(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141036
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】インバータ装置及びインバータモジュール
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20220921BHJP
【FI】
H02M7/48 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041159
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川野 博樹
(72)【発明者】
【氏名】山田 潤一郎
(72)【発明者】
【氏名】大内 祐介
【テーマコード(参考)】
5H770
【Fターム(参考)】
5H770AA01
5H770AA02
5H770AA24
5H770BA11
5H770DA02
5H770DA41
5H770EA01
(57)【要約】
【課題】単相3線式のインバータ装置において、高効率化を実現する。
【解決手段】入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータ装置であって、第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子と、直流電力を交流電力に変換するインバータ部と、インバータ部と第1相出力端子を接続し、交流電力の第1相電力が供給される第1相電力線と、インバータ部と第2相出力端子を接続し、交流電力の第2相電力が供給される第2相電力線と、インバータ部と中性出力端子を接続する中性電力線と、第1相電力線と中性電力線との間に接続され、第1相電力線と中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、第2相電力線と中性電力線との間に接続され、第2相電力線と中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路と、インバータ部と、第1短絡回路と、第2短絡回路とを制御する制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータ装置であって、
第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するインバータ部と、
前記インバータ部と前記第1相出力端子を接続し、前記交流電力の第1相電力が供給される第1相電力線と、
前記インバータ部と前記第2相出力端子を接続し、前記交流電力の第2相電力が供給される第2相電力線と、
前記インバータ部と前記中性出力端子を接続する中性電力線と、
前記第1相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第1相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、
前記第2相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第2相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路と、
前記インバータ部と、前記第1短絡回路と、前記第2短絡回路とを制御する制御部と、を備えたことを特徴とするインバータ装置。
【請求項2】
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有することを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項3】
インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第1定電圧源と、前記マイナス側入力端子に接続される第2定電圧源とが直列に接続された中性点回路と、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性点回路は、前記第1定電圧源と前記第2定電圧源との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有することを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項4】
前記第1短絡回路は、前記中性電力線側から前記第1相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第1短絡スイッチング素子と、前記第1相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第2短絡スイッチング素子と、を含み、
前記第2短絡回路は、前記第2相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第3短絡スイッチング素子と、前記中性電力線側から前記第2相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第4短絡スイッチング素子と、を含み、
出力すべき前記交流電力の周波数のいずれか一方の半周期における、前記制御部による前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオンし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第1モードと、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオンし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第2モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第3モードと、
を有し、前記第1モード、前記第2モード、前記第3モードの順で遷移を繰り返す制御を含むことを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
【請求項5】
出力すべき前記交流電力の周波数の他方の半周期における、前記制御部による前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第1モード及び前記第2モードにおける、
前記第1スイッチング素子と前記第5スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2スイッチング素子と前記第6スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2短絡スイッチング素子をオンし、
前記第4短絡スイッチング素子をオンする第1-2モード及び第2-2モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第2短絡スイッチング素子をオンし、
前記第4短絡スイッチング素子をオンする第3-2モードと、
を有し、前記第1-2モード、前記第2-2モード、前記第3-2モードの順で遷移を繰り返す制御を含むことを特徴とする請求項4に記載のインバータ装置。
【請求項6】
前記第1短絡回路は、前記中性電力線側から前記第1相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第1短絡スイッチング素子と、前記第1相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第2短絡スイッチング素子と、を含み、
前記第2短絡回路は、前記第2相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及
びオフする第3短絡スイッチング素子と、前記中性電力線側から前記第2相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第4短絡スイッチング素子と、を含み、
出力すべき前記交流電力の周波数のいずれか一方の半周期における、前記制御部による前記第1スイッチング素子から第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオンし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第4モードと、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオンし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第5モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンし、
前記第3スイッチング素子をオンし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオンし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第6モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオンし、
前記第5スイッチング素子をオンし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第7モードと、
を有し、前記第4モード、前記第5モード、前記第6モード、前記第7モードの順で遷移を繰り返す制御を含むことを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
【請求項7】
出力すべき前記交流電力の周波数の他方の半周期における、前記制御部による前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第4モード、前記第5モード、前記第6モード及び前記第7モードにおける、
前記第1スイッチング素子と前記第5スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2スイッチング素子と前記第6スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2短絡スイッチング素子をオンし、
前記第4短絡スイッチング素子をオンする第4-2モード、第5-2モード、第6-2モード及び第7-2モードを有し、前記第4-2モード、第5-2モード、第6-2モード及び第7-2モードの順で遷移を繰り返す制御を含むことを特徴とする請求項6に記載のインバータ装置。
【請求項8】
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、
前記第1短絡回路と、
を含む第1単相2線式インバータモジュールと、
前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子と、
前記第2短絡回路と、
を含む第2単相2線式インバータモジュールと、
を含み、
前記第1単相2線式インバータモジュール及び前記第2単相2線式インバータモジュールの少なくともいずれか一方は前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子を含むことを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
【請求項9】
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された第3レグを有し、
前記第3レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性接続点に接続される第2中性接続点を有し、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、
