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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022140956
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】ネイルアート玩具
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/30 20060101AFI20220921BHJP
   A63H 33/00 20060101ALI20220921BHJP
   A45D 29/00 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A63H33/30 Z
A63H33/00 304Z
A45D29/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041054
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】399012929
【氏名又は名称】株式会社アガツマ
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】弁理士法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸所 信二
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA02
2C150CA18
2C150DD03
2C150DD28
(57)【要約】
【課題】 爪にネイルアートを施すこと自体を遊びとして楽しむことのできるネイルアート玩具を提供する。
【解決手段】 シールテープを収納するカートリッジを着脱可能とし、玩具本体部の上部に押圧操作部を備え、正面側に挿入孔23を有し、挿入孔23の内部下方に指載置部61を有し、指載置部61の上方にシールテープの一部を位置させ、該シールテープの一部の上方に押圧バー105を有し、押圧バー105を降下させて指載置部61に載置した指の爪にシールテープの模様を転写可能とする玩具であって、押圧バー105の上下動に追従して回転する伝達回転板を備え、ラチェット機構により伝達回転板の回転の一方向の回転だけに追従する巻取り回転軸140を有し、巻取り回転軸140は逆転防止板145を備え、逆転防止板145と逆転防止体151により、巻取り回転軸140は伝達回転板に追従する一方向にのみ回転可能とされるネイルアート玩具とする。

【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
爪に模様を転写することのできるシールテープを収納するカートリッジを玩具本体部に着脱可能とし、
前記玩具本体部の上部に押し下げ可能な押圧操作部を備え、
前記玩具本体部の正面側に指を差し込み可能とする挿入孔を有し、
前記挿入孔の内部下方に指載置部を有し、
前記指載置部の上方に前記カートリッジに収納された前記シールテープの一部を位置させ、
前記シールテープの前記一部の上方に押圧バーを有し、
前記押圧操作部を押し下げることにより前記押圧バーを降下させて前記指載置部に載置した指の爪に前記シールテープの模様を転写可能とする玩具であって、
前記押圧バーの上下動に追従して回転する伝達回転板を備え、
ラチェット機構により前記伝達回転板の回転の一方向の回転だけに追従する巻取り回転軸を有し、
前記巻取り回転軸は、軸本体部に逆転防止板を備え、
前記逆転防止板と逆転防止体とにより、前記巻取り回転軸は前記伝達回転板に追従する一方向にのみ回転可能とされることを特徴とするネイルアート玩具。
【請求項2】
前記押圧操作部は、その下方に前記押圧バーと合わせてラック部を備えた昇降棒を有し、前記ラック部により小歯車を介して前記伝達回転板を回転させることを特徴とする請求項1に記載したネイルアート玩具。
【請求項3】
前記押圧バーは、その下端に弾性押圧部を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したネイルアート玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、女児等が爪にアートを施して遊ぶことのできるネイルアート玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、爪に装飾を施す模様をプリントしたシールテープをリールに巻回しておき、シールテープと保護テープとを重ねて巻回した供給リールからシールテープと保護テープとを引き出し、保護テープは玩具の下部から排出しつつシールテープを巻取りリールに巻き取るようにし、供給リールと巻取りリールとの間でシールテープの下方に指先を差し込み、シールテープを爪の上に押し付けてシールテープの模様を爪に転写可能とする玩具が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-130052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネイルアート玩具は、巻取りリールを回転させてシールテープの模様が差し込み穴の位置に位置するように供給リールから引き出し、差し込み穴に指先を入れて押圧部材を押し下げる等の操作により簡単に爪に装飾模様をプリントすることができるため、女児等が容易にネイルアートを楽しむことができる。
