(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022014119
(43)【公開日】2022-01-19
(54)【発明の名称】ブラシレスモータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/08 20060101AFI20220112BHJP
H02K 11/33 20160101ALI20220112BHJP
H02K 29/08 20060101ALI20220112BHJP
【FI】
H02K5/08 A
H02K11/33
H02K29/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020116292
(22)【出願日】2020-07-06
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏
(72)【発明者】
【氏名】井▲原▼ 大貴
(72)【発明者】
【氏名】塩川 寿
(72)【発明者】
【氏名】天野 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】矢合 翔大
【テーマコード(参考)】
5H019
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H019AA08
5H019AA09
5H019BB01
5H019BB15
5H019BB18
5H019CC03
5H019FF03
5H605AA07
5H605BB05
5H605CC01
5H605CC03
5H605CC04
5H605EB01
5H605GG06
5H605GG18
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB07
5H611PP05
5H611QQ03
5H611TT01
5H611UA01
5H611UB02
(57)【要約】
【課題】部品の集約化、薄型化、小型化等が図れるブラシレスモータを提供する。
【解決手段】樹脂製のボディ10、ボディに埋設されたステータ30、ステータの極歯に対向して配置されると共に磁石を含むロータ40、ボディに固定されて所定の機能を果たす機能部材50、機能部材をボディに固定する金属製の固定部材を備え、固定部材は、ボディに埋設された基部61及び基部から突出して機能部材の挿通孔51に挿通される軸部62を有する軸部材60と、機能部材を押えるべく軸部材に結合される結合部材70を含む。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製のボディと、
前記ボディに埋設されたヨーク及びコイルを含むステータと、
前記ステータの極歯に対向して配置されると共に磁石を含むロータと、
前記ボディに固定されて所定の機能を果たす機能部材と、
前記機能部材を前記ボディに固定する金属製の固定部材と、を備え、
前記固定部材は、前記ボディに埋設された基部及び前記基部から突出して前記機能部材の挿通孔に挿通される軸部を有する軸部材と、前記機能部材を押えるべく前記軸部材に結合される結合部材を含む、
ことを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
前記ボディは、前記ステータに近接する領域において、前記基部を埋設する埋設部を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項3】
前記ボディは、前記ロータを通す円筒状の挿入孔を含み、
前記ステータは、前記挿入孔の周りにおいて前記ボディに埋設され、
前記埋設部は、前記挿入孔の周辺領域でかつ前記ロータの回転軸の軸線方向において前記ステータに近接する領域に配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載のブラシレスモータ。
【請求項4】
前記ステータに含まれるコイルへの通電を制御する制御回路が配設された回路基板を含み、
前記機能部材は、前記回路基板である、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のブラシレスモータ。
【請求項5】
前記ロータを回動自在に支持する支持部材を含み、
前記機能部材は、前記支持部材である、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載のブラシレスモータ。
【請求項6】
前記ロータを回動自在に支持する支持部材と、前記ボディに対して前記支持部材よりも外側に配置され前記ステータに含まれるコイルへの通電を制御する制御回路が配設された回路基板と、を含み、
前記機能部材は、前記支持部材である、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つに記載のブラシレスモータ。
【請求項7】
前記支持部材は、前記ロータの回転軸を支持する軸受を嵌め込む嵌合孔を含む、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のブラシレスモータ。
【請求項8】
前記回路基板は、前記ロータの回転位置を検出するべく実装された検出センサを含む、
ことを特徴とする請求項4又は6に記載のブラシレスモータ。
【請求項9】
前記軸部材は、前記基部において、前記軸部の回転を規制する回転規制部及び/又は前記ボディからの抜け落ちを規制する抜け規制部を含む、
ことを特徴とする請求項1ないし8いずれか一つに記載のブラシレスモータ。
【請求項10】
前記軸部材は、前記軸部において雄ネジを含み、
前記結合部材は、前記雄ネジに螺合される雌ネジを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一つに記載のブラシレスモータ。
【請求項11】