前記第1短絡回路と、
を含む第3単相2線式インバータモジュールと、
前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子と、
前記第2短絡回路と、
を含む第4単相2線式インバータモジュールと、
を含み、
前記第3単相2線式インバータモジュール及び前記第4単相2線式インバータモジュールのいずれか一方は前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子を含むことを特徴とする請求項3に記載のインバータ装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記中性レグの前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオフにし、
前記第1相レグの前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、前記第2相レグの前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子とをPWM制御するモードを有することを特徴とする請求項2に記載のインバータ装置。
【請求項11】
前記第1相電力線と前記第2相電力線との間に接続され、該第1相電力線と該第2相電力線との間を短絡可能な第3短絡回路を備え、
前記制御部は、前記第3短絡回路を制御することを特徴とする請求項1に記載のインバータ装置。
【請求項12】
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有し、
前記制御部は、
前記中性レグの前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオフにし、
前記第1相レグの前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、前記第2相レグの前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子とをPWM制御する場合に、
前記第1短絡回路及び前記第2短絡回路を停止し、前記第3短絡回路を稼働させることを特徴とする請求項11に記載のインバータ装置。
【請求項13】
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有し、
前記制御部は、
前記中性レグの前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオフにし、
前記第1相レグの前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、前記第2相レグの前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子とをPWM制御する場合に、
前記第1短絡回路、前記第2短絡回路及び前記第3短絡回路を稼働させることを特徴とする請求項11に記載のインバータ装置。
【請求項14】
入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータモジュールであって、
第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するインバータ部と、
前記インバータ部と前記第1相出力端子を接続し、前記交流電力の第1相電力が供給される第1相電力線と、
前記インバータ部と前記第2相出力端子を接続し、前記交流電力の第2相電力が供給される第2相電力線と、
前記インバータ部と前記中性出力端子を接続する中性電力線と、
前記第1相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第1相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、
前記第2相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第2相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路と、
を備え、
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有することを特徴とするインバータモジュール。
【請求項15】
入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータモジュールであって、
第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するインバータ部と、
前記インバータ部と前記第1相出力端子を接続し、前記交流電力の第1相電力が供給される第1相電力線と、
前記インバータ部と前記第2相出力端子を接続し、前記交流電力の第2相電力が供給される第2相電力線と、
前記インバータ部と前記中性出力端子を接続する中性電力線と、
前記第1相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第1相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、
前記第2相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第2相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路と、
を備え、
インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第1定電圧源と、前記マイナス側入力端子に接続される第2定電圧源とが直列に接続された中性点回路と、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性点回路は、前記第1定電圧源と前記第2定電圧源との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有することを特徴とするインバータモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インバータ装置及びインバータモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直流電力を交流電力に変換するインバータ装置として、単相2線式のインバータ装置が知られている。
【0003】
このような単相2線式のインバータ装置において高効率化を図る手段として、出力線間にHERIC回路と呼ばれる短絡可能な回路を設けることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
これに対して、単相3線式のインバータ装置においても、高効率化は同様に要請されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】独国特許出願公開第102008048841号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、単相3線式のインバータ装置において、高効率化を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するための本発明は、
入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータ装置であって、
第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するインバータ部と、
前記インバータ部と前記第1相出力端子を接続し、前記交流電力の第1相電力が供給される第1相電力線と、
前記インバータ部と前記第2相出力端子を接続し、前記交流電力の第2相電力が供給される第2相電力線と、
前記インバータ部と前記中性出力端子を接続する中性電力線と、
前記第1相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第1相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、
前記第2相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第2相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路と、
前記インバータ部と、前記第1短絡回路と、前記第2短絡回路とを制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、単相3線式のインバータ装置において、第1相電力線と中性電力線との間に接続され、第1相電力線と中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、第2相電力線と、中性電力線との間に接続され、該第2相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路とを設けることにより、高効率化を実現することができる。
【0009】
また、本発明において、
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有するようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、第1相レグと、第2相レグと、中性レグとを有する3アーム型のインバータ装置において、高効率化を実現することができる。
【0011】
また、本発明において、
インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第1定電圧源と、前記マイナス側入力端子に接続される第2定電圧源とが直列に接続された中性点回路と、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性点回路は、前記第1定電圧源と前記第2定電圧源との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有するようにしてもよい。
【0012】
これによれば、入力電圧を、入力端子間に並列に接続された2つの定電圧源によって中性電力線の電位を定める中点分割型のインバータ装置において、高効率化を実現することができる。
【0013】
また、本発明において、
前記第1短絡回路は、前記中性電力線側から前記第1相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第1短絡スイッチング素子と、前記第1相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第2短絡スイッチング素子と、を含み、
前記第2短絡回路は、前記第2相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第3短絡スイッチング素子と、前記中性電力線側から前記第2相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第4短絡スイッチング素子と、を含み、
出力すべき前記交流電力の周波数のいずれか一方の半周期における、前記制御部による
前記第1スイッチング素子から第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオンし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第1モードと、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオンし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第2モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第3モードと、
