IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アイシン精機株式会社の特許一覧

特開2022-141057ガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システム
<>
  • 特開-ガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システム 図1
  • 特開-ガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システム 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141057
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】ガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システム
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20220921BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20220921BHJP
【FI】
H04L25/02 V
H04L25/02 F
F24F11/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041189
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000213
【氏名又は名称】弁理士法人プロスペック特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】年代 伸次
【テーマコード(参考)】
3L260
5K029
【Fターム(参考)】
3L260AB03
3L260BA49
3L260JA03
3L260JA20
5K029DD24
5K029GG07
5K029HH01
5K029JJ08
(57)【要約】
【課題】 部品コストを低減可能なガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システムを提供する。
【解決手段】 ガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システム1は、差動シリアル信号を送信する送信装置と、差動シリアル信号を受信する受信装置と、前記送信装置と前記受信装置とを接続する通信ケーブルであって、前記差動シリアル信号を構成する一対の信号をそれぞれ伝達するための一対の電線を含み、これらの一対の電線が平行に配置されている通信ケーブルと、を備える。前記一対の信号をそれぞれ構成する周波数成分のうちの基本波の周波数よりも高く、且つ第3次高調波の周波数よりも低い周波数をカットオフ周波数として設定されたローパスフィルタが、前記受信装置における前記一対の信号の入力部にそれぞれ設けられている。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスエンジン駆動式空気調和装置に適用され、前記ガスエンジン駆動機空気調和装置の複数の制御装置間においてデータを送受信するためのガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システムであって、
差動シリアル信号を送信する送信装置と、
差動シリアル信号を受信する受信装置と、
前記送信装置と前記受信装置とを接続する通信ケーブルであって、前記差動シリアル信号を構成する一対の信号をそれぞれ伝達するための一対の電線を含み、これらの一対の電線が平行に配置されている通信ケーブルと、
を備え、
前記一対の信号をそれぞれ構成する周波数成分のうちの基本波の周波数よりも高く、且つ第3次高調波の周波数よりも低い周波数をカットオフ周波数として設定されたローパスフィルタが、前記受信装置における前記一対の信号の入力部にそれぞれ設けられている、
ガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスエンジン駆動式空気調和装置に適用され、当該ガスエンジン駆動式空気調和装置を構成する複数の制御装置間においてデータ(シリアル信号)を送受信するための通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、下記特許文献1に記載されているように、複数の制御装置間においてデータ(シリアル信号)を送受信するための通信システム(以下、「従来システム」と称呼する。)が知られている。従来システムにおいて、複数のノードが、ツイストペアケーブルを介して接続されている。そして、当該通信システムを構成するノードのうち、ツイストペアケーブル(通信経路)の終端に接続された一対のノード(最も遠く離れた2つのノード)の入力端子の直近に、シリアル信号の反射に起因する信号品質の劣化(波形の歪み)を抑制するための終端抵抗が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-028670号公報
【発明の概要】
【0004】
一般に、ツイストペアケーブルは、キャブタイヤケーブル(平行に配置された複数の電線から構成されたケーブル)に比べて高価である。よって、通信システム全体としての部品コストが高い。
【0005】
