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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014093
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】コンタクト構造体
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/55 20110101AFI20220112BHJP
   H01R 13/11 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H01R12/55
H01R13/11 302A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116249
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】390033318
【氏名又は名称】日本圧着端子製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 勇紀
(72)【発明者】
【氏名】小山 勝三郎
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AB17
5E223AC01
5E223BA27
5E223BA30
5E223BB01
5E223BB12
5E223CA19
5E223CB03
5E223CB22
5E223CB26
5E223CB31
5E223CB38
5E223CD01
5E223DB08
5E223DB11
5E223DB36
(57)【要約】
【課題】コンタクトの弾性片部に対する保護機能を向上することができるコンタクト構造体を提供する。
【解決手段】コンタクト構造体1が、コンタクト2と金属製の保護部材3とを含む。コンタクト2が、相手側コンタクトが挿入方向X1に挿入される中空の本体部10と、一対の弾性片部21,22とを含む。保護部材3が、本体部10に外嵌結合された結合部40と、結合部40から延設され一対の弾性片部21,22の外側を覆う一対の保護片部51,52と、一対の保護片部51,52の先端部51b,52b間を連結する連結部60とを含む。一対の保護片部51,52の先端部51b,52bと連結部60とで、コンタクト2の一対の弾性片部21,22の先端部21a,22aの周囲の三方を包囲する保護構造部PSが形成される。
【選択図】図2B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の相手側コンタクトが挿入方向に挿入される中空の本体部と、前記本体部から前記挿入方向に向かって互いの間隔がハの字状に狭まり且つ互いの先端部に接触部を形成する片持ち状の一対の弾性片部と、を含むコンタクトと、
前記本体部に外嵌結合された結合部と、前記結合部から延設され前記一対の弾性片部の外側を覆う一対の保護片部と、前記一対の保護片部の先端部間を連結する連結部と、を含む金属製の保護部材と、を備え、
前記一対の保護片部の前記先端部と前記連結部とで前記コンタクトの前記一対の弾性片部の前記先端部の周囲の少なくとも三方を包囲する保護構造部が形成される、コンタクト構造体。
【請求項2】
前記連結部が、前記一対の保護片部のうちの何れか一方の保護片部の前記先端部から直交状に延設され前記一対の保護片部の前記先端部間を架橋する第1延設部と、前記第1延設部の延設端から直交状に延設され他方の保護片部の前記先端部の外側面に係合する第2延設部と、を含む、請求項1に記載のコンタクト構造体。
【請求項3】
前記他方の保護片部が、前記第2延設部に設けられる第1係合部に係合することにより、前記第2延設部が前記挿入方向に変位するのを規制する第1規制部を含む、請求項2に記載のコンタクト構造体。
【請求項4】
前記他方の保護片部が、前記第2延設部に設けられる第2係合部に係合することにより、前記第2延設部が前記挿入方向の反対側に変位するのを規制する第2規制部を含む、請求項2又は3に記載のコンタクト構造体。
【請求項5】
前記他方の保護片部が、前記第2延設部に設けられる第3係合部に係合することにより、前記第2延設部が前記挿入方向と直交する方向に変位するのを規制する第3規制部を含む、請求項2~4の何れか一項に記載のコンタクト構造体。
【請求項6】
前記連結部が、前記第2延設部の延設端から直交状に延設され前記第1延設部と対向し前記一対の保護片部の前記先端部間を架橋する第3延設部と、前記第3延設部の延設端から直交状に延設され前記何れか一方の保護片部の前記先端部の外側面に係合する第4延設部と、を含み、
前記保護構造部が、前記コンタクトの前記一対の弾性片部の前記先端部の周囲の四方を包囲する、請求項2~5の何れか一項に記載のコンタクト構造体。
