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特開2022-141334半導体製造装置および半導体製造方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141334
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】半導体製造装置および半導体製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20220921BHJP
   B65G 47/90 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B65G47/90 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041578
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】川崎 大地
【テーマコード(参考)】
3F072
5F131
【Fターム(参考)】
3F072AA16
3F072KD23
5F131AA02
5F131BA37
5F131CA18
5F131DA42
5F131DA62
5F131DB03
5F131DB22
5F131DB52
5F131DB54
5F131DB82
5F131EA03
5F131KB55
(57)【要約】
【課題】ウェハの搬送ズレを抑制できる半導体製造装置および半導体製造方法を提供する。
【解決手段】半導体製造装置は、ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレードおよび搬送ブレードの位置を調整する搬送アームを有する搬送装置と、搬送ブレードを収納して搭載領域に付着した異物を除去する処理室を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレード、および、前記搬送ブレードに接続して前記搬送ブレードの位置を調整する搬送アームを有する搬送装置と、
前記搬送ブレードを収納し、前記搭載領域に付着した異物を除去する処理室と
を備える、半導体製造装置。
【請求項2】
所定の除去タイミングで、前記搬送装置に前記搬送ブレードを前記処理室に収納するよう制御し、前記処理室の除去装置に前記搭載領域に付着した前記異物を除去するよう制御する制御装置を更に備える、請求項1に記載の半導体製造装置。
【請求項3】
前記処理室が、前記処理室の内部に前記搬送ブレードを搬入する搬送口と、前記搬送口を開閉するシャッターを有し、
前記シャッターを閉じた状態で、前記処理室に収納した前記搬送ブレードの前記搭載領域に付着した前記異物を除去する、
請求項1又は2に記載の半導体製造装置。
【請求項4】
前記搭載領域の前記異物の付着状態を示す異物情報を取得する異物情報取得装置を更に備え、
前記異物情報取得装置により得られた前記異物情報が所定の判定条件を満たさない場合に、前記搬送ブレードを前記処理室に収納し、前記搭載領域に付着した前記異物を除去する、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
【請求項5】
所定の除去タイミングで、ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレードを処理室に収納し、
前記処理室の内部で前記搭載領域に付着した異物を除去する異物除去工程を実行する
を含む、半導体製造方法。
【請求項6】
前記ウェハに半導体装置を形成するためのウェハ処理と前記異物除去工程とを並行して行う、請求項5に記載の半導体製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ウェハに半導体装置を形成する製造方法に使用される半導体製造装置および半導体製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一連の製造工程によってウェハに半導体装置が形成される。複数のチャンバーでそれぞれ製造工程を実行するために、搬送装置がチャンバー間でウェハを搬送する。このとき、搬送装置の所定の搭載領域にウェハが搭載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9-283597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ウェハの搬送中の搬送装置でウェハの位置ズレを抑制できる半導体製造装置および半導体製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体製造装置は、ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレードおよび搬送ブレードの位置を調整する搬送アームを有する搬送装置と、搬送ブレードを収納して搭載領域に付着した異物を除去する処理室を備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係る半導体製造装置の構成を示す模式図である。
図2】処理室でのウェハの搬送方法を説明するための模式図である(その1)。
図3】処理室でのウェハの搬送方法を説明するための模式図である(その2)。
図4A】処理室のシャッターを閉じる方法を説明するための模式図である(その1)。
図4B】処理室のシャッターを閉じる方法を説明するための模式図である(その2)。
図5A】処理室のシャッターを閉じる方法を説明するための模式図である(その3)。