本発明は、部品コストを低減可能なガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システムを提供することを目的とする。
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る通信システムは、ガスエンジン駆動式空気調和装置に適用され、前記ガスエンジン駆動機空気調和装置の複数の制御装置間においてデータを送受信する。
本通信システムは、
差動シリアル信号を送信する送信装置と、
差動シリアル信号を受信する受信装置と、
前記送信装置と前記受信装置とを接続する通信ケーブルであって、前記差動シリアル信号を構成する一対の信号をそれぞれ伝達するための一対の電線を含み、これらの一対の電線が平行に配置されている通信ケーブルと、
を備える。
本通信システムは、
前記一対の信号をそれぞれ構成する周波数成分のうちの基本波の周波数よりも高く、且つ第3次高調波の周波数よりも低い周波数をカットオフ周波数として設定されたローパスフィルタが、前記受信装置における前記一対の信号の入力部にそれぞれ設けられている。
【0007】
ここで、交流信号(正弦波)の電気エネルギーは、通信ケーブル(伝送線路)を波として伝わる。その波長の1/4の長さに比べて、通信ケーブル(伝送線路)の全長が長いとき、通信ケーブルの特性インピーダンスと負荷インピーダンスとが整合していない状態では、通信ケーブルの終端にて、信号の反射が生じ、信号波形が歪む。また、この場合、通信ケーブルがアンテナとして作用し、電磁的ノイズが放射される。逆に言えば、送受信される信号の波長が、通信ケーブルの全長の4倍の長さより長ければ、特性インピーダンス及び負荷インピーダンスの影響をほとんど受けない。
【0008】
ところで、差動シリアル信号を構成する一対の信号は、矩形波を呈する。矩形波は、基本波及び奇数次の高調波から構成される。そのため、基本波のみならず、高調波が特性インピーダンス及び負荷インピーダンスから受ける影響を考慮する必要がある。
【0009】
そこで、本発明において、ローパスフィルタを用いて、基本波の周波数より高い周波数の信号(つまり、基本波より高次の高調波)を減衰させるようにした。すなわち、ローパスフィルタにより、第3次高調波及びそれよりも高次の高調波の電気的エネルギーが吸収(減衰)される。よって、差動シリアル信号の伝達において、特性インピーダンス及び負荷インピーダンスの影響をほとんど受けない。そのため、安価なキャブタイヤケーブルを採用できる。さらに、終端抵抗が不要である。よって、従来システムに比べて、本発明に係る通信システム1の部品コストが安い。
【0010】
また、送信装置と機能するノード(マスターノード)から受信装置として機能する複数のノード(スレーブノード)に同時に信号を送信する際、マスターノードの出力電流量の制限から、スレーブノードの台数が制限される。従来システムにおいて、終端抵抗を用いているが、その抵抗値が比較的小さい(例えば、120ohm)。よって、スレーブノードの接続可能台数が比較的少ない。
【0011】
これに対し、本発明に係る通信システムにおいて、終端抵抗が不要である。すなわち、スレーブノードの入力インピーダンスが比較的大きく、スレーブノードの消費電流が比較的小さい。よって、本発明によれば、スレーブノードの接続可能台数の最大値を増大させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】トランシーバの内部構造及びフィルタ回路の構成を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係るガスエンジン駆動式空気調和装置の通信システム1について説明する。通信システム1は、ガスエンジン駆動式空気調和装置を構成する複数の制御装置C(室外機を制御するマイクロコンピュータ、複数の室内機を制御するマイクロコンピュータなど)の間において各種データ(例えば、室内温度及び室内湿度を制御するためのデータ)を送受信する機能を備える。
【0014】
通信システム1は、図1に示したように、複数の制御装置Cにそれぞれ対応した複数のトランシーバ10、フィルタ回路20、及び複数のキャブタイヤケーブル30を含む。制御装置C、トランシーバ10及びフィルタ回路20が、プリント配線基板PBに実装されている。
【0015】
トランシーバ10は、図2に示したように、所謂、全二重方式の通信プロトコルに対応した集積回路である。すなわち、トランシーバ10は、ドライバー11及びレシーバー12を内蔵している。トランシーバ10は、端子D/R、端子DI、端子RO、一対の端子A,B、及び一対の端子Y,Zを備えている。ドライバー11及びレシーバー12は、合成樹脂材からなるボディBDの内部に封入されている。端子D/R、端子DI、端子RO、端子A及び端子Bの一端が、ボディBD内に位置し。他端がボディBDの外側に位置している。なお、トランシーバ10は、周知の通信プロトコルである「RS485」に準拠している。
【0016】
ドライバー11は、入力端子111、及び出力端子112,113を備える。また、レシーバー12は、入力端子121,122、及び出力端子123を備える。
【0017】
入力端子111は、端子DIを介して、制御装置Cの端子CTxに接続されている。出力端子112及び出力端子113は、端子A及び端子Bにそれぞれ接続されている。さらに、入力端子121及び入力端子122も、端子A及び端子Bにそれぞれ接続されている。また、出力端子123は、端子ROを介して、制御装置Cの端子CRxに接続されている。
【0018】