を有し、前記第1モード、前記第2モード、前記第3モードの順で遷移を繰り返す制御を含むようにしてもよい。
【0014】
これによれば、第1短絡回路と第2短絡回路が短絡する第3モードでは、中性レグの第3スイッチング素子と第4スイッチング素子をオフとすることにより、第1短絡回路と第2短絡回路とを接続する中性電力線の電位が入力電圧の中点となるため、この電位が変動することによるノイズの発生を回避することができる。出力すべき交流電力の周波数の一方の半周期は、前半周期でも後半周期でもよい。
【0015】
また、本発明において、
出力すべき前記交流電力の周波数の他方の半周期における、前記制御部による前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第1モード及び前記第2モードにおける、
前記第1スイッチング素子と前記第5スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2スイッチング素子と前記第6スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2短絡スイッチング素子をオンし、
前記第4短絡スイッチング素子をオンする第1-2モード及び第2-2モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第2短絡スイッチング素子をオンし、
前記第4短絡スイッチング素子をオンする第3-2モードと、
を有し、前記第1-2モード、前記第2-2モード、前記第3-2モードの順で遷移を繰り返す制御を含むようにしてもよい。
【0016】
これによれば、第1短絡回路と第2短絡回路が短絡する第3-2モードでは、中性レグの第3スイッチング素子と第4スイッチング素子をオフとすることにより、第1短絡回路と第2短絡回路とを接続する中性電力線の電位が入力電圧の中点となるため、この電位が変動することによるノイズの発生を回避することができる。他方の半周期は、一方の半周期が前半の半周期であれば後半の半周期であり、一方の半周期が後半の半周期であれば前半の半周期となる。
【0017】
また、本発明において、
前記第1短絡回路は、前記中性電力線側から前記第1相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第1短絡スイッチング素子と、前記第1相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第2短絡スイッチング素子と、を含み、
前記第2短絡回路は、前記第2相電力線側から前記中性電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第3短絡スイッチング素子と、前記中性電力線側から前記第2相電力線側へ流れる電流をオン及びオフする第4短絡スイッチング素子と、を含み、
出力すべき前記交流電力の周波数のいずれか一方の半周期における、前記制御部による前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオンし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第4モードと、
前記第1スイッチング素子をオンし、前記第2スイッチング素子をオフし、
前記第3スイッチング素子をオンし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオフし、前記第6スイッチング素子をオンし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第5モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンし、
前記第3スイッチング素子をオンし、前記第4スイッチング素子をオフし、
前記第5スイッチング素子をオンし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第6モードと、
前記第1スイッチング素子をオフし、前記第2スイッチング素子をオンし、
前記第3スイッチング素子をオフし、前記第4スイッチング素子をオンし、
前記第5スイッチング素子をオンし、前記第6スイッチング素子をオフし、
前記第1短絡スイッチング素子をオンし、
前記第3短絡スイッチング素子をオンする第7モードと、
を有し、前記第4モード、前記第5モード、前記第6モード、前記第7モードの順で遷移を繰り返す制御を含むようにしてもよい。
【0018】
これによれば、第1短絡回路と第2短絡回路が短絡する第6モード及び第7モードにおいて、中性レグを稼働させ、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子のいずれか一方をオンさせるようにしたので、中性レグを停止させることによる変調率の低下を回避することができる。出力すべき交流電力の周波数の一方の半周期は、前半周期でも後半周期でもよい。
【0019】
また、本発明において、
出力すべき前記交流電力の周波数の他方の半周期における、前記制御部による前記第1スイッチング素子から前記第6スイッチング素子のPWM制御は、
前記第4モード、前記第5モード、前記第6モード及び前記第7モードにおける、
前記第1スイッチング素子と前記第5スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2スイッチング素子と前記第6スイッチング素子とのオンオフを入れ替え、
前記第2短絡スイッチング素子をオンし、
前記第4短絡スイッチング素子をオンする第4-2モード、第5-2モード、第6-2モード及び第7-2モードを有し、前記第4-2モード、第5-2モード、第6-2モード及び第7-2モードの順で遷移を繰り返す制御を含むようにしてもよい。
【0020】
これによれば、第1短絡回路と第2短絡回路が短絡する第6-2モード及び第7-2モ
ードにおいて、中性レグを稼働させ、第3スイッチング素子と第4スイッチング素子のいずれか一方をオンさせるようにしたので、中性レグを停止させることによる変調率の低下を回避することができる。他方の半周期は、一方の半周期が前半の半周期であれば後半の半周期であり、一方の半周期が後半の半周期であれば前半の半周期となる。
【0021】
また、本発明において、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、
前記第1短絡回路と、
を含む第1単相2線式インバータモジュールと、
前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子と、
前記第2短絡回路と、
を含む第2単相2線式インバータモジュールと、
を含み、
前記第1単相2線式インバータモジュール及び前記第2単相2線式インバータモジュールの少なくともいずれか一方は前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子を含むようにしてもよい。
【0022】
これによれば、3アーム型の単相3線式のインバータ装置を、短絡回路を有する単相2線式インバータモジュール2個を利用して構成することができるので、特性のばらつきを抑えることができるとともに、放熱性が向上し、インバータ装置の組み立ても容易になる。
【0023】
また、本発明において、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された第3レグを有し、
前記第3レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性接続点に接続される第2中性接続点を有し、
前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、
前記第1短絡回路と、
を含む第3単相2線式インバータモジュールと、
前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子と、
前記第2短絡回路と、
を含む第4単相2線式インバータモジュールと、
を含み、
前記第3単相2線式インバータモジュール及び前記第4単相2線式インバータモジュールのいずれか一方は前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子を含むようにしてもよい。
【0024】
これによれば、中点分割式の単相3線式のインバータ装置を、短絡回路を有する単相2線式インバータモジュール2個を利用して構成することができるので、特性のばらつきを抑えることができるとともに、放熱性が向上し、インバータ装置の組み立ても容易になる。
【0025】
また、本発明において、
前記制御部は、
前記中性レグの前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオフにし、
前記第1相レグの前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、前記第2相レグの前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子とをPWM制御するモードを有するようにしてもよい。
【0026】
これによれば、系統連系時のように、単相3線式のインバータ装置を単相2線式のインバータ装置として用いることにより、単相2線式のインバータ装置の高効率化を実現することができる。
【0027】
また、本発明において、
前記第1相電力線と前記第2相電力線との間に接続され、該第1相電力線と該第2相電力線との間を短絡可能な第3短絡回路を備え、
前記制御部は、前記第3短絡回路を制御するようにしてもよい。
【0028】
これによれば、第1相電力線と第2相電力線との間を短絡可能な第3短絡回路を設けることにより、第1相電力線と第2相電力線との間を短絡させるのに第1短絡回路及び第2短絡回路を経由させる構成に比べて効率が向上する。
【0029】
また、本発明において、
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有し、
前記制御部は、
前記中性レグの前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオフにし、
前記第1相レグの前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、前記第2相レグの前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子とをPWM制御する場合に、
前記第1短絡回路及び前記第2短絡回路を停止し、前記第3短絡回路を稼働させるようにしてもよい。
【0030】
これによれば、単相3線式のインバータ装置を単相2線式のインバータとして用いる場合に、第1短絡回路及び第2短絡回路を停止させ、第3短絡回路を稼働させることにより、第1相電力線と第2相電力線との間を短絡させる場合に、第3短絡回路のみを短絡させることになるので、スイッチング損失及びスイッチングノイズの改善が可能となる。
【0031】
また、本発明において、
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子
に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有し、
前記制御部は、
前記中性レグの前記第3スイッチング素子及び前記第4スイッチング素子をオフにし、
