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特開2022-141179半導体装置の製造方法、及び半導体装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141179
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】半導体装置の製造方法、及び半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 25/065 20060101AFI20220921BHJP
【FI】
H01L25/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041370
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】沼田 英夫
(57)【要約】
【課題】一つの実施形態は、容易に実装密度を向上できる半導体装置の製造方法、及び半導体装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一つの実施形態によれば、半導体装置の製造方法では、積層基板を形成する。積層基板は、基板が複数回繰り返し積層される。基板は、複数のチップ領域を含む。半導体装置の製造方法では、積層基板を複数のチップ領域の間で積層方向に切断して複数の積層体へ個片化する。積層基板の形成では、第1の基板の第1の主面に第2の基板の第2の主面を貼り合わせる。積層基板の形成では、第1の主面に第2の主面が貼り合わせられた状態で、第2の基板における第2の主面の反対側の第3の主面を薄化する。積層基板の形成では、第2の基板の第3の主面に第3の基板の第4の主面を貼り合わせる。積層基板の形成では、第3の主面に第4の主面が貼り合わせられた状態で、第3の基板における第4の主面の反対側の第5の主面を薄化する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のチップ領域を含む基板が複数回繰り返し積層された積層基板を形成することと、
前記積層基板を複数のチップ領域の間で積層方向に切断して複数の積層体へ個片化することと、
を備え、
前記積層基板の形成は、
第1の基板の第1の主面に第2の基板の第2の主面を貼り合わせることと、
前記第1の主面に前記第2の主面が貼り合わせられた状態で、前記第2の基板における前記第2の主面の反対側の第3の主面を薄化することと、
前記第2の基板の前記第3の主面に第3の基板の第4の主面を貼り合わせることと、
前記第3の主面に前記第4の主面が貼り合わせられた状態で、前記第3の基板における前記第4の主面の反対側の第5の主面を薄化することと、
を含む
半導体装置の製造方法。
【請求項2】
前記第3の主面に前記第4の主面を貼り合わせることは、前記第3の主面に前記第4の主面を直接接合で貼り合わせることを含む
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
前記積層基板の形成は、
前記第3の主面が薄化された後に、電極と無機絶縁膜とを含む配線層を前記第3の主面に形成することをさらに含み、
前記第3の基板は、電極と無機絶縁膜とが前記第4の主面に配され、
前記第3の主面に前記第4の主面を貼り合わせることは、
前記第3の主面に配された電極と前記第4の主面に配された電極とを接合させ、前記第3の主面に配された無機絶縁膜と前記第4の主面に配された無機絶縁膜とを接合させることを含む
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
前記第1の基板は、電極と無機絶縁膜とが前記第1の主面に配され、
前記第2の基板は、電極と無機絶縁膜とが前記第2の主面に配され、
前記第1の主面に前記第2の主面を貼り合わせることは、
前記第1の主面に配された電極と前記第2の主面に配された電極とを接合させ、前記第1の主面に配された無機絶縁膜と前記第2の主面に配された無機絶縁膜とを接合させることを含む
請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
前記積層基板の形成は、
前記第5の主面が薄化された後に、電極と無機絶縁膜とを含む配線層を前記第5の主面に形成することと、
前記第3の基板の前記第5の主面に第4の基板の第6の主面を貼り合わせることと、
をさらに含み、
前記第4の基板は、電極と無機絶縁膜とが前記第6の主面に配され、
前記第5の主面に前記第6の主面を貼り合わせることは、
前記第5の主面に配された電極と前記第6の主面に配された電極とを接合させ、前記第5の主面に配された無機絶縁膜と前記第6の主面に配された無機絶縁膜とを接合させることを含む
請求項3に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記複数の積層体のそれぞれの側面及び底面に導電膜を堆積することをさらに備えた
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
前記複数の積層体の少なくとも裏面を絶縁物で覆って封止体を形成することと、
前記封止体を前記複数の積層体の間で積層方向に切断して複数の半導体装置へ個片化することと、
をさらに備えた
請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項8】
複数のチップが積層された積層体を備え、
前記積層体は、
電極と無機絶縁膜とが配された第1の主面を有する第1のチップと、
前記第1のチップに積層され、前記第1の主面の電極に接合された電極及び前記第1の主面の無機絶縁膜に接合された無機絶縁膜が配された第2の主面と電極及び無機絶縁膜とが配された第3の主面を有する第2のチップと、
前記第2のチップに積層され、前記第3の主面の電極に接合された電極及び前記第3の主面の無機絶縁膜に接合された無機絶縁膜が配された第4の主面を有する第3のチップと、
を有する
半導体装置。
【請求項9】
前記積層体の側面及び底面を覆う導電膜をさらに備えた
請求項8に記載の半導体装置。
【請求項10】
前記積層体の少なくとも裏面を覆う絶縁封止部をさらに備えた
請求項8に記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、半導体装置の製造方法、及び半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数のチップが積層された半導体装置が形成されることがある。このとき、半導体装置の実装密度を向上することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2011/0115085号明細書
【特許文献2】米国特許第10128223号明細書
【特許文献3】特開2012-204653号公報
【特許文献4】米国特許第10497688号明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2016/0079222号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一つの実施形態は、容易に実装密度を向上できる半導体装置の製造方法、及び半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの実施形態によれば、半導体装置の製造方法が提供される。半導体装置の製造方法では、積層基板を形成する。積層基板は、基板が複数回繰り返し積層される。基板は、複数のチップ領域を含む。半導体装置の製造方法では、積層基板を複数のチップ領域の間で積層方向に切断して複数の積層体へ個片化する。積層基板の形成では、第1の基板の第1の主面に第2の基板の第2の主面を貼り合わせる。積層基板の形成では、第1の主面に第2の主面が貼り合わせられた状態で、第2の基板における第2の主面の反対側の第3の主面を薄化する。積層基板の形成では、第2の基板の第3の主面に第3の基板の第4の主面を貼り合わせる。積層基板の形成では、第3の主面に第4の主面が貼り合わせられた状態で、第3の基板における第4の主面の反対側の第5の主面を薄化する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図2】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す拡大断面図。