【0005】
しかし、装飾された爪を見て楽しむことができるも、爪にネイルアートを施すこと自体を遊びとして楽しむことはできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るネイルアート玩具は、爪に模様を転写することのできるシールテープを収納するカートリッジを玩具本体部に着脱可能とし、前記玩具本体部の上部に押し下げ可能な押圧操作部を備え、前記玩具本体部の正面側に指を差し込み可能とする挿入孔を有し、前記挿入孔の内部下方に指載置部を有し、前記指載置部の上方に前記カートリッジに収納された前記シールテープの一部を位置させ、前記シールテープの前記一部の上方に押圧バーを有し、前記押圧操作部を押し下げることにより前記押圧バーを降下させて前記指載置部に載置した指の爪に前記シールテープの模様を転写可能とする玩具であって、前記押圧バーの上下動に追従して回転する伝達回転板を備え、ラチェット機構により前記伝達回転板の回転の一方向の回転だけに追従する巻取り回転軸を有し、前記巻取り回転軸は、軸本体部に逆転防止板を備え、前記逆転防止板と逆転防止体とにより、前記巻取り回転軸は前記伝達回転板に追従する一方向にのみ回転可能とされるネイルアート玩具である。
【0007】
又、前記押圧操作部は、その下方に前記押圧バーと合わせてラック部を備えた昇降棒を有し、前記ラック部により小歯車を介して前記伝達回転板を回転させるネイルアート玩具とするものである。
【0008】
そして、前記押圧バーは、その下端に弾性押圧部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るネイルアート玩具は、挿入孔に指先を入れて押圧操作部を押し下げるのみで極めて簡単にシールテープの模様を爪に転写することができ、押圧操作部を押し下げて爪に模様を転写するとき、カチカチというラチェット音を発し、転写後、押圧操作部が戻るときも逆転防止板と逆転防止体とがラチェット音を発生させることができる。このため、押し下げ操作及び押し下げ開放操作と音により、転写操作を楽しむことができるものである。
【0010】
そして、押圧操作部の下方にラック部を備えた昇降棒を押圧バーと共に有するネイルアート玩具は、昇降棒により小歯車を介して伝達回転板を回転させるため、押圧バーの上下動に合わせて伝達回転板の正逆回転を容易且つ確実に行うことができる。
【0011】
また、押圧バーの下端に弾性押圧部を備えるネイルアート玩具は、爪の全体にシールテープを確実に押圧密着させ、シールテープに施された模様を爪に確実に転写させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係るネイルアート玩具の正面図。
図2】本発明に係るネイルアート玩具の背面図。
図3】本発明に係るネイルアート玩具のカートリッジを取り外した状態の背面図。
図4】本発明に係るネイルアート玩具に装着するカートリッジの背面斜視図。
図5】本発明に係るネイルアート玩具の前カバーを外した半断面状態を示す図。
図6】本発明に係るネイルアート玩具の分解斜視図。
図7】本発明に係るネイルアート玩具における巻取り回転軸の回転機構を分解した分解斜視図であって、図7(a)は斜め前方から見た分解図、図7(b)は斜め後方から見た分解図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に係るネイルアート玩具10は、図1に示す様に、玩具本体部20の上方に突出する押圧操作部51を有し、玩具本体部20の正面中央に指先を差し込む挿入孔23が設けられ、図2に示す様に玩具本体部20の裏面中央のカートリッジ挿入部33にカートリッジ41を収納するように備えるものである。
【0014】
尚、図1に示した様に、玩具本体部20の正面に形成した挿入孔23の内部下方に指載置部61が形成されており、挿入孔23の上下方向略中央にはカートリッジ41のブリッジ部191が配置され、このブリッジ部191の直近上方に弾性押圧部109が配置されている。
【0015】
そして、指載置部61は、挿入孔23の奥が前方側よりも僅かに高く、左右も左右中央よりも僅かに高くされて指先を安定的に載置できるようにされている。
【0016】
又、玩具本体部20は、底部は直線形状の平面とされるも、左右の側部及び頂部は僅かに湾曲した曲線形状とされる正面視略正方形形状であって、左右側部の中央やや下方に把持部65として湾曲した窪みを備えるものである。
