(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141237
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】オイルミスト回収装置および立形回転電機
(51)【国際特許分類】
B01D 45/08 20060101AFI20220921BHJP
H02K 7/14 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
B01D45/08 Z
H02K7/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041451
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アジラン アブドラ アリ アブドラ
(72)【発明者】
【氏名】高岡 正成
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 忠利
【テーマコード(参考)】
4D031
5H607
【Fターム(参考)】
4D031AB02
4D031AB23
4D031AB29
4D031BB04
4D031DA04
4D031EA03
5H607BB01
5H607BB14
5H607BB25
5H607DD03
5H607GG01
5H607GG02
5H607JJ10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】軸受油槽からの排気に含まれるオイルベーパおよびオイルミストの回収を可能とするオイルミスト回収装置、および該装置を備えた立形回転電機を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、オイルミスト回収装置50は、入口側の端部が軸受油槽内空間に開放されかつ出口側の端部が外部に開放されて、排気の流路となる排気管と、排気管に設けられてオイルベーパおよびオイルミストを油滴として分離する分離ユニット100とを具備する。分離ユニット100は、排気管の途中に設けられて両端が排気管と接続される管部111と、管部内に流路の流れ方向に互いに間隔をあけて設けられ排気が通過する貫通孔122が形成された複数の分離用板状部材120と、管部111を囲むように取り付けられて管部111内の排気を冷却媒体により冷却する冷却部130とを有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受油槽から排出される排気中のオイルベーパおよびオイルミストを除去するオイルミスト回収装置であって、
入口側の端部が前記軸受油槽の油槽上部空間に開放されかつ出口側の端部が外部に開放されて、前記排気の流路となる排気管と、
前記排気管に設けられて、前記オイルベーパおよび前記オイルミストを油滴として分離する分離ユニットと、
を具備し、
前記分離ユニットは、
前記排気管の途中に設けられて両端が前記排気管と接続される管部と、
前記管部内に、前記流路の流れ方向に互いに間隔をあけて設けられ、前記排気が通過する貫通孔が形成された複数の分離用板状部材と、
前記管部を囲むように取り付けられて前記管部内の前記排気を冷却媒体により冷却する冷却部と、
を有することを特徴とするオイルミスト回収装置。
【請求項2】
前記複数の分離用板状部材のそれぞれにおいての前記貫通孔に関して、最上流側の前記分離用板状部材の合計流路断面積が、下流側の前記分離用板状部材の合計流路断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項3】
互いに隣接する前記分離用板状部材同士においては、前記貫通孔の位置が前記流路の方向に見たときに互いに重ならないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項4】
前記複数の分離用板状部材のそれぞれの前記貫通孔は、前記貫通孔の出口側で前記排気の旋回流を起こすように前記管部の長手方向に対して角度を有するように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項5】
前記管部は、前記排気管のうちの前記排気が下方に向かう鉛直部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項6】
前記複数の分離用板状部材のそれぞれの上面には、前記貫通孔の入口に向かう下り勾配が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項7】
前排気管は、前記軸受油槽内の空間との接続部から前記排気の流れ方向に高さ位置が増加する傾斜部を有し、前記管部は、前記傾斜部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項8】
前記複数の分離用板状部材のそれぞれの下端には、分離された前記油滴を前記軸受油槽側に排出する還流用切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項7に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項9】
前記排気管は、前記傾斜部の前記分離ユニットの入り口側と前記軸受油槽内の空間とを接続する還流管を有し、
前記還流管には、第1のUシールが形成されていることを特徴とする請求項7または請求項8に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項10】