図3】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図4】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す拡大断面図。
図5】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図6】第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図7】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図8】第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図9】第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図10】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図11】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図12】第4の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図13】第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図14】第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図15】第5の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図16】第5の実施形態の変形例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図17】第5の実施形態の変形例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図18】第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図19】第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図20】第6の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図21】第6の実施形態の変形例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
図22】第6の実施形態の変形例に係る半導体装置の製造方法を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体装置の製造方法を詳細に説明する。なお、これらの実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
第1の実施形態にかかる半導体装置の製造方法は、複数のチップが積層されたパッケージが半導体装置として製造される。
【0009】
本実施形態では、基板の貼り合わせ及び薄化が複数回繰り返されて積層基板が形成され、積層基板がチップ領域間で積層方向に切断される。
【0010】
図1図6に半導体装置の製造を示す。図1(a)~図1(c)、図3(a)~図3(c)、図5(a)~図5(c)、図6(a)~図6(c)は、半導体装置の製造方法を示す断面図である。図2(a)は、図1(a)のA部分の拡大断面図である。図2(b)、図2(c)は、図1(b)の工程の詳細を示す断面図であり、図1(b)のB部分の拡大断面図である。図2(d)は、図1(c)の工程を示す断面図であり、図1(c)のC部分の拡大断面図である。図4(c)は、図3(b)の工程の詳細を示す断面図であり、図3(b)のB部分の拡大断面図である。図4(d)は、図3(c)の工程を示す断面図であり、図3(c)のC部分の拡大断面図である。以下では、基板1の表面1aに垂直な方向をZ方向とし、Z方向に垂直な面内で互いに直行する2方向をX方向及びY方向とする。
【0011】
図1(a)の工程では、基板1及び基板2が用意される。基板1及び基板2は、それぞれ、略円盤形状を有し、XY平面視において、略円形状を有する。基板1及び基板2は、それぞれ、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成され得る。
【0012】
例えば、図2(a)に示すように、基板1の表面1aに複数のチップ領域12が形成される。各チップ領域12では、ベース領域11の上に、デバイスのパターンとして、導電パターンやその周囲を満たす層間絶縁膜などが形成される。各チップ領域12は、例えば、メモリセルアレイ及び周辺回路を含むメモリデバイスのパターンが形成され得る。ベース領域11は、シリコンなどの半導体を主成分とする材料で形成される。
【0013】
例えば、図2(a)に示すように、チップ領域12では、ベース領域11の+Z側に、電極121、導電膜122、電極123が順に堆積されるとともに、それらの周囲を満たす無機絶縁膜124が形成される。これにより、電極121、導電膜122、電極123及び無機絶縁膜124を含む再配線層12aが形成される。電極121は、-Z側の面が無機絶縁膜124の-Z側の面に連続し、+Z側の面が導電膜122に接触する。導電膜122は、-Z側の面が電極121に接触し、+Z側の面が電極123に接触する。電極123は、-Z側の面が電極121に接触し、+Z側の面が無機絶縁膜124の+Z側の面に連続する。電極121、導電膜122、電極231は、それぞれ、銅など金属を主成分とする材料で形成され得る。無機絶縁膜232は、酸化シリコンなどの半導体酸化物を主成分とする材料で形成され得る。
【0014】
例えば、図2(a)に示すように、図1(a)における基板2の表面2aに複数のチップ領域22が形成される。各チップ領域22では、ベース領域21の上に、デバイスのパターンとして、導電パターンやその周囲を満たす層間絶縁膜などが形成される。ベース領域21は、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成されている。
【0015】
例えば、図2(a)に示すように、チップ領域22では、ベース領域21内及び/又はベース領域21上にデバイス構造221が形成される。デバイス構造221は、導電パターンやその周囲を満たす層間絶縁膜などを含む。デバイス構造221に貫通孔が形成され、貫通孔に導電物が埋め込まれることで貫通電極222が形成される。デバイス構造221の表面に無機絶縁膜が堆積され、開口が形成され、開口に導電物が埋め込まれることにより、電極223及び無機絶縁膜224が形成される。電極223は、+Z側の面がデバイス構造221における所定の導電パターンに接触し、所定の導電パターンに電気的に接続される。電極223は、-Z側の面が露出され、表面2aの一部を形成し、無機絶縁膜224は、-Z側の面が露出され、表面2aの他の一部を形成する。電極223は、銅など金属を主成分とする材料で形成され得る。無機絶縁膜224は、酸化シリコンなどの半導体酸化物を主成分とする材料で形成され得る。
