(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141254
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】情報処理装置およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/00 20120101AFI20220921BHJP
G06Q 30/06 20120101ALI20220921BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041474
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川口 剛
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA20
5L049BB56
(57)【要約】 (修正有)
【課題】特定商品を買い替える顧客の利便性を向上させることが可能な情報処理装置およびプログラムを提供する。
【解決手段】POSシステムにおいて、情報処理装置(POS端末)2は、商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品の決済にかかる処理を実行する決済処理部と、入力部に入力された商品識別情報で識別される商品が特定の廃棄処分が必要な商品である場合、商品識別情報と廃棄処分を行う業者に関する業者情報とを対応付けた業者管理情報を参照して入力部に入力された商品識別情報に対応する業者情報を取得する業者情報取得部と、決済処理部の処理が実行されると、業者情報取得部が取得した業者情報を出力する出力部と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品の決済にかかる処理を実行する決済処理部と、
前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品が特定の廃棄処分が必要な商品である場合、前記商品識別情報と廃棄処分を行う業者に関する業者情報とを対応付けた業者管理情報を参照して前記入力部に入力された商品識別情報に対応する前記業者情報を取得する業者情報取得部と、
前記決済処理部の処理が実行されると、前記業者情報取得部が取得した業者情報を出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
地域を示す地域情報を取得する地域情報取得部をさらに備え、
前記業者情報取得部は、前記業者情報と前記地域情報とを対応付けた前記業者管理情報を参照して前記地域情報取得部が取得した地域情報に対応する前記業者情報を取得する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記業者の廃棄処分にかかる処分情報を取得する処分情報取得部をさらに備え、
前記業者情報取得部は、前記業者情報と前記処分情報とを対応付けた前記業者管理情報を参照して前記処分情報取得部が取得した処分情報に対応する前記業者情報を取得する、
請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
商品の個品を識別する個品識別情報と商品の廃棄処分時期とを対応付けた処分時期情報を受付ける受付部と、
前記個品識別情報と商品の販売時期とを対応付けた販売時期情報を取得する販売時期情報取得部と、
前記処分時期情報および前記販売時期情報に基づいて、前記個品識別情報と前記販売時期と前記廃棄処分時期とを対応付けてメモリ部に記憶する記憶処理部と、
をさらに備える請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報処理装置は、POS端末であって、
前記出力部は、レシートを印字するプリンタに対して前記業者情報を出力する、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記情報処理装置は、ユーザ端末から商品の購入を受付けるサーバ装置であって、
前記出力部は、前記ユーザ端末に対して前記業者情報を出力する、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置をコンピュータで制御するためのプログラムであって、
前記コンピュータを、
商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、
前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品の決済にかかる処理を実行する決済処理部と、
前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品が特定の廃棄処分が必要な商品である場合、前記商品識別情報と廃棄処分を行う業者に関する業者情報とを対応付けた業者管理情報を参照して前記入力部に入力された商品識別情報に対応する前記業者情報を取得する業者情報取得部と、
前記決済処理部の処理が実行されると、前記業者情報取得部が取得した業者情報を出力する出力部と、
して機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
環境対策等を考慮して、ごみ収集車で収集される一般ごみとは異なる方法で特定の廃棄処分を行う必要がある商品(以下、「特定商品」ともいう)がある。これら商品としては、例えば、家電リサイクル法の対象商品であるテレビ、冷蔵庫等や、小型家電リサイクル法の対象商品であるPC(Personal Computer)等がある。また、電化製品以外でも大型家具等はいわゆる粗大ごみとして扱われ、一般ごみとは異なる方法で廃棄処分を行う必要がある。
【0003】
上記した特定商品は、業者や地方自治体等(以下、まとめて「業者」という)により、回収、処分等の廃棄処分がなされる。一般的に、業者による特定商品の廃棄処分は有料である。
【0004】