【0017】
そして、玩具本体部20は、図6に示す様に、前カバー部21と後カバー部31とで覆われるものであり、前カバー部21及び後カバー部31の周囲端部は滑らかな円弧状として接続されるものであって、図示しないが、このネイルアート玩具10は、玩具本体部20の水平断面形状の外形は滑らかな長円形とされるものである。
【0018】
又、図2に示した様に、本体裏面の略中央に収納されるカートリッジ41の直近上方には、ボタン操作部123が係止ボタン穴35に設けられており、ボタン操作部123を押し込んでカートリッジ41を玩具本体部20から取り外すと、図3に示す様に、ボタン操作部123の直近下方において、カートリッジ挿入部33の内部に僅かに係止突起125が突出しているものである。
【0019】
そして、カートリッジ挿入部33におけるテープ供給部収容部71の奥面からカートリッジ検出部材130の接触部131が突出し、テープ巻取り部収容部73の奥面からは巻取り回転軸140の軸本体部141が突出しているものである。
【0020】
又、テープ供給部収容部71とテープ巻取り部収容部73とを区切るバー保持部85の下端からは、弾性押圧部109の下端が僅かに突出しているものである。
【0021】
そして、カートリッジ41は、図4に示す様に、供給リール収納部43と巻取りリール収納部45を形成するカートリッジ本体部181と、カートリッジ本体部181の前面を覆い、玩具本体部20の前面曲面に合わせた曲面形状とされるカートリッジカバー部183とで構成され、カートリッジカバー部183の中央下端には、下端から僅かに前方へ突出する摘み部185を有するものである。
【0022】
尚、カートリッジカバー部183の一部には、当該カートリッジ41が収納するシールテープにプリントされている模様を表す模様表示部187が設けられ、指先の爪に施す模様が理解できるようにしている。
【0023】
また、カートリッジ本体部181は、供給リール収納部43と巻取りリール収納部45との間に間隙を有する。この間隙はカートリッジ41を玩具本体部20に取り付けたとき、バー保持部85が位置する空間であって、この間隙の下方で供給リール収納部43と巻取りリール収納部45とを接続するブリッジ部191を有し、この間隙の前方には、供給リール収納部43と巻取りリール収納部45とを接続する接続部195を有するものである。
【0024】
そして、ブリッジ部191にはテープ窓193を有し、装飾模様がプリントされたシールテープがテープ窓193の位置を通る様に配置され、供給リール収納部43に収納された供給リールから引き出されたシールテープをテープ窓193の位置を通過させ、テープ窓193を通過したシールテープを巻取りリール収納部45に収納された巻取りリールに巻き取るものである。
【0025】
そして、玩具本体部20の上方に突出する押圧操作部51は、図5に示す様に、押圧操作部51の内部において頂部53の内側下面から下方にバー固定基台101を突出させ、バー固定基台101の左右に下方を開口した筒状のバネ保持筒103を有するものである。
【0026】
又、押圧操作部51は、図5及び図6に示す様に、頂部53の周縁から下方に垂下させる周縁部55を備え、この周縁部55の下端から外方に突出する周縁膨出部57を備えるものであり、この周縁膨出部57を前カバー部21や後カバー部31の上端内側に当接することにより、押圧操作部51が玩具本体部20の上方に外れることを防止しているものである。
【0027】
そして、バー固定基台101の下端面には棒状の押圧バー105を固定するものであって、押圧バー105は、上下方向に太さを一定とした棒状形状とされ、下端に弾性押圧部109を有し、押圧バー105の下端近辺を後カバー部31のバー保持部85に挿入し、弾性押圧部109を収容部底部79よりも僅かに高い位置に位置させているものである。
【0028】
この押圧バー105は、押圧バー105の上端左右に形成したバー固定部107によりバー固定基台101に固定するものであって、バー固定部107によりバー固定基台101に固定するに際し、押圧バー105と平行に配置する棒状の昇降棒170もバー固定基台101に固定するものである。
【0029】
この昇降棒170は、棒本体部171上端の取付け部175をバー固定部107とバー固定基台101との間に挟持されてバー固定基台101に固定され、押圧バー105と平行に設けられる棒状の棒本体部171の一側面にラック部173を有するものである。
【0030】
そして、このラック部173と噛合する小歯車165を、玩具本体部20の内部においてテープ巻取り部収容部73の前面に回転自在に有し、この小歯車165を巻取り回転軸140に取り付けた図5に図示されない伝達回転板161(図6参照)と噛合させるものである。
【0031】