【0016】
図1(a)に示すように、基板1の表面1aに基板2の表面2aが貼り合わせられる。例えば、基板1の表面1aと基板2の表面2aとが互いにZ方向に対向するように配置され、チップ領域12のXY位置とチップ領域22のXY位置とが互いに合うように、基板1のXY位置と基板2のXY位置とが調整される。基板1及び基板2がZ方向に相対的に近づけられ、互いに貼り合わせられる。
【0017】
基板1の表面1aへの基板2の表面2aの貼り合わせは、直接接合で行われてもよい。例えば、基板1の表面1aと基板2の表面2aとがそれぞれプラズマにより活性化されて基板2が基板1に密着されることで、基板2が基板1に仮接合される。その後、基板2が加熱されて基板1に本接合される。直接接合で貼り合わせられることにより、バンプ電極やDAF等の接着層が介在する場合に比べて、貼り合わせ面の間隔を小さくできる。すなわち、表面1aと表面2aとのZ方向距離を小さくできる。
【0018】
例えば、図2(a)に示すように、表面1aに配された電極123と表面2aに配された電極223とを接合させ、表面1aに配された無機絶縁膜124と表面2aに配された無機絶縁膜224とを接合させる。すなわち、基板1の表面1aにプラズマを照射すると、無機絶縁膜124の表面が水酸基で終端され、基板2の表面2aにプラズマを照射すると、無機絶縁膜224の表面を水酸基で終端される。基板2を基板1に密着させると、無機絶縁膜224の表面と無機絶縁膜124の表面とが水酸基に結合された水分子を介して水素結合で互いに結合される。このとき、接合界面間隔をG1とする。
【0019】
その後、加熱すると、電極124と電極223とが合金接合する。それとともに、無機絶縁膜224と無機絶縁膜124との接合界面から水分子が抜けて、水分子同士の水素結合が水酸基同士の水素結合に変わったり、酸素原子を介した共有結合に変わったりする。これにより、基板2の表面2aと基板1の表面1aとは、接合界面幅がG1からG2(<G1)に狭められる。さらに接合プロセスが進むことで、基板2と基板1との接合界面では、水酸基同士の水素結合から水分子が抜けて酸素原子を介した共有結合に変わる。これにより、基板2の表面2aと基板1の表面1aとは、接合界面間隔がG2からG3(<<G2)に狭められ、表面の無機絶縁膜124,224同士がほぼ一体化した形で本接合される。
【0020】
図1(b)に示す工程では、表面2aが基板1の表面1aに貼り合わせられた状態で、基板2の裏面2bが薄化される。例えば、研磨装置のグラインダが基板2の裏面2bに押し当てられ、グラインダが接触面に垂直な軸を中心に回転し、基板2iの厚さが所望の厚さD2になるまで、グラインダの回転が継続される。このとき、表面2aが基板1の表面1aに貼り合わせられているので、基板2が平坦に支持されながら、裏面2biが安定的に研磨され得る。また、基板2が基板1により平坦に支持されるので、所望の厚さD2を可能な範囲で薄くすることができる。
【0021】
例えば、図2(b)に示すように、下地領域21iがデバイス構造221の信頼性を確保可能な下限の厚さ程度まで薄くされ得る。このとき、基板2iを完全に除去してもよい。これにより、基板2iの厚さが所望の厚さD2に薄化され得る。基板2iが薄化された後、基板2iに貫通孔21i1が形成される。貫通孔21i1は、裏面2biから下地領域21iをZ方向に貫通し貫通電極222の+Z側の面まで達し、貫通電極222の+Z側の面を露出させる。
【0022】
その後、図2(c)に示すように、CVD法等により、貫通孔21i1の側面及び底面に絶縁膜225を堆積する。RIE法等により、堆積された絶縁膜225における底面の部分を選択的に除去し、貫通電極222の+Z側の面を再び露出させる。そして、メッキ法等により、銅などの導電物を貫通孔21i1に埋め込み、貫通電極226を形成する。貫通電極226は、-Z側の端部が貫通電極222の+Z側の面に接触し、貫通電極222を介して電極223に電気的に接続される。
【0023】
なお、基板2と基板1との貼り合わせにDAF等の接着層を使用する場合、貫通孔21i1の側面及び底面に絶縁膜を堆積する際に、良質な絶縁膜を形成可能な温度まで基板2i及び基板1を加熱すると、接着層が溶融して貼り合わせの界面の平坦性が劣化したり、接着層が炭化により蒸発して貼り合わせの界面の接着性が劣化したりする可能性がある。
【0024】
それに対して、本実施形態では、基板2と基板1との貼り合わせに接着層を使用せず、貼り合わせを例えば直接接合で行うので、そのような不具合を避けることができ、良質な絶縁膜を形成可能な温度まで基板2i及び基板1を加熱することができる。これにより、貫通孔21i1の側面に良質な絶縁膜225を堆積できる。
【0025】
図1(c)に示す工程では、基板2iの裏面2biにおける各チップ領域22に再配線層22aが形成される。再配線層22aは、チップ領域22の配された領域に選択的に形成され得る。再配線層22aは、電極と無機絶縁膜と所定の配線パターンとを含む。所定の配線パターンは、チップ領域22を選択する回路の配線パターンを含む。
【0026】
例えば、図2(d)に示すように、導電膜228、導電部229、導電膜230、電極231が順に堆積されるとともに、それらの周囲を満たす無機絶縁膜232が形成される。これにより、導電膜228、導電部229、導電膜230、電極231及び無機絶縁膜232を含む再配線層22aが形成される。導電膜228は、-Z側の面が貫通電極226に接触し、+Z側の面が導電部229に接触する。導電膜231は、-Z側の面が導電部229に接触し、+Z側の面が電極231に接触する。電極231は、+Z側の面が露出され、裏面2biの一部を形成し、無機絶縁膜232は、+Z側の面が露出され、裏面2biの他の一部を形成する。電極231は、銅など金属を主成分とする材料で形成され得る。無機絶縁膜232は、酸化シリコンなどの半導体酸化物を主成分とする材料で形成され得る。
【0027】
図3(a)に示す工程では、基板3が用意される。基板3は、略円盤形状を有し、XY平面視において、略円形状を有する。基板3は、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成され得る。
【0028】
基板3の表面3aに複数のチップ領域32が形成される。各チップ領域32は、ベース領域31の上に配されている。ベース領域31は、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成されている。例えば、チップ領域32に、デバイスのパターンとして、導電パターンやその周囲を満たす層間絶縁膜などが形成される。
【0029】
例えば、図4(a)に示すように、チップ領域32では、ベース領域31内及び/又はベース領域31の-Z側にデバイス構造321が形成される。デバイス構造321に貫通孔が形成され、貫通孔に導電物が埋め込まれることで貫通電極322が形成される。デバイス構造321の表面に無機絶縁膜が堆積され、開口が形成され、開口に導電物が埋め込まれることにより、電極323及び無機絶縁膜324が形成される。電極323は、+Z側の面がデバイス構造321における所定の導電パターンに接触し、所定の導電パターンに電気的に接続される。電極323は、-Z側の面が露出され、表面3aの一部を形成し、無機絶縁膜324は、-Z側の面が露出され、表面3aの他の一部を形成する。電極323は、銅など金属を主成分とする材料で形成され得る。無機絶縁膜324は、酸化シリコンなどの半導体酸化物を主成分とする材料で形成され得る。
【0030】
