(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022141455
(43)【公開日】2022-09-29
(54)【発明の名称】フープ材接続装置
(51)【国際特許分類】
B65H 21/00 20060101AFI20220921BHJP
B65H 19/10 20060101ALI20220921BHJP
【FI】
B65H21/00
B65H19/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021041770
(22)【出願日】2021-03-15
(71)【出願人】
【識別番号】511165430
【氏名又は名称】三友セミコンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 啓介
(72)【発明者】
【氏名】▲ヒョウ▼ 興元
【テーマコード(参考)】
3F064
【Fターム(参考)】
3F064BA05
3F064BB03
3F064BB09
3F064BB17
3F064BB29
3F064BB31
(57)【要約】
【課題】供給先装置の搬送速度を変えることなく、フープ材の後端部及び後続のフープ材の先端部を接続可能なフープ材接続装置を提供する。
【解決手段】検出部1aにより後端部Eを検出すると同時に、後端部Eの近傍の第1のフープ材F1を保持部1bにより固定する。同時に、第1のフープ材F1の第1、第2の搬送部1c、1dによる搬送が停止される。メッキ処理装置3の搬送速度を変えることなく、定速でフープ材F1を搬送させるために、摺動部1eは搬送方向Dの逆方向に移動を開始する。終端部Eと先端部Sの溶着後に、保持部1bによるフープ材F1の固定を解除し、接続したフープ材Fの搬送を開始する。摺動部1eを以前の位置に戻すために、速い搬送速度でフープ材Fを第1、第2の搬送部1c、1dにより搬送させ、摺動部1eを以前の位置に移動させると同時に、通常時の搬送速度でフープ材Fを搬送させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のリール体から搬出されて先行する第1のフープ材の後端部と、第2のリール体から搬出される後続の第2のフープ材の先端部とを溶着により接続し、接続したフープ材を搬送するフープ材接続装置において、
前記後端部を検出する検出部と、
前記検出部により前記後端部を検出した際に、前記後端部近傍を挟持して固定すると供に、固定された前記後端部の位置調整を行う保持部と、
前記検出部による前記後端部の検出により、前記検出部の検出位置に移動して、前記第1のリール体から交換された前記第2のリール体の前記第2のフープ材の前記先端部と、前記保持部により固定された前記後端部を側方から撮影する撮影部と、
該撮影部の撮影位置に移動して、前記後端部及び前記先端部を溶着する溶着部とを備え、
前記撮影部の画像に基づいて、前記先端部に対して前記保持部により前記後端部の位置合わせを行った後に、前記溶着部によって前記先端部及び前記後端部を溶着することを特徴とするフープ材接続装置。
【請求項2】
前記溶着部は超音波を用いて前記後端部及び前記先端部を溶着することを特徴とする請求項1に記載のフープ材接続装置。
【請求項3】
前記フープ材を搬送し、前記検出部により前記後端部を検出した際に、前記フープ材の搬送を停止する搬送部と、前記検出部により前記後端部を検出した際に、前記フープ材の供給先装置の搬送速度を維持するように、搬送方向と逆方向に摺動する摺動部とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のフープ材接続装置。
【請求項4】
前記溶着部による前記後端部と前記先端部との溶着後には、前記保持部による前記第1のフープ材の固定を解除し、前記後端部を検出する前の搬送速度よりも速い搬送速度で前記搬送部により搬送させる共に、摺動した前記摺動部の位置を、前記後端部を検出する以前の位置に移動させることを特徴とする請求項3に記載のフープ材接続装置。
【請求項5】
前記搬送部は、第1の搬送部及び第2の搬送部から成り、前記第1の搬送部と第2の搬送部との間に、前記第1のフープ材を撓ませた撓み部を設けたことを特徴とする請求項3又は4に記載のフープ材接続装置。
【請求項6】
