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  • 特開-投票用紙の集計補助装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141149
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】投票用紙の集計補助装置
(51)【国際特許分類】
   G07C 13/00 20060101AFI20220921BHJP
   G06V 30/12 20220101ALI20220921BHJP
【FI】
G07C13/00 B
G06K9/03 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041329
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】592221908
【氏名又は名称】武蔵エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】藤本 高志
(72)【発明者】
【氏名】松本 啓
【テーマコード(参考)】
3E138
5B064
【Fターム(参考)】
3E138CA03
3E138CB04
3E138EA02
3E138KA02
5B064AA01
5B064BA01
5B064CA08
5B064EA19
5B064FA02
5B064FA04
5B064FA05
5B064FA06
(57)【要約】
【課題】投票用紙分類装置で記載内容を識別できなかった投票用紙を目視で集計する際の作業効率を向上させることができる、投票用紙の集計補助装置を提供する。
【解決手段】投票用紙の集計補助装置1は、投票用紙の記載内容を読み取る読み取り部11と、記載内容に一致する可能性のある1つまたは複数の候補を抽出する抽出部12と、抽出された1つまたは複数の候補を表示する表示部14とを備えている。抽出部12は、記載内容の文字列と各候補の文字列との合致率をそれぞれ算出し、当該合致率が所定の閾値よりも高い1つまたは複数の候補を抽出する。表示部14は、抽出された1つまたは複数の候補を合致率の高い順に表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投票用紙の記載内容を読み取る読み取り部と、
前記記載内容に一致する可能性のある1つまたは複数の候補を抽出する抽出部と、
前記抽出された1つまたは複数の候補を表示する表示部と
を備える、投票用紙の集計補助装置。
【請求項2】
前記抽出部は、前記記載内容の文字列と各候補の文字列との合致率をそれぞれ算出し、該合致率が所定の閾値よりも高い1つまたは複数の候補を抽出し、
前記表示部は、前記抽出された1つまたは複数の候補を前記合致率の高い順に表示する、請求項1に記載の投票用紙の集計補助装置。
【請求項3】
前記投票用紙に他事記載が存在するか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記表示部は、前記他事記載の有無を併せて表示する、請求項1または2に記載の投票用紙の集計補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、投票用紙の集計を補助する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
選挙の投票用紙に記入された立候補者名等を読み取って投票用紙を分類する装置が知られている。特許文献1には、このような投票用紙分類装置の一例が記載されている。投票用紙分類装置は、投票用紙をイメージスキャナ等によって撮像して画像情報を生成し、この画像情報から投票者によって手書きで記入された記載内容を読み取り、読み取り結果に基づいて投票用紙を分類する。
【0003】
投票用紙分類装置が投票者による記載内容を読み取る際には、周知の文字認識処理が行われる。例えば、特許文献2には、投票者による記載内容の文字列と、選挙の立候補者の各文字列とをそれぞれ一文字ずつ比較することによって、記載内容に一致する立候補者を判定する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-005022号公報
【特許文献2】特開2002-150222号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、投票者による記載内容が不明瞭であり、通常の文字認識処理では十分な精度で記載内容を識別できない場合がある。上記の投票用紙分類装置では、このような記載内容を識別できない投票用紙は疑問票として分類される。疑問票は、選挙管理人が一枚ずつ目視で記載内容を読み取り、選挙の立候補者の一覧を記載した名簿と照らし合わせることによって、有効票、無効票、按分票等に分類して集計することになる。この際、特に選挙の立候補者数が多い場合には、選挙管理人による目視の集計作業の効率が著しく低下する。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、投票用紙分類装置で記載内容を識別できなかった投票用紙を目視で集計する際の作業効率を向上させることができる、投票用紙の集計補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、この発明に係る投票用紙の集計補助装置は、投票用紙の記載内容を読み取る読み取り部と、記載内容に一致する可能性のある1つまたは複数の候補を抽出する抽出部と、抽出された1つまたは複数の候補を表示する表示部とを備える。
【0008】
好適には、抽出部は、記載内容の文字列と各候補の文字列との合致率をそれぞれ算出し、当該合致率が所定の閾値よりも高い1つまたは複数の候補を抽出し、表示部は、抽出された1つまたは複数の候補を合致率の高い順に表示する。
【0009】
投票用紙に他事記載が存在するか否かを判定する判定部をさらに備え、表示部は、他事記載の有無を併せて表示してもよい。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る投票用紙の集計補助装置によれば、投票用紙分類装置で記載内容を識別できなかった投票用紙を目視で集計する際の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る投票用紙の集計補助装置の構成を模式的に示す図である。