前記軸部材は、前記軸部においてカシメされる先端領域を含み、
前記結合部材は、前記軸部の先端領域のカシメにより押圧されて結合される、
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一つに記載のブラシレスモータ。
【請求項12】
前記結合部材は、前記軸部材の軸部に対して圧入されて結合される、
ことを特徴とする請求項1ないし9いずれか一つに記載のブラシレスモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブラシレスモータに関し、特に、樹脂製のボディに固定されて所定の機能を果たす回路基板等の機能部材を備えたブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のブラシレスモータとしては、ボディとしてのハウジングと、ハウジングに固定されたステータと、ハウジングに対して回転自在に支持された磁石を含むロータと、ハウジングの内側に固定された回路基板とを備えたブラシレスモータが知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
このブラシレスモータにおいて、ハウジングには雌ネジ穴を有するボス部が形成され、ネジが回路基板を通して雌ネジ穴に捩じ込まれることにより、回路基板がハウジングに固定されている。また、ハウジングにおいて押えノッチが突出して一体的に形成された場合は、押えノッチで回路基板が固定されている。
このように、ハウジングに対してボス部や押えノッチを設ける構造では、ロータの回転軸方向における外輪郭の寸法が大きくなり、小型化が困難である。
【0004】
他のブラシレスモータとしては、ボディとしてのモールド体と、モールド体の内側において回転自在に支持されたロータと、ロータの周りにおいてモールド体に埋設されたステータと、モールド体に固定された回路基板と、回路基板を覆うべくモールド体に固定されたカバーを備え、電動ポンプの駆動源として使用されるものが知られている(例えば、特許文献2)。
【0005】
このブラシレスモータにおいて、モールド体には、ステータよりも径方向の外側において雌ネジ穴が設けられ、ネジが回路基板を通して雌ネジ穴に捩じ込まれることにより、回路基板がモールド体に固定されている。
このように、モールド体に雌ネジ穴を設ける構造では、ステータから外れた径方向の外側に雌ネジ穴が配置されるため、径方向における外輪郭の大型化を招く。
【0006】
さらに他のブラシレスモータとしては、ボディとしてのセンターピースと、センターピースに設けられた回転軸に回動自在に支持されたロータと、ロータの内側においてセンターピースに固定されたステータと、センターピースに固定されたコネクタ部材と、センターピースと平行に配置されて固定された回路基板と、回路基板を覆うべくセンターピースに固定されたカバーとしての回路ケースとを備えたブラシレスモータが知られている(例えば、特許文献3)。
【0007】
このブラシレスモータにおいて、センターピース又はコネクタ部材に雌ネジ穴が設けられ、ネジが回路基板を通して雌ネジ穴に捩じ込まれることにより、回路基板がセンターピース又はコネクタ部材に固定されている。
このように、センターピース又はコネクタ部材に雌ネジ穴を設ける構造では、ロータ及びステータから外れた径方向の外側に雌ネジ穴が配置されるため、径方向における外輪郭の大型化を招く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2596840号公報
【特許文献2】特開2020-43726号公報
【特許文献3】特開2018-93607号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、上記従来技術の問題点に鑑み、部品の集約化、薄型化、小型化等が図れるブラシレスモータを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のブラシレスモータは、樹脂製のボディと、ボディに埋設されたヨーク及びコイルを含むステータと、ステータの極歯に対向して配置されると共に磁石を含むロータと、ボディに固定されて所定の機能を果たす機能部材と、機能部材をボディに固定する金属製の固定部材とを備え、固定部材は、ボディに埋設された基部及び基部から突出して機能部材の挿通孔に挿通される軸部を有する軸部材と、機能部材を押えるべく軸部材に結合される結合部材を含む、構成となっている。
【0011】
上記ブラシレスモータにおいて、ボディは、ステータに近接する領域において、基部を埋設する埋設部を含む、構成を採用してもよい。
【0012】
上記ブラシレスモータにおいて、ボディは、ロータを通す円筒状の挿入孔を含み、ステータは、挿入孔の周りにおいてボディに埋設され、基部を埋設する埋設部は、挿入孔の周辺領域でかつロータの回転軸の軸線方向においてステータに近接する領域に配置されている、構成を採用してもよい。
【0013】
上記ブラシレスモータにおいて、ステータに含まれるコイルへの通電を制御する制御回路が配設された回路基板を含み、機能部材は回路基板である、構成を採用してもよい。
【0014】
上記ブラシレスモータにおいて、ロータを回動自在に支持する支持部材を含み、機能部材は支持部材である、構成を採用してもよい。
【0015】
上記ブラシレスモータにおいて、ロータを回動自在に支持する支持部材と、ボディに対して支持部材よりも外側に配置されステータに含まれるコイルへの通電を制御する制御回路が配設された回路基板を含み、機能部材は支持部材である、構成を採用してもよい。
【0016】
上記ブラシレスモータにおいて、支持部材は、ロータの回転軸を支持する軸受を嵌め込む嵌合孔を含む、構成を採用してもよい。
【0017】
上記ブラシレスモータにおいて、回路基板は、ロータの回転位置を検出するべく実装された検出センサを含む、構成を採用してもよい。