前記第1相レグの前記第1スイッチング素子及び前記第2スイッチング素子と、前記第2相レグの前記第5スイッチング素子及び前記第6スイッチング素子とをPWM制御する場合に、
前記第1短絡回路、前記第2短絡回路及び前記第3短絡回路を稼働させるようにしてもよい。
【0032】
これによれば、単相3線式のインバータ装置を単相2線式のインバータとして用いる場合に、第1短絡回路、第2短絡回路及び第3短絡回路を稼働させることにより、第1相電力線と第2相電力線との間を短絡させる場合に、第3短絡回路によって短絡され、第1短絡回路及び第2短絡回路によっても短絡されるので、スイッチング素子の導通損を改善することができる。
【0033】
また、本発明は、
入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータモジュールであって、
第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するインバータ部と、
前記インバータ部と前記第1相出力端子を接続し、前記交流電力の前記第1相電力が供給される第1相電力線と、
前記インバータ部と前記第2相出力端子を接続し、前記交流電力の前記第2相電力が供給される第2相電力線と、
前記インバータ部と前記中性出力端子を接続する中性電力線と、
前記第1相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第1相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、
前記第2相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第2相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路と、
を備え、
前記インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第3スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第4スイッチング素子とが直列に接続された中性レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に
、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性レグは、前記第3スイッチング素子と前記第4スイッチング素子との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有することを特徴とする。
【0034】
これによれば、単相3線式の3アーム型のインバータ装置を、単相3線式のインバータモジュールを用いて構成することにより、効率化が可能なインバータ装置の特性のばらつきを抑えることができ、放熱性が向上し、インバータ装置の組み立ても容易となる。また、単相2線式のインバータモジュールを2つ使用する場合に比べ、小型及び低コスト化が可能となる。
【0035】
また、本発明は、
入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータモジュールであって、
第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するインバータ部と、
前記インバータ部と前記第1相出力端子を接続し、前記交流電力の前記第1相電力が供給される第1相電力線と、
前記インバータ部と前記第2相出力端子を接続し、前記交流電力の前記第2相電力が供給される第2相電力線と、
前記インバータ部と前記中性出力端子を接続する中性電力線と、
前記第1相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第1相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第1短絡回路と、
前記第2相電力線と前記中性電力線との間に接続され、該第2相電力線と該中性電力線との間を短絡可能な第2短絡回路と、
を備え、
インバータ部は、
直流電源のプラス端子に接続されるプラス側入力端子と、該直流電源のマイナス端子に接続されるマイナス側入力端子との間に並列に接続された、
前記プラス側入力端子に接続される第1スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第2スイッチング素子とが直列に接続された第1相レグと、
前記プラス側入力端子に接続される第1定電圧源と、前記マイナス側入力端子に接続される第2定電圧源とが直列に接続された中性点回路と、
前記プラス側入力端子に接続される第5スイッチング素子と、前記マイナス側入力端子に接続される第6スイッチング素子とが直列に接続された第2相レグと、
を有し、
前記第1相レグは、前記第1スイッチング素子と前記第2スイッチング素子との中点に、前記第1相電力線が接続される第1相接続点を有し、
前記中性点回路は、前記第1定電圧源と前記第2定電圧源との中点に、前記中性電力線が接続される中性接続点を有し、
前記第2相レグは、前記第5スイッチング素子と前記第6スイッチング素子との中点に、前記第2相電力線が接続される第2相接続点を有することを特徴とする。
【0036】
これによれば、単相3線式の中点分割型のインバータ装置を、単相3線式のインバータモジュールを用いて構成することにより、効率化が可能なインバータ装置の特性のばらつきを抑えることができ、放熱性が向上し、インバータ装置の組み立ても容易となる。また、単相2線式のインバータモジュールを2つ使用する場合に比べ、小型及び低コスト化が可能となる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、単相3線式のインバータ装置における高効率化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の実施例1に係るインバータ装置の回路構成の概略を示す図である。
【
図2】本発明の実施例1に係るHERIC回路の構成を示す図である。
【
図3】本発明の実施例1に係るインバータ装置のスイッチング制御のタイミングチャートである。
【
図4】本発明の実施例1に係るインバータ装置のモード1の電流経路を示す図である。
【
図5】本発明の実施例1に係るインバータ装置のモード2の電流経路を示す図である。
【
図6】本発明の実施例1に係るインバータ装置のモード3の電流経路を示す図である。
【
図7】本発明の実施例1に係るインバータ装置のスイッチング制御を説明する図である。
【
図8】本発明の実施例1に係るインバータ装置のスイッチング制御を説明する図である。
【
図9】本発明の実施例2に係るインバータ装置の回路構成の概略を示す図である。
【
図10】本発明の実施例3に係るインバータ装置のスイッチング制御のタイミングチャートである。
【
図11】本発明の実施例3に係るインバータ装置のモード4の電流経路を示す図である。
【
図12】本発明の実施例3に係るインバータ装置のモード5の電流経路を示す図である。
【
図13】本発明の実施例3に係るインバータ装置のモード6の電流経路を示す図である。
【
図14】本発明の実施例3に係るインバータ装置のモード7の電流経路を示す図である。
【
図15】本発明の実施例4に係るインバータ装置の回路構成の概略を示す図である。
【
図16】本発明の実施例5に係るインバータ装置の回路構成の概略を示す図である。
【
図17】本発明の実施例6に係るインバータモジュールの回路構成の概略を示す図である。
【
図18】本発明の実施例9に係るインバータ装置の回路構成の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
〔適用例〕
以下、本発明の適用例について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本発明が適用されるインバータ装置10の回路構成の概略を示す。
【0040】
インバータ装置10は、概略、単相3線式のインバータ11と、インバータ11のU相電力線Liuと中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路12と、インバータ11のW相電力線LiwとO相中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路13と、制御部14を備える。
【0041】
単相3線式のインバータ11は、O相中点レグLgo、U相レグLgu、W相レグLgwの3のレグが並列に接続された3アーム型インバータである。O相中点レグLgoは、
直列に接続されたスイッチSW3及びSW4を有し、U相レグLguは、直列に接続されたスイッチSW1及びSW2を有し、W相レグLgwは、直列に接続されたSW5及びSW6を有する。
【0042】
U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間にはHERIC回路12が接続され、O相中性線LioとW相電力線Liwとの間にはHERIC回路13が接続されている。HERIC回路12は、スイッチSWun及びスイッチSWupを含み、HERIC回路13は、スイッチSWwn及びスイッチSWwpを含む。
【0043】
直流電源Sdから出力される直流電圧を、50Hzのサインカーブの交流商用電圧に変換する場合には、周期の前半では、
図3に示すように、インバータ11、HERIC回路12及び13の各スイッチを制御する。ここでは、制御部14は、インバータ11のスイッチSW1~Sw6のオンオフのデューティ比制御によって出力電圧を制御するPWM制御を行う。
【0044】
前半の半周期では、インバータ装置10の電流経路は、モード1、モード2及びモード3の順で3つのモードの遷移を繰り返す。モード1ではスイッチSW3がオフかつスイッチSW4がオンとなり、モード2ではスイッチSW3がオンかつスイッチSW4がオフとなる。そして、モード2に続くモード3において、HERIC回路12によってU相電力線LiuとO相中性線Lioとの間が短絡され、HERIC回路13によってO相中性線LioとW相電力線Liwとの間が短絡される際には、スイッチSW3及びスイッチSW4がともにオフとなる。
このように、インバータ装置10では、HERIC回路12及びHERIC回路13のスイッチSWun、スイッチSWup、スイッチSWwn及びスイッチSWwpが導通する期間は、O相中点レグLgoの上下アームが動作を停止するように制御する。
【0045】
このように、インバータ装置10によれば、単相3線式のインバータ装置において高効率化が可能となるとともに、HERIC回路12及びHERIC回路13が短絡する期間中にO相中点レグLgoの動作を停止させることで、入力電圧をVinとしたときに、HERIC回路12及びHERIC回路13の中点Shpの電位がVin/2、すなわち入力電圧の中間電位となりノイズの発生を回避することができる。
【0046】
〔実施例1〕
以下、図面を参照して本発明の実施例1に係るインバータ装置10の構成について説明する。ただし、この実施例に記載されている装置及びシステムの構成は各種条件により適宜変更されるべきものである。すなわち、この発明の範囲を以下の実施例に限定する趣旨のものではない。
【0047】
図1は、インバータ装置10の概略構成を示す回路図である。
インバータ装置10は、入力端Ip及びInにおいて直流電源Sdのプラス端子及びマイナス端子にそれぞれ接続され、直流電力を交流電力に変換する電力変換装置である。またインバータ装置10は、変換された交流電力は、出力端Ou及び出力端Oo間並びに出力端Ow及び出力端Oo間にそれぞれ接続された負荷RLu及びRlwに交流電力を供給するとともに、商用電力系統とも連系可能である。なお、出力端Ooは接地されている。ここでは、入力端Ip及び入力端Inが、本発明のプラス側入力端子及びマイナス側入力端子にそれぞれ対応する。また、出力端Ou、出力端Ow及び出力端Ouが、本発明の第1相出力端子、第2相出力端子及び中性出力端子にそれぞれ対応する。
