以下、好ましくは50mL/分以上400mL/分以下である、前記<16>に記載の吸収性物品。
<18>
前記第2層の前記吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が、0.1mL/分以上150mL/分以下、好ましくは2mL/分以上100mL/分以下である、前記<16>又は<17>に記載の吸収性物品。
<19>
前記吸収性コアの前記横方向延出部が存在する部分での厚み方向且つ前記横方向に沿う断面視において、前記第2層の横方向長さに対する前記第1層の横方向長さの比率が、0.83以下、好ましくは0.25以上0.83以下、より好ましくは0.4以上0.58以下である、前記<1>~<18>の何れか1に記載の吸収性物品。
<20>
前記吸収性コアの前記横方向延出部の横方向長さが、10mm以上50mm以下、好ましくは25mm以上40mm以下である、前記<19>に記載の吸収性物品。
【0057】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。
【0058】
〔実施例1~3、比較例1~3〕
図1に示すおむつ1と基本構成が同様の展開型使い捨ておむつを作製し、各実施例及び比較例とした。各実施例及び比較例どうしは、吸収性コア以外は同様に構成されている。各実施例及び比較例の使い捨ておむつにおける主な部材の詳細は下記のとおりである。
・表面シートとして、坪量25g/m
2のエアスルー不織布を用いた。
・裏面シートとして、坪量37g/m
2のポリエチレン樹脂フィルム(FL-KDJ100nN、大化工業製)を用いた。
・吸収性コアとして、第1層と該第1層よりも着用者の肌から遠い側に配された第2層とが厚み方向に積層された二層構造のものを用いた。
前記第1層として、親水性繊維である針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)と吸水性ポリマー粒子とを含む、積繊タイプの吸収性コアを用いた。前記第1層の坪量は100g/m
2、該第1層における親水性繊維の坪量は100g/m
2、該第1層における吸水性ポリマーの坪量は100g/m
2であった。
前記第2層として、2枚の基材シートの間に吸水性ポリマー粒子のみからなる吸水性ポリマー層が介在配置されたシートタイプの吸収性コアを用いた。前記基材シートとして、坪量16g/m
2の台紙を用い、2枚の基材シートどうし及び基材シートと吸水性ポリマーとをホットメルト型接着剤で接合した。前記第2層における吸水性ポリマーの坪量は100g/m
2であった。
【0059】
〔性能評価〕
各実施例及び比較例の使い捨ておむつについて、下記方法により、股間への負荷圧、横漏れをそれぞれ測定・評価した。その結果を下記表1に示す。
【0060】
<股間への負荷圧の評価:リングクラッシュ圧縮強さの測定>
測定対象の吸収性物品から一部を切り出して円筒状に丸めた試験片の圧縮強さ(リングクラッシュ圧縮強さ)を測定する。
具体的には、測定対象の吸収性物品から、該吸収性物品の中央部(股下部の横方向中央部)を含む、縦方向長さ250mm、横方向長さ160mmの平面視長方形形状を厚み方向の全体にわたって切り出して試験片とする。前記試験片に防漏カフやレッグギャザーなどを構成する弾性部材が含まれる場合は、該弾性部材を切断して伸縮性を失わせる。前記試験片を、該試験片の肌対向面(表面シート3側)を内側にして長手方向(吸収性物品の縦方向)に丸めて、直径73mmの円筒状試験片を作製する。前記円筒状試験片においては、該試験片の長手方向の一端部と他端部との重なり部の周方向の長さを20mmとし、また、該重なり部における該試験片の軸方向に離間する2箇所をステープル(例えばマックス(株)製、No.10-1Mの針)を用いて止着する。なお、前記ステープル(針)の向きは前記円筒状試験片の周方向と平行とする。前記円筒状試験片をテンシロン圧縮試験機(株式会社オリエンテック社製「RTA-100」)の所定のクリアランスにセットし、圧縮プレートを300mm/分の速度で移動させて該クリアランスを狭める過程で、該クリアランスにセットされた該試験片をその軸方向(吸収性物品の横方向)に圧縮する。前記クリアランスが圧縮開始前の170mmから20mmになるまで前記円筒状試験片を圧縮し、該クリアランスが20mmになった時点での荷重(N)を測定し、当該試験片のリングクラッシュ圧縮強さとする。なお、このクリアランス20mmというのは、吸収性物品の着用者の一般的な股間幅に相当する。測定は、1種類の測定対象につき5回行い、上下各1点の値を除き、残る3点の平均値を測定値とする。
前記リングクラッシュ圧縮強さの数値が小さいほど、当該測定対象の吸収性物品は、着用時に着用者の股間(脚)に対する負荷圧が低く、着用感に優れると評価される。より具体的には、評価が高い順に、前記リングクラッシュ圧縮強さ15N以下の場合(最高評価)、前記リングクラッシュ圧縮強さが15Nを超えて20N以下の場合、前記リングクラッシュ圧縮強さが20Nを超える場合(最低評価)となる。
【0061】
<横漏れの評価:液吸収量の測定>
測定対象の吸収性物品の股下部(展開且つ伸長状態の吸収性物品の縦方向中央部)から、縦方向長さ10mm、横方向長さ10mmの領域を厚み方向の全体にわたって切り出して、試験片とする。水平面とのなす角度(鋭角側の角度)が10度のアクリル板製の傾斜面に前記試験片を載置し、該試験片の中心に、人工尿(生理食塩水)を5g/秒の速度で15g注入する。この人工尿の注入操作を、前記試験片から人工尿が漏れ出すまで、すなわち横漏れが発生するまで、5分間隔で繰り返す。横漏れが発生した時点で人工尿の注入を中止して前記試験片の重量(液吸収後重量)を測定し、その測定値から、人工尿の注入前に予め測定した該試験片の重量(液吸収前重量)を差し引き、液吸収量を算出する。
前記液吸収量の数値が大きいほど、横漏れが起こり難く高評価となる。より具体的には、評価が高い順に、前記液吸収量が90g以上の場合(最高評価)、前記液吸収量が80g以上90g未満の場合、前記液吸収量が70g以上80g未満の場合、前記液吸収量が70g未満の場合(最低評価)となる。
【0062】
【0063】
表1に示すとおり、各実施例の使い捨ておむつは、第2層が股下部に横方向延出部を有し、且つ第2層は第1層に比べて吸水性ポリマーの2.0kPaでの加圧下通液速度が小さい(比率A/Bが1を超える)ため、これらを満たさない各比較例に比べて、股間への負荷圧が小さく、横漏れ防止性能に優れていた。
【符号の説明】
【0064】
1 使い捨ておむつ(吸収性物品)
2 吸収性本体
3 表面シート
4 裏面シート
5 吸収体
6 吸収性コア
7 第1層
8 第2層
80 吸水性ポリマー層
81 基材シート
82 横方向延出部
9 コアラップシート
P 吸水性ポリマー
X 縦方向
Y 横方向
A 腹側部
B 股下部
C 背側部