又、後カバー部31のテープ供給部収容部71の上面及びテープ巻取り部収容部73の上面には、棒状のバネ支持体111が配置される。このバネ支持体111は、バネ保持筒103の真下に位置するように配置され、バネ保持筒103に上端を挿入した弦巻バネである操作部押上バネ110の下方部分にバネ支持体111が挿入されてバネ保持筒103と共に操作部押上バネ110を保持し、操作部押上バネ110により押圧操作部51を常に上方に付勢するものである。
【0032】
そして、テープ巻取り部収容部73の前面には、周囲に逆転防止歯147を備えた円盤状の逆転防止板145が配置され、この逆転防止板145は巻取り回転軸140の軸本体部141の前端において軸本体部141と一体とするように固定されるものであり、この軸本体部141は回転軸貫通孔77を貫通してテープ巻取り部収容部73の内部に突出し、カートリッジ41の巻取りリール収納部45に収納される巻取りリールと一体に回転するものである。
【0033】
また、この巻取り回転軸140は、図6に図示されるように伝達回転板161を逆転防止板145の後方に備えるものであって、伝達回転板161の周囲に形成したギヤ部163を小歯車165と噛合させるものである。
【0034】
更にテープ巻取り部収容部73の前方には、逆転防止体151を配置するように、逆転防止体151を取付け基部157によってテープ巻取り部収容部73に取り付けている。そして、逆転防止体151の逆転防止爪153を弾性部155によって逆転防止歯147に圧接させ、逆転防止歯147と逆転防止爪153との噛合により逆転防止板145ひいては巻取り回転軸140の軸本体部141が一方向にのみ回転し、逆回転をしないようにさせている。
【0035】
又、テープ供給部収容部71の前面には、カートリッジ検出部材130を取り付けているものである。このカートリッジ検出部材130は、下端に立方体形状の接触部131を有し、接触部131の後面をテープ供給部収容部71の前端面に設けた突出穴75からテープ供給部収容部71の内部に突出させ、接触部131から上方に棒状の延長部135を有し、延長部135の上端を僅かに押圧操作部51の内側に到達させて上端に係止段部137を有するものである。
【0036】
又、延長部135の下端近くに左右に突出した揺動軸部136を有し、この揺動軸部136を揺動中心として接触部131や延長部135の上端を前後に揺動可能とし、接触部131がテープ供給部収容部71の内部に突出し過ぎないように接触部131の左右に突出部133を有し、接触部131と前カバー部21の内面との間に押出しバネ139を配置し、押出しバネ139により接触部131を後方であるテープ供給部収容部71の内部空間方向に付勢している。
【0037】
そして、ボタン操作部123を押し込むことにより係止突起125とカートリッジ41との係合が外れたとき、押出しバネ139によって接触部131をテープ供給部収容部71の内部に突出させることにより、カートリッジ41を玩具本体部20のカートリッジ挿入部33から僅かであっても押し出すことができ、カートリッジ41を玩具本体部20から容易に取り出すことができるようにしているものである。
【0038】
又、玩具本体部20からカートリッジ41が取り外され、接触部131をテープ供給部収容部71の内部に突出させたとき、延長部135の上端に形成した係止段部137を押圧操作部51の周縁部55の前方下端に当接し、押圧操作部51が降下することを阻止し、カートリッジ41がカートリッジ挿入部33に装着されたとき、接触部131が前方に移動し、延長部135の上端を後退させるようにカートリッジ検出部材130は揺動し、押し下げ操作により押圧操作部51が降下することを可能とするものである。
【0039】
そして、テープ供給部収容部71の上方やテープ巻取り部収容部73の上方に配置するバネ支持体111は、図5に示した様に、バネ支持体111下端の支持体基部113をテープ供給部収容部71の上面やテープ巻取り部収容部73の上面に載置するようにして支持体基部113を後カバー部31に固定しているものである。
【0040】
又、図6に示した様に、テープ供給部収容部71の上に位置させるバネ支持体111の支持体基部113とテープ巻取り部収容部73の上に位置させるバネ支持体111の支持体基部113とを連接する連結部115を設けており、連結部115の中央に係止ボタン121を形成するようにして、係止ボタン121と左右のバネ支持体111とを連結部115により接続している。
【0041】
この係止ボタン121は、前カバー部21の係止ボタン穴35に位置させるボタン操作部123の下端近傍に係止突起125を有し、この係止突起125を収容部底部79に設けた係止穴83から挿入孔23の内部に突出させるものであり、係止ボタン穴35に位置させるボタン操作部123を後カバー部31の後面に僅かに突出させるように確実に位置させる押圧バネ127を設けている。
【0042】
そして、カートリッジ41の供給リール収納部43を収容するテープ供給部収容部71の下端と巻取りリール収納部45を収容するテープ巻取り部収容部73の下端とを接続する収容部底部79には、弾性押圧部109を通過させる大きさの開口部81を有する。
