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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014096
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】冷感付与抗菌消臭剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20220112BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20220112BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20220112BHJP
   A61Q 17/00 20060101ALI20220112BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
A61K8/34
A61K8/19
A61K8/73
A61Q17/00
A61Q15/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116252
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】510143125
【氏名又は名称】ニイヌマ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519164699
【氏名又は名称】野川 幸夫
(71)【出願人】
【識別番号】519165135
【氏名又は名称】森高 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(72)【発明者】
【氏名】新沼 利英
(72)【発明者】
【氏名】野川 幸夫
(72)【発明者】
【氏名】森高 博行
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AB031
4C083AB032
4C083AB211
4C083AB212
4C083AC121
4C083AC122
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD531
4C083AD532
4C083CC17
4C083CC24
4C083DD23
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】 優しい冷感作用を有し引火性がなく且つ高い抗菌消臭効果のある冷感付与抗菌消臭剤を提供する。
【解決手段】メントール及び酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液を含有し、カラギナンを服有する冷感付与抗菌消臭剤。
【選択図】 無し
【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1~3.0重量%のメントールと酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液を含有し、カラギナンを含有する
冷感付与抗菌消臭剤。
【請求項2】
メントールがL-メントールである、請求項1に記載の冷感付与抗菌消臭剤。
【請求項3】
酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液をアルカリイオン水にて希釈した
請求項1又は請求項2に記載の冷感付与抗菌消臭剤。
【請求項4】
PGを含有する
請求項1~3いずれか1項に記載の冷感付与抗菌消臭剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安価で安全性が高く、冷感作用と高い抗菌、消臭性を兼ね備えた組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業活動の活発さに伴い、二酸化炭素、メタン、更にはフロン類等の温室効果ガスの大量排出により大気中への濃度が高まり熱の吸収が増えた結果、著しく気温が上昇し始めている。
【0003】
これが地球温暖化現象であり、特に夏場の気温がここ数年非常に高く厳しさを増している。その反面、地球環境保護の観点からエアコン温度の設定を高めにすることが推奨されている。また、暑い季節には上着やネクタイをしないクールビズも取入れられて入るが、軽装になれない場合などもあり今後の暑さ対策は大きな検討課題である。
【0004】