【0018】
上記ブラシレスモータにおいて、軸部材は、基部において、軸部の回転を規制する回転規制部及び/又はボディからの抜け落ちを規制する抜け規制部を含む、構成を採用してもよい。
【0019】
上記ブラシレスモータにおいて、軸部材は、軸部において雄ネジを含み、結合部材は、雄ネジに螺合される雌ネジを含む、構成を採用してもよい。
【0020】
上記ブラシレスモータにおいて、軸部材は、軸部においてカシメされる先端領域を含み、結合部材は、軸部の先端領域のカシメにより押圧されて結合される、構成を採用してもよい。
【0021】
上記ブラシレスモータにおいて、結合部材は、軸部材の軸部に対して圧入されて結合される、構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0022】
上記構成をなすブラシレスモータによれば、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明に係るブラシレスモータの第1実施形態を示す外観斜視図である。
【
図2】第1実施形態に係るブラシレスモータの分解斜視図である。
【
図3】第1実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディ、ロータ、回路基板、固定部材としての軸部材及び結合部材を示す分解斜視図である。
【
図4】第1実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに回路基板が固定された状態を示す斜視図である。
【
図5】第1実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに埋設されたステータ及び軸部材の関係を示す斜視断面図である。
【
図6】第1実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに固定された回路基板、回路基板に実装された検出センサ、ロータの関係を示す断面図である。
【
図7】第1実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに埋設される軸部材を示す斜視図である。
【
図8】第1実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに埋設された軸部材に対して回路基板が固定された状態を示す部分断面図である。
【
図9】本発明に係るブラシレスモータの第2実施形態を示す外観斜視図である。
【
図10】第2実施形態に係るブラシレスモータの分解斜視図である。
【
図11】第2実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディ、ロータ、ロータを支持する支持部材、固定部材としての軸部材及び結合部材を示す分解斜視図である。
【
図12】第2実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに支持部材が固定された状態を示す斜視図である。
【
図13】第2実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに埋設された軸部材、軸部材を介してボディに固定された支持部材、回路基板に実装された検出センサ、ロータの関係を示す断面図である。
【
図14】第2実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに埋設される軸部材を示す斜視図である。
【
図15】第1実施形態に係るブラシレスモータにおいて、ボディに埋設された軸部材に対して支持部材が固定された状態を示す部分断面図である。
【
図18】固定部材としての軸部材及び結合部材の結合構造の他の実施形態を示す断面図である。
【
図19】固定部材としての軸部材及び結合部材の結合構造のさらに他の実施形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
第1実施形態に係るブラシレスモータM1は、三相のDCブラシレスモータであり、
図1ないし
図8に示すように、ボディ10と、表カバー20と、裏カバー25と、ステータヨーク31,ボビン32,及びコイル33からなるステータ30と、軸線S回りに回動するロータ40と、機能部材としての回路基板50と、固定部材の一部をなす軸部材60と、固定部材の一部をなす結合部材70を備えている。
【0025】
ボディ10は、ステータ30及び軸部材60等を埋設するべく、樹脂材料を用いてモールド成型されたものであり、
図2及び
図3に示すように、筒状部11、挿入孔12、矩形部13、コネクタ部14、フランジ部15、フランジ部16を備えている。
【0026】
筒状部11は、挿入孔12を画定すると共に、挿入孔12の周りにおいて、環状のステータ30を埋設する埋設部11a、軸部材60を埋設する二つの埋設部11bを備えている。
埋設部11aは、ステータヨーク31の九つの極歯31aが挿入孔12の内周面に露出するように、又、コイル33に接続された三つの端子33aの先端領域が露出するように、ステータ30を埋設する。
二つの埋設部11bは、
図5に示すように、挿入孔12の周辺領域でかつ軸線S方向においてステータ30に近接する領域に、軸部材60の基部61をそれぞれ埋設する。
【0027】
挿入孔12は、軸線Sを中心とする円筒状に形成され、ロータ40を非接触にて回動自在に収容する。
矩形部13は、コネクタ部14に配置される端子14aの反対側を露出させるように埋設すると共に、軸部材60を埋設する二つの埋設部13aを備えている。
二つの埋設部13aは、軸部材60の基部61をそれぞれ埋設する。
コネクタ部14は、外部コネクタに接続される端子14aを収容する。
フランジ部15は、表カバー20を接合させて取り付ける領域であり、四つのネジ穴15aを備えている。
フランジ部16は、裏カバー25を接合させて取り付ける領域であり、三つのネジ穴16aを備えている。