図5B】処理室のシャッターを閉じる方法を説明するための模式図である(その4)。
図6A】処理室のシャッターを閉じる方法を説明するための模式図である(その5)。
図6B】処理室のシャッターを閉じる方法を説明するための模式図である(その6)。
図7】第1の実施形態に係る半導体製造装置の処理室の構成を示す模式図である。
図8A】異物発生工程の例を示す模式的な断面図である(その1)。
図8B】異物発生工程の例を示す模式的な断面図である(その2)。
図8C】異物発生工程の例を示す模式的な断面図である(その3)。
図9】第1の実施形態に係る半導体製造方法を説明するためのフローチャートである。
図10】第1の実施形態に係る半導体製造装置の他の構成を示す模式図である。
図11】第1の実施形態の変形例に係る半導体製造装置の構成を示す模式図である。
図12A】第1の実施形態の変形例に係る半導体製造装置の搬送ブレードと搬送アームの接続方法の例を示す模式図である(その1)。
図12B】第1の実施形態の変形例に係る半導体製造装置の搬送ブレードと搬送アームの接続方法の例を示す模式図である(その2)。
図13】第2の実施形態に係る半導体製造装置の構成を示す模式図である。
図14】第2の実施形態に係る半導体製造方法を説明するためのフローチャートである。
図15A】第3の実施形態に係る半導体製造装置の構成を示す模式図である。
図15B】第3の実施形態に係る半導体製造装置の処理室の構成を示す模式図である。
図16A】第4の実施形態に係る半導体製造装置の構成を示す模式図である。
図16B】第4の実施形態に係る半導体製造装置の処理室の構成を示す模式図である。
図17】第4の実施形態の変形例に係る半導体製造装置の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、図面を参照して、実施形態について説明する。以下に説明する図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。図面は模式的なものである。また、以下に示す実施形態は、技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、部品の材質、形状、構造、配置などを特定するものではない。実施形態は、種々の変更を加えることができる。
【0008】
(第1の実施形態)
図1に示す第1の実施形態に係る半導体製造装置1は、ウェハに半導体装置を形成する半導体製造方法に使用される。半導体製造装置1は、ウェハを搭載する搭載領域110が表面に定義された搬送ブレード11を有する搬送装置10と、搬送ブレード11を収納し、搭載領域110に付着した異物を除去する処理室20を備える。図1に示すように、処理室20は、搬送装置10の外部に配置されている。
【0009】
図1において、搭載領域110の面法線方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な平面をXY平面とする(以下において同様。)。X軸方向は、搬送ブレード11を処理室20に搬入する方向である。図1は、Z軸方向から見た、搬送ブレード11を収納した状態の処理室20の平面図である。
【0010】
搬送装置10によるウェハの搬送中に、搭載領域110でウェハの位置ズレ(以下、「搬送ズレ」とも称する。)が発生する現象が観測された。本発明者らは、検討を重ねて、半導体装置の製造工程でウェハの裏面に膜が形成された後に、ウェハの裏面から剥離した膜の一部(以下、「異物」と称する。)が搭載領域110に付着することが、搬送ズレの原因であることを見出した。すなわち、搭載領域110とウェハの間に異物が介在すると、搭載領域110の上でウェハが安定しない。半導体製造装置1は、搬送ズレが発生する前に、搭載領域110に付着した異物を除去する。
【0011】
搬送装置10は、搬送ブレード11に接続し、搬送ブレード11の位置を調整する搬送アーム12を有する。搬送アーム12は、例えば複数軸の自由度を持つロボットアームなどである。搬送ブレード11は、接合ピン13によって搬送アーム12に固定されている。
【0012】
半導体製造装置1は、搬送装置10と処理室20の動作を制御する制御装置30を更に備える。制御装置30は、搬送装置10に搬送ブレード11を処理室20に収納するよう制御し、処理室20の除去装置に搭載領域110に付着した異物を除去するよう制御する。以下において、搬送ブレード11を処理室20の内部に移動し、搭載領域110に付着した異物を除去する工程を、「異物除去工程」とも称する。なお、図1では、搬送装置10と処理室20の基本的な構成を明確にするために、除去装置の図示を省略している。処理室20の除去装置の詳細については後述する。
【0013】
異物除去工程の詳細を説明する前に、図1を参照して、搬送ブレード11と処理室20について説明する。
【0014】
図1に示した搬送装置10では、搬送ブレード11の表面に配置したパッド111の上面が、ウェハを搭載する搭載領域110である。図1は、搬送ブレード11にウェハが搭載されていない状態である。
【0015】
