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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141105
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】便器装置
(51)【国際特許分類】
   A47K 13/10 20060101AFI20220921BHJP
   A47K 17/00 20060101ALI20220921BHJP
   E03D 5/10 20060101ALI20220921BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20220921BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
A47K13/10
A47K17/00
E03D5/10
E03D9/00 Z
E03D11/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041254
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 智弘
(72)【発明者】
【氏名】久田 高志
(72)【発明者】
【氏名】木全 淳
(72)【発明者】
【氏名】竹下 幸一
【テーマコード(参考)】
2D037
2D038
2D039
【Fターム(参考)】
2D037AA02
2D037AB07
2D038BC01
2D038KA06
2D039AA02
2D039DB05
2D039EA00
2D039FB00
(57)【要約】
【課題】便器洗浄する際に生じる飛沫が周囲に到達することを良好に抑制し得る便器装置を提供する。
【解決手段】便器装置30は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便蓋32と、便器本体20に洗浄水を供給する便器洗浄を実行する便器洗浄装置41と、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行する前に起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する便蓋開閉装置49と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便蓋と、
便器本体に洗浄水を供給する便器洗浄を実行する便器洗浄装置と、
前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行する前に前記起立状態の前記便蓋を前記倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する便蓋開閉装置と、
を備える便器装置。
【請求項2】
前記便蓋の回転状態を検知する便蓋検知部を備えており、
前記便器洗浄装置は、前記便蓋検知部が前記便蓋閉動作を検知した後に便器洗浄を実行する請求項1に記載の便器装置。
【請求項3】
前記便器洗浄装置は、前記便蓋開閉装置が前記便蓋閉動作を実行した後、前記倒伏状態になるよりも前の所定の位置に前記便蓋が回転したことを前記便蓋検知部が検知すると、便器洗浄を実行する請求項2に記載の便器装置。
【請求項4】
前記便器洗浄装置は、前記便蓋検知部が前記便蓋閉動作の異常を検知すると、便器洗浄を実行する請求項2及び請求項3のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項5】
前記便器洗浄装置は、前記便蓋検知部が前記便蓋閉動作の異常を検知した後から所定時間が経過すると、便器洗浄を実行する請求項2及び請求項3のいずれか一項に記載の便器装置。
【請求項6】
前記便蓋開閉装置は、前記倒伏状態の前記便蓋を前記起立状態へ回転させる便蓋開動作の実行を指示する便蓋操作部を有しており、
前記便蓋開閉装置は、前記便蓋が前記倒伏状態であり、前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行して前記便器本体に洗浄水を供給している間において、前記便蓋操作部が使用者によって操作されると、前記便蓋開動作を実行する請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項7】
前記起立状態と前記倒伏状態との間を回転自在に支持された便座と、
前記便座を前記起立状態と前記倒伏状態との間において回転させ、前記倒伏状態の前記便座を前記起立状態へ回転させる便座開動作の実行を指示する便座操作部を有した便座開閉装置と、
を備えており、
前記便座開閉装置は、前記便座が前記倒伏状態であり、前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行して前記便器本体に洗浄水が供給されている間に前記便座操作部を操作すると、前記便座開動作を実行する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項8】
前記起立状態と前記倒伏状態との間を回転自在に支持された便座と、
前記便座を前記起立状態と前記倒伏状態との間において回転させる便座開閉装置と、
前記便座が前記起立状態である際に前記便器本体の前方の使用者を検知する第2人体検知部と、
を備えており、
前記便器洗浄装置は、便器洗浄を指示する洗浄操作部を有しており、
前記便器洗浄装置は、前記便座及び前記便蓋が前記起立状態であり、前記第2人体検知部が使用者を検知している際において、前記洗浄操作部を操作すると、前記便座開閉装置が前記便座を前記起立状態から前記倒伏状態へ回転する便座閉動作を実行せず、且つ前記便蓋開閉装置が前記便蓋閉動作を実行せずに、便器洗浄を実行する請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項9】
前記倒伏状態の前記便蓋よりも下方の空間から吸気した臭気を脱臭する脱臭装置を備えており、
前記脱臭装置は、前記便蓋が前記倒伏状態であり、前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行中に動作する請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項10】
