IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 井村屋グループ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-葛ねりの製造方法 図1
  • 特開-葛ねりの製造方法 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141194
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】葛ねりの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 7/10 20160101AFI20220921BHJP
   A23L 29/281 20160101ALI20220921BHJP
   A23L 29/20 20160101ALI20220921BHJP
【FI】
A23L7/10 Z
A23L29/281
A23L29/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041399
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】390014904
【氏名又は名称】井村屋グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079050
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 憲秋
(74)【代理人】
【識別番号】100201879
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 大輝
(72)【発明者】
【氏名】花井 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】松崎 秀央
(72)【発明者】
【氏名】荻原 佳典
(72)【発明者】
【氏名】三浦 智宏
【テーマコード(参考)】
4B023
4B041
【Fターム(参考)】
4B023LC05
4B023LE30
4B023LG10
4B023LK07
4B023LK08
4B023LK10
4B023LL02
4B023LP07
4B041LC03
4B041LD01
4B041LH02
4B041LH13
4B041LK11
4B041LP01
4B041LP13
(57)【要約】
【課題】葛粉を主原料としながら、切断工程を要することなく小分けされた葛ねりの大量生産に適した葛ねりの製造方法を提供する。
【解決手段】切断工程を要することなく小分けされた葛ねりを大量生産するための葛ねりの製造方法であって、葛粉を含む複数種類のデンプン類と、ゼラチンと、糖類と、液体材料とを含む原材料を加熱混練装置に導入して加熱しながら混練してペースト状の混練材料を得る加熱混練工程と、混練材料を成型容器に充填して材料充填物を得る充填工程と、材料充填物を急速冷凍して冷凍葛ねりを得る急冷工程とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断工程を要することなく小分けされた葛ねりを大量生産するための葛ねりの製造方法であって、
葛粉を含む複数種類のデンプン類と、ゼラチンと、糖類と、液体材料とを含む原材料を加熱混練装置に導入して加熱しながら混練してペースト状の混練材料を得る加熱混練工程と、
前記混練材料を成型容器に充填して材料充填物を得る充填工程と、
前記材料充填物を急速冷凍して冷凍葛ねりを得る急冷工程
とを備えることを特徴とする葛ねりの製造方法。
【請求項2】
前記原材料の配合割合が、デンプン類4.5~10.0重量%、ゼラチン1.0~3.0重量%、糖類20.0~40.0重量%、液体材料50.0~65.0重量%である請求項1に記載の葛ねりの製造方法。
【請求項3】
前記デンプン類が、葛粉の他に甘藷デンプン、わらび粉、加工デンプンのうち1又は複数を含む請求項1又は2に記載の葛ねりの製造方法。
【請求項4】
前記急冷工程の急速冷凍が、冷凍温度-35~-48℃、冷凍時間15~30分である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の葛ねりの製造方法。
【請求項5】
前記成型容器がシリコン製である請求項1ないし4のいずれか1項に記載の葛ねりの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、葛ねりの製造方法に関し、特に切断工程を要することなく小分けされた葛ねりを大量生産するための製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
葛粉を使用した和菓子では、葛もち、葛まんじゅう、葛ねり、葛きり等の葛菓子が知られている。特に、葛粉に砂糖や水等を加えて加熱混練した後に冷やし固めて得られる葛菓子は、粘弾性を備えた食品であり、弾力のある独特の食感や、透明で涼やかな外観等が好まれている。
【0003】