前記冷却部は、
前記管部の径方向外側に配された筒状部と、
前記筒状部のそれぞれの端部と前記管部との間を接続する閉止部と、
前記筒状部の下部に接続され前記管部と前記筒状部が形成する環状空間に前記冷却媒体を導入する冷却媒体入口配管と、
前記筒状部の上部に接続され前記環状空間からの前記冷却媒体の排出経路となる冷却媒体出口配管と、
を有することを特徴とする請求項1ないし請求項9のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項11】
前記複数の分離用板状部材の少なくとも一つは、その外周に、前記環状空間に突出する複数のフィンを有することを特徴とする請求項10に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項12】
前記複数の分離用板状部材の少なくとも一つは、その内部に前記冷却媒体が通過可能な流路空間を有することを特徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項13】
前記排気管の下流側の下端には、第2のUシールが設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項14】
前記排気管には、排気流量調節用の流量調節部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項13のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置。
【請求項15】
ロータシャフトと、
回転子部と、
固定子と、
スラスト軸受と、上部ガイド軸受と、これらを冷却する潤滑油を貯留する上部油槽とを有する上部軸受と、
下部ガイド軸受と、これを冷却する潤滑油を貯留する下部油槽とを有する下部軸受と、
前記上部油槽または前記下部油槽から排出される前記排気中の前記オイルベーパおよび前記オイルミストを除去する請求項1ないし請求項14のいずれか一項に記載のオイルミスト回収装置と、
を備えることを特徴とする立形回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、オイルミスト回収装置および立形回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
立形回転電機である水車発電機などにおいては、その軸受とロータシャフトの一部は、潤滑油が貯えられた油槽に浸漬している。このため、立形回転電機の運転によって油槽内の温度が上昇することに加え、ロータシャフトの一部が油槽内の油を攪拌することによってオイルベーパやオイルミストが発生する。
【0003】
軸受油槽内で発生したオイルベーパおよびオイルミストは、ロータシャフトの回転によって水車発電機機内へ吸い込まれ水車発電機機内を油で汚染してしまう。このため、軸受油槽には、排気配管が接続され、オイルベーパおよびオイルミストはその排気配管を経由して機外に排出される。
【0004】
オイルベーパおよびオイルミストが通る排気配管は、建屋内配置上の理由等により回転電機の据付位置よりも下の階層に排気口が敷設され、油槽からの排気を屋外ではなく建屋内に排気することが多い。
【0005】
建屋内に排気する場合、オイルベーパやオイルミストをそのまま排気すると排気口の周囲が油で汚れてしまうため、排気口の手前にはエアフィルターが設置されている。
【0006】
また、回転速度が速い水車発電機の場合は、油槽からの排気量も多くなるため排気配管の途中に排気量調整用のオリフィスを設けて排気量を調整する方法が採られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第5323154号公報
【特許文献2】実開平4-102609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のような対応にもかかわらず、排気配管の排気口からのオイルベーパやオイルミストのある程度の排出はあることから、排気口の周辺に油が付着して汚れの原因となっている。このため、電力事業者では、日常メンテナンスの一環として排気配管の排気口周辺を清掃することにより対応している。
【0009】
また、エアフィルターの代わりに、油霧除去装置や電気集塵機を設置している場合もあるが、定期的にフィルター交換作業が必要となる。
【0010】
本発明が解決しようとする課題は、軸受油槽からの排気に含まれるオイルベーパおよびオイルミストの回収を可能とすることができるオイルミスト回収装置および立形回転電機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述の目的を達成するため、本実施形態に係るオイルミスト等回収装置は、軸受油槽から排出される排気中のオイルベーパおよびオイルミストを除去するオイルミスト回収装置であって、入口側の端部が前記軸受油槽内空間に開放されかつ出口側の端部が外部に開放されて、前記排気の流路となる排気管と、前記排気管に設けられて、前記オイルベーパおよびオイルミストを油滴として分離する分離ユニットと、を具備し、前記分離ユニットは、前記排気管の途中に設けられて両端が前記排気管と接続される管部と、前記管部内に、前記流路の流れ方向に互いに間隔をあけて設けられ、前記排気が通過する貫通孔が形成された複数の分離用板状部材と、前記管部を囲むように取り付けられて前記管部内の前記排気を冷却媒体により冷却する冷却部と、を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施形態に係る立形回転電機の構成を示す立断面図である。