前記第1の搬送部は、前記フープ材を搬送する方向と逆方向に搬送可能であることを特徴とする請求項5に記載のフープ材接続装置。
【請求項7】
前記溶着部による前記後端部と前記先端部との接続後に、前記撓み部の撓んでいる長さが前記後端部を検出する以前の長さになるように、前記第1の搬送部の搬送速度を調整することを特徴とする請求項5又は6に記載のフープ材接続装置。
【請求項8】
前記溶着部は、前記第1、第2のフープ材の幅に対してピンポイントで溶着することを特徴とする請求項1~7の何れか1項に記載のフープ材接続装置。
【請求項9】
前記溶着部による前記後端部と前記先端部とを溶着する際は、接続箇所である接続部に対して位置ずれが発生しないように固定した後に、溶着接続を行うことを特徴とする請求項1~8の何れか1項に記載のフープ材接続装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先行するフープ材の後端部と、後続のフープ材の先端部とを接続するフープ材接続装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、加工中の第1フープ材の終端部と、次に供給する第2フープ材の始端部とを接続するフープ材接続装置が開示されている。このフープ材接続装置は、ピン材が連結するフープ材の終端部に、離脱防止凹部を有する係合形状の終端接続部を形成すると共に、終端接続部と結合できる形状の始端接続部を第2フープ材の始端部に形成し、これらの始端接続部及び終端接続部を結合させることで、第1フープ材と第2フープ材とを接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のフープ材接続装置のフープ材の供給先である圧入機は、第1フープ材の終端部と次に供給される第2フープ材の始端部とを接続する接続処理時には動作が停止する。
【0005】
しかし、フープ材接続装置のフープ材の供給先の装置は、必ずしも上述の圧入機のようにフープ材の搬送を停止可能な装置とは限らず、フープ材に並列に付設する電気部品に対してメッキ処理を行うメッキ処理装置であることもある。フープ材の供給先がメッキ処理装置の場合には、メッキ処理時のメッキの膜厚のばらつき防止のために、フープ材の搬送を停止することができないので、特許文献1のフープ材接続装置では、その供給先としてメッキ処理装置を設置することができない。
【0006】
また、不具合が発生し、リール体からフープ材をカッタ等により切断し、切断後の端部に始端接続部のないフープ材については、特許文献1のフープ材接続装置では、第1フープ材と第2フープ材とを接続することができないという問題もある。
【0007】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、フープ材の供給先装置の搬送速度を変えることなく、先行するフープ材の後端部と後続のフープ材の先端部とを接続可能なフープ材接続装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明に係るフープ材接続装置は、第1のリール体から搬出されて先行する第1のフープ材の後端部と、第2のリール体から搬出される後続の第2のフープ材の先端部とを溶着により接続し、接続したフープ材を搬送するフープ材接続装置において、前記後端部を検出する検出部と、前記検出部により前記後端部を検出した際に、前記後端部近傍を挟持して固定すると供に、固定された前記後端部の位置調整を行う保持部と、前記検出部による前記後端部の検出により、前記検出部の検出位置に移動して、前記第1のリール体から交換された前記第2のリール体の前記第2のフープ材の前記先端部と、前記保持部により固定された前記後端部を側方から撮影する撮影部と、該撮影部の撮影位置に移動して、前記後端部及び前記先端部を溶着する溶着部とを備え、前記撮影部の画像に基づいて、前記先端部に対して前記保持部により前記後端部の位置合わせを行った後に、前記溶着部によって前記先端部及び前記後端部を溶着することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るフープ材接続装置によれば、フープ材の供給先装置の搬送速度を変えることなく、先行する第1のフープ材の後端部と、後続の第2のフープ材の先端部とを接続させて1本化することが可能である。また、途中で後続のフープ材をカッタ等により切断した場合であっても、先行するフープ材に接続が可能であり、寸法の異なるフープ材同士を接続させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】上方から見たフープ材接続装置の配置図である。