葛菓子に使用される葛粉は、高価であるとともに、劣化しやすく加工後の長期保存が困難であることから、手作業で製造されることが一般的である。そこで従来では、原料のデンプン類の物性に着目して、葛粉の代わりにエステル化および架橋化処理を施した化工タピオカ澱粉を主原料として使用することにより、大量生産や長期保存が可能な葛菓子様の食品を提供する等の工夫がなされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
ところで、葛粉には、配合する水の分量が少ないほど固く、多いほど柔らかく形成されるように、水の配合量に応じて固さを変化させることができる性質がある。そのため、配合する水の分量を調節することによって、葛切り、葛もち、葛ねり等、食感(固さ)等が異なる葛菓子が得られる。
【0005】
これらの葛菓子のうち、葛ねりは葛切りや葛もち等と比較して配合する水の分量が多いことで知られている。葛ねりの一般的な製造工程は、図2に示すように、まず鍋等の加熱容器に葛粉、砂糖、水等の原材料を導入し、加熱しながら混練してペースト状の材料が得られる(加熱混練工程)。次に、混練された材料をバット等の型に充填し(充填工程)、粗熱を取ってから冷蔵庫等にて冷却して固めた(冷却工程)後、型から取り出して所望する大きさに切り分けて(切断工程)、適宜包装される。
【0006】
従来の葛ねりの製造では、型に充填された混練材料を固める際に、一晩から二晩ほどの長時間の冷却が必要となることから、大量生産には不向きであり、手作りされるのが一般的であった。また、大量に製造する際には、大型のバット等を用いて大量に冷やし固められるが、できあがった葛ねりが柔らかいために型から取り出しにくかったり、取り出し時に崩れてしまったりする等、取り扱いが難しく、さらに取り出し後の切り分け作業も煩わしく、改善が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6-209712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、葛粉を主原料としながら、切断工程を要することなく小分けされた葛ねりの大量生産に適した葛ねりの製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、請求項1の発明は、切断工程を要することなく小分けされた葛ねりを大量生産するための葛ねりの製造方法であって、葛粉を含む複数種類のデンプン類と、ゼラチンと、糖類と、液体材料とを含む原材料を加熱混練装置に導入して加熱しながら混練してペースト状の混練材料を得る加熱混練工程と、前記混練材料を成型容器に充填して材料充填物を得る充填工程と、前記材料充填物を急速冷凍して冷凍葛ねりを得る急冷工程とを備えることを特徴とする葛ねりの製造方法に係る。
【0010】
請求項2の発明は、前記原材料の配合割合が、デンプン類4.5~10.0重量%、ゼラチン1.0~3.0重量%、糖類20.0~40.0重量%、液体材料50.0~65.0重量%である請求項1に記載の葛ねりの製造方法に係る。
【0011】
請求項3の発明は、前記デンプン類が、葛粉の他に甘藷デンプン、わらび粉、加工デンプンのうち1又は複数を含む請求項1又は2に記載の葛ねりの製造方法に係る。
【0012】
請求項4の発明は、前記急冷工程の急速冷凍が、冷凍温度-35~-48℃、冷凍時間15~30分である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の葛ねりの製造方法に係る。
【0013】
請求項5の発明は、前記成型容器がシリコン製である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の葛ねりの製造方法に係る。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明に係る葛ねりの製造方法によると、切断工程を要することなく小分けされた葛ねりを大量生産するための葛ねりの製造方法であって、葛粉を含む複数種類のデンプン類と、ゼラチンと、糖類と、液体材料とを含む原材料を加熱混練装置に導入して加熱しながら混練してペースト状の混練材料を得る加熱混練工程と、前記混練材料を成型容器に充填して材料充填物を得る充填工程と、前記材料充填物を急速冷凍して冷凍葛ねりを得る急冷工程とを備えるため、従来より製造に要する時間を大幅に短縮でき煩雑な作業も不要となって大量生産を好適に行うことが可能であるとともに、従来とそん色のない外観、食感、風味等を備えながら、冷凍可能かつ日持ちが向上した葛ねりが得られる。
【0015】
請求項2の発明に係る葛ねりの製造方法によると、請求項1において、前記原材料の配合割合が、デンプン類4.5~10.0重量%、ゼラチン1.0~3.0重量%、糖類20.0~40.0重量%、液体材料50.0~65.0重量%であるため、葛菓子に適した食感や味わいを得るとともに、製造適正を向上させることができる。
【0016】
請求項3の発明に係る葛ねりの製造方法によると、請求項1又は2において、前記デンプン類が、葛粉の他に甘藷デンプン、わらび粉、加工デンプンのうち1又は複数を含むため、日持ち、食感、冷凍耐性等の向上を図ることができる。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1ないし3において、前記急冷工程の急速冷凍が、冷凍温度-35~-48℃、冷凍時間15~30分であるため、品質を劣化させずに短時間で確実に冷凍(固化)させることができる。