図1に示したステージ21は、処理室20に収納されたウェハを戴置する領域である。ウェハ用プッシャーピン22は、搬送装置10によりウェハを処理室20に搬入したり、ウェハを処理室20から搬出したりする場合に使用される。例えば、搬送装置10がウェハ100を処理室20に搬入すると、図2に示すように、ステージ21の上面に上部を露出したウェハ用プッシャーピン22がウェハ100を支持する。この状態で、搬送ブレード11をウェハ100の下方から引き抜く。その後、ウェハ用プッシャーピン22の全体がステージ21に格納され、図3に示すように、ウェハ100はステージ21に戴置される。一方、ウェハ100を処理室20から搬出する際には、ウェハ用プッシャーピン22の上部がステージ21の上面に露出してウェハ100が持ち上がる。この状態で、ウェハ100の下方に搬送ブレード11を差し込む。そして、ウェハ用プッシャーピン22の全体をステージ21に格納することにより、搬送ブレード11にウェハ100が搭載される。その後、搬送装置10がウェハ100を処理室20から搬出する。
【0016】
処理室20は、処理室20の内部に搬送ブレード11を搬入する搬送口を開閉するシャッター25を有する。通常、処理室20での製造工程は、シャッター25を閉じて密閉空間にした処理室20の内部で行われる。すなわち、異物除去工程では、シャッター25を閉じた状態で、処理室20に収納した搬送ブレード11の搭載領域110に付着した異物を除去する。
【0017】
半導体製造装置1は、シャッター25に搬送アーム12を挟んだ状態で、搬送口をシャッター25で閉じてもよい。以下に、搬送アーム12を挟んだ状態でシャッター25を閉じる例を説明する。以下に説明するシャッター25は、X軸方向に沿って配置された第1シャッター251~第4シャッター254により構成されている。
【0018】
図4Aに示すように、第1シャッター251が処理室20の搬送口の上方から下降する。第1シャッター251は、図4Bに示すように、搬送アーム12の幅に相当する幅の開口領域が下方に開くU字形状である。このため、搬送アーム12に接触するまで第1シャッター251を閉じることにより、搬送アーム12の下方のみで処理室20の搬送口が開いている。
【0019】
次に、図5Aに示すように、第2シャッター252が処理室20の搬送口の下方から上昇する。第2シャッター252は、図5Bに示すように、搬送アーム12の幅に相当する幅の開口領域が上方に開くU字形状である。このため、搬送アーム12に接触するまで第2シャッター252を閉じることにより、第1シャッター251および第2シャッター252により搬送アーム12を挟んだ状態で処理室20の搬送口が閉じられる。
【0020】
更に、図6A図6Bに示すように、第3シャッター253が搬送口の上方から下降し、第4シャッター254が処理室20の搬送口の下方から上昇する。これにより、第3シャッター253と第4シャッター254により搬送アーム12が挟まれる。第3シャッター253は、第1シャッター251と同様に、搬送アーム12の幅に相当する幅の開口領域が下方に開くU字形状である。第4シャッター254は、第2シャッター252と同様に、搬送アーム12の幅に相当する幅の開口領域が上方に開くU字形状である。
【0021】
図7に、除去装置200を含む処理室20の構成の例を示す。図7に示す除去装置200を用いた異物除去工程では、処理室20の内部にプラズマを発生させ、プラズマに搭載領域110を曝すことにより(以下において、「プラズマ処理」とも称する。)、異物を搭載領域110から除去する。プラズマ処理による異物除去工程では、プラズマ化した気体と搭載領域110に付着した異物を反応させて、異物を搭載領域110から除去する。図7に示す除去装置200は、上部電極202、下部電極203、高周波電源206を備える。異物除去工程の対象の搬送ブレード11は、絶縁体載置台205に戴置される。絶縁体載置台205の周囲に、下部ダミーリング210および上部ダミーリング211がリング状に配置されている。
【0022】
絶縁体載置台205に搬送ブレード11を戴置した状態で、プラズマ化する気体を処理室20の内部で所定の圧力に調整した後、高周波電源206が上部電極202と下部電極203の間に電力を供給する。これにより、処理室20の内部の気体がプラズマ化される。プラズマに搬送ブレード11を曝すことにより、搭載領域110に付着した異物が除去される。例えば、搬送ブレード11に付着する異物の主成分がカーボンである場合に、酸素を主成分とする気体をプラズマ化してプラズマ処理を行ってもよい。つまり、酸素とカーボンを反応させて二酸化炭素を生成させるプラズマ処理によりカーボンを揮発させて、搬送ブレード11から異物を除去する。
【0023】
図7に示す除去装置200では、絶縁体載置台205に配置した熱輸送流体流路207が、絶縁体載置台205に戴置した搬送ブレード11の温度を制御する。熱交換のための流体が、熱輸送流体供給装置209から熱輸送流体配管208を経由して熱輸送流体流路207に供給される。また、熱交換気体供給装置213に接続する熱交換気体流路212が、処理室20の内部に配置されている。
【0024】
上記では、搭載領域110に付着する異物がカーボンである例を説明した。しかし、搭載領域110に付着する異物がカーボン以外であってもよいことはもちろんである。搭載領域110に付着した異物に応じて、処理室20の内部でプラズマ化する気体の種類や流量などを適切に設定する。プラズマ化する気体は、異物を搭載領域110から除去し、かつ、搬送ブレード11の表面を削らないなど搬送ブレード11の材質や形状に影響しない気体を選択する。
【0025】
ところで、搭載領域110に付着する異物を発生させる工程(以下において、「異物発生工程」とも称する。)は、例えば保護膜の形成工程である。この保護膜は、リアクティブイオンエッチング(Reactive Ion Etching:RIE)などのドライエッチング工程においてエッチングしない領域を保護するために形成される。異物発生工程の例を、図8A図8Cを参照して以下に説明する。以下に例示する製造工程は、高アスペクト比の溝をウェハに形成する工程である。
【0026】