消費者が特定商品を買い替える場合には、それまで使用していた特定商品を廃棄することが多い。特定商品の購入店で廃棄処分を受付けるシステムも提案されている(例えば、特許文献1)が、廃棄処分を行う業者の選択の余地がなく、顧客にとっては必ずしも満足できるものでない。特定商品を買い替える顧客は、当該特定商品を廃棄するための業者の情報を得られると便利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、特定商品を買い替える顧客の利便性を向上させることが可能な情報処理装置およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の情報処理装置は、商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品の決済にかかる処理を実行する決済処理部と、前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品が特定の廃棄処分が必要な商品である場合、前記商品識別情報と廃棄処分を行う業者に関する業者情報とを対応付けた業者管理情報を参照して前記入力部に入力された商品識別情報に対応する前記業者情報を取得する業者情報取得部と、前記決済処理部の処理が実行されると、前記業者情報取得部が取得した業者情報を出力する出力部と、を備えたものである。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、第1の実施形態の情報処理装置を含むPOSシステムを示す概略図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の情報処理装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態の情報処理装置のメモリ部における商品マスタのデータ構成を説明する図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態の情報処理装置のメモリ部における業者マスタのデータ構成を説明する図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態の情報処理装置のメモリ部における処分情報管理テーブルのデータ構成を説明する図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態の情報処理装置のメモリ部における地域管理マスタのデータ構成を説明する図である。
【
図8】
図8は、第1の実施形態の情報処理装置のメモリ部における処分情報設定ファイルのデータ構成を説明する図である。
【
図9】
図9は、第1の実施形態の情報処理装置のメモリ部における商品管理ファイルのデータ構成を説明する図である。
【
図10】
図10は、第1の実施形態の情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、第1の実施形態の情報処理装置の決済時における制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、第1の実施形態の情報処理装置が発行するレシートを示す図である。
【
図13】
図13は、第1の実施形態の情報処理装置の商品管理ファイル更新時における制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第2の実施形態の情報処理装置を含む販売システムを示す概略図である。
【
図15】
図15は、第2の実施形態の情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図16】
図16は、第2の実施形態の情報処理装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図17】
図17は、第2の実施形態の情報処理装置の購入受付時における制御部の処理を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、第2の実施形態の情報処理装置のユーザ端末の表示画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照して第1の実施形態の情報処理装置およびプログラムについて説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置を含むPOS(Point Of Sales)システムを示す概略図である。POSシステム1は、店舗で販売する商品の販売処理および売上管理等を行うシステムであり、本実施形態においては、家電量販店等の店舗内に設置されるものとしている。しかし、これに限るものではなく、POSシステム1は、特定商品を販売する店舗に広く適用することができる。
【0009】
POSシステム1は、店舗内に設置された1台または複数台のPOS端末2と、店舗のバックヤードに設置された店舗サーバ3とを備える。POS端末2と店舗サーバ3とは、LAN(Local Area Network)等の通信回線によって接続されている。これにより、POS端末2と店舗サーバ3とは通信が可能であり、相互に情報(データ)を送受信することができる。
【0010】
POS端末2は、顧客との取引において、顧客が購入する商品の商品登録および商品登録された商品の決済に係る決済処理を実行する。ここで、商品登録とは、POS端末2に入力された商品コードに基づいて、商品情報(商品名、価格等)を記憶装置に記憶することをいう。また、決済処理とは、顧客が代金の支払いをするためにPOS端末2が実行する処理である。決済処理は、例えば、商品登録された商品の商品情報等に基づく取引金額の算出、顧客から預かった預り金に対する釣銭額の算出、取引金額や釣銭額などの各種情報の表示などである。POS端末2は、情報処理装置の一例である。
【0011】
店舗サーバ3は、各POS端末2から、決済処理にて決済された商品の商品情報や決済情報を受信する。また、店舗サーバ3は、各POS端末2から、所定期間(例えば一日)の売上を精算した精算情報を受信する。店舗サーバ3は、各POS端末2から受信した商品情報、決済情報、精算情報等を集中的に管理して、一店舗での売上管理等を行う。また、店舗サーバ3は、各POS端末2が記憶する商品マスタを適宜更新する。
【0012】
次に、POS端末2の構成について説明する。
図2は、POS端末2の外観を示す斜視図である。POS端末2は、キーボード21、オペレータ用ディスプレイ22、オペレータ用タッチパネル23、客用ディスプレイ24、客用タッチパネル25、プリンタ26、カードリーダ27、スキャナ28、および金銭収納機29等を備える。
【0013】
キーボード21は、各種キーを備えている。各種キーとしては、例えば、クレジットカード決済などの決済方法を選択する選択キー、取引の開始を宣言する取引開始キー、商品コードや金額等を入力するための置数キー、販売合計金額の算出を宣言するための小計キー(決済処理開始キー)、一取引の締め処理を行って代金を決済することを宣言する締めキー、入力をクリアするクリアキー等である。
【0014】
オペレータ用ディスプレイ22は、液晶パネル等で構成され、POS端末2を操作するオペレータに商品情報、取引額や釣銭額など決済処理に係る決済情報等を表示する。オペレータ用タッチパネル23は、オペレータ用ディスプレイ22の表面に設けられて、触れた位置に応じた情報をPOS端末2の制御部200(
図3参照)に入力する。
【0015】
客用ディスプレイ24は、オペレータ用ディスプレイ22と同様の構成となっている。すなわち、客用ディスプレイ24は、液晶パネル等で構成され、商品を購入する顧客に商品情報、決済情報等を表示する。客用タッチパネル25は、客用ディスプレイ24の表面に設けられて、触れた位置に応じた情報をPOS端末2の制御部200に入力する。
【0016】
プリンタ26は、例えば、サーマルプリンタによって構成される。プリンタ26は、POS端末2内に収納されたロール状のレシート用紙に、商品情報、決済情報、後述する業者情報等を印字し、レシートとして発行する。