【0048】
インバータ装置10は、概略、単相3線式のインバータ11と、インバータ11のU相電力線Liuと中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路12と、インバータ11
のW相電力線Liwと中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路13と、制御部14を備える。ここでは、インバータ11及び制御部14が本発明のインバータ部及び制御部にそれぞれ対応する。また、HERIC回路12及びHERIC回路13が、本発明の第1短絡回路及び第2短絡回路にそれぞれ対応する。
【0049】
(インバータ)
単相3線式のインバータ11は、直列に接続された2つのスイッチからなるレグを直流電源Sdに並列に接続した3アーム型インバータである。すなわち、インバータ11は、プラス入力線Lipとマイナス入力線Linとの間に、入力端子Ip及びIn側から順に、O相中点レグLgo、U相レグLgu、W相レグLgwの3のレグが並列に接続された構成である。ここでは、スイッチは、半導体スイッチング素子であるnチャネルエンハンスメント型MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)から
構成される。半導体スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を用いることもできるが、この場合にはIGBTと逆並列接続された還流ダイ
オードとを組み合わせてスイッチを構成する。ここでは、O相中点レグLgo、U相レグLgu、W相レグLgwが、本発明の中性レグ、第1相レグ及び第2相レグにそれぞれ対応する。
【0050】
U相レグLguは、スイッチSW1及びスイッチSW2からなり、スイッチSW1のドレイン端子がプラス入力線Lipに接続され、スイッチSW1のソース端子はスイッチSW2のドレイン端子に接続され、スイッチSW2のソース端子はマイナス入力線Linに接続されている。O相中点レグLgoは、スイッチSW3及びスイッチSW4からなり、スイッチSW3のドレイン端子がプラス入力線Lipに接続され、スイッチSW3のソース端子はスイッチSW4のドレイン端子に接続され、スイッチSW4のソース端子はマイナス入力線Linに接続されている。W相レグLgwは、スイッチSW5及びスイッチSW6からなり、スイッチSW5のドレイン端子がプラス入力線Lipに接続され、スイッチSW5のソース端子はスイッチSW6のドレイン端子に接続され、スイッチSW6のソース端子はマイナス入力線Linに接続されている。ここでは、スイッチSW1及びスイッチSW2が、本発明の第1スイッチング素子及び第2スイッチング素子に対応する。また、スイッチSW3及びスイッチSW4が、本発明の第3スイッチング素子及び第4スイッチング素子に対応する。また、スイッチSW5及びスイッチSW6が、本発明の第5スイッチング素子及び第6スイッチング素子に対応する。
【0051】
O相中点レグLgoの中点、すなわちスイッチSW3のソース端子とスイッチSW4のドレイン端子との中点CpoからはO相中性線Lioが引き出されている。U相レグLguの中点、すなわちスイッチSW1のソース端子とスイッチSW2のドレイン端子との中点CpuからはU相電力線Liuが引き出されている。W相レグLgwの中点、すなわちSW5のソース端子とスイッチSW6のドレイン端子との中点CpwからはW相電力線Liwが引き出されている。ここでは、中点Cpo及びO相中性線Lioが、本発明の中性接続点及び中性電力線にそれぞれ対応する。また、中点Cpu及びU相電力線Liuが、本発明の第1相接続点及び第1相電力線にそれぞれ対応する。また、中点Cpw及びW相電力線Liwが、本発明の第2相接続点及び第2相電力線にそれぞれ対応する。
【0052】
U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間にはHERIC回路12が接続され、O相中性線LioとW相電力線Liwとの間にはHERIC回路13が接続されている。HERIC回路12及びHERIC回路13より出力端Ou,Oo及びOw側では、U相電力線LiuとO相中性線LioとW相電力線Liwにそれぞれ直列にリアクトルLuとリアクトルLoとリアクトルLwが接続されている。
【0053】
U相電力線LiuのリアクトルLuの出力端Ou側と、O相中性線Lioのリアクトル
Loの出力端Oo側との間にはコンデンサCuが接続されている。また、O相中性線Lioの出力端Lo側とW相電力線Liwとの間にはコンデンサCwが接続されている。すなわち、U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間には、出力端Ou及び出力端Oo側から順に、コンデンサCuとHERIC回路12とが並列に接続されている。また、O相中性線LioとW相電力線Liwとの間には、出力端Oo及び出力端Ow側から順に、コンデンサCwとHERIC回路13とが並列に接続されている。
【0054】
U相電力線Liuの出力端OuとO相中性線Lioの出力端Ooとの間には負荷RLuが接続され、O相電力線Liuの出力端OuとW相電力線Liwの出力端Owとの間には負荷RLwが接続されている。
【0055】
(HERIC回路)
HERIC回路12は、nチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成されるスイッチSWun及びスイッチSWupを含む。
図1では省略しているが、スイッチSWun及びスイッチSWupのゲートを駆動するゲート駆動回路を有し、ゲート駆動回路はインバータ装置10の動作を制御する制御部14からの指示に基づいてスイッチのun及びスイッチSWupのオンオフを制御する。
【0056】
HERIC回路12のスイッチSWupのソース端子はU相電力線Liuに接続され、スイッチSWupのドレイン端子はスイッチSWunのドレイン端子に接続されており、スイッチSWunのソース端子は中性線Lioに接続されている。ここでは、スイッチSWup及びスイッチSWunが、本発明の第1短絡スイッチング素子及び第2短絡スイッチング素子にそれぞれ対応する。
【0057】
HERIC回路13は、nチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成されるスイッチSWwn及びスイッチSWwpを含む。
図1では省略しているが、スイッチSWwn及びスイッチSWwpのゲートを駆動するゲート駆動回路を有し、ゲート駆動回路はインバータ装置10の動作を制御する制御部14からの指示に基づいてスイッチSWwn及びスイッチSWwpのオンオフを制御する。
【0058】
HERIC回路13のスイッチSWwnのソース端子はW相電力線Liwに接続され、スイッチSWwnのドレイン端子はスイッチSWwpのドレイン端子に接続されており、スイッチSWwpのソース端子は中性線Lioに接続されている。ここでは、スイッチSWwp及びスイッチSWwnが、本発明の第3短絡スイッチング素子及び第4短絡スイッチング素子に対応する。
【0059】
HERIC回路の具体的な構成は、HERIC回路12及びHERIC回路13に限られない。
図2(A)~(D)は、HERIC回路の具体例を示す。
【0060】
図2(A)は、HERIC回路Hr1の原理的な構成を示す図である。直列に接続されたスイッチS1及びダイオードD1と、直列に接続されたダイオードD2とスイッチS2とが、電力線Li1と電力線Li2との間に並列に接続されている。ダイオードD1のカソード端子及びアノード端子は、それぞれ電力線Li1側及び電力線Li2側に接続されている。ダイオードD2のカソード端子及びアノード端子は、それぞれ電力線Li2側及び電力線Li1側に接続されている。スイッチS1及びS2としては、IGBT、MOSFET等の半導体スイッチング素子を適用することができる。
【0061】
ここでは、電力線Li1が電力線Li2に対して高電位である場合には、スイッチS1を閉じてもダイオードD1が逆方向に接続されているので、電流は流れない。電力線Li
2と電力線Li1が等電位になった場合には、ダイオードD1がオンすることにより負荷電流が転流し、電力線Li1・Li2間が短絡される。
【0062】
図2(B)は、HERIC回路Hr2の原理的な構成を示す図である。HERIC回路Hr2は、スイッチS1とダイオードD1の中点と、スイッチS2及びダイオードD2との中点とが接続線Sc1により接続されている点を除いてHERIC回路Hr1と同様の構成を有する。
【0063】
ここでは、電力線Li1が電力線Li2に対して高電位である場合には、スイッチS1を閉じてもダイオードD1が逆方向に接続されているので、電流は流れない。電力線Li2が電力線Li1と等電位になった場合には、ダイオードD1がオンすることにより負荷電流が転流し、電力線Li1・Li2間が短絡される。
【0064】
図2(C)に示すHERIC回路Hr3では、電力線Li1・Li2間にnチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成されるスイッチSW31及びSW32が直列に接続されている。HERIC回路Hr3のスイッチSW31のドレイン端子は電力線Li1に接続され、スイッチSW31のソース端子はスイッチSW32のソース端子に接続されており、スイッチSW32のドレイン端子は電力線Li2に接続されている。このHERIC回路Hr3は、
図1に示すHERIC回路12と同様の構成である。このHERIC回路Hr3は、
図2(B)に示すHERIC回路Hr2と同じ機能を有する。
【0065】
図2(D)に示すHERIC回路Hr4は、電力線Li1・Li2間にnチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成されるスイッチSW41及びSW42が直列に接続されている。HERIC回路Hr4のスイッチSW41のソース端子は電力線Li1に接続され、スイッチSW41のドレイン端子はスイッチSW42のドレイン端子に接続されており、スイッチSW42のソース端子は電力線Li2に接続されている。このHERIC回路Hr4は、
図1に示すHERIC回路13と同様の構成である。このHERIC回路Hr4は、
図2(C)に示すHERIC回路Hr3と同じ機能を有する。
【0066】
(PWM制御)
以下に、インバータ装置10において、入力された直流電力を交流電力に変換するためのインバータ11及びHERIC回路12,13のスイッチング制御について説明する。
【0067】
インバータ11及びHERIC回路12,13のスイッチング制御は、制御部14が、出力すべき交流電圧波形に関する指令値(例えば、50Hzのサインカーブ)に基づいて行う。ここでは、制御部14は、インバータ11のスイッチSW1~SW6のオンオフのデューティ比制御によって出力電圧を制御するPWM制御を行う。
【0068】
図3に、インバータ装置10による電力変換処理におけるインバータ11及びHERIC回路12及び13の各スイッチに対する制御信号のタイミングチャートの一部を示す。
図3には、商用電力と同じ周波数50Hzのサインカーブを描く交流電電圧を出力する場合の、前半の半周期における各スイッチに対する制御信号を示す。
【0069】
インバータ11に対しては、ユニポーラ変調によるPWM制御を行う。PWM制御によって決定されるデューティ比に従って、各スイッチのオンオフが制御される。前半の半周期では、U相電力線Liuの出力端Ou及びO相中性線Lioの出力端Ooに出力され、負荷RLuに印加される電圧は、出力端Oo側に対して出力端Ou側がプラス又は0となり、O相中性線Lioの出力端Oo及びW相電力線Liwの出力端Owに出力され、負荷Rlwに印加される電圧は、出力端Ow側に対して出力端Oo側がプラス又は0となる。後半の半周期では、U相電力線Liuの出力端Ou及びO相中性線Lioの出力端Ooに