図8Aに示すように、ウェハ100の表面に溝を形成する。その後、図8Bに示すように、溝の内壁面に保護膜としてカーボン膜Cを形成する。このとき、ウェハ100の裏面にもカーボン膜が形成される。その後、図8Cに示すように、カーボン膜Cを保護膜とするドライエッチング法により、更に溝を深くする。このとき、溝の内壁面に形成したカーボン膜Cはある程度削られる。その後、溝の内壁面に残ったカーボン膜Cを除去する。
【0027】
上記のドライエッチング法により溝を深く形成した後、ウェハ100が次の製造工程に進められる。このとき、ウェハ100を搬送装置10により搬送するため、ウェハ100の裏面と搬送ブレード11の搭載領域110が接触する。このため、ウェハ100の裏面に残存していたカーボン膜が剥離し、剥離したカーボン膜が異物として搬送ブレード11の搭載領域110に付着する。
【0028】
異物発生工程の回数を重ねるほど、搭載領域110に付着する異物の個数は増加する。半導体製造装置1は、搭載領域110に付着した異物に起因して搬送ズレが発生する前に、異物を搭載領域110から除去する。これにより、ウェハの搬送ズレを抑制できる。
【0029】
異物除去工程を実行するタイミング(以下において、「除去タイミング」とも称する。)は任意に設定可能である。
【0030】
例えば、ウェハの裏面に膜が形成される異物発生工程の直後にウェハを搬送ブレード11に搭載する回数(以下、「搭載回数」と称する。)に応じて、除去タイミングを設定してもよい。この場合、搬送装置10で搬送ズレが発生するようになる搭載回数を、予め実験などにより確認しておく。例えば、制御装置30が搭載回数を記録し、搭載回数が一定の回数に達した場合に、制御装置30は異物除去工程を自動的に実行する。
【0031】
或いは、搭載回数とは関係なく、一定の期間を経過するごとに異物除去工程を実行するようにしてもよい。つまり、前回の異物除去工程から予め設定した所定の期間を経過した後に、制御装置30が異物除去工程を自動的に実行する。異物除去工程の間隔を設定するには、例えば、搬送装置10で搬送ズレが発生するようになる期間を予め実験などにより確認しておく。
【0032】
第1の実施形態に係る半導体製造装置1による異物除去工程の例を、図9に示す。まず、図9のステップS11において、所定の除去タイミングで、ウェハを搭載する搭載領域110が表面に定義された搬送ブレード11を処理室20に収納する。ついで、ステップS12において、処理室20において搭載領域110に付着した異物を除去する異物除去工程を実行する。
【0033】
上記の異物除去工程は、制御装置30の制御により実行してもよい。その場合、制御装置30は、設定された特定の除去タイミングで処理室20に搬送ブレード11を収納するように、搬送装置10を制御する。そして、制御装置30は、処理室20に収納された搬送ブレード11の搭載領域110に付着した異物を除去するように、除去装置200を制御する。
【0034】
或いは、半導体製造装置1を操作する作業者が、異物除去工程を実行してもよい。例えば、制御装置30を有さない半導体製造装置1では、半導体製造装置1を操作する作業者が、所定の除去タイミングで搬送装置10と処理室20を操作して異物除去工程を実行してもよい。
【0035】
ところで、処理室20は、異物除去工程を実行するための専用のチャンバーであってもよいし、他の製造工程を実行するチャンバーと兼ねてもよい。例えば、半導体装置の製造においてプラズマ処理によるアッシング工程を行うチャンバーにおいて、異物除去工程を実行してもよい。通常、半導体装置の製造におけるドライエッチング工程では、加工時のマスク材としてカーボン膜を用いることが多い。ドライエッチング工程の後に、それ以降の工程では不要なマスク材を除去するためにアッシング工程を実行する。このアッシング工程では、例えば、ウェハを加熱した状態で酸素を主成分とする気体をプラズマ化するプラズマ処理により、カーボンをウェハから除去する。このため、アッシング工程を実行するチャンバーを処理室20と兼用にしてもよい。
【0036】
半導体製造装置1は、複数のチャンバーを有してもよい。図10に、複数のチャンバーを有する半導体製造装置1の例を示す。図10に示す半導体製造装置1は、チャンバーA1~A6を含む第1の処理装置1Aと、第1の処理装置1Aに連結する第2の処理装置1Bを有する。図10に示す半導体製造装置1では、チャンバーA1~A6のいずれかで異物除去工程を実行する。
【0037】
第1の処理装置1Aは、例えばRIEなどのドライエッチング工程を実施する。第1の処理装置1Aは、第2の処理装置1Bとの間で搬送するウェハを格納する第1格納室LLAと第2格納室LLBを有する。第1の処理装置1Aの内部では、第1のトランファーモジュールTM1の第1の搬送装置10Aと第2の搬送装置10Bにより、ウェハを搬送する。
【0038】
第2の処理装置1Bは、ウェハをクリーンルーム内で搬送する容器とそれぞれ連結する第1ロードポートLP1~第3ロードポートLP3と、アッシング工程を行う第1アッシング室D1と第2アッシング室D2を有する。第2の処理装置1BのシリコンストレージポートSSPは、アッシング室のクリーニング処理に使用するダミー基板を収納する。第2の処理装置1Bの内部では、第2のトランファーモジュールTM2の第1のロボットアームR1と第2のロボットアームR2により、ウェハを搬送する。
【0039】
なお、第1格納室LLAと第2格納室LLBは、大気圧である第2の処理装置1Bの内部と真空である第1の処理装置1Aの内部との間でウェハを搬送する際の、搬出入口である。第1の処理装置1Aでは、それぞれのチャンバーの内部を大気にさらさずに真空連続で複数の工程を連続的に実行できる。このため、製造工程を効率化できる。