前記脱臭装置は、前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行して前記便器本体への洗浄水の供給が終了した後の所定時間が経過するまで動作する請求項9に記載の便器装置。
【請求項11】
前記倒伏状態の前記便蓋よりも下方に向けて除菌物質を放出する除菌装置を備えており、
前記除菌装置は、前記便蓋が前記倒伏状態であり、前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行して前記便器本体に洗浄水を供給している間、及び前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行して前記便器本体への洗浄水の供給が終了した後、の少なくともいずれかに動作する請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項12】
前記便蓋が前記倒伏状態である際に前記便器本体の前端よりも前方の使用者を検知する第1人体検知部を備えており、
前記便蓋開閉装置は、
前記第1人体検知部が使用者を検知すると、前記倒伏状態の前記便蓋を前記起立状態に回転させる便蓋開動作を実行し、
前記便蓋が前記倒伏状態であり、前記便器洗浄装置が便器洗浄を開始した時から所定時間が経過するまでの間において、前記第1人体検知部が使用者を検知しても前記便蓋開動作を実行しない請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の便器装置。
【請求項13】
少なくとも前記便器本体の周囲を照らす発光部を備え、
前記発光部は、前記便蓋が前記倒伏状態になった後、少なくとも前記便器洗浄装置が便器洗浄中に点灯する請求項1から請求項12までのいずれか1項に記載の便器装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は便器装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される便器装置は、便座に使用者が着座すると便座から便器に着座信号が送信され、便座から使用者が離座すると便座から便器に離座信号が送信される。離座信号を便器が受信すると、自動洗浄が実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-177064号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
便器を洗浄する際には、微細な飛沫が生じる。この飛沫には、ウイルスや細菌が含まれているおそれある。このため、飛沫が便器の周囲に飛散しないようにする技術が望まれている。
【0005】
本開示は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、便器洗浄する際に生じる飛沫が周囲へ到達することを良好に抑制し得る便器装置を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の便器装置は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便蓋と、便器本体に洗浄水を供給する便器洗浄を実行する便器洗浄装置と、前記便器洗浄装置が便器洗浄を実行する前に前記起立状態の前記便蓋を前記倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する便蓋開閉装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態1に係る便器装置が設けられたトイレ装置が設置されたトイレルームを示す説明図である。
図2】実施形態1に係る便器装置の構成を示すブロック図である。
図3】使用者の指示で閉動作後洗浄を実行した場合におけるタイミングチャートである。
図4】自動的に閉動作後洗浄を実行した場合におけるタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
<実施形態1>
本開示の便器装置30を具体化した実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、上下方向は、図1に示すX軸の正方向を上方向とし、X軸の負方向を下方向とする。左右方向については、図1に示すZ軸の正方向を左方向とし、Z軸の負方向を右方向とする。前後方向は、図1に示すY軸の正方向を前方向とし、Y軸の負方向を後方向とする。具体的には、前後方向、左右方向、上下方向は、倒伏状態の便座31に着座した着座者から見て前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
【0009】
トイレ装置10は、図1に示すように、便器本体20、便器装置30、及びリモートコントローラ60を備えている。トイレ装置10は、リモートコントローラ60が操作されることによって、便器装置30が有する各種機能が動作する。トイレ装置10は、便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を、便器洗浄を実行する前に行うことができる。
【0010】
[便器本体の構成]
便器本体20は、トイレルームRの床面上に設置される床置き式の水洗式便器である。便器本体20は、便鉢部21が形成されている。便鉢部21は、上端部が略楕円形状に開口した椀形状である。便鉢部21は、洗浄水が滞留する溜水部(図示略)が下部に形成されている。溜水部は、洗浄水が排出される排水路(図示略)が連通されている。
【0011】
[便器装置の構成]
便器装置30は、便器本体20の上面に組み付けられている。便器装置30は、便座31、便蓋32、本体33を有している。本体33は、図2に示すように、制御部51、便座開閉装置48、便蓋開閉装置49、便器洗浄装置41、着座検知部43、第1人体検知部44A、第2人体検知部44B、便蓋検知部45、脱臭装置46、除菌装置47、リモートコントローラ60等を有している。本体33は、便器本体20に着脱可能に固定されている。本体33は、便座31、及び便蓋32を、倒伏した倒伏状態と起立した起立状態との間において回転自在となるように支持している。