【
図2】第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットの構成を示す縦断面図である。
【
図3】第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットを示す斜視図である。
【
図4】第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットを構成する分離用板状部材の第1の変形例を示す平面図である。
【
図5】第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットを構成する分離用板状部材の第1の変形例を示す
図4のV-V線矢視断面図である。
【
図6】第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットを構成する分離用板状部材の第2の変形例を示す縦断面図である。
【
図7】第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットを構成する分離用板状部材の第2の変形例を示す
図6のVII-VII線矢視断面図である。
【
図8】第2の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットの構成を示す縦断面図である。
【
図9】第2の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットの構成を示す
図8のIX-IX線矢視断面図である。
【
図10】第3の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットの構成を示す縦断面図である。
【
図11】第3の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットの構成を示す
図10のXI-XI線矢視断面図である。
【
図12】第4の実施形態に係るオイルミスト回収装置の構成を示す立断面図である。
【
図13】第5の実施形態に係るオイルミスト回収装置の構成を示す立断面図である。
【
図14】第5の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るオイルミスト回収装置および立形回転電機について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
【0014】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る立形回転電機10の構成を示す立断面図である。
【0015】
立形回転電機10は、ロータシャフト11、回転子部15、固定子16、フレーム17、上部軸受構造20、下部軸受構造30、およびオイルミスト回収装置50を有する。
【0016】
ロータシャフト11は、鉛直方向、すなわち上下方向に延びている。ロータシャフト11の長手方向の中央付近には回転子部15が設けられている。回転子部15は、ロータシャフト11の大径部11rにおいて、周方向に互いに間隔を置いて形成され長手方向に延びた溝状の複数のスロット(図示しない)と、それぞれのスロットに収納された2次導体(図示しない)を有する。
【0017】
回転子部15の径方向の外側には、回転子部15を囲むように設けられた円筒状の固定子16が配されている。また、固定子16の径方向の外側には、固定子16を覆うようにフレーム17が設けられている。
【0018】
ロータシャフト11は、その上方部分において上部軸受構造20により、また、その下方部分において下部軸受構造30により、回転可能に支持されている。このため、ロータシャフト11には、その上方部分にスラストランナ12が、またその下方部分にはガイドスリーブ13が設けられている。スラストランナ12は、ロータシャフト11から径方向外側へ張り出す張り出し部12a、張り出し部12aから下方に延びた円筒部12b、および円筒部12bの下端に接続し径方向に拡がった環状部12cを有する。ガイドスリーブ13は、スラストランナ12と同様の張り出し部と円筒部を有する。
【0019】
上部軸受構造20は、スラスト軸受21、上部ガイド軸受22、上部油槽23、および上部軸封部24を有する。
【0020】
スラストランナ12の環状部12cはスラスト軸受21の上部に、回転可能に接触している。スラスト軸受21は、立形回転電機10のロータシャフト11を含む回転部分の自重による軸方向下側に向かうスラスト力を受ける。
【0021】
スラストランナ12の円筒部12bの径方向の変位は、上部ガイド軸受22により拘束される。すなわち、ロータシャフト11が、その軸芯位置からのずれに対して拘束される。
【0022】
スラストランナ12の環状部12cとスラスト軸受21との接触部分、およびスラストランナ12の円筒部12bと上部ガイド軸受22との接触部分は、スラストランナ12の回転により発熱するため、これらの発熱部分は、上部油槽23に貯留された潤滑油18に浸漬している。
【0023】