【0017】
カードリーダ27は、顧客が提示した会員カードあるいはポイントカード等の媒体から会員を特定する会員情報を磁気的に読み取る。また、カードリーダ27は、クレジットカードから決済に必要なクレジット情報を磁気的に読み取る。なお、カードリーダ27は、ICチップを内蔵したカードから情報を読取るICカードリーダとしてもよい。
【0018】
スキャナ28は、顧客が購入する商品あるいは当該商品を梱包する箱等に付されたバーコード等のコードシンボルを光学的に認識する。そして、スキャナ28は、認識したコードシンボルをデコードし、コードシンボルが示す商品コードを読み取る。なお、スキャナ28が認識したコードシンボルのデコードは、POS端末2の制御部200で行ってもよい。
【0019】
金銭収納機29は、硬貨や紙幣の金銭を収納するドロワを内部に有し、顧客から預かった金銭、商品券等の有価証券類、および顧客に手渡す釣銭等を収納する。金銭収納機29は、POS端末2の制御部200の指示によって、金銭を収納するドロワが露出するよう開放される。
【0020】
図3は、POS端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。POS端末2は、制御部200と、メモリ部210と、入出力コントローラ220と、通信I/F(Interface)230等を備える。制御部200、メモリ部210、入出力コントローラ220、通信I/F230はバス240を介して互いに接続されている。
【0021】
制御部200は、CPU(Central Processing Unit)201、ROM(Read Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)203を備えたコンピュータで構成される。CPU201、ROM202、RAM203は、バス240を介して互いに接続されている。
【0022】
CPU201は、POS端末2の全体の動作を制御する。ROM202は、CPU201の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用され、ROM202やメモリ部210に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部200は、CPU201がROM202やメモリ部210に記憶されRAM203に展開された制御プログラムに従って動作することによって、POS端末2の各種制御処理を実行する。
【0023】
メモリ部210は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部210は、制御プログラム211、商品マスタ212、業者マスタ213、処分情報管理テーブル214、地域管理マスタ215、処分情報設定ファイル216、および商品管理ファイル217を記憶する。なお、業者マスタ213および処分情報管理テーブル214は、業者管理情報を構成する。言い換えれば、業者マスタ213および処分情報管理テーブル214に登録(記憶)された各情報は、業者に関する情報である。
【0024】
制御プログラム211は、POS端末2として機能するための制御プログラムや特定の廃棄処分を行う業者をレシートに印字するための制御プログラムなどである。
【0025】
商品マスタ212は、店舗で取り扱っている商品の情報を記憶したマスタファイルである。
図4は、商品マスタ212のデータ構成の一例を説明する図である。商品マスタ212に登録される各データは、商品コード、商品名、価格、および特定商品フラグが対応づけられている。なお、店舗で取り扱う商品は日々変化するため、商品マスタ212は、通信I/F230を介して接続される店舗サーバ3によって適宜更新される。
【0026】
商品コードは、商品を識別するためのコードであり、商品識別情報の一例である。商品名は、商品の名称を示す情報である。価格は、商品の単価を示す情報である。特定商品フラグは、商品が特定商品、すなわち、一般ごみとは異なる方法で特定の廃棄処分を行う必要がある商品であるか否かを示す情報である。特定商品フラグのレコードに「1」が登録された商品は特定商品であり、「0」が登録された商品は特定商品でないことを示している。
【0027】
業者マスタ213は、特定の廃棄処分を行う業者を記憶したマスタファイルである。特定の廃棄処分とは、特定商品を廃棄処分することであって、ごみ収集車で収集される一般ごみとは異なる方法による廃棄処分である。また、廃棄処分とは、商品を廃棄するための行為のいずれかであって、商品の回収、廃棄、リサイクルのための処理等のいずれかを含む。業者とは、特定の廃棄処分を行う者であって、事業者、地方自治体などを含む。
図5は、業者マスタ213のデータ構成の一例を説明する図である。業者マスタ213に登録される各データは、商品コード、商品名、業者コード、業者名、所在地、地域コード、地域名、および連絡先が対応づけられている。
【0028】
商品コードおよび商品名は上述したとおりの情報である。業者コードは、業者を識別する業者識別情報である。業者名は、業者の名称を示す情報である。所在地は、業者の所在地を示す情報で、例えば住所などである。地域コードは、所在地が含まれる地域を識別する地域識別情報である。地域名は、地域コードで識別される地域の名称を示す情報で、例えば市区長村などである。連絡先は、業者の連絡先を示す情報で、例えば電話番号やメールアドレスなどである。業者コード、業者名、所在地、地域コード、地域名、および連絡先を示す各情報は、業者情報の一例である。また、所在地、地域コード、および地域名を示す各情報は、地域情報の一例でもある。
【0029】
処分情報管理テーブル214は、業者の処分に関する情報を管理するものである。
図6は、処分情報管理テーブル214のデータ構成の一例を説明する図である。処分情報管理テーブル214に登録される各データは、業者コード、業者名、費用、および時間が対応づけられている。
【0030】
業者コードおよび業者名は、上述したとおりの情報である。費用は、廃棄処分に要する費用を示す情報である。時間は、廃棄処分の申込から業者が廃棄する商品を回収するまでに要する時間を示す情報である。費用および時間を示す情報は、業者から情報を取得した店舗によって登録されるものであり、処分情報の一例である。
【0031】
地域管理マスタ215は、地域を管理するためのマスタファイルである。
図6は、地域管理マスタ215のデータ構成の一例を説明する図である。地域管理マスタ215に登録される各データは、住所、地域コード、および地域名が対応づけられている。
【0032】
住所は、住所を示す情報である。地域コードは、住所が含まれる地域を識別する地域識別情報である。地域名は、地域コードで識別される地域の名称で、例えば市区長村などである。
【0033】
処分情報設定ファイル216は、業者を選定するにあたって優先する情報、言い換えると業者を選定するにあたって優先する条件を管理するものである。