【請求項7】
前記何れか一方の保護片部が、
前記第4延設部に設けられる第4係合部に係合することにより、前記第4延設部が前記挿入方向に変位するのを規制する第4規制部と、
前記第4延設部に設けられる第5係合部に係合することにより、前記第4延設部が前記挿入方向の反対側に変位するのを規制する第5規制部と、
前記第4延設部に設けられる第6係合部に係合することにより、前記第4延設部が前記挿入方向と直交する方向に変位するのを規制する第6規制部と、を含む、請求項6に記載のコンタクト構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンタクト構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるコンタクトアセンブリでは、電気回路基板に固定される収容部材に対して、導体ロッド(相手側コンタクト)が接続される。前記収容部材は、前記電気回路基板に固定されるベースリングと、前記ベースリングから一側に突出し前記導体ロッドの周りに環状に配置される複数の弾性変形可能な舌部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-145504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記の弾性変形可能な舌部は、外部に露出している。このため、前記舌部が外部の障害物から外力を受けたり、また、相手側コンタクト(導体ロッド)が前記収容部材に対して斜め挿入されたりした場合に、前記舌部が過度に変形して、コンタクトとしての機能が阻害されるおそれがある。
本発明の目的は、コンタクトの弾性片部に対する保護機能を向上することができるコンタクト構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、板状の相手側コンタクト(112)が挿入方向(X1)に挿入される中空の本体部(10)と、前記本体部から前記挿入方向に向かって互いの間隔がハの字状に狭まり且つ互いの先端部(21a,22a)に接触部(23)を形成する片持ち状の一対の弾性片部(21,22)と、を含むコンタクト(2)と、前記本体部に外嵌結合された結合部(40)と、前記結合部から延設され前記一対の弾性片部の外側を覆う一対の保護片部(51,52)と、前記一対の保護片部の先端部(51b,52b)間を連結する連結部(60;60Q)と、を含む金属製の保護部材(3;3Q)と、を備え、前記一対の保護片部の前記先端部と前記連結部とで、前記コンタクトの前記一対の弾性片部の前記先端部の周囲の少なくとも三方を包囲する保護構造部(PS;PSQ)が形成される、コンタクト構造体(1;1Q;1R)を提供する。
【0006】
なお、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素等を表すが、このことは、むろん、本発明がそれらの実施形態に限定されるべきことを意味するものではない。以下、この項において同じ。
請求項2のように、前記連結部が、前記一対の保護片部のうちの何れか一方の保護片部の前記先端部から直交状に延設され前記一対の保護片部の前記先端部間を架橋する第1延設部(71)と、前記第1延設部の延設端(71a)から直交状に延設され他方の保護片部の前記先端部の外側面に係合する第2延設部(72)と、を含んでいてもよい。
【0007】
請求項3のように、前記他方の保護片部が、前記第2延設部に設けられる第1係合部(91)に係合することにより、前記第2延設部が前記挿入方向に変位するのを規制する第1規制部(81)を含んでいてもよい。
請求項4のように、前記他方の保護片部が、前記第2延設部に設けられる第2係合部(92)に係合することにより、前記第2延設部が前記挿入方向の反対側に変位するのを規制する第2規制部(82)を含んでいてもよい。
【0008】
請求項5のように、前記他方の保護片部が、前記第2延設部に設けられる第3係合部(93)に係合することにより、前記第2延設部が前記挿入方向と直交する方向に変位するのを規制する第3規制部(83)を含んでいてもよい。
請求項6のように、前記連結部(60Q)が、前記第2延設部の延設端(72c)から直交状に延設され前記第1延設部と対向し前記一対の保護片部の前記先端部間を架橋する第3延設部(73)と、前記第3延設部の延設端(73a)から直交状に延設され前記何れか一方の保護片部の前記先端部の外側面に係合する第4延設部(74)と、を含み、前記保護構造部が、前記コンタクトの前記一対の弾性片部の前記先端部の周囲の四方を包囲してもよい。
【0009】