【
図2】側方から見たフープ材接続装置の配置図である。
【
図3】第1のフープ材の後端部と、後続の第2のフープ材の先端部とを接着する際のフローチャート図である。
【
図4】フープ材接続処理の第1段階のフープ材接続装置の説明図である。
【
図5】フープ材接続処理の第2段階のフープ材接続装置の説明図である。
【
図6】フープ材接続処理の第3段階のフープ材接続装置の説明図である。
【
図7】フープ材の接続を完了した際のフープ材接続装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は上方から見たフープ材接続装置1の配置図であり、
図2は側方から見た配置図である。フープ材接続装置1は、リール体交換装置2から搬出されたテープ状のフープ材Fを、メッキ処理装置3に搬送する装置である。このフープ材Fは、幅5mm程度のテープ材であり、上端に1mm程度の電気部品、例えば小型通信機器で使用される接続端子が連続して並列に付設されている。数100mの長さのフープ材Fが円盤状のリール体Rに巻回され、複数のリール体Rがリール体交換装置2に装填されている。
【0012】
これらの複数のリール体Rは、上下に重ねられてリール体交換装置2に装填されており、フープ材接続装置1に対して、第1のリール体R1から第1のフープ材F1が繰り出されている。
図1、
図2ではメッキ処理装置3に向かう方向を、フープ材F1を搬送する搬送方向Dとして図示している。
【0013】
第1のフープ材F1の搬出が完了すると、第1のリール体R1が装填されている位置に、上方にセットされた第2のリール体R2が図示しないモータの駆動により移動する。装填された第2のリール体R2から第2のフープ材F2の先端部Sが前方に予め引き出され、この先端部Sが固定部2aにより固定された状態で、下方に移動される。
【0014】
フープ材Fが巻回されているリール体Rは、
図2に示すように複数段、例えば3段に設置され、最上段のリール体Rに交換後は、下側に新たに装填されたリール体Rが上昇移動を開始する。このように、リール体交換装置2では定期的に新たに装填されたリール体Rが上昇、下降を繰り返すことで、空になったリール体Rからフープ材Fが巻回されているリール体Rに交換することが可能である。
【0015】
フープ材接続装置1は、搬送している第1のフープ材F1の後端部Eを検出する検出部1aと、このフープ材F1の後端部Eの近傍部分を挟持して固定する保持部1bと、フープ材F1を所定の速度で、例えば30m/分でメッキ処理装置3側に搬送する第1の搬送部1c及び第2の搬送部1dから成る搬送部と、搬送方向Dに対する前後方向、
図1、
図2においては、左右方向に摺動可能な摺動部1eとを備えている。
【0016】
検出部1aの搬送方向Dの下流近傍には、保持部1bが設置され、この保持部1bの更に下流側に、第1の搬送部1c、第2の搬送部1d、摺動部1eの順に配置されている。
【0017】
検出部1aは例えば送光部1fと受光部1gとから構成され、フープ材F1の搬送時にはフープ材F1により遮光され、送光部1fからの光を受光部1gが受光することがない。従って、検出部1aは受光部1gが受光しない場合には、フープ材F1の後端部Eを検出していないと判定し、受光部1gが送光部1fからの光を受光した場合には、フープ材F1の後端部Eを検出したと判定する。
【0018】
保持部1bには、フープ材F1を挟持して固定する固定機構の他に、固定したフープ材F1に対して前後上下に移動させると共に、搬送方向Dに対して傾くように回転させる位置調整機構も備えている。この位置調整機構は、例えば複数の小型モータ等の駆動制御により作動し、固定したフープ材F1の後端部Eを任意の位置に微調整することが可能である。
【0019】