図8は、処分情報設定ファイル216のデータ構成の一例を説明する図である。処分情報設定ファイル216に登録される各データは、項目と条件フラグとが対応づけられている。
【0034】
項目は、業者の廃棄処分に関する項目を示す情報である。本実施形態においては、項目のレコードには、費用または時間を示す情報が登録されている。条件フラグは、業者を選定するにあたって優先する条件を示す情報である。条件フラグのレコードに「1」が登録された項目は優先される項目であることを示し、「0」が登録された項目は優先される項目でないこを示す。
図8に示す例では、費用が優先される項目に設定されているので、顧客が購入する特定商品の廃棄処分を行う業者は、費用の安い業者順に選定されることとなる。条件フラグは、店舗によって随時書き換えられる。なお、条件フラグは、例えば特定商品を購入する顧客が客用タッチパネル25を操作して入力することによって書き換えられるようにしてもよい。
【0035】
商品管理ファイル217は、商品の個品毎に販売時期および廃棄処分時期を管理するものである。
図9は、商品管理ファイル217のデータ構成の一例を説明する図である。商品管理ファイル217に登録される各データは、商品コード、商品名、メーカコード、メーカ名、個品コード、販売日および廃棄処分日が対応づけられている。
【0036】
商品コードおよび商品名は、上述したとおりの情報である。メーカコードは、商品の製造メーカを識別するメーカ識別情報である。メーカ名は、製造メーカの会社名を示す情報である。個品コードは、商品の個品を識別する個品識別情報であり、例えば製造番号等、個品毎にユニークに割り当てられた情報である。販売日は、個品が販売された日を示す情報である。廃棄処分日は、個品の廃棄処分に関する日にちを示す情報であり、例えば業者に個品が持ち込まれた日あるいは業者が個品を廃棄処分した日などを示す情報である。商品コードおよび商品名は予め登録されており、メーカコード、メーカ名、および個品コードは例えば個品が入荷される際に登録される。また、販売日は個品が購入された際に登録される。廃棄処分日は、業者から情報を取得した際に登録される。店舗は、商品管理ファイルに登録された情報を製造メーカに提供することができる。製造メーカは、提供された情報によって各商品の市場における実際の耐用年数を認識することができるので、当該情報を生産計画の策定に活用することができる。
【0037】
図3に戻って、入出力コントローラ220は、キーボード21、オペレータ用ディスプレイ22、オペレータ用タッチパネル23、客用ディスプレイ24、客用タッチパネル25、プリンタ26、カードリーダ27、スキャナ28、および金銭収納機29と接続される。入出力コントローラ220は、接続されるハードウェアに対する入出力インターフェイスとしての機能とこれらハードウェアを制御するための機能とを備えている。これにより、制御部200は、入出力コントローラ220を介して、キーボード21、オペレータ用ディスプレイ22、オペレータ用タッチパネル23、客用ディスプレイ24、客用タッチパネル25、プリンタ26、カードリーダ27、スキャナ28、および金銭収納機29とそれぞれ情報(データ)の送受信が可能であるとともに、制御部200の指示に基づいてこれらハードウェアを制御可能となっている。
【0038】
通信I/F230は、店舗サーバ3と通信するためのインターフェイスである。制御部200は、通信I/F230を介して店舗サーバ3と接続されることで、店舗サーバ3と情報(データ)の送受信が可能となる。
【0039】
続いて、POS端末2の機能構成について説明する。
図10は、POS端末2の機能構成を示すブロック図である。制御部200は、CPU201がROM202やメモリ部210に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力部2001、登録部2002、判定部2003、決済処理部2004、業者情報取得部2005、地域情報取得部2006、処分情報取得部2007、出力部2008、受付部2009、販売時期情報取得部2010、および記憶処理部2011として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
【0040】
入力部2001には、商品を識別する商品識別情報が入力される。具体的には、入力部2001には、スキャナ28が商品等に付されたバーコードから読取った商品コード、あるいは、キーボード21に入力された商品コードが入力される。また、入力部2001には、キーボード21、オペレータ用タッチパネル23、および客用タッチパネル25から各種情報が入力される。
【0041】
登録部2002は、入力部2001に商品コードが入力された商品について商品登録を行う。具体的には、登録部2002は、入力部2001に入力された商品コードに基づいて、商品マスタ212を参照して商品情報(商品名、価格等)を取得し、RAM203に一時的に記憶する。
【0042】
判定部2003は、入力部2001に商品コードが入力された商品が特定商品か否か判定する。具体的には、判定部2003は、商品マスタ212を参照して、入力部2001に入力された商品コードに対応する特定商品フラグに「1」が登録されているか否か判定する。判定部2003は、特定商品フラグに「1」が登録されている場合、入力部2001に入力された商品コードで識別される商品が特定商品であると判定する。
【0043】
決済処理部2004は、入力部2001に入力された商品識別情報で識別される商品の決済にかかる処理を実行する。具体的には、決済処理部2004は、商品登録された商品の合計金額(取引金額)の算出、釣銭額の算出、オペレータ用ディスプレイ22および客用ディスプレイ24への各種情報の表示指示等を行う。なお、本実施形態においては、プリンタ26に対するレシート発行指示は、決済処理には含まれない。
【0044】
業者情報取得部2005は、入力部2001に入力された商品識別情報で識別される商品が特定の廃棄処分が必要な商品である場合、商品識別情報と特定の廃棄処分を行う業者に関する業者情報とを対応付けた業者管理情報を参照して入力部2001に入力された商品識別情報に対応する業者情報を取得する。具体的には、業者情報取得部2005は、入力部2001に入力された商品コードで識別される商品が判定部2003によって特定商品であると判定された場合、業者マスタ213を参照して当該商品コードに対応する業者情報を商品マスタ212から取得する。本実施形態においては、業者情報取得部2005は複数の業者の業者情報を取得する。
【0045】
また、業者情報取得部2005は、業者情報と地域情報とを対応付けた業者管理情報を参照して地域情報取得部2006が取得した地域情報に対応する業者情報を取得する。例えば、業者情報取得部2005は、入力部2001に入力された商品コードに対応する業者のうち、地域情報取得部2006が取得した地域情報によって絞り込んだ業者の業者情報を取得する。
【0046】