図3(a)に示す基板2iの裏面2biに基板3の表面3aが貼り合わせられる。例えば、基板2iの裏面2biと基板3の表面3aとが互いにZ方向に対向するように配置され、チップ領域22又は再配線層22aのXY位置とチップ領域32のXY位置とが互いに合うように、基板2iのXY位置と基板3のXY位置とが調整される。基板2i及び基板3がZ方向に相対的に近づけられ、互いに貼り合わせられる。
【0031】
基板2iの裏面2biへの基板3の表面3aの貼り合わせは、直接接合で行われてもよい。例えば、基板2iの裏面2biと基板3の表面3aとがそれぞれプラズマにより活性化されて基板2iが基板3に密着されることで、基板2iが基板3に仮接合される。その後、基板3が加熱されて基板2iに本接合される。直接接合で貼り合わせられることにより、バンプ電極やDAF等の接着層が介在する場合に比べて、貼り合わせ面の間隔を小さくできる。すなわち、裏面2biと表面3aとのZ方向距離を小さくできる。
【0032】
図3(b)に示す工程では、表面3aが基板2iの裏面2biに貼り合わせられた状態で、基板3の裏面3bが薄化される。例えば、研磨装置のグラインダが基板3の裏面3bに押し当てられ、グラインダが接触面に垂直な軸を中心に回転し、基板3iの厚さが所望の厚さD3になるまで、グラインダの回転が継続される。このとき、表面3aが基板2iの裏面2biに貼り合わせられているので、基板3が基板2iを介して基板1により平坦に支持されながら、裏面3biが安定的に研磨され得る。また、基板3が基板2iを介して基板1により平坦に支持されるので、所望の厚さD3を可能な範囲で薄くすることができる。
【0033】
例えば、図4(b)に示すように、下地領域31iがデバイス構造321の信頼性を確保可能な下限の厚さ程度まで薄くされ得る。このとき、基板3iを完全に除去してもよい。これにより、基板3iの厚さが所望の厚さD3に薄化され得る。基板3iが薄化された後、基板3iに貫通孔31i1が形成される。貫通孔31i1は、裏面3biから下地領域31iをZ方向に貫通し貫通電極322の+Z側の面まで達し、貫通電極322の+Z側の面を露出させる。
【0034】
その後、図4(c)に示すように、CVD法等により、貫通孔31i1の側面及び底面に絶縁膜325を堆積する。RIE法等により、堆積された絶縁膜325における底面の部分を選択的に除去し、貫通電極322の+Z側の面を再び露出させる。そして、メッキ法等により、銅などの導電物を貫通孔31i1に埋め込み、貫通電極326を形成する。貫通電極326は、-Z側の端部が貫通電極322の+Z側の面に接触し、貫通電極322を介して電極323に電気的に接続される。
【0035】
なお、基板3と基板2との貼り合わせに接着層を使用する場合、貫通孔31i1の側面及び底面に絶縁膜を堆積する際に、良質な絶縁膜を形成可能な温度まで基板3i及び基板2を加熱すると、接着層が溶融して貼り合わせの界面の平坦性が劣化したり、接着層が炭化により蒸発して貼り合わせの界面の接着性が劣化したりする可能性がある。
【0036】
それに対して、本実施形態では、基板3と基板2との貼り合わせに接着層を使用せず、貼り合わせを例えば直接接合で行うので、そのような不具合を避けることができ、良質な絶縁膜を形成可能な温度まで基板3i及び基板2を加熱することができる。これにより、貫通孔31i1の側面に良質な絶縁膜325を堆積できる。
【0037】
図3(c)に示す工程では、基板3iの裏面3biにおける各チップ領域32に再配線層32aが形成される。再配線層32aは、チップ領域32の配された領域に選択的に形成され得る。再配線層32aは、電極と無機絶縁膜と所定の配線パターンとを含む。所定の配線パターンは、チップ領域32を選択する回路の配線パターンを含む。
【0038】
例えば、図4(d)に示すように、導電膜328、導電部329、導電膜330、電極331が順に堆積されるとともに、それらの周囲を満たす無機絶縁膜332が形成される。これにより、導電膜328、導電部329、導電膜330、電極331及び無機絶縁膜332を含む再配線層32aが形成される。導電膜328は、-Z側の面が貫通電極326に接触し、+Z側の面が導電部329に接触する。導電膜331は、-Z側の面が導電部329に接触し、+Z側の面が電極331に接触する。電極331は、+Z側の面が露出され、裏面3biの一部を形成し、無機絶縁膜332は、+Z側の面が露出され、裏面3biの他の一部を形成する。電極331は、銅など金属を主成分とする材料で形成され得る。無機絶縁膜332は、酸化シリコンなどの半導体酸化物を主成分とする材料で形成され得る。
【0039】
図5(a)に示す工程では、基板4~7のそれぞれについて、図3(a)~図3(c)に示す工程と同様の処理が行われ、基板8について、図3(a)~図3(b)に示す工程と同様の処理が行われる。基板4~8は、それぞれ、略円盤形状を有し、XY平面視において、略円形状を有する。基板4~8は、それぞれ、半導体(例えば、シリコン)を主成分とする材料で形成され得る。基板8の裏面8biは、再配線層も貫通電極も形成されていない状態図4(a)にされうる。しかしながら、もちろん、図4(d)のように再配線層まで形成されていてもよい、すなわち図4(a)から図4(d)までのどのような状態でも取り得る。これにより、図5(a)に示すように、基板1の表面1aにそれぞれ薄化された基板2i~8iが順に積層された積層基板SSBが得られる。
【0040】
積層基板SSBにおいて、基板1が複数のチップ領域12を有する。各チップ領域12は、再配線層12aを有する。基板2iが複数のチップ領域22を有する。各チップ領域は、+Z側に再配線層22aを有する。基板7iが複数のチップ領域72を有する。各チップ領域72は、+Z側に再配線層72aを有する。基板8iが複数のチップ領域82を有する。各チップ領域82は、再配線層を有しない。各基板1,2i,・・・,7i,8iのチップ領域12,22,・・・,72,82は、互いに対応している。各基板1~8iにおける対応するチップ領域12~82は、XY位置がほぼ一致し、Z方向に積層されている。各再配線層22a~72aは、それぞれ、チップ領域22~72を選択する回路の配線パターンを含む。
【0041】
図5(b)に示す工程では、基板1の裏面1bが薄化される。例えば、積層基板SSBは、+Z側と-Z側とが反転され、研磨装置のグラインダが基板1の裏面1bに押し当てられる。グラインダが接触面に垂直な軸を中心に回転し、基板1iの厚さが所望の厚さD1になるまで、グラインダの回転が継続される。基板1は、再配線層12aの電極121の-Z側の面(図2(a)参照)が露出されるまで薄化され得る。このとき、表面1aが基板2iの表面2aに貼り合わせられているので、基板1が積層基板SSBの他の基板2i~8iにより平坦に支持されながら、裏面1biが安定的に研磨され得る。また、基板1が積層基板SSBの他の基板2i~8iにより平坦に支持されるので、基板1iの厚さD1を可能な範囲で薄くすることができる。すなわち、積層基板SSBにおける各基板1i~8iが可能な範囲で薄くされ得るので、積層基板SSBの厚さDsを所望の厚さの範囲に収めながら積層基板SSBに含める基板の枚数を多く(図5(b)では、8枚で)確保することができる。
【0042】
図5(c)に示す工程では、基板1iの裏面1biにおける各チップ領域12にボール電極91が形成される。ボール電極91は、はんだなどの導電物で形成され得る。ボール電極91は、再配線層12aの電極121(図2(a)参照)に電気的に接続されるように形成される。
【0043】
積層基板SSBの+Z側の面8biにダイシングテープ92が貼り付けられ、図5(c)に点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。ダイシング加工の目標位置は、Z方向に並ぶチップ領域12~82からなるチップ群CGに重ならない位置が選択される。ダイシング加工の目標位置は、それぞれがZ方向に並ぶチップ領域12~82からなる複数のチップ群CGの行列状の配列を仕切る格子状のラインとされ得る。