ドライバー11は、その入力端子111に入力されたシングルエンド方式のシリアル信号Txを、論理レベルが反対(逆相)である2つの信号D+及び信号Dーからなるシリアル信号DS(差動信号)に変換する。レシーバー12は、その入力端子121,122にそれぞれ入力された信号D+及び信号Dーをシングルエンド方式のシリアル信号Rxに変換する。
【0019】
さらに、ドライバー11は、入力端子114を備える。入力端子114の論理レベルが「H」であるとき、ドライバー11は、信号D+及び信号Dーを、出力端子112,113からそれぞれ出力する。一方、入力端子114の論理レベルが「L」であるとき、出力端子112,113は、ドライバー11の内部回路から切り離されている。すなわち、この場合、出力端子112,113は、ハイインピーダンス状態になっている。
【0020】
レシーバー12は、入力端子124を備える。入力端子124の論理レベルが「L」であるとき、レシーバー12は、シリアル信号Rxを、出力端子123から出力する。一方、入力端子124の論理レベルが「H」であるとき、出力端子123は、レシーバー12の内部回路から切り離されている。すなわち、この場合、出力端子123は、ハイインピーダンス状態になっている。
【0021】
入力端子114及び入力端子124は、端子D/Rを介して、制御装置Cの端子ENに接続されている。
【0022】
制御装置Cの端子ENから選択信号SELが出力される。選択信号SELが、端子D/Rを介してドライバー11及びレシーバー12にそれぞれ供給される。すなわち、選択信号SELの論理レベルが「H」であるとき、ドライバー11は、シリアル信号DSを出力可能な状態であり、且つレシーバー12は、シリアル信号Rxを出力不能な状態である。すなわち、この場合、トランシーバ10は、送信装置として機能する。一方、選択信号SELの論理レベルが「L」であるとき、ドライバー11は、シリアル信号DSを出力不能な状態であり、且つレシーバー12は、シリアル信号Rxを出力可能な状態である。すなわち、この場合、トランシーバ10は、受信装置として機能する。
【0023】
なお、トランシーバ10の入力インピーダンスは、「12kohm」である。また、トランシーバ10の最大出力電流は、「250mA」である。
【0024】
また、プリント配線基板PBには、一対のコネクタCN1,CN2(ピンヘッダー))が実装されている。コネクタCN1,CN2が並列接続されている。すなわち、一方のコネクタCN1のピンPa,ピンPbが、他方のコネクタCN2のピンPa,Pbに接続されている。さらに、ピンPa,Pbが、トランシーバ10の端子Y,Zにそれぞれ直接的に接続されるとともに、フィルタ回路20を介して、端子A,Bに接続されている。
【0025】
フィルタ回路20は、シリアル信号D+、Dーに対応した一対のローパスフィルタLF、LFから構成されている。ローパスフィルタLFは、抵抗器21及びコンデンサ22から構成される。抵抗器21の電気抵抗値は、「18kohm」であり、コンデンサ22の静電容量は、「100pF」である。すなわち、ローパスフィルタLFのカットオフ周波数は、「86.4kHz」である。
【0026】
キャブタイヤケーブル30は、本体部31と一対のハウジング32,32を備える。本体部31は、信号D+に対応した電線31aと、信号Dーに対応した電線31bを含む。さらに、本体部31は、電線31a及び電線31bを覆うシース31cを含む。シース31c内において、電線31a及び電線31bは略平行に配置されている。ハウジング32,32は、本体部31の両端にそれぞれ設けられている。ハウジング32は、コネクタCNのピンPa,Pbにそれぞれ対応したピン32a,32bを内蔵している。ピン32a,32bに、電線31a,31bの端部が接続されている。ハウジング32がコネクタCNに嵌合される。この状態で、ピン32a,32bが、ピンPa,Pbに接触(導通)している。
【0027】
2つのプリント配線基板PBの一方のプリント配線基板PBに実装されたコネクタCN1及び他方のプリント配線基板PBに実装されたコネクタCN2に、キャブタイヤケーブル30の一端及び他端がそれぞれ接続されている。すなわち、複数のトランシーバ10(及び制御装置C)が、デイジーチェーン接続されている。複数のキャブタイヤケーブル30により、各種データを送受信するための通信経路CPが構成されている。本実施形態において、通信経路CPの全長(すべてのキャブタイヤケーブル30の長さの総和)は、略「1km」である。また、本実施形態において、従来システムのような終端抵抗は設けられていない。また、通信速度(シリアル信号Tx、シリアル信号Rx及びシリアル信号DSのビットレート)は、「115.2kbps」である。
【0028】
ガスエンジン駆動式空気調和装置が起動されると、各制御装置Cは、所定の初期化プログラムをそれぞれ実行し、その結果として、通信経路CPに接続された1つの所定の制御装置Cがマスターノード(送信ノード)であり、他の制御装置Cがスレーブノード(受信ノード)として設定される。つまり、マスターノードである制御装置C(制御装置Cm)から出力される選択信号SELの論理レベルが「H」であり、スレーブノードである制御装置C(制御装置Cs)から出力される選択信号SELの論理レベルが「L」である。その後、各ノード間にて各種データが送受信される。スレーブノードであるノードからデータを送信する必要が生じた場合、そのノードがマスターノードとして機能し、他のノード(それまでマスターノードであったノードを含む)がスレーブノードとして機能するように設定される。