【0018】
請求項5の発明に係る葛ねりの製造方法によると、請求項1ないし4において、前記成型容器がシリコン製であるため、耐熱性や耐寒性等の温度変化に強くて、非粘着性や柔軟性等を備えて取り扱いやすく、当該製造方法に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る葛ねりの製造方法の概略工程図である。
図2】従来の葛ねりの製造方法の概略工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示す本発明の一実施形態に係る葛ねりの製造方法は、切断工程を要することなく小分けされた葛ねりを大量生産するための製法であって、加熱混練工程と、充填工程と、急冷工程とを備える。
【0021】
加熱混練工程は、葛粉を含む複数種類のデンプン類と、ゼラチンと、糖類と、液体材料とを含む原材料を加熱混練装置に導入して加熱しながら混練してペースト状の混練材料を得る工程である。加熱混練装置は、原材料を加熱しながら混練する装置であって、例えば、蒸気を供給しながら加熱混練する公知の蒸練機等が好適に用いられる。加熱混練の条件は、混練材料が焦げ付かずに粘り気が出るように混練可能に適宜に設定されるものであり、例えば、加熱温度90~105℃、混練(回転)速度20~45rpm、加熱混練時間6~12分が好ましい。これらの条件に基づいて加熱混練することにより、混練材料に焦げ付きが発生しにくく、適度な粘性が得られる。
【0022】
デンプン類は、葛粉に他のデンプンを加えて本発明の製造方法に適した材料に調整したものであって、特に冷凍耐性が向上するように調整される。葛粉の他に加えるデンプンは、上記の目的に適したものであれば特に限定されないが、例えば甘藷デンプン、わらび粉、加工デンプンのうち1又は複数を含むことが好ましい。葛粉にこれらのデンプンを適宜加えた材料を用いることにより、日持ち、食感、冷凍耐性等の向上を図ることができる。
【0023】
ゼラチンは、製造された葛ねりの保形性と、喫食時の口どけのよさを両立させるために添加される材料である。このゼラチンは、市販品等の公知のゼラチンを使用することができる。ゼラチンの配合量は、原材料の全体量に対して1.0~3.0重量%程度添加することが好ましい。ゼラチンの配合量が少なすぎると十分な保形性が得られないおそれがあり、多すぎると固くなりすぎて口どけが悪くなるおそれがある。
【0024】
糖類は、味わい(甘味)の調整や、冷凍耐性、老化耐性等を向上させるために添加される材料である。糖類としては、砂糖、麦芽糖、トレハロース等の公知の甘味料を使用することができる。また、添加される糖類は1種類に限定されるものではなく、必要に応じて複数種類の糖類を添加してもよい。糖類の配合量は、所望する風味等に応じて適宜であるが、例えばデンプン類に対して4.5~5.5倍程度が葛菓子らしいすっきりとした甘さを感じさせて好ましい。糖類の配合量が少なすぎると冷凍耐性や老化耐性等が不十分となるおそれがあり、多すぎると甘くなりすぎて風味を損なうおそれがある。
【0025】
液体材料は、葛粉を含むデンプン類に添加する量に応じて葛ねりの固さ(食感)を調整するものである。液体材料は、水を主体とし、味付け等の必要に応じて生クリーム、濃縮乳等が適宜添加された液状の材料である。一般に、葛粉に対して水を約2倍の配合で添加したものが葛切り、約4倍の配合で添加したものが葛もちとされ、葛ねりは葛切りや葛もちよりも水の配合割合が多いものであり、約10倍の配合で添加される。そこで、葛粉と他のデンプンを含むデンプン類と、ゼラチンとが添加される原材料において、液体材料の配合量はデンプン類に対して7~12倍程度が好ましい。液体材料の配合量が少なすぎると固くなりすぎるおそれがあり、多すぎると柔らかくなりすぎるおそれがある。
【0026】
従って、本発明の葛ねりの製造方法では、口どけと保形性の両立を図って適度な甘味に調整する等の葛菓子に適した食感や味わいを得るとともに、冷凍耐性や老化耐性等の製造適正を向上させるために、原材料の配合割合が、デンプン類4.5~10.0重量%、ゼラチン1.0~3.0重量%、糖類20.0~40.0重量%、液体材料50.0~65.0重量%であることが好ましい。また、原材料には、必要に応じて抹茶粉末やココアパウダー等の適宜の添加材料を加えてもよい。
【0027】
充填工程は、混練材料を成型容器に充填して材料充填物を得る工程である。成型容器は、葛ねり1個分に相当する容量の容器であり、加熱混練工程で得られた混練材料の全量に対応する数量が用意される。成型容器は、形状等は特に限定されないが、加熱混練された混練材料が充填されることから、温度変化に強い材料で構成されていることが要求される。そこで、成型容器は、シリコン製であることが好ましい。シリコン製の容器は耐熱性や耐寒性等の温度変化に強い性質を有し、非粘着性や柔軟性等を備えているため、取り扱いやすく本発明の製造方法に好適である。