【0012】
便座31は、内側が開口した環状に形成されている。便座31は、本体33によって起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持されている。倒伏状態において、便器本体20の便鉢部21の上端部に沿うように配置される。便蓋32は、本体33によって起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持されている。便蓋32は、倒伏状態において便座31を上方から覆って便座31の開口及び便鉢部21の開口を塞ぐ閉鎖状態となり、起立姿勢において便座31の開口及び便鉢部21の開口を開放する開放状態となる。
【0013】
制御部51は、例えば、マイクロコンピュータとして構成され、便器本体20への洗浄水の吐水、便蓋32及び便座31の開閉動作、脱臭装置46、及び除菌装置47等の動作を制御し得る機能する。制御部51は、リモートコントローラ60から送信される信号に基づいて、便器本体20の洗浄水の吐水、便蓋32及び便座31の開閉動作、脱臭装置46、及び除菌装置47等の動作を制御し得る。
【0014】
便座開閉装置48は、例えば、モータ等によって構成されている。制御部51は、リモートコントローラ60から送信される信号に基づいて便座開閉装置48のモータを回転駆動させる。これによって、便座開閉装置48は、便座31を起立状態と倒伏状態との間において回転させる。
【0015】
便蓋開閉装置49は、例えば、モータ等によって構成されている。制御部51は、リモートコントローラ60から送信される信号に基づいて便蓋開閉装置49のモータを回転駆動させる。これによって、便蓋開閉装置49は、便蓋32を起立状態と倒伏状態との間において回転させる。
【0016】
便器洗浄装置41は、便器本体20に洗浄水を供給する装置である。便器洗浄装置41には、水道水等の洗浄水を便器本体20に供給する給水路が設けられている。給水路は、便鉢部21に通じている。給水路の途中には、給水弁が設けられている。給水弁は、例えば、電磁弁として構成されている。給水路、及び給水弁は図示しない。制御部51は、リモートコントローラ60から受信した信号に基づいて、便器洗浄装置41の給水弁を開弁し、給水路を開放して便器本体20への洗浄水の供給を開始する。つまり、リモートコントローラ60は、便器洗浄を指示し、便器洗浄装置41が有する洗浄操作部である。制御部51は、所定時間の経過後に給水弁を閉弁し、給水路を遮断して便器本体20への洗浄水の供給を停止する。便器洗浄装置41は、便器本体20に洗浄水を供給して便器本体20を洗浄する便器洗浄を実行する。
【0017】
着座検知部43は、使用者が便座31に着座した状態を検知する。着座検知部43は、本体33に組み付けられている。着座検知部43は、公知の赤外線センサによって構成されている。着座検知部43は、図示しない発光素子(例えばLED等)、及び受光素子(例えばフォトダイオード等)を備えている。着座検知部43は、発光素子から赤外線が照射され、便座31に着座している使用者の表面において反射した赤外線を受光素子によって受光することにより、便座31に使用者が着座したことを検知する。着座検知部43は、使用者が便座31に着座したことを検知すると、着座検知信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0018】
第1人体検知部44A及び第2人体検知部44Bは、便器装置30に対して所定位置(例えば、トイレルームR内)に位置する人体を検知する。第1人体検知部44A及び第2人体検知部44Bは、公知の赤外線センサによって構成され、図示しない発光素子(例えばLED等)、及び受光素子(例えばフォトダイオード等)を備えている。第1人体検知部44A、及び第2人体検知部44Bは、発光素子から生じ、トイレルームR内に位置する人体で反射された赤外線を受光素子が受光することによって、トイレルームR内に使用者がいることを検知する。
【0019】
第1人体検知部44Aは、便蓋32が倒伏状態である際に便器本体20の前端よりも前方の使用者を検知する。第1人体検知部44Aは、使用者を検知すると第1人体検知信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0020】
第2人体検知部44Bは、便座31が起立状態である際に便器本体20の前方の使用者を検知する。第2人体検知部44Bは、使用者を検知すると、第2人体検知信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0021】
便器装置30には、第1人体検知部44A及び第2人体検知部44Bが便器装置30に対して所定位置(例えば、トイレルームR内)に位置する人体を検知すると便器本体20の周囲及び便鉢部21内の少なくとも一方を照らす発光部である人体検知発光部44Cが設けられている。人体検知発光部44Cは、例えばLED等によって構成されている。人体検知発光部44Cから生じる光の色は、例えば、白色や電球色等である。
【0022】
便蓋検知部45は、便蓋32の回転状態を検知する。便蓋検知部45は、公知の回転検知手段(例えば、便蓋32と共に回転する磁石の向きを検出する磁気式の角度センサ等)を備える。便蓋検知部45は、倒伏状態の便蓋32の角度及び起立状態の便蓋32の角度のいずれかに対する角度の差を検知する。便蓋検知部45は、便蓋開閉装置49によって便蓋32を倒伏状態と起立状態との間で回転させる場合、及び手動によって便蓋32を倒伏状態と起立状態との間で変化させる場合に、倒伏状態の便蓋32の角度及び起立状態の便蓋32の角度のいずれかに対する角度の差を検知し得る構成とされている。便蓋検知部45は、検知した角度の差に対応する信号を制御部51に出力し得る構成とされている。
【0023】
脱臭装置46は、便鉢部21内に吸気口が臨んで設けられたダクトと、ダクト内に設けられたファンと、脱臭フィルタとを有している。ダクト、ファン、及び脱臭フィルタは図示しない。脱臭装置46は、ファンを回転駆動させることによって便鉢部21内における空気を吸気口から吸引する。吸引した空気は、脱臭フィルタを通過することによって脱臭される。脱臭された空気は、例えば、本体33の後部に形成された排気口から排出される。排気口は図示しない。つまり、脱臭装置46は倒伏状態の便蓋32よりも下方の空間(すなわち、便鉢部21内の空間)から吸気した臭気を脱臭する。