上部油槽23は、フレーム17の上端に接続されている。上部油槽23は、内側円筒部23a、外側筒部23b、底部23c、および蓋部23dを有する。内側円筒部23aと外側筒部23bは、それぞれの下端が底部23cにより互いに接続された二重の筒状である。内側円筒部23aは、スラストランナ12の径方向の内側面とロータシャフト11の外表面との間に配され、外側筒部23bは、スラストランナ12の径方向の外側に配されている。上部油槽23の上面は、外側筒部23bの上端から径方向の内側に拡がった蓋部23dで覆われており、蓋部23dとスラストランナ12との間は、上部軸封部24によりシールされている。
【0024】
下部軸受構造30は、下部ガイド軸受32、および下部油槽33を有する。ガイドスリーブ13は、下部ガイド軸受32により、径方向の変位が拘束される。下部油槽33は上部油槽23と同様の構成であり、ガイドスリーブ13と下部ガイド軸受32との接触部は下部油槽33内に貯留されている潤滑油18に浸漬している。
【0025】
上部油槽23および下部油槽33には、それぞれ、オイルミスト回収装置50が接続されている。以下、上部油槽23に接続されているオイルミスト回収装置50について説明する。下部油槽33に接続されているオイルミスト回収装置50については、上部油槽23に接続されているオイルミスト回収装置50と同様であるので、説明を省略する。
【0026】
オイルミスト回収装置50は、排気管51、および分離ユニット100を有する。
【0027】
排気管下流部51b一方の端部、すなわち入り口側が、上部油槽23の蓋部23dあるいは外側筒部23bを貫通して上部油槽23内の油槽上部空間23gに開放されている。
図1では、排気管51が蓋部23dを貫通している場合を示している。排気管51は、蓋部23dから立ち上がった後に、水平方向に方向転換し、さらに鉛直下方に方向転換する。
【0028】
この鉛直部分の途中に、分離ユニット100が設けられている。以下、排気管51の上部油槽23と分離ユニット100の間の部分、すなわち分離ユニット100の上流側の部分を排気管上流部51aと呼び、分離ユニット100の下流側の部分を排気管下流部51bと呼ぶ。また、排気管下流部51bは、排気管下流部51bから分岐して、オイルベーパおよびオイルミストが分離され除去された後のガスを放出する放出管57を有する。
【0029】
以下は、排気管51は、円管である場合を例にとって説明するが、円管に限定せずに、角管その他の断面形状であってもよい。あるいは、これらと同様の断面形状を有するダクトであってもよい。
【0030】
排気管上流部51aには、排気流量を調節するための流量調節部52が設けられている。流量調節部52としては、
図1に示すような制限オリフィスでもよいし、あるいは、開度調整により流量調節が可能な弁を用いてもよい。
【0031】
排気管下流部51bの下端には、閉止栓55が設けられており、排気管下流部51bの下端に排ガスから分離された潤滑油が溜まったときに、閉止栓55を外して溜まった潤滑油を排出可能に形成されている。
【0032】
排気管下流部51bの途中から、放出管57が分岐しており、潤滑油が分離除去された後の排ガスの放出経路となっている。
【0033】
図2は、第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置50の分離ユニット100の構成を示す縦断面図である。
【0034】
分離ユニット100は、上部油槽23からの排気を冷却し、排気中のオイルベーパおよびオイルミストを油滴化することにより、排気中のオイルベーパおよびオイルミストを排気から分離する。分離ユニット100は、収納部110、複数の分離用板状部材120、および冷却部130を有し、排気の流れ方向の両端部は、排気管上流部51aおよび排気管下流部51bとそれぞれ接続可能に形成されている。
【0035】
収納部110は、管部111、および管部111の両端に設けられた上流側フランジ112および下流側フランジ113を有する。上流側フランジ112および下流側フランジ113は、排気管上流部51aおよび排気管下流部51bに設けられた相フランジとそれぞれボルト、ナット等により接続可能に形成されている。
【0036】
冷却部130は、筒状部131、入口側閉止板132、出口側閉止板133、冷却媒体入口配管135、冷却媒体出口配管136を有する。
【0037】
筒状部131は、管部111の径方向外側を囲むように配されている。入口側閉止板132および出口側閉止板133は、筒状部131の下端と管部111の外表面間、および筒状部131の上端と管部111の外表面間をそれぞれ塞ぐように取り付けられている。管部111と筒状部131とにより、環状空間137が形成されている。
【0038】
冷却媒体入口配管135は、筒状部131の下端付近に接続されている。また、冷却媒体出口配管136は、筒状部131の上端付近に接続されている。この結果、冷却媒体入口配管135から流入した冷却媒体は、環状空間137を通過して、冷却媒体出口配管136から流出する。冷却媒体は、たとえば冷却水である。
【0039】
複数の分離用板状部材120は、排気中のオイルベーパおよびオイルミストを油滴化するために、管部111とともに排気を冷却するとともに、分離ユニット100内の排気の流れ場を生成する。
【0040】
複数の分離用板状部材120は、排気の流れ方向すなわち鉛直下方向に、径方向の外側に環状空間137が形成されている高さの領域にわたって、管部111の内側に、上下に互いに間隔をおいてそれぞれ水平に取り付けられている。分離用板状部材120は、たとえば、金属製である。なお、熱伝導率が高ければ、金属以外でもよい。
【0041】
