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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141425
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】半導体製造方法および半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/28 20060101AFI20220921BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20220921BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20220921BHJP
   H01L 21/285 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
H01L21/28 301S
H01L21/90 B
H01L21/88 Q
H01L21/285 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041724
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100120385
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 健之
(72)【発明者】
【氏名】井手 謙一
【テーマコード(参考)】
4M104
5F033
【Fターム(参考)】
4M104BB30
4M104DD07
4M104DD43
4M104DD84
4M104FF18
4M104HH20
5F033JJ19
5F033JJ33
5F033KK01
5F033NN06
5F033NN07
5F033NN30
5F033NN32
5F033PP06
5F033QQ70
5F033RR04
(57)【要約】
【課題】凹部内に適切に配線を形成することができる半導体製造方法および半導体装置を提供する。
【解決手段】一の実施形態によれば、半導体製造方法は、基板の上方に設けられた少なくとも部分的に絶縁層を有する層の上面から下方に向かって凹部を形成することを含む。前記方法はさらに、凹部の内面上にシリコン膜を形成することを含む。前記方法はさらに、第1温度の下で、金属の原料ガスおよび金属の成長を抑制する抑制ガスにシリコン膜を晒して、凹部の上端側に位置するシリコン膜の第1部分を金属を含有する第1導電膜に置換することを含む。前記方法はさらに、第1温度よりも低い第2温度の下で、原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜を晒して、第1部分と異なるシリコン膜の第2部分を金属を含有する第2導電膜に置換することを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の上方に設けられた少なくとも部分的に絶縁層を有する層の上面から下方に向かって凹部を形成し、
前記凹部の内面上にシリコン膜を形成し、
第1温度の下で、金属の原料ガスおよび前記金属の成長を抑制する抑制ガスに前記シリコン膜を晒して、前記凹部の上端側に位置する前記シリコン膜の第1部分を前記金属を含有する第1導電膜に置換し、
前記第1温度よりも低い第2温度の下で、前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒して、前記第1部分と異なる前記シリコン膜の第2部分を前記金属を含有する第2導電膜に置換することを含む、半導体製造方法。
【請求項2】
前記第1導電膜および前記第2導電膜上に前記金属を含有する導電層を形成することを更に含む、請求項1に記載の半導体製造方法。
【請求項3】
前記第2温度の下で前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒すことで、前記第2部分が前記第2導電膜に置換され、かつ、前記第1導電膜および前記第2導電膜上に前記金属を含有する導電層が形成される、請求項1に記載の半導体製造方法。
【請求項4】
前記第1温度の下で前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒す時間は、前記第2温度の下で前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒す時間よりも短い、請求項1~3のいずれか1項に記載の半導体製造方法。
【請求項5】
基板の上方に設けられ、上面から下方に向かって凹部が設けられた少なくとも部分的に絶縁層を有する層と、
前記凹部の内面における上端側の第1範囲上に設けられ、金属および前記金属の成長を抑制する抑制物質を含有する第1導電膜と、
前記凹部の内面における第1範囲と異なる第2範囲上に設けられ、前記金属および前記抑制物質を含有する第2導電膜と、
前記第1導電膜および前記第2導電膜上に設けられ、前記金属を含有する導電層と、を備え、