この様な暑さを抑制する商品として局部的に冷感剤を付与して暑さを一時的にしのぐ物(特許文献1:特開2000-239142)。また、衣類に適用して身体と接触することによって冷感を付与する衣類用冷感付与剤が知られている(特許文献2:特開2010-84269)。
【0005】
しかし、冷却スプレー、冷感スプレー等は、通常、肌に直接噴霧するか衣類に噴霧するために、人によっては含有される成分、特にアルコールやエタノールに過敏に反応して肌荒れ等を起こす肌トラブル等の問題があった。また、揮発性の冷却成分を使用した場合には体温で常に冷却成分が揮発されるなど、冷感が持続しないという問題があった。
【0006】
冷却効果や冷感効果を高める為に、アルコールやエタノール及びL-メントールの配合割合を高める傾向がありそのために冷却効果が強すぎ寒く感じる事やL-メントールの独特なニオイが強すぎる為に、不快を感じる事があった。
【0007】
また、配合されているアルコールやエタノール及びL-メントールによる抗菌消毒効果も高い性能を有しており、医薬品の原料として使用されるアルコール(エタノール) は、飲用に転用されることを防止する目的で、経済産業省で定められた基準の化学物質の一定量をアルコールに混入することで特別価格(酒税相当額免除)にて購入することができる。このため、外用殺菌消毒剤においては、アルコール(エタノール)が使用され、溶剤としても効果が高い事が証明されている。
【0008】
しかしその反面、アルコールやエタノール配合の物を頻回に使用した場合、肌荒れや手荒れが生じることがあり、アルコールやエタノールによる引火性の危険性も大きく懸念されている。
【0009】
この様な背景から、本発明は上記した点を鑑みたものであり、安価で冷感作用を有し広範囲な微生物、ウイルス等に有効であり、かつ使用に際して高刺激性ではなく、使用感に嫌悪感がなく、使用した場合の肌荒れや手荒れを防止し、身体や環境に優しい商品の開発が強く求められている中、保湿剤をも添加することができる冷感付与抗菌消臭剤を提供することを目的としたものである。
【0010】
さらに、冷感の期間をより伸ばしたいという需要も存在する。また、殺菌消毒の効果をより持続させたいという需要も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2000-239142
【特許文献2】特開2010-84269
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
そこで、本発明は優しい冷感作用を有し引火性がなく、且つ高い抗菌消臭効果のある冷感付与抗菌消臭剤を提供しつつ、さらに、冷感の期間をより持続性を有し、殺菌消毒の効果を高めることができる冷感付与抗菌消毒剤を提供することを、主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、下記の第1液成分を、アルカリイオン水を加えて第2液とし、さらに他の液成分を加えることによって、上記課題を解決した。
【0014】
<第1液成分(製法)>
抗菌消臭効果を発揮するアルコールやエタノールにより溶解されたL-メントールの組成物に使用されているアルコールやエタノールの代わりにプロピレングリコール(PG)を用いる。また、生物由来の炭酸カルシウム又は鉱物由来の炭酸カルシウムを高温焼成して得た酸化カルシウム又は、前記酸化カルシウムに加水を施した水酸化カルシウムを水和させた水溶液。また、酸化カルシウムに加水を施した水酸化カルシウムを水和させた水溶液に精製水、上水またはアルカリイオン水(アルカリイオン整水器を用いて生成するアルカリ性(PH 9~13.0))の電解水にて希釈割合し配合する事を特徴とする水溶液。また、本発明の第1液においては、生物由来の炭酸カルシウムである卵殻を用いた。
【0015】
また、冷感作用を発揮するL-メントールまたは、L-メントールオイルを溶解させるアルコール(エタノール)の代わりにプロピレングリコールを用いて溶解させたL-メントール溶液を前記酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液。また、酸化カルシウムに加水を施した水酸化カルシウムを水和させた水溶液に精製水、上水またはアルカリイオン水(アルカリイオン整水器を用いて生成するアルカリ性(ph9~13.0))の電解水にて希釈割合し配合した液を混合して得る。
【0016】