【0024】
除菌装置47は、除菌ユニットを有している。除菌ユニットは図示しない。除菌ユニットは、空気を電離させて除菌物質であるプラスイオンとマイナスイオンとを発生させ、これらプラスイオンとマイナスイオンによって空気中に浮遊する細菌やウイルスを取り囲む。これによって、除菌装置47は、空気中に浮遊する細菌やウイルスを不活化する。除菌装置47は、例えば、除菌ユニットにおいて生じたプラスイオンとマイナスイオンを、便鉢部21に臨む放出口を介して便鉢部21内に放出する構成とされている。放出口は図示しない。つまり、除菌装置47は倒伏状態の便蓋32よりも下方の空間(すなわち、便鉢部21内の空間)に向けてプラスイオン及びマイナスイオン(除菌物質)を放出する。
【0025】
除菌装置47は、トイレルームRに使用者がいない場合において、動作した動作状態と、動作が停止した停止状態と、を周期的に繰り返す周期動作を行い得る構成とされている。例えば、除菌装置47は、動作状態を45分間維持し、停止状態を15分間維持する。除菌装置47は、動作状態のときに使用者がトイレルームRに入室すると、停止状態に変化し、使用者がトイレルームRから退室し、便蓋32が閉じると動作状態及び周期動作のうちの動作状態から動作を開始する。除菌装置47は、リモートコントローラ60によって、周期動作させたり、機能を停止させたり(すなわち、停止状態を維持させたり)することができる。
【0026】
便器装置30には、除菌装置47の動作の状態に応じて点灯、点滅、及び消灯のいずれかを実行する除菌装置発光部が設けられている。除菌装置発光部は、例えばLED等によって構成されている。除菌装置発光部は図示しない。除菌装置発光部は、人体検知発光部44Cから生じる光の色とは異なる色の光を生じる(例えば、青みがかった白色や、青色等。)。
【0027】
便器装置30には、ブザー等で構成された報知部50が設けられている。報知部50は、制御部51によって、報知音を発する動作が制御される。
【0028】
リモートコントローラ60は、便器装置30における各種機能を動作させる機能を有する。リモートコントローラ60は、使用者の操作に応じた信号を例えば無線信号として便器装置30の制御部51へ送信する。リモートコントローラ60は、概ね直方体状に形成されている。リモートコントローラ60は、トイレルームRの壁面に取り付けられている。
【0029】
リモートコントローラ60は、筐体60A、複数の操作ボタン63Aを備えている。筐体60Aは、マイクロコンピュータや電池等が収容されている。複数の操作ボタン63Aは、便器装置30の機能の内の所望の機能を動作させる際に操作される。各操作ボタン63Aには、予め各種機能のいずれかが割り当てられている。例えば、各操作ボタン63Aには、便蓋32の開閉、便座31の開閉、便器洗浄の開始を指示する機能等が割り当てられている。
【0030】
つまり、リモートコントローラ60は、倒伏状態の便蓋32を起立状態へ回転させる便蓋開動作、及び起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作のいずれかの実行を指示し、便蓋開閉装置49が有する便蓋操作部である。さらに、リモートコントローラ60は、倒伏状態の便座31を起立状態へ回転させる便座開動作、及び起立状態の便座31を倒伏状態へ回転させる便座閉動作のいずれかの実行を指示し、便座開閉装置48が有する便座操作部である。
【0031】
[便器装置の動作について]
次に、便器装置30の動作について、図3図4等を参照して説明する。便器装置30は、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行する前に便蓋開閉装置49が起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する。つまり、便器装置30は、便蓋32が便蓋閉動作を実行した後に便器本体20に洗浄水を供給して便器本体20を洗浄(以下、閉動作後洗浄ともいう)することができる。便器装置30は、リモートコントローラ60を使用者が操作することによって、閉動作後洗浄と、便蓋32が便蓋閉動作を実行する前に便器本体20に洗浄水を供給して便器本体20を洗浄(以下、閉動作前洗浄ともいう)とを切り替え得る構成とされている。
【0032】
[着座して使用後にリモートコントローラを操作して閉動作後洗浄をする場合]
この場合、先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して、制御部51に第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51によって、便蓋開閉装置49は、倒伏状態の便蓋32を起立状態に回転させる便蓋開動作を実行する。これと共に、制御部51によって、人体検知発光部44Cを点灯させ、脱臭装置46を動作させる。
【0033】
次に、図3に示すように、時刻T1において使用者が便座31に着座する。すると、着座検知部43は、使用者が便座31に着座したことを検知して着座検知信号を制御部51に出力する。このとき、制御部51は、着座検知信号の入力に基づいて本体33に設けられた音楽再生部において所定の音楽の再生を開始させる。音楽再生部は図示しない。
【0034】
次に、時刻T2において使用者が便座31から離座する。すると、着座検知部43は、使用者が便座31から離座したことを検知して着座検知信号の出力を停止する。その後、時刻T3において使用者がリモートコントローラ60における便器洗浄の指示に対応する操作ボタン63Aを操作する。制御部51は、リモートコントローラ60から便器洗浄の指示に対応する無線信号を受信すると、便蓋32を起立状態から倒伏状態に回転させる便蓋閉動作を開始する。このとき、制御部51は、報知部50を動作させて、便蓋32が便蓋閉動作を開始したことを示す報知音を生じさせる。このとき、便蓋検知部45は、便蓋32が回転することに伴い、便蓋32の角度の変化を検知した状態(すなわち、便蓋閉動作を検知した状態)である。制御部51には、便蓋検知部45が検知した便蓋32の角度に対応する信号が逐一入力される。