【0040】
また、第1のトランファーモジュールTM1および第2のトランファーモジュールTM2は、2つの搬送アームをそれぞれ有する。このため、第1の処理装置1Aと第2の処理装置1Bの内部で2枚のウェハを同時に搬送して、生産性を向上させることができる。
【0041】
半導体製造装置1が複数のチャンバーを有する場合に、ウェハに半導体装置を形成するためのウェハ処理と異物除去工程とを並行して行ってもよい。すなわち、半導体製造装置1のチャンバーの1つを処理室20として異物除去工程を実行し、異物除去工程と並行して他のチャンバーでウェハ処理を実行してもよい。また、ウェハ処理を実行するチャンバーと処理室20を兼用する場合でも、処理室20と兼用しないチャンバーでウェハ処理を実行しながら、そのウェハ処理と並行して処理室20で異物除去工程を実行してもよい。
【0042】
半導体製造装置で搬送ズレが発生すると、ウェハが搬送装置から落下したり、ウェハを搬入しようとする製造装置にウェハが衝突したりして、ウェハが破損する可能性がある。また、ウェハを搭載領域に配置し直すためには、工程を停止する必要がある。このように、搬送ズレが発生すると、半導体装置を製造する上で生産性が低下する。
【0043】
しかし、第1の実施形態に係る半導体製造装置1は、所定の除去タイミングにおいて搭載領域110に付着した異物を除去する。このため、半導体製造装置1によれば、搬送装置10によるウェハの搬送中における搬送ズレの発生を抑制できる。その結果、半導体装置の製造の生産性の低下を抑制できる。
【0044】
<変形例>
上記では、シャッター25に搬送アーム12を挟んだ状態で、処理室20の搬送口をシャッター25で閉じる場合を説明した。これに対し、搬送ブレード11が搬送アーム12に脱着自在に接続された搬送装置10を用いて、搬送ブレード11のみを処理室20に収納してもよい。すなわち、図11に示すように、搬送アーム12から分離した搬送ブレード11を処理室20に収納し、かつ搬送アーム12が処理室20の外側に位置した状態で、シャッター25を閉じる。シャッター25に搬送アーム12を挟まないことにより、処理室20の内部をより確実に密閉することができる。
【0045】
なお、図11に示すように搬送ブレード用プッシャーピン26を用いて、搬送ブレード11をステージ21から離間させた状態にしてもよい。搬送ブレード用プッシャーピン26は、搬送ブレード11を処理室20に搬入したり、搬送ブレード11を処理室20から搬出したりする場合に使用される。すなわち、搬送ブレードを処理室20に搬入する際に、搬送ブレード用プッシャーピン26の上部がステージ21の上面に露出し、搬送ブレード11をステージ21の上方で支持する。この状態で、搬送ブレード11と搬送アーム12を分離する。なお、処理室20のウェハを収納する場合には、搬送ブレード用プッシャーピン26の全体がステージ21の内部に格納される。
【0046】
搬送ブレード11を搬送アーム12に脱着自在に接続するには、種々の方法が可能である。例えば、図12A図12Bに示すようにクランプ部14を使用して、搬送ブレード11を搬送アーム12に脱着自在に接続してもよい。クランプ部14の第1部分141は、搬送アーム12に固定されている。クランプ部14の第2部分142は、Y軸方向を回転軸として第1部分141に対して回転自在に動くように、第1部分141に接続している。
【0047】
図12Aに示すように、第2部分142に形成した突起部と搬送ブレード11に形成した凹部を篏合することにより、搬送ブレード11と搬送アーム12が接続する。そして、図12Bに矢印で示すようにクランプ部14の第2部分142が回転することにより、第2部分142に形成された突起部が、搬送ブレード11に形成された凹部から外れる。これにより、搬送ブレード11と搬送アーム12が分離する。
【0048】
上記では、クランプ部14に形成した突起部を搬送ブレード11に形成した凹部に篏合したり突起部を凹部から外したりすることにより、搬送ブレード11を搬送アーム12に脱着自在に接続する例を説明した。他の方法によって搬送ブレード11を搬送アーム12に脱着自在に接続してもよい。例えば、搬送ブレード11と搬送アーム12に電磁石を配置し、磁力によって搬送ブレード11と搬送アーム12を接続してもよい。或いは、真空吸着によって搬送ブレード11と搬送アーム12を接続してもよい。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る半導体製造装置1は、図13に示すように、異物情報取得装置40を更に備える。異物情報取得装置40は、搭載領域110の異物の付着状態を示す情報(以下、「異物情報」とも称する。)を取得する。異物情報は、例えば搭載領域110に付着している異物の個数や範囲などの情報である。図13に示す半導体製造装置1は、異物情報に基づいて除去タイミングを決定する。図13に示す半導体製造装置1は、異物情報取得装置40を備えることが図1と異なる点である。図13に示す半導体製造装置1のその他の構成は、図1に示す半導体製造装置1と同様である。
【0050】
異物情報取得装置40は、搬送ブレード11の搭載領域110に照明光を照射する照明装置41、搭載領域110の表面の画像を取得する撮像装置42、および、撮像装置42により取得した画像を解析する解析装置43を有する。解析装置43は、例えば光回析法などを用いて搭載領域110の表面を分析することにより、異物情報を取得する。
【0051】