【0028】
表カバー20は、金属板等を用いて金型によりプレス成形されており、ロータ40の回転軸41を回動自在に支持する軸受B1を嵌め込む嵌合凹部20a、ボディ10のネジ穴15aに捩じ込むネジb1を通す四つの円孔20bを備えている。
そして、表カバー20は、
図6に示すように、回路基板50がボディ10に固定された状態で、回路基板50を覆うようにフランジ部15に接合されて、ネジb1によりボディ10に取り付けられ、軸受B1を介して回転軸41を回動自在に支持する。
【0029】
裏カバー25は、金属板等を用いて金型によりプレス成形されており、
図6に示すように、ロータ40の回転軸41を回動自在に支持する軸受B2を嵌め込む嵌合孔25a、ボディ10のネジ穴16aに捩じ込むネジb2を通す三つの円孔25bを備えている。
そして、裏カバー25は、ネジb2によりボディ10に取り付けられ、回転軸41の端部を突出させると共に軸受B2を介して回転軸41を回動自在に支持する。
【0030】
ステータ30は、
図5及び
図6に示すように、ステータヨーク31、ボビン32、コイル33を備えている。
ステータヨーク31は、磁性材料からなる鋼板を用いてプレス成形した後に積層した積層体として形成され、環状部から中心(軸線S)に向けて突出した九つの極歯31aを備えている。
極歯31aは、その端面が挿入孔12の内周面の一部を画定する円弧面に形成されて、ロータ40の外周面に対向するように配置される。
【0031】
ボビン32は、電気的絶縁性を有する樹脂材料を用いて二分割構造に形成され、軸線S方向においてステータヨーク31を挟み込むように組み込まれている。
コイル33は、九つの極歯31aを囲繞するボビン32の周りにそれぞれ巻回されており、三つの端子33aに接続されている。
すなわち、ステータヨーク31にボビン32が組み込まれ、コイル33がボビン32に巻回されることで、ステータ30が形成される。その後、ステータ30は、ボディ10の筒状部11に埋設される。
【0032】
ロータ40は、回転軸41、回転軸41に固定された円筒状のロータコア42、ロータコア42に嵌め込まれた六つの永久磁石43、回転軸41に固定されて検出センサ54と対向する被検出部44を備えている。
【0033】
回転軸41は、軸線Sを中心とする円柱状に形成され、軸受B1,B2を介して、表カバー20及び裏カバー25により回動自在に支持されている。
ロータコア42は、磁性材料を用いて円筒状に形成され、六つの永久磁石43を保持すると共に回転軸41に固定されている。
【0034】
六つの永久磁石43は、略矩形の平板状に形成され、それぞれロータコア41の径方向においてN極及びS極が対向するように配置され、又、軸線S回りの周方向において等間隔でかつ外側を向く極が交互に入れ替わるように配置されている。
被検出部44は、軸線S回りにおいて六つのN極及びS極が交互に入れ替わるように配列された永久磁石を備え、回路基板50に設けられた検出センサ54(三つのホール素子)と軸線S方向において対向するように配置される。
【0035】
回路基板50は、駆動制御をなすべく機能を果たす機能部材であり、
図3及び
図4に示すように、略矩形の平板状に形成されて、四つの挿通孔51、円弧状切欠部52、端子を接続する複数の接続孔53を備えている。
また、回路基板50には、配線がプリントされると共に、表カバー20と対向する外側面において制御回路を構成する種々の電子部品(不図示)が実装され、ボディ10と対向する内側面において、
図6に示すように、検出センサ54が実装されている。
挿通孔51は、軸部材60の軸部62が通される円孔として形成されている。
検出センサ54は、回路基板50の内側面でかつ円弧状切欠部52の近傍において、軸線Sを中心とする弧状に配列された三つのホール素子からなる。
【0036】
そして、回路基板50が、軸部材60及び結合部材70によりボディ10に締結固定された状態において、検出センサ54は、ロータ40の被検出部44に対して、軸線S方向に所定の隙間をおいて対向するように配置される。
この状態において、検出センサ54は、ロータ40の回転方向における磁極位置、すなわち、ロータ40の回転位置を検出するようになっている。
【0037】
軸部材60は、金属材料を用いて、
図7及び
図8に示すように、基部61、基部61から突出する軸部62を備えた雄ネジ部材として形成されている。
基部61は、ボディ10の埋設部11b,13aに埋設される部分であり、円盤状に形成されると共に、環状端面61a、外周面において環状溝61bを備えている。
環状端面61aは、軸線S方向において、埋設部11b,13aの表面と面一になるように配置されて、回路基板50を受ける役割をなす。
環状溝61bは、モールド成型の際に、その領域にボディ10を形成する樹脂材料が充填されることで、ボディ10から軸部材60が抜け落ちるのを規制する抜け規制部として機能する。
軸部62は、基部61の外径よりも小さくかつ挿通孔51に通される外径をなし、基部61から軸線Sと平行に突出する円柱状に形成され、外周面において結合部材70の雌ネジ70aと螺合される雄ネジ62aを備えている。
【0038】
そして、二つの軸部材60は、
図5に示すように、ボディ10の挿入孔12の周辺領域で、かつ、ロータ40の回転軸41の軸線S方向においてステータ30に近接する領域に位置する埋設部11bに、基部61が埋設されることにより、ボディ10に固定されている。
他の二つの軸部材60は、
図3及び
図5に示すように、平板部13の埋設部13aに、基部61が埋設されている。
ここで、埋設部11bに埋設された二つの軸部材60及び埋設部13aに埋設された二つの軸部材60は、全ての環状端面61aが軸線Sに垂直な平面上に面一に配置されている。
【0039】
結合部材70は、金属材料を用いて、
図3及び