さらに、業者情報取得部2005は、業者情報と処分情報とを対応付けた業者管理情報を参照して処分情報取得部2007が取得した処分情報に対応する業者情報を取得する。例えば、業者情報取得部2005は、入力部2001に入力された商品コードに対応する業者のうち、処分情報取得部2007が取得した処分情報によって絞り込んだ業者の業者情報を取得する。
【0047】
なお、業者情報取得部2005は、必ずしも、地域情報取得部2006が取得した地域情報あるいは処分情報取得部2007が取得した処分情報によって業者を絞り込む必要はない。
【0048】
地域情報取得部2006は、地域を示す地域情報を取得する。具体的には、地域情報取得部2006は、顧客に関する地域情報、例えば顧客の居住地が含まれる地域、あるいは
顧客が購入した特定商品の配送先の住所が含まれる地域を示す情報を取得する。地域情報取得部2006は、例えば、特定商品を購入した顧客からオペレータが入手してキーボード21やオペレータ用タッチパネル23から入力された地域情報を取得する。以下、キーボード21、オペレータ用タッチパネル23、客用タッチパネル25のいずれかを指す場合、「操作部」という場合がある。操作部に顧客の住所あるいは特定商品の配送先の住所が入力された場合、地域情報取得部2006は、地域管理マスタ215を参照して当該住所に対応する地域を特定することで地域情報を取得する。なお、地域情報取得部2006は、カードリーダ27が読取った会員IDに基づいて、会員データベース(図示せず)において会員IDと対応づけて記憶された地域情報を取得してもよい。
【0049】
処分情報取得部2007は、業者の廃棄処分にかかる処分情報を取得する。具体的には、処分情報取得部2007は、処分情報設定ファイル216を参照して設定された処分情報、すなわち条件フラグに「1」が登録された処分情報を取得する。なお、処分情報取得部2007は、顧客の要望に応じて操作部から入力された処分情報を取得するようにしてもよい。
【0050】
出力部2008は、決済処理部2004の処理が実行されると、業者情報取得部2005が取得した業者情報を出力する。具体的には、出力部2008は、決済処理部2004の処理が実行されると、プリンタ26に対して業者情報取得部2005が取得した業者情報を出力する。出力部2008は、併せてプリンタ26に対して、決済に係る決済情報およびレシート発行指示を出力する。決済情報は、顧客が購入した商品の商品名や単価などの商品情報、顧客からの預かり金額や釣銭、税額などの金額に関する情報等である。これにより、プリンタ26は、決済情報および業者情報をレシート用紙に印字し、レシートとして発行することができる。
【0051】
受付部2009は、商品の個品を識別する個品識別情報と商品の廃棄処分時期とを対応付けた処分時期情報を受付ける。具体的には、受付部2009は、店舗が廃棄処分を行う業者から入手し操作部から入力された処分時期情報を受付ける。例えば、個品識別情報は個品コードであり、処分時期情報は廃棄処分日を示す情報である。受付部2009は、業者が管理するPC等からネットワークを介して処分時期情報を受付けてもよい。
【0052】
販売時期情報取得部2010は、個品識別情報と商品の販売時期とを対応付けた販売時期情報を取得する。具体的には、販売時期情報取得部2010は、商品管理ファイル217から個品コードと販売日とを対応付けた販売時期情報を取得する。
【0053】
記憶処理部2011は、処分時期情報および販売時期情報に基づいて、個品識別情報と販売時期と廃棄処分時期とを対応付けてメモリ部210に記憶する。具体的には、記憶処理部2011は、受付部2009が受付けた処分時期情報と、販売時期情報取得部2010が取得した販売時期情報と、にそれぞれ含まれる個品識別情報(個品コード)をキーとして、処分時期情報と販売時期情報とを対応付けてメモリ部210に記憶する。より詳細には、記憶処理部2011は、受付部2009が処分時期情報を受付けると、メモリ部210に記憶された商品管理ファイル217に廃棄処分日を登録することで、商品管理ファイル217を更新する。また、記憶処理部2011は、商品登録された商品について、商品管理ファイル217に販売日を登録する。
【0054】
次に、上記構成に基づくPOS端末2の動作を説明する。
図11は、顧客が支払を行う決済時における制御部200の処理を示すフローチャートである。
【0055】
制御部200は、入力部2001に商品コードが入力されたか否か判断し(S1)、入力されないと(S1のN)、S1の処理に戻って待機する。スキャナ28によって商品に付されたバーコードが読取られるなどして、入力部2001に商品コードが入力されると(S1のY)、判定部2003は、商品マスタ212を参照して当該商品コードで識別される商品が特定商品であるか否か判定する(S2)。なお、このとき、入力部2001には、商品コードと併せて個品コードも入力される。個品コードは、操作部の操作によって、あるいは図示しないRFIDタグ読取装置が商品に付されたRFタグから読取ることによって入力される。
【0056】
特定商品であると(S2のY)、地域情報取得部2006は、操作部に入力された地域情報、または入力された住所に基づいて選定された地域情報を取得する(S3)。処分情報取得部2007は、処分情報設定ファイル216を参照して処分情報管理テーブル214から処分情報を取得する(S4)。
【0057】
業者情報取得部2005は、以下のとおり業者情報を取得する(S5)。まず、業者情報取得部2005は、業者マスタ213を参照して入力部2001に入力された商品コードに対応する業者コードを選定する。次いで、業者情報取得部2005は、商品コードに基づいて選定した業者コードを、地域情報取得部2006が取得した地域情報に基づいて絞り込む。すなわち、業者情報取得部2005は、商品コードに基づいて選定した業者コードのうち、業者マスタ213において地域情報取得部2006が取得した地域情報に対応する業者コードに絞り込む。
【0058】
続いて、業者情報取得部2005は、地域情報に基づいて絞り込んだ業者コードを、処分情報取得部2007が取得した処分情報に基づいてさらに絞り込む。すなわち、業者情報取得部2005は、地域情報に基づいて絞り込んだ業者コードのうち、処分情報管理テーブル214において費用が安い順にいくつか、例えば2つの業者コードに絞り込む。そして、業者情報取得部2005は、これら2つの業者に関する業者情報を業者マスタ213から取得する。これにより、業者情報取得部2005は、特定商品を購入した顧客に最も適すると思われる業者情報を取得することができる。なお、業者情報取得部2005が選定する業者コードの数は2つに限るものでなく、適宜設定することができる。
【0059】
S5の処理に続いて、記憶処理部2011は、商品管理ファイル217に販売日を登録する(S6)。記憶処理部2011は、商品管理ファイル217において、入力部2001に入力された個品情報に対応した販売日のレコードに販売日を示す情報を登録する。なお、商品管理ファイル217による個品毎の販売時期および廃棄処分時期の管理を行わない場合は、S1における個品コードの入力およびS6の販売日の登録は不要となる。そして、登録部2002は、商品登録を実行する(S7)。具体的には、登録部2002は、入力部2001に入力された商品コードに基づいて商品マスタ212から商品名や価格などの商品情報を読出してRAM203に記憶する。なお、S2の処理において、判定部2003により入力部2001に入力された商品コードで識別される商品が特定商品でないと判定されると(S2のN)、制御部200はS3~S6の処理をスキップしてS7の処理に移行する。