【0043】
また、テープ供給部収容部71とテープ巻取り部収容部73との間の間隙をバー保持部85としてテープ供給部収容部71とテープ巻取り部収容部73との間隙の幅を押圧バー105の左右幅と一致させ、バー保持部85により形成した間隙に押圧バー105を収容して上下動する押圧バー105を安定した状態で降下上昇させるようにしている。
【0044】
更に、バー保持部85の下端には、収容部底部79の直上においてバー保持部85により形成した間隙とテープ供給部収容部71の内部空間やテープ巻取り部収容部73の内部空間とを連通させる細隙を設けている。
【0045】
この細隙は、カートリッジ41をカートリッジ挿入部33に収容するとき、ブリッジ部191の両端部近傍及びカートリッジ41の供給リール収納部43から引き出されたシールテープを細隙に位置させてブリッジ部191を収容部底部79の上に位置させつつブリッジ部191のテープ窓193を開口部81に一致させるものである。
【0046】
そして、伝達回転板161は、周囲に小歯車165と噛合するギヤ部163を有して巻取り回転軸140の軸本体部141に回転自在に設けられるものであるも、伝達回転板161は、図7に示す様に、ラチェット体162を有し、逆転防止板145の内部に形成されたラチェット歯146とこのラチェット体162とによるラチェット機構により、一方向の回転は逆転防止板145と一体となって回転し、逆方向の回転は伝達回転板161のみが回転可能とされるものである。
【0047】
即ち、伝達回転板161はその前面側に伝達回転板161と一体的に回転するラチェット体162を有し、このラチェット体162を逆転防止板145の内部に収容するようにしてラチェット体162の先端部を逆転防止板145の内側に形成したラチェット歯146に圧接させ、伝達回転板161が一方向に回転するとき、逆転防止板145ひいては巻取り回転軸140の軸本体部141も一体的に回転させるものである。
【0048】
この伝達回転板161と巻取り回転軸140とが一体となって回転する方向は、伝達回転板161と噛合する小歯車165が昇降棒170を押し上げる方向に回転する方向としている。
【0049】
そして、伝達回転板161が巻取り回転軸140に対して回転自在とされる回転方向は、鋸歯状とされる逆転防止歯147と、この逆転防止歯147と係合する逆転防止爪153とにより、逆転防止板145を含む巻取り回転軸140の回転が阻止されるものである。
【0050】
このため、押圧操作部51を押し下げて昇降棒170を降下させるとき、昇降棒170のラック部173と噛合する小歯車165が反時計方向に回転し、伝達回転板161を時計方向に回転(正回転)させる。このとき、逆転防止板145の逆転防止歯147と逆転防止体151の逆転防止爪153によって逆転防止板145ひいては巻取り回転軸140の回転(正回転)は阻止され、伝達回転板161が巻取り回転軸140に対して時計方向に回転し、逆転防止板145の内側に形成したラチェット歯146と伝達回転板161と一体的に回転するラチェット体162とによるラチェット機構がラチェット音を発生することになる。
【0051】
そして、押圧操作部51の押圧を解放するとき、押圧操作部51は操作部押上バネ110により押し上げられて押圧操作部51ひいては昇降棒170が上昇する。このため小歯車165が時計方向に回転し、伝達回転板161は反時計方向に回転(逆回転)することになる。
【0052】
又、伝達回転板161が反時計方向に回転するとき、伝達回転板161は巻取り回転軸140を伝達回転板161と一体に回転(逆回転)させるものであり、このとき逆転防止板145の逆転防止歯147と逆転防止体151の逆転防止爪153とによるラチェット機構が、ラチェット音を発しつつ逆転防止板145の反時計方向の回転(逆回転)を許容する。
【0053】
この様に、押圧操作部51を押し下げるとき、押圧バー105が降下し、押圧バー105の下端に設けた弾性押圧部109をブリッジ部191のテープ窓193を通過させて指載置部61の直近まで降下させることができる。
【0054】
このとき、伝達回転板161は時計方向に正回転するも、巻取り回転軸140や巻取りリールは逆転防止板145と逆転防止体151により正回転を阻止され、供給リールからシールテープが引き出されてシールテープの一部を弾性押圧部109の下端と共に指載置部61に載置された指先の爪に当接させることが可能となる。
【0055】
従って、指載置部61に指先を乗せるように指を挿入孔23差し込んでおけば、供給リールから引き出されたシールテープの一部でブリッジ部191又はその直近に位置している部分のシールテープが指先の爪に押圧され、シールテープに施された模様を爪に転写することができる。
【0056】
尚、弾性押圧部109の下面は、左右両側を中央部よりも僅かに低くするように湾曲した形状とし、弾性押圧部109の有する弾力性と相俟って指先の爪全体の押圧力を確実に加え、シールテープの模様を爪へ美麗に転写させることができるものである。