【0035】
便器装置30が閉動作前洗浄を行う場合には、使用者が便座31から離座した後にリモートコントローラ60における便器洗浄の指示に対応する操作ボタン63Aを操作すると便器洗浄が実行される。使用者が便座31から離座して所定の時間(例えば60秒)経過した後、制御部51は、便蓋閉動作を開始する。このとき、制御部51は、報知部50を動作させて、便蓋32が閉動作を開始したことを示す報知音を生じさせる。つまり、閉動作前洗浄では、便器洗浄が実行された後に報知部50から報知音が生じ、閉動作後洗浄では、便器洗浄が実行される前に報知部50から報知音が生じる。つまり、閉動作前洗浄と、閉動作後洗浄と、において、報知部50から報知音が生じるタイミングが異なる。
【0036】
時刻T2から所定の時間(例えば6秒)経過した時刻T4において、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。
【0037】
次に、時刻T5において便蓋32が倒伏状態になる。このとき、制御部51には、便蓋検知部45から倒伏状態の便蓋32の角度に対応する信号が入力された状態になる。すると、制御部51は、便蓋検知部45からの倒伏状態に対応する信号に基づいて便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始させる。つまり、便器洗浄装置41は、便蓋検知部45が便蓋閉動作を検知した後に便器洗浄を実行する。このとき、制御部51は、除菌装置発光部を点灯させると共に除菌装置47が動作状態に変化する。このとき、除菌装置47は、周期動作のうちの動作状態から動作を開始する。
【0038】
そして、時刻T6において制御部51は、便器洗浄装置41の動作を停止させて便器本体20への洗浄水の供給を停止させる。人体検知発光部44Cは、制御部51によって時刻T6を経過しても点灯を継続する。つまり、人体検知発光部44Cは、便蓋32が倒伏状態になった後、少なくとも便器洗浄装置41が便器洗浄中に点灯している。制御部51は、第1人体検知部44Aから第1人体検知信号が入力されても(すなわち、便蓋32が倒伏状態において、便器本体20の前端よりも前方の使用者を検知しても)時刻T5から所定の時間(例えば30秒)便蓋開動作を行わない。時刻T5から所定の時間(30秒)は、第1人体検知信号を制御部51が受け付けない無効期間である。この所定の時間(30秒)は、便器洗浄装置41における便器洗浄を実行する時間よりも長いことが好ましい。つまり、便蓋開閉装置49は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を開始した時から所定時間が経過するまでの間において、第1人体検知部44Aが使用者を検知しても便蓋開動作を実行しない。この無効期間において便蓋32は、手動で起立状態に回転させることができる。
【0039】
脱臭装置46は、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行している間も動作している。つまり、脱臭装置46は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行中に動作する。脱臭装置46は、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20への洗浄水の供給が終了した後も動作を継続する。
【0040】
便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間において、便蓋32を便蓋開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aが使用者によって操作されると、便蓋開閉装置49は、便蓋開動作を実行する。さらに、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間において、便座31を便座開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aが使用者によって操作される。すると、便蓋開閉装置49が便蓋開動作を実行すると共に、便座開閉装置48が便座開動作を実行する。
【0041】
便蓋32が便蓋閉動作を実行中に、例えば、使用者が便蓋32の回転を止めたり、使用者が手動で便蓋32を起立状態になるように回転させたり、便蓋開閉装置49が故障したりする等した場合、便蓋検知部45が検知する便蓋32の角度は、便蓋32が通常に便蓋閉動作する際の角度の変化と異なる変化をすることになる。便蓋検知部45は、便蓋32の角度の変化が通常と異なる場合、これを便蓋閉動作に異常が生じたこととして検知する。こうして便蓋検知部45が便蓋閉動作の異常を検知すると、制御部51は、便器洗浄装置41に便器洗浄を実行させる。つまり、便器洗浄装置41は、便蓋検知部45が便蓋閉動作の異常を検知すると、便器洗浄を実行する。
【0042】
便蓋32が便蓋閉動作を実行中に、例えば、使用者が便蓋32の回転を妨げて、便蓋32を通常よりもゆっくりと倒伏状態に回転させた場合、便蓋32の角度が倒伏状態に至るまでにかかる時間は、便蓋32が通常に倒伏状態に至る場合に比べて長くなる。便蓋検知部45は、倒伏状態に至る時間が通常よりも長い場合、これを便蓋閉動作に異常が生じたこととして検知する。こうして便蓋検知部45が便蓋閉動作の異常を検知して、所定の時間が経過(例えば10秒)すると、制御部51は、便蓋32が倒伏状態に至ることを待たずに便器洗浄装置41に便器洗浄を実行させる。つまり、便器洗浄装置41は、便蓋検知部45が便蓋閉動作の異常を検知した後から所定時間が経過すると、倒伏状態に至ることを待たずに便器洗浄を実行する。
【0043】