出力され、負荷RLuに印加される電圧は、出力端Oo側に対して出力端Ou側がマイナス又は0となり、O相中性線Lioの出力端Oo及びW相電力線Liwの出力端Owに出力され、負荷Rlwに印加される電圧は、出力端Ow側に対して出力端Oo側がマイナス又は0となる。
【0070】
前半の半周期では、インバータ装置10の電流経路は、モード1、モード2及びモード3の順で3つのモードの遷移を繰り返す。ここでは、モード1、モード2及びモード3が、本発明の第1モード、第2モード及び第3モードにそれぞれ対応する。
【0071】
図4は、モード1におけるインバータ装置10の電流経路を示す。負荷RLu側を流れる電流Iuの経路を実線、負荷RLwを流れる電流Iwの経路を破線で示し、一点鎖線は、他の電流経路を示す。ここでは、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオフ、スイッチSW4がオン、スイッチSW5がオフ、スイッチSW6がオン、スイッチSWupがオン、スイッチSWunがオフ、スイッチSWwpがオン、スイッチSWunがオフとなっている。このとき、直流電源Sdのプラスの端子から入力端Ipを経てプラス入力線Lipに入力された電流は、スイッチSW1、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷RLu、リアクトルLo、O相中性線Lio、スイッチSW4、マイナス入力線Linを通り、入力端Inから直流電源Sdのマイナス端子に戻る。一方、負荷RLwを流れる電流は、リアクトルLwからW相電力線Liw、スイッチSW6、マイナス入力線Lin、スイッチSW4、O相中性線Lio、リアクトルLo、負荷RLwを流れる。また、負荷RLw、リアクトルLw、W相電力線Liw、スイッチSW6、マイナス入力線Lin、入力端Inへと流れる電流経路もある。
【0072】
図5は、モード2におけるインバータ装置10の電流経路を示す。
図4と同様に、負荷RLu側を流れる電流Iuの経路を実線、負荷RLwを流れる電流Iwの経路を破線で示し、二点鎖線は、他の電流経路を示す。ここでは、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオン、スイッチSW4がオフ、スイッチSW5がオフ、スイッチSW6がオン、スイッチSWupがオン、スイッチSWunがオフ、スイッチSWwpがオン、スイッチSWunがオフとなっている。このとき、直流電源Sdのプラスの端子から入力端Ipを経てプラス入力線Lipに入力された電流は、スイッチSW3、O相中性線Lio、リアクトルLo、負荷RLw、リアクトルLw、W相電力線Liw、スイッチSW6、マイナス入力線Linを通り、入力端Inから直流電源Sdのマイナス端子に戻る。一方、負荷RLuを流れる電流は、プラス入力線Lip、スイッチSW1、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷Rlu、O相中性線Lio、リアクトルLo、スイッチSW3、プラス入力線Lipの経路を流れる。また、プラス入力線LipからスイッチSW1、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷RLu、負荷Rlwへと流れる電流経路もある。
【0073】
図6は、モード3におけるインバータ装置10の電流経路を示す。ここでは、スイッチSW1~スイッチSW6はすべてオフ、スイッチSWupがオン、スイッチSWunがオフ、スイッチSWwpがオン、スイッチSWunがオフとなっている。このとき、負荷LRuを流れる電流は、負荷RLu、O相中性線Lio、リアクトルLo、スイッチSWup、スイッチSWun、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷RLuと流れ、HERIC回路12が短絡されている。HERIC回路12のスイッチSWunはオフであるが、スイッチング素子であるMOSFETの寄生ダイオードが導通し、O相中性線LioからU相電力線Liuへ電流が流れる。一方、負荷RLwを流れる電流は、負荷RLw、W相電力線Liw、リアクトルLw、スイッチSWwn、スイッチSWwp、O相中性線Lio、リアクトルLio、負荷RLwと流れ、HERIC回路13が短絡されている。HERIC回路13のスイッチSWwnはオフであるが、スイッチング素子であるMOSFETの寄生ダイオードが導通し、W相電力線Liwから中性線Lioへ電流が流れる。
【0074】
商用周波数の後半の半周期における各スイッチに対する制御を簡単に説明する。この場合の制御は、モード1-2、モード2-2、モード3-2の順で遷移を繰り返す。モード1-2は、モード1における、スイッチSW1とスイッチSW5とのオンオフを入れ替え、スイッチSW2とスイッチSW6とのオンオフを入れ替え、スイッチSWunをオンし、スイッチSWwnをオンするモードである。モード2-2は、モード2における、スイッチSW1とスイッチSW5とのオンオフを入れ替え、スイッチSW2とスイッチSW6とのオンオフを入れ替え、スイッチSWunをオンし、スイッチSWwnをオンするモードである。そして、モード3-2は、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW3、スイッチSW4、スイッチSW5、スイッチSW6をいずれもオフし、スイッチSWunをオンし、スイッチSWwnをオンするモードである。ここでは、モード1-2、モード2-2、モード3-2がそれぞれ、本発明の第1-2モード、第2-2モード、第3-2モードに対応する。また、ここでは、商用周波数の前半の半周期及び後半の半周期が、本発明の、出力すべき交流電力の周波数のいずれか一方の半周期及び他方の半周期にそれぞれ対応する。
【0075】
このようにすれば、HERIC回路を用いた単相3線式のインバータ装置10を実現することができ、高効率化が可能となる。このようなインバータ装置10においてはO相中性線Lioにも負荷電流を流すことができ、U相電力線Liuを流れるU相の電流Iuと、W相電力線Liwを流れるW相の電流Iwは同量でなくてもよい。したがって、自立運転時のように、U相の負荷RLuとW相の負荷RLwがバランスしていない場合には、U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間と、W相電力線LiwとO相中性線Lioとの間とで独立して駆動することができる。
また、上述のように、インバータ装置10においては、HERIC回路12及びHERIC回路13が短絡するモード3では、O相中点レグLgoの上下のアームのスイッチSW3及びSW4はオフとなり動作を停止している。これは、
図7に示すように、HERIC回路12及びHERIC回路13が短絡する期間にO相中点レグLgoを動作させると、HERIC回路12及びHERIC回路13の中点Shpが、点Ppにおけるプラス入力線Lipの電位となってしまう瞬間や、
図8に示すように、点Npにおけるマイナス入力線Linの電位となってしまう瞬間が発生する。このため、HERIC回路12及びHERIC回路13の中点Shpの電位が激しく変動してノイズとなる。そこで、HERIC回路12及びHERIC回路13が短絡する期間であるモード3では、O相中点レグLgoの動作を停止させスイッチSW3及びスイッチSW4をオフさせることで、入力電圧をVinとしたときに、HERIC回路12及びHERIC回路13の中点Shpの電位がVin/2、すなわち入力電圧の中間電位となりノイズの発生を回避することができる。
【0076】
〔実施例2〕
以下、実施例2に係るインバータ装置20について説明する。
図9は、インバータ装置20の概略構成を示す回路図である。実施例1と共通する構成については同様の符号を付して詳細な説明を省略する。
インバータ装置20は、概略、単相3線式のインバータ21と、中点制御補助回路22、インバータ21のU相電力線Liuと中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路12と、インバータ11のW相電力線Liwと中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路13と、制御部24を備える。
【0077】
インバータ21は、実施例1に係るインバータ11と同じ単相3線式のインバータであるが、フルブリッジを構成するU相レグLgu及びW相レグLgwの入力端Ip及びIn側に、コンデンサC1及びコンデンサC2が並列に接続されている。コンデンサC1及びコンデンサC2は、プラス入力線Lipとマイナス入力線Linとの間で直列に接続され
ており、コンデンサC1及びコンデンサC2の中点CpoがO相中性線に接続されている。ここでは、コンデンサC1及びコンデンサC2が、本発明の第1定電圧源及び第2定電圧源に対応する。
【0078】
そして、コンデンサC1及びコンデンサC2の入力端Ip及びIn側には、中点制御補助回路22が設けられている。中点制御補助回路22は、実施例1に係るO相中点レグLgoを構成する2つのスイッチSW3及びSW4と、スイッチSW3及びSW4の中点Cpsから引き出されたO相中性線Lioに直列に接続されたリアクタンスLoとからなる。ここでは、中点制御補助回路22及び中点Cpsが、本発明の中性点回路及び第2中性接続点にそれぞれ対応する。
【0079】
インバータ11を構成するコンデンサC1及びコンデンサC2は、定電圧源として動作するものであり、キャパシタ、バッテリ、定電圧回路など定電圧源として動作する素子、回路又は装置であれば、コンデンサC1及びコンデンサC2に代えて適用することができる。
【0080】
中点制御補助回路22は、実施例1に係るO相中点レグLgoと共通の構成を有し、3アーム型のインバータであるようにも見えるが、コンデンサC1及びコンデンサC2の中点のバランスをとる補助回路であり、このような中点制御補助回路22を備えない構成も可能である。
【0081】
インバータ装置20の動作は、実施例1に係るインバータ装置10と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0082】
〔実施例3〕
以下、実施例3に係るインバータ装置30について説明する。インバータ装置30の構成は、実施例1に係るインバータ装置10と同じであるため、同様の符号を用いて詳細な説明は省略する。
【0083】
図10に、インバータ装置30において、入力された直流電力を交流電力に変換するためのインバータ11及びHERIC回路12,13の各スイッチに対する制御信号のタイミングチャートの一部を示す。ここでも、商用電力と同じ周波数50Hzのサインカーブを描く交流電圧を出力する場合の、前半の半周期における各スイッチに対する制御信号を示す。
【0084】
インバータ装置30においても、インバータ11に対しては、ユニポーラ変調によるPWM制御を行う。PWM制御によって決定されるデューティ比に従って、各スイッチのオンオフが制御される。前半の半周期では、U相電力線Liuの出力端Ou及びO相中性線Lioの出力端Ooに出力され、負荷RLuに印加される電圧は、出力端Oo側に対して出力端Ou側がプラス又は0となり、O相中性線Lioの出力端Oo及びW相電力線Liwの出力端Owに出力され、負荷Rlwに印加される電圧は、出力端Ow側に対して出力端Oo側がプラス又は0となる。後半の半周期では、U相電力線Liuの出力端Ou及びO相中性線Lioの出力端Ooに出力され、負荷RLuに印加される電圧は、出力端Oo側に対して出力端Ou側がマイナス又は0となり、O相中性線Lioの出力端Oo及びW相電力線Liwの出力端Owに出力され、負荷Rlwに印加される電圧は、出力端Ow側に対して出力端Oo側がマイナス又は0となる。