前記第1導電膜は、前記第2導電膜よりも前記抑制物質の含有濃度が高い、半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体製造方法および半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造において、絶縁層に設けられた凹部内に配線を埋め込み形成する場合がある。この場合に、配線内に空洞が生じてしまう虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5745974号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
凹部内に適切に配線を形成することができる半導体製造方法および半導体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一の実施形態によれば、半導体製造方法は、基板の上方に設けられた少なくとも部分的に絶縁層を有する層の上面から下方に向かって凹部を形成することを含む。前記方法はさらに、凹部の内面上にシリコン膜を形成することを含む。前記方法はさらに、第1温度の下で、金属の原料ガスおよび金属の成長を抑制する抑制ガスにシリコン膜を晒して、凹部の上端側に位置するシリコン膜の第1部分を金属を含有する第1導電膜に置換することを含む。前記方法はさらに、第1温度よりも低い第2温度の下で、原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜を晒して、第1部分と異なるシリコン膜の第2部分を金属を含有する第2導電膜に置換することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態による半導体装置を示す断面図である。
図2】実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。
図3図2に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。
図4図3に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。
図5図4に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。
図6図5に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。
図7図6に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。
図8】第1の変形例による半導体装置を示す断面図である。
図9】第2の変形例による半導体装置を示す断面図である。
図10】第2の変形例による半導体製造方法を示す断面図である。
図11図10に続く、第2の変形例による半導体製造方法を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図1から図7において、同一または類似する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。図1は、実施形態による半導体装置1を示す図である。
【0008】
図1に示すように、実施形態による半導体装置1は、半導体基板2と、層間絶縁膜3と、配線層4とを備える。
【0009】
層間絶縁膜3は、半導体基板2の上方に設けられている。層間絶縁膜3には、層間絶縁膜3の上面31から下方に向かって凹部32が設けられている。凹部32の横方向の幅wは、凹部32の上端と下端との間の第1位置P1で最大となる。また、凹部32の幅wは、凹部32の上端から第1位置P1に向かうにしたがって増加する。また、凹部32の幅wは、第1位置P1から凹部32の下端に向かうにしたがって減少する。言い換えれば、凹部32の断面は略樽型、すなわち、略六角形状を有する。このように第1位置P1で最大幅となる凹部32の形状は、凹部32の幅wを均一に設計したとしてもプロセス上の要因によって得られる形状である。プロセス上の要因としては、例えば、凹部32をRIE(Reactive Ion Etching)法によって形成する場合に、凹部32のP1付近ではエッチングガスから側壁を守るエッチング時の副生成物の吸着が少ないこと、またエッチングイオンの斜め方向成分が入射しやすいことが挙げられる。また、凹部32の断面は、丸みを有していてもよい。凹部32は、幅wよりも高さhの方が大きい。凹部32は、ホールであってもよい。あるいは、凹部32は、幅方向に直交する奥行方向に延びる溝またはスリットであってもよい。層間絶縁膜3は、例えばシリコン酸化膜である。
【0010】
配線層4は、凹部32を埋めるように凹部32の内部に設けられている。配線層4は、バリアメタル膜41と、第1導電膜42と、第2導電膜43と、導電層44とを有する。
【0011】
バリアメタル膜41は、凹部32の内面上に全面にわたって設けられている。バリアメタル膜32は、例えば窒化チタン膜である。
【0012】
第1導電膜42は、バリアメタル膜41を介して凹部32の内面における上端側の第1範囲R1上に設けられている。第1範囲R1は、凹部32の内面における上端から第1位置P1よりも上側の第2位置P2までの範囲である。第1導電膜42は、金属および当該金属の成長を抑制する抑制物質を含有する。金属は、例えばタングステンである。抑制物質は、例えば窒素である。