しかし、前記酸化カルシウム及び水酸化カルシウム水溶液は、強塩基性と言う性質を持つ。その強塩基性の効果により抗菌消臭作用を発揮するが、混合するL-メントールが中性域のために酸化カルシウム及び水酸化カルシウム水溶液とプロピレングリコールを用いて溶解させたL-メントール溶液の混合割合に課題があったが、本発明の第1液は様々な知見に基づいてさらに研究を重ねた結果完成されたものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤は、直接肌に噴霧するだけで、冷感作用を感じ、暑い日中でも涼しく過ごすことができる。また、本発明の第1液の組成物は、刺激性が少ない為に敏感肌にも使用が可能であり肌荒れ等の心配が極めて少ないので、何度でも繰り返し使用することが可能である。また、抗菌消臭効果が高い為に消毒用溶液としても使用が可能である。
【0018】
さらに、本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤は、アルコール(エタノール)を使用していない為にアルコール消毒の出来ない方々にも使用が可能であり引火性が無く安全性が高い冷感付与抗菌消臭剤を得ることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤は、L-メントールとプロピレングリコール及び酸化カルシウム又は、水酸化カルシウムを水和させた水溶液。また、酸化カルシウムに加水を施した水酸化カルシウムを水和させた水溶液に精製水、上水またはアルカリイオン水(アルカリイオン整水器を用いて生成するアルカリ性(ph9~13.0))の電解水にて希釈割合し配合した液を混合して得る事を特徴としている。

本明細書においての、冷感とは、本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤を直接肌に噴霧・塗付した部分が微弱なひんやりとした冷たい感じのすることを言う。さらにアルコール(エタノール)を使用していない為、肌荒れ等の心配が極めて少ない。本発明の第1液の組成物を各成分別に記述する。
【0020】
(1)メントール
本発明の第1液の組成物に用いられるメントールとしては、単離された、L-メントール、dメントール、dlメントール、ハッカ脳(ハッカ結晶)等を用いることができ、好ましくはL-メントールである。また、本発明の第1液においては、L-メントールを含む精油を使用することも可能である。このような精油としては、例えばハッカ油、スペアミント油、ペパーミント油、ユーカリ油等が挙げられる。これらの精油を、本発明の第1液の冷感付与剤のメントール成分として用いることもできるが、衣類に適用した場合のべたつきや、精油に含有される夾雑物によるニオイを抑制する観点からは、単離されたメントールを使用するのが好ましい。本発明の第1液の組成物中には、メントールとして、これらの化合物や精油を1種単独で、又は、2以上を組み合わせて用いることができる。
【0021】
本発明の第1液の組成物中のメントールの配合割合は、強塩基性である酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液を混合するために、冷感作用の観点から0.1重量%程度以上であればよい。ただし、25重量%程度より多くなると肌への刺激が強すぎるという問題点が生じるため、25重量%程度以下であることが好ましい。
比較的現在は、低刺激性を好む方が多い為に冷感作用において好ましくは0.1~3.0重量%程度、さらに好ましくは0.1~1.5重量%程度、最も好ましくは0.1~1.0重量%程度である。また、メントールの配合割合は、強塩基性である酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液との混合の為にメントールの配合割合濃度が高くなるにつれて異臭を発生する恐れがある。その為0.1~3.0重量%程度であることが少なくとも必要である。
ここで、メントールの割合が高ければ、冷感付与効果が高く(抗菌消臭作用は低くなる。)、逆に、酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液の割合が高ければ抗菌消臭作用は高まる(冷感作用は低くなる。)ことになる。
この両者の割合を比較検討して、複数の例で検討したところ、上記割合が適切であるという結論に達した。
再度記載すると、低刺激性を好む方が多い為に冷感作用において好ましくは0.1~3.0重量%程度、さらに好ましくは0.1~1.5重量%程度、最も好ましくは0.1~1.0重量%程度である。
【0022】
(2) 酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液
本発明の第1液の組成物に用いられる酸化カルシウム水溶液及び水酸化カルシウム水溶液は生物由来の炭酸カルシウムまたは、鉱物由来からなる炭酸カルシウムから得る事の出来きる、酸化カルシウム又は、水酸化カルシウムから成る。