第1、第2の搬送部1c、1dは、それぞれ一対のローラ体から構成され、これらのローラ体がフープ材F1を挟持して、ローラ体の軸部に連結するモータ部1hの駆動によって、フープ材F1が搬送方向Dに搬送される。また、これらの第1、第2の搬送部1c、1dは、それぞれ独立してフープ材F1の搬送速度を制御可能であり、第1の搬送部1cは、ローラ体を反対方向に回転させる、つまりフープ材F1を搬送方向Dの逆方向に移動させることもできる。保持部1bによるフープ材F1の位置調整に応じて、第1の搬送部1cのモータ部1hによって前後の搬送制御が行われる。
【0020】
第2の搬送部1dの下流側には、フープ材F1を周回した状態で、前後方向、つまり搬送方向D及び搬送方向Dの逆方向に摺動可能な2個の摺動部1eが配置されている。フープ材F1は2個の固定ドラム部1iと2個の摺動部1eとに交互に周回されている。このように配置することで、空間を効率的に利用することが可能であり、設置個所のスペースに応じて、摺動部1eを1個のみ又は3個以上配置するようにしてもよい。
【0021】
フープ材接続装置1の後続方向にはメッキ処理装置3が配置されており、フープ材接続装置1から搬送されるフープ材F1に付された電気部品に対して、メッキ槽を通過させることでメッキ処理を施す。メッキ処理装置3はメッキ処理時のメッキの膜厚のばらつき防止のために、図示しない搬送部により定速度でフープ材F1を搬送し続ける必要がある。
【0022】
図2に示すように検出部1aの直下には、フープ材F1を搬送方向Dに対して側方から撮影する撮影部1jと、この撮影部1jの直下であって、重ねられたフープ材Fを両側から挟み込むようにして、例えば超音波によって溶着する溶着部1kとが配置されている。
【0023】
これらの検出部1a、撮影部1j及び溶着部1kは、上下方向に対して適宜に任意の順序で配置してもよく、これらの各部は制御部1lによって上下方向に移動することで、フープ材F1の側方に位置するように制御されている。制御部1lには演算処理部が内蔵されており、フープ材接続装置1の各部の各種制御を、制御線等を介して行っている。
【0024】
第1の搬送部1c及び第2の搬送部1dとの間には、フープ材F1を周回する一対の固定ドラム部1iが配置され、この一対の固定ドラム部1i間にはフープ材F1を撓ませた撓み部F0が配置されている。この撓み部F0は、第1の搬送部1c及び第2の搬送部1dの速度制御により、一定の撓み状態で所定の長さが維持されている。
【0025】
図3は先行する第1のフープ材F1の後端部Eと、後続の第2のフープ材F2の先端部Sとを接着する場合の制御部1lの処理を示すフローチャート図である。
図1、
図2に示す第1のリール体R1から第1のフープ材F1の繰り出しが完了すると、フロー処理が開始される。ステップST1では、制御部1lにおいて検出部1aから第1のフープ材F1の後端部Eの検出信号の入力を確認する。この検出信号の入力に基づいて、ステップST2に移行する。
【0026】
ステップST2では、
図4に示す第1段階の途中経過のように、検出部1aにより後端部Eを検出すると同時に、第1のフープ材F1の後端部Eの近傍の第1のフープ材F1を保持部1bにより挟持して固定する。保持部1bにより第1のフープ材F1を固定すると同時に、モータ部1hを停止させて、第1のフープ材F1の第1、第2の搬送部1c、1dによる搬送を停止させる。
【0027】
続いて、ステップST3に移行し摺動部1eを摺動させる。メッキ処理装置3に設けた図示しない搬送部により、フープ材F1の搬送速度を変えることなく、一定速度でフープ材F1を搬送させるために、2個の摺動部1eは搬送方向Dの逆方向に所定速度で移動を開始する。このように、摺動部1eの摺動速度を制御することで、メッキ処理装置3の搬送部の搬送速度を維持した状態で、メッキ処理装置3にフープ材F1の供給を継続することができる。
【0028】
ステップST4では、検出部1aによる第1のフープ材F1の後端部Eの検出に基づいて、制御部1lはリール体交換装置2に対して、第1のリール体R1から第2のリール体R2に交換させる制御信号を出力する。
【0029】
この制御信号に基づくリール体交換装置2の交換処理は、第2のフープ材F2の先端部Sが予め引き出された第2のリール体R2を、第1のリール体R1が配置された位置に下降移動することで完了する。これらのリール体Rの交換に併せて、フープ材接続装置1では、フープ材F1を搬送方向Dの側方から撮影可能な位置まで、撮影部1jを検出部1aの場所に上昇移動させる。
【0030】