分離用板状部材120は、円管上の管部111の内面に密着するような円板状である。なお、管部111が円管以外の場合には、管部111の内面に密着するような板状である。
【0042】
分離用板状部材120の管部111への取り付けは、たとえば、管部111の内壁に直接に溶接等により取り付けてもよい。あるいは、管部111の内壁に、分離用板状部材120を保持するための突起を周方向に複数設けて、その上に分離用板状部材120を搭載する等の方法でもよい。
【0043】
図3は、第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置50の分離ユニット100を示す斜視図である。図示の都合上、冷却部130の図示を省略している。
【0044】
図3では、管部111内に4つの分離用板状部材120が設けられている場合を例にとって示している。それぞれの分離用板状部材120は、円板状の板部121を有し、板部121には、上下に貫通する互いに同径の複数の貫通孔122が形成されている。なお、分離用板状部材120の数は4つに限定されず、少なくとも2つ以上であればよい。その個数は、オイルベーパおよびオイルミストの分離のための冷却の効率、冷却部130(
図2)の長さについての配置上の制約等を考慮して設定すればよい。なお、
図3で示した分離用板状部材120について、排気の流れの方向(Z方向)に、第1の分離用板状部材ないし第4の分離用板状部材と呼ぶこととする。
【0045】
管部111や板部121の下側表面などのように排気の冷却に寄与する部分は熱伝達面積の確保の上で、親油性を有することが好ましい。また、貫通孔122の壁面は、板部121の上面から下面側への油滴の移動をスムーズにする上で、親油性を有することが好ましい。一方、板部121の下面のように、これらの機能にあまり寄与しない部分では、たとえばフッ素加工などにより撥油性を有することが好ましい。
【0046】
次に、各分離用板状部材120に形成されている貫通孔の数について説明する。第1の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の数が4、第2ないし第4の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の数が2となっている。このように、第1の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の数は、第2以降の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の数より多い。なお、第2以降の分離用板状部材120に形成されている貫通孔の数は、互いに同数でなくともよいが、下流側の数が上流側の数を越えないように設定する。
【0047】
なお、以上では、貫通孔122が互いに同径の場合の数について説明したが、同径の場合に限定されない。分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の径が、分離用板状部材120ごとに異なっている場合は、第1の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の流路面積の合計(合計流路断面積)が、第2以降の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の合計流路断面積よりも大きくなるように設定する。この関係は、貫通孔122が互いに同径の場合についても成立する。
【0048】
次に、分離用板状部材120に形成されている貫通孔の位置について説明する。
図3で示すように、互いに上下に隣接する分離用板状部材120間では、貫通孔122の位置が上下に見通せないように、それぞれの貫通孔122は水平方向に互いに異なる位置に形成されている。すなわち、分離ユニット100を排気の流れ方向すなわち管部111の長手方向に透視した時に、互いに上下に隣接する分離用板状部材120のそれぞれの貫通孔122が、平面的に重ならない位置にある。
【0049】
たとえば、第1の分離用板状部材120の貫通孔122と、第1の分離用板状部材120の貫通孔122と第2の分離用板状部材120の貫通孔122とは、径方向の位置が異なっている。また、第2の分離用板状部材120の貫通孔122と第3の分離用板状部材120の貫通孔122とは、周方向の位置が異なっている。
(作用の説明)
【0050】
次に、以上のように構成された本実施形態によるオイルミスト回収装置50の作用を説明する。以下では、上部油槽23に接続されたオイルミスト回収装置50を例にとって説明する。
【0051】
立形回転電機10の運転状態においては、ロータシャフト11のスラストランナ12が上部油槽23に貯留された潤滑油18内を回転するため、油槽上部空間23gからオイルベーパおよびオイルミストを含む排気が排気管上流部51aに流出する。
【0052】
一方、分離ユニット100においては、冷却部130の内側の管部111および管部111内の各分離用板状部材120の板部121は、管部111の外側の環状空間137を通過する冷却媒体により冷却されている。
【0053】