異物情報取得装置40による異物情報の取得は、例えば、半導体装置の製造工程の一部としてウェハ処理を実行している間に、そのウェハ処理と並行して実行してもよい。或いは、ウェハ処理をしていないタイミングで、異物情報取得装置40が異物情報を取得してもよい。
【0052】
図13に示す半導体製造装置1では、制御装置30が、異物情報取得装置40により得られた異物情報が所定の判定条件を満たさない場合に、異物除去工程を実行する。
【0053】
判定条件は、例えば、搬送装置10で搬送ズレが発生しない限界である状態の異物情報として設定してもよい。つまり、搬送ズレが発生しない状態の搭載領域110の異物情報を予め実験などにより取得し、このときの異物情報を判定条件として設定する。そして、異物情報取得装置40により取得した異物情報と判定条件を比較して、搬送ズレが発生する前に異物除去工程を実行する。例えば、判定条件の異物の個数よりも異物情報として得られた異物の個数が多い場合に、制御装置30が異物除去工程を実行する。
【0054】
異物情報取得装置40は、半導体製造装置1の内部で搬送装置10と同じ領域に配置してもよい。或いは、図10に示した複数のチャンバーのいずれかに異物情報取得装置40を配置してもよい。例えば、図10のチャンバーA5に異物情報取得装置40を配置し、チャンバーA6を処理室20として使用する。すなわち、チャンバーA5に搬送ブレード11を搬送し、異物情報取得装置40が搬送ブレード11について異物情報を取得する。制御装置30は、異物情報に基づき、搬送ブレード11の異物除去工程が必要か否かを判定する。
【0055】
異物除去工程が必要であると制御装置30が判定した場合は、制御装置30は、搬送装置10に搬送ブレード11を処理室20に搬送するよう制御する。そして、制御装置30は、処理室20に異物除去工程を実行させる。一方、異物情報に基づいて異物除去工程が必要ないと制御装置30が判定した場合は、異物除去工程は実行されない。
【0056】
上記では、制御装置30が、異物情報に基づいて異物除去工程が必要か否かを判定する場合を説明した。しかし、半導体製造装置1を操作する作業者が、異物除去工程が必要か否かを判定してもよい。例えば、異物情報取得装置40の撮像装置42により取得された搭載領域110の表面の画像を作業者が観察し、作業者の目視により異物除去工程が必要か否かを判定してもよい。
【0057】
以下に、図14を参照して、異物情報を用いた製造方法の例を説明する。以下では、半導体製造装置1がウェハ処理を実行している間に異物情報を取得する場合を例示的に説明する。ただし、異物除去工程を実行する半導体製造装置1とウェハ処理する半導体製造装置が異なってもよい。
【0058】
まず、図14のステップS21において、半導体製造装置1の内部に処理対象のウェハを搬入する。例えば、ウェハ処理するチャンバーに、搬送装置10によってウェハを搬入する。その後、ステップS22において、半導体製造装置1でのウェハ処理が行われる。
【0059】
ステップS22のウェハ処理を実行している間に、ステップS23において、異物情報取得装置40が搬送ブレード11の搭載領域110の異物情報を取得する。そして、ステップS24において、制御装置30が、搭載領域110の異物情報が所定の判定条件を満たすか否か判定する。
【0060】
ステップS24において異物情報が判定条件を満たす場合には、処理はステップS26に進む。ステップS26では、ウェハ処理が行われた後、搬送装置10によって半導体製造装置1からウェハを搬出する。
【0061】
一方、ステップS24において異物情報が判定条件を満たさない場合には、処理はステップS25に進む。ステップS25では、搬送ブレード11を処理室20に収納し、異物除去工程を実行する。異物除去工程の後、処理はステップS23に戻る。そして、異物情報が判定条件を満たすまで、ステップS23~ステップS25が繰り返される。
【0062】
第2の実施形態に係る半導体製造装置1では、異物情報に基づいて除去タイミングが設定される。異物情報取得装置40を備える半導体製造装置1によれば、搭載領域110に付着した異物の状態に基づいて、搬送ズレが発生する前に異物を搭載領域110から除去することができる。他は、第1の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
【0063】
(第3の実施形態)
上記では、プラズマ処理により異物を搭載領域110から除去する方法を説明したが、プラズマ処理以外の方法によって異物を搭載領域110から除去してよい。図15Aに、第3の実施形態に係る半導体製造装置1の構成を示す。図15Aは、処理室20の搬送口側から見た半導体製造装置1の側面図である。図15Bは、Z軸方向からみた処理室20の平面図である。図15Aに示す半導体製造装置1は、搭載領域110に付着した異物を液体や気体により除去する除去装置200aを有する。図15Aに示した矢印は、液体又は気体の流れる方向を示す。
【0064】
除去装置200aによる異物除去工程では、搭載領域110から異物を洗い流すための処理用の液体(以下において、「処理用液体」とも称する。)が、流体流出口304から絶縁体載置台302に戴置した搬送ブレード11に噴出する。処理用液体は、流体供給装置306から流体供給流路305を経由して流体流出口304に供給される。
【0065】
また、除去装置200aによる異物除去工程では、搭載領域110から異物を吹き飛ばすための処理用の気体(以下において、「処理用気体」とも称する。)が、気体噴出口314から搬送ブレード11に吹き付けられる。処理用気体は、気体供給装置316から気体供給経路315を経由して気体噴出口314に供給される。処理室20の内部の処理用気体は、気体排気口317から気体排気経路318を経由して気体排気装置319に排気される。