【0085】
前半の半周期では、インバータ装置30の電流経路は、モード4、モード5、モード6及びモード7の順で4つのモードの遷移を繰り返す。ここでは、モード4、モード5、モード6及びモード7が、本発明の第4モード、第5モード、第6モード及び第7モードに
それぞれ対応する。
【0086】
図11にモード4におけるインバータ装置30の電流経路を示す。ここでも、負荷RLu側を流れる電流Iuの経路を実線、負荷RLwを流れる電流Iwの経路を破線で示し、一点鎖線は、他の電流経路を示す。モード4におけるインバータ装置30の電流経路は、実施例1に係るインバータ装置10のモード1における電流経路と同じである。すなわち、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオフ、スイッチSW4がオン、スイッチSW5がオフ、スイッチSW6がオン、スイッチSWupがオン、スイッチSWunがオフ、スイッチSWwpがオン、スイッチSWunがオフとなっている。そして、直流電源Sdのプラスの端子から入力端Ipを経てプラス入力線Lipに入力された電流は、スイッチSW1、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷RLu、リアクトルLo、O相中性線Lio、スイッチSW4、マイナス入力線Linを通り、入力端Inから直流電源Sdのマイナス端子に戻る。一方、負荷RLwを流れる電流は、リアクトルLwからW相電力線Liw、スイッチSW6、マイナス入力線Lin、スイッチSW4、O相中性線Lio、リアクトルLo、負荷RLwを流れる。また、負荷RLw、リアクトルLw、W相電力線Liw、スイッチSW6、マイナス入力線Lin、入力端Inへと流れる電流経路もある。
【0087】
図12にモード5におけるインバータ装置30の電流経路を示す。ここでは、スイッチSW1がオン、スイッチSW2がオフ、スイッチSW3がオン、スイッチSW4がオフ、スイッチSW5がオフ、スイッチSW6がオン、スイッチSWupがオン、スイッチSWunがオフ、スイッチSWwpがオン、スイッチSWunがオフとなっている。このとき、直流電源Sdのプラスの端子から入力端Ipを経てプラス入力線Lipに入力された電流は、スイッチSW3、O相中性線Lio、リアクトルLo、負荷RLw、リアクトルLw、W相電力線Liw、スイッチSW6、マイナス入力線Linを通り、入力端Inから直流電源Sdのマイナス端子に戻る。一方、負荷RLuを流れる電流は、リアクトルLu、負荷Rlu、O相中性線Lio、リアクトルLo、スイッチSWup、スイッチSWun、U相電力線Liuの経路を流れる。また、プラス入力線Lip、スイッチSW1、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷Rlu、O相中性線Lio、スイッチSW3、プラス入力線Lipへと流れる電流経路もある。
【0088】
図13にモード6におけるインバータ装置30の電流経路を示す。二点鎖線は、他の電流経路を示す。ここでは、スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオン、スイッチSW3がオン、スイッチSW4がオフ、スイッチSW5がオン、スイッチSW6がオフ、スイッチSWupがオン、スイッチSWunがオフ、スイッチSWwpがオン、スイッチSWunがオフとなっている。負荷Rluを流れる電流は、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷Rlu、O相中性線Lio、リアクトルLo、スイッチSWup、スイッチSWun、U相電力線Liuの経路を流れる。また、負荷RLwを流れる電流は、スイッチSWwn、スイッチSWwp、O相中性線Lio、リアクトルLo、負荷RLw、W相電力線Liw、リアクトルLw、スイッチSWwnの経路を流れる。また、プラス入力線Lip、スイッチSW5、W相電力線Liw、リアクトルLw、負荷RLw、O相中性線Lio、リアクトルLo、スイッチSW3、プラス入力線Lipへと流れる電流経路もある。さらに、リアクトルLo、O相電力線Lio、スイッチSWup、スイッチSWun、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷Rlu、O相電力線Lioへと流れる電流経路もある。
【0089】
図14にモード7におけるインバータ装置30の電流経路を示す。ここでは、スイッチSW1がオフ、スイッチSW2がオン、スイッチSW3がオフ、スイッチSW4がオン、スイッチSW5がオン、スイッチSW6がオフ、スイッチSWupがオン、スイッチSWunがオフ、スイッチSWwpがオン、スイッチSWunがオフとなっている。負荷Rl
uを流れる電流は、U相電力線Liu、リアクトルLu、負荷Rlu、O相中性線Lio、リアクトルLo、スイッチSWup、スイッチSWun、U相電力線Liuの経路を流れる。また、スイッチSW4,O相電力線Lio、リアクトルLo、負荷Rlu、U相電力線Liu、リアクトルLu、スイッチSW2、マイナス入力線Lin、スイッチSW2へと流れる電流経路もある。一方、負荷RLwを流れる電流は、スイッチSWwn、スイッチSWwp、O相中性線Lio、リアクトルLo、負荷RLw、W相電力線Liw、リアクトルLw、スイッチSWwnの経路を流れる。
【0090】
インバータ装置30におけるPWM制御では、上述のように、前半の半周期においてモード4、モード5、モード6、モード7の順で遷移を繰り返す。ユニポーラ駆動で、インバータ装置10について説明したように、O相中点レグLgoの制御に停止期間を設けると、変調率が低下するが、本実施例に係るインバータ装置30のような制御を行い、HERIC回路12及びHERIC回路13が短絡するモード6及びモード7においてO相中点レグLgoを停止させるのではなく、稼働させることで、変調率の低下を回避することができる。
【0091】
商用周波数の後半の半周期における各スイッチに対する制御を簡単に説明する。この場合の制御は、モード4-2、モード5-2、モード6-2、モード7-2の順で遷移を繰り返す。モード4-2、モード5-2、モード6-2、モード7-2は、それぞれ、モード4、モード5、モード6、モード7における、スイッチSW1とスイッチSW5とのオンオフを入れ替え、スイッチSW3とスイッチSW4とのオンオフを入れか、スイッチSW2とスイッチSW6とのオンオフを入れ替え、スイッチSWunをオンし、スイッチSWwnをオンするモードである。ここでは、モード4-2、モード5-2、モード6-2、モード7-2が、本発明の第4-2モード、第5-2モード、第6-2モード、第7-2モードに対応する。また、ここでは、商用周波数の前半の半周期及び後半の半周期が、本発明の、出力すべき交流電力の周波数のいずれか一方の半周期及び他方の半周期にそれぞれ対応する。
【0092】
インバータ装置30におけるPWM制御では、上述のように、後半の半周期においてモード4-2、モード5-2、モード6-2、モード7-2の順で遷移を繰り返す。ユニポーラ駆動で、インバータ装置10について説明したように、O相中点レグLgoの制御に停止期間を設けると、変調率が低下するが、本実施例に係るインバータ装置30のような制御を行い、HERIC回路12及びHERIC回路13が短絡するモード6-2及びモード7-2においてO相中点レグLgoを停止させるのではなく、稼働させることで、変調率の低下を回避することができる。
【0093】
〔実施例4〕
以下、実施例4に係るインバータ装置40について説明する。
図15にインバータ装置40の回路構成を示す。実施例1と同様の構成については、同様の符号を用いて詳細な説明を省略する。インバータ装置40の回路構成は、インバータ装置10と同じであるが、
図15に示すように、インバータ装置40では、2つの単相2線式HERICモジュールを利用している。
【0094】
図15において破線で囲われたO相中点レグLgo、U相レグLgu、HERIC回路12を含む回路を単相2線式のHERICモジュールMd1によって構成する。また、
図15において一点鎖線で囲われたW相レグLgw、HERIC回路13を含む回路を単相2線式のHERICモジュールMd2によって構成する。このHERICモジュールMd2については、フルブリッジを構成する2つのレグのうちの1つのみを使用する。HERICモジュールMd2の1つのレグをO相中点レグLgoとして用い、2つのO相中点レグLgoが並列された構成としてもよい。ここでは、HERICモジュールMd1及びH
ERICモジュールMd2が、本発明の第1単相2線式インバータモジュール及び第2単相2線式インバータモジュールにそれぞれ対応する。
このように、2つの単相2線式のHERICモジュールMd1及びMd2を利用して、インバータ装置40を構成することにより、インバータ装置40の特性のばらつきを抑えることが可能となるともに、放熱性が向上し、組立も容易になる。
【0095】
〔実施例5〕
以下、実施例5に係るインバータ装置50について説明する。
図16にインバータ装置50の回路構成を示す。実施例2と同様の構成については、同様の符号を用いて詳細な説明を省略する。インバータ装置50の回路構成は、インバータ装置20と同じであるが、
図16に示すように、インバータ装置50では、2つの単相2線式のHERICモジュールを利用している。
【0096】
図16において破線で囲われた中点制御補助回路22、U相レグLgu、HERIC回路12を含む回路を単相2線式のHERICモジュールMd3によって構成する。また、
図16において一点鎖線で囲われたW相レグLgw、HERIC回路13を含む回路を単相2線式のHERICモジュールMd4によって構成する。このHERICモジュールMd4については、フルブリッジを構成する2つのレグのうち1つのみを使用する。ここでは、HERICモジュールMd3及びHERICモジュールMd4が、本発明の第3単相2線式インバータモジュール及び第4単相2線式インバータモジュールにそれぞれ対応する。また、中点制御補助回路22が本発明の第3レグに対応する。
このように、2つの単相2線式のHERICモジュールMd1及びMd2を利用して、インバータ装置50を構成することにより、インバータ装置50の特性のばらつきを抑えることが可能となるともに、放熱性が向上し、組立も容易になる。
【0097】
〔実施例6〕
以下、実施例6に係る単相3線式用インバータモジュール60について説明する。
図17にモジュール60の回路構成を示す。モジュール60は、実施例1に係るインバータ装置10をモジュール化したものである。
【0098】
モジュール60は、入力端DC+及びDC-と、出力端OUT U、OUT O、OUT Wを有する。モジュール60は、概略、単相3線式のインバータ61と、インバータ61のU相電力線Liuと中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路62と、インバータ61のW相電力線Liwと中性線Lioとの間を短絡可能なHERIC回路63とを備える。
【0099】
単相3線式のインバータ61は、直列に接続された2つのスイッチからなるレグを入力端DC+及びDC-に並列に接続した3アーム型インバータである。すなわち、インバータ61は、プラス入力線Lipとマイナス入力線Linとの間に、入力端子DC+及びDC-側から順に、O相中点レグMLgo、U相レグMLgu、W相レグMLgwの3のレグが並列に接続された構成である。ここでは、スイッチは、半導体スイッチング素子であるnチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成される。半導体スイッチング素子としては、IGBTを用いることもできるが、この場合にはIGBTと逆並列接続された還流ダイオードとを組み合わせてスイッチを構成する。