このため、排気管上流部51aから分離ユニット100に排気が流入すると、排気は、管部111の内面および第1の分離用板状部材120の板部121の上面に接触し、貫通孔122を通過して、第1の分離用板状部材120の下側に流出する。この間に、排気は冷却されて、管部111の内面および板部121の上面にオイルベーパおよびオイルミストが凝集した油滴が生じ、排気の流れに沿って貫通孔122に流入する。管部111の内面および板部121の上面が親油性の場合には、熱伝達が十分に行われながら周囲のベーパおよびミストを冷却しさらに油滴化しながら流れの下流側に移動する。油滴は、貫通孔122を経由して、下側の空間に落下するか、あるいは、板部121の下面に移動する。板部121の下面が撥油性の場合には、容易に下面を離れて落下する。
【0054】
第2の分離用板状部材120以降も同様にオイルベーパおよびオイルミストの凝集により油滴が発生し、油滴が流れに沿って移動する。最終的には、油滴は、分離ユニット100から排気管下流部51bに流入し、排気管下流部51bの底部に保持される。また、オイルベーパおよびオイルミスト分が分離された後の排ガスは、放出管57から外部に放出される。
【0055】
ここで、第1の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122は、第2以降の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122より多く形成されている。言い換えれば、第1の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の合計流路断面積は、第2以降の分離用板状部材120に形成されている貫通孔122の合計流路断面積より大きい。すなわち、油槽上部空間23gから排気管上流部51aに流出する排気の流動抵抗は、第2ないし第4の分離用板状部材120を流れる排気の流動抵抗よりも小さい。この結果、第1の分離用板状部材120には相対的にスムーズに流入した排気は、その下流側の第2ないし第4の分離用板状部材120で流れが相対的に滞る。
【0056】
このような流れにより、分離ユニット100における排気の滞留時間、すなわち、排気の第1の分離用板状部材120に流入した排気の第4の分離用板状部材120から下流側に流出するまでの時間は、分離ユニット100が設けられていない場合に比べて長くなる。滞留時間が長くなることにより、排ガスが冷却される時間が長くなり、排気の冷却効果を高めることにより、オイルベーパおよびオイルミストの分離効率を向上させることができる。
【0057】
また、互いに上下に隣接する分離用板状部材120間では、貫通孔122の位置が上下に見通せないように、それぞれの貫通孔122は水平方向に互いに異なる位置に形成されている。この結果、分離ユニット100における排気の滞留時間を確保し、管部111の内面および板部121との接触の機会を増やし排気の冷却効果を高めることにより、オイルベーパおよびオイルミストの分離効率を向上させることができる。
【0058】
さらに、互いに上下に隣接する分離用板状部材120のそれぞれの貫通孔122は水平方向に互いに異なる位置に形成されていることによって、流れ場を制御することができる
【0059】
たとえば、第1の分離用板状部材120の貫通孔122は、第2の分離用板状部材120の貫通孔122よりも径方向内側に形成されている。この結果、第1の分離用板状部材120の貫通孔122を通過して第1の分離用板状部材120と第2の分離用板状部材120間の空間に流入し、さらに、この空間から第2の分離用板状部材120の貫通孔122を通って流出する排気は、径方向外側に拡がる流線を有する流れとなる。
【0060】
また、第2の分離用板状部材120の貫通孔122と第3の分離用板状部材120の貫通孔122とは、周方向の位置が異なっている。この結果、第2の分離用板状部材120の貫通孔122を通過して第2の分離用板状部材120と第3の分離用板状部材120間の空間に流入し、さらに、この空間から第3の分離用板状部材120の貫通孔122を通って流出する排気は、周方向に向かう流線を有する流れとなる。
このように、互いに上下に隣接する分離用板状部材120のそれぞれの貫通孔122は水平方向に互いに異なる位置に形成されていることによって、分離ユニット100内に、意図した方向の流線を有する流れを生成する、すなわち、意図した流れ場を生成することができる。
【0061】
以上のように、排気に含まれるオイルベーパおよびオイルミストの回収をより確実に行うことができる。
(第1の変形例)
【0062】
図4は、第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置50の分離ユニット100を構成する分離用板状部材の第1の変形例を示す平面図であり、
図5は、
図4のV-V線矢視断面図である。第1の変形例による分離用板状部材120aとして、板部121に形成されている貫通孔122aの数が4の場合を例にとって示しているが、他の数の場合でも同様である。
【0063】
本第1の変形例における貫通孔122aは、Z方向に沿っては形成されておらず、Z方向に対して傾きを有している。すなわち、Z方向に対してΦ2だけ傾いた方向に形成されている。また、傾く方向は、分離用板状部材120aをZ方向に見た場合の透視平面において、板部121の中心Cから貫通孔122aの入り口側の中心に向かう方向すなわち方向R方向(径方向)に対して、Φ1だけ傾いた方向に形成されている。傾き角度Φ1およびΦ2のそれぞれの大きさは、各貫通孔122aに共通である。ここで、
図5では、傾きΦ2が90度の場合を示しているが、これに限定されない。傾き角度Φ1およびΦ2は、分離用板状部材120aから流出する排気の旋回流の形成による冷却効果を最大にするように設定される。
【0064】