【0023】
前記、各炭酸カルシウムを高温焼成(850℃以上)して得る酸化カルシウム又は、その酸化カルシウムに加水を施した水酸化カルシウムの水溶液の濃度は、0.1%程度以上であることが好ましい。さらに抗菌消臭性の観点から、より好ましくは0.1~7.0%程度、最も好ましくは0.15~2.0%程度である。
本来、前記カルシウムは水和性が低いが水への配合量が多いとpH値は比較的高くなり
また、そのPH値の持続性が長くなる。
しかし、配合濃度が高すぎると水溶液の白濁が強すぎ濾過に時間が掛かりすぎる為に前記数値が最も好ましい。
【0024】
(3)プロピレングリコール
本発明の第1液においての組成物に用いられるプロピレングリコールは、無色無臭のやや粘潤な液体で溶剤として優れた特性を持っている為に水を完全に溶解する上に有機化合物に対しても良く溶かす特性を持つ。加えて毒性が非常に低く人体にはほとんど無害である。また、良好な湿潤作用、保潤作用を兼ね備えている。本発明の第1液においては(1)メントールの溶剤として用いるが、配合量が多いと湿潤作用、保潤作用の観点から肌へのベタツキ等を鑑みて次の数値が好ましい。(1)メントール1重量%に対して、溶剤として観点から15.0重量%程度以上であることが好ましい。さらに溶解の安定性からより好ましくは20.0~40.0重量%程度、最も好ましくは25.0~35.0重量%程度である。
【0025】
(3)その他の成分
本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤は、上記メントール及び酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液に対して精製水又は上水を使用して希釈することが出来る。精製水を含有させる場合には、組成物の総量に対して0~97.0重量%程度、好ましくは0~95.0重量%程度、さらに好ましくは0~90.0重量%程度とする。また、保湿性を鑑みてグリセリンを含有しても良い。グリセリンを含有させる場合には、組成物の総量に対して0~5.0重量%程度、好ましくは0~3.0重量%程度、さらに好ましくは0~2.0重量%程度とする。本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤は、上記各成分を所定量混合することにより得る事が出来る。混合の方法は特に限定されず、従来公知の方法を採用する。
【0026】
このようにして得られる本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤は、直接肌に噴霧適用できる剤型であれば特に限定されず、従来公知の方法に従って適宜調製することができる。本発明の第1液の衣類用冷感付与剤の剤型としては、例えば、ミストスプレータイプ、ロールオンタイプ、ポンプスプレータイプ等が挙げられ、対象物への浸透性を限定できる等の利点を考慮するとミストスプレータイプであることが好ましい。
【0027】
本発明の第1液の組成物を使用する場合、直接肌に適当量噴霧すればよい。具体的な噴霧量としては、特に限定されるものではない、例えば0.25~1.5ml/cm2であるが、微弱冷感作用の為に数回(4~5回)が好ましい。また、汗をかきやすい脇、首筋、背中等に噴霧すると、汗をかいたときに冷たく感じ、本発明の第1液の効果がより一層有効に発揮され得る。より好ましくは、数時間(1~3時間)後、噴霧量としては特に限定されるものではないが、0.25~1.5ml/cm2を数回(4~5回)噴霧が好ましい。また、抗菌消臭性においても酸化カルシウム水溶液又は水酸化カルシウム水溶液は高い安全性が認めら得ており、汗臭(酢酸臭)にも高い効果がある。
【実施例0028】
以下、実施例を示して本発明の第1液をより詳細に説明するが、本発明の第1液はこれらに限定されない。
【0029】
下記表1に示される処方の冷感付与抗菌消臭剤(第1液)においての処方割合は、メントール配合割合0.5重量%であり溶解に用いたプロピレングリコールは28重量%。水酸化カルシウム水溶液濃度3.0%を25重量%、精製水70重量%、グリセリン1.5重量%混合を使用した冷感効果の有無をモニター15人(年齢20代及び30代;女性7名及び男性8名)により評価した。
【0030】
評価は、冷感付与抗菌消臭剤をミストスプレーボトルに充填し、腕、首元、足の各部に5回ずつ噴霧(0.25~1.5ml/cm2)して行った。評価基準は以下の通りである。結果を(下記1)に示す。
<冷感効果>
1 冷感を感じない
2 冷感をあまり感じない
3 やや冷感を感じる
4 冷感を感じる