請求項7のように、前記何れか一方の保護片部が、前記第4延設部に設けられる第4係合部(94)に係合することにより、前記第4延設部が前記挿入方向に変位するのを規制する第4規制部(84)と、前記第4延設部に設けられる第5係合部(95)に係合することにより、前記第4延設部が前記挿入方向の反対側に変位するのを規制する第5規制部(85)と、前記第4延設部に設けられる第6係合部(96)に係合することにより、前記第4延設部が前記挿入方向と直交する方向に変位するのを規制する第6規制部(86)と、を含んでいてもよい。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明では、金属製の保護部材は、コンタクトの本体部に外嵌結合された結合部から延びる一対の保護片部によって、コンタクトの一対の弾性片部の外側を覆って一対の弾性片部を保護する。また、保護部材は、一対の保護片部の先端部とこれら先端部間を連結する連結部とで形成される保護構造部によって、コンタクトの一対の弾性片部の先端部の周囲の少なくとも三方を包囲する。このため、弾性片部に対して外部の障害物が干渉することを回避することができ、また、相手側コンタクトの接続時に、弾性片部が過度に変形することを抑制することができる。これにより、弾性片部に対する保護機能を向上することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明では、一対の保護片部の先端部間を架橋する第1延設部から直交状に延設された第2延設部が、他方の保護片部の先端部の外側面に係合することにより、一対の保護片部間の拡がり変形を抑制することができる。これにより、保護構造部の変形強度を向上して、コンタクトの弾性片部に対する保護機能を向上することができる。
請求項3に記載の発明では、他方の保護片部の第1規制部が、第2延設部の第1係合部に係合することにより、第2延設部が挿入方向に変位するのを規制することができる。これにより、保護構造部の変形強度を向上して、コンタクトの弾性片部に対する保護機能を向上することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、他方の保護片部の第2規制部が、第2延設部の第2係合部に係合することにより、第2延設部が挿入方向の反対側に変位するのを規制することができる。これにより、保護構造部の変形強度を向上して、コンタクトの弾性片部に対する保護機能を向上することができる。
請求項5に記載の発明では、他方の保護片部の第3規制部が、第2延設部の第3係合部に係合することにより、第2延設部が挿入方向と直交する方向に変位するのを規制することができる。これにより、保護構造部の変形強度を向上して、コンタクトの弾性片部に対する保護機能を向上することができる。
【0013】
請求項6に記載の発明では、第1延設部、第2延設部、第3延設部及び第4延設部を含む保護構造部によって、コンタクトの一対の弾性片部の先端部の周囲の四方を包囲する。このため、コンタクトの弾性片部に対する保護機能を一層、向上することができる。
請求項7に記載の発明では、何れか一方の保護片部の第4規制部、第5規制部、及び第6規制部が、第4延設部に対して、挿入方向への変位、挿入方向の反対側への変位、及び挿入方向と直交する方向への変位をそれぞれ規制する。このため、保護構造部の変形強度を格段に向上して、コンタクトの弾性片部に対する保護機能を格段に向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A図1Aは、本発明の第1実施形態に係るコンタクト構造体の使用状態を示す概略斜視図であり、相手側コンタクトの接続前の状態を示している。
図1B図1Bは、コンタクト構造体の使用状態を示す概略斜視図であり、相手側コンタクトが接続された状態を示している。
図2A図2Aは、本発明の第1実施形態に係るコンタクト構造体の概略斜視図である。
図2B図2Bは、コンタクト構造体の別角度からの概略斜視図である。
図3A図3Aは、コンタクト構造体の正面図である。
図3B図3Bは、コンタクト構造体の背面図である。
図4A図4Aは、コンタクト構造体の左側面図である。
図4B図4Bは、コンタクト構造体の右側面図である。
図5A図5Aは、コンタクト構造体の平面図である。
図5B図5Bは、コンタクト構造体の底面図である。
図6図6は、コンタクト構造体の縦断面図であり、図4BのVI-VI断面図に相当する。
図7図7は、コンタクト構造体の縦断面図であり、図3AのVII-VII断面図に相当する。
図8図8は、コンタクト構造体の横断面図であり、図3AのVIII-VIII断面図に相当する。
図9図9Aは、本発明の第2実施形態に係るコンタクト構造体の概略斜視図であり、図9Bは、コンタクト構造体の別角度からの概略斜視図である。
図10図10は、本発明の第3実施形態に係るコンタクト構造体の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1実施形態)