図8に示すように、軸部材60の雄ネジ62aに螺合される雌ネジ70aを備えたナットとして形成されている。
結合部材70は、ボディ10に埋設された軸部材60の軸部62が回路基板50の挿通孔51に通されて、回路基板50がボディ10に接合された後に、軸部62の雄ネジ62aに捩じ込まれることにより、軸部材60と協働して回路基板50をボディ10に対して締結固定する。
【0040】
上記のように、ステータ30に近接する領域において、二つの軸部材60の基部61が二つの埋設部11bにそれぞれ埋設されるため、従来のような比較的に長い雌ネジ穴をボディに設けて外側からネジで固定する場合に比べて、軸線S方向において回路基板50をボディ10に近づけて配置することができ、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0041】
仮に、ステータ30に近接する領域において、従来のようなネジ穴を確保する構成では、軸線S方向においてボス部の高さが高くなり、軸線S方向におけるボディの大型化を招くことになる。
これに対処するべく、軸部材60の基部61が埋設されることで、ステータ30が埋設された領域に近接する領域であっても、
図1に示すようなボディ10の高さ寸法Tを小さくでき、軸部材60を堅固にボディ10に固定することができる。
また、軸部材60が、ステータ30が埋設された領域よりも径方向外側ではなく軸線S方向においてステータ30と対向する領域に埋設されるため、
図1に示すようなボディ10の幅寸法Wを小さくでき、全体として小型化を達成することができる。
【0042】
次に、ブラシレスモータM1の組み付けについて説明する。
先ず、ステータ30、端子33a、端子14a、軸部材60等が一体的にモールドされたボディ10と、表カバー20と、裏カバー25と、軸受B1,B2と、ロータ40と、回路基板50と、結合部材70が準備される。
続いて、表カバー20の嵌合凹部20aに軸受B1が嵌め込まれ、裏カバー25の嵌合孔25aに軸受B2が嵌め込まれる。
続いて、裏カバー25が、ネジb2によりボディ10に組み付けられる。
続いて、ロータ40が、ボディ10の挿入孔12に挿入されて、回転軸41の一端部が軸受B2を介して裏カバー25に組み付けられる。
【0043】
続いて、回路基板50が、ボディ10に近づけられて挿通孔51に軸部材60の軸部62が通され、回路基板50が軸部材60の環状端面61aに当接される。また、回路基板50の接続孔53にボディ10側の端子14a,33aが接続される。
そして、結合部材70が、回路基板70を挟み込むように軸部62の雄ネジ62aに捩じ込まれて結合される。
【0044】
続いて、表カバー20が、回路基板50の外側からボディ10に近づけられて、軸受B1に回転軸41の他端部が嵌め込まれると共に、ボディ10のフランジ部15に接合され、ネジb1により、表カバー20がボディ10に組み付けられる。
これにより、ブラシレスモータM1の組み付けが完了する。尚、組み付け手法は、上記の手順に限るものではなく、軸受B1,B2は予め回転軸41にそれぞれ組み付けられていてもよく、その他の手法を採用してもよい。
【0045】
上記構成をなすブラシレスモータM1によれば、回路基板50が、ボディ10に埋設された軸部材60と軸部材60の軸部62に螺合される結合部材70により固定されるため、軸線S方向において回路基板50をロータ40の被検出部44に近づけて配置することができる。これにより、軸線S方向におけるロータ40の小型化を達成しつつ、回路基板50に実装された検出センサ54と被検出部44との間の隙間を、検出に必要とされる所定の隙間に設定することができる。
すなわち、第1実施形態に係るブラシレスモータM1によれば、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0046】
図9ないし
図15は、本発明に係るブラシレスモータの第2実施形態を示すものであり、前述の第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態に係るブラシレスモータM2は、三相のDCブラシレスモータであり、ボディ100、機能部材としての支持部材110、表カバー120、ステータ30、ロータ40、回路基板150、固定部材としての軸部材160及び結合部材70を備えている。
【0047】
ボディ100は、ステータ30及び軸部材160等を埋設するべく、樹脂材料を用いてモールド成型されたものであり、筒状部101、挿入孔102、矩形部103、コネクタ部104、フランジ部105、環状ホルダ106、フランジ部107を備えている。
【0048】
筒状部101は、挿入孔102の周りにおいて、環状のステータ30を埋設する埋設部101a、軸部材160を埋設する二つの埋設部101b、環状端面101c、二つのボス部101dを備えている。
埋設部101aは、九つの極歯31aが挿入孔102の内周面に露出するように、又、コイル33に接続された三つの端子33aの先端領域が露出するように、ステータ30を埋設する。
二つの埋設部101bは、挿入孔102の周辺領域でかつ軸線S方向においてステータ30に近接する領域に、軸部材160の基部161をそれぞれ埋設する。
環状端面101cは、軸線Sに垂直な平坦面として形成され、支持部材110の鍔部112を受ける。
二つのボス部101dは、環状端面101cに重なる領域において軸線S方向に突出するように形成され、回路基板150を固定するネジb3を捩じ込むネジ穴101d1を備えている。
【0049】
挿入孔102は、軸線Sを中心とする円筒状に形成され、ロータ40を非接触にて回動自在に収容する。
矩形部103は、コネクタ部104に配置される端子104aの反対側を露出させるように埋設すると共に、二つのボス部103aを備えている。
二つのボス部103aは、軸線S方向に突出するように形成され、回路基板150を固定するネジb3を捩じ込むネジ穴103a
1を備えている。