5 冷感を強く感じる

(表1)
冷感評価 評 価
冷感を感じない 0人
冷感をあまり感じない 0人
やや冷感を感じる 5人
冷感を感じる 9人
冷感を強く感じる 1人
【0031】
本発明の第1液による冷感付与抗菌消臭剤を用いた抗菌性試験(供試菌:黄色ぶどう球菌)の結果を表2に示す。
(表2)
抗菌性試験
試 料 初期菌数(生菌数(個/mL)) 6時間(後生菌数(個/mL))
本製品 未測定 <1.0
蒸留水(対照) 6.6E+04 8.4E+04
供試菌:黄色ブドウ球菌 NBRC12732
検査機関:カケンテストセンター
【0032】
本発明の第1液よる冷感付与抗菌消臭剤において消臭性試験に生ゴミを使用して行った結果を表3に示す。消臭効果の有無をモニター15人(年齢20代及び30代;女性7名及び男性8名)により評価した。
【0033】
生ごみに、本発明の第1液による冷感付与抗菌消臭剤を5回噴霧して行った。評価基準は以下の通りである。結果を下記表3に示す

<匂い効果>
1 ニオイを感じない
2 ニオイをあまり感じない
3 ややニオイを感じる
4 ニオイを感じる
5 ニオイを強く感じる

(表3)
匂い評価 評 価
ニオイを感じない 14人
ニオイをあまり感じない 1人
ややニオイを感じる 0人
ニオイを感じる 0人
ニオイを強く感じる 0人
【0034】
表1~表3の結果から、冷感作用及び抗菌性、消臭性において本発明の第1液の冷感付与抗菌消臭剤は効力を有している。
【0035】
<第2液>
以上説明してきた、第1液成分に、以下のアルカリイオン水を加え第2液を作成する。
(2-2) アルカリイオン水(電解水素水、還元水素水、電解還元水、水素含有アルカリ性電解水)
本発明の第1液において、上記生物由来の炭酸カルシウムまたは、鉱物由来からなる炭酸カルシウムから得る事の出来きる、酸化カルシウム又は水酸化カルシウムから成る水溶液は、前記記述した白濁によるカルシウムの析出による再石灰化現象化が課題である。
【0036】
その課題であるカルシウムの析出による再石灰化現象化の軽減化を図るために、本発明の第1液をアルカリイオン水にて希釈を行うことにより、カルシウムの析出による再石灰化現象を軽減することが可能である。アルカリイオン水は、アルカリイオン整水器を用いて生成するアルカリ性(ph9.0~13.0)の電解水を用いる。
その希釈割合は、本発明の第1液を1に対して、アルカリイオン水が0.8~3.98の割合(質量割合)での希釈が望ましい。
さらに好ましくは、第1液を1とした場合に、アルカリイオン水が、1.58~2.5の割合(質量割合)での希釈が望ましい。
ここで、アルカリイオン水を多く入れると再石灰化現象を防止できるが、他方、抗菌消臭作用(冷感作用)が下がることになる。
逆に、アルカリイオン水が少ないと、抗菌消臭作用は高まるが、他方、再石灰化が起こる可能性が高まる。
その両者のトレードオフの関係から、複数の実験例から以上の割合が現在適切であると判断している。
【0037】
<他の液成分>
前記第1液(生物由来の炭酸カルシウム又は鉱物由来の炭酸カルシウムを高温焼成して得た酸化カルシウム又は、前記酸化カルシウムに加水を施した水酸化カルシウムを水和させた水溶液をアルカリイオン水にて希釈した水溶液)に、アルカリイオン水を加えて希釈し(第2液)、さらに、下記の成分を加えゲル状液化する。
(イ) PG(プレピレングリコール)
(ロ) カラギナン
(ハ) 水
【0038】
本発明の第1液80%に対しPG(プレピレングリコール)8%程度、カラギナン1.5%程度、水10.5%程度とする。各成分の割合は、変化可能である。
具体的には、第1液を電解水で希釈した液(第2液)、及び、他の液体成分(PG+水)との質量で比較した場合、カラギナンの割合は0.5~3%の範囲(全体が100%)で変化可能である。この範囲であれば実用に耐えると判断している。
カラギナンが少ないと、粘度が足りなくなる。他方、多いと粘度が高すぎる結果となる。
この1.5~3%よりも適切な範囲は、1.2~1.7%であれば好適である。この範囲であれば、上述の最適な成分割合とほぼ同一の効果を有する。
【0039】
以上の様に、第1液とPG、カラギナン、水を配合した冷感付与抗菌消毒剤は、抗菌作用が向上(粘度が上がると、揮発までの時間がかかり、それによって同じ分量でも殺菌の期間が長くなる)し、冷感を感じる時間も向上させることができる。
【0040】
以上の様に、第1液とPG、カラギナン、水を配合した冷感付与抗菌消毒剤は、抗菌作用が向上(粘度が上がると、揮発までの時間がかかり、それによって同じ分量でも殺菌の期間が長くなる)し、冷感を感じる時間も向上させることができる。