図1A及び図1Bは、本発明の第1実施形態に係るコンタクト構造体1の使用状態を示す概略斜視図である。図1Aは、相手側コンタクトの接続前の状態を示し、図1Bは、相手側コンタクトが接続された状態を示している。
【0016】
図1A及び図1Bに示すように、コンタクト構造体1は、例えば回路基板100に複数が横並びで実装されて使用される。接続対象としての例えばモータ110は、モータ本体111と、モータ本体111から突出する複数の相手側コンタクト112とを含む。各コンタクト構造体1に対して、それぞれ対応する相手側コンタクト112が挿入接続される。すなわち、本実施形態において、コンタクト構造体1は、モータ接続用のコネクタとして機能する。また、コンタクト構造体1は、樹脂製のハウジングを用いない、いわゆるハウジングレスコネクタである。
【0017】
図2Aは、コンタクト構造体1の概略斜視図であり、図2Bは、コンタクト構造体1の別角度からの概略斜視図である。図2A及び図2Bに示すように、コンタクト構造体1は、コンタクト2と、保護部材3とを備える。
まず、コンタクト2を説明する。
コンタクト2は、本体部10と、一対の弾性片部としての第1弾性片部21及び第2弾性片部22と、一対のリード部30とを含む。コンタクト2は、導電性材料、例えば銅合金で形成される。コンタクト2の表面には、例えば錫めっきが施されている。コンタクト2は、1枚の板素材をプレス成形して形成される。
【0018】
本体部10は、相手側コンタクト112が挿入方向X1に挿入される中空の箱状に形成される。具体的には、本体部10は、前壁部11と、後壁部12と、一対の側壁部13と、一対の第1案内片部14(図6を参照)と、一対の第2案内片部15(図7を参照)とを含む。
図3Aは、コンタクト構造体1の正面図であり、図3Bは、コンタクト構造体の背面図である。図4Aは、コンタクト構造体1の左側面図であり、図4Bは、コンタクト構造体1の右側面図である。図5Aは、コンタクト構造体1の平面図であり、図5Bは、コンタクト構造体1の底面図である。図6は、コンタクト構造体1の縦断面図であり、図4BのVI-VI断面図に相当する。図7は、コンタクト構造体1の縦断面図であり、図3AのVII-VII断面図に相当する。図8は、コンタクト構造体1の横断面図であり、図3AのVIII-VIII断面図に相当する。
【0019】
図3A及び図6に示すように、第1弾性片部21及び第2弾性片部22は、本体部10から片持ち状に延設され、互いに向き合っている。具体的には、第1弾性片部21及び第2弾性片部22は、一対の側壁部13の挿入方向X1側の端部13aから挿入方向X1に向かって互いの間隔がハの字状に狭まるように延設されている。第1弾性片部21及び第2弾性片部22は、互いの先端部21a及び先端部22aに、内向きに突出する山形状の接触部23を形成している。
【0020】
図示していないが、中空の本体部10に挿通された相手側コンタクト112が、第1弾性片部21及び第2弾性片部22の接触部23間に挿入されて弾性的に挟持される。図2A及び図3Aに示すように、各接触部23には、相手側コンタクト112に対する接触圧力を高めるために、内向きに突出する縦リブ24が複数設けられている。
図7に示すように、一対のリード部30は、本体部10の前壁部11の挿入方向X1側の端部11a及び後壁部12の挿入方向X1側の端部12aから、外向き直交状に延設された一対の板部である。一対のリード部30が、回路基板100の表面100aの導体パッド100b(図4Aを参照)に半田接続される(いわゆるSMTタイプ)。リード部30の平坦面の面積は、コンタクト構造体1を回路基板100に自動実装するときに用いられる吸引パッドで吸引可能な広さであることが好ましい。
【0021】
図6に示すように、本体部10の一対の第1案内片部14は、一対の側壁部13に形成された開口16の挿入方向X1の反対側X2の縁部から片持ち状に延設されている。一対の第1案内片部14は、挿入方向X1に向かって互いの間隔が狭まるハの字状の弾性舌片である。一対の第1案内片部14は、挿入される相手側コンタクト112(図1Aを参照)の左右方向Yの位置を調整しつつ相手側コンタクト112を接触部23間へ案内する機能を果たす。
【0022】
図7に示すように、本体部10の一対の第2案内片部15は、前壁部11及び後壁部12にそれぞれ形成された開口17の挿入方向X1の反対側X2の縁部から片持ち状に延設されている。一対の第2案内片部15は、挿入方向X1に向かって互いの間隔が狭まるハの字状の弾性舌片である。一対の第2案内片部15は、挿入される相手側コンタクト112(図1Aを参照)の前後方向Zの位置を調整しつつ相手側コンタクト112を接触部23間へ案内する機能を果たす。
【0023】
次いで、保護部材3を説明する。