コネクタ部104は、外部コネクタに接続される端子104aを収容する。
フランジ部105は、表カバー120を接合させて取り付ける領域であり、四つのネジ穴105aを備えている。
環状ホルダ106は、
図13に示すように、フランジ部107側の壁部に埋設されており、ロータ40の回転軸41の端部を回動自在に支持する軸受B3を嵌合させて固定する嵌合孔106aを備えている。
フランジ部107は、減速装置等の別の装置を接合させて取り付ける領域であり、四つのネジ穴(不図示)を備えている。
【0050】
支持部材110は、ロータ40を回動自在に支持する機能を果たす機能部材であり、金属材料を用いて形成されており、
図11及び
図13に示すように、挿入孔12に嵌め込まれる筒状部111、筒状部111から径方向に拡がる鍔部112、鍔部112に形成された二つの挿通孔113を備えている。
筒状部111は、その内側において、ロータ40の回転軸41を回動自在に支持する軸受B4を嵌合させる嵌合孔111aを備えている。
そして、支持部材110は、軸部材160及び結合部材70により、ボディ100に締結固定された状態で、軸受B4を介してロータ40を回動自在に支持する
【0051】
表カバー120は、樹脂材料を用いて成形されており、ボディ100のネジ穴105aに捩じ込むネジb4を通す四つの円孔121を備えている。
そして、表カバー120は、支持部材110及び回路基板150がボディ100に固定された状態で、回路基板150を覆うようにフランジ部105に接合されて、ネジb4によりボディ100に取り付けられる。
【0052】
回路基板150は、
図10及び
図13に示すように、略矩形の平板状に形成され、4つの円孔151、軸線S上に位置する円孔152、端子を接続する複数の接続孔153を備えている。
また、回路基板50には、配線がプリントされると共に、
図13に示すように、ボディ100と対向する内側面において制御回路を構成する種々の電子部品及び検出センサ54が実装されている。
円孔152は、回転軸41の端部を露出させるように形成されている。
検出センサ54は、回路基板150の内側面でかつ円孔152の周縁近傍において、軸線Sを中心とする弧状に配列された三つのホール素子からなる。
【0053】
そして、回路基板150が、ネジb3によりボディ100に固定された状態で、検出センサ54は、ロータ40の被検出部44に対して、軸線S方向に所定の隙間をおいて対向するように配置される。
この状態において、検出センサ54は、ロータ40の回転方向における磁極位置、すなわち、ロータ40の回転位置を検出するようになっている。
【0054】
軸部材160は、金属材料を用いて、
図14及び
図15に示すように、基部161、基部161から突出する軸部162を備えた雄ネジ部材として形成されている。
基部161は、ボディ100の埋設部101bに埋設される部分であり、矩形盤部161a、矩形盤部161aよりも小さい円盤部161b、環状端面161cを備えている。
環状端面161cは、軸線S方向において、埋設部101bの表面である環状端面101cと面一になるように配置されて、支持部材110の鍔部112を受ける役割をなす。
【0055】
矩形盤部161aは、モールド成型の際に、その領域にボディ100を形成する樹脂材料が充填されることで、ボディ100から軸部材160が抜け落ちるのを規制する抜け規制部として機能すると共に軸部162の回転を規制する回転規制部としても機能する。
軸部162は、円盤部161bの外径よりも小さくかつ挿通孔113に通される外径をなし、基部161から軸線Sと平行に突出する円柱状に形成され、外周面において結合部材70の雌ネジ70aと螺合される雄ネジ162a、結合部材70の締め込みを規制するストッパ162bを備えている。
【0056】
ここで、二つの軸部材160は、
図11及び
図13に示すように、ボディ100の挿入孔102の周辺領域で、かつ、ロータ40の回転軸41の軸線S方向においてステータ30に近接する領域に位置する埋設部101bに、基部161が埋設されることにより、ボディ100に固定されている。
【0057】
そして、軸部材160の軸部162が、支持部材110の挿通孔113に通されて、支持部材110がボディ100に接合された後に、軸部162の雄ネジ162aに結合部材70が捩じ込まれることにより、軸部材160が、結合部材70と協働して支持部材110をボディ100に対して締結固定する。
【0058】
上記のように、ステータ30に近接する領域において、二つの軸部材160の基部161が二つの埋設部101bにそれぞれ埋設されるため、従来のような比較的に長い雌ネジ穴をボディに設けて外側からネジで固定する場合に比べて、軸線S方向において支持部材110をボディ100に近づけて配置することができ、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0059】
仮に、ステータ30に近接する領域において、従来のようなネジ穴を確保する構成では、軸線S方向においてボス部の高さが高くなり、軸線S方向におけるボディの大型化を招くことになる。
これに対処するべく、軸部材160の基部161が埋設されることで、ステータ30が埋設された領域に近接する領域であっても、
図9に示すようなボディ100の高さ寸法Tを小さくでき、軸部材160を堅固にボディ100に固定することができる。
また、軸部材160が、ステータ30が埋設された領域よりも径方向外側ではなく軸線S方向においてステータ30と対向する領域に埋設されるため、
図9に示すようなボディ100の幅寸法Wを小さくでき、全体として小型化を達成することができる。
【0060】
次に、ブラシレスモータM2の組み付けについて説明する。
先ず、ステータ30、端子33a、端子104a、環状ホルダ106、軸部材160等が一体的にモールドされたボディ100と、表カバー120と、軸受B3,B4と、ロータ40と、回路基板150と、結合部材70が準備される。