【0044】
図6(a)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ92に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、積層基板SSBが複数のチップ領域の間でZ方向に切断されて複数の積層体96へ個片化される。各積層体96では、それぞれが薄化された複数のチップ領域12~82が積層されている。これにより、積層体96内に搭載されるチップ数が多く確保され得る。例えば、各チップ領域12~82がメモリチップの領域である場合、積層体96のメモリ容量が大きく確保され得る。
【0045】
各積層体96では、チップ領域12~82が順にZ方向に積層され、-Z側の面にボール電極91が配されている。各積層体96では、外部からボール電極91を介して供給される信号に応じて、チップ領域22~72を選択する回路でアクセス先のチップ領域が切り替え可能である。各積層体96は、この状態で動作可能であるが、外部から光が侵入した際にPN接合部分で不要な電荷が発生する可能性がある。
【0046】
それに対して、図6(b)に示す工程では、個片化された複数の積層体96の裏面及び側面を絶縁物94で覆って封止体95を形成する。絶縁物94は、絶縁物を主成分とする材料で形成され、遮光性・絶縁性・熱可塑性を有する樹脂を主成分とする材料で形成され得る。例えば、個片化された複数の積層体96の+Z側の面をダイシングテープ92から剥離する。複数の積層体96は、それぞれ、+Z側と-Z側とが反転され、-Z側の面が接着されるようにダイシングテープ93の上に並べられる。複数の積層体96は、ダイシングブレードの幅以上の間隔で並べられる。複数の積層体96は、ダイシングテープ93上に、XY平面視において行列状に並べられ得る。
【0047】
封止体95に対して、点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。ダイシング加工の目標位置は、積層体96に重ならない位置が選択される。ダイシング加工の目標位置は、複数の積層体96の行列状の配列を仕切る格子状のラインとされ得る。
【0048】
図6(c)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ93に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、封止体95が複数の積層体96の間でZ方向に切断されて複数の半導体装置97のパッケージへ個片化される。各半導体装置97は、ダイシングテープ93から剥離されることで、単体の積層パッケージとして得られる。各半導体装置97では、積層体96の+Z側の面、+X側の面、-X側の面、+Y側の面、-Y側の面が遮光性の絶縁部94aで覆われている。これにより、半導体装置97において、外部光に起因する不要な電荷の発生を抑制できる。
【0049】
以上のように、第1の実施形態では、基板の貼り合わせ及び薄化を複数回繰り返して積層基板SSBが形成される。このとき、基板の貼り合わせが直接接合で行われれば、所定の高さに積層される基板の枚数が多く確保され得る。そして、積層基板SSBがチップ領域間で積層方向に切断されて複数の積層体96へ個片化される。個片化された積層体96を用いて半導体装置97のパッケージが構成される。これにより、半導体装置97のパッケージ内に搭載されるチップ数が多く確保され得るので、半導体装置97の実装密度を容易に向上できる。
【0050】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。以下では、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0051】
第1の実施形態では、絶縁物で積層体を封止する前に積層体にボール電極を形成する方法を例示しているが、第2の実施形態では、絶縁物で積層体を封止した後に積層体にボール電極を形成する方法を例示する。
【0052】
具体的には、図1(a)~図5(b)に示す工程が行われた後、ボール電極91が形成されずに、積層基板SSBの+Z側の面8biにダイシングテープ92が貼り付けられ、図5(c)に点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。ダイシング加工の目標位置は、Z方向に並ぶチップ領域12~82からなるチップ群CGに重ならない位置が選択される。ダイシング加工の目標位置は、それぞれがZ方向に並ぶチップ領域12~82からなる複数のチップ群CGの行列状の配列を仕切る格子状のラインとされ得る。その後、図7(a)~図8(b)に示す工程が行われる。図7(a)~図8(b)は、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0053】
図7(a)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ92に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、積層基板SSBが複数のチップ領域の間でZ方向に切断されて複数の積層体196へ個片化される。各積層体196は、-Z側の面にボール電極91が実装されていないこと以外は、積層体96と同様である。
【0054】
図7(b)に示す工程では、個片化された複数の積層体196の裏面及び側面を絶縁物94で覆って封止体195を形成する。例えば、個片化された複数の積層体196の+Z側の面をダイシングテープ92から剥離する。複数の積層体196は、それぞれ、+Z側と-Z側とが反転されて、-Z側の面が接着されるようにテープ98の上に並べられる。複数の積層体196は、ダイシングブレードの幅以上の間隔で並べられる。複数の積層体196は、テープ98上に、XY平面視において行列状に並べられ得る。この状態で、複数の積層体196を覆うように絶縁物94が供給されて封止体195が形成される。
【0055】
図8(a)に示す工程では、封止体195がテープ98から剥離され、+Z側と-Z側とが反転されて、+Z側の面がダイシングテープ93に貼り付けられる。封止体195に対して、点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。ダイシング加工の目標位置は、積層体196に重ならない位置が選択される。ダイシング加工の目標位置は、複数の積層体196の行列状の配列を仕切る格子状のラインとされ得る。
【0056】
各積層体196の+Z側の面にボール電極91が形成される。ボール電極91は、はんだなどの導電物で形成され得る。ボール電極91は、チップ領域82の貫通電極(図4(c)参照)に電気的に接続されるように形成される。ボール電極91は、貫通電極の+Z側の面に接触するように形成されてもよいし、貫通電極の上に貫通電極に接続される配線を含む配線層が形成されその配線に接触するように形成されてもよい。各積層体196では、外部からボール電極91を介して供給される信号に応じて、チップ領域22~72を選択する回路でアクセス先のチップ領域が切り替え可能である。
【0057】
図8(b)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ93に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、封止体195が複数の積層体196の間でZ方向に切断されて複数の半導体装置197のパッケージへ個片化される。各半導体装置197では、積層体196の+Z側の面、+X側の面、-X側の面、+Y側の面、-Y側の面が遮光性の絶縁物94aで覆われている。これにより、半導体装置197において、外部光に起因する不要な電荷の発生を抑制できる。