図2Bに示すように、保護部材3は、結合部40と、一対の保護片部としての第1保護片部51及び第2保護片部52と、連結部60とを含む。保護部材3は、金属部材製、例えばステンレス製である。保護部材3は、1枚の板素材をプレス成形して形成される。
図2A及び図5Aに示すように、結合部40は、溝形に形成されており、コンタクト2の本体部10に外嵌結合される。結合部40は、一対の側壁部41と、後壁部42と、一対の係止爪43とを含む。後壁部42は、一対の側壁部41の後端部間を連結する。一対の側壁部41と後壁部42とが、溝形状に形成される。結合部40がコンタクト2の本体部10に外嵌結合される状態で、一対の側壁部41がコンタクト2の本体部10の一対の側壁部13の外面を面接触状態で覆い、後壁部42がコンタクト2の後壁部12の外面を面接触状態で覆う。
【0024】
図2A図3A及び図8に示すように、結合部40の一対の係止爪43は、一対の側壁部41の前縁から内向きに湾曲状に折り曲げられ、コンタクト2の本体部10の対応する係止孔18に挿入係止される。係止孔18は、コンタクト2の本体部10の前壁部11と各側壁部13との間のコーナ部に沿って延びる矩形状に穿設されている。係止爪43を係止孔18に対して折り込み係止することにより、保護部材3の結合部40が、コンタクト2の本体部10に強固に結合される。
【0025】
図3A図3A及び図6に示すように、第1保護片部51及び第2保護片部52は、結合部40の一対の側壁部41の挿入方向X1側の端部41aから延設され、互いに向き合っている。第1保護片部51及び第2保護片部52は、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22の外側面に対して隙間を設けて対向する状態で、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22の外側を覆っている。
【0026】
第1保護片部51は、挿入方向X1に対して傾斜する傾斜部51aと、傾斜部51aから延設され且つ挿入方向X1に対して平行な平行部である先端部51bとを含む。第2保護片部52は、挿入方向X1に対して傾斜する傾斜部52aと、傾斜部52aから延設され且つ挿入方向X1に対して平行な平行部である先端部52bと、先端部52bの下端から外側方に向けて直交状に延設された外向突起52cとを含む。
【0027】
第1保護片部51の傾斜部51a及び第2保護片部52の傾斜部52aは、結合部40から挿入方向X1に向かって互いの間隔がハの字状に狭まるように互いに逆向きに傾斜している。第1保護片部51の傾斜部51a及び第2保護片部52の傾斜部52aの傾斜角度は、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22の傾斜角度と略等しくされている。
【0028】
第1保護片部51の先端部51b及び第2保護片部52の先端部52bは、コンタクト2の第1弾性片部21の先端部21a及び第2弾性片部22の先端部22aに隙間を設けて対向する状態で、コンタクト2の第1弾性片部21の先端部21a及び第2弾性片部22の先端部22aの外側を覆っている。
図5Bに示すように、連結部60は、第1保護片部51の先端部51b及び第2保護片部52の先端部52b間を連結する。第1保護片部51の先端部51bと第2保護片部52の先端部52bと連結部60とで、コンタクト2の第1弾性片部21の先端部21a及び第2弾性片部22の先端部22aの周囲の三方を包囲する保護構造部PSが形成されている。
【0029】
連結部60は、第1延設部71と、第2延設部72とを含む。第1延設部71は、第1保護片部51の先端部51bの後縁部から第2保護片部52の後縁部側へ直交状に延設されている。第2延設部72は、第1延設部71の延設端71aから前側へ直交状に延設されている。第2延設部72は、第2保護片部52の先端部52bの外側面に面接触する矩形の主体部72aと、主体部72aから下向きに突出する下向突起72bとを含む。
【0030】
図2A及び図4Bに示すように、第2延設部72の下向突起72bが、第2保護片部52の外向突起52cに引っ掛け係止されている。第2保護片部52と第2延設部72とが互いに係合することにより、互いの変位を規制する機能を有している。
具体的には、図4Bに示すように、第2保護片部52の外向突起52cの上面に設けられる第1規制部81が、第2延設部72の主体部72aの下縁に設けられる第1係合部91に係合することにより、第2延設部72が第2保護片部52に対して挿入方向X1に変位することが規制される。
【0031】
また、図3A及び図6に示すように、第2保護片部52の傾斜部52aにおいて、先端部52bに近接する部分に設けられる第2規制部82が、第2延設部72の主体部72aの上縁に設けられる第2係合部92に係合することにより、第2延設部72が第2保護片部52に対して挿入方向X1の反対側X2に変位することが規制される。