【0066】
なお、図15A及び図15Bに示す処理室20の内部は洗浄液によって洗浄される。洗浄液は、洗浄液供給装置310から洗浄液供給流路309を経由して下面洗浄液流出口307と側面洗浄液流出口308に供給される。下面洗浄液流出口307から洗浄液がZ軸方向に噴出し、側面洗浄液流出口308から洗浄液がXY平面に沿って噴出する。処理室20の内部の処理用液体および洗浄液は、流体排出口311から流体排出流路312を経由して流体排出装置313に排出される。
【0067】
図15Aに双方向矢印で示したように、流体流出口304や気体噴出口314をZ軸方向に沿って移動できるようにしてもよい。これにより、流体流出口304や気体噴出口314と搬送ブレード11との間隔を可変にして、搬送ブレード11に当てる処理用液体や処理用気体の圧力や流量を調整できる。
【0068】
上記のように、図15Aに示した除去装置200aは、搭載領域110に付着した異物を処理用液体および処理用気体により除去する。なお、処理用液体又は処理用気体のいずれかによって、異物を搭載領域110から除去してもよい。すなわち、異物除去工程が、搭載領域110の表面を液体により洗浄する工程と搭載領域110の表面に気体を吹き付ける工程のいずれか若しくは両方を含んでもよい。
【0069】
図15Aに示した半導体製造装置1においても、搬送ブレード11と搬送アーム12の接続が固定であってもよいし脱着自在な接続であってもよい。また、異物情報に基づいて除去タイミングを設定してもよい。
【0070】
(第4の実施形態)
図16Aに、第4の実施形態に係る半導体製造装置1の構成を示す。図16Aは、処理室20の搬送口側から見た半導体製造装置1の側面図である。図16Bは、Z軸方向から見た処理室20の平面図である。図16Aに示す半導体製造装置1は、搭載領域110の表面を物理的に擦ることにより搭載領域110に付着した異物を除去する除去装置200bを有する。
【0071】
除去装置200bは、搭載領域110の表面に接触させるブラシ324、ブラシ324を駆動するブラシ駆動部325、ブラシ駆動部325を制御するブラシ駆動装置326を備える。図16Aに示す半導体製造装置1は、除去装置200aの流体流出口304、流体供給流路305、流体供給装置306に換えて、ブラシ324、ブラシ駆動部325、ブラシ駆動装置326を備える点が、図15Aに示した半導体製造装置1と異なる。図16Aに示す半導体製造装置1のその他の構成は、図15Aに示す半導体製造装置1と同様である。
【0072】
除去装置200bを有する半導体製造装置1では、ブラシ駆動装置326の制御により、ブラシ324が搭載領域110の表面を擦るように、ブラシ駆動部325がブラシ324を駆動する。例えば、搭載領域110の表面に接触させたブラシ324がXY平面と平行に移動して、搭載領域110に付着した異物を除去する。また、図16Aに双方向矢印で示したように、ブラシ駆動部325は、ブラシ324が搭載領域110の表面と接触したり離間したりするように、Z軸方向に沿ってブラシ324の位置を調整する。図16Aでは、ブラシ324と搭載領域110の表面が離間した状態を示している。除去装置200bは、Z軸方向に沿ってブラシ324の位置を調整することにより、ブラシ324で搭載領域110の表面を擦る強さを調整できる。
【0073】
上記のように、異物除去工程が、搭載領域110の表面をブラシ324で擦って、異物を搭載領域110から擦り取る工程を含んでもよい。図16Aに示す半導体製造装置1は、処理用気体とブラシ324のいずれか若しくは両方によって異物を搭載領域110から除去してもよい。また、図16Aに示した半導体製造装置1においても、搬送ブレード11と搬送アーム12の接続が固定であってもよいし脱着自在な接続であってもよい。また、異物情報に基づいて除去タイミングを設定してもよい。
【0074】
以上に説明したように、第4の実施形態に係る半導体製造装置1は、搭載領域110の表面を物理的に擦ることにより搭載領域110に付着した異物を除去する。他は、第3の実施形態と実質的に同様であり、重複した記載を省略する。
【0075】
<変形例>
図17に示す半導体製造装置1は、搭載領域110に付着した異物を吸着することにより、搭載領域110に付着した異物を除去する。図17は、処理室20の搬送口側から見た半導体製造装置1の側面図である。図17に示す半導体製造装置1は、搭載領域110に付着した異物を吸着する除去装置200cを有する。除去装置200cは、搭載領域110の表面に対向して異物を吸着する吸着体327、吸着体327を駆動する吸着体駆動部328、吸着体駆動部328を制御する吸着体駆動装置329を備える。
【0076】
図17に示す半導体製造装置1は、除去装置200bのブラシ324、ブラシ駆動部325、ブラシ駆動装置326に換えて、吸着体327、吸着体駆動部328、吸着体駆動装置329を備える点が、図16Aに示した半導体製造装置1と異なる。図17に示す半導体製造装置1のその他の構成は、図16Aに示す半導体製造装置1と同様である。
【0077】
吸着体327は、例えば、異物を吸着する材料により構成されてもよい。その場合、吸着体駆動装置329の制御により、吸着体327が搭載領域110の表面に接触するように、吸着体駆動部328が吸着体327を駆動する。このように、搭載領域110の表面に異物を吸着する吸着体327を押し付けて、異物を搭載領域110から除去してもよい。或いは、真空吸着により異物を吸着体327に吸着してもよい。
【0078】