【0060】
次いで、制御部200は、操作部に対する操作によって入力部2001に決済指示情報が入力されたか否か判断し(S8)、決済指示情報が入力されないと(S8のN)、S1の処理に戻る。決済指示情報が入力されると(S8のY)、決済処理部2004は決済処理を実行する(S9)。なお、このとき入力部2001に商品の購入を取消す旨の入力がなされた場合、制御部200は、S6で登録した販売日を示す情報およびS7で記憶した商品情報を消去し、処理を終了する。決済処理が実行された後、出力部2008は、業者情報取得部2005が取得した業者情報および決済処理部2004が実行した決済処理に関する決済情報を、レシート発行指示とともにプリンタ26に出力する。そして、制御部200は処理を終了する。
【0061】
これにより、プリンタ26は、業者情報が印字されたレシートを発行する。
図12は、発行されたレシートの一例を示す図である。レシートには、決済情報が印字された決済情報印字領域51と業者情報が印字された業者情報印字領域52とが形成される。
【0062】
決済情報印字領域51には、購入された商品の商品名、価格、小計金額、税額、合計金額等が印字されている。また、購入された特定商品については商品名に対応づけて、マーク511が印字されている。マーク511は、対応する商品が特定商品であることを示すものである。業者情報印字領域52には、業者情報として、業者名、所在地、および連絡先が印字されている。特定商品を購入した顧客は、レシートを見ることによって、買い替え前の商品すなわちこれまで使用していた商品の廃棄処分を行う業者を確認することができる。
【0063】
次に、商品管理ファイル更新について説明する。
図13は、商品管理ファイル更新時における制御部200の処理を示すフローチャートである。
図13に示す制御部200の処理は、定期的に実行される。
【0064】
まず、制御部200は、受付部2009が個品コードと廃棄処分日とを対応づけた処分時期情報を受付けたか否か判断し(S11)、受付けていなければ(S11のN)、S11の処理に戻って待機する。受付部2009が処分時期情報を受付けると(S11のY)、販売時期情報取得部2010は、商品管理ファイル217から個品コードと販売日とを対応付けた販売時期情報を取得する(S12)。
【0065】
続いて、記憶処理部2011は、商品管理ファイル217を更新する(S13)。詳細には、記憶処理部2011は、個品コードをキーとして、処分時期情報と販売時期情報とを対応付けて商品管理ファイル217に廃棄処分日を登録する。そして、制御部200は処理を終了する。
【0066】
これにより、特定商品について商品管理ファイル217が更新され、店舗は、商品が販売されてから廃棄処分されるまでの期間を管理することができる。
【0067】
上記第1の実施形態によれば、特定商品を購入した顧客は、POS端末2が発行したレシートに印字された業者情報を確認することで、当該特定商品の廃棄処分を行う業者の業者情報を入手することができる。このため、POS端末2は、特定商品を購入する顧客の利便性を向上させることができる。また、レシートに印字される業者情報は、顧客の居住地等を含む地域に所在する業者で費用がより安い業者の業者情報であるため、顧客にとってより有用なものとなる。
【0068】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して第2の実施形態の情報処理装置およびプログラムについて説明する。第1の実施形態は情報処理装置をPOS端末2に適用したものであるのに対し、第2の実施形態は情報処理装置をサーバ装置に適用したものである。また、第2の実施形態においては、個品毎の販売時期および廃棄処分時期の管理は行われない。
図14は、情報処理装置を含む販売システムを示す図である。販売システム6は、いわゆるインターネットショッピングを行うシステムである。
【0069】
販売システム6は、サーバ装置7と、決済サーバ8と、ユーザ端末9とを備える。サーバ装置7、決済サーバ8、およびユーザ端末9は、インターネットなどのネットワークNを介して互いに通信可能に接続されている。
【0070】
サーバ装置7は、例えば店舗を運営する企業のデータセンタ等に設置され、インターネットショッピングに活用される。サーバ装置7は、ユーザ端末9から商品の注文を受付け、当該注文を受付けた商品の代金の支払いに係る決済処理を実行する。サーバ装置7が実行する決済処理とは、例えば、クレジット決済においてオーソリゼーション(信用承認)を行うために、ユーザ端末9から入力されたカード情報を含むクレジット情報を決済サーバ8に送信する処理など、顧客が商品購入の支払を行うためにサーバ装置7が行う処理をいう。なお、サーバ装置7は複数のコンピュータによって構成されてもよい。
【0071】
決済サーバ8は、クレジット会社のデータセンタなどに設置される。決済サーバ8は、サーバ装置7から送信されるクレジット情報に基づいて、オーソリゼーションを行なう。オーソリゼーションは、クレジットカードが有効なものか、利用限度額を超えていないか、などを判断する処理である。また、決済サーバ8は、決済要求情報を受信した場合に、購入対象の商品の代金の支払に係る決済を実行する。
【0072】
ユーザ端末9は、商品を購入する顧客が保有するPCやスマートフォン等の情報端末である。ユーザ端末9は、顧客によって入力された商品購入に関する情報をサーバ装置7に送信する。商品購入に関する情報とは、顧客を特定する顧客情報、購入する商品を識別する商品識別情報、および決済を行うためのクレジット情報などを含む。
【0073】
図15は、サーバ装置7のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ装置7は、制御部700と、メモリ部710と、入出力コントローラ720と、通信I/F730等を備える。制御部700、メモリ部710、入出力コントローラ720、通信I/F730はバス740を介して互いに接続されている。
【0074】
制御部700は、CPU701、ROM702、RAM703を備えたコンピュータで構成される。CPU701、ROM702、RAM703は、バス740を介して互いに接続されている。
【0075】
CPU701は、サーバ装置7の全体の動作を制御する。ROM702は、CPU701の駆動に用いられるプログラムなどの各種プログラムや各種データを記憶する。RAM703は、CPU701のワークエリアとして使用され、ROM702やメモリ部710に記憶された各種プログラムや各種データを展開する。制御部700は、CPU701がROM702やメモリ部710に記憶されRAM703に展開された制御プログラムに従って動作することによって、サーバ装置7の各種制御処理を実行する。