【0058】
以上のように、第2の実施形態では、絶縁物94で積層体196を封止した後に積層体196にボール電極91を形成する。このような方法によっても、積層体196を用いて半導体装置197のパッケージを構成することができる。
【0059】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。以下では、第1の実施形態及び第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0060】
第3の実施形態では、個片化後に積層体の側面及び裏面を導電膜で覆うことで、シールド膜兼遮光膜を含む半導体装置のパッケージが構成される方法を例示する。
【0061】
具体的には、図1(a)~図6(a)に示す工程が行われた後、個片化された複数の積層体96の+Z側の面をダイシングテープ92から剥離する。複数の積層体96は、それぞれ、+Z側と-Z側とが反転され、-Z側の面が対向するように成膜装置のステージ又は電極(図示せず)上に並べられる。複数の積層体96は、側面の成膜が確保可能な間隔以上の間隔で並べられる。複数の積層体96は、ステージ又は電極上に、XY平面視において行列状に並べられ得る。その後、図9(a)~図9(b)に示す工程が行われる。図9(a)~図9(b)は、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0062】
図9(a)に示す工程では、CVD法又はメッキ法などにより、各積層体96の側面及び底面を覆うように導電膜298が堆積される。導電膜298は、アルミニウム又は銅などの金属を主成分とする材料で形成され得る。
【0063】
図9(b)に示す工程では、CVD法などにより、各積層体96の側面及び底面を覆うように、導電膜298の外側に絶縁膜294が堆積される。絶縁膜294は、シリコン酸化物などの絶縁物で形成され得る。これにより、積層体96の側面及び底面が導電膜298及び絶縁膜294で覆われた半導体装置297のパッケージが得られる。このとき絶縁膜294は形成されていなくてもよい。
【0064】
半導体装置297のパッケージにおいて、積層体96の+Z側の面、+X側の面、-X側の面、+Y側の面、-Y側の面が導電膜298で覆われている。導電膜298は、金属を主成分とする材料で形成され得るので、遮光性を有する。これにより、半導体装置297において、積層体96を遮光でき、外部光に起因する不要な電荷の発生を抑制できる。
【0065】
また、チップ領域12の再配線層12aは、導電膜298をグランド電位用のボール電極91に電気的に接続する配線を含んでもよい。導電膜298は、金属を主成分とする材料で形成され得るので、グランド電位用のボール電極91に電気的に接続されることでその電位がグランド電位にされ得る。これにより、導電膜298が積層体96に対して電磁波をシールドするシールド膜として機能できるので、半導体装置297において、外部への電磁波の放射を抑制でき、外部からの電磁波の侵入を抑制できる。
【0066】
以上のように、第3の実施形態では、個片化後に積層体96の側面及び裏面を導電膜298で覆う。これにより、シールド膜兼遮光膜を含む半導体装置297のパッケージを構成することができる。
【0067】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。以下では、第1の実施形態~第3の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0068】
第4の実施形態では、複数のチップの積層体の上に小サイズのチップが混載されるパッケージの製造方法について例示する。
【0069】
なお、積層体における各チップがメモリチップである場合、小サイズのチップはコントローラチップであってもよい。メモリチップは、メモリ容量を確保するために比較的大きなサイズで形成されるが、コントローラチップは、メモリチップを制御するロジック回路が搭載されるため、メモリチップより小さいサイズで形成され得る。
【0070】
具体的には、図1(a)~図5(a)に示す工程が行われた後、図10(a)~図12(b)に示す工程が行われる。図10(a)~図12(b)は、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0071】
図10(a)に示す工程では、積層基板SSBにおける+Z側の基板8iの裏面8biにおける各チップ領域82における小サイズのチップが配されるべき領域にボール電極313が形成される。ボール電極313は、はんだなどの導電物で形成され得る。ボール電極313は、再配線層82aの電極(例えば、図4(d)の電極331と同様な電極)に電気的に接続されるように形成される。
【0072】
一方、基板(図示せず)にそれぞれが小サイズのチップとなるべき複数のチップ領域が形成され、基板がダイシングテープに貼り付けられ複数のチップ領域の間で切断され、複数の小サイズのチップ399に個片化される。個片化されたチップ399は、その表面399aに電極が配されている。
【0073】
複数のチップ399は、基板8iの複数のチップ領域82にボール電極313を介して実装される。このときの裏面8biは、例えば図4(c)のように貫通電極が露出しているか、あるいは、図4(d)のように再配線層が形成されている状態である。各チップ399は、フェイスダウン状態で、その表面399aの電極がボール電極313に接触するように配され、ボール電極313に接合される。ボール電極313は裏面8biに露出した貫通電極あるいは、再配線層に形成された電極に接合される。
【0074】
図10(b)に示す工程では、複数のチップ399のそれぞれの裏面399b及び側面399cが絶縁物314で覆われて封止体314が形成される。絶縁物314は、絶縁物を主成分とする材料で形成され、遮光性・絶縁性・熱可塑性を有する樹脂を主成分とする材料で形成され得る。封止体314は、各基板1,2i~8iと同様の平面形状及び平面寸法で形成され、疑似的に基板として構成される。封止体314は、略円盤形状を有し、XY平面視において、略円形状を有する。これにより、積層基板SSBの+Z側に封止体314が疑似的な基板として積層された積層基板SSB300が得られる。
【0075】
図11(a)に示す工程では、図5(b)に示す工程と同様にして、基板1の裏面1bが薄化される。例えば、積層基板SSB300は、+Z側と-Z側とが反転され、研磨装置のグラインダが基板1の裏面1bに押し当てられる。基板1iの裏面1biを研磨して薄化する。これにより、積層基板SSB300における各基板1i~8iが可能な範囲で薄くされ得るので、積層基板SSB300の厚さDs300を所望の厚さの範囲に収めながら積層基板SSB300に含める基板の枚数を多く(図11(a)では、基板8枚+疑似基板1枚で)確保することができる。
【0076】
図11(b)に示す工程では、図5(c)に示す工程と同様にして、基板1iの裏面1biにおける各チップ領域12にボール電極91が形成される。その後、積層基板SSBの+Z側の面8biにダイシングテープ92が貼り付けられ、図11(b)に点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。
【0077】