【0029】
マスターノードの制御装置Cmの端子CTxから出力されたシングルエンド方式のシリアル信号Txが、端子DIを介して、ドライバー11の入力端子111に供給される。ドライバー11は、シリアル信号Txをシリアル信号DS(D+及びD-)に変換し、出力端子112,113から出力する。そして、このシリアル信号DS(D+及びD-)が、端子Y,Z及びキャブタイヤケーブル30を介して、他のトランシーバ10(スレーブノードのトランシーバ10)へ送信される。
【0030】
マスターノードから送信されたシリアル信号DS(D+及びDー)が、スレーブノードのフィルタ回路20及びトランシーバ10の端子A,Bを介して、レシーバー12の入力端子121,122に供給される。レシーバー12は、シリアル信号DS(D+及びD-)をシングルエンド方式のシリアル信号Rxに変換し、出力端子123から出力する。そして、このシリアル信号Rxが、端子ROを介して、スレーブノードの制御装置Csの端子CRxに供給される。
【0031】
ここで、交流信号(正弦波)の電気エネルギーは、通信ケーブル(伝送線路)を波として伝わる。その波長L1の1/4の長さに比べて、通信ケーブル(伝送線路)の全長L0が長いとき(L1/4<L0)、通信ケーブルの特性インピーダンスと負荷インピーダンスとが整合していない状態では、通信ケーブルの終端にて、信号の反射が生じ、信号波形が歪む。また、この場合、通信ケーブルがアンテナとして作用し、電磁的ノイズが放射される。
【0032】
上記のように、本実施形態における通信経路CPの全長L0は略「1km」である。よって、波長L1が「4km」」より長い信号(正弦波)を送受信する場合には、特性インピーダンス及び負荷インピーダンスの影響をほとんど受けない。
【0033】
ところで、シリアル信号DSは、矩形波である。矩形波は、基本波及び奇数次の高調波から構成される。そのため、基本波のみならず、高調波が特性インピーダンス及び負荷インピーダンスから受ける影響を考慮する必要がある。本実実施形態のシリアル信号DSの基本波の波長は、「5.208km(=(30万km/(115200/2))/1)」であり、全長L0の4倍の長さ(「4km」)より長い。よって、当該基本波は、特性インピーダンス及び負荷インピーダンスの影響をほとんど受けない。これに対し、シリアル信号DSの第3次高調波及び第5次高調波の波長は、それぞれ「1.736km」及び「1。042kmである。したがって、特性インピーダンスと負荷インピーダンスとを整合させるための終端抵抗を用いない場合には、第3次高調波及び第5次高調波の反射が生じ、シリアル信号DSの波形が歪んでしまう虞がある。
【0034】
そこで、本実施形態では、ローパスフィルタLFを用いて、基本波の周波数より高い周波数の信号(つまり、基本波より高次の高調波)を減衰させるようにした。すなわち、ローパスフィルタLFのカットオフ周波数を、基本波の周波数である「67.6kHz」よりも高く、第3次高調波の周波数である「172.8kHz」よりも低い周波数である「86.4kHz」に設定した。このローパスフィルタLFにより、第3次高調波及びそれよりも高次の高調波の電気的エネルギーが吸収(減衰)される。よって、マスターノードからスレーブノードへのシリアル信号DSの伝達において、特性インピーダンス及び負荷インピーダンスの影響をほとんど受けない。そのため、安価なキャブタイヤケーブルを採用できる。さらに、終端抵抗が不要である。よって、従来システムに比べて、本実施形態に係る通信システム1の部品コストが安い。
【0035】
また、従来システムにおいて終端抵抗を用いているが、その抵抗値が比較的小さい(例えば、120ohm)。ここで、ドライバー11の出力電圧を「12V」とし、安全率を「0.7」とすると、マスターノードのドライバー11の出力電流の最大値が250mAであることから、スレーブノードの台数の最大値が「35台=(250mA/(12V/(12kohm//(120ohm/2)))×0.7」である。
【0036】
一方、上記のように、本実施形態において、終端抵抗が不要である。すなわち、スレーブノードの入力インピーダンス(フィルタ回路20のインピーダンス及びトランシーバ10の入力インピーダンスの合成インピーダンス)が比較的大きく、スレーブノードの消費電流が比較的小さい。よって、本実施形態によれば、スレーブノードの接続可能台数の最大値を増大させることができる。具体的には、本実施形態におけるスレーブノードの接続可能台数の最大値は、「175台(=250mA/(12V/12kohm)×0.7」である。
【0037】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0038】
例えば、上記実施形態では、ドライバー11とレシーバー12とが1つのボディBDに封入された(パッケージ化された)トランシーバ10を採用しているが、これに代えて、ドライバー11とレシーバー12とを、別体として構成してもよい。また、例えば、上記実施形態は、差動シリアル通信プロトコルの一例としての「RS485」に準拠している通信システムに本発明を適用した例であるが、本発明は、他の差動シリアル通信プロトコル(例えば、RS422)に準拠している通信システムにも適用可能である。
【符号の説明】
【0039】
1…通信システム、10…トランシーバ、11…ドライバー(送信装置)、12…レシーバー(受信装置)、20…キャブタイヤケーブル(通信ケーブル)、C…制御装置、CN…コネクタ、DS…シリアル信号、CP…通信経路
図1
図2