続いて、ロータ40の回転軸41の両側に軸受B3,B4が固定される。
続いて、ロータ40が、ボディ100の挿入孔102に挿入されて、回転軸41の一端部が軸受B3を介してボディ100の環状ホルダ106の嵌合孔106aに組み付けられる。
【0061】
続いて、支持部材110が、ボディ100に近づけられて挿入孔102に嵌合されると共に嵌合孔111aに軸受B4が嵌め込まれ、挿通孔113に軸部材160の軸部162が通され、鍔部112が環状端面101cに接合されると共に軸部材160の環状端面161cに当接される。
そして、結合部材70が、支持部材110を挟み込むように軸部162の雄ネジ162aに捩じ込まれて結合される。
これにより、支持部材110は、軸受B4を介してロータ40の回転軸41の他端部を回動自在に支持する。
【0062】
続いて、回路基板150が、ボディ100に近づけられてボス部101d,103aに当接される。また、回路基板150の接続孔153にボディ100側の端子104a,33aが接続される。
そして、回路基板150は、ネジb3が円孔151を通してネジ穴101d1,103a1に捩じ込まれることにより、ボディ100に固定される。
【0063】
続いて、表カバー120が、回路基板150の外側からボディ100に近づけられて、ボディ100のフランジ部105に接合され、ネジb4が円孔121を通してネジ穴105aに捩じ込まれることによりボディ100に組み付けられる。
これにより、ブラシレスモータM2の組み付けが完了する。尚、組み付け手法は、上記の手順に限るものではなく、その他の手法を採用してもよい。
【0064】
上記構成をなすブラシレスモータM2によれば、支持部材110がボディ100に埋設された軸部材160と軸部材160の軸部162に螺合される結合部材70により固定されるため、軸線S方向において支持部材110をステータ30に近づけて配置することができる。また、軸線S方向において回路基板150をロータ40の被検出部44に近づけて配置することができる。
これにより、軸線S方向における部品の集約化、ロータ40の小型化を達成しつつ、回路基板150に実装された検出センサ54と被検出部44との間の隙間を、検出に必要とされる所定の隙間に設定することができる。
すなわち、第2実施形態に係るブラシレスモータM2によれば、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0065】
図16は、第1実施形態及び第2実施形態に適用され得る軸部材の変形例を示すものである。
この変形例に係る軸部材260は、基部261、基部261から突出する軸部262を備えた雄ネジ部材として形成されている。
基部261は、ボディ10,100の埋設部11b,13a,101bに埋設される部分であり、円盤部261a、円盤部261aの周りに形成された複数の弧状凸部261b、環状端面261cを備えている。
弧状凸部261bは、モールド成型の際に、その領域にボディ100を形成する樹脂材料が充填されることで、ボディ10,100から軸部材260が抜け落ちるのを規制する抜け規制部として機能すると共に軸部262の回転を規制する回転規制部としても機能する。
環状端面261cは、軸線S方向において、埋設部11b,13a,101bの表面と面一になるように配置されて、回路基板50又は支持部材110の鍔部112を受ける役割をなす。
軸部262は、円盤部261aの外径よりも小さくかつ挿通孔51,113に通される外径をなし、基部261から軸線Sと平行に突出する円柱状に形成され、外周面において結合部材70の雌ネジ70aと螺合される雄ネジ262a、結合部材70の締め込みを規制するストッパ262bを備えている。
【0066】
上記軸部材260及び結合部材70を固定部材として適用した場合でも、前述同様に、ブラシレスモータM1,M2において、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0067】
図17は、第1実施形態及び第2実施形態に適用され得る軸部材の他の変形例を示すものである。
この変形例に係る軸部材360は、基部361、基部361から突出する軸部362を備えた雄ネジ部材として形成されている。
基部361は、ボディ10,100の埋設部11b,13a,101bに埋設される部分であり、矩形盤部361a、矩形盤部361aの周縁に形成された環状面取り部361b、環状端面361cを備えている。
矩形盤部361a及び環状面取り部361bは、モールド成型の際に、その領域にボディ100を形成する樹脂材料が充填されることで、ボディ10,100から軸部材360が抜け落ちるのを規制する抜け規制部として機能し、又、矩形盤部361aは、軸部362の回転を規制する回転規制部としても機能する。
環状端面361cは、軸線S方向において、埋設部11b,13a,101bの表面と面一になるように配置されて、回路基板50又は支持部材110の鍔部112を受ける役割をなす。
軸部362は、基部361の外輪郭よりも小さくかつ挿通孔51,113に通される外径をなし、基部361から軸線Sと平行に突出する円柱状に形成され、外周面において結合部材70の雌ネジ70aと螺合される雄ネジ362a、結合部材70の締め込みを規制するストッパ362bを備えている。
【0068】
上記軸部材360及び結合部材70を固定部材として適用した場合でも、前述同様に、ブラシレスモータM1,M2において、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0069】
図18は、固定部材を構成する軸部材と結合部材との結合構造をカシメ構造に変更した他の実施形態を示すものである。この実施形態においては、固定部材は、軸部材460と、結合部材170により構成される。
【0070】
軸部材460は、金属材料を用いて、基部461、基部461から突出する軸部462を備えている。