このように貫通孔122aが形成された分離用板状部材120aの場合、貫通孔122aを通過した排気は、分離用板状部材120aの下側の空間で旋回流となる。この結果、排気は、冷却媒体により最も冷却されている管部111の内面に接触する側の流れが速くなり表面熱伝達率を増加させ、より冷却効果を確保することができる。
(第2の変形例)
【0065】
図6は、第1の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットを構成する分離用板状部材の第2の変形例を示す縦断面図であり、
図7は、
図6のVII-VII線矢視断面図である。第2の変形例による分離用板状部材120bとして、形成されている貫通孔122の数が4の場合を例にとって示しているが、他の数の場合でも同様である。
【0066】
本第2の変形例における分離用板状部材120bの板部121には、凸状部121a、溝部121b、テーパ部121cが形成されている。すなわち、貫通孔122の径方向内側の範囲には、上流側に中央が凸状の凸状部121aが形成されている。また、貫通孔122の径方向外側の範囲には、径方向内に向かって低くなるようにテーパ部121cが形成されている。また、貫通孔122が設けられている径方向の領域には、油滴が貫通孔122に向かって流れるように溝部121bが形成されている。
【0067】
さらに、貫通孔122の入口には、入口テーパ部122bが形成されている。
【0068】
分離用板状部材120の上面に、貫通孔122の入口に向かう下り勾配が形成されることにより、排気中のオイルベーパおよびオイルミストの冷却により生成する油滴の分離用板状部材120の上側の表面における流れがよりスムーズとなり、油滴の下流側への排出が促進され、排気の流れとの干渉による冷却効果を促進することができる。
【0069】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニット100aの構成を示す縦断面図であり、
図9は、
図8のIX-IX線矢視断面図である。
【0070】
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。すなわち、本実施形態における分離ユニット100aの分離用板状部材120cは、それぞれ、複数のフィン125を有する。これ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0071】
複数のフィン125は、板部121の側部に周方向に互いに間隔をおいて取り付けられている。なお、
図9では、フィン125の数が4の場合を示しているがこれに限定されず、2または3、あるいは5以上でもよい。
【0072】
それぞれのフィン125は、管部111を貫通して、環状空間137内に突出している。
【0073】
このような構成は、たとえば、管部111を長手方向に分割して分離用板状部材120cを挟み込んだ後に互いに接合することにより可能である。
【0074】
以上のような構成を有する本実施形態によれば、分離用板状部材120cがフィン125の部分を通して環状空間137を流れる冷却媒体により直接冷却される。分離用板状部材120は熱伝導率が高いことから、分離用板状部材120全体が効率よく冷却され、より高いオイルベーパおよびオイルミストの分離効果を確保することができる。
【0075】
[第3の実施形態]
図10は、第3の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニットの構成を示す縦断面図であり、
図11は、
図10のXI-XI線矢視断面図である。
【0076】
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。すなわち、本実施形態における分離ユニット100bの分離用板状部材120dは、それぞれ、環状空間137と連通して、冷却媒体が通過可能に形成された流路空間126を有する。すなわち、分離用板状部材120dは、中空容器となっており、側部には冷却媒体が通過するための開口121hが形成されている。
【0077】
管部111には、分離用板状部材120dに形成された開口121hに対応する位置に、連通孔111hが形成されている。
【0078】
このような構成において、冷却媒体は、冷却媒体入口配管135から環状空間137に流入し、環状空間137内を流れて冷却媒体出口配管136から流出する流れの他に、各分離用板状部材120d内の流路空間126内を流れる流れが生ずる。
【0079】
すなわち、冷却媒体入口配管135から環状空間137に流入した冷却媒体の一部は、管部111に形成されたそれぞれの連通孔111hおよび分離用板状部材120dに形成された開口121hを経由して、分離用板状部材120d内の流路空間126内に流入する。流路空間126内を流れる冷却媒体は、離用板状部材120dの外側の排気と熱交換し排気を冷却した後に、開口121hおよび連通孔111hを経由して、再び、環状空間に流出し、冷却媒体出口配管136から流出する。
【0080】
以上のような構成を有する本実施形態によれば、分離用板状部材120dが冷却媒体により確実に冷却され、より高いオイルベーパおよびオイルミストの分離効果を確保することができる。
【0081】
[第4の実施形態]
図12は、第4の実施形態に係るオイルミスト回収装置50aの構成を示す立断面図である。
【0082】