図11(c)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ92に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、積層基板SSB300が複数のチップ領域の間でZ方向に切断されて複数の積層体316へ個片化される。各積層体316では、それぞれが薄化された複数のチップ領域12~82及び封止体315aが積層されている。封止体315aは、チップ399の裏面及び側面が絶縁物314aで封止され、各チップ領域12~82と同様の平面形状及び平面寸法を有する。これにより、積層体316内に搭載されるチップ数が多く確保され得るとともに小サイズのチップ399を混載できる。例えば、各チップ領域12~82がメモリチップの領域である場合、積層体316のメモリ容量が大きく確保され得る。
【0078】
図12(a)に示す工程では、個片化された複数の積層体316の+Z側の面をダイシングテープ92から剥離する。複数の積層体316は、それぞれ、+Z側と-Z側とが反転され、-Z側の面が接着されるようにダイシングテープ93の上に並べられる。複数の積層体316は、ダイシングブレードの幅以上の間隔で並べられる。複数の積層体316は、ダイシングテープ93上に、XY平面視において行列状に並べられ得る。
【0079】
そして、個片化された複数の積層体316の側面を絶縁物317で覆って、又は、個片化された複数の積層体316の側面及び+Z側の面を絶縁物317で覆って、封止体318を形成する。絶縁物317は各積層体316の絶縁物314aと一体化され得る。絶縁物317は、絶縁物を主成分とする材料で形成され、遮光性・絶縁性・熱可塑性を有する樹脂を主成分とする材料で形成され得る。絶縁物317の材料は、絶縁物314aの材料と同じであってもよい。
【0080】
封止体318に対して、点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。ダイシング加工の目標位置は、積層体316に重ならない位置が選択される。ダイシング加工の目標位置は、複数の積層体316の行列状の配列を仕切る格子状のラインとされ得る。
【0081】
図12(b)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ93に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、封止体318が複数の積層体316の間でZ方向に切断されて複数の半導体装置319のパッケージへ個片化される。各半導体装置319は、ダイシングテープ93から剥離されることで、単体の積層パッケージとして得られる。各半導体装置319では、積層体316の+Z側の面、+X側の面、-X側の面、+Y側の面、-Y側の面が遮光性の絶縁部317aで覆われている。
【0082】
以上のように、第4の実施形態では、積層基板SSBに小サイズのチップが搭載され樹脂封止され積層基板SSB300が形成され、積層基板SSB300がチップ領域間で積層方向に切断されて複数の半導体装置319のパッケージへ個片化される。これにより、積層体の上に小サイズのチップが混載された半導体装置319のパッケージを構成することができる。
【0083】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。以下では、第1の実施形態~第4の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0084】
第5の実施形態では、複数のチップの積層体の上に小サイズのチップが混載されるパッケージの他の製造方法について例示する。
【0085】
具体的には、図1(a)~図5(a)に示す工程が行われた後、図13(a)~図16(b)に示す工程が行われる。図13(a)~図16(b)は、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0086】
図13(a)に示す工程では、図10(a)に示す工程と同様の処理が行われ、複数のチップ399が、積層基板SSBにおける+Z側の基板8iの複数のチップ領域82にボール電極313を介して実装される。このときの裏面8biは、例えば図4(c)のように貫通電極が露出しているか、あるいは、図4(d)のように再配線層が形成されている状態である。各チップ399は、フェイスダウン状態で、その表面399aの電極がボール電極313に接触するように配され、ボール電極313に接合される。ボール電極313は裏面8biに露出した貫通電極あるいは、再配線層に形成された電極に接合される。
【0087】
図13(b)に示す工程では、積層基板SSBの+Z側に接着テープ420を介して支持基板421を貼り付ける。このとき、複数のチップ399のそれぞれの裏面399b及び側面399cを接着テープ420で覆われる。これにより、積層基板SSBの+Z側に接着テープ420を介して支持基板421が積層された積層基板SSB400が得られる。
【0088】
図14(a)に示す工程では、図5(b)に示す工程と同様にして、基板1の裏面1bが薄化される。例えば、積層基板SSB400は、+Z側と-Z側とが反転され、研磨装置のグラインダが基板1の裏面1bに押し当てられる。基板1iの裏面1biを研磨して薄化する。これにより、積層基板SSB400における各基板1i~8iが可能な範囲で薄くされ得るので、積層基板SSB400の厚さDs400を所望の厚さの範囲に収めながら積層基板SSB400に含める基板の枚数を多く(図14(a)では、基板8枚+支持基板1枚で)確保することができる。
【0089】
図14(b)に示す工程では、図5(c)に示す工程と同様にして、基板1iの裏面1biにおける各チップ領域12にボール電極91が形成される。その後、積層基板SSB400の+Z側の面421bにダイシングテープ92が貼り付けられ、図14(b)に点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。
【0090】
図15(a)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ92に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、積層基板SSB400が複数のチップ領域の間でZ方向に切断されて複数の積層体416へ個片化される。各積層体416では、それぞれが薄化された複数のチップ領域12~82及びチップ399が積層され、その+Z側に接着テープ420aを介して支持基板421aに接着されている。接着テープ420a及び支持基板421aは、それぞれ、各チップ領域12~82と同様の平面形状及び平面寸法を有する。
【0091】
図15(b)に示す工程では、各積層体416の+Z側を接着テープ420aから剥離し、接着テープ420a及び支持基板421aを取り除く。複数の積層体416は、それぞれ、+Z側と-Z側とが反転され、-Z側の面が接着されるようにダイシングテープ93の上に並べられる。複数の積層体416は、ダイシングブレードの幅以上の間隔で並べられる。複数の積層体416は、ダイシングテープ93上に、XY平面視において行列状に並べられ得る。
【0092】
図16(a)に示す工程では、個片化された複数の積層体416の側面を絶縁物417で覆って、又は、個片化された複数の積層体416の側面及び+Z側の面を絶縁物417で覆って、封止体418を形成する。絶縁物417は、絶縁物を主成分とする材料で形成され、遮光性・絶縁性・熱可塑性を有する樹脂を主成分とする材料で形成され得る。
【0093】
封止体418に対して、点線で示すように、ダイシング加工の目標位置が決められる。ダイシング加工の目標位置は、積層体416に重ならない位置が選択される。ダイシング加工の目標位置は、複数の積層体416の行列状の配列を仕切る格子状のラインとされ得る。
【0094】