【0013】
第2導電膜43は、バリアメタル膜41を介して凹部32の内面における第1範囲R1と異なる第2範囲R2上に設けられている。図1に示される例において、第2範囲R2は、凹部32の内面における第1範囲R1以外の全範囲である。第2導電膜43は、第1導電膜42に含有された金属と同じ金属(例えば、タングステン)を含有する。また、第2導電膜43は、第1導電膜42に含有された抑制物質と同じ抑制物質(例えば、窒素)を含有する。
【0014】
導電層44は、第1導電膜42および第2導電膜43上に設けられている。導電層44は、第1導電膜42に含有された金属と同じ金属(例えば、タングステン)を含有する。
【0015】
第1導電膜42は、第2導電膜43よりも抑制物質の含有濃度が高い。第1導電膜42における抑制物質の含有濃度が高いことで、導電層44内に空洞が生じることを抑制することができる。
【0016】
次に、図2図7を参照して、以上のように構成された半導体装置1の製造方法について説明する。
【0017】
図2は、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。まず、図2に示すように、半導体基板2上に設けられた層間絶縁膜3に対して、層間絶縁膜3の上面31から下方に向かって凹部32を形成する。凹部32は、例えばフォトリソグラフィ法またはRIE法によって形成する。凹部32を形成した後、図2に示すように、凹部32の内面上にバリアメタル膜41を形成する。バリアメタル膜41の形成は、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって窒化チタン膜を成膜することで行う。バリアメタル膜41を形成することで、凹部32への配線層4の密着性を確保し、かつ、配線層4に含有された金属の層間絶縁膜3内への拡散を抑制することができる。
【0018】
図3は、図2に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。バリアメタル膜41を形成した後、図3に示すように、バリアメタル膜41を介して凹部32の内面上にシリコン膜5を形成する。シリコン膜5は、例えばCVD法によって形成する。シリコン膜5を適切に導電膜42,43に置換させる観点から、シリコン膜5の膜厚は、好ましくは0.5~10nmである。
【0019】
図4は、図3に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。シリコン膜5を形成した後、図4に示すように、第1温度の下で、第1導電膜42に含有される金属(例えば、タングステン)の原料ガスおよび当該金属の成長を抑制する抑制ガスにシリコン膜5を暴露する。第1温度は、400℃以上であり、例えば、500℃であってもよい。第1温度を400℃以上とすることで、抑制物質の一例である窒素の第1導電膜42中の含有濃度を6[atomic%]以上の高濃度にすることができる。原料ガスは、例えば、六フッ化タングステン(WF)ガスである。抑制ガスは、既述した抑制物質の気体であり、例えば、窒素ガスである。第1温度の下で原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜5を暴露することで、図4に示すように、凹部32の上端側すなわち第1範囲R1上に位置するシリコン膜5の第1部分を、第1導電膜42に置換する。このとき、第1部分のみが第1導電膜42に置換されるように、原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜5を暴露する時間は比較的短い時間にする。第1温度の下での暴露時間は、例えば数秒であってもよい。シリコン膜5の第1導電膜42への部分的な置換は、例えばCVD法によって行う。
【0020】
図5は、図4に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。シリコン膜5を部分的に第1導電膜42に置換した後、図5に示すように、第1温度よりも低い第2温度の下で、上述した原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜5を暴露する。第2温度は、400℃未満であり、例えば、300℃であってもよい。第2温度を400℃未満とすることで、窒素の第2導電膜43中の含有濃度を6[atomic%]未満の低濃度にすることができる。第2温度の下で原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜5を暴露することで、図5に示すように、凹部32の第2範囲R2上に位置するシリコン膜の第2部分を第2導電膜43に置換する。第2部分が適切に第2導電膜43に置換されるように、原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜5を暴露する時間は第1温度の下での暴露の時間よりも長い時間にする。第2温度の下での暴露時間は、例えば数十秒であってもよい。シリコン膜5の第2導電膜43への部分的な置換は、例えばCVD法によって行う。