また、図4Bに示すように、第2保護片部52の外向突起52cの前縁部に設けられる第3規制部83が、第2延設部72の下向突起72bの後縁部に設けられる第3係合部93に係合することにより、第2延設部72が第2保護片部52に対して挿入方向X1と直交する方向である後側に変位することが規制される。
【0032】
本実施形態では、図2Bに示すように、金属製の保護部材3の結合部40が、コンタクト2の本体部10に外嵌結合する。結合部40から延びる第1保護片部51及び第2保護片部52が、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22の外側を覆って第1弾性片部21及び第2弾性片部22を保護する。
しかも、第1保護片部51の先端部51b及び第2保護片部52の先端部52bと、これら先端部51b,52b間を連結する連結部60とで形成される溝形状の保護構造部PSが、コンタクト2の第1弾性片部21の先端部21a及び第2弾性片部22の先端部22aの周囲の三方を包囲する。このため、第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対して外部の障害物が干渉することを回避することができ、また、相手側コンタクト112の接続時に、第1弾性片部21及び第2弾性片部22が過度に変形することを抑制することができる。これにより、第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対する保護機能を向上することができる。
【0033】
また、第1保護片部51の先端部51bから延設された第1延設部71が第1保護片部51及び第2保護片部52の先端部51b,52b間を架橋し、第1延設部71から直交状に延設された第2延設部72が、第2保護片部52の先端部52bの外側面に係合することにより、第1保護片部51及び第2保護片部52間の拡がり変形を抑制することができる。これにより、保護構造部PSの変形強度を向上して、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対する保護機能を向上することができる。
【0034】
また、第2保護片部52の第1規制部81(図4Bを参照)が、第2延設部72の第1係合部91に係合することにより、第2延設部72が第2保護片部52に対して挿入方向X1に変位するのを規制することができる。これにより、保護構造部PSの変形強度を向上して、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対する保護機能を向上することができる。
【0035】
また、第2保護片部52の第2規制部82(図3Aを参照)が、第2延設部72の第2係合部92に係合することにより、第2延設部72が第2保護片部52に対して挿入方向X1の反対側X2に変位するのを規制することができる。これにより、保護構造部PSの変形強度を向上して、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対する保護機能を向上することができる。
【0036】
また、第2保護片部52の第3規制部83(図4Bを参照)が、第2延設部72の第3係合部93に係合することにより、第2延設部72が第2保護片部52に対して挿入方向X1と直交する方向である後側に変位するのを規制することができる。これにより、保護構造部PSの変形強度を向上して、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対する保護機能を向上することができる。
(第2実施形態)
図9Aは、本発明の第2実施形態に係るコンタクト構造体1Qの概略斜視図であり、図9Bは、コンタクト構造体1Qの別角度からの概略斜視図である。
【0037】
図9A及び図9Bの第2実施形態のコンタクト構造体1Qが、図2A及び図2Bの第1実施形態のコンタクト構造体1と主に異なるのは、コンタクト構造体1Qの保護部材3Qの保護構造部PSQが、第1弾性片部21の先端部21a及び第2弾性片部22の先端部22aの周囲の四方を包囲することである。
具体的には、保護構造部PSQが、第1保護片部51の先端部51bと、第2保護片部52の先端部52bと、連結部60Qとを含む。連結部60Qが、第1延設部71と、第2延設部72と、第3延設部73と、第4延設部74とを含む。
【0038】
第3延設部73は、第2延設部72の延設端72cから第1保護片部51側へ向けて直交状に延設され、第1延設部71と対向し、第1保護片部51及び第2保護片部52の先端部51b,52b間を架橋する。
第4延設部74は、第3延設部73の延設端73aから後側へ直交状に延設され、第1保護片部51の先端部51bの外側面に係合する。第4延設部74は、第1保護片部51の先端部51bの外側面に面接触する矩形の主体部74aと、主体部74aから下向きに突出する下向突起74bとを含む。