図17に双方向矢印で示したように、吸着体駆動部328がZ軸方向に沿って吸着体327の位置を調整することにより、吸着体327が搭載領域110の表面と接触したり離間したりするようにしてもよい。図17では、吸着体327と搭載領域110の表面が離間した状態を示している。
【0079】
上記のように、異物除去工程が、搭載領域110の表面の異物を吸着する工程を含んでもよい。図17に示す半導体製造装置1は、処理用気体と吸着体327のいずれか若しくは両方によって異物を搭載領域110から除去してもよい。また、図17に示す半導体製造装置1においても、搬送ブレード11と搬送アーム12の接続が固定であってもよいし脱着自在な接続であってもよい。また、異物情報に基づいて除去タイミングを設定してもよい。
【0080】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、書き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0081】
例えば、上記では、制御装置30の制御により異物除去工程を自動的に実行する例を説明したが、半導体製造装置1を操作する作業者が異物除去工程を実行してもよい。
【0082】
また、上記では、搭載領域110に配置したパッド111の上面が搬送ブレード11の搭載領域110である場合を説明した。しかし、搭載領域110はパッド111の上面に限られない。例えば、搬送ブレード11がパッド111を有さず、搬送ブレード11の上面が搭載領域110であってもよい。
(付記)
(付記1)
ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレード、および、前記搬送ブレードに接続して前記搬送ブレードの位置を調整する搬送アームを有する搬送装置と、
前記搬送ブレードを収納し、前記搭載領域に付着した異物を除去する処理室と
を備え、
前記処理室が、前記処理室の内部に前記搬送ブレードを搬入する搬送口と、前記搬送口を開閉するシャッターを有し、
前記シャッターに前記搬送アームを挟んだ状態で、前記搬送口を前記シャッターで閉じ、前記シャッターを閉じた状態で、前記処理室に収納した前記搬送ブレードの前記搭載領域に付着した前記異物を除去する、
半導体製造装置。
(付記2)
ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレード、および、前記搬送ブレードに接続して前記搬送ブレードの位置を調整する搬送アームを有する搬送装置と、
前記搬送ブレードを収納し、前記搭載領域に付着した異物を除去する処理室と
を備え、
前記搬送ブレードは前記搬送アームに脱着自在に接続され、
前記処理室が、前記処理室の内部に前記搬送ブレードを搬入する搬送口と、前記搬送口を開閉するシャッターを有し、
前記搬送アームから分離した前記搬送ブレードを前記処理室に収納し、かつ前記搬送アームが前記処理室の外側に位置した状態で、前記シャッターを閉じ、前記シャッターを閉じた状態で、前記処理室に収納した前記搬送ブレードの前記搭載領域に付着した前記異物を除去する、
半導体製造装置。
(付記3)
前記処理室の内部に発生させたプラズマにより、前記搭載領域に付着した前記異物を除去する、
付記1又は付記2に記載の半導体製造装置。
(付記4)
前記処理室が、前記ウェハに半導体装置を形成するためのウェハ処理を行うチャンバーと兼用である、付記1乃至付記3のいずれか1項に記載の半導体製造装置。
(付記5)
所定の除去タイミングで、ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレードを処理室に収納し、
前記処理室の内部で前記搭載領域に付着した異物を除去する異物除去工程を実行する
を含み、
前記除去タイミングを、前記ウェハの裏面に膜が形成される工程の直後に前記ウェハを前記搬送ブレードに搭載する回数に応じて設定する、半導体製造方法。
(付記6)
所定の除去タイミングで、ウェハを搭載する搭載領域が表面に定義された搬送ブレードを処理室に収納し、
前記処理室の内部で前記搭載領域に付着した異物を除去する異物除去工程を実行する
を含み、
一定の期間を経過するごとに前記異物除去工程を実行する、半導体製造方法。
(付記7)
ウェハを搭載する搭載領域の異物の付着状態を示す異物情報を取得し、
前記搭載領域が表面に定義された搬送ブレードを処理室に収納し、
前記処理室の内部で前記搭載領域に付着した前記異物を除去する異物除去工程を実行する
を含み、
前記異物情報が所定の判定条件を満たさない場合に、前記搬送ブレードを前記処理室に収納し、前記異物除去工程を実行する、半導体製造方法。
(付記8)
前記異物除去工程において、
前記処理室の内部にプラズマを発生させ、
前記プラズマに前記搭載領域を曝して、前記異物を前記搭載領域から除去する、
付記5乃至付記7のいずれか1項に記載の半導体製造方法。
(付記9)
前記異物除去工程が、前記搭載領域を液体により洗浄する工程、前記搭載領域に気体を吹き付ける工程、前記搭載領域をブラシで擦る工程、および、前記搭載領域の前記異物を吸着する工程の少なくともいずれかを含む、
付記5乃至付記8のいずれか1項に記載の半導体製造方法。
【符号の説明】
【0083】
1…半導体製造装置
10…搬送装置
11…搬送ブレード
12…搬送アーム
20…処理室
25…シャッター
30…制御装置
40…異物情報取得装置
100…ウェハ
110…搭載領域
200…除去装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15A
図15B
図16A
図16B
図17