【0021】
これにより、抑制物質の含有濃度が高い第1導電膜42と、抑制物質の含有濃度が低い第2導電膜43とが形成される。
【0022】
図6は、図5に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。シリコン膜5を第1導電膜42および第2導電膜43に置換した後、図6に示すように、原料ガスを用いて凹部32を埋める導電層44を形成する。導電層44の形成は、例えばCVD法によって行う。
【0023】
ここで、もし、第1導電膜42および第2導電膜43上に導電層44が均一な成長速度で形成される場合、幅wが最大となる第1位置P1において凹部32が導電層44で埋まる前に、第1位置P1よりも上方の開口側において凹部32が導電層44で埋まってしまう。すなわち、凹部32内に原料ガスを導入するための凹部32の開口が導電層44によって閉塞されてしまう。凹部32の開口が閉塞されることで、以後の導電層44の成長が阻害され、この結果、第1位置P1側において導電層44に空洞が生じてしまう。
【0024】
これに対して、実施形態によれば、第1導電膜42は、導電層44を構成する金属(例えば、タングステン)の成長を抑制する抑制物質の含有濃度が高い。これにより、図6に示すように、導電層44は、第2導電膜43上に優先的に形成される。すなわち、凹部32の上端の開口側に位置する第1導電膜42上への導電層44の形成は抑制される。第1導電膜42上への導電層44の形成が抑制されることで、凹部32内が導電層44で埋められる前に凹部32の開口が導電層44で閉塞してしまうことを抑制することができる。
【0025】
なお、導電層44は、第2温度の下で原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜5を暴露する工程を継続することで形成されてもよい。このようにすることで、工数を削減することができる。
【0026】
図7は、図6に続く、実施形態による半導体製造方法を示す断面図である。図6に対して導電層44の形成をさらに進行することで、図7に示すように、第1導電膜42および第2導電膜43上に導電層44が形成される。第1導電膜42上への導電層44の形成を抑制して凹部32の上端の開口が導電層44で閉塞されることを抑制したことで、図7に示すように、導電層44内の空洞が抑制されている。
【0027】
以上述べたように、本実施形態によれば、第1温度の下で、原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜を晒して凹部32の上端側に位置するシリコン膜5の第1部分を第1導電膜42に置換し、第1温度よりも低い第2温度の下で、原料ガスおよび抑制ガスにシリコン膜5を晒して第1部分と異なるシリコン膜5の第2部分を第2導電膜43に置換することで、導電層44の空洞を抑制することができる。これにより、凹部32内に適切に配線層4を形成することができる。空洞が抑制された配線層4を形成することで、配線層4の電気的特性(抵抗値)および機械的強度を適切に確保することができる。
【0028】
上述した実施形態には、以下に示される複数の変形例を適用することができる。
【0029】
図8は、第1の変形例による半導体装置1を示す断面図である。図1では、凹部32の内面と第1導電膜42および第2導電膜43との間にバリアメタル膜41を有する半導体装置1について説明した。これに対して、図8に示すように、バリアメタル膜41を省略してもよい。第1の変形例によれば、製造工数およびコストを削減することができる。
【0030】
図9は、第2の変形例による半導体装置1を示す断面図である。図1では、層間絶縁膜3に設けられた凹部32内に配線層4が設けられた半導体装置1について説明した。これに対して、図9に示すように、配線層4は、絶縁層301と導電層302との積層体30の上面から下方に向かって設けられたスリット320内に設けられてもよい。図9に示される半導体装置1は、3次元半導体メモリである。絶縁層301は、例えばシリコン酸化膜である。導電層302は、例えばタングステンを含有する。
【0031】
第2の変形例による半導体装置1は、積層体30を貫通する柱状のメモリセル6を備える。メモリセル6は、メモリ膜(図示せず)と、メモリ膜の内側のシリコン柱(図示せず)とを有する。メモリ膜は、例えば、外側から順に、ブロック絶縁膜と、電荷蓄積層と、トンネル絶縁膜とを有する。配線層4は、配線層4の下端に接続されたソース線(図示せず)を上層配線(図示せず)に接続するために用いられる。また、スリット320は、後述する絶縁層301間の犠牲層303を導電層302にリプレースするために用いられる。
【0032】
図10は、第2の変形例による半導体製造方法を示す断面図である。第2の変形例による半導体基板1を製造するには、図10に示すように、半導体基板2上に、例えばCVD法によって絶縁層301と犠牲層303との積層体300を形成する。犠牲層303は、例えばシリコン窒化膜である。そして、例えばRIE法によって積層体300を貫通するメモリホール61を形成したうえで、メモリホール61内にメモリセル6を形成する。メモリセル6は、下層部の形成と上層部の形成との二段階で形成してもよい。さらに、例えばRIE法によって積層体300を貫通するスリット320を設ける。