基部461は、ボディ10,100の埋設部11b,13a,101bに埋設される部分であり、円盤状に形成されると共に、環状端面461a、外周面において環状溝461bを備えている。
環状端面461aは、軸線S方向において、埋設部11b,13a,101bの表面と面一になるように配置されて、回路基板50又は支持部材110を受ける役割をなす。
環状溝461bは、モールド成型の際に、その領域にボディ10,100を形成する樹脂材料が充填されることで、ボディ10,100から軸部材460が抜け落ちるのを規制する抜け規制部として機能する。
軸部462は、基部461の外径よりも小さくかつ挿通孔51,113に通される外径をなし、基部461から軸線Sと平行に突出すると共に先端領域462a、結合部材17の過度の移動を規制するストッパ462bを備えている。
先端領域462aは、円筒状に形成され、外側に拡開してカシメ処理が施されるようになっている。
【0071】
結合部材170は、金属材料を用いて、軸部材460の軸部462が通される円孔171を備えた環状部材として形成されている。
結合部材170は、ボディ10,100に埋設された軸部材460の軸部462が挿通孔51,113に通されて、回路基板50又は支持部材110がボディ10,100に接合された後に軸部462に嵌め込まれて、軸部462の先端領域462aがカシメされて結合されることにより、軸部材460と協働して回路基板50又は支持部材110をボディ10,100に対して固定する。
【0072】
上記軸部材460及び結合部材170を固定部材として適用した場合でも、前述同様に、ブラシレスモータM1,M2において、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0073】
図19は、固定部材を構成する軸部材と結合部材との結合構造を圧入構造に変更したさらに他の実施形態を示すものである。この実施形態においては、固定部材は、軸部材560と、結合部材270により構成される。
【0074】
軸部材560は、金属材料を用いて、基部561、基部561から突出する軸部562を備えている。
基部561は、ボディ10,100の埋設部11b,13a,101bに埋設される部分であり、円盤状に形成されると共に、環状端面561a、外周面において環状溝561bを備えている。
環状端面561aは、前述の環状端面461aと同じ役割をなす。
環状溝561bは、前述の環状溝461bと同じ役割をなす。
軸部562は、基部561の外径よりも小さくかつ挿通孔51,113に通される外径をなし、基部561から軸線Sと平行に突出する円柱状に形成され、結合部材270の過度の移動を規制するストッパ562bを備えている。
【0075】
結合部材270は、金属材料を用いて、軸部材560の軸部562が圧入されるべく、軸部562の外径よりの僅かに小さい内径の圧入孔271を備えた環状部材として形成されている。
結合部材270は、ボディ10,100に埋設された軸部材560の軸部562が挿通孔51,113に通されて、回路基板50又は支持部材110がボディ10,100に接合された後に軸部562に圧入されて結合されることにより、軸部材560と協働して回路基板50又は支持部材110をボディ10,100に対して固定する。
【0076】
上記軸部材560及び結合部材270を固定部材として適用した場合でも、前述同様に、ブラシレスモータM1,M2において、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができる。
【0077】
上記実施形態においては、固定部材を用いてボディ10,100に固定されて所定の機能を果たす機能部材として、回路基板50、支持部材110を適用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、ブラシレスモータを構成する部品であれば、その他の部品を固定部材により固定する機能部材として適用してもよい。
【0078】
上記実施形態においては、固定部材としての軸部材60,160,260,360,460,560を埋設する埋設部として、ステータ30に近接する領域に設けられた埋設部11b,101bを採用した場合を示したが、これに限定されるものではなく、その他の領域において、他部品との配置関係で制約を受ける領域において埋設部を設けてもよい。
【0079】
以上述べたように、本発明のブラシレスモータは、部品の集約化、薄型化、小型化等を達成することができるため、種々の装置の駆動源として適用できるのは勿論のこと、特に設置場所が制約される装置の駆動源として有用である。
【符号の説明】
【0080】
10,100 ボディ
12,102 挿入孔
11b,101b 埋設部
30 ステータ
31 ステータヨーク
31a 極歯
33 コイル
40 ロータ
41 回転軸
43 永久磁石
S 回転軸の軸線
50 回路基板(機能部材)
51 挿通孔
54 検出センサ
60 軸部材(固定部材)
61 基部
61b 環状溝(抜け規制部)
62 軸部
62a 雄ネジ
70,170,270 結合部材(固定部材)
70a 雌ネジ
110 支持部材(機能部材)
111a 嵌合孔
B4 軸受
113 挿通孔
160 軸部材
161 基部
161a 矩形盤部(抜け規制部、回転規制部)
161b
162 軸部
162a 雄ネジ
260 軸部材(固定部材)
261 基部
261b 弧状凸部(抜け規制部、回転規制部)
262 軸部
262a 雄ネジ
360 軸部材(固定部材)
361 基部
361a 矩形盤部(抜け規制部、回転規制部)
361b 環状面取り部(抜け規制部)
362 軸部
362a 雄ネジ
460 軸部材(固定部材)
461 基部
461b 環状溝(抜け規制部)
462 軸部
462a 先端領域
560 軸部材(固定部材)
561 基部
561b 環状溝(抜け規制部)
562 軸部