ステップST4において、第2のリール体R2に交換した後に、ステップST5では、
図5に示す第2段階の途中経過のように、検出部1aの検出位置に上昇移動した撮影部1jによって側方から撮影された画像に基づいて、画像内の第2のフープ材F2の先端部Sに対して、第1のフープ材F1の後端部Eの位置調整を、保持部1bの位置調整機構を用いて行う。
【0031】
この位置調整では、撮影部1jの第2のフープ材F2の先端部Sを画像処理により認識し、先端部Sに対して第1のフープ材F1の後端部Eが平行に重なるように、保持部1bによる第1のフープ材F1の前後上下の移動及び傾きの回転を行う処理、及び第1の搬送部1cとモータ部1hとによる前後の微小距離の搬送制御処理によって、後端部Eの位置調整を行う。なお、第1の搬送部1cのモータ部1hが逆回転をしても、撓み部F0が存在するため、第1のフープ材F1が搬送方向Dの逆方向に引っ張られて切断や破損されることはない。
【0032】
このようにして、第2のフープ材F2の先端部S対して、第1のフープ材F1の後端部Eが、直線状に重なるように位置合わせが完了した後に、ステップST6に移行する。
【0033】
ステップST6では、
図6に示す第3段階の途中経過のように、溶着部1kを撮影部1jの撮影位置まで上昇移動させた後に、直線状に重なるように配置されている後端部E及び先端部Sに対して、接続箇所である接続部の位置ずれが発生しないように、確実に固定した後に、超音波を用いて側方から挟むようにして溶着接続する。この超音波による溶着は、フープ材F1の幅の数分の1程度、例えば10mmの幅のフープ材F1に対して3mm程度の幅で溶着すれば十分である。
【0034】
このように、溶着部1kはフープ材Fの幅に対して数分の1程度の狭い幅のピンポイントで溶着するので、例えば第1のフープ材F1と第2のフープ材F2とが異なる電気部品のフープ材Fであり、フープ材Fの幅が異なっていても、両フープ材Fを直線状に重なるように配置させることで、フープ材Fを接続させることが可能である。
【0035】
後端部Eと先端部Sとの溶着後にステップST7に移行し、ステップST7では、保持部1bによるフープ材F1の固定を解除する。そして、モータ部1hを駆動させて、第1、第2の搬送部1c、1dにより、接続したフープ材Fの搬送を開始する。
【0036】
同時に、2個の摺動部1eの搬送方向Dへの摺動を開始する。摺動部1eをステップST3以前の位置に戻すために、設定された通常時の搬送速度よりも速い搬送速度で、フープ材Fを第1、第2の搬送部1c、1dにより搬送させる。
【0037】
最後にステップST8では、
図7に示すフープ材Fの接続が完了した際のように、摺動部1eを
図1に示すステップST3以前の位置に移動させると同時に、第1、第2の搬送部1c、1dによって通常時の搬送速度でフープ材Fを搬送させる。また、第1の搬送部1cについては、より速い搬送速度から通常時の搬送速度に戻すタイミングをずらすことで、撓み部F0について第1のフープ材F1の後端部Eの位置調整する前の撓み状態の長さまで調整する。また、溶着後にフープ材Fから離間した溶着部1kを下降移動させて、第2のフープ材F2の側方に、送光部1fと受光部1gが位置するまで検出部1aが移動してから、検出部1aを起動させる。このようにして、
図3に示すフロー処理が完了し、
図1、
図2の状態に戻ることになる。このフロー処理は、リール体Rからフープ材Fの繰り出しが完了する度に、繰り返される。
【0038】
このようにして、フープ材接続装置1を用いることで、メッキ処理装置3等の供給先装置の搬送速度を変えることなく、先行する第1のフープ材F1の後端部Eと、後続の第2のフープ材F2の先端部Sとを接続させて1本化することが可能である。また、途中で後続の第2のフープ材F2をカッタ等により切断した場合であっても、先行する第1のフープ材F1に接続可能であり、寸法の異なるフープ材F同士を接続させることもできる。
【符号の説明】
【0039】
1 フープ材接続装置
1a 検出部
1b 保持部
1c 第1の搬送部
1d 第2の搬送部
1e 摺動部
1j 撮影部
1k 溶着部
2 リール体交換装置
3 メッキ処理装置
D 搬送方向
E 後端部
F フープ材
F1 第1のフープ材
F2 第2のフープ材
R リール体
R1 第1のリール体
R2 第2のリール体
S 先端部