【0076】
メモリ部710は、HDDやフラッシュメモリ等の記憶媒体で構成されており、電源を遮断しても記憶内容を維持する。メモリ部710は、制御プログラム711、商品マスタ712、業者マスタ713、処分情報管理テーブル714、地域管理マスタ715、および処分情報設定ファイル716を記憶する。なお、業者マスタ713および処分情報管理テーブル714は、業者管理情報を構成する。言い換えれば、業者マスタ713および処分情報管理テーブル714に登録された各情報は、業者に関する情報である。
【0077】
制御プログラム711は、ユーザ端末9から商品の注文を受付け、当該注文を受付けた商品の代金の支払いに係る決済処理を実行するための制御プログラムや特定の廃棄処分を行う業者に関する業者情報をユーザ端末9に送信するための制御プログラムなどである。
【0078】
商品マスタ712、業者マスタ713、処分情報管理テーブル714、地域管理マスタ715、および処分情報設定ファイル716は、第1の実施形態におけるPOS端末2のメモリ部210に記憶されたものと同様のデータ構成(
図4~
図8参照)であるので、説明を省略する。
【0079】
入出力コントローラ720は、キーボードなどの操作部71およびディスプレイなどの表示部72と接続される。入出力コントローラ220は、接続されるハードウェアに対する入出力インターフェイスとしての機能とこれらハードウェアを制御するための機能とを備えている。これにより、制御部200は、入出力コントローラ720を介して、操作部71および表示部72と情報の送受信が可能であるとともに、制御部700の指示に基づいてこれらハードウェアを制御可能となっている。
【0080】
通信I/F730は、決済サーバ8やユーザ端末9と通信するためのインターフェイスである。制御部700は、通信I/F730を介して決済サーバ8やユーザ端末9と接続されることで、決済サーバ8やユーザ端末9と情報の送受信が可能となる。
【0081】
続いて、サーバ装置7の機能構成について説明する。
図16は、サーバ装置7の機能構成を示すブロック図である。制御部700は、CPU701がROM702やメモリ部710に記憶された制御プログラムにしたがって動作することで、入力部7001、登録部7002、判定部7003、決済処理部7004、業者情報取得部7005、地域情報取得部7006、処分情報取得部7007、および出力部7008として機能する。なお、これら各機能を専用回路等のハードウェアで構成してもよい。
図16に示すサーバ装置7の機能構成部の機能は、第1の実施形態におけるPOS端末2の機能構成部の機能とほぼ同様である。以下の説明においては、第1の実施形態におけるPOS端末2の機能構成部と異なる機能について説明し、同様の機能については説明を省略する。
【0082】
入力部2001には、ユーザ端末9から、顧客を特定する顧客情報、購入する商品を識別する商品コード、および決済を行うためのクレジット情報などが入力される。決済処理部7004は、入力部7001に入力された商品コードで識別される商品の決済にかかる処理を実行する。例えば、決済処理部7004は、ユーザ端末9で入力されたカード情報を含むクレジット情報を取得し、決済サーバ8が決済するために必要な情報を決済サーバ8に送信する。
【0083】
地域情報取得部7006は、ユーザ端末9で入力された地域情報を取得する。ユーザ端末9に顧客の住所あるいは特定商品の配送先の住所が入力された場合、地域情報取得部7006は、地域管理マスタ715を参照して当該住所に対応する地域を特定することで地域情報を取得する。出力部7008は、決済処理部7004の処理が実行されると、ユーザ端末9に対して業者情報取得部7005が取得した業者情報を出力する。これにより、ユーザ端末9は、業者情報を自機の表示部に表示することができる。
【0084】
次に、上記構成に基づくサーバ装置7の動作を説明する。
図17は、ユーザ端末9からの購入受付時における制御部の処理を示すフローチャートである。
【0085】
まず、制御部700は、入力部7001にユーザ端末9から顧客情報が入力されたか否かを判断し(S21)、入力されなければ(S21のN)、S21に戻って待機する。顧客情報は、例えば会員ID等の個人を特定できる情報である。入力部7001に顧客情報が入力されると(S21のY)、制御部700は、入力部7001に商品コードが入力されたか否か判断する(S22)。言い換えれば、制御部700は、ユーザ端末9から商品の注文を受付けたか否か判断する。
【0086】
商品コードが入力されない場合(S22のN)、制御部700は、S22の処理に戻って待機する。入力部7001に商品コードが入力されると(S22のY)、判定部7003は、商品マスタ712を参照して当該商品コードで識別される商品が特定商品であるか否か判定する(S23)。
【0087】
特定商品であると(S23のY)、地域情報取得部7006は、ユーザ端末9から入力部7001に入力された地域情報、または入力された住所に基づいて選定された地域情報を取得する(S24)。処分情報取得部7007は、処分情報設定ファイル716を参照して処分情報管理テーブル714から処分情報を取得する(S25)。
【0088】
業者情報取得部7005は、以下のとおり業者情報を取得する(S26)。まず、業者情報取得部7005は、業者マスタ713を参照して入力部7001に入力された商品コードに対応する業者コードを選定する。次いで、業者情報取得部7005は、商品コードに基づいて選定した業者コードを、地域情報取得部7006が取得した地域情報に基づいて絞り込む。すなわち、業者情報取得部7005は、商品コードに基づいて選定した業者コードのうち、業者マスタ713において地域情報取得部7006が取得した地域情報に対応する業者コードに絞り込む。
【0089】
続いて、業者情報取得部7005は、地域情報に基づいて絞り込んだ業者コードを、処分情報取得部7007が取得した処分情報に基づいてさらに絞り込む。すなわち、業者情報取得部7005は、地域情報に基づいて絞り込んだ業者コードのうち、処分情報管理テーブル714において費用が安い順にいくつか、例えば2つの業者コードに絞り込む。そして、業者情報取得部7005は、これら2つの業者に関する業者情報を業者マスタ713から取得する。これにより、業者情報取得部7005は、特定商品を購入した顧客に最も適すると思われる業者情報を取得することができる。なお、業者情報取得部7005が選定する業者コードの数は2つに限るものでなく、適宜設定することができる。
【0090】
S26の処理に続いて、登録部7002は、商品登録を実行する(S27)。具体的には、登録部7002は、入力部7001に入力された商品コードに基づいて商品マスタ712から商品名や価格などの商品情報を読出してRAM703に記憶する。なお、S23の処理において、判定部7003により入力部7001に入力された商品コードで識別される商品が特定商品でないと判定されると(S23のN)、制御部700はS24~S26の処理をスキップしてS27の処理に移行する。