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。すなわち、本実施形態における排気管下流部51bの下端には、落下した油滴を貯留するUシール部56が形成されている。また、Uシール部56の下流の出口側には、貯留部54が設けられている。これ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0083】
以上のような構成を有する本実施形態によれば、分離ユニット100で分離された油滴は、一旦、Uシール部56に貯留され、Uシール部56からオーバーフローした潤滑油が貯留部54に貯留されるため、外部から容易にオーバーフローした潤滑油を取り出すことができる。
【0084】
[第5の実施形態]
図13は、第5の実施形態に係るオイルミスト回収装置50bの構成を示す立断面図である。
【0085】
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。すなわち、本実施形態における排気管51は、傾斜部51dを有する。また、排気管51は、傾斜部51dの排気管上流部51aと上部油槽23内とを接続し途中にUシール部が形成されている還流管51rを有する。分離ユニット100cは、傾斜部51dに設けられており、一部に特有の構造を有する。これ以外は、第1の実施形態と同様である。
【0086】
傾斜部51dは、排気管上流部51aおよび排気管下流部51bのそれぞれの一部の範囲に対応しており、排気の流れ方向に高さ位置が高くなるような傾斜を有する。すなわち、排気の流れ方向に対して逆勾配を有する。
【0087】
図14は、第5の実施形態に係るオイルミスト回収装置の分離ユニット100cを示す斜視図である。なお、説明の便宜上、冷却部130の図示を省略している。
【0088】
傾斜部51dおよび分離ユニット100cは、管部111が水平方向に角度αの傾きをもって傾斜しており、各分離用板状部材120hは、管部111の長手方向に垂直な方向に拡がるように設けられている。
【0089】
各分離用板状部材120hは、第1の実施形態と同様に、貫通孔122が形成された板部121を有するが、さらに、板部121の底部には、還流用切り欠き127が形成されている。
【0090】
ここで、傾斜部51dおよび分離ユニット100cの水平方向に対する傾き角度αは、たとえば、5度程度ないし30度程度の角度範囲にあることが好ましい。傾き角度αが5度より小さい場合は、ドレン勾配が不十分で分離された油滴の還流効果が十分確保できない可能性がある。傾き角度αが30度より大きな場合は、分離された油滴が分離用板状部材120hに拡がり、分離用板状部材120hと管部111との間に貯留された潤滑油のレベルが貫通孔122に達して、排気の流れを妨げる可能性がある。
【0091】
以上のような構成を有する本実施形態によれば、分離ユニット100で分離された油滴は、還流用切り欠き127を通過し還流管51rを経由して上部油槽23に還流される。油滴の還流方向は、排ガスの流れ方向とは逆方向であるが、還流用切り欠き127が設けられているため油滴の流れが排ガスの流れを妨げることがなく、排ガスの冷却が確実に行われる。また、油滴は上部油槽23に還流されるため、外部には、オイルベーパおよびオイルミストが除去された排気のみが排出され、外部での潤滑油の処理のための部分が不要となる。また、外部での潤滑油の処理の負担がなくなる、あるいは軽減される効果が得られる。
【0092】
以上説明した実施形態によれば、軸受油槽からの排気に含まれるオイルベーパおよびオイルミストを回収することが可能となる。
【0093】
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。たとえば、実施形態においては、スラストランナが上部に、またガイドスリーブが下部にある場合を例にとって示したが、この逆のばあいであってもよい。また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。たとえば、第1の実施形態あるいはその変形例と他の実施形態の特徴とを組み合わせてもよい。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
10…立形回転電機、11r…大径部、11…ロータシャフト、12…スラストランナ、12a…張り出し部、12b…円筒部、12c…環状部、13…ガイドスリーブ、15…回転子部、16…固定子、17…フレーム、18…潤滑油、20…上部軸受構造、21…スラスト軸受、22…上部ガイド軸受、23…上部油槽、23a…内側円筒部、23b…外側筒部、23c…底部、23d…蓋部、23g…油槽上部空間、24…上部軸封部、30…下部軸受構造、32…下部ガイド軸受、33…下部油槽、50、50a、50b…オイルミスト回収装置、51…排気管、51a…排気管上流部、51b…排気管下流部、51d…傾斜部、51r…還流管、52…流量調節部、54…貯留部、55…閉止栓、56…Uシール部、57…放出管、58…戻り管、100、100a、100b、100c…分離ユニット、110…収納部、111…管部、111h…連通孔、112…上流側フランジ、113…下流側フランジ、120、120a、120b、120c、120d、120h…分離用板状部材、121…板部、121a…凸状部、121b…溝部、121c…テーパ部、121h…開口、122、122a…貫通孔、122b…入口テーパ部、125…フィン、126…流路空間、127…還流用切り欠き、130…冷却部、131…筒状部、132…入口側閉止板、133…出口側閉止板、135…冷却媒体入口配管、136…冷却媒体出口配管、137…環状空間。