次に、時刻T2から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T7において、制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。つまり、脱臭装置46は、便器洗浄装置41が便器洗浄を終了した後の所定時間が経過するまで動作する。この時、人体検知発光部44Cは、制御部51によって消灯する。便蓋32が倒伏状態になった時点では、使用者がトイレルームR内に入室している可能性が高い。このため、人体検知発光部44Cを時刻T7まで点灯させ、時刻T7において消灯させることによって、便器本体20の周囲及び便鉢部21内の少なくとも一方を照らす時間を少しでも長くすることができ、トイレルームRに備えられた照明を点灯させずにトイレ装置10を使用した場合に、使用者の足元をより長時間照らすことができる。
【0044】
次に、時刻T5から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T8において、制御部51は、除菌装置発光部を点灯した状態から点滅した状態に変化させる。つまり、除菌装置47は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間、及び便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20への洗浄水の供給が終了した後に動作する。
【0045】
[着座して使用後に自動的に閉動作後洗浄をする場合]
この場合、先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して、制御部51に第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋開動作を実行させる。これと共に、制御部51は、人体検知発光部44Cを点灯させ、脱臭装置46を動作させる。
【0046】
次に、図4に示すように、時刻T11において使用者が便座31に着座する。すると、着座検知部43が、使用者が便座31に着座したことを検知して、制御部51に対して着座検知信号を出力する。制御部51は、着座検知信号の入力に基づいて音楽再生部が所定の音楽の再生を開始させる。
【0047】
次に、時刻T12において使用者が便座31から離座する。すると、着座検知部43は、使用者が便座31から離座したことを検知して、制御部51に対する着座検知信号の出力を停止する。その後、時刻T12から所定の時間(例えば、6秒)経過した時刻T13において制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋閉動作を開始させる。このとき、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。このとき、制御部51は、報知部50を動作させて、便蓋32が便蓋閉動作を開始したことを示す報知音を生じさせる。時刻T12から時刻T13までの所定の時間(6秒)の長さは、例えば、リモートコントローラ60を操作することによって変更することができる。
【0048】
次に、時刻T14に便蓋32が倒伏状態になる。このとき、制御部51には、便蓋検知部45から倒伏状態の便蓋32の角度に対応する信号が入力される。すると、制御部51は、便蓋検知部45からの倒伏状態に対応する信号に基づいて便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始させる。このとき、制御部51は、除菌装置発光部を点灯させると共に、除菌装置47が動作状態に変化する。このとき、除菌装置47は、周期動作のうちの動作状態から動作を開始する。
【0049】
そして、時刻T15において制御部51は、便器洗浄装置41の動作を停止させて便器本体20への洗浄水の供給を停止させる。人体検知発光部44Cは、制御部51によって時刻T15を経過しても点灯を継続する。制御部51は、第1人体検知部44Aから第1人体検知信号が入力されても(すなわち、便蓋32が倒伏状態において、便器本体20の前端よりも前方の使用者を検知しても)時刻T14から所定の時間(例えば30秒)便蓋開動作を行わない。時刻T14から所定の時間(30秒)は、第1人体検知信号を制御部51が受け付けない無効期間である。無効期間において便蓋32は、使用者の手によって引き起こすことができる。
【0050】
次に、時刻T12から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T16において制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。この時、人体検知発光部44Cは、制御部51によって消灯する。
【0051】
次に、時刻T14から所定の時間(例えば60秒)経過した時刻T17において制御部51は、除菌装置発光部を点灯した状態から点滅した状態に変化させる。
【0052】
[立位において使用後にリモートコントローラを操作して便器洗浄をする場合]
この場合、先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して制御部51に対して第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋開動作を実行させる。これと共に、制御部51は、脱臭装置46を動作させる。
【0053】
次に、使用者が便座開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aを操作する。すると、制御部51は、便座開閉装置48を駆動させて便座31を起立状態に回転させる便座開動作を実行する。このとき、制御部51は、音楽再生部において所定の音楽の再生を開始させる。このとき、第2人体検知部44Bは、便座31が起立状態に回転することによって、便器本体20の前方の使用者を検知することができる。制御部51には、第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が入力される。これと共に、第1人体検知部44Aは、便蓋32によって遮られるため使用者を検知することができなくなり、第1人体検知信号の出力を停止する。
【0054】