【0100】
U相レグMLguは、スイッチM1及びスイッチM2からなり、スイッチM1のドレイン端子がプラス入力線Lipに接続され、スイッチM1のソース端子側はスイッチM2のドレイン端子に接続され、スイッチM1のゲート端子接続線G1及びソース端子接続線S1が引き出されている。また、スイッチM2のソース端子側はマイナス入力線Linに接続され、スイッチM2のゲート端子接続線G2及びソース端子接続線S2が引き出されて
いる。O相中点レグMLgoは、スイッチM3及びスイッチM4からなり、スイッチM3のドレイン端子がプラス入力線Lipに接続され、スイッチM3のソース端子側はスイッチM4のドレイン端子に接続され、スイッチM3のゲート端子接続線G3及びソース端子接続線S3が引き出されている。スイッチM4のソース端子側はマイナス入力線Linに接続され、スイッチM4のゲート端子接続線G4及びソース端子接続線S4が引き出されている。W相レグMLgwは、スイッチM5及びスイッチM6からなり、スイッチM5のドレイン端子がプラス入力線Lipに接続され、スイッチM5のソース端子側はスイッチM6のドレイン端子に接続され、スイッチM5のゲート端子接続線G5及びソース端子接続線S5が引き出されている。また、スイッチM6のソース端子側はマイナス入力線Linに接続され。スイッチM6のゲート端子接続線G6及びソース端子接続線S6が引き出されている。
【0101】
O相中点レグLgoの中点、すなわちスイッチSW3のソース端子とスイッチSW4のドレイン端子との中点からはO相中性線Lioが引き出されている。U相レグLguの中点、すなわちスイッチSW1のソース端子とスイッチSW2のドレイン端子との中点からはU相電力線Liuが引き出されている。W相レグLgwの中点、すなわちSW5のソース端子とスイッチSW6のドレイン端子との中点からはW相電力線Liwが引き出されている。
【0102】
U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間にはHERIC回路12が接続され、O相中性線LioとW相電力線Liwとの間にはHERIC回路13が接続されている。
【0103】
HERIC回路62は、nチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成されるスイッチUSH及びスイッチUSLを含む。HERIC回路12のスイッチUSLのソース端子はU相電力線Liuに接続され、スイッチUSLのドレイン端子はスイッチUSHのドレイン端子に接続されており、スイッチUSHのソース端子は中性線Lioに接続されている。また、スイッチUSHのゲート端子接続線GUSH、ソース端子接続線SUSHが引き出され、スイッチUSLのゲート端子接続線GUSL、ソース端子接続線SUSLが引き出されている。
【0104】
HERIC回路63は、nチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成されるスイッチWSH及びスイッチWSLを含む。HERIC回路63のスイッチWSHのソース端子はW相電力線Liwに接続され、スイッチWSHのドレイン端子はスイッチWSLのドレイン端子に接続されており、スイッチWSLのソース端子は中性線Lioに接続されている。また、スイッチWSHのゲート端子接続線GWSH、ソース端子接続線SWSHが引き出され、スイッチWSLのゲート端子接続線GWSL、ソース端子接続線SWSLが引き出されている。
【0105】
このように単相3線式用HERICモジュール60を用いれば、インバータ装置の特性のばらつきを抑えることが可能となるともに、放熱性が向上し、組立も容易になる。また、単相2線式HERICモジュールを2つ使用する場合に比べ、小型化及び低コスト化が可能となる。
【0106】
〔実施例7〕
以下、実施例7に係るインバータ装置70について説明する。インバータ装置70の構成は、実施例1に係るインバータ装置10と同じであるので、回路構成についての詳細な説明は省略する。
【0107】
インバータ装置70では、系統連系時等にインバータ装置70を単相2線式のインバータ装置として動作させる場合に、O相中点レグLgoを停止させ、スイッチSW3及びス
イッチSW4をオフにする。このとき、U相レグLgu、W相レグLgw、HERIC回路12及びHERIC回路13の動作は、通常の単相2線式のインバータ装置と同じPWMパターンによって制御する。ここで、HERIC回路12及びHERIC回路13は同じ動作を行う。
【0108】
HERIC回路12及びHERIC回路13の中点と出力端Ooとの間のO相中性線Lio上にリレーを設け、系統連系時等にインバータ装置70を単相2線式のインバータ装置として動作させる場合には、このリレーを開いて回路を遮断するようにしてもよい。
【0109】
このようにすれば、インバータ装置70を系統連系時等に単相2線式のインバータ装置として動作させる場合にも、効率の良い電力変換が可能となる。
【0110】
〔実施例8〕
以下、実施例8に係るインバータ装置80について説明する。インバータ装置80の構成は、実施例2に係るインバータ装置20と同じであるので、回路構成についての詳細な説明は省略する。
【0111】
インバータ装置80では、系統連系時等にインバータ装置80を単相2線式のインバータ装置として動作させる場合に、中点制御補助回路22を停止させ、スイッチSW3及びスイッチSW4をオフにする。このとき、U相レグLgu、W相レグLgw、HERIC回路12及びHERIC回路13の動作は、通常の単相2線式のインバータ装置と同じPWMパターンによって制御する。ここで、HERIC回路12及びHERIC回路13は同じ動作を行う。
【0112】
HERIC回路12及びHERIC回路13の中点と出力端Ooとの間のO相中性線Lio上にリレーを設け、系統連系時等にインバータ装置70を単相2線式のインバータ装置として動作させる場合には、このリレーを開いて回路を遮断するようにしてもよい。
【0113】
このようにすれば、インバータ装置80を系統連系時等に単相2線式のインバータ装置として動作せる場合にも、効率の良い電力変換が可能となる。
【0114】
〔実施例9〕
以下、実施例9に係るインバータ装置90について説明する。
図18にインバータ装置90の回路構成を示す。実施例1と同様の構成については、同様の符号を用いて詳細な説明を省略する。インバータ装置90の回路構成は、インバータ装置90のU相電力線LiuとW相電力線Liwとの間を短絡可能なHERIC回路15を設けるともに、U相電力線Liuの出力端OuとW相電力線Liwの出力端Owとの間に負荷RLuwを接続している。ここでは、HERIC回路15が、本発明の第3短絡回路に対応する。
【0115】
以下では、インバータ装置90の回路構成のうち、インバータ装置10と異なる部分について説明する。
インバータ装置90では、入力端Ip及び入力端Inに接続される直流電源が、中点が設置された2つの直流電源Sd1及びSd2から構成されている。そして、上述のように、U相電力線LiuとW相電力線Liwとの間にHERIC回路15が設けられている。HERIC回路15は、HERIC回路12及びHERIC回路13とリアクトルLu及びリアクトルLwとの間に設けられている。HERIC回路15は、nチャネルエンハンスメント型MOSFETから構成されるスイッチSWuwn及びスイッチSWuwpを含む。
図18では省略しているが、スイッチSWuwn及びスイッチSWuwpのゲートを駆動するゲート駆動回路を有し、ゲート駆動回路はインバータ装置70の動作を制御する制御部16からの指示に基づいてスイッチSWuwn及びスイッチSWuwpのオンオフ
を制御する。また、出力端Ouと出力端Owとの間には、コンデンサCuwと負荷RLuwが並列に接続されている。
【0116】
このように、インバータ装置90では、HERIC回路15を設けることにより、U相電力線LiuとW相電力線Liwとを短絡させる際に、U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間を短絡させるHERIC回路12と、O相中性線LioとW相電力線Liwとの間を短絡させるHERIC回路13との2つのHERIC回路によって短絡させる場合に比べ、1つのHERIC回路15によって短絡させることができるので効率が向上する。
【0117】
〔実施例10〕
以下、実施例10に係るインバータ装置100について説明する。インバータ装置100の構成は、実施例9に係るインバータ装置90と同じであるので、回路構成についての詳細な説明は省略する。
【0118】
インバータ装置100を単相2線式のインバータ装置として動作させる場合に、U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間に接続されたHERIC回路12と、O相中性線LioとW相電力線Liwとの間に接続されたHERIC回路13とを停止させ、U相電力線LiuとW相電力線Liwとの間に接続されたHERIC回路15を稼働させる。これにより、U相電力線LiuとW相電力線Liwとの短絡時に電流が流れる素子の数が少なくなるので、スイッチング損失が減少するとともに、スイッチングノイズも改善する。また、このときインバータ装置100は、単相2線式のインバータ装置として動作するので、U相とW相との位相差は180度である。
【0119】
〔実施例11〕
以下、実施例11に係るインバータ装置110について説明する。インバータ装置110の構成は、実施例9に係るインバータ装置90と同じであるので、回路構成についての詳細な説明は省略する。
【0120】
インバータ装置110を単相2線式のインバータ装置として動作させる場合に、U相電力線LiuとO相中性線Lioとの間に接続されたHERIC回路12と、O相中性線LioとW相電力線Liwとの間に接続されたHERIC回路13と、U相電力線LiuとW相電力線Liwとの間に接続されたHERIC回路15とを同時に稼働させる。これにより、U相電力線LiuとW相電力線Liwとの短絡時に、HERIC回路12及びHERIC回路13と、HERIC回路15という並列された流路を電流が流れることになるので、導通損失が減少し効率が向上する。
【0121】
<付記1>
入力された直流電力を単相3線式の交流電力に変換して出力するインバータ装置(10)であって、
第1相出力端子(Ou)、第2相出力端子(Ow)及び中性出力端子(Oo)と、
前記直流電力を前記交流電力に変換するインバータ部(11)と、
前記インバータ部(11)と前記第1相出力端子(Ou)を接続し、前記交流電力の前記第1相電力が供給される第1相電力線(Liu)と、
前記インバータ部(11)と前記第2相出力端子(Ow)を接続し、前記交流電力の前記第2相電力が供給される第2相電力線(Liw)と、
前記インバータ部(11)と前記中性出力端子(Oo)を接続する中性電力線(Lio)と、
前記第1相電力線(Liu)と前記中性電力線(Lio)との間に接続され、該第1相電力線(Liu)と該中性電力線(Lio)との間を短絡可能な第1短絡回路(12)と
、
前記第2相電力線(Liw)と前記中性電力線(Lio)との間に接続され、該第2相電力線(Liw)と該中性電力線(Lio)との間を短絡可能な第2短絡回路(13)と、
前記インバータ部(11)と、前記第1短絡回路(12)と、前記第2短絡回路(13)とを制御する制御部(14)と、
を備えたことを特徴とするインバータ装置(10)。
【符号の説明】
【0122】
10 :インバータ装置
11 :インバータ
12,13 :HERIC回路
Ou,Ow,Oo :出力端子
Liu :U相電力線
Liw :W相電力線
Lio :O相中性線