図16(b)に示す工程では、目標位置に沿ってダイシングテープ93に達するまでダイシング加工が行われる。これにより、封止体418が複数の積層体416の間でZ方向に切断されて複数の半導体装置419のパッケージへ個片化される。各半導体装置419は、ダイシングテープ93から剥離されることで、単体の積層パッケージとして得られる。各半導体装置419では、積層体416の+Z側の面、+X側の面、-X側の面、+Y側の面、-Y側の面が遮光性の絶縁部417aで覆われている。
【0095】
以上のように、第5の実施形態では、積層基板SSBに小サイズのチップが搭載され支持基板に接着されて積層基板SSB400が形成され、積層基板SSB400がチップ領域間で積層方向に切断され、樹脂封止されて、複数の半導体装置419のパッケージへ個片化される。これにより、積層体の上に小サイズのチップが混載された半導体装置419のパッケージを構成することができる。
【0096】
なお、図15(a)に示す工程に代えて図17に示す工程が行われてもよい。図17に示す工程では、図14(b)に点線で示す目標位置に沿って接着テープ420に達するまでダイシング加工が行われる。すなわち、支持基板421にはダイシング加工の溝が達しない。これにより、支持基板421は、次の半導体装置の製造を行う際に、再利用することができる。また、図14(b)の工程におけるダイシングテープ92の貼付を省略できる。
【0097】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。以下では、第1の実施形態~第5の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0098】
第1の実施形態では、基板として半導体基板を用いて積層基板を形成する方法が例示されるが、第6の実施形態では、基板として絶縁基板(例えば、ガラス基板)を用いて積層基板を形成する方法を例示する。
【0099】
具体的には、図18図20に示すように、半導体装置が製造される。図18(a)~図18(c)、図20(a)~図20(c)は、半導体装置の製造方法を示す断面図である。図19は、図18(c)のG部分の拡大断面図である。
【0100】
図18(a)に示す工程では、基板1が基板501に置き換わる以外は、図1(a)の工程と同様の処理が行われる。基板501は、略円盤形状を有しXY平面視において略円形状を有する点は基板1と同様であるが、絶縁物(例えば、ガラス)を主成分とする材料で形成され得る点で基板1と異なる。基板501は、図19に示すように、その表面501aに無機接着層5012が形成される。無機接着層5012は、基板501におけるベース領域5011の上に形成される。
【0101】
基板501の表面501aに基板2の表面2aが貼り合わせられる。例えば、図19に示すように、基板501の無機接着層5012に基板2の電極223と無機絶縁膜124とが直接接合で接合される。
【0102】
図18(b)に示す工程では、基板1が基板501に置き換わる以外は、図1(b)の工程と同様の処理が行われる。
【0103】
図18(c)に示す工程では、基板1が基板501に置き換わる以外は、図1(c)の工程と同様の処理が行われる。
【0104】
図20(a)に示す工程では、基板1が基板501に置き換わる以外は、図3(a)~図3(c)、図5(a)に示す工程と同様の処理が行われる。これにより、図20(a)に示すように、基板501の表面1aに積層基板SSB500が積層された構造が得られる。積層基板SSB500では、それぞれ薄化された基板2i~8iが順に積層される。
【0105】
図20(b)に示す工程では、基板501が積層基板SSB500から剥離される。例えば、基板501と積層基板SSB500との接合界面にレーザーが照射され、無機接着層5012が溶融されることなどにより、基板501が積層基板SSB500から剥離され得る。そして、積層基板SSB500は、+Z側と-Z側とが反転される。積層基板SSB500は、図5(b)に示す積層基板SSBに比べて、基板1が省略されている。
【0106】
図20(c)に示す工程では、基板2iの表面2aにおける各チップ領域22に再配線層22aが形成される。再配線層22aは、その-Z側に露出された電極が電極223(図2(a)参照)に電気的に接続される。このとき、基板2iの表面2aに電極223が露出されていなければ、電極223が露出されるまで表面2aが研磨された後に、再配線層22aが形成されてもよい。
【0107】
その後、図5(c)以降の工程が、第1の実施形態と同様に行われる。
【0108】
以上のように、第6の実施形態では、基板として絶縁基板(例えば、ガラス基板)を用いて積層基板SSB500を形成し、積層基板SSBがチップ領域間で積層方向に切断されて複数の積層体96へ個片化される。これによっても、個片化された積層体96を用いて半導体装置97のパッケージが構成され得る。
【0109】
なお、図21(a)~図22(c)に示すように、第6の実施形態に第4の実施形態を組み合わせてもよい。図21(a)~図22(c)は、半導体装置の製造方法を示す断面図である。
【0110】
図21(a)に示す工程では、図20(a)に示す工程と同様に基板501の表面1aに積層基板SSB500が積層された構造が得られた後、基板8iの裏面8biにおける各チップ領域82に再配線層82aを形成する。再配線層22aは、その-Z側に露出された電極が、形成前に裏面8biに露出されていた電極に電気的に接続される。
【0111】
図21(b)に示す工程では、基板1が基板501に置き換わる以外は、図10(a)に示す工程と同様の処理が行われる。
【0112】
図22(a)に示す工程では、基板1が基板501に置き換わる以外は、図10(b)に示す工程と同様の処理が行われる。これにより、積層基板SSB500の+Z側に封止体314が疑似的な基板として積層された積層基板SSB501が得られる。
【0113】
図22(b)に示す工程では、基板501が積層基板SSB501から剥離される。例えば、基板501と積層基板SSB501との接合界面にレーザーが照射され、無機接着層5012(図19参照)が溶融されることなどにより、基板501が積層基板SSB501から剥離され得る。そして、積層基板SSB501は、+Z側と-Z側とが反転される。積層基板SSB501は、図10(a)に示す積層基板SSB300に比べて、基板1iが省略されている。
【0114】
図22(c)に示す工程では、有機基板502を用意する。有機基板502は、積層基板SSB501における各基板2i~8iと同様の平面形状及び平面寸法で形成される。有機基板502は、ビルドアップ工法と同様にして、積層基板SSB501の-Z側に積層される。これにより、積層基板SSB501の-Z側に有機基板502が積層された積層基板SSB502が形成される。そして、有機基板502におけるチップ領域22に対応する領域に再配線層5022aを形成する。積層基板SSB502は、図10(a)に示す積層基板SSB300に比べると、基板1iに代えて有機基板502が積層されている。
【0115】
その後、図11(b)以降の工程が第4の実施形態と同様に行われる。
【0116】
このような方法によっても、積層体の上に小サイズのチップが混載された半導体装置319のパッケージを構成することができる。
【0117】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0118】
1~8,1i~8i,501 基板、96,196,316,416 積層体、97,197,297,319,419 半導体装置、SSB,SSB300,SSB400,SSB500,SSB501,SSB502 積層基板。
図1
図2
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