【0057】
そして、押圧操作部51への押圧力を解除したとき、押圧操作部51の上昇により昇降棒170が上昇し、小歯車165及び伝達回転板161を回転させることにより、巻取り回転軸140を逆回転させ、カートリッジ41の巻取りリールを反時計方向に回転させて指先の爪に押し付けたシールテープを巻取りリールに巻き取ると共にカートリッジ41の供給リールからシールテープの一部を引き出し、シールテープの新たな模様が施された部分であるシールテープの一部をカートリッジ41のブリッジ部191又はその直近に位置させることができる。
【0058】
又、指載置体60は、中央に指載置部61を有し、指載置部61から左右に連接部63を介して左右両端に把持部65を形成する湾曲部67備えている。この湾曲部67は、前カバー部21の前指掛け部29や後カバー部31の後指掛け部39の形状に合わせて上下を左右に突出させるように湾曲した形状とされる。
【0059】
従って、指載置体60は、湾曲部67を前カバー部21の前指掛け部29及び後カバーの後指掛け部39に支持され、前カバー部21の前底板27及び後カバー部31の後底板37の上方に固定されるものである。
【0060】
そして、指載置部61は、中央を左右両側よりも僅かに低くするように滑らかに湾曲した形状とされると共に前方を後方よりも僅かに低くして指先を安定させて載置できるようにしている。
【0061】
尚、図5図6に示した実施の形態は、昇降棒170のラック部173と噛合する小歯車165を介して伝達回転板161を回転させているも、押圧バー105と別体の昇降棒170を押圧操作部51の下方に固定する場合に限るものでなく、押圧バー105の側面にラック部173を形成して小歯車165を回転させる場合や、小歯車165も省略して押圧バー105に設けるラック部173により、直接に伝達回転板161を回転させるようにすることもある。
【0062】
更に、カートリッジ41に収納される供給リールは、カートリッジ41のリール軸に対して僅かな摺動抵抗を持って回転可能に収納され、巻取りリールに巻き取られる間のシールテープが緩まないようにしている。また、シールテープの終端は供給リールに固定することなく、強くシールテープを引き出すことにより供給リールからシールテープが外れ、巻取りリールに完全に巻き取られることを可能とすることもある。
【0063】
この様に、シールテープを完全に巻取りリールに巻取り可能とすることにより、シールテープの使用終了時にシールテープが押圧バー105の降下により巻取りリールから強引に引き出されて弛むことを防止し、カートリッジ41のシールテープを使い切ったとき、シールテープを巻取りリール収納部45に完全に引き込み、カートリッジ41の取り外し時にシールテープが開口部81等に絡みついて玩具本体部20からカートリッジ41の抜き取りが困難となることを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係るネイルアート玩具10は、女児等が楽しく爪にネイルアートを施して遊ぶことができる玩具を提供することができるものである。
【符号の説明】
【0065】
10 ネイルアート玩具
20 玩具本体部 21 前カバー部
23 挿入孔 27 前底板
29 前指掛け部
31 後カバー部 33 カートリッジ挿入部
35 係止ボタン穴 37 後底板
39 後指掛け部
41 カートリッジ
43 供給リール収納部 45 巻取りリール収納部
51 押圧操作部
53 頂部 55 周縁部
57 周縁膨出部
60 指載置体 61 指載置部
63 連接部 65 把持部
67 湾曲部
71 テープ供給部収容部 73 テープ巻取り部収容部
75 突出穴 77 回転軸貫通孔
79 収容部底部 81 開口部
83 係止穴 85 バー保持部
101 バー固定基台 103 バネ保持筒
105 押圧バー 107 バー固定部
109 弾性押圧部
110 操作部押上バネ 111 バネ支持体
113 支持体基部 115 連結部
121 係止ボタン 123 ボタン操作部
125 係止突起 127 押圧バネ
130 カートリッジ検出部材 131 接触部
133 突出部 135 延長部
136 揺動軸部 137 係止段部
139 押出しバネ
140 巻取り回転軸 141 軸本体部
145 逆転防止板 146 ラチェット歯
147 逆転防止歯
151 逆転防止体 153 逆転防止爪
155 弾性部 157 取付け基部
161 伝達回転板 162 ラチェット体
163 ギヤ部 165 小歯車
170 昇降棒 171 棒本体部
173 ラック部 175 取付け部
181 カートリッジ本体部 183 カートリッジカバー部
185 摘み部 187 模様表示部
191 ブリッジ部 193 テープ窓
195 接続部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7