図2】実施の形態1に係る投票用紙の集計補助装置の動作を説明するフローチャートである。
図3】投票者による記入が行われた投票用紙の表面および裏面の画像情報の一例を示す図である。
図4】実施の形態1に係る投票用紙の集計補助装置の読み取り部によって読み取られた投票用紙の表面および裏面の記載内容の一例で示す図である。
図5】実施の形態1に係る投票用紙の集計補助装置の抽出部によって算出される記載内容の文字列と各候補の文字列との合致率の一例を示す図である。
図6】実施の形態1に係る投票用紙の集計補助装置の表示部に表示される内容の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、この発明の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る投票用紙の集計補助装置10の構成を模式的に示す図である。集計補助装置10は、先述した投票用紙分類装置と組み合わせて用いられる。具体的には、投票用紙分類装置によって記載内容を識別できなかった投票用紙が集計補助装置10に投入される。
【0013】
(集計補助装置10の構成)
集計補助装置10は、読み取り部11と、抽出部12と、判定部13と、表示部14とを備えている。
【0014】
読み取り部11は、周知のイメージスキャナやマイクロコンピュータ等によって構成されている。読み取り部11は、投票用紙の表面および裏面の画像情報をそれぞれ生成し、投票者によって手書きで記入された記載内容を読み取る。
【0015】
抽出部12および判定部13は、パーソナルコンピュータによって構成されている。抽出部12は、読み取り部11によって読み取られた記載内容に一致する可能性のある1つまたは複数の候補(立候補者)を抽出する。判定部14は、投票用紙に他事記載が存在するか否かを判定する。
【0016】
表示部14は、液晶ディスプレイによって構成されている。表示部14は、抽出部12によって抽出された1つまたは複数の候補を表示する。また、表示部14は、判定部13によって他事記載が存在すると判定された場合には、その旨を表示する。
【0017】
(集計補助装置10の動作)
次に、この実施の形態1に係る集計補助装置1の動作について、図2のフローチャートを参照して説明する。
【0018】
ステップS21において、読み取り部11は、投票用紙の表面および裏面の画像情報をそれぞれ生成し、投票者によって手書きで記入された記載内容を読み取る。
【0019】
図3は、投票者による記入が行われた投票用紙の表面および裏面の画像情報の一例である。図4は、読み取り部11によって読み取られた投票用紙の表面および裏面の記載内容の一例である。
【0020】
ステップS22において、抽出部12は、読み取り部11によって読み取られた記載内容に一致する可能性のある1つまたは複数の候補(立候補者)を抽出する。
【0021】
詳細には、まず、抽出部12は、読み取り部11によって読み取られた投票用紙の表面の記入枠(図3の参照符号20で示される領域)内の記載内容を文字列とみなして、当該文字列と各候補の文字列との合致率をそれぞれ算出する。
【0022】
図5は、抽出部12によって算出される記載内容の文字列と各候補の文字列との合致率の一例である。この図に示されるように、抽出部12は、記載内容の文字列と各候補の文字列とを1文字ずつ比較して、各文字について合致率を算出した後、これらの平均をとることによって、文字列としての合致率を算出する。
【0023】
次に、抽出部12は、文字列としての合致率が所定の閾値よりも高い1つまたは複数の候補を抽出する。この実施の形態1では、所定の閾値は30%に設定されている。したがって、抽出部12は、記載内容に一致する可能性のある候補として、「中村良夫」と「鈴木信夫」の2つの立候補者を抽出する。
【0024】
ステップS23において、判定部13は、投票用紙の表面および裏面に他事記載が存在するか否かを判定する。他事記載の判定方法としては、例えば、特許第5292641号や特許第5336433号に記載されている方法を用いることができる。図3の例では、投票用紙の表面および裏面にともに他事記載が存在する。
【0025】
ステップS24において、表示部14は、抽出部12によって抽出された1つまたは複数の候補を合致率の高い順に表示する。また、表示部14は、投票用紙の表面に他事記載がある場合には「欄外記入」と表示し、投票用紙の裏面に他事記載がある場合には「裏面記入」と表示する。
【0026】
図6は、表示部14に表示される内容の一例である。この表示内容からは、この投票用紙の記載内容に最も一致する可能性の高い候補は「中村良夫」であり、次に可能性の高い候補は「鈴木信夫」であることが分かる。また、この投票用紙には、他事記載として、「欄外記入」および「裏面記入」が存在することが分かる。選挙管理人は、これらの情報を参考にして、投票用紙の集計を行うことができる。
【0027】
以上説明したように、この実施の形態1に係る集計補助装置10は、投票用紙の記載内容を読み取る読み取り部11と、記載内容に一致する可能性のある1つまたは複数の候補を抽出する抽出部12と、抽出された1つまたは複数の候補を表示する表示部14とを備えている。
【0028】
上記の特徴により、選挙管理人は、投票用紙分類装置で記載内容を識別できなかった投票用紙を目視で集計する際に、表示部14に表示される情報を参考にすることができるため、作業効率が大幅に向上する。
【0029】
また、集計補助装置10は、投票用紙に他事記載が存在するか否かを判定する判定部13を備えており、表示部14は他事記載の有無を併せて表示する。この特徴により、選挙管理人は、他事記載が存在する投票用紙を容易に見分けることができるため、作業効率がさらに向上する。
【0030】
なお、集計補助装置10は、図2のステップS21~S24の処理を連続して行うことにより、複数の投票用紙を一括して処理するようにしてもよい。また、図2のステップS223とS23の処理の順序は入れ替えてもよいし、両者を並列に実行してもよい。
【符号の説明】
【0031】
10 投票用紙の集計補助装置、12 読み取り部、13 抽出部、14 判定部、15 表示部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6