次に、使用者が便器洗浄の指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aを操作する。制御部51は、第2人体検知信号が入力された状態のときにリモートコントローラ60から便器洗浄の指示に対応する無線信号を受信すると、便座31及び便蓋32を起立状態に維持しつつ、便器洗浄装置41を動作させて便器本体20に洗浄水の供給を開始する。つまり、便器洗浄装置41は、便座31及び便蓋32が起立状態であり、第2人体検知部44Bが使用者を検知している際において、リモートコントローラ60を操作すると、便座開閉装置48が便座31を起立状態から倒伏状態へ回転する便座閉動作を実行せず、且つ便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を実行せずに、便器洗浄を実行する。
【0055】
次に、使用者がトイレルームRから退室する。これにより、第2人体検知部44Bは、制御部51への第2人体検知信号の出力を停止する。第2人体検知信号の入力が停止し、所定の時間(例えば、1秒)経過すると、制御部51は、便座開閉装置48及び便蓋開閉装置49に便座閉動作及び便蓋閉動作を開始させる。これと共に、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。
【0056】
さらに、トイレルームRから使用者が退出した後、所定の時間(例えば60秒)経過すると、制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。これと共に、制御部51は、除菌装置47に周期動作のうちの動作状態から動作を開始させる。
【0057】
[立位において使用後に自動洗浄する場合]
この場合、先ず、使用者がトイレルームRに入室する。すると、第1人体検知部44Aが使用者を検知して制御部51に対して第1人体検知信号を出力する。すると、制御部51は、便蓋開閉装置49に便蓋開動作を実行させる。これと共に、制御部51は、脱臭装置46を動作させる。
【0058】
次に、使用者が便座31を便座開動作させる指示に対応するリモートコントローラ60の操作ボタン63Aを操作し、便座開閉装置48に便座開動作を実行させる。このとき、制御部51は、音楽再生部における所定の音楽の再生を開始させる。このとき、制御部51には、第2人体検知部44Bから第2人体検知信号が入力される。これと共に、第1人体検知部44Aは、便蓋32によって遮られて使用者を検知することができなくなり、第1人体検知信号の出力を停止する。
【0059】
次に、使用者がトイレルームRから退室する。これにより、第2人体検知部44Bは、制御部51への第2人体検知信号の出力を停止する。制御部51は、第2人体検知信号の入力が停止し、所定の時間(例えば、1秒)経過すると、便座開閉装置48及び便蓋開閉装置49に便座閉動作及び便蓋閉動作を開始させる。これと共に、制御部51は、音楽再生部における音楽の再生を停止させる。
【0060】
次に、便座31及び便蓋32が倒伏状態になる。すると、制御部51は、便器洗浄装置41を動作させて、便器本体20に洗浄水の供給を開始する。
【0061】
さらに、トイレルームRから使用者が退出した後、所定の時間(例えば60秒)経過すると、制御部51は、脱臭装置46の動作を停止させる。これと共に、制御部51は、除菌装置47に周期動作のうちの動作状態から動作を開始させる。
【0062】
上記のように構成された実施形態によれば、以下の効果を奏する。
【0063】
便器装置30は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便蓋32と、便器本体20に洗浄水を供給する便器洗浄を実行する便器洗浄装置41と、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行する前に起立状態の便蓋32を倒伏状態へ回転させる便蓋閉動作を実行する便蓋開閉装置49と、を備えている。この構成によれば、便器洗浄によって生じる飛沫が便器本体20の外に到達することを便蓋32によって抑制することができる。
【0064】
便器装置30は、便蓋32の回転状態を検知する便蓋検知部45を備えており、便器洗浄装置41は、便蓋検知部45が便蓋閉動作を検知した後に便器洗浄を実行する。この構成によれば、便蓋32の回転状態を加味して便器洗浄を開始することができる。
【0065】
便器装置30の便器洗浄装置41は、便蓋検知部45が便蓋閉動作の異常を検知すると、便器洗浄を実行する。この構成によれば、便蓋32の動作に異常が生じることによって便器洗浄ができなくなる事態を避けることができ、便器洗浄を確実に実行することができる。
【0066】
便器装置30の便器洗浄装置41は、便蓋検知部45が便蓋閉動作の異常を検知した後から所定時間が経過すると、便器洗浄を実行する。便蓋32の動作に異常が生じることによって便器洗浄ができなくなる事態を避けることができ、便器洗浄を確実に実行することができる。
【0067】
便器装置30の便蓋開閉装置49は、倒伏状態の便蓋32を起立状態へ回転させる便蓋開動作の実行を指示するリモートコントローラ60(便蓋操作部)を有している。便蓋開閉装置49は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間において、リモートコントローラ60(便蓋操作部)が使用者によって操作されると、便蓋開動作を実行する。この構成によれば、便器洗浄を実行している際に便器洗浄の様子を確認することができる。
【0068】
便器装置30は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便座31と、便座31を起立状態と倒伏状態との間において回転させ、倒伏状態の便座31を起立状態へ回転させる便座開動作の実行を指示するリモートコントローラ60(便座操作部)を有した便座開閉装置48とを備えている。便座開閉装置48は、便座31が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水が供給されている間にリモートコントローラ60(便座操作部)を操作すると、便座開動作を実行する。この構成によれば、使用者の利便性を向上させることができる。
【0069】