【0028】
急冷工程は、材料充填物を急速冷凍して冷凍葛ねりを得る工程である。この急冷工程により、従来の冷却時間(一晩から二晩)を大幅に短縮することができる。急速冷凍の条件としては、品質を劣化させずに短時間で確実に冷凍(固化)させることができる温度及び時間であればよく、例えば、冷凍温度-35~-48℃、冷凍時間15~30分が好ましい。冷却温度が高すぎたり、冷却時間が短すぎたりすると、冷却が不十分となるおそれがある。冷却温度が低すぎたり、冷却時間が長すぎたりする場合は、必要以上の冷却となってコスト面で好ましくない。
【0029】
この急冷工程では、原材料に葛粉の他にデンプンが含まれ、かつ、適量の糖類が添加されて冷凍耐性が高められているため、比較的水分量が多い混練材料の品質を損なうことなく冷凍することができる。また、成型容器としてシリコン製の容器を用いることにより、充填工程の後に続けて急冷工程を行う急激な温度変化にも対応できて、製造効率が向上する。
【0030】
急冷工程により得られた冷凍葛ねりは、冷凍状態のまま成型容器から取り出される。この冷凍葛ねりは、1個分の容量であるため、成型容器から取り出された後は、切り分け(切断工程)をすることなくそのまま包装することができる。また、成型容器がシリコン製である場合、非粘着性や柔軟性を備えていることから、冷凍葛ねりの取り出しが容易である。なお、冷凍葛ねりは、解凍せずに冷凍状態のまま包装することにより、効率よく冷凍保存することができる。
【実施例0031】
[葛ねりの製造]
図1及びその説明の製造方法に準じて葛ねりを製造した。原材料としてデンプン類、ゼラチン、糖類、水を使用し、配合割合はデンプン類5.8重量%、ゼラチン1.7重量%、糖類29.5重量%、水63重量%とした。デンプン類は、葛粉、甘藷デンプン、わらび粉、加工デンプンを25.0:25.0:2.5:47.5の割合で配合したものを使用した。ゼラチンは市販品(新田ゼラチン株式会社製:「ゼラチンSRC」)を使用した。糖類は、砂糖37重量%、麦芽糖31.5重量%、トレハロース31.5重量%の割合で配合したものを使用した。
【0032】
まず、原材料を蒸練機(株式会社飯田製作所製:「2袋用蒸練機(Type:2TK)」)に導入し、加熱温度100℃、回転速度37rpm、加熱混練時間10分で加熱混練を行った。次に、得られた加熱混練材料を、内容量80mLのシリコン製の成型容器に充填し、急速冷凍機(高橋工業株式会社製:「トンネルフリーザーOSJ-200AF-7NCY」)に投入して、冷凍温度-45℃、冷凍時間20分で急速冷凍を行い、冷凍葛ねりを得た。急速冷凍後の冷凍葛ねりの中心温度は-15℃であった。冷凍葛ねりを成型容器から取り出した後、自然解凍を行って葛ねりを得た。
【0033】
[結果]
この葛ねりは、成型容器から取り出される時点は冷凍状態で形が崩れることがなく、さらに解凍後であっても形が崩れなかった。解凍後の外観は、瑞々しく涼感があり、従来の葛ねりとそん色がない外観が得られた。また、喫食した結果、食感は滑らかで口どけがよく、風味は清涼感のあるすっきりとした甘さであった。したがって、この製造方法では、製造された葛ねりの保形性が確保できて、良好な外観、食感、風味等を得ることができたため、急速冷凍を行っても品質が劣化せず、従来の葛ねりとそん色ない品質の葛ねりを製造することができた。
【0034】
以上図示し説明したように、本発明の葛ねりの製造方法は、原材料を加熱混練して成型容器に充填した後、急冷工程にて急速冷凍して冷凍葛ねりを得るように構成されたものであって、特に、原材料が葛粉を含む複数種類のデンプン類と、ゼラチンと、糖類と、液体材料とを含むことにより、冷凍耐性を高めて品質を損なうことなく冷凍可能とするとともに、解凍後の保形性と口どけのよい食感の両立を図り、涼感のある良好な風味を備えた葛ねりを提供することができる。また、この製造方法で得られた葛ねりは、冷凍耐性や老化耐性等を有するため、従来の葛ねりでは困難であった冷凍保存が可能となるとともに、従来より日持ちを向上させることができる。したがって、本発明の製造方法により、従来とそん色のない外観、食感、風味等を備えながら、冷凍可能かつ日持ちが向上した葛ねりが得られる。
【0035】
さらに、この製造方法では、充填工程の後に急冷工程を行うため、従来の製造方法(図2参照)のように長時間(一晩から二晩ほど)の冷却が不要となって、極めて短時間で材料を固めることができる。また、成型容器に充填されて冷凍された冷凍葛ねりは、成型容器から取り出した後、従来の製造方法のような切断工程を行うことなく、そのまま製品として提供することができる。したがって、製造に要する時間が大幅に短縮されるとともに、製造工程が省略されて煩雑な作業も不要となるため、大量生産を好適に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明の葛ねりの製造方法によると、急冷工程を行うことによって製造に要する時間を従来より大幅に短縮することができるとともに、切断工程が不要となるため、大量生産が可能となる。また、本発明の製造方法により、従来とそん色のない品質を有しながら冷凍保存可能で日持ちが向上した葛ねりを提供することができる。
図1
図2