【0091】
次いで、出力部7008は、ユーザ端末9に対して、入力部2001に入力された商品の商品情報および当該商品の決済指示要求を出力する(S28)。決済指示要求は、顧客に対して、購入商品の確認と当該購入商品の決済指示の入力を要求するものである。そして、制御部700は、ユーザ端末9から入力部7001に決済指示情報が入力されたか否か判断し(S29)、決済指示情報が入力されないと(S29のN)、S29の処理に戻る。決済会計指示情報が入力されると(S29のY)、決済処理部2004は決済処理を実行する(S30)。決済指示情報は、カード情報等のクレジット情報を含む。なお、このときユーザ端末9から入力部7001に商品の購入を取消す旨の入力がなされた場合、制御部700は、S27で記憶した商品情報を消去し、処理を終了する。決済処理が実行された後、出力部7008は、業者情報取得部7005が取得した業者情報および決済処理部7004が実行した決済処理に関する決済情報を、ユーザ端末9に出力する。そして、制御部700は処理を終了する。
【0092】
これにより、ユーザ端末9は、自機の表示部に業者情報を表示することができる。
図18は、ユーザ端末9の表示画面の一例を示す図である。表示画面に表示される情報は、第1の実施形態におけるレシートに印字される情報と同様である。表示画面には、決済情報が表示された決済情報表示領域91と業者情報が表示された業者情報表示領域92とが形成される。
【0093】
決済情報表示領域91には、購入された商品の商品名、価格、小計金額、税額、合計金額等が表示されている。また、購入された特定商品については商品名に対応づけて、マーク911表示されている。マーク911は、対応する商品が特定商品であることを示すものである。業者情報表示領域92には、業者情報として、業者名、所在地、および連絡先が表示されている。特定商品を購入した顧客は、表示画面を見ることによって、買い替え前の商品すなわちこれまで使用していた商品の廃棄処分を行う業者を確認することができる。
【0094】
上記第2の実施形態によれば、インターネットショッピングで特定商品を購入した顧客は、自己が所有するユーザ端末9の表示画面を確認することで、当該特定商品の廃棄処分を行う業者情報を入手することができる。このため、サーバ装置7は、特定商品を購入する顧客の利便性を向上させることができる。また、表示画面に表示される業者情報は、顧客の居住地等を含む地域に所在する業者で費用がより安い業者のの業者情報であるため、顧客にとってより有用なものである。
【0095】
以上説明したとおり、上記各実施形態の情報処理装置は、商品を識別する商品識別情報が入力される入力部と、前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品の決済にかかる処理を実行する決済処理部と、前記入力部に入力された商品識別情報で識別される商品が特定の廃棄処分が必要な商品である場合、前記商品識別情報と廃棄処分を行う業者に関する業者情報とを対応付けた業者管理情報を参照して前記入力部に入力された商品識別情報に対応する前記業者情報を取得する業者情報取得部と、前記決済処理部の処理が実行されると、前記業者情報取得部が取得した業者情報を出力する出力部と、を備える。
【0096】
これにより、各実施形態の情報処理装置は、顧客が特定商品すなわち特定の廃棄処分が必要な商品を購入する場合、顧客に対して当該特定商品の廃棄処分を行う業者に関する業者情報を提供することができる。したがって、各実施形態の情報処理装置は、特定商品を購入する顧客の利便性を向上させることができる。
【0097】
また、各実施形態の情報処理装置は、地域を示す地域情報を取得する地域情報取得部をさらに備え、業者情報取得部は、前記業者情報と前記地域情報とを対応付けた業者管理情報を参照して前記地域情報取得部が取得した地域情報に対応する前記業者情報を取得する。
【0098】
これにより、各実施形態の情報処理装置は、特定商品を購入する顧客に対して、例えば顧客の居住地を含む地域に所在する業者の業者情報を提供することができる。このため、各実施形態の情報処理装置は、顧客に対して有用な業者情報を提供することができる。
【0099】
しかも、各実施形態の情報処理装置は、業者の廃棄処分にかかる処分情報を取得する処分情報取得部をさらに備え、業者情報取得部は、業者情報と前記処分情報とを対応付けた業者管理情報を参照して前記処分情報取得部が取得した処分情報に対応する前記業者情報を取得する。
【0100】
これにより、各実施形態の情報処理装置は、特定商品を購入する顧客に対して、例えば廃棄処分に要する費用など廃棄処分にかかる処分情報に応じて業者の業者情報を提供することができる。このため、各実施形態の情報処理装置は、顧客に対して有用な業者情報を提供することができる。
【0101】
さらに、第1実施形態の情報処理装置は、商品の個品を識別する個品識別情報と商品の廃棄処分時期とを対応付けた処分時期情報を受付ける受付部と、前記個品識別情報と商品の販売時期とを対応付けた販売時期情報を取得する販売時期情報取得部と、前記処分時期情報および前記販売時期情報に基づいて、前記個品識別情報と前記販売時期と前記廃棄処分時期とを対応付けてメモリ部に記憶する記憶処理部と、を備える。
【0102】
これにより、第1実施形態の情報処理装置は、特定商品の販売時期および廃棄処分時期を管理することができる。特定商品の製造メーカは、特定商品の販売時期および廃棄処分時期を管理した情報の提供を受けることにより、特定商品の市場における実際の耐用年数を認識することができるので、当該情報を生産計画の策定に活用することができる。
【0103】
なお、上記各実施形態において、POS端末2およびサーバ装置7で実行される制御プログラムは、CD-ROM等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。また、上記各実施形態のPOS端末2およびサーバ装置7で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良く、さらには、インターネット等のネットワーク経由で提供するように構成しても良い。
【0104】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0105】
2 POS端末(情報処理装置)
7 サーバ装置(情報処理装置)
2001 入力部
2004 決済処理部
2005 業者情報取得部
2006 地域情報取得部
2007 処分情報取得部
2008 出力部
2009 受付部
2010 販売時期情報取得部
2011 記憶処理部
7001 入力部
7004 決済処理部
7005 業者情報取得部
7006 地域情報取得部
7007 処分情報取得部
7008 出力部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0106】