便器装置30は、起立状態と倒伏状態との間を回転自在に支持された便座31と、便座31を起立状態と倒伏状態との間において回転させる便座開閉装置48と、便座31が起立状態である際に便器本体20の前方の使用者を検知する第2人体検知部44Bと、を備えている。便器洗浄装置41は、便器洗浄を指示するリモートコントローラ60(洗浄操作部)を有している。便器洗浄装置41は、便座31及び便蓋32が起立状態であり、第2人体検知部44Bが使用者を検知している際において、リモートコントローラ60(洗浄操作部)を操作すると、便座開閉装置48が便座31を起立状態から倒伏状態へ回転する便座閉動作を実行せず、且つ便蓋開閉装置49が便蓋閉動作を実行せずに、便器洗浄を実行する。この構成によれば、使用者が立位において使用している可能性がある場合において、便蓋32及び便座31が倒伏状態になる事態を避けることができる。
【0070】
便器装置30は、倒伏状態の便蓋32よりも下方の空間から吸気した臭気を脱臭する脱臭装置46を備えており、脱臭装置46は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行中に動作する。この構成によれば、便蓋32よりも下方の空間を効率よく脱臭することができる。
【0071】
便器装置30の脱臭装置46は、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20への洗浄水の供給が終了した後の所定時間が経過するまで動作する。この構成によれば、より確実に脱臭することができる。
【0072】
便器装置30は、倒伏状態の便蓋32よりも下方に向けて除菌物質を放出する除菌装置47を備えている。除菌装置47は、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20に洗浄水を供給している間、及び便器洗浄装置41が便器洗浄を実行して便器本体20への洗浄水の供給が終了した後に動作する。この構成によれば、倒伏状態の便蓋32よりも下方の領域を除菌する除菌性能を高めることができる。
【0073】
便器装置30は、便蓋32が倒伏状態である際に便器本体20の前端よりも前方の使用者を検知する第1人体検知部44Aを備えている。便蓋開閉装置49は、第1人体検知部44Aが使用者を検知すると、倒伏状態の便蓋32を起立状態に回転させる便蓋開動作を実行し、便蓋32が倒伏状態であり、便器洗浄装置41が便器洗浄を開始した時から所定時間が経過するまでの間において、第1人体検知部44Aが使用者を検知しても便蓋開動作を実行しない。この構成によれば、便器洗浄の際において便蓋32が起立状態にならないようにすることができ、これにより、便器洗浄の際に生じる飛沫が周囲に到達することを確実に抑えることができる。
【0074】
便器装置30は、便器本体20の周囲及び便鉢部21内を照らす人体検知発光部44Cを備え、人体検知発光部44Cは、便蓋32が倒伏状態になった後、少なくとも便器洗浄装置41が便器洗浄中に点灯する。この構成によれば、便器本体20の周囲及び便鉢部21内を照らす時間を少しでも長くすることができる。
【0075】
本開示は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本開示の技術的範囲に含まれる。
(1)実施形態1とは異なり、便蓋開閉装置が便蓋閉動作を実行した後、倒伏状態になるよりも前の所定の位置に便蓋が回転したことを便蓋検知部が検知すると、便器洗浄装置が便器洗浄を実行する構成としてもよい。ここで、所定の位置は、倒伏状態の便蓋の角度に対して45°以下、好ましくは、60°以下、さらに好ましくは75°がよい。この構成によれば、便蓋が倒伏状態になる前に便器洗浄を実行するので、便蓋による飛沫が周囲に到達することを抑制しつつ、より早期に便器洗浄を行うことができる。
(2)実施形態1とは異なり、除菌装置は、除菌する機能を有する除菌水や、オゾンを便鉢部内に放出する構成としてもよい。
(3)実施形態1とは異なり、除菌装置は、便蓋が倒伏状態であり、便器洗浄装置が便器洗浄を実行して便器本体に洗浄水を供給している間、及び便器洗浄装置が便器洗浄を実行して便器本体への洗浄水の供給が終了した後、のいずれかのみに動作してもよい。
(4)実施形態とは異なり、報知部をLEDや、スピーカーや、液晶パネル等で構成してもよく、LED、スピーカー、液晶パネル、ブザーを併用した構成としてもよい。スピーカーや液晶パネルを用いた場合には、言葉や文章等のメッセージを使用者に報知することができる。さらに、閉動作後洗浄と閉操作前洗浄とで、ブザーのパターンやLEDの発光パターンを変更してもよい。
(5)実施形態1とは異なり、リモートコントローラがトイレルーム内に位置する人体を検知してもよい。
(6)実施形態1とは異なり、人体検知部を、超音波センサや、熱感知センサ等の他のセンサによって構成してもよい。
(7)実施形態1とは異なり、着座検知部を静電容量式や体重検知式のセンサによって構成してもよい。
(8)実施形態1とは異なり、便器本体が壁掛け式であってもよい。
(9)実施形態1とは異なり、便蓋が便蓋閉動作を実行中に便蓋の回転を妨げられた場合、便器洗浄を実行しない構成としてもよい。
(10)実施形態1とは異なり、閉動作後洗浄において、便蓋及び便座の少なくともいずれかが起立状態の際にリモートコントローラから便器洗浄を指示されると直ちに便器洗浄を実行してもよい。
(11)実施形態1とは異なり、便蓋及び便座の少なくともいずれかが閉動作を実行中においてリモートコントローラから便器洗浄を指示されると直ちに便器洗浄を実行してもよい。
(12)実施形態1とは異なり、便蓋が倒伏状態になった時点、及び便蓋が倒伏状態になった時点から脱臭装置の動作が停止するまでの間のいずれかのタイミングで人体検知発光部を消灯してもよい。さらに、脱臭装置の動作が停止したタイミングよりも後に人体検知発光部を消灯してもよい。
(13)実施形態1とは異なり、人体検知発光部は、便器本体の周囲及び便鉢部内のいずれかのみを照らす構成としてもよい。
【符号の説明】
【0076】
20…便器本体、30…便器装置、31…便座、32…便蓋、49…便蓋開閉装置、41…便器洗浄装置、44A…第1人体検知部、44B…第2人体検知部、44C…人体検知発光部(発光部)、45…便蓋検知部、46…脱臭装置、47…除菌装置、48…便座開閉装置、60…リモートコントローラ(便蓋操作部)、60…リモートコントローラ(便座操作部)、60…リモートコントローラ(洗浄操作部)
図1
図2
図3
図4