【0039】
また、第1保護片部51が、先端部51bの下端から外側方に向けて直交状に延設された外向突起51cと、第4規制部84と、第5規制部85と、第6規制部86とを含む。
第4延設部74の下向突起74bが、第1保護片部51の外向突起51cに引っ掛け係止されている。第1保護片部51と第4延設部74とが互いに係合することにより、互いの変位が規制される。
【0040】
図9Aに示すように、第4規制部84は、第1保護片部51の外向突起51cの上面に設けられる。第4規制部84が、第4延設部74の主体部74aの下縁に設けられる第4係合部94に係合することにより、第4延設部74が第1保護片部51に対して挿入方向X1に変位することが規制される。
図9A及び図9Bに示すように、第5規制部85は、第1保護片部51の傾斜部51aにおいて先端部51bに近接する部分に設けられる。第5規制部85が、第4延設部74の主体部74aの上縁に設けられる第5係合部95に係合することにより、第4延設部74が第1保護片部51に対して挿入方向X1の反対側X2に変位することが規制される。
【0041】
第6規制部86は、第1保護片部51の外向突起51cの後縁部に設けられる。第6規制部86が、第4延設部74の下向突起74bの前縁部に設けられる第6係合部96に係合することにより、第4延設部74が第1保護片部51に対して挿入方向X1と直交する方向である前側に変位することが規制される。
図9A及び図9Bの構成要素において、図2A及び図2Bと同じ構成要素には、共通の参照符号を付してある。
【0042】
本実施形態では、第1延設部71、第2延設部72、第3延設部73及び第4延設部74を有する連結部60Qを含む保護構造部PSQによって、コンタクト2の第1弾性片部21の先端部21a及び第2弾性片部22の先端部22aの周囲の四方を包囲する。このため、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対する保護機能を一層、向上することができる。
【0043】
また、第1保護片部51の第4規制部84、第5規制部85、及び第6規制部86が、第4延設部74に対して、挿入方向X1への変位、挿入方向X1の反対側X2への変位、及び挿入方向X1と直交する方向への変位をそれぞれ規制する。このため、保護構造部PSQの変形強度を格段に向上して、コンタクト2の第1弾性片部21及び第2弾性片部22に対する保護機能を格段に向上することができる。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態に係るコンタクト構造体1Rの概略斜視図である。
【0044】
図10の第3実施形態のコンタクト構造体1Rが図2Aの第1実施形態のコンタクト構造体1と異なるのは、リード30Rが、回路基板100(図4Aを参照)の表面100aに配置される脚部30R1と、脚部30R1から直交状に延設され、回路基板100を貫通して、回路基板100の裏面側に半田付けされるピン状突起30R2を含むことである(いわゆるDIPタイプ)。図10の構成要素において、図2Aと同じ構成要素には、共通の参照符号を付してある。
【0045】
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、接続対象は、モータに限らず、一般的な電子機器であってもよい。その他、本発明は、特許請求の範囲記載の範囲内で種々の変更を施すことができる。
【符号の説明】
【0046】
1;1Q;1R コンタクト構造体
2 コンタクト
3;3Q 保護部材
10 本体部
21 第1弾性片部(一方の弾性片部)
21a 先端部
22 第2弾性片部(他方の弾性片部)
22a 先端部
23 接触部
30;30R リード部
40 結合部
51 第1保護片部(一方の保護片部)
51a 傾斜部
51b 先端部
51c 外向突起
52 第2保護片部(他方の保護片部)
52a 傾斜部
52b 先端部
52c 外向突起
60;60Q 連結部
71 第1延設部
71a 延設端
72 第2延設部
72a 主体部
72b 下向突起
72c 延設端
73 第3延設部
73a 延設端
74 第4延設部
74a 主体部
74b 下向突起
81 第1規制部
82 第2規制部
83 第3規制部
84 第4規制部
85 第5規制部
86 第6規制部
91 第1係合部
92 第2係合部
93 第3係合部
94 第4係合部
95 第5係合部
96 第6係合部
100 回路基板
110 モータ
112 相手側コンタクト
PS;PSQ 保護構造部
X1 挿入方向
X2 (挿入方向の)反対側
Y 左右方向
Z 前後方向
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10