【0033】
図11は、図10に続く、第2の変形例による半導体製造方法を示す断面図である。スリット320を形成した後、図11に示すように、スリット320を通したウェットエッチングによって積層体300から犠牲層303を選択的に除去する。
【0034】
犠牲層303を除去した後は、犠牲層303の除去によって形成された空洞内に、例えばCVD法によって導電層302を形成する。また、スリット320内に、図1図8と同様の手法で配線層4を形成する。
【0035】
第2の変形例によれば、3次元半導体メモリの製造工程において、スリット320内に適切に配線層4を形成することができる。
【0036】
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な装置および方法は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した装置および方法の形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
【0037】
(付記)
(1)基板の上方に設けられた少なくとも部分的に絶縁層を有する層の上面から下方に向かって凹部を形成し、
前記凹部の内面上にシリコン膜を形成し、
第1温度の下で、金属の原料ガスおよび前記金属の成長を抑制する抑制ガスに前記シリコン膜を晒して、前記凹部の上端側に位置する前記シリコン膜の第1部分を前記金属を含有する第1導電膜に置換し、
前記第1温度よりも低い第2温度の下で、前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒して、前記第1部分と異なる前記シリコン膜の第2部分を前記金属を含有する第2導電膜に置換することを含む、半導体製造方法。
(2)前記第1導電膜および前記第2導電膜上に前記金属を含有する導電層を形成することを更に含む、(1)に記載の半導体製造方法。
(3)前記第2温度の下で前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒すことで、前記第2部分が前記第2導電膜に置換され、かつ、前記第1導電膜および前記第2導電膜上に前記導電層が形成される、(1)に記載の半導体製造方法。
(4)前記第1温度の下で前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒す時間は、前記第2温度の下で前記原料ガスおよび前記抑制ガスに前記シリコン膜を晒す時間よりも短い、(1)~(3)のいずれかに記載の半導体製造方法。
(5)前記第1導電膜は、前記第2導電膜よりも前記抑制ガスの成分の濃度が高い、(1)~(4)のいずれかに記載の半導体製造方法。
(6)前記シリコン膜を形成する前に、前記凹部の内面上に金属膜を形成することを更に含む、(1)~(5)のいずれかに記載の半導体製造方法。
(7)前記金属は、タングステンである、(1)~(6)のいずれかに記載の半導体製造方法。
(8)前記原料ガスは、六フッ化タングステンガスであり、
前記抑制ガスは、窒素ガスである、(7)に記載の半導体製造方法。
(9)前記金属膜は、バリアメタル膜である、(6)に記載の半導体製造方法。
(10)前記第1温度は、400℃以上であり、
前記第2温度は、400℃未満である、(1)~(9)のいずれかに記載の半導体製造方法。
(11)前記シリコン膜は、0.5~10nmの厚みに形成される、(1)~(10)のいずれかに記載の半導体製造方法。
(12)前記凹部の幅は、前記凹部の上端と下端との間の第1位置で最大となり、前記上端から前記第1位置に向かうにしたがって増加し、前記第1位置から前記下端に向かうにしたがって減少する、(1)~(11)のいずれかに記載の半導体製造方法。
(13)前記第1部分は、前記凹部の上端から前記第1位置よりも上側の第2位置までの範囲上に形成された前記シリコン膜の部分である、(12)に記載の半導体製造方法。
(14)基板の上方に設けられ、上面から下方に向かって凹部が設けられた少なくとも部分的に絶縁層を有する層と、
前記凹部の内面における上端側の第1範囲上に設けられ、金属および前記金属の成長を抑制する抑制物質を含有する第1導電膜と、
前記凹部の内面における第1範囲と異なる第2範囲上に設けられ、前記金属および前記抑制物質を含有する第2導電膜と、
前記第1導電膜および前記第2導電膜上に設けられ、前記金属を含有する導電層と、を備え、
前記第1導電膜は、前記第2導電膜よりも前記抑制物質の含有濃度が高い、半導体装置。
(15)前記金属は、タングステンであり、
前記抑制物質は、窒素である、(14)に記載の半導体装置。
(16)前記絶縁層を有する層は、絶縁層と導電層との積層体である、(14)または(15)に記載の半導体装置。
【符号の説明】
【0038】
3:層間絶縁膜、31:上面、32:凹部、5:シリコン膜、42:第